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特許7134801ケーブル懸架式プラットフォームを用いた構造体を測定及び検査するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ケーブル懸架式プラットフォームを用いた構造体を測定及び検査するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
G01B11/00 Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018172018
(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2019078746
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】15/714,662
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/833,094
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トロイ, ジェームズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョージソン, ゲイリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】レア, スコット ダブリュ.
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-211258(JP,A)
【文献】特開平11-270136(JP,A)
【文献】特開2014-132437(JP,A)
【文献】特表2016-526673(JP,A)
【文献】特開2004-037440(JP,A)
【文献】米国特許第10471590(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 3/00- 3/32
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器支持部材(36)、前記機器支持部材に取り付けられたパンチルト機構(120)、前記パンチルト機構に取り付けられたカメラ(130)、及び前記カメラに固定されたレーザ範囲メーター(138)を含むケーブル懸架式プラットフォーム(16,18)を使用して、基準フレーム内の対象物(102)の上の対象となる点の位置を計算するための方法であって、
(a)前記機器支持部材に接続され、複数のアンカー点(10a-d)のそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブル(6a-d)から、前記ケーブル懸架式プラットフォームを懸架することと、
(b)前記基準フレームに対して前記パンチルト機構を較正することと、
(c)前記カメラが対象物の範囲内にあるよう前記機器支持部材を移動させるように前記複数のケーブルの繰り出された部分の長さを制御することと、
(d)前記複数のケーブルの前記繰り出された部分の前記長さに部分的に基づいて、それぞれのアンカー点からの前記機器支持部材の中心点のそれぞれの距離を測定することと、
(e)前記レーザ範囲メーターを前記対象物上の対象となる点に向けるように前記パンチルト機構を制御することと、
(f)前記レーザ範囲メーターが前記対象となる点に向けられる間、前記パンチルト機構のパン角及びチルト角を測定することと、
(g)前記レーザ範囲メーター及び前記対象となる点を分離する距離を測定することと、
(h)前記距離及び角度の測定値を前記基準フレーム内の前記対象となる点の前記位置を表す直交座標ベクトルに変換することと
を含む方法。
【請求項2】
前記基準フレームが、前記対象物の基準フレームであり、ステップ(b)が、
前記機器支持部材が静止している間、異なる時間に前記対象物上の3つ以上の較正点(5a-c)に前記レーザ範囲メーターを向けることと、
前記パンチルト機構の基準フレームから前記対象物の前記基準フレームへの変換を表す較正行列(
)を計算することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(b)が、
前記レーザ範囲メーターが各較正点に向けられる間、前記パンチルト機構の前記パン角及びチルト角を測定することと、
前記レーザ範囲メーターが各較正点に向けられる間、前記レーザ範囲メーターと各較正点とを分離する前記距離を測定することと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準フレームが、前記複数のケーブルのそれぞれのケーブルを支持する複数の少なくとも3つのアンカー点の基準フレームであり、ステップ(b)が、
前記機器支持部材が静止している間、異なる時間に前記複数のアンカー点のうちの3つ以上のアンカー点にレーザ範囲メーターを向けることと、
前記パンチルト機構の基準フレームから前記複数のアンカー点の前記基準フレームへの変換を表す較正行列(
)を計算することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)が、
前記レーザ範囲メーターが各アンカー点に向けられる間、前記パンチルト機構の前記パン角及びチルト角を測定することと、
前記レーザ範囲メーターが各アンカー点に向けられる間、前記レーザ範囲メーターと各アンカー点とを分離する前記距離を測定することと
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
構造体(102)を検査及び測定するための方法であって、
(a)構造体の近傍のケーブル(6a-d)からケーブル懸架式プラットフォーム(16,18)を懸架することと、
(b)前記構造体に向かって移動するように、前記ケーブル懸架式プラットフォームを制御することと、
(c)前記ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、前記構造体の表面上の第1及び第2のスポット(106,108)それぞれから前記第1及び第2のレーザ範囲メーターをそれぞれ分離する第1及び第2の距離を繰り返し測定するために、前記ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された第1及び第2のレーザ範囲メーター(138a,b)を使用することと、
(d)少なくとも前記第1及び第2の距離に基づいて、前記ケーブル懸架式プラットフォームを前記構造体から分離する分離距離を計算することと、
(e)前記分離距離が目標オフセットに等しいかどうかを判定することと、
(f)前記分離距離が前記目標オフセットに等しいというステップ(e)の決定に応じて、前記構造体から前記分離距離だけ分離した第1の位置に留まるように、前記ケーブル懸架式プラットフォームを制御することと、
(g)前記ケーブル懸架式プラットフォームが前記第1の位置にある間、前記構造体の第1の画像を取り込むために、前記ケーブル懸架式プラットフォームに搭載されたカメラ(130)を使用することと、
(h)前記第1の画像をディスプレイスクリーン(152)に表示することと
を含む方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の距離が前記目標オフセットに等しく、
前記分離距離及び前記カメラの視野に少なくとも部分的に基づいて、前記ディスプレイスクリーンに表示されると、前記第1の画像のスケールファクタを計算することと、
前記ディスプレイスクリーンに表示された前記第1の画像に重畳されたスケールインジケータを表示すること
を更に含み、前記スケールインジケータの値又は長さが前記スケールファクタを表す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ケーブル懸架式プラットフォームから前記第1の画像を表す画像データを含むメッセージを送信することと、
制御ステーション(150)で前記メッセージを受信することと、
前記メッセージから前記第1の画像を表す前記画像データを抽出することと
を更に含み、
前記ディスプレイスクリーン上に前記第1の画像を表示することが、前記画像データにしたがって前記ディスプレイスクリーンのピクセルの状態を制御することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記分離距離を維持しながら、第2の位置に移動するように、前記ケーブル懸架式プラットフォームを制御することと、
前記ケーブル懸架式プラットフォームが前記第2の位置にある間、前記構造体の第2の画像を取り込むために、前記カメラを使用することと、
前記第2の画像を前記ディスプレイスクリーンに表示することと
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2の画像がそれぞれ、前記構造体の表面上の部分的に重畳する又は連続する領域を表す第1及び第2の組の画像データを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1及び第2の距離に基づいて、前記構造体の前記表面上の前記第1及び第2のスポットを結ぶ線に対する前記カメラの焦点軸の配向角度を計算することと、
前記分離距離及び前記配向角度に少なくとも部分的に基づいて、前記ディスプレイスクリーンに表示されると、前記第1の画像のスケールファクタを計算することと、
前記第1の画像上に重畳されたスケールインジケータを表示することと
を更に含み、前記スケールインジケータの値又は長さが前記スケールファクタを表す、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、第3のレーザ範囲メーターを前記構造体の表面上の第3のスポットから分離する第3の距離を繰り返し測定するために、前記ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された前記第3のレーザ範囲メーター(138)を使用することを更に含み、
前記分離距離が、前記第1、第2及び第3の距離に基づいて計算される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記第1、第2及び第3の距離に基づいて、前記構造体の前記表面上の前記第1、第2及び第3のスポットによって画定される平面に対する前記カメラの焦点軸の第1及び第2の配向角度を計算することと、
前記分離距離及び前記第1及び第2の配向角度に基づいて、前記ディスプレイスクリーンに表示されると、前記第1の画像のスケールファクタを計算することと、
前記第1の画像上に重畳されたスケールインジケータを表示することと
を更に含み、前記スケールインジケータの値又は長さが前記スケールファクタを表す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
構造体を検査及び測定するためのシステムであって、
少なくとも2つのアンカー点(10a,b)と、
それぞれのアンカー点によって各々が支持されている、少なくとも2つのプーリ(12a,b)と、
少なくとも2つのスプール(8a,b)と、
それぞれのスプールを回転駆動するために各々が動作可能に連結されている、少なくとも2つのスプールモータ(116)と、
それぞれのスプールの漸進的角移動を検出するように各々が動作可能に連結されている、少なくとも2つの回転エンコーダ(118)と、
剛性支持構造体(4a,b)、前記剛性支持構造体に取り付けられたパンチルト機構(120)、前記パンチルト機構に取り付けられたカメラ(130)、及び前記カメラに取り付けられたレーザ範囲メーター(138)を含む、プラットフォーム(16,18)と、
それぞれのスプール周囲に巻き付けられた第1の部分と、それぞれのプーリに接触している第2の部分とを各々が有している、前記剛性支持構造体に結合された少なくとも2つのケーブル(6a,b)と、
前記パンチルト機構及び前記スプールモータの動作を制御し、前記カメラ及びレーザ範囲メーターを選択的に起動するように構成されたコンピュータシステム(112,150,162)と、
前記コンピュータシステムと制御ステーションとの間の通信を可能にするように構成されたトランシーバ(74,160)と
を含み、
前記コンピュータシステムが、前記カメラからの画像データ、前記パンチルト機構からのパン及びチルト角データ、前記レーザ範囲メーターからの距離データ、並びに前記回転エンコーダからの回転データを受信し、
構造体に対する前記プラットフォームの第1の位置を決定し、
前記プラットフォームを前記第1の位置から第2の位置に移動させ、前記カメラが目標オフセットによって前記構造体の表面から分離されるように、前記スプールモータを制御する命令を送信する
ように更に構成される、システム。
【請求項15】
前記剛性支持構造体が、機器支持部材(36)と、前記機器支持部材に取り付けられた又は前記機器支持部材と一体的に形成されたケーブル取り付けリング(35)とを含み、前記ケーブル取り付けリングに取り付けられたケーブルの数が少なくとも3つである、並びに
前記剛性支持構造体が、前記機器支持部材(36)と、前記機器支持部材に取り付けられた又は前記機器支持部材と一体的に形成されたトロリー(32)とを含み、前記トロリーに取り付けられたケーブルの数が2つであり、前記アンカー点の数が2つであり、2つの前記アンカー点を結合する第3のケーブルを更に備え、前記トロリーが、前記第3のケーブル上を転動する第1及び第2のローラを含む
のうちの少なくとも一方である、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、航空機などの大きな構造の修理及び保守管理のための位置測定に関する。より詳細には、本開示は、輸送体との物理的接触を必要としない航空機などの輸送体の非破壊測定及び検査のためのローカル測位システム及び方法に関する。
【0002】
航空機の外板など、輸送体に修理作業が必要な場合、輸送体の最適修理のための構造的異常のサイズ、形状、位置を考慮する必要がありうる。構造異常の写真を作成されうるが、対象物に正確に位置やサイズを設定できないことや、修理計画に役立たないことがある。対象物上の対象となる位置の分析中、対象物に接触することなく測定情報を得ることが望ましい場合がある。アクセス可能性及び/又は接触の制約のため、位置測定を得るために対象となる位置に到達することが困難なことがある。したがって、ローカル測位システムが、対象物に接触することなく、かつ対象物を起点に中距離から長距離で測定可能であることは有利である。
【発明の概要】
【0003】
大型の民間飛行機などの構造体又は輸送体の構造的異常の場所を発見し正確に測定することは、面倒な作業でありうる。この問題に対処するための効率的かつ自動化されたプロセスは、大型の輸送体及び構造体の構築及び維持に関与する多くの組織にとって有益であろう。
【0004】
以下で詳細に開示される主題は、対象物までの距離を測定し、遠隔操作されるケーブル懸架式プラットフォームを使用して環境内の対象物の3次元座標、スケール情報、及びポイントツーポイントの距離情報を取得するためのシステム及び方法を対象にする。測定システムは、データを取得し、次にコンピュータ処理技術を使用し、対象物上の点の3次元の座標若しくは点の間の距離又は対象物のスケールの離散的又は連続的な測定値を提供するために、搭載センサを使用する。
【0005】
ケーブル懸架式プラットフォームを使用して非破壊検査を受ける対象物についての点又はスケール及びポイントツーポイント距離情報の3次元座標情報を取得するためのシステム及び方法の様々な実施形態の詳細は後述するが、それらの実施形態は、以下の態様のうちの一又は複数によって特徴付けられてもよい。
【0006】
以下に詳細に開示される主題の1つの態様は、機器支持部材、機器支持部材に取り付けられたパンチルト機構、パンチルト機構に取り付けられたカメラ、及びカメラに固定されたレーザ範囲メーターを含むケーブル懸架式プラットフォームを使用して、基準フレーム内の対象物の上の対象となる点の位置を計算するための方法であって、(a)機器支持部材に結合され、複数のアンカー点のそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)パンチルト機構を基準フレームに対して較正すること、(c)カメラが対象物の範囲内にあるように、機器支持部材を移動させるように複数のケーブルの繰り出された部分の長さを制御すること、(d)複数のケーブルの繰り出し部分の長さの一部に基づいて、各アンカー点から機器支持部材の中心点のそれぞれの距離を測定すること、(e)パンチルト機構を制御して、レーザ範囲メーターを対象物上の対象となる点に向けること、(f)レーザ範囲メーターが対象となる点を目標としている間にパンチルト機構のパン角及びチルト角を測定すること、(g)レーザ範囲メーターと対象となる点とを分離する距離を測定すること、及び(h)距離及び角度の測定値を基準フレーム内の対象となる点の位置を表す直交座標ベクトルに変換すること
を含む方法である。
【0007】
前段落に記載された方法の一実施形態によれば、基準フレームは、対象物の基準フレームであり、ステップ(b)は、機器支持部材が静止している間にレーザ範囲メーターを異なる時間に対象物上の3つ以上の較正点に向けることと、パンチルト機構の基準フレームから対象物の基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む。1つの提案された実施態様では、ステップ(b)は、レーザ範囲メーターが各較正点に向けられる間にパンチルト機構のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーターが各較正点に向けられる間、レーザ範囲メーターと各較正点とを分離する距離を測定することとを更に含む。
【0008】
代替的実施形態によれば、基準フレームが、複数のケーブルのそれぞれのケーブルを支持する複数のアンカー点の複数の少なくとも3つの非線形アンカー点の基準フレームであり、ステップ(b)が、機器支持部材が静止している間、レーザ範囲メーターを、異なる時間に複数のアンカー点の3つ以上のアンカー点に向けることと、パンチルト機構の基準フレームから複数のアンカー点の基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む。1つの提案された実施態様では、ステップ(b)は、レーザ範囲メーターが各アンカー点に向けられる間、パンチルト機構のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーターが各アンカー点に向けられる間、レーザ範囲メーターと各アンカー点とを分離する距離を測定することとを更に含む。
【0009】
以下に詳細が開示される主題の別の態様は、構造体の検査及び測定のための方法であって、(a)構造体の近傍のケーブルからにケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)構造体に向かって移動するようにケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、構造体の表面上の第1及び第2のスポットそれぞれから第1及び第2のレーザ範囲メーターをそれぞれ分離する第1及び第2の距離を繰り返し測定するために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された第1及び第2のレーザ範囲メーターを使用すること、(d)少なくとも第1及び第2の距離に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームを構造体から分離する第1の分離距離を計算すること、(e)第1の分離距離が目標オフセットに等しいかどうかを判定すること、(f)分離距離が目標オフセットに等しいというステップ(e)の決定に応じて、構造体から第1の分離距離だけ分離した第1の位置に留まるように、ケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、構造体の第1の画像を取り込むために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載されたカメラを使用すること、並びに(h)第1の画像をディスプレイスクリーンに表示することを含む方法である。一実施形態によれば、方法は、第1及び第2の距離に基づいて、構造体の表面上の第1及び第2のスポットを結ぶ線に対するカメラの焦点軸の配向角度を計算することと、分離距離及び配向角度に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイスクリーンに表示されると、第1の画像のスケールファクタを計算することと、画像上に重畳されたスケールインジケータを表示することとを更に含み、スケールインジケータの値又は長さがスケールファクタを表す。
【0010】
以下に詳細が開示される主題の更なる態様は、構造体を検査及び測定するための方法であって、(a)構造体の近傍のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)構造体から分離した位置に移動し、その後そこに留まるようにケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォーム上に旋回可能に搭載された第1及び第2のレーザポインタを構造体の表面に向けて平行に方向付けることであって、第1及び第2のレーザポインタのそれぞれの旋回軸が、固定された距離によって分離されている、方向付けること、(d)ケーブル懸架式プラットフォームがある位置にある間、第1及び第2のスポット上に互いに平行なレーザビームをそれぞれ送信するために、相互に平行な第1及び第2のレーザポインタを使用すること、(e)第1及び第2のスポットを含む構造体の表面の一部分の第1の画像を取り込むために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載されたカメラを初めて使用すること、(f)第1及び第2のレーザポインタがもはや平行でないように、ケーブル懸架式プラットフォームが所定位置にある間、第1及び第2のレーザポインタを所定の角度だけ旋回させること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームが所定位置にある間、平行でないレーザビームを構造体の表面上の第3及び第4のスポットそれぞれ送信するために、旋回した第1及び第2のレーザポインタを使用すること、(h)第3及び第4のスポットを含む構造体の表面の部分の第2の画像を取り込むために、カメラを2回目に使用すること、並びに(i)画像内の第3及び第4のスポットの位置に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームを構造体から分離する第1の分離距離を計算するために、第1及び第2の画像を処理することであって、所定の角度及び固定された距離がレーザポインタの旋回軸を分離する、処理することを含む方法である。一実施形態によれば、ステップ(h)が、第3及び第4のスポットのそれぞれの中心を分離する第2の分離距離を計算することを更に含み、方法は、第2の分離距離に基づいてディスプレイスクリーンに表示されると、第1及び第2の画像のスケールファクタを計算することを更に含む。
【0011】
以下に詳細に開示される主題の更なる別の態様は、カメラとレーザ範囲メーターを支持するパンチルト機構を含むケーブル懸架式プラットフォームを使用して構造体の特徴をサイジングする方法であって、(a)複数のアンカー点のそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)ケーブル懸架式プラットフォームを第1の位置に移動させるように、複数のケーブルの繰り出された部分の長さを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にあるときに、複数のケーブルの繰り出し部分の長さに部分的に基づいて、それぞれのアンカー点からケーブル懸架式プラットフォームの中心点のそれぞれの距離を測定すること、(d)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、構造体の表面上の第1の可視特長に対応する第1の点にレーザ範囲メーターを向け、第1の距離測定値を取得すること、(e)レーザ範囲メーターが第1の点に向けられると、レーザ範囲メーターのそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構を使用すること、(f)ステップ(d)及び(e)で取得された距離及び角度測定値を、ケーブル懸架式プラットフォームの基準フレーム内の第1の点の位置を表す第1のベクトルに変換すること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームを第1の位置から第2の位置に移動させるように、複数のケーブルの繰り出される部分の長さを制御すること、(h)ケーブル懸架式プラットフォームが第2の位置にあるときに、複数のケーブルの繰り出された部分の長さに部分的に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームの中心点のそれぞれのアンカー点からのそれぞれの距離を測定すること、(i)ケーブル懸架式プラットフォームが第2の位置にある間、構造体の表面上の第2の可視特長に対応する第2の点にレーザ範囲メーターを目標にすること、並びに第2の距離測定値を取得すること、(j)レーザ距離メーターが第2の点に向けられると、レーザ範囲メーターのそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構を使用すること、(k)ステップ(i)及び(j)で取得された距離及び角度測定値を、ケーブル懸架式プラットフォームの基準フレームにおける第2の点の位置を表す第2のベクトルに変換すること、(l)ステップ(c)及びステップ(h)で取得された情報に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームの第1及び第2の位置の間の位置差及び配向差を表す変換行列を生成すること、(m)第1の位置におけるケーブル懸架式プラットフォームの基準フレーム内の第2の点の位置を表す第3のベクトルを形成するために、第2のベクトルに変換行列を乗算すること、並びに(n)第1及び第3のベクトルを用いて第1の点と第2の点との間の距離(d)を計算することを含む方法である。
【0012】
一実施形態によれば、前段落に記載された方法は、更に以下を含む。(o)ケーブル懸架式プラットフォームからの測定データを含む一又は複数のメッセージを送信すること、(p)制御局で一又は複数のメッセージを受信すること、及び(q)メッセージから測定データを抽出することを更に含み、ステップ(f)及び(k)から(n)は、制御ステーションでコンピュータシステムによって実行される。この方法は、ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、第1及び第2の可視特長を含む構造体の表面の一部の画像を取り込むために、カメラを使用すること、並びに制御ステーションでディスプレイスクリーン上の画像に重畳された、ステップ(n)で計算された距離の値を表す画像及び記号を表示することを更に含みうる。例えば、第1及び第2の可視特徴は、構造体内の異常のそれぞれの終点でありうる。
【0013】
本明細書に開示された主題の更なる態様は、構造体を検査及び測定するためのシステムであって:少なくとも2つのアンカー点と、それぞれのアンカー点によって支持されている少なくとも2つのプーリと;少なくとも2つのスプールと、それぞれのスプールを回転駆動するために各々が動作可能に連結された少なくとも2つのスプールモータと;それぞれのスプールの漸進的角移動を検出するように各々が動作可能に連結されている少なくとも2つの回転エンコーダと;剛性支持構造体、剛性支持構造体に取り付けられたパンチルト機構、パンチルト機構に取り付けられたカメラ、及びカメラに取り付けられたレーザ範囲メーターを含むプラットフォームと;それぞれのスプール周囲に巻き付けられた第1の部分と、それぞれのプーリに接触している第2の部分とを各々が有している、剛性支持構造体に結合された少なくとも2つのケーブルと;パンチルト機構及びスプールモータの動作を制御し、カメラ及びレーザ範囲メーターを選択的に起動するように構成されたコンピュータシステムと;コンピュータシステムと制御ステーションとの間の通信を可能にするように構成されたトランシーバとを含むシステムである。コンピュータシステムは、カメラからの画像データ、パンチルト機構からのパン及びチルト角データ、レーザ範囲メーターからの距離データ、及び回転エンコーダからの回転データを受信し、構造体に対するプラットフォームの第1の位置を決定し、プラットフォームを第1の位置から第2の位置に移動させ、カメラが目標オフセットによって構造体の表面から分離されるように、スプールモータを制御する命令を送信するように更に構成される。
【0014】
全段落に記載のシステムの一実施形態によれば、剛性支持構造体は、機器支持部材と、機器支持部材に取り付けられた又は一体的に形成されたケーブル取り付けリングとを含み、ケーブル取り付けリングに取り付けられたケーブルの数は、少なくとも3つである。全段落に記載のシステムの別の実施形態によれば、剛性支持構造体は、機器支持部材と、機器支持部材に取り付けられた又は機器支持部材と一体的に形成されたトロリーとを含み、トロリーに取り付けられたケーブルの数は2つであり、アンカー点の数は2つであり、2つのアンカー点を結合する第3のケーブルを更に備え、トロリーは、第3のケーブル上を転動する第1及び第2のローラを含む。
【0015】
遠隔操作されるケーブル懸架式プラットフォームを使用する環境内の物体の点又はスケール及びポイントツーポイントの距離情報の3次元座標を取得するためのシステム及び方法の他の態様が、以下に開示される。
【0016】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において独立して実施することが可能であるか、又は更に別の実施形態において組み合わせることが可能である。先述の態様及び他の態様を示すために、図面を参照して、様々な実施形態が以下で説明されることになる。このセクションで簡単に説明した図はどれも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】いくつかの実施形態による、カメラ付きケーブル懸架式プラットフォームを使用して、対象物を検査及び測定するためのシステムを示す図である。
図2A】は、図1に示すカメラ付きケーブル懸架式プラットフォームのいくつかの構成要素を特定するブロック図である。
図2B図1に示すシステムの他の構成要素を特定するブロック図である。
図2C】は、矩形配置で平面内にあるそれぞれのアンカー点によって支持された4つのケーブルから懸架されたプラットフォームの上面図を表す図である。対象となる様々な寸法が示されている。
図3】一実施形態による、対象物に向けられた一対のレーザポインタを有するビデオカメラの上面図を示す図である。
図4】2つ以上のレーザポインタを有する遠隔制御されたケーブル懸架式プラットフォームを使用して、構造体の非破壊検査を行うシステムのいくつかの構成要素を特定するブロック図である。レーザポインタの構成は、図3図6及び図8に示す代替的実施形態から選択されうる。
図5A】対象物から距離D分離したビデオカメラと一対のレーザポインタを示す図であり、レーザポインタは、対象物の表面上の距離dだけ分離したそれぞれのレーザスポットを生成する。
図5B図5Aに示されたビデオカメラにより取得された画像を表す図であり、その画像は、対象物の表示を含む。
図6】別の実施形態による、対象物に方向付けられた一対の旋回可能なレーザポインタを有するビデオカメラの上面図を示す図である。
図7A】対象物から距離Dだけ分離したビデオカメラ及び一対の旋回可能なレーザポインタを示す図であり、レーザポインタは、対象物の表面上の距離dだけ分離したそれぞれのレーザスポットを生成する。
図7B図7Aに示されたビデオカメラにより取得された画像を表す図であり、その画像は、対象物の表示を含む。
図8】更なる実施形態による、一対のレーザポインタ(第1の色)と、対象物に方向付けられた(単一軸周囲を)旋回可能な第3のレーザポインタ(第2の色)とを有するビデオカメラの上面図を示す図である。
図9A図8に示すように構成され、対象物から距離Dだけ分離したビデオカメラと3つのレーザポインタを示す図であり、レーザポインタは、それぞれのレーザスポットを生成し、そのうちの最も分離したものが、対象物の表面上で距離dだけ離れている。
図9B図9Aに示されたビデオカメラにより取得された画像を表す図であり、その画像は、対象物の表示を含む。
図10】一実施形態による、対象物上のレーザスポット間の距離をピクセルで決定するために画像を処理する方法のステップを示す図である。
図11】画像処理効率を向上させるように、対象物上のレーザスポット間の距離をピクセルで決定するために画像を処理する方法のステップを示す図である。
図12】別の実施形態による、対象物に方向付けられた一対のレーザ範囲メーターを有するビデオカメラの上面図を示す図である。
図13】一実施形態による、対象物の非破壊検査中にケーブル懸架式プラットフォームを動作させる方法のステップを特定するフローチャートである。
図14】搭載型ローカル測位システムを有する遠隔制御されたケーブル懸架式プラットフォームを使用して構造体の非破壊検査を実行するためのシステムのいくつかの構成要素を特定するブロック図である。
図15】対象物に方向付けられたレーザ範囲メーターを有するビデオカメラの上面図を示す図である。
図16】ローカル測位システムを担持するケーブル懸架式プラットフォームを使用して構造体の特長をサイジングする方法のステップを特定するフローチャートである。
図17図15に示すビデオカメラ及びレーザ距離メーターを組み込んだケーブル懸架式プラットフォームを使用して、対象物上の第1の点から対象物上の第2の点までの距離及び方向を表すベクトルを生成する方法を示すベクトル図である。
図18】搭載機器によって取得された測定データに基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームの運動を制御するためのフィードバック制御プロセスのステップを特定するブロック図である。
図19】代替的実施形態によるカメラ付きケーブル懸架式プラットフォームを使用して、対象物を検査及び測定するシステムを示す図である。
図20】付録で参照され、機器座標系{A}の原点から、実質的に機器の照準軸に沿って、対象となる点Pまで延びる位置ベクトルPを示し、かつ対象物座標系{B}の原点から対象となる点Pまで延びる位置ベクトルPを示す図である。
図21】付録で参照される図であり、座標系変換のための較正行列を計算するための例示的な方法が記載されている。
図22】付録で参照される図であり、座標系変換のための較正行列を計算するための例示的な方法が記載されている。
図23】付録で参照される図であり、座標系変換のための較正行列を計算するための例示的な方法が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下で図を参照するが、異なる図中の類似の要素には、同一の参照番号が付される。
【0019】
説明目的のために、ケーブル懸架式プラットフォームを使用して、測定又は非破壊検査を受ける物体の3次元座標情報、スケール、若しくはポイントツーポイント距離情報を取得するためのシステム及び方法について、ここから詳細に説明することになる。しかしながら、実際の実施態様のすべての特徴が、本仕様書に記載されているわけではない。当業者であれば、このような実施形態の開発において、実施態様によって異なるシステム関連及びビジネス関連の制約の順守といった、開発者の特定の目的を達成するために、多数の実施態様固有の決定を行う必要があることを理解するだろう。更に、このような開発労力は複雑かつ時間がかかるものであろうが、本開示の利点を有する当業者が引き受けるルーチンであると理解されよう。
【0020】
図1は、対象物102を検査し測定するいくつかの実施形態による測定システム2のいくつかの構成要素を示す図である。測定システム2は、定期的な検査を必要とする構造体(例えば、対象物102)の周りを移動しうるケーブル懸架式プラットフォーム16を含む。測定システム2は、航空機を含む広範囲の対象物を検査する際に使用するように適合させることができる。測定システム2は、製造設備や倉庫などの大きな建物内での使用に特に適している。
【0021】
図1に示す測定システム2によれば、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、4つのケーブル6a-6dから懸架されている。より具体的には、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、剛性支持構造体4aを備える。一実施形態によれば、剛性の支持構造体4aは、それに取り付けられている又はそれと一体に形成されているケーブル取り付けリング35を有する機器支持部材36を備える。ケーブル6a-6dの端部は、ケーブル取り付けリング35に取り付けられている。ケーブル6a-6dは、それぞれのウインチユニットのそれぞれのモータ駆動スプール8a-8d(図2Bを参照して以下に詳細を説明する)によって繰り出され又は引き込まれ、ケーブルの繰り出された部分は、プーリ12a-12dの上を通過する。プーリ12a-12dは、次にそれぞれのアンカー点10a-10dに堅固に結合されたそれぞれのヨーク14a-14dに回転可能に連結されている。
【0022】
アンカー点10a-10dは、屋内用途のために壁又は天井に取り付けられてもよく、屋外用途のためにポール又はクレーンに取り付けられてもよい。アンカー点10a-10dは、同じ平面内に位置する必要はない。スプール8a-8dの位置及びケーブル6a-6dの繰り出された部分の長さが分かっている限り、ケーブル懸架式プラットフォーム16の移動を制御するコンピュータシステム(図1には示されず)は、アンカー点の基準フレーム内のケーブル取り付けリング35の中心の位置を追跡するように構成することができる。また、測定システム2は、4つのアンカー点の使用に限定されない。例えば、3つのアンカー点で十分であり、4つ以上のアンカー点を利用することができる。
【0023】
図1に示す実施形態によれば、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、機器支持部材36の底端に取り付けられたローカル測位システム38を更に備える。ローカル測位システム38は、機器支持部材36の底端に取り付けられたパンチルト機構120と、パンチルト機構120に取り付けられ、カメラ開口部26を有するカメラ20と、対象物102上に目標方向ベクトル134(図1において破線で示す)に沿ってレーザビームを投射して、対象物102の表面にレーザスポット(図1には示されず)を形成するためのレーザ範囲メーター138とを含む。パンチルト機構120は、パンユニット126とチルトユニット128とを含む。カメラ20は、レーザ範囲メーター138が取り付けられるハウジング22を備える。
【0024】
カメラ20は、静止画像を取得するための静止カメラ(カラー及び/又は白黒)、カラー及び/又は白黒ビデオを取得するためのビデオカメラ、又は対象物102の赤外線静止画像又は赤外線ビデオを取得するための赤外線カメラを備えうる。これらのすべてのタイプの機能を実行できる単一のカメラを有することが可能でありうる。ローカル測位システム38は、対象物102のローカル座標系で定義された対象物102上の点の座標を測定するように構成されたコンピュータシステム(図1には示されておらず、図14のコンピュータシステム162を参照)を備える。具体的には、コンピュータシステムは、パンチルト機構120の運動を制御し、垂直の、方位角(パン)軸、及び水平な、仰角(チルト)軸の周りの選択された角度にカメラ20を回転可能に調整するようにプログラムされる。コンピュータシステムはまた、カメラ20の動作を制御し、そこから画像データを受信して制御ステーションに送信するようにプログラムされている。コンピュータシステムは、レーザ範囲メーター138の動作を制御し、そこから範囲データを受信して制御ステーションに送信するように更にプログラムされる。
【0025】
ケーブル懸架式プラットフォーム16の搭載システムは、制御ステーション150(図2Bを参照)との双方向無線電磁波通信を可能にする無線トランシーバ及びアンテナ(図1には示されず)を更に備えうる。
【0026】
本明細書で開示される測定システム2は、既存のローカル座標測定及び遠隔操作技術、特に米国特許第9,285,296号、第8,447,805号及び第7,859,655号に記載されているローカル測位システムの能力を活用する。ローカル測位システムのビデオカメラによって取得された画像データは、米国特許第8,744,133号に開示されているような画像処理を受けてもよい。
【0027】
更に図1を参照すると、ケーブル懸架式プラットフォーム16の固定座標系に対するレーザ範囲メーター138の配向を記載する目標方向ベクトル134が、方位角及び仰角から決定される。レーザ範囲メーター138を用いて、レーザ範囲メーター138によって放射されたレーザビームが、次に対象物102の表面上の3つの較正点5a-5cのそれぞれと位置合わせされるときに、機器座標系における目標方向ベクトル134の配向が測定され、対象物座標系における3つの較正点5a-5cの位置は既知である。この方法はまた、レーザ範囲メーター138から3つの較正点5a-5cの各々までの目標方向ベクトル134に実質的に沿って距離(すなわち、範囲)を測定することを含む。この方法はまた、少なくとも、3つの較正点5a-5cに対応する機器座標系における測定された配向及び距離と、対象物座標系における3つの較正点5a-5cの既知の位置とを用いて、機器座標系で定義された位置を対象物座標系で定義された位置に変換する較正行列を計算することを含む。
【0028】
制御ステーション150(図2Bを参照)は、ケーブル懸架式プラットフォーム16に搭載されたコンピュータシステム162から受信した範囲データを処理するために使用される3次元位置特定ソフトウェアでプログラムされたコンピュータシステムを含む。例えば、3次元位置特定ソフトウェアは、カメラ20の対象物102に対する位置(位置及び配向)を画定するために、対象物102上の複数の較正点5a-5c(航空機の表面の点又は特徴など)を使用する種類のものでありうる。較正点5a-5cは、特徴位置(例えば、CADモデル)の3次元データベース又は他の測定技術から決定されるように、対象物102のローカル座標系で、既知の位置の目に見える特徴(窓フレームの角、ピトーチューブを取り付けるために使用されるネジなど)でありうる。ローカル測位システムを較正するプロセスの間、少なくとも3つの非共線点のX、Y、Zデータが、CADモデル又は他の3次元データソースから抽出される。典型的には、対象物上に容易に位置することができる特徴に対応する較正点5a-5cが選択される。3次元位置特定ソフトウェアは、対象物102のローカル座標系に対するカメラ20の相対的な位置及び配向を画定するために(以下でより詳細に説明する)、較正点5a-5cと、パンチルト機構120からのパン及びチルトデータを利用する。較正点5a-5cまでの測定された距離は、対象物102に対するカメラの位置及び配向を解くために、パンチルト機構120からの方位角及び仰角と協調して使用されうる。対象物の座標系に対するカメラの位置及び配向を反映するカメラポーズ変換行列を生成するための方法論に関する更なる詳細が、付録に記載される。
【0029】
対象物102に対するカメラ20の位置及び配向が決定されると、搭載コンピュータシステム162は、カメラ20の光学画像フィールドを回転させて、対象物102上の未知の座標位置の対象となる点にズームするように動作させることができ、この点は、例えば、航空機上の損傷/修理場所でありうる。目標方向ベクトル134のこの位置では、カメラ20の配向(カメラ20の方位角軸及び仰角軸に沿ったそれぞれの角度を含みうる)が記録されうる。パンチルト機構120からの方位角及び仰角と、較正プロセスにおいて決定されるカメラ20の相対的な位置及び配向(すなわち、相対的な位置)とを用いることにより、対象物102の座標系に対して対象点の位置を決定することができる。対象物102上の損傷/修理位置は、以下にいくらか詳細に記載されている技術を使用してサイズ決定されてもよい。亀裂の場合、亀裂の長さが測定されうる。
【0030】
対象物の座標系(以前のデータ取得セッション、CADモデル、又は他の測定からの)における対象点の位置を知ることができる逆プロセスもまた、実行することができる。この状況では、カメラ20は、較正点5a-5cが見える作業領域上の任意の位置(元のデータが記録された場所とは異なる場所にありうる)に配置され、機器対目標較正ステップが実行されうる。この較正は、本明細書では「カメラポーズ」と呼ばれるが、カメラだけではなく、例えば、距離を測定するための機器(レーザ範囲メーターなど)も含みうる。対象となる点からカメラ20までの方向ベクトルは、対象物の座標系において計算されうる。方向ベクトルをケーブル懸架式プラットフォーム16の座標系に変換するために、カメラポーズ変換行列の逆数が使用されうる。方位角及び仰角は、次に、カメラ20を対象物102上の対象となる点に向けるためにパンチルト機構120によって計算され、使用されうる。
【0031】
典型的な実施形態では、ローカル測位システムは、対象物102の約10-50フィート内に設置されうる。対象物102は、例えば、貯蔵タンクのような構造体であってもよく、航空機のような大型輸送体であってもよい。対象物102上の較正点5a-5cは、対象物102に対するカメラ20の位置及び配向を決定するために、パンチルト機構120からのパン及びチルトデータ(すなわち、方位角及び仰角)及びレーザ範囲メーター138からの距離データと併用して、3次元位置特定ソフトウェアによって選択され使用されうる。較正点5a-5cは、3次元CADモデル又は他の測定技術から決定されるように、対象物102のローカル座標系における既知の位置の特徴点でありうる。
【0032】
既知のローカル座標を有する3つの較正点5a-5cを含む対象物102の基準フレームにおけるケーブル懸架式プラットフォーム16の位置を較正するためのプロセスの上記説明から明らかなように、代わりに、ケーブル懸架式プラットフォーム16の位置は、測定システム2の基準フレームにおいて較正することができる。この場合、アンカー点10a-10dが較正点として使用されうる。アンカー点10a-10dの既知の位置を使用してシステムを較正するために、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、アンカー点10a-10dの少なくとも3つがレーザ範囲メーター138によって目標設定できる位置に移動される。3つのアンカー点についての距離及びパンチルト角データが取得され、次にベクトルベースのアプローチを使用して、それらのアンカー点の既知の座標と比較される。
【0033】
ケーブル延伸を補償するために、測定システム2の全作業量(又は作業量の一部)に対する増強された種類の較正を行うこともできる。例えば、上述の較正プロセスは、予想される測定ボリュームを囲む仮想バウンディングボックスの8つのコーナーに対して実行することができる。次に、このデータは、ケーブル長に基づく3-D測位方法(以下に示す式によって説明される)によって計算された同一点のデータと比較される。8角の較正データ(eight-corner calibration data)を使用する簡単な方法の1つは、実行時に3線形補間を実行して、ケーブルの長さに基づくプロセスによって測定された値を調整するための補正量を提供することである。(また使用することができようケーブル長データを使用する他の補間手法もある。)
【0034】
レーザ範囲メーター138(「レーザ範囲ファインダー」及び「レーザ範囲メーター」とも称される)は、レーザハイブリッドシステムを形成するためにカメラ20に取り付けられている。レーザ範囲メーター138からの測定データは、レーザ範囲メーター138(及びレーザ範囲メーターが固定されているカメラ20)から対象物上の較正点までのそれぞれの距離の推定値を得るために、使用することができる。典型的なレーザ範囲メーターは、束ねた通常視認可能なレーザビームを対象物の表面に向けて送信するレーザダイオードを含む。対象物によって後方散乱される及び/又は反射される光は、光学系を受光することによって、受光器の能動表面上に結像される。レーザダイオードは、ビデオカメラの位置及び配向に対して固定された位置及び配向を有する。 受光器は、レーザダイオードの位置及び配向に対して固定された位置及び配向を有する。光の送信と受信との間の飛行時間は、レーザ範囲メーターと、送信されたビームが衝突する対象物表面の部分との間の距離を計算するために使用することができる。レーザ範囲メーターはまた、レーザポインタとしても機能する。代替的には、レーザ光以外の波動エネルギーを方向性に投影する距離メーターを利用することもできるだろう。
【0035】
完全性を期すために、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16を用いた基準フレームに対する対象物上の対象となる点の3次元座標を決定するための前述の方法は、共通して以下のステップを有する。(a)機器支持部材36に結合され、複数のアンカー点10a-10dのそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブル6a-6dからケーブル懸架式プラットフォーム16を懸架すること、(b)パンチルト機構120を基準フレームに対して較正すること、(c)カメラ20が対象物102の範囲内にあるように、機器支持部材36を移動させるように複数のケーブル6a-6dの繰り出された部分の長さを制御すること、(d)複数のケーブル6a-6dの繰り出し部分の長さの一部に基づいて、各アンカー点10a-10dから機器支持部材36の中心点のそれぞれの距離を測定すること、(e)パンチルト機構120を制御して、レーザ範囲メーター138を対象物102上の対象となる点に向けること、(f)レーザ範囲メーター138が対象となる点を目標としている間にパンチルト機構120のパン角及びチルト角を測定すること、(g)レーザ範囲メーター138と対象となる点とを分離する距離を測定すること、及び(h)距離及び角度の測定値を基準フレーム内の対象となる点の位置を表す直交座標ベクトルに変換すること。
【0036】
前段落に記載された方法の一実施形態によれば、基準フレームは、対象物102の基準フレームであり、ステップ(b)は、機器支持部材36が静止している間にレーザ範囲メーター138を異なる時間に対象物102上の3つ以上の較正点5a-5cに向けることと、パンチルト機構120の基準フレームから対象物102の基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む。1つの提案された実施形態では、ステップ(b)は、レーザ範囲メーター138が各較正点5a-5cを目標としている間にパンチルト機構120のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーター138が各較正点5a-5cを目標としている間、レーザ範囲メーター138と各較正点5a-5cとを分離する距離を測定することとを更に含む。
【0037】
代替的実施形態によれば、基準フレームは、複数のケーブル6a-6dのそれぞれのケーブルを支持する複数のアンカー点10a-10dの複数の少なくとも3つの非共線形アンカー点の基準フレームであり、ステップ(b)は、機器支持部材36が静止している間、レーザ範囲メーター138を、異なる時間に複数のアンカー点101-10dの3つ以上のアンカー点に向けることと、パンチルト機構120の基準フレームから複数のアンカー点10a-10dの基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む。1つの提案された実施形態では、ステップ(b)は、レーザ範囲メーター138が各アンカー点を目標としている間にパンチルト機構120のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーター138が各アンカー点を目標としている間、レーザ範囲メーター138と各アンカー点とを分離する距離を測定することとを更に含む。
【0038】
図2Aは、図1には示されていない平衡化重り30を含む、ケーブル懸架式プラットフォーム16のいくつかの構成要素を示す。平衡化重り30が、機器支持部材36の上端に結合され、その一方で、パンチルト機構120は、機器支持部材36の底端に結合されている。釣合い重り30は、カメラ20の回転慣性を平衡化するための不活性質量を提供する。好ましくは、ケーブル取り付けリングの中心は、ケーブル懸架式プラットフォーム16の重心とほぼ重なり合って、一又は複数の支持ケーブル6a-6dの伸長及び/又は後退によって移動されている際に、ケーブル懸架式プラットフォーム16の望ましくない回転運動又は振り子運動を最小にする。更に、機器支持部材36の配向を安定させるために、平衡化重り30又はプラットフォーム上の他の位置にジャイロスコープを組み込んでもよい。重力のために、システムは垂直にとどまる。上部には平衡化重り30があるが、ケーブル支持体の下のペイロードほど重くはない。ジャイロスコープは、システムが動く際に、配向が確実に変化しないようにする。機械ジャイロスコープは、システムが配向を維持することを可能にする一又は複数の高速スピニングディスクを有する。基本的な実施態様では、この種のジャイロスコープ安定化は、コンピュータ制御なしで受動的に達成することができる。スピニングディスクは、平衡化重り30の一部とすることもできよう。固体状のジャイロスコープデバイス(MEMSベースの慣性測定ユニットなど)では、ジャイロスコープが回転速度を測定し、その後、モータを使用して、システムの配向を補正する(ある種のマイクロプロセッサ又はコンピュータが、この変形例のそれぞれのモータコントローラに命令を送信するように構成されるだろう)。図2Bは、図1に示す測定システム2に組み込まれた各ウインチユニットの追加の構成要素を特定するブロック図である。各ウインチユニットは、ケーブル6a-6dのそれぞれの1つを支持するモータ駆動スプール8と、巻き取りの間にケーブルをスプール8の長さに対してかつ長さに沿って案内するケーブルガイド24とを備える。各スプール8は、それぞれのスプールモータ116によって回転するよう駆動される。各ケーブルガイド24は、ギアリングに基づいてスプール8を駆動する同一のスプールモータ116に移動する機械的デバイスである。スプールモータ116は、ウインチユニット制御コンピュータ112から命令を受信するそれぞれのモータコントローラ114の制御下にある。ウインチユニット制御コンピュータ112は、関連するモータコントローラ114に適切な命令を送信することによって各スプール8の回転を調整する。
【0039】
各スプール8は、スプール8の漸進的な角度回転を表す信号を出力する関連回転エンコーダ118を有する。各スプール8から繰り出された各ケーブルの長さは、それぞれの回転エンコーダ118からのフィードバックに部分的に基づいて、ウインチユニット制御コンピュータ112によって決定することができる。
【0040】
ウインチユニット制御コンピュータ112は、トランシーバ160a及び160bを介して制御ステーション150と通信する(有線接続又は無線で)。制御ステーション150のユーザインターフェースを介してシステムオペレータによって入力された命令に応答して、制御ステーション150は、ケーブル懸架式プラットフォーム16の移動を制御するためにトランシーバ160a及び160bを介してウインチユニット制御コンピュータ112に命令を送信する。ウインチユニット制御コンピュータ112は、次にモータ駆動式スプール8の動作によってケーブル6a-6dを伸長及び/又は後退させるための命令をモータコントローラ114に送信する。好ましくは、全てのスプールモータ116は、同一の高レベルコンピュータ/オペレータインターフェースによって駆動される。すべてのモータ116が同一のコンピュータ(例えば、ウインチユニット制御コンピュータ112)によって操作されると、コンピュータは、逆運動学を使用して、ケーブル懸架式プラットフォーム16の位置及び配向を同時に方向付けるように構成することができるのだが、このことは、4×4の変換マトリクスなどで位置(位置及び配向)を特定し、次にシステムに、一度にすべてのものを厳密に正確な場所に移動させることができることを意味している。
【0041】
各スプール8(すなわち、スプール8a-8d)に関連するそれぞれの回転エンコーダによって出力されるパルスをカウントすることによって、ケーブル6a-6dの繰り出し部分のそれぞれの長さを算出するようにウインチユニット制御コンピュータ112を構成することによって、ケーブル取り付けリング35の中心の正確な位置を追跡することができる。各スプール8のケーブル巻き付けに関しては、正しく行われた場合には、ケーブルの繰り出された(すなわち、巻き戻されていない)部分の長さを正確に計算することが可能である。スプール8が回転すると、関連する回転エンコーダは、スプールがいずれかの方向に回転する間の角度位置の漸進的変化ごとにパルスを生成する。しかし、漸進的回転ごとに繰り出される又は巻き取られるケーブルの量は、スプールに巻かれたケーブルの層の数の関数として変化するだろう。これに対処できる1つの方法は、スプール8にランダムに巻かれる代わりに、ケーブルラップが互いに隣り合うように、スプール上でケーブルがラップする方法を管理することによることである。これは、通常、スプール8の幅に沿って前後に動くケーブルガイド24によって管理される。ケーブルがスプール8の一端に到着すると、ケーブルガイド24は、方向を逆転させて、ケーブルを前のレベルの上の次のレベルに置くが、システムがスプール8上のケーブルのレベル数を数えれば、次に、システムは、スプール8に関連する有効直径変数(その上のケーブルを有する)を変更することができ、これにより、システムは、スプール8の漸進的回転ごとにスプール8から繰り出され又は巻き取られるケーブルの漸進的長さの正しい値を計算することができる。
【0042】
図2Cは、平面内に矩形状に配置されたそれぞれのアンカー点AP-APによって支持された4本のケーブルから懸架されたプラットフォームの中心点Cの上面図を示す図である。この例では、アンカー点APは、アンカー点APから距離dだけ離れている。アンカー点APは、アンカー点APから距離dだけ離れている。アンカー点APは、アンカー点APから距離dだけ離れている。アンカー点APは、アンカー点APから距離dだけ離れている。ケーブル懸架式プラットフォームを4つのアンカー点AP-APに接続するケーブルは、それぞれケーブル長L、L、L、Lを有する。(注:ケーブルの端部が半径Rのリングに取り付けられている場合、方程式で使用されるそれぞれのケーブル長L、L、L及びLは、それぞれ、それぞれのアンカー点からケーブル取り付けリング上のそれぞれの取り付け点まで延びるケーブルの実際の長さと半径Rとの和となるだろう。
【0043】
任意の所与の瞬間、制御ステーション150は、ケーブル長L、L、L及びLを示す、回転エンコーダ118からの情報を有する。これらの測定値は、測定システム2の基準フレームにおいて、中心点Cの3次元位置(x、y、z)を計算するために(z(垂直)次元は図2Cには示されていないことに留意)、使用することができる。前述を達成するために、以下の順運動学(拘束)方程式が使用される。
これらの方程式は、非線形連立方程式の集合を形成する。逆運動学から、結果として得られる閉形式のx、y、z解を得ることができる。
【0044】
右手座標系(zが上方向)では、使用すべきz方程式は、負の方程式である。
【0045】
したがって、対象物102上の対象となる任意の点について、測定システムの基準座標フレームにおける対象となる点の3次元座標の決定を可能にし、また測定システムの基準座標フレームにおけるケーブル懸架式プラットフォーム16の中心点Cの位置の決定も可能にする位置計算ソフトウェア、及びレーザ範囲メーター138による、その対象となる点に衝突するレーザビームの発生をもたらすだろうパンチルト機構120のパン角及びチルト角を有する、制御ステーション150のコンピュータシステムが構成されうる。
【0046】
図1に示される種類のケーブル懸架式プラットフォームは、測定又は非破壊検査を受ける対象物に対するスケール及びポイントツーポイント距離情報を取得する能力を更に含みうる。対象物上の点の間の距離又は対象物のスケールの離散的又は連続的な測定値を提供するために、ケーブル懸架式プラットフォームには、搭載センサ及び処理技術が提供されうる。このような距離及びスケール測定データの取得は、以下の3つのカテゴリに分けられるだろう。
【0047】
実施形態のあるカテゴリでは、ターゲットまでの距離、ターゲットの視野に対する基準スケール、及びいくつかの実施形態では、ターゲット上の対象となる点と点の間の距離を計算するための情報を取得するために、ジンバル式のビデオカメラとそれに取り付けられた2つ以上のレーザポインタが使用される。実施形態のこのカテゴリは、ターゲット表面が、レーザポインタ及びカメラの目標方向に対して比較的平坦で垂直である状況に適用可能である。本明細書で使用される場合、「レーザポインタ」という用語は、レーザビームを放射し、戻ったレーザ光を検出しないデバイスを意味する。
【0048】
概念の実施形態の別のカテゴリは、2つ以上のレーザ範囲メーターがジンバル式ビデオカメラに取り付けられて、ターゲットに対するビデオカメラの一又は複数の配向角だけではなく、ターゲット上の対象となる点の3次元座標の測定、ターゲットへの距離の直接測定、基準スケールの測定も可能にする構成である。3つの非共線的に取り付けられたレーザ範囲メーターが使用される場合、複数の配向角度を測定することができる(例えば、ヨー及びピッチ)。本明細書で使用される場合、「レーザ範囲メーター」(「レーザ範囲ファインダー」としても知られる)という用語は、レーザビームを放出し、戻ったレーザ光を検出するデバイスを意味する。
【0049】
実施形態の第3のカテゴリは、ジンバル式ビデオカメラと、それに取り付けられた単一のレーザ範囲メーターとを含み、ケーブル懸架式プラットフォームから環境内の対象物までの距離及び目標方向情報を取得するために使用される。この概念は、米国特許第7,859,655号に開示されているベクトルベースの測定アルゴリズムのいくつかの態様を、ケーブル長回転エンコーダ及びシステム構成(運動学的)のようなセンサの追加とともに活用して、 環境に対するケーブル懸架式プラットフォームの相対位置を決定する。このプラットフォームの運動データは、レーザ範囲メーターからの目標方向及び距離データとともに、環境内の物体の測定値を取得するために使用することができる。
【0050】
前述の種類の拡張機能ケーブル懸架式プラットフォームの例示的な実施形態について、ここで以下にいくらか詳細に説明することになる。図解のために、プラットフォームは、それに取り付けられた(例えば、カメラハウジング22に取り付けられた)様々なレーザデバイスを有するビデオカメラ130を備えると仮定する。
【0051】
図3は、一実施形態による、それに取り付けられた一対のレーザポインタ132a及び132bを有し、かつ対象物102に方向付けられたビデオカメラ130の上面図を示す図であり、このビデオカメラ130は、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16内に一体化することができる。このようなシステムは、非破壊検査を受ける物体のためのスケール及びポイントツーポイント距離情報を取得可能である。レーザポインタ132a及び132bは、ビデオカメラ130のハウジング22に並列構成で取り付けられている。好ましくは、ビデオカメラ130の焦点軸とレーザポインタ132a及び132bの目標方向は、互いに平行である。レーザポインタ132a及び132b、並びにビデオカメラ130は、対象物102及び基準スケールまでの距離を計算するために使用される。この実施形態は、ケーブル懸架式プラットフォーム16が対象物102に比較的接近している状況に使用される。
【0052】
起動されると、レーザポインタ132a及び132bは、図3のそれぞれの目標方向ベクトル134a及び134bによって示されるそれぞれの光路に沿って、それぞれの互いに平行なレーザビームを方向付け、レーザビームは、対象物102の表面にそれぞれのレーザスポットを形成する。ビデオカメラ130は、2つのレーザスポットが可視である画像を取り込むように作動されうる。この画像データは、2つのレーザポインタ-132a及び132bの軸を分離する既知の距離と共に、スケールファクタを決定するために使用することができるピクセル情報を導き出すために処理することができる(以下にいくらか詳細に説明する)。次に、ケーブル懸架式プラットフォーム16が同じ位置にある間、ビデオカメラ130によって取り込まれた後続の画像にスケールインジケータを表示するために、このスケールファクタを使用することができる。より具体的には、1つの目的は、図5A及び図5Bを参照して以下により詳細に説明するように、ポインタ132a及び132bと対象物102との間の距離Dを決定することである。
【0053】
図4は、その上に取り付けられた2つ以上のレーザポインタ132(例えば、図2に見られる第1のレーザポインタ132a及び第2のレーザポインタ132b)を有する遠隔制御されたケーブル懸架式プラットフォーム16を使用して構造体の非破壊検査を実行するためのシステムのいくつかの構成要素を特定するブロック図である。この例では、ローカル測位システム38の構成要素は、非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)に記憶されたプログラミングによって構成されうる搭載コンピュータシステム162によって制御される。特に、コンピュータシステム162は、制御ステーション150から受信した無線周波数命令を実行するようにプログラムされうる。これらの無線命令は、ケーブル懸架式プラットフォーム16に搭載されたトランシーバ160によって受信され、適切なデジタルフォーマットに変換され、次にコンピュータシステム162に転送される。
【0054】
制御ステーション150は、上記に記載のように、ウインチユニット制御コンピュータ112(図4には示されず、図2Aを参照)に命令を送信することによってケーブル懸架式プラットフォーム16の動作を制御し、ローカル測位システム38の様々な構成要素を制御するためのプログラミングで構成された汎用コンピュータシステムを含みうる。例えば、制御ステーション150は、ケーブル懸架式プラットフォーム16及びパンチルト機構120の動きを制御する命令、及びレーザポインタ132及びビデオカメラ130の起動のための命令を送信しうる。更に、制御ステーション150のコンピュータシステムは、検査工程中にケーブル懸架式プラットフォーム16から受け取ったデータを処理するためのプログラミングで構成されている。特に、制御ステーション150のコンピュータシステムは、ビデオカメラ130によって取り込まれた画像を表示するためにディスプレイモニタ152を制御するソフトウェアで構成されたディスプレイプロセッサを備えうる。ビデオカメラ130によって視認される光学画像フィールドは、ディスプレイモニタ152上に表示することができる。より具体的には、制御ステーション150からの命令に応答して、コンピュータシステム162は、(例えば、電気ケーブルを介して)ビデオカメラ130及びレーザポインタ132を起動するための制御信号を送信する。ビデオカメラ130は、自動(遠隔制御された)ズーム機能を有しうる。また、コンピュータシステム162は、それぞれパンモータ122及びチルトモータ124を制御するモータコントローラ168に命令を送信することによって、パンチルト機構120のパンユニット126及びチルトユニット128(図1を参照)の回転を制御する。
【0055】
一実施形態によれば、パンチルト機構120は、コンピュータシステム162から受信した制御信号に応答して、ビデオカメラ130(及びそこに取り付けられたレーザデバイス)をパン軸周囲で回転させるように構成されたパンユニット126と、ビデオカメラ130をチルト軸(パン軸と直交する)周囲で回転されるように構成されたチルトユニット128とを含む。パンチルト機構120内のサーボモータなどのアクチュエータ(図示せず)は、ビデオカメラ130がパン軸及びチルト軸の周囲を回転する角速度、並びにパン軸及びチルト軸の周囲でビデオカメラ130の角度回転を調整することによって、コンピュータシステム162からの制御信号を受信し応答しうる。パンチルト機構120は、現在の角度位置データを表す信号をコンピュータシステム162に送り返すパン及びチルト回転エンコーダ(図示せず)を更に含む。パンチルト機構120に印加される制御信号は、ユーザ命令(例えば、制御ステーション150の一部である入力デバイスの操作)又は自動走査経路生成器に応じて、コンピュータシステム162によって計算されうる。
【0056】
図5Aは、対象物102から距離Dだけ分離したビデオカメラ130と一対のレーザポインタ132a及び132bとを示す図であり、レーザポインタは、対象物102の表面上にそれぞれのレーザスポットを生成する。これらの対象物表面のレーザスポットは、距離dだけ分離している。図5Bは、図5Aに示すビデオカメラ130によって取得された画像70を表す図であり、この画像70は、対象物102の表示102’と、レーザスポットのそれぞれの位置106及び108の表示とを含む。
【0057】
図5A及び図5Bに示された状況によれば、既知の変数は、ビデオカメラ130の現在の視野(即ち、図5Aの「FoV」)、画像70の幅方向の最大ピクセル数(即ち、図5Bの「maxPx」)、レーザポインタ132a及び132bによって生成されたレーザスポットの位置106及び108を表すピクセルの各グループ間の画像70内のピクセル数(即ち、図5Bの「nPx」)、並びにレーザポインタ132aと132bとを分離する距離(即ち、図5Aの「L」)である。未知の変数は、レーザスポットと距離D及びdとの間の視野角αである。
【0058】
レーザスポット間の視野角αは、カメラの視野(FoV)及び画像ピクセルデータを使用して計算することができる。
ここで、nPxは、レーザスポット間の測定されたピクセル数であり、maxPxは、ピクセルにおける画像幅である。次に、距離dと距離Dは、以下の式を使用して計算することができる。
d=L
式(1)を視角αに代入すると、以下が得られる。
図3及び図5Aに示す実施形態(及び後述する他の実施形態)によれば、距離Dの値は、継続的に更新される。
【0059】
1つの可能な実施態様によれば、距離dの値は、ディスプレイモニタ152に表示される画像70のどこに含まれてもよい。別の可能な実施態様によれば、距離dとピクセル数nPxとの比に基づいてスケールファクタを算出することができ、スケールファクタを示すスケールバー又は他のスケールインジケータは、画像70の一部として含めることができる。このスケールインジケータは、ケーブル懸架式プラットフォーム-対象物分離距離Dが最新のものである限り、正確だろう。その分離距離が変化すると、更新されたスケールファクタを生成するために、上述の動作を繰り返すことができる。時間の経過とともに、スケールインジケータは、ケーブル懸架式プラットフォーム16と対象物102とを分離する可変距離の関数として繰り返し調整される。
【0060】
非破壊検査の目的のために、好ましくは、検査された構造体の取得画像は、レーザスポットの表示を含まない。したがって、対象物102の撮像された表面積の初期サイジングに続いて、レーザポインタ132a及び132bが作動停止されている間、ビデオカメラ130を起動させて、追加の画像(例えば画像のビデオシーケンス)を取り込むことができる。この場合、ビデオカメラ130は、分離距離Dが最新である間に画像を取り込むことが好ましい。
【0061】
図6は、別の実施形態による、対象物102に向けられた一対の旋回可能なレーザポインタ132a及び132bを有するビデオカメラ130の上面図を示す図であり、このビデオカメラ130は、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16に一体化することができる。図3に部分的に示されている実施形態と同様に、図6に部分的に示された実施形態は、非破壊検査を受ける物体に対するスケール及びポイントツーポイント距離情報を取得することもできる。起動されると、レーザポインタ132a及び132bは、対象物102の表面のそれぞれのレーザスポットでそれぞれのレーザビームを方向付ける。レーザポインタ132a及び132bは、独立して旋回可能であってもよく、又はそれらの旋回機構は、レーザポインタ132a及び132bが反対方向に旋回可能であるように結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「反対方向に旋回可能」というフレーズは、ビデオカメラ130の旋回軸の焦点軸(図6には示さず)に対するレーザポインタ132a及び132bの角度位置が、常に等しく反対であることを意味している。
【0062】
レーザポインタ132a及び132bは、平行な構成に対して既知の量だけ、ケーブル懸架式プラットフォーム16に搭載された状態で回転させることができる。これにより、対象物102上のレーザスポット間に追加の分離が生じるのだが、これは、ケーブル懸架式プラットフォーム16が、図3に示される実施形態の場合よりも対象物102から遠い状況に有用である。例えば、最初に、レーザポインタ132a及び132bは、平行に位置付けられ、それぞれの目標方向ベクトル134a及び134bによって示される相互に平行な光路に沿って、それぞれのレーザビームを放射する。次に、レーザポインタ132a及び132bを、既知の角度だけ回転させ、次に再び起動させて、それぞれの目標方向ベクトル134a’及び134b’によって示される光路に沿って、それぞれのレーザビームを放射する。対象物102までの距離は、搭載ビデオカメラ(図示せず)によって取り込まれた画像を使用して決定することができ、その画像は、レーザスポットを表すピクセル群を含む。より具体的には、本実施形態では、レーザポインタ132a及び132bによって対象物102上にそれぞれ生成されるレーザスポット間の距離d、並びにレーザポインタ132a及び132bと対象物102との間の距離Dを決定するように構成され、これについては、図7A及び図7Bを参照して以下でより詳細に説明する。
【0063】
図7Aは、対象物102から距離Dだけ分離したビデオカメラ130と一対の旋回可能なレーザポインタ132a及び132bとを示す図であり、レーザポインタは、対象物102の表面上にそれぞれのレーザスポットを生成する。これらの対象物表面のレーザスポットは、距離dだけ分離している。図7Bは、図7Aに示すビデオカメラ130によって取得された画像70を表す図であり、この画像70は、対象物102の表示102’と、レーザスポットのそれぞれの位置106及び108を表すそれぞれのピクセル群とを含む。
【0064】
図7A及び図7Bに示す状況によれば、既知の変数は、ビデオカメラ130の視野(即ち、図7Aの「FoV」)、画像70の幅方向の最大ピクセル数(即ち、図7Bのでは「maxPx」)、レーザポインタ132a及び132bによって生成されたレーザスポットの位置106及び108を表すピクセルの各グループ間のピクセル数(即ち、図7Bの「nPx」)、レーザポインタ132a及び132bを透過するレーザビーム間の角度(即ち、図7Aの「β」)、並びにレーザポインタ132a及び132bのそれぞれの旋回軸を分離する距離(即ち、図7Aの「L」)である。未知の変数は、レーザスポットと距離D及びdとの間の視野角αである。
【0065】
レーザスポット間の視野角αは、式(1)を用いて再び計算することができる。次に、距離dと距離Dは、以下の式を使用して計算することができる。
【0066】
1つの可能な実施態様によれば、スケールファクタは、距離dとピクセル数nPxの比に基づいて計算することができ、ケーブル懸架式プラットフォーム16が同じ位置にとどまっている間、スケールファクタを示すスケールバー又は他のスケールインジケータは、ビデオカメラ130によって取り込まれた次の画像上に表示することができる。
【0067】
図8は、更なる実施形態による、一対のレーザポインタ132a及び132bと、旋回可能な(単一軸の周囲を)第3のレーザポインタ132cを対象物102に向けたビデオカメラ130の上面図を示す図であり、ビデオカメラ130は、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16に一体化することができる。この変形例によれば、2つのレーザポインタ132a及び132bは、ビデオカメラ130に固定され、互いに平行であり、第3のレーザポインタ132cは、ビデオカメラ130に回転可能に取り付けられ、他の2つのレーザポインタ132a及び132bに対して固定された角度又は制御可能な角度に回転する。第3のレーザポインタ132cは、対象物102上のレーザスポットを互いに区別するのを助けるために、レーザポインタ132a及び132bによって照射されたレーザ光と異なる色のレーザ光を照射しうる。(代替的には、この計算方法は、同じ色の3つのレーザポインタを使用するようにすることができる。)レーザポインタ132a及び132bは、それぞれの照準方向ベクトル134a及び134bによって示される互いに平行な光路に沿って、それぞれのレーザビームを発し、他方で、第3のレーザポインタ132cは、図8の照準方向ベクトル134aによって示される光路に沿ってレーザビームを発する。
【0068】
図9Aは、図8に示すように構成され、距離Dだけ対象物102から分離したビデオカメラ130と3つのレーザポインタ132a-cを示す図であり、このレーザポインタ132a-cは、それぞれのレーザスポットを生成し、そのうちの最も分離したものは、対象物102の表面上の距離dだけ分離している。互いにレーザポインタ132a及び132bによって対象物表面上に生成されたレーザスポットは、レーザポインタ132a及び132bの軸を分離する物理的距離でもある、距離Lだけ離れている。レーザポインタ132a及び132bによって対象物表面に生成されたレーザスポットは、距離dだけ離れている。図9Bは、図9Aに示されたビデオカメラ130によって取得された画像70を表す図であり、画像70は、対象物102の表示102’と、レーザスポットのそれぞれの位置106、107及び108を表すピクセルの群とを含む。
【0069】
図9A及び図9Bに示された状況によれば、既知の変数は、ビデオカメラ130の視野(即ち、図9Aの「FoV」)、画像70の幅方向の最大ピクセル数(図9Bの「maxPx」)、レーザポインタ132a及び132bによって生成されたレーザスポットのそれぞれの位置106及び108を表す各ピクセルグループ間のピクセル数(即ち、図9Bの「nPx」)、レーザポインタ132b及び132cによって生成されたレーザスポットのそれぞれの位置108及び107を表すピクセルの各グループ間のピクセル数(即ち、図9Bの「nPx」)、レーザポインタ132b及び132cを透過するレーザビームの角度(即ち、図9Aの「β」)、並びにレーザポインタ132a及び132bの各軸を分離する距離(即ち、図9Aの「L」)である。未知の変数は、レーザスポットと距離D及びdとの間の視野角αである。
【0070】
レーザポインタ132a及び132bによって生成されるレーザスポット間の視野角αは、方程式(1)を用いて再び計算することができる。距離dと距離Dは、以下の式を使用して計算することができる。
d=L+Dtanβ
又は
d=L+(nPx+nPx)/nPx
したがって、dを計算するには2つの方法があり、1つは角度βを使用し、もう1つはnPxを使用する。距離dの値を計算する2つの別個の方法を有することは、信頼性を改善するためのプロセスチェックとして役立つ。
【0071】
1つの可能な実施態様によれば、スケールファクタは、距離dと和の比(nPx+nPx)に基づいて計算することができる。その後、ケーブル懸架式プラットフォーム16が同じ位置にとどまっている間、スケールファクタ又はスケールファクタを示す他のスケールインジケータをビデオカメラ130によって取り込まれた後続の画像に表示することができる。
【0072】
図5A図5B図7A図7B図9A及び図9Bに部分的に示された実施形態によれば、画像処理方法は、画像70上に表示されたレーザスポットの画像間の距離をピクセルで決定するために使用される。画像処理ステップの主な目的は、対象物上のレーザスポット間の距離をピクセルで決定することである。ピクセルカラーを使用する方法など、このために使用できるであろう方法がいくつか存在するが、その手法は、広範な照明条件を有する可能性のある環境ではあまり確固たるものではない。この用途では、レーザスポットが1つの画像ではオンであり、次の画像ではオフである、連続画像を含むプロセスが使用される。この方法は、ビデオカメラのフレームレートの半分のレート(又は他の整数除数)のレートでレーザポインタをオン又はオフに循環させること、次いで変化した連続するクラスターピクセルを特定するために、画像減算ステップを実行することを包含する。隣接するクラスタの重心間の差はピクセル距離(nPixels)であり、スケールファクタを計算し、後でそのスケールファクタを図形的に示すスケールインジケータを表示するために、そのピクセル距離を距離dと併用することができる。
【0073】
変化検出は、2つ以上の画像の差異を判定するために使用されるプロセスである。例えば、変化の領域は、デジタル画像処理技術を用いて決定することができる。1つのこのようなプロセスは、画像減算、ぼかしフィルタ、及び画像セグメンテーションのステップを含みうる。「デジタル画像処理」という用語は、画像又は一連の画像のコンピュータベースの分析を意味する。用語「ピクセル」は、2Dデジタル画像を構成する画像要素を指す。セグメンテーションは、デジタル画像内で類似の特性を有するピクセルを特定するプロセスである。
【0074】
図10は、一実施例に従って、対象物上のレーザスポット間の距離をピクセルで決定するために画像を処理する方法のステップを示す図である。ビデオカメラ130は、時間T=0.00、0.01、0.02及び0.03でそれぞれのフレーム140a-dを取り込む。レーザポインタ132a及び132bは、時間T=0.00及び0.02でフレーム140a及び140cが取り込まれた場合にオフであるが、時間T=0.01及び0.03でフレーム140b及び140dが取り込まれた場合にはオンである。フレーム140bは、減算画像142aを生成するためにフレーム140aから減算され、フレーム140dは、減算画像142bを生成するためにフレーム140cから減算される。次に、減算画像142a及び142bの差の位置が決定される。各領域の重心を求め、ピクセル座標(x、y)に変換する。カメラの光学系を補償するために歪み補正が実行され、2次元画像補正が適用され、(x’、y’)となる。この補正は、例えば、レンズ光学系、ズーム、及び焦点レベルに依存しうる。一実施形態では、補正が実験的に決定され、実行時にテーブルルックアップを使用して呼び出される。照明補正が適用された後、各減算画像に現れる差(すなわち、レーザスポットの画像)が決定される。一実施形態では、ピクセルごとの差分演算が実行され、続いてぼかしフィルタ演算が行われ、次に画像セグメンテーション演算が実行される。N×Nぼかしフィルター(5×5カーネルなど)を使用することができる。画像に関連する高周波ノイズの大部分を平滑化し、さまざまなサイズの領域を破棄するように調整することができる。ぼかし画像は、その後、別個の非接触領域に分割される。別々の領域のそれぞれの重心が計算され、画像ペアのそれぞれに関連付けられたリストに格納される。次に、2つのレーザスポットに対応する2つの重心を分離するピクセルの数が計算される。
【0075】
レーザスポットのそれぞれの位置106及び108を表すピクセルの群は、各画像の同じ水平ストリップにあるので、画像処理のために画像のその部分のみが必要とされる。図11は、画像処理効率を向上させるように、対象物上のレーザスポット間の距離をピクセルで決定するために画像を処理する方法のステップを示す図である。例えば、水平ストリップ144a及び144bは、フレーム140a及び140bからそれぞれ作成することができる。次いで、水平ストリップ144aから水平ストリップ144bが減算され、減算画像146が形成される。
【0076】
この概念の実施形態の別のカテゴリは、ケーブル懸架式プラットフォーム16が、ターゲットに対する距離、基準スケール、並びにターゲットに対するケーブル懸架式プラットフォーム16の一又は複数の配向角度の測定を可能にする2つ以上のレーザ範囲メーターを組み込む構成である。3つの非共線的に取り付けられたレーザ範囲メーターが使用される場合(ここでは図示されず)、複数の配向角度を測定することができる(例えば、ヨー及びピッチ)。
【0077】
図12は、別の実施形態による、対象物102に向けられた一対のレーザ範囲メーター138a及び138bを有するビデオカメラ130の上面図を示す図であり、このビデオカメラ130は、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16に一体化することができる。レーザ範囲メーター138a及び138bは、ビデオカメラ130に取り付けられ、ビデオカメラ130と共に回転する。図12に部分的に示された実施形態は、非破壊検査を受ける物体のスケール情報を取得することができる。ケーブル懸架式プラットフォーム16と対象物102との間の分離距離Dと、対象物102に対するケーブル懸架式プラットフォーム16の配向角度とを測定することもできる。レーザ範囲メーター138a及び138bは、互いに平行な構成に配置されている。例えば、相互に平行な軸を有する一対のレーザ範囲メーター138a及び138bは、ビデオカメラ130のハウジング22に固定的に取り付けられている。好ましくは、ビデオカメラ130の焦点軸及びレーザ範囲メーター138a及び138bの目標方向は、互いに平行である。起動されると、レーザ範囲メーター138a及び138bは、それぞれのレーザスポットを形成するそれぞれ相互に平行なレーザビームを対象物102の表面上に方向付ける。
【0078】
レーザ範囲メーター138a及び138bの軸が、レーザビームが衝突する対象物102の表面の部分に対して垂直でない例において、その表面からレーザ範囲メーター138a及び138bを分離するそれぞれの距離は、等しくならず、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、その表面に対して非ゼロの配向角を有することになる。レーザ範囲メーター138a及び138bの軸が、レーザビームが衝突する対象物102の表面の部分に対して垂直である例において、その表面からレーザ範囲メーター138a及び138bを分離するそれぞれの距離は等しくなり、配向角度はゼロになるだろう。したがって、対象物102からのレーザ範囲メーター138a及び138bのそれぞれの離隔距離の測定値は、対象物102及び現在の配向角度からケーブル懸架式プラットフォーム16の現在のオフセットを決定し、次いでケーブル懸架式プラットフォーム16を制御して、目標オフセットからの現在のオフセットの偏差と、目標配向角度(例えば、ゼロ度の角度)からの現在の配向角度の偏差の両方を低減するように移動させるために、使用することができる。
【0079】
ビデオカメラ130は、レーザ範囲メーター138a及び138bによって放射されるレーザビームによって形成される2つのレーザスポットが見える画像を取り込むように起動されうる。この画像データは、2つのレーザ範囲メーター138a及び138bの軸を分離する既知の距離と共に、スケールファクタを決定するために使用することができるピクセル情報を導き出すために処理することができる(詳細は後述する)。次に、ケーブル懸架式プラットフォーム16が同じ位置にある間、ビデオカメラ130によって取り込まれた後続の画像にスケールインジケータを表示するために、このスケールファクタを使用することができる。
【0080】
複数レーザ範囲メーターの実施形態について、それぞれのレーザ範囲メーターから対象物102までの距離に関連する情報が測定されており、かつビデオカメラ130の視野が分かっているので、画像処理ステップを必要とせずにスケールファクタを決定することが可能である。画像処理ステップから使用できる部分はnPxであるが、次の式を使用して、FoV、平均距離D/n、L、及びmaxPx(nはレーザ範囲メーターの数)の関数として計算することができる。
(注:前述の計算はまた、画像歪み補正ステップ、又はより正確にはその逆を必要とする。)
【0081】
制御ステーション150(図4参照)からの命令に応じて、ビデオカメラ130並びにレーザ範囲メーター138a及び138bは、搭載コンピュータシステム162によって(例えば、電気ケーブルを介して)出力される制御信号によって、起動させることができる。コンピュータシステム162はまた、パンモータ122及びチルトモータ124(図4を参照)に命令を送ることによって、パンユニット126及びチルトユニット128の動きを制御する。
【0082】
代替的実施形態によれば、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、一又は複数の配向角度と同様に、対象物までの距離の測定を可能にする複数のレーザ範囲メーターを含む。2つのレーザ範囲メーターが使用される場合(図12に示される実施形態におけるように)、1つの配向角度を測定することができる(例えば、ヨー)。3つの非共線的に取り付けられたレーザ範囲メーターが使用される場合(図示せず)、複数の配向角度を測定することができる(例えば、ヨー及びピッチ)。この情報から、スケールファクタをユーザに表示することができ、又は輸送体の制御に運動制約を適用することができる。
【0083】
図13は、3つの非共線的に取り付けられたレーザ範囲メーター38が使用され、ヨー及びピッチの配向角が測定される一実施形態による構造体の非破壊検査中に、ケーブル懸架式プラットフォームを動作させる方法40のステップを特定するフローチャートである。方法40は、以下のステップを含む。(a)ケーブル懸架式プラットフォームを検査される構造体に向かって移動するように制御すること(ステップ42)、(b)ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、構造体の表面上のそれぞれのスポットからレーザ範囲メーターを分離するそれぞれの距離を繰り返し測定する(即ち、計算する)ために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された3つのレーザ範囲メーター38を使用すること(ステップ44)、(c)少なくともステップ44で計算された距離に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームを構造体から分離する第1の分離距離を計算すること(ステップ46)、(d)構造体に対する特定の分離距離(例えば、目標オフセットに等しい)で停止するように、ケーブル懸架式プラットフォームを制御すること(ステップ48)、(e)ステップ44で計算された距離に基づいて、構造体の表面上の3つのレーザスポットと交差する平面に対するビデオカメラ130の焦点軸のヨー角及びピッチ配向角を計算すること(ステップ50)、(f)ビデオカメラ130の焦点軸が構造体の表面に対して垂直になるように、ビデオカメラ130の方向を変えるためにパンチルト機構120を制御すること(ステップ52)、(g)ケーブル懸架式プラットフォームが特定の分離距離(例えば、第1の位置)にある間、構造体の画像を取り込むためにビデオカメラ130を使用すること(ステップ54)、(h)分離距離及びビデオカメラ130の視野に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイスクリーン上に表示されたときの画像のスケールファクタを計算すること(ステップ56)、(i)上に重畳したスケールインジケータを含む画像を表示することであって、スケールインジケータの値又は長さがスケールファクタを表示する、表示すること(ステップ58)、並びに(j)フィードバック制御モードを継続するか否かを判断すること(ステップ60)。ステップ60において、フィードバック制御モードを継続すべきであると決定された場合、プロセスはステップ44に戻る。ステップ60において、フィードバック制御モードが継続すべきではないとの決定がなされた場合、以前のケーブル懸架式プラットフォームの移動モードが再開される(ステップ62)。
【0084】
図1に示す構成によれば、ケーブル懸架式プラットフォーム16に搭載された機器によって取得されたデータ(すなわち、レーザ範囲メーター138a及び138bによって取得された測定データ並びにビデオカメラ130によって取得された画像データ)が、トランシーバ160によって送信される。このメッセージは、地上の制御ステーション150によって受信される。制御ステーション150のコンピュータシステムは、メッセージから画像を表す画像データを抽出し、画像データに従ってディスプレイスクリーンのピクセルの状態を制御することによって、ディスプレイモニタ152のスクリーン上に表示させる。
【0085】
運動制御機能の一態様によれば、ケーブル懸架式プラットフォーム16は、分離距離を維持しながら第2の位置に移動するように制御することができる。次に、ビデオサテライト130は、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にある間、構造体の第2の画像を取り込むように起動され、この第2の画像は、ディスプレイスクリーン上に表示することができる。2つの画像は、表示のために共にステッチされてもよい。いくつかの例では、第1及び第2の画像は、それぞれ、構造の表面上の部分的に重畳する領域又は連続した領域を表す、第1及び第2の組の画像データを含みうる。
【0086】
運動制御機能の別の態様によれば、制御ステーション150のコンピュータシステムは、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第1の位置から第2の位置に移動した後の目標オフセットからの分離距離の偏差を検出し、次いで、分離距離が目標オフセットに等しい第3の位置に移動するようにケーブル懸架式プラットフォーム16を制御し、それによって偏差をゼロに低減するようにプログラムされてもよい。制御ステーション150のコンピュータシステムは、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にある間、3つのレーザ範囲メーター138によって測定された第1、第2及び第3の距離に基づいて、構造体の表面に対するビデオカメラ130の焦点軸の配向角度を計算することと、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にある間に所望の配向角度からのずれを検出することと、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にある間、配向角度が所望の配向角度に等しくなるように、ビデオカメラ130の配向を変更するために、パンチルト機構120を制御することとを実行するように更にプログラムされうる。
【0087】
図14は、代替的実施形態による、遠隔制御されたケーブル懸架式プラットフォーム16を使用して構造体の非破壊検査を行うシステムのいくつかの構成要素を特定するブロック図である。図4及び図14にそれぞれ示されたシステム同士の唯一の違いは、図4に示すシステムが、ビデオカメラ130のハウジング22に取り付けられたレーザポインタ132を有するのに対し、図14に示すシステムは、ビデオカメラ130のハウジング22に取り付けられたレーザ範囲メーター138を有することである。
【0088】
図14に見られるように、ケーブル懸架式プラットフォーム16に搭載された機器は、パンチルト機構120、ビデオカメラ130、及びレーザ範囲メーター138を備え、これらの全ては、制御信号によって(例えば、電気的ケーブルを介して)起動され、コンピュータシステム162によって送信することができる。コンピュータシステム162は、パンモータ122及びチルトモータ124をそれぞれ制御するモータコントローラ168に命令を送信することによって、ビデオカメラ130の配向を調整することもできる。パンチルト機構120は、パン軸及びチルト軸周囲で選択された角度までレーザ範囲メーター138及びビデオカメラ130を回転調整するように制御される。ケーブル懸架式プラットフォーム16の固定座標系に対するレーザ範囲メーター138(及びビデオカメラ130の焦点軸)の配向を説明する目標方向ベクトル134は、パン及びチルト角から決定されるレーザ範囲メーター138は、対象物102上の対象となる点に向けられる。
【0089】
レーザ範囲メーター138は、ビデオカメラ130のハウジング22内部に組み込まれてもよく、又はそれが目標方向ベクトル134に沿ってレーザビームを送信するように、ハウジング22の外側に取り付けられてもよい。レーザ範囲メーター138は、対象物102上の任意の可視特長又は対象物102上に取り付けられた任意のマーカまでの距離を測定するように構成される。いくつかの実施形態によれば、レーザ範囲メーター138は、対象物102までの距離を決定するために、レーザビームを使用する。レーザ範囲メーターの最も一般的な形態は、対象物102に向かって狭いビーム内にレーザパルスを送り、対象物102から反射して、レーザ範囲メーター138の内部に組み込まれた光検出器に戻されるパルスによってかかる時間を測定することによって、飛行時間の原理で動作する。既知の光の速度及び正確な時間の測定により、レーザ範囲メーター138から、レーザビームが衝突する対象物102の表面上のスポットまでの距離を計算することができる。多くのパルスは、ケーブル懸架式プラットフォーム16がある場所にあり、平均応答が最も一般的に使用されている間に順次発射される。
【0090】
図15は、対象物102に向けられたレーザ範囲メーター138を有するビデオカメラ130の上面図を示す図であり、このビデオカメラ130は、図1に示すケーブル懸架式プラットフォーム16に一体化することができる。レーザ範囲メーター138によって送信されたレーザビームは、レーザスポット104でターゲット102の表面に衝突する。ビデオカメラ130の視野136(一対の点線によって示される)の角度は、図15において「ang」と表示されたアークによって示される。目標方向ベクトル134は、レーザ範囲メーター138からレーザスポット104まで延び、長さD(以下、レーザ範囲メーター138と対象物102とを分離する「距離D」とも呼ばれる)を有する。
【0091】
一実施形態によれば、距離Dは、視野136の角度が分かっている間、レーザ範囲メーター138によって測定される。この情報は、ビデオカメラ130によって取り込まれた画像が表示されているときに、ディスプレイモニタ152(図14参照)のスクリーン上にサイズスケールインジケータを重畳する(overlay)又は重ね合わせる(superimpose)ために使用することができる。対象物102までの距離Dが分かっている場合、ディスプレイモニタ152のスクリーン上の画像に表示されたスケール情報により、ユーザは、表示された画像内の物体のサイズを測定できる。スケールインジケータは、ディスプレイ上の画像の全体的な水平及び垂直寸法、又はスクリーンの一部分のスケールファクタデータを示すオンスクリーンオーバーレイの形態を採ることができよう。これにより、ビデオカメラ130によって取り込まれ、ディスプレイモニタ152の画面上の画像に表示されるシーンのサイズコンテキストが提供される。
【0092】
既知のカメラの視野角は、以下の式によって与えられる。
ang=2atan(SCRx/(2D))
画像のX値とY値は、次の式で与えられる。
SCRx=Dtan(ang/2)
SCRy=ratioSCRx
ここで、Dは、レーザ範囲メーター138によって測定された対象物表面までの距離であり、「ratio」は、画像アスペクト比(既知)、すなわち画像幅wと像高hとの比である。
【0093】
更なる実施形態によれば、完全にモータ駆動されるパンチルト機構120は、対象物102の表面上の2つの点を分離する距離の直接的な測定値を取得するために、ケーブル懸架式プラットフォーム移動制御部とは独立して、レーザ範囲メーター138に向けられるために使用することができる。並進オフセットがゼロであるか、又は測定可能であると仮定すると、次に、ローカル測位システム38のすべての基本的特徴を使用することができる。
【0094】
図16は、ローカル測位システム38を担持するケーブル懸架式プラットフォーム16を使用して、検査される構造体の表面上の特長のサイジング(すなわち、ポイントツーポイント距離の測定)方法170のステップを特定するフローチャートである。方法170は、以下のステップを含む。(a)検査される構造体から分離された第1の位置に向かって移動し、次いでその位置に留まるように、ケーブル懸架式プラットフォーム16を制御するステップ(ステップ172);(b)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、構造体の表面上の第1の可視特長に対応する第1の点にレーザ範囲メーター138を向けるステップ(ステップ174)と、第1の距離測定値を取得するステップ(ステップ176);(c)レーザ範囲メーター138のチルト角が第1の点に向けられると、レーザ範囲メーター138のそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構120を使用するステップ(ステップ178);(d)ステップ176及び178で取得された距離及び角度測定値を、第1の位置におけるケーブル懸架式プラットフォーム16の基準フレーム内の第1の点の位置を表す第1のベクトルに変換するステップ(ステップ180);(e)ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にある間、構造体の表面上の第2の可視特徴に対応する第2の点にレーザ範囲メーター138を向けるステップ(ステップ182)、及び第2の距離測定値を取得するステップ(ステップ184);(f)チルト角が第2の点に向けられるときに、レーザ範囲メーター138のそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構120を使用するステップ(ステップ186);(g)ステップ184及び186で取得された距離及び角度測定値を、第2の位置におけるケーブル懸架式プラットフォーム16の基準フレームにおける第2の点の位置を表す第2のベクトルに変換するステップ(ステップ188);(h)第1の位置から第2の位置への移動中に、ケーブル懸架式プラットフォームの加速度及び回転速度を測定するために、IMU166を使用するステップ(ステップ190);(i)ステップ190で取得された情報に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォーム16の第1の位置と第2の位置との間の位置差及び配向差を表す変換行列を生成するステップ(ステップ192);(j)第1の位置におけるケーブル懸架式プラットフォーム16の基準フレーム内の第2の点の位置を表す第3のベクトルを形成するために、第2のベクトルに変換行列を乗算するステップ(ステップ194);並びに(k)第1及び第3のベクトルを使用して第1の点と第2の点との間の距離を計算するステップ(ステップ196)。
【0095】
一実施形態によれば、前段落に記載された方法は、更に以下を含む。(l)ケーブル懸架式プラットフォーム16からステップ176、178、184、186及び190で取得された測定データを含む一又は複数のメッセージを送信すること;(m)制御ステーション150(図14参照)で一又は複数のメッセージを受信すること;及び(n)メッセージから測定データを抽出することであって、ステップ180、188、192、194及び196は、制御ステーション150でコンピュータシステムによって実行される、抽出すること。この方法は、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第1の位置にある間、第1及び第2の可視特長を含む構造体の表面の一部の画像を取り込むために、ビデオカメラ130を使用すること、及びステップ196で計算された距離の値を表す画像及び記号を制御ステーション150のディスプレイモニタ152上の画像に重畳されて表示することを更に含みうる。例えば、第1及び第2の可視特徴は、構造内の異常(例えば、亀裂)のそれぞれの終点でありうる。
【0096】
図17は、上述したケーブル懸架式プラットフォーム16を用いて、対象物102上の第1の点から対象物102上の第2の点までの距離及び方向を表すベクトルを生成する上述の方法を示すベクトル図である。単一のレーザ範囲メーター138は、2点の座標を直接測定するために使用されるので、共通の基準位置が2点間の距離を決定するために使用される。この状況では、ユーザは、ローカル測位システム38(及びケーブル懸架式プラットフォーム16)の第1の基準フレームにおける第1の点の座標の取得中の、ケーブル懸架式プラットフォーム16の第1位置と、第1の基準フレームからオフセットされたローカル測位システムの第2の基準フレーム内の第2の点の座標の取得中のケーブル懸架式プラットフォーム16の第2の位置との間の距離を測定する。取得された座標位置データを用いて、ローカル測位システム38の第1の基準フレームと第2基準フレームとの間の位置差及び配向差を表す変換行列(すなわち、第1及び第2の測定が行われた瞬間のケーブル懸架式プラットフォーム16の第1の位置と第2の位置との間の差)が生成される。
【0097】
図17に見られるベクトル図は、前の段落で説明した構成を示している。それぞれの頂点で一致する2対の相互に直交する矢印は、それぞれの基準フレームを図式的に示す(図面の混乱を避けるために、各基準フレームに対するそれぞれの第3の相互に直交する軸は示されていない)。左側の一対の矢印は、第1の位置におけるケーブル懸架式プラットフォーム16の基準フレームAを表し、その一方で、右側の一対の矢印は、第2の位置におけるケーブル懸架式プラットフォーム16の基準フレームBを表す。基準フレームAに対する基準フレームBの位置オフセットが、基準フレーム{A}に対する基準フレーム{B}を説明する4×4の同次変換行列である変換行列によって、図17に示される。この状況では、基準フレーム{A}に対する基準フレーム{B}の位置及び配向は、前述のケーブル長位置測定プロセスを使用して取得されたデータから決定されうる。
【0098】
ケーブル懸架式プラットフォーム16が第1の位置にあるときのレーザ範囲メーター138から対象物102の表面上の第1の点P1までの距離は、基準フレーム{A}の原点から伸びるベクトルの長さによって表される。ケーブル懸架式プラットフォーム16が第2の位置にあるときのレーザ範囲メーター138から対象物102の表面上の第2の点P2までの距離は、基準フレーム{B}の原点から第2の点P2に伸びるベクトルの長さによって表される。次に、ベクトルに変換行列
を乗じて、基準フレームAに定義されたベクトルに変換する。得られた結果は、以下である。
ベクトルの大きさ(すなわち、長さ)は、ケーブル懸架式プラットフォーム16が第1の位置にあったときのレーザ範囲メーター138から第2の点P2までの距離を表す。距離dは、これらの2つのベクトル間の差から決定され、その演算は、以下のように表すことができる。
d=│
同様に、点Pと点Pとの間の距離dは、2点を結ぶ3次元ベクトルの大きさ(すなわちユークリッドノルム)である。これは、測定された点座標(すなわち、x、y及びzの値)の個々の成分の差の平方和の平方根として計算される。この方程式の一般的な形式は次のとおりである。
得られた距離値は、点P1及びP2を含む対象物102の表面部分のカメラ画像と共に、ディスプレイモニタ152のスクリーン上に表示される(例えば、重ね合わされるか、又は実質的に重畳される)。オプションで、コンテキストを示すために2つの点の間に線を引くことができる。
【0099】
非破壊検査工程中のケーブル懸架式プラットフォーム16の移動は、ユーザが特定の種類のタスクを制御するためにケーブル懸架式プラットフォーム16をより容易にするよう設計された様々な運動制約を受ける可能性がある。「運動制約(motion constraints)」という用語には、通常の運動学的定義が与えられるべきである。一般に、運動制約は、物体の運動から一又は複数の自由度(DoF)を取り除く。例えば、自由空間内の単一の剛体物体は自由度6(すなわち、x、y、z、ロール、ピッチ及びヨー)を有するが、その剛体物体が、例えばそれをテーブル上に置くことによって(重力のある場所で)制約されると、自由度数は、3に減らされる(すなわちx、y、及びヨー)。この例では、テーブルの平面には、システムから自由度3を取り除く運動制約が導入される。別の例では、6-DoFの物体と別の固定位置の物体との間に回転(外旋)ジョイントが取り付けられている場合、回転ジョイントは、システムから自由度5を取り除くことによって、物体の動きを自由度1(すなわち、回転ジョイントの軸周囲での回転)に制約する。これらの例は、物理的な運動制約であるが、制御された運動から一又は複数の自由度を取り除くために、運動制約をソフトウェアに適用することもできる。
【0100】
標準的工程において自由空間で6つの自由度を制御できる、ケーブル懸架式プラットフォームとそのオペレータを含むシステムについて、ケーブル懸架式プラットフォームの自由度のうちの一又は複数が、オペレータに直接制御できないように、距離測定情報が、ケーブル懸架式プラットフォームの運動を制約するために使用される。例えば、(レーザ範囲メーターからのリアルタイム測定データを使用して)対象物までの距離に運動制約が適用されると、システムはケーブル懸架式プラットフォームを特定された距離で維持しようとするだろう。これは、低レベルコントローラがなおも6の自由度を制御できないことを意味しているのではない。そうではなく、オペレータの観点から見ると、それらが直接制御していない1つ(又は複数)の軸が存在することを意味する。突風がケーブル懸架式プラットフォームを運動制約の方向に押し込もうとすると、低レベルコントローラは、運動制御を提供し、ユーザの入力を必要とせずにこれを補償することになる。これは、対象物から特定のオフセットを維持することが望ましい状況で有用である。また、仮想境界を提供する際に、又は衝突回避に役立つ。
【0101】
測定データがいったん取得されると、測定データをユーザに表示するか、又は輸送体制御に使用できる運動制約を提供するなどの追加機能に使用することができる。この延長により、センサからのデータ及び誘導された測定データのフィードバックに基づいて、ケーブル懸架式プラットフォーム16の運動制御能力が可能になる。これにより、システムの半自動制御、より直観的な手動制御が可能になる。
【0102】
レーザポインタを使用する実施形態について、制御システムに加えられることができる唯一の種類の運動制約は、これらの実施形態が配向を測定しないため、位置に関連するものである。2つ以上のレーザ範囲メーターを有する実施形態は、距離を決定することに加えて、ケーブル懸架式プラットフォーム16の対象物102に対する配向を測定する能力を有する。これにより、複数のレーザ範囲メーターを備えた実施形態は、対象物102に対するケーブル懸架式プラットフォーム16の位置及び配向の両方を制御することができる。
【0103】
図18は、一実施形態によるプラットフォーム88に搭載した機器によって取得された測定データに基づいて、プラットフォーム88の運動を制御するためのフィードバック制御プロセス80のステップを特定するブロック図である。最初に、ユーザ又はエージェントは、プラットフォーム88の目標距離及び配向に関する命令を入力し(ステップ82)、その入力は加算接合部84によって受け取られる。加算接合部84はまた、距離及び配向を計算するように構成された距離及び配向計算ソフトウェアモジュールから距離及び配向データを受け取る(ステップ94)。加算接合部84は、命令された距離から計算された距離を減算し、命令された配向から計算された配向を減算する。結果として生じる偏差は、偏差を低減するように計算された制御信号を計算するように構成された制御信号計算ソフトウェアモジュールに出力される(ステップ86)。加算接合部84からの出力に基づいて、制御信号計算ソフトウェアモジュールは、制御信号を運動アクチュエータ90(例えば、モータコントローラ114)に出力する。プラットフォーム88の移動中、センサは、センサデータを取得し(ステップ92)、センサデータを使用して距離及び配向を計算する(ステップ94)。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、コンピュータシステム162は、搭載された位置合わせ方法を使用して、対象物102に対するビデオカメラ130の相対位置(位置及び配向)オフセットを決定する。このプロセスは、3つのレーザ範囲メーター138からの距離情報を使用して、リアルタイムで相対位置を計算する。次いで、コンピュータシステム162は、そのデータを使用して、パンチルト機構120の所望のフィードバックに基づく運動を生成する。
【0105】
このプロセスにより可能になる制御の1つの形態は、その焦点軸が常に対象物102の表面に対して垂直であることを確認するための、又はそれが常に表面から特定の距離であることを確認するためのビデオカメラ130の配向といった、位置合わせのある態様においてオペレータを補助する半自動制御である。
【0106】
より具体的には、コンピュータシステム162は、レーザ範囲メーター138から受信した距離情報に基づいて、ビデオカメラ130の焦点軸を対象物102の表面に垂直なベクトルと位置合わせするためにどのような動きが必要であるかを決定するように構成される。コンピュータシステム162は、選択されたモータコントローラ168に命令信号を送り、必要に応じてパンモータ122及びチルトモータ124を起動して、その焦点軸が表面法線と位置合わせされるようにビデオカメラ130を配向する。
【0107】
3つのレーザ範囲メーター138を使用して対象物102までの距離を決定することに加えて、これらはまた、ヨー及びピッチの配向角(以下、「ヨー角」及び「ピッチ角」)を決定するためにも使用される。説明を目的として、3つのレーザ範囲メーター138が二等辺三角形の頂点に配置され、二等辺三角形の底辺の頂点に配置された2つのレーザ範囲メーターを分離する距離をa、第3のレーザ範囲メーターと二等辺三角形の底辺の中点とを分離する距離(即ち、二等辺三角形の高さ)をbと仮定する。d、d、及びdは、対象物の表面に対するそれぞれのレーザ範囲メーターのそれぞれの測定距離であると仮定する。ピッチ角及びヨー角を計算するために、方程式(2)及び(3)を使用することができる。
PitchAngle=atan2(d-(d+d)/2,b)
(2)
YawAngle=atan2(d-d,a) (3)
PitchAngle及びYawAngleは、対象物102の表面に対する現在の計算された配向角であり、atan2は、2つの引数の逆正接逆三角関数
である。これらの角度の目標は、現在の位置での表面法線に対して測定され、ゼロに等しくなければならず、目標角度を実現するプロセスが以下に説明される。
【0108】
現在のヨー角及びピッチ角を計算すると、システム運動コントローラは、制御された運動、パン、チルト、及び距離のための速度制御方法を使用することができる。比例積分微分(PID)コントローラなどのフィードバックコントローラを使用して、現在の角度と所望の角度との間の誤差をゼロにすることができる。ピッチ及びヨー運動制御を計算するために、方程式(4)及び(5)を使用することができる。
PitchRate=Kppitch*(PitchAngle-PitchAnglegoal) (4)
YawRate=Kpyaw*(YawAngle-YawAnglegoal
(5)
PitchRate及びYawRateは、それぞれ、位置合わせ装置のピッチ軸及びベースのヨー軸周囲の角回転速度を表す。Kppitch及びKpyawは、ピッチ軸及びヨー軸にそれぞれ関連する比例フィードバックゲインである。PitchAngleとYawAngleは、それぞれ、方程式(2)、(3)から計算された角度である。PitchAnglegoalとYawAnglegoalは、コントローラがシステムを駆動する所望の目的角である(前述のとおり、これらは、この例では両方ともゼロである)。積分及び微分フィードバックも使用されうるが、ここには示されていない。
【0109】
図3図6図8図12、及び図15に部分的に示された様々な実施形態は、図1に示された例示的なケーブル懸架式システムとは異なるケーブル懸架式システムと関連して使用されうる。例えば、図19は、代替的実施形態による、カメラ付きケーブル懸架式プラットフォーム18を使用して、対象物102を検査し測定するためのシステムを示す。
【0110】
図19に示す測定システムによれば、ケーブル懸架式プラットフォーム18は、それぞれのアンカー点10a及び10bに取り付けられた端部を有する固定長ケーブル28から懸架されている。この場合、ケーブル懸架式プラットフォーム18は、剛性支持構造体4bを含む。一実施形態によれば、剛性の支持構造体4bは、トロリー32に固定して結合され、それに従属する機器支持部材36を含む。トロリー32は、固定長ケーブル28上を固定長ケーブル28に沿って転動する一対のローラ34a及び34bを備える。ケーブル6a及び6bの端部は、トロリー32に取り付けられる。ケーブル6a及び6bは、それぞれのモータ駆動スプール8a及び8dにより繰り出され又は引き込まれ、ケーブルの繰り出し部分がプーリ12a及び12bそれぞれの上を通過する。プーリ12a及び12bは、各アンカー点10a及び10bに堅固に結合されたそれぞれのヨーク14a及び14bに回転可能に順次結合される。アンカー点10a及び10bは、屋内用途のために壁又は天井に取り付けられてもよく、又は屋外用途のためにポール又はクレーンに取り付けられてもよい。スプール8a及び8bの位置並びにケーブル6a及び6bの繰り出された部分の長さが分かっている限り、トロリー32の移動を制御するコンピュータシステム(図19には図示せず)は、 アンカー点の基準フレームにおけるトロリー32の中心の位置を追跡するように構成することができる。
【0111】
図19に示すシステムによれば、ケーブル懸架式プラットフォーム18は、機器支持部材36の底端に取り付けられたローカル測位システム38を更に備える。ローカル測位システム38は、前述のように、機器支持部材36の底端部に取り付けられたパンチルト機構120と、パンチルト機構120に取り付けられたカメラ20と、レーザ範囲メーター138とを含む。無線トランシーバ及び搭載アンテナ(図19には図示せず)は、前述のように制御ステーション150に類似の制御ステーションと双方向の無線電磁波通信を可能にする。代わりに、通信は、ワイヤを介したものとすることができるだろう。スプール8a及び8bのスプールの回転は、先に図2Bに示し、かつ図2Bを参照して説明した方法で制御されうる。例えば、トロリー32の中心の正確な位置は、各スプール8a及び8bに関連付けられているそれぞれの回転エンコーダによって出力されたパルスをカウントすることによって、ケーブル6a及び6bの繰り出された部分のそれぞれの長さを計算するように、ウインチユニット制御コンピュータ112を構成することによって、追跡することができる。
【0112】
代替的一実施形態によれば、プラットフォームを支持するために4つのケーブルの代わりに3つのケーブルを使用する、図1に示すシステムに類似の測定システムを提供することができる。別の代替的実施形態によれば、図19に示すシステムに類似の測定システムを提供することができ、このシステムでは、固定長ケーブル28が排除され、プラットフォームがケーブル6a及び6bのみによって支持される。
【0113】
更に、本開示は、以下の条項による実施例を含む。
【0114】
条項1. 機器支持部材、機器支持部材に取り付けられたパンチルト機構、パンチルト機構に取り付けられたカメラ、及びカメラに固定されたレーザ範囲メーターを含むケーブル懸架式プラットフォームを使用して、基準フレーム内の対象物の上の対象となる点の位置を計算するための方法であって、(a)機器支持部材に結合され、複数のアンカー点のそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)パンチルト機構を基準フレームに対して較正すること、(c)カメラが対象物の範囲内にあるように、機器支持部材を移動させるように複数のケーブルの繰り出された部分の長さを制御すること、(d)複数のケーブルの繰り出し部分の長さの一部に基づいて、各アンカー点から機器支持部材の中心点のそれぞれの距離を測定すること、(e)パンチルト機構を制御して、レーザ範囲メーターを対象物上の対象となる点に向けること、(f)レーザ範囲メーターが対象となる点を目標としている間にパンチルト機構のパン角及びチルト角を測定すること、(g)レーザ範囲メーターと対象となる点とを分離する距離を測定すること、及び(h)距離及び角度の測定値を基準フレーム内の対象となる点の位置を表す直交座標ベクトルに変換すること
を含む方法。
【0115】
条項2. 基準フレームが、対象物の基準フレームであり、ステップ(b)が、機器支持部材が静止している間にレーザ範囲メーターを異なる時間に対象物上の3つ以上の較正点に向けることと、パンチルト機構の基準フレームから対象物の基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む、条項1に記載の方法。
【0116】
条項3. ステップ(b)が、レーザ範囲メーターが各較正点を目標としている間にパンチルト機構のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーターが各較正点を目標としている間、レーザ範囲メーターと各較正点とを分離する距離を測定することとを更に含む、条項2に記載の方法。
【0117】
条項4. 基準フレームが、複数のケーブルのそれぞれのケーブルを支持する複数のアンカー点の複数の少なくとも3つの非線形アンカー点の基準フレームであり、ステップ(b)が、機器支持部材が静止している間、レーザ範囲メーターを、異なる時間に複数のアンカー点の3つ以上のアンカー点に向けることと、パンチルト機構の基準フレームから複数のアンカー点の基準フレームへの変換を表す較正行列を計算することとを含む、条項1に記載の方法。
【0118】
条項5. ステップ(b)が、レーザ範囲メーターが各アンカー点を目標としている間にパンチルト機構のパン角及びチルト角を測定することと、レーザ範囲メーターが各アンカー点を目標としている間、レーザ範囲メーターと各アンカー点とを分離する距離を測定することとを更に含む、条項4に記載の方法。
【0119】
条項6. 構造体を検査及び測定するための方法であって、(a)構造体の近傍のケーブルからにケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)構造体に向かって移動するようにケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、構造体の表面上の第1及び第2のスポットそれぞれから第1及び第2のレーザ範囲メーターをそれぞれ分離する第1及び第2の距離を繰り返し測定するために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された第1及び第2のレーザ範囲メーターを使用すること、(d)少なくとも第1及び第2の距離に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームを構造体から分離する第1の分離距離を計算すること、(e)第1の分離距離が目標オフセットに等しいかどうかを判定すること、(f)分離距離が目標オフセットに等しいというステップ(e)の決定に応じて、構造体から第1の分離距離だけ分離した第1の位置に留まるように、ケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、構造体の第1の画像を取り込むために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載されたカメラを使用すること、並びに(h)第1の画像をディスプレイスクリーンに表示すること
を含む方法。
【0120】
条項7. 第1及び第2の距離が目標オフセットに等しく、分離距離及びカメラの視野に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイスクリーンに表示されると、第1の画像のスケールファクタを計算することと、ディスプレイスクリーンに表示された第1の画像に重畳されたスケールインジケータを表示することを更に含み、スケールインジケータの値及び長さがスケールファクタを表す、条項6に記載の方法。
【0121】
条項8. ケーブル懸架式プラットフォームから第1の画像を表す画像データを含むメッセージを送信することと、制御ステーションでメッセージを受信することと、メッセージから第1の画像を表す画像データを抽出することとを更に含み、ディスプレイスクリーン上に第1の画像を表示することが、画像データにしたがってディスプレイスクリーンのピクセルの状態を制御することを含む、条項6に記載の方法。
【0122】
条項9. 分離距離を維持しながら第2の位置に移動するように、ケーブル懸架式プラットフォームを制御することと、ケーブル懸架式プラットフォームが第2の位置にある間、構造体の第2の画像を取り込むために、カメラを使用することと、第2の画像をディスプレイスクリーンに表示することとを更に含む、条項6に記載の方法。
【0123】
条項10. 第1の画像及び第2の画像がそれぞれ、構造体の表面上の部分的に重畳する領域又は連続する領域を表す第1及び第2の組の画像データを含む、条項9に記載の方法。
【0124】
条項11. 第1及び第2の距離に基づいて、構造体の表面上の第1及び第2のスポットを結ぶ線に対するカメラの焦点軸の配向角度を計算することと、分離距離及び配向角度に少なくとも部分的に基づいて、ディスプレイスクリーンに表示されると、第1の画像のスケールファクタを計算することと、第1の画像上に重畳されたスケールインジケータを表示することとを更に含み、スケールインジケータの値又は長さがスケールファクタを表す、条項6に記載の方法。
【0125】
条項12. ケーブル懸架式プラットフォームが移動している間、第3のレーザ範囲メーターを構造体の表面上の第3のスポットから分離する第3の距離を繰り返し測定するために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載された第3のレーザ範囲メーターを使用することを更に含み、分離距離が、第1、第2及び第3の距離に基づいて計算される、条項6に記載の方法。
【0126】
条項13. 第1、第2及び第3の距離に基づいて、構造体の表面上の第1、第2及び第3のスポットによって画定される平面に対するカメラの焦点軸の第1及び第2の配向角度を計算することと、分離距離並びに第1及び第2の配向角度に基づいて、ディスプレイスクリーンに表示されると、第1の画像のスケールファクタを計算することと、第1の画像上に重畳されたスケールインジケータを表示することとを更に含み、スケールインジケータの値又は長さがスケールファクタを表す、条項12に記載の方法。
【0127】
条項14. ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置から第2の位置に移動した後に、目標オフセットからの分離距離の偏差を検出することと、分離距離が目標オフセットに等しい第3の位置に移動するようにケーブル懸架式プラットフォームを制御し、それによって、偏差をゼロに減少させることと更に含む、条項6に記載の方法。
【0128】
条項15. 第1、第2、及び第3の距離に基づいて構造体の表面に対するカメラの焦点軸の配向角度を計算することと、ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、所望の配向角度からの配向角度のずれを検出することと、配向角度が所望の配向角度に等しくなるように、カメラの配向を制御することとを更に含む、条項14に記載の方法。
【0129】
条項16. 構造体を検査及び測定するための方法であって、(a)構造体の近傍のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)構造体から分離した位置に移動し、その後そこに留まるようにケーブル懸架式プラットフォームを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォーム上に旋回可能に搭載された第1及び第2のレーザポインタを構造体の表面に向けて平行に方向付けることであって、第1及び第2のレーザポインタのそれぞれの旋回軸が、固定された距離によって分離されている、方向付けること、(d)ケーブル懸架式プラットフォームがある位置にある間、第1及び第2のスポット上に互いに平行なレーザビームをそれぞれ送信するために、相互に平行な第1及び第2のレーザポインタを使用すること、(e)第1及び第2のスポットを含む構造体の表面の一部分の第1の画像を取り込むために、ケーブル懸架式プラットフォームに搭載されたカメラを初めて使用すること、(f)第1及び第2のレーザポインタがもはや平行でないように、ケーブル懸架式プラットフォームが所定位置にある間、第1及び第2のレーザポインタを所定の角度だけ旋回させること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームが所定位置にある間、平行でないレーザビームを構造体の表面上の第3及び第4のスポットそれぞれ送信するために、旋回した第1及び第2のレーザポインタを使用すること、(h)第3及び第4のスポットを含む構造体の表面の部分の第2の画像を取り込むために、カメラを2回目に使用すること、並びに(i)画像内の第3及び第4のスポットの位置に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームを構造体から分離する第1の分離距離を計算するために、第1及び第2の画像を処理することであって、所定の角度及び固定された距離がレーザポインタの旋回軸を分離する、処理することを含む方法。
【0130】
条項17. ステップ(i)が、第3及び第4のスポットのそれぞれの中心を分離する第2の分離距離を計算することを更に含み、方法は、第2の分離距離に基づいてディスプレイスクリーンに表示されると、第1及び第2の画像のスケールファクタを計算することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0131】
条項18. (j)ケーブル懸架式プラットフォームから第1及び第2の画像を表す画像データを含むメッセージを送信すること、(k)制御ステーションでメッセージを受信すること、並びに(l)メッセージから第1の画像を表す画像データを抽出することを更に含み、ステップ(l)が制御ステーションで実行される、条項17に記載の方法。
【0132】
条項19. 構造体の表面の一部の第3の画像を取り込むためにカメラを使用すること、並びに第3の画像上に重畳されたスケールインジケータをディスプレイスクリーンに表示することとを更に含み、スケールインジケータの値又は長さがスケールファクタを表す、条項17に記載の方法。
【0133】
条項20. カメラとレーザ範囲メーターを支持するパンチルト機構を含むケーブル懸架式プラットフォームを使用して構造体の特徴をサイジングする方法であって、(a)複数のアンカー点のそれぞれのアンカー点で支持された複数のケーブルからケーブル懸架式プラットフォームを懸架すること、(b)ケーブル懸架式プラットフォームを第1の位置に移動させるように、複数のケーブルの繰り出された部分の長さを制御すること、(c)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にあるときに、複数のケーブルの繰り出し部分の長さに部分的に基づいて、それぞれのアンカー点からケーブル懸架式プラットフォームの中心点のそれぞれの距離を測定すること、(d)ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、構造体の表面上の第1の可視特長に対応する第1の点にレーザ範囲メーターを向け、第1の距離測定値を取得すること、(e)レーザ範囲メーターが第1の点に向けられると、レーザ範囲メーターのそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構を使用すること、(f)ステップ(d)及び(e)で取得された距離及び角度測定値を、ケーブル懸架式プラットフォームの基準フレーム内の第1の点の位置を表す第1のベクトルに変換すること、(g)ケーブル懸架式プラットフォームを第1の位置から第2の位置に移動させるように、複数のケーブルの繰り出される部分の長さを制御すること、(h)ケーブル懸架式プラットフォームが第2の位置にあるときに、複数のケーブルの繰り出された部分の長さに部分的に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームの中心点のそれぞれのアンカー点からのそれぞれの距離を測定すること、(i)ケーブル懸架式プラットフォームが第2の位置にある間、構造体の表面上の第2の可視特長に対応する第2の点にレーザ範囲メーターを向けること、並びに第2の距離測定値を取得すること、(j)レーザ距離メーターが第2の点に向けられると、レーザ範囲メーターのそれぞれのパン角及びチルト角を測定するために、パンチルト機構を使用すること、(k)ステップ(i)及び(j)で取得された距離及び角度測定値を、ケーブル懸架式プラットフォームの基準フレームにおける第2の点の位置を表す第2のベクトルに変換すること、(l)ステップ(c)及びステップ(h)で取得された情報に基づいて、ケーブル懸架式プラットフォームの第1及び第2の位置の間の位置差及び配向差を表す変換行列を生成すること、(m) 第1の位置におけるケーブル懸架式プラットフォームの基準フレーム内の第2の点の位置を表す第3のベクトルを形成するために、第2のベクトルに変換行列を乗算すること、並びに(n)第1及び第3のベクトルを用いて第1の点と第2の点との間の距離(d)を計算することを含む方法。
【0134】
条項21. (o)ケーブル懸架式プラットフォームからの測定データを含む一又は複数のメッセージを送信すること、(p)制御局で一又は複数のメッセージを受信すること、及び(q)メッセージから測定データを抽出することを更に含み、ステップ(f)及び(k)から(n)は、制御ステーションでコンピュータシステムによって実行される、条項20に記載の方法。
【0135】
条項22. ケーブル懸架式プラットフォームが第1の位置にある間、第1及び第2の可視特長を含む構造体の表面の一部の画像を取り込むために、カメラを使用すること、並びに制御ステーションでディスプレイスクリーン上の画像に重畳された、ステップ(n)で計算された距離の値を表す画像及び記号を表示することを更に含む、条項21に記載の方法。
【0136】
条項23. 第1及び第2の可視特長は、構造体内の異常のそれぞれの終点である、条項20に記載の方法。
【0137】
条項24. 構造体を検査及び測定するためのシステムであって:少なくとも2つのアンカー点と、それぞれのアンカー点によって支持されている少なくとも2つのプーリと;少なくとも2つのスプールと、それぞれのスプールを回転駆動するために各々が動作可能に連結された少なくとも2つのスプールモータと;それぞれのスプールの漸進的角移動を検出するように各々が動作可能に連結されている少なくとも2つの回転エンコーダと;剛性支持構造体、剛性支持構造体に取り付けられたパンチルト機構、パンチルト機構に取り付けられたカメラ、及びカメラに取り付けられたレーザ範囲メーターを含むプラットフォームと;それぞれのスプール周囲に巻き付けられた第1の部分と、それぞれのプーリに接触している第2の部分とを各々が有している、剛性支持構造体に結合された少なくとも2つのケーブルと;パンチルト機構及びスプールモータの動作を制御し、カメラ及びレーザ範囲メーターを選択的に起動するように構成されたコンピュータシステムと;コンピュータシステムと制御ステーションとの間の通信を可能にするように構成されたトランシーバとを含み、コンピュータシステムが、カメラからの画像データ、パンチルト機構からのパン及びチルト角データ、レーザ範囲メーターからの距離データ、及び回転エンコーダからの回転データを受信し;構造体に対するプラットフォームの第1の位置を決定し;プラットフォームを第1の位置から第2の位置に移動させ、カメラが目標オフセットによって構造体の表面から分離されるように、スプールモータを制御する命令を送信するよう更に構成される、システム。
【0138】
条項25. 剛性支持構造体が、機器支持部材と、機器支持部材に取り付けられた又は一体的に形成されたケーブル取り付けリングとを含み、ケーブル取り付けリングに取り付けられたケーブルの数が少なくとも3つである、条項24に記載のシステム。
【0139】
条項26. 剛性支持構造体が、機器支持部材と、機器支持部材に取り付けられた又は機器支持部材と一体的に形成されたトロリーとを含み、トロリーに取り付けられたケーブルの数が2つであり、アンカー点の数が2つであり、2つのアンカー点を結合する第3のケーブルを更に備え、トロリーは、第3のケーブル上を転動する第1及び第2のローラを含む、条項24に記載のシステム。
【0140】
構造体の非破壊検査中にケーブル懸架式プラットフォームの動作を制御する方法が、様々な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本明細書の教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、その要素に対して均等物が代用されうると理解することになろう。加えて、その範囲から逸脱することなく、多数の修正を行い、本明細書の教示を特定の状況に適合させることができよう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されないと意図される。
【0141】
先ほど開示された実施形態は、一又は複数のコンピュータシステムを使用する。特許請求の範囲で使用されているように、「コンピュータシステム」という用語は、有線又は無線接続を介して通信する単一の処理若しくは計算デバイス又は複数の処理若しくは計算デバイスを含む。そのような処理装置若しくは計算デバイスは、典型的には、プロセッサ、コントローラ、中央処理装置、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータプロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、及び/又は本明細書に記載の機能を実行することができる任意の他の回路若しくは処理デバイスのうちの一又は複数を含む。上記の例は単なる例示であり、決して「コンピュータシステム」という用語の定義及び/又は意味を限定するものではない。
【0142】
本明細書に記載の方法は、記憶デバイス及び/又はメモリデバイスを含むが、これらに限定されない、非一過性の有形のコンピュータ可読記憶媒体で実施される実行可能命令として符号化されうる。このような命令は、処理又は計算システムによって実行されると、システムデバイスに、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実行させる。
【0143】
特許請求の範囲で使用されるように、「位置」という用語は、3次元座標系における位置及びその座標系に対する配向を含む。
【0144】
以下に記載されるプロセスの請求項は、請求項に列挙されたステップは、アルファベット順に(請求項の中の任意のアルファベットの順番は、前に列挙されたステップを参照する目的のためだけに使用される)、又はそれらのステップの一部又はすべてが実行される特定の順番を示す条件を請求項の文言が明示的に特定又は記載しない限り、それらが列挙される順に実行する必要があると解釈すべきではない。また、特許請求の範囲の文言がそのような解釈を排除する条件を明示的に述べていない限り、2つ以上のステップの任意の部分を同時に又は交互に実行することを排除すると解釈されるべきではない。
【0145】
付録
図20は、機器座標系{A}の原点から、実質的に機器の照準軸に沿って、対象となる点Pまで延びる位置ベクトルPを示し、かつ対象物座標系{B}の原点から対象となる点Pまで延びる位置ベクトルPを示す。
【0146】
図20を参照すると、機器座標系622の点Pの座標がパンの球座標(即ち、点Pに対するベクトルPの図13のパン角634)、チルト(点Pに対するベクトルPの図20のチルト角636)、及び範囲(図20のベクトルPに沿った点Pまでの距離)であるとき、機器座標系622における球座標として表される点Pの位置は、機器618の順運動学に関する以下の式から、機器座標系622におけるX、Y、Z直交座標における点Pの位置に関連する。
X=Rangecos(pan)cos(tilt)
Y=Rangesin(pan)cos(tilt)
Z=Rangesin(tilt)
パン(方位角)は、Z軸周囲の回転であり、チルト(仰角)は、機器座標系622のY軸周囲の回転である。
【0147】
機器座標系622における直交座標(X、Y、Z)として表される点Pの位置は、機器618の逆運動学に関する以下の式から、機器座標系622における球座標(パン、チルト、範囲)として表される点Pの位置に関連することに留意されたい。
【0148】
1つの実施態様では、対象物座標系616における位置P(形式[X,Y,Z,1]の列ベクトルとして表される)は、以下の方程式により、機器座標系622における位置P(また形式[X,Y,Z,1]の列ベクトルとして表される)から計算される。
ここでTは、較正行列である。一実施例では、較正行列は、以下の方程式を有する4×4の同次変換行列である。
機器座標系622における位置Pが、以下の方程式により、較正行列の逆行列を使用して、対象物座標系616における位置Pから計算できることに留意されたい。
【0149】
一実施例では、3つの較正点は、非共線形であり、較正行列は以下のように計算される。
ここで図21から図23を参照すると、
は、点PA1からPA2まで延びる座標系Aのベクトルであり、
は、点PA1からPA3まで延びる座標系Aのベクトルであり、
は、点PB1からPB2まで延びる座標系Aのベクトルであり、
は、点PB1からPB3まで延びる座標系Aのベクトルであり、
及び
は、ベクトル交差積から作成された法線であり、
及び
は、回転軸であり、
及び
は、それぞれ、
及び
周囲の回転角度であり、
,R,及びR12は、3×3の対称回転行列であり、
( )は、後述する角度軸の定義から3×3の回転行列を生成する関数であり(当業者には既知であり、例えば、「Introduction to Robotics:Mechanics and Control」、第3版、John J. Craig、2004年7月、Prentice Hall Professional Technical Referenceに記載されている)、
cθ=cos(θ),sθ=sin(θ),vθ=1-cos(θ),かつ
である。
【0150】
4×4の均質較正行列
が、対象物に対するポインティング機器の任意の位置について1回だけ計算され、任意の数のベクトルを座標系A(機器座標系622)から座標系B(対象物座標系616)に変換するために、
を使用することができることに留意されたい。逆較正行列
は、較正行列
の逆数を計算することによって計算することができる、又は前の段落の第1の式のベクトルの順序を切り替えることによって直接的に計算することができることにも留意されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23