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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018188977
(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公開番号】P2020054726
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2019-11-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】山崎 幸子
【合議体】
【審判長】鉄 豊郎
【審判官】北川 創
【審判官】▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-195185(JP,A)
【文献】特許第6100219(JP,B2)
【文献】特開2017-205389(JP,A)
【文献】特許第4606745(JP,B2)
【文献】特開2018-42931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
音声データを出力可能な音声データ出力手段と、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに応じた音を出力可能な音出力手段と、
を備え、
前記音出力手段は、
音声が含まれるBGMである所定音を出力可能であり、
前記特定演出において、演出音として第1セリフ音を出力し、当該第1セリフ音の出力から所定期間が経過したときに演出音として第2セリフ音の出力を開始可能であり、
少なくとも前記第1セリフ音が出力されているときと、前記第2セリフ音が出力されているときと、において前記所定音の出力を制限可能であり、
前記音声データ出力手段は、前記所定期間において前記所定音とは異なる演出音である前記第1セリフ音と前記第2セリフ音とを示す音声データを出力していないときに特殊音を示す音声データを出力可能であり、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は前記所定音の出力を制限可能であり、
前記特殊音は、遊技者が認識することが困難又は不可能な音であり、かつ、実行中の前記特定演出に関連しない音である、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に表示される所定数を段階的に減少させる段階的減少予告演出を実行し、当該段階的減少予告演出が実行された際、スピーカにより出力されている音の音量を減少させる遊技機が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-27226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機では、段階的減少予告演出が実行されていないときの音量の制御について改善の余地があった。
【0005】
この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
特定演出(例えばセリフ予告演出など)を実行可能な特定演出実行手段(例えば演出制御用CPU120など)と、
音声データを出力可能な音声データ出力手段(例えば音声制御基板13など)と、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに応じた音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ8L、8Rなど)と、
を備え、
前記音出力手段は、
音声が含まれるBGMである所定音(例えばBGM音声など)を出力可能であり(例えば図8-1、8-2、8-5、8-8など)、
前記特定演出において、演出音として第1セリフ音(例えば第1セリフ音声など)を出力し、当該第1セリフ音の出力から所定期間(例えば空白期間など)が経過したときに演出音として第2セリフ音(例えば第2セリフ音声など)の出力を開始可能であり(例えば図8-2、8-5、8-8など)、
少なくとも前記第1セリフ音が出力されているときと、前記第2セリフ音が出力されているときと、において前記所定音の出力を制限可能であり(例えば図8-2、8-4、8-5、8-8など)、
前記音声データ出力手段は、前記所定期間において前記所定音とは異なる演出音である前記第1セリフ音と前記第2セリフ音とを示す音声データを出力していないときに特殊音(例えばダミー音声など)を示す音声データを出力可能であり(例えば図8-5、8-8など)、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は前記所定音の出力を制限可能であり(例えば図8-4、8-5、8-8など)、
前記特殊音は、遊技者が認識することが困難又は不可能な音であり、かつ、実行中の前記特定演出に関連しない音である、
ことを特徴とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る他の遊技機は、
特定演出(例えばセリフ予告演出など)を実行可能な特定演出実行手段(例えば演出制御用CPU120など)と、
音声データを出力可能な音声データ出力手段(例えば音声制御基板13など)と、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに応じた音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ8L、8Rなど)と、
を備え、
前記音出力手段は、
所定音(例えばBGM音声など)を出力可能であり(例えば図8-1、8-2、8-5、8-8など)、
前記特定演出において、演出音として第1音(例えば第1セリフ音声など)を出力し、当該第1音の出力から所定期間(例えば空白期間など)が経過したときに演出音として第2音(例えば第2セリフ音声など)の出力を開始可能であり(例えば図8-2、8-5、8-8など)、
少なくとも前記第1音が出力されているときと、前記第2音が出力されているときと、において前記所定音の出力を制限可能であり(例えば図8-2、8-4、8-5、8-8など)、
前記音声データ出力手段は、前記所定期間において前記所定音とは異なる演出音である前記第1音と前記第2音とを示す音声データを出力していないときに特殊音(例えばダミー音声など)を示す音声データを出力可能であり(例えば図8-5、8-8など)、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は前記所定音の出力を制限可能であり(例えば図8-4、8-5、8-8など)、
前記特殊音は、遊技者が認識することが困難又は不可能な音であり、かつ、実行中の前記特定演出に関連しない音である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1音が出力されているときと、第2音が出力されているときと、において所定音の出力を制限すると共に、第1音の出力が終了してから第2音の出力が開始されるまでの所定期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0007】
(2)上記(1)の遊技機において、
前記音声データ出力手段は、
前記第1音を示す音声データと前記第2音を示す音声データとを、第1チャンネル(例えば再生チャンネル0など)を用いて出力可能であり(例えば図8-4など)、
前記特殊音を示す音声データを、前記第1チャンネルとは異なる第2チャンネル(例えば再生チャンネル1など)を用いて出力可能であり(例えば図8-4など)、
前記第1音の出力が開始されてから前記第2音の出力が終了するまでの期間に前記特殊音を示す音声データを出力可能である(例えば図8-5など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を示す音声データが出力されている所定期間を含む第1音の出力が開始されてから第2音の出力が終了するまでの期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0008】
(3)上記(1)の遊技機において、
前記音声データ出力手段は、
前記第1音が出力されている期間に前記特殊音を示す音声データを出力せず(例えば図8-8など)、
前記第2音が出力されている期間に前記特殊音を示す音声データを出力しない(例えば図8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1音が出力されているときと、第2音が出力されているときと、において所定音の出力を制限すると共に、特殊音を示す音声データが出力されている所定期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0009】
(4)上記(1)~(3)の何れかの遊技機において、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は、前記特殊音を出力しない(例えば図8-4、8-5など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を出力することなく、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0010】
(5)上記(1)~(3)の何れかの遊技機において、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は、前記特殊音を出力する(例えば図8-7、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を出力しつつ、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0011】
(6)上記(1)~(5)の何れかの遊技機において、
前記特殊音は、遊技者が認識することが困難又は不可能な非可聴音(例えば超音波など)である、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、特殊音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0012】
(7)上記(1)~(6)の何れかの遊技機において、
少なくとも前記第1音と前記第2音とが出力されない無音状態に対応する無音データとは異なる有音データが音声データに含まれているか否かを判定可能な判定手段(例えばステップ068AKS104の処理を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに前記有音データが含まれていないと前記判定手段によって判定されたときに、前記所定音の出力を制限しない(例えばステップ068AKS106、068AKS108の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1音と第2音とが何れも出力されない所定期間において、音声データに有音データが含まれていないと判定されたことに基づいて所定音の出力が制限されず、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0013】
(8)上記(1)~(7)の何れかの遊技機において、
前記第2音の出力が終了してから第1期間(例えば終結期間など)が経過するまで前記所定音の出力の制限を継続する(例えば図8-5、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定音によって特定演出の余韻が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0014】
(9)上記(1)~(8)の何れかの遊技機において、
前記第1音の出力が開始されるタイミングよりも第2期間(例えば導入期間など)だけ前から前記所定音の出力の制限を開始する(例えば図8-5、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出に合わせた態様で所定音の出力を制限し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
図3】遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図4】遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
図5】特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図6】演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
図7】演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。
図8-1】特徴部068AKの第1の実施の形態に係るダッキング処理実行時におけるセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示す図である。
図8-2】特徴部068AKの第1の実施の形態に係るセリフ予告演出において第1セリフ音声及び第2セリフ音声が出力された場合におけるダッキング処理実行時のセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示す図である。
図8-3】特徴部068AKの第1の実施の形態に係る音声制御基板を示す構成図である。
図8-4】特徴部068AKに係る第1の実施の形態に係る音声データの種類と音声データの出力に使用される再生チャンネルとの対応関係などを示す図である。
図8-5】特徴部068AKの第1の実施の形態に係るダミー音声データが出力された場合におけるダッキング処理実行時のセリフ音声及びBGM音声の音量の推移などを示す図である。
図8-6】特徴部068AKの第1の実施の形態に係るダッキング設定処理の一例を示すフローチャートである。
図8-7】特徴部068AKの第2の実施の形態に係る音声データの種類と音声データの出力に使用される再生チャンネルとの対応関係などを示す図である。
図8-8】特徴部068AKの第2の実施の形態に係るセリフ音声・ダミー音声データが出力された場合におけるダッキング処理実行時におけるセリフ音声及びBGM音声の音量の推移などを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
【0017】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0018】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
【0019】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0020】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0021】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0022】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0023】
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
【0024】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0025】
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0026】
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
【0027】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0028】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
【0029】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0030】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0031】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0032】
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0033】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0034】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0035】
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0036】
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0037】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0038】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
【0039】
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
【0040】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0041】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
【0042】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
【0043】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
【0044】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
【0045】
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0046】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0047】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0048】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0049】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0050】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0051】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
【0052】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0053】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0054】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0055】
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
【0056】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
【0057】
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0058】
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
【0059】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
【0060】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0061】
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
【0062】
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
【0063】
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
【0064】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
【0065】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0066】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0067】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0068】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0069】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0070】
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
【0071】
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
【0072】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0073】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0074】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0075】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0076】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0077】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
【0078】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0079】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0080】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0081】
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0082】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
【0083】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
【0084】
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0085】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0086】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0087】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0088】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0089】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0090】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0091】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0092】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0093】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0094】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0095】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0096】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0097】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0098】
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0099】
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0100】
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
【0101】
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
【0102】
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0103】
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
【0104】
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
【0105】
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
【0106】
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
【0107】
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0108】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0109】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
【0110】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0111】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0112】
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0113】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0114】
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0115】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0116】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0117】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0118】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0119】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0120】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0121】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0122】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0123】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0124】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0125】
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
【0126】
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
【0127】
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
【0128】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0129】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
【0130】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0131】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0132】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0133】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0134】
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0135】
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0136】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0137】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0138】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0139】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0140】
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
【0141】
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
【0142】
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
【0143】
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
【0144】
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
【0145】
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
【0146】
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
【0147】
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
【0148】
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0149】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0150】
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
【0151】
(特徴部068AKに関する説明)
以下、特徴部068AKについて説明する。
【0152】
(第1の実施の形態)
特徴部068AKでは、音出力手段としてのスピーカ8L、8Rが、BGM(Back Ground Music)を示すBGM音声を出力可能に構成されている。本実施の形態では、可変表示が実行されている期間において、所定音としてのBGM音声が、予め設定された第1音量にてスピーカ8L、8Rによって出力される。
【0153】
特徴部068AKでは、実行中の可変表示の表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される可能性を示唆するセリフ予告演出を実行可能に構成されている。特定演出としてのセリフ予告演出においては、キャラクタのセリフを示すセリフ音声が、予め設定された第2音量にてスピーカ8L、8Rによって出力される。本実施の形態において、第1音量は、第2音量よりも小さい。
【0154】
特徴部068AKでは、BGM音声が出力されている状態においてセリフ音声が出力されたときに、BGM音声の出力を制限するダッキング処理を実行可能に構成されている。
【0155】
図8-1は、特徴部068AKに関し、ダッキング処理実行時におけるセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示している。
【0156】
図8-1に示すように、本実施の形態では、セリフ音声が第2音量V2にて出力されたときに、ダッキング処理を実行し、BGM音声の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8RによるBGM音声の出力を停止する(BGM音声を出力させない)ことによって、BGM音声の出力を制限する。
【0157】
特徴部068AKでは、BGM音声が出力されている状態においてセリフ音声が出力されたときにダッキング処理を実行することによって、セリフ音声がBGM音声に妨げられて聞き取り難くなってセリフ予告演出の演出効果が低下することを抑制し、遊技興趣の低下を抑制している。言い換えると、ダッキング処理を実行することによって、セリフ音声を聞き取り易くし、セリフ予告演出の演出効果を向上させ、遊技興趣を向上させている。
【0158】
図8-1に示すように、ダッキング処理が終了すると、ダッキング処理において「0」に制御されたBGM音声の音量を、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量である第1音量V1へ制御することによりBGM音声の出力の制限を終了(解除)する制御が行われる。
【0159】
本実施の形態では、セリフ予告演出において、セリフ音声としての第1セリフ音声及び第2セリフ音声が、第2音量V2にてスピーカ8L、8Rによって出力される。具体的に、セリフ予告演出において、第1音としての第1セリフ音声が出力されると共に、第1セリフ音声の出力が終了してから予め設定された空白期間(例えば6秒など)が経過した後、第2音としての第2セリフ音声が出力される。所定期間としての空白期間においては、セリフ音声が出力されない。
【0160】
図8-2は、特徴部068AKに関し、セリフ予告演出において第1セリフ音声及び第2セリフ音声が出力された場合におけるダッキング処理実行時のセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示している。
【0161】
図8-2は、第1セリフ音声が出力されるときと、第2セリフ音声が出力されるときと、においてダッキング処理を実行する一方、空白期間においてはダッキング処理を実行しない場合におけるセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示している。この場合、図8-2に示すように、第1セリフ音声の出力が終了してから第2セリフ音声の出力が開始されるまでの空白期間において(セリフ予告演出の実行中に)BGM音声の制限が終了し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまう虞がある。すなわち、この場合、セリフ予告演出において、第1セリフ音声が出力された後、BGM音声が出力されてから第2セリフ音声が出力されることになり、セリフ予告演出の連続性が断たれ、不自然な演出となってしまう虞がある。
【0162】
このため、特徴部068AKでは、詳細については後述するものの、第1セリフ音声が出力されるときと、第2セリフ音声が出力されるときと、においてダッキング処理を実行すると共に、空白期間においてもダッキング処理を実行することにより、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制する。
【0163】
図8-3は、特徴部068AKに関し、音声制御基板13を示す構成図である。
【0164】
本実施の形態において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介することなく、音声制御基板13を直接制御する。音声データ出力手段としての音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従って、音声を出力するための音声データをスピーカ8L、8Rへ出力し、スピーカ8L、8Rを制御(駆動)する。スピーカ8L、8Rは、音声制御基板13による制御に従って、音声制御基板13によって出力された音声データに応じた音を出力する。
【0165】
音声制御基板13は、音声データROM131と、デコーダ132と、出力I/F(インタフェース)133と、を備えている。なお、図示は省略するものの、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路、処理タイミングを決定するためのクロック信号を発生するタイミング発生回路等の音を出力するための各種回路を備えている。
【0166】
音声データROM131は、スピーカ8L、8Rが出力可能な各種音声を出力するための音声データを、圧縮された状態で記憶する。パチンコ遊技機1は、外部の情報処理装置(例えばPC(Personal Computer)など)によって生成された各音声データを当該外部の情報処理装置から取得し、圧縮した状態で音声データROM131に予め格納している。
【0167】
一の音声を出力するための音声データは、音が出力される有音状態に対応する(音を示す)有音データとしての当該一の音声を示す音声データを少なくとも含んでいる。後述するように、本実施の形態において、音声データROM131に記憶された音声データの一部は、有音データを含むと共に、音が出力されない無音状態に対応する(音を示さない)無音データを含んでいる。無音状態において、少なくとも第1セリフ音声、第2セリフ音声、BGM音声及び後述するダミー音声は、出力されない。
【0168】
本実施の形態において、音声データROM131は、セリフ音声としての第1セリフ音声及び第2セリフ音声を出力するための音声データであるセリフ音声データと、BGM音声を出力するための音声データであるBGM音声データと、ダミー音声を出力するための音声データであるBGM音声データと、を少なくとも記憶している。なお、音声データROM131は、これらの音声データと共に、スピーカ8L、8Rが出力可能であり、第1セリフ音声、第2セリフ音声、BGM音声及びダミー音声の何れとも異なる音(例えば、異常入賞の発生を報知する警告音など)を出力するための音声データを記憶している。
【0169】
特殊音としてのダミー音声は、遊技者が認識することが困難又は不可能な非可聴音である。具体的に、本実施の形態において、ダミー音声は、非可聴音としての超音波である。超音波は、人間の可聴域より高い周波数を有する音(人間の耳で聞き取れる音の周波数の上限とされる16kHz~20kHzよりも高い周波数を有する音)である。本実施の形態において、ダミー音声の周波数は、25kHzである。
【0170】
デコーダ132は、演出制御用CPU120による制御に従って、圧縮された音声データを音声データROM131から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ132は、デコードした音声データを、再生チャンネルを使用して出力する。本実施の形態において、デコーダ132は、32個の再生チャンネル(再生チャンネル0~再生チャンネル31)を備えている。音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、各再生チャンネルへ指令(コマンド)を出力することによって各再生チャンネルの音量(各再生チャンネルを使用して出力される音声データの音量)を制御する。
【0171】
出力I/F133は、デコーダ132の各再生チャンネルから出力された音声データをミックスし、ミックスした音声データをアナログ音声データへ変換し、当該アナログ音声データを増幅し、増幅されたアナログ音声データをスピーカ8L、8Rに出力させる。
【0172】
図8-4(a)は、特徴部068AKに関し、音声データの種類と音声データの出力に使用される再生チャンネルとの対応関係を示している。
【0173】
図8-4(a)に示すように、セリフ音声データは、第1チャンネルとしての再生チャンネル0を使用して出力され、ダミー音声データは、第2チャンネルとしての再生チャンネル1を使用して出力される。BGM音声データは、再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力される。本実施の形態では、再生チャンネル2及び再生チャンネル3はペアになっており、BGM音声データを再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力することにより、BGM音声をステレオ音声として出力できる。本実施の形態では、セリフ音声データが単一の再生チャンネルとしての再生チャンネル0を使用して出力されているときに、セリフ音声としての第1セリフ音声及び第2セリフ音声を、当該セリフ音声データに基づいてスピーカ8Lとスピーカ8Rとの両方から出力することにより、第1セリフ音声及び第2セリフ音声が遊技者にステレオ音声として認識されるように構成されている。
【0174】
互いに異なる再生チャンネルを使用して出力される複数の音声データは、同時に出力することができる。例えば、再生チャンネル0を使用して出力されるセリフ音声データと、再生チャンネル1を使用して出力されるダミー音声データと、再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力されるBGM音声データと、は同時に出力することができる。このような構成により、複数の音声が混合された多彩な音声を出力することができる。また、音声データの出力に使用される再生チャンネルを音声データの種類に応じて固定することにより、音声同士が互いに干渉し合うことを防止できる。
【0175】
図8-4(b)は、特徴部068AKに関し、各再生チャンネルの音量制御を示す模式図である。
【0176】
図8-4(b)に示すように、音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、セリフ音声データが再生チャンネル0を使用して出力されているときに、ダッキング処理が実行されるダッキング期間であるか否かに関わらず、第2音声出力指令を再生チャンネル0へ出力することによって、再生チャンネル0の音量を第2音量V2に制御し、第1セリフ音声及び第2セリフ音声を第2音量V2にてスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0177】
音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、ダミー音声データが再生チャンネル1を使用して出力されているときに、ダッキング期間であるか否かに関わらず、消音指令を再生チャンネル1へ出力することによって、再生チャンネル1の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8Rによるダミー音声の出力を停止させる。
【0178】
音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、ダッキング期間において、消音指令を再生チャンネル2及び再生チャンネル3へ出力することによって、再生チャンネル2及び再生チャンネル3の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8RによるBGM音声の出力を停止させる。
【0179】
一方、音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、ダッキング期間以外のBGM音声データが再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力されている期間において、第1音声出力指令を再生チャンネル2及び再生チャンネル3へ出力することによって、再生チャンネル2及び再生チャンネル3の音量を第1音量V1に制御し、BGM音声を第1音量V1にてスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0180】
図8-5は、特徴部068AKに関し、ダミー音声データが出力された場合におけるダッキング処理実行時のセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示している。
【0181】
図8-5に示すように、再生チャンネル0を使用して出力されるセリフ音声データは、有音データとしての第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データを含んでいる。
【0182】
上述したように、音声制御基板13は、セリフ音声データが再生チャンネル0を使用して出力されているときに、再生チャンネル0の音量を第2音量V2に制御する。このような構成により、第1セリフ音声を示す音声データがデコーダ132によって再生チャンネル0を使用して出力されたときに、スピーカ8L、8Rは、第1セリフ音声を第2音量V2にて出力し、第2セリフ音声を示す音声データがデコーダ132によって再生チャンネル0を使用して出力されたときに、スピーカ8L、8Rは、第2セリフ音声を第2音量V2にて出力する。
【0183】
セリフ音声データは、空白期間を含む第1セリフ音声及び第2セリフ音声の何れも出力されない期間(第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データの何れも出力されない期間)に出力される音声データとして、無音データを含んでいる。無音データがデコーダ132によって再生チャンネル0を使用して出力されたときに、スピーカ8L、8Rは、音を出力しない。
【0184】
再生チャンネル1を使用して出力されるダミー音声データは、有音データとしてのダミー音声を示す音声データを含んでいる。本実施の形態では、図8-5に示すように、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間(第1セリフ音声を示す音声データの出力が開始されてから第2セリフ音声を示す音声データの出力が終了するまでの期間)において、ダミー音声を示す音声データが出力される。ダミー音声データは、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間以外の期間に出力される音声データとして、無音データを含んでいる。
【0185】
上述したように、音声制御基板13は、ダミー音声データが再生チャンネル1を使用して出力されているときに、再生チャンネル1の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8Rによるダミー音声の出力を停止させる。すなわち、ダミー音声を示す音声データが音声制御基板13によって出力されているときに、スピーカ8L、8Rは、ダミー音声を出力しない。
【0186】
再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力されるBGM音声データは、有音データとしてのBGM音声を示す音声データを含む一方、無音データを含んでいない。
【0187】
特徴部068AKでは、音声制御基板13が再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力した音声データに有音データが含まれている有音期間において、ダッキング処理を実行し、BGM音声の出力を制限する一方、音声制御基板13が再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力した音声データに有音データが含まれていない無音期間においては、ダッキング処理を実行せず、BGM音声の出力を制限しない。
【0188】
すなわち、有音期間は、音声制御基板13が再生チャンネル0を使用して出力した音声データと、音声制御基板13が再生チャンネル1を使用して出力した音声データと、の少なくとも一方が有音データである期間である。一方、無音期間は、音声制御基板13が再生チャンネル0を使用して出力した音声データと、音声制御基板13が再生チャンネル1を使用して出力した音声データと、の何れもが無音データである期間である。
【0189】
有音データとしての第1セリフ音声を示す音声データが再生チャンネル0を使用して出力されている期間と、有音データとしての第2セリフ音声を示す音声データが再生チャンネル0を使用されている期間と、は有音期間であり、これらの期間においてダッキング処理が実行される。すなわち、第1セリフ音声が出力されているときと、第2セリフ音声が出力されているときと、において、ダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。有音データとしてのダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されている期間は、有音期間であり、当該期間においてダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。上述したように、特徴部068AKでは、空白期間において、ダミー音声を示す音声データが出力される。このような構成によれば、第1セリフ音声が出力されているときと、第2セリフ音声が出力されているときと、においてBGM音声の出力を制限すると共に、第1セリフ音声の出力が終了してから第2セリフ音声の出力が開始されるまでの空白期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0190】
なお、上述したように、ダミー音声を示す音声データが音声制御基板13によって出力されているときに、スピーカ8L、8Rは、ダミー音声を出力しない。このような構成によれば、ダミー音声が出力されないので、ダミー音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0191】
なお、上述したように、ダミー音声は、非可聴音である。このような構成によれば、ダミー音声を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、例えば再生チャンネル1の音量制御において不具合が発生してダミー音がスピーカ8L、8Rによって出力された場合等においても、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0192】
本実施の形態では、上述したように、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間において、ダミー音声を示す音声データが出力され、有音期間としての当該期間においてダッキング処理が実行される。このような構成によれば、ダミー音を示す音声データが出力されている空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0193】
特徴部068AKでは、有音期間が開始されるタイミングよりも予め設定された導入期間(例えば3秒など)だけ前からダッキング処理を開始し、BGM音声の出力の制限を開始する。このような構成によれば、セリフ予告演出に合わせた態様でBGM音声の出力を制限し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0194】
本実施の形態では、有音期間が開始されるタイミングとしての第1セリフ音声の出力が開始されるタイミング(第1セリフ音声を示す音声データの出力が開始されるタイミング)よりも第2期間としての導入期間だけ前からダッキング処理を開始し、BGM音声の出力の制限を開始する。
【0195】
具体的に、本実施の形態では、図8-5に示すように、BGM音声の音量を第1音量V1から段階的に小さくする制御を、有音期間が開始されるタイミングとしての第1セリフ音声の出力が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングにおいて開始し、有音期間が開始されたタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」に制御する。
【0196】
特徴部068AKでは、有音期間が終了してから予め設定された終結期間(例えば3秒など)が経過するまでダッキング処理を継続し、BGM音声の出力の制限を継続する。このような構成によれば、BGM音声によってセリフ予告演出の余韻が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0197】
本実施の形態では、有音期間が終了したタイミングとしての第2セリフ音声の出力が終了したタイミング(第2セリフ音声を示す音声データの出力が終了したタイミング)から第1期間としての終結期間が経過するまでダッキング処理を継続し、BGM音声の出力の制限を継続する。
【0198】
具体的に、本実施の形態では、図8-5に示すように、BGM音声の音量を「0」から段階的に大きくする制御を、有音期間が終了したタイミングとしての第2セリフ音声の出力が終了したタイミングにおいて開始し、第2セリフ音声の出力が終了したタイミングから終結期間が経過したタイミングにおいてBGM音声の音量を第1音量V1に制御し、BGM音声の出力の制限を終了する。
【0199】
以上説明したように、本実施の形態では、図8-5に示すように、ダッキング期間としての、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから有音期間が終了した後に終結期間が経過したタイミングまでの期間(第1セリフ音声の出力が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから第2セリフ音声の出力が終了した後に終結期間が経過したタイミングまでの期間)において、ダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。
【0200】
図8-6は、特徴部068AKに関し、ダッキング設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0201】
本実施の形態において、図8-6のフローチャートに示すダッキング設定処理は、ステップS171の可変表示開始設定処理において実行される。演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理において、ダッキング設定処理の実行に先だって、セリフ予告演出を実行するか否かを決定し、決定結果を例えばRAM122の所定領域などに予め記憶させている。
【0202】
具体的に、演出制御用CPU120は、予め用意された実行決定テーブルを参照し、可変表示の表示結果が「大当り」であるか否かに応じて、セリフ予告演出を実行するか否かを決定する。可変表示の表示結果は、主基板11から伝送された、可変表示の表示結果を示す可変表示結果通知コマンドに基づいて特定すればよい。本実施の形態では、可変表示の表示結果が「大当り」である場合には、可変表示の表示結果が「大当り」以外である場合に比べて高い割合でセリフ予告演出を実行すると決定される。このため、セリフ予告演出が実行された場合には、セリフ予告演出が実行されない場合に比べて大当り期待度が高い(高い割合で大当り遊技状態に制御される)。このような構成によれば、遊技者に、セリフ予告演出が実行されるか否かに注目させ、遊技興趣を向上させることができる。
【0203】
可変表示開始設定処理では、セリフ予告演出を実行すると決定された場合、セリフ予告演出の実行設定が行われ、セリフ予告演出が実行されるセリフ予告演出期間や、セリフ予告演出の演出態様等が設定される。
【0204】
図8-6のフローチャートに示すダッキング設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、セリフ予告演出を実行すると可変表示開始設定処理において決定されたか否かを判定する(ステップ068AKS101)。セリフ予告演出を実行すると決定されていないと判定すると(ステップ068AKS101;No)、演出制御用CPU120は、ダッキング処理を実行しないと決定する(ステップ068AKS108)。
【0205】
一方、セリフ予告演出を実行すると可変表示開始設定処理において決定されたと判定すると(ステップ068AKS101;Yes)、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を制御し、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力される音声データを音声データROM131から取得させる(ステップ068AKS102)。具体的に、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS102の処理において、音声制御基板13を制御し、再生チャンネル0を使用して出力されるセリフ音声データと、再生チャンネル1を使用して出力されるダミー音声データと、を音声データROM131から取得させる。
【0206】
演出制御用CPU120は、ステップ068AKS102にて取得された再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力される音声データから、無音データと有音データとを検出する(ステップ068AKS103)。具体的に、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS103の処理にて、音声データの示す振幅が予め設定された判定閾値以上であるか否かを判定し、判定閾値以上の振幅を示すと判定された音声データを有音データとして検出する一方、判定閾値よりも小さい振幅を示すと判定された音声データを無音データとして検出する。判定閾値は、実験等の任意の方法によって予め設定されている。
【0207】
以下、ステップ068AKS103の処理において、図8-5に示すように、再生チャンネル0を使用して出力されるセリフ音声データから、第1セリフ音声を示す音声データと第2セリフ音声を示す音声データとが有音データとして検出され、空白期間を含む第1セリフ音声と第2セリフ音声とが何れも出力されていない期間に出力される音声データが無音データとして検出された場合を例に用いて説明する。すなわち、本実施の形態において、第1セリフ音声及び第2セリフ音声は、判定閾値以上の振幅を有している。また、以下、ステップ068AKS103の処理において、図8-5に示すように、再生チャンネル1を使用して出力されるダミー音声データから、ダミー音声を示す音声データが有音データとして検出され、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間以外の期間に出力される音声データが無音データとして検出された場合を例に用いて説明する。すなわち、本実施の形態において、ダミー音声は、判定閾値以上の振幅を有している。
【0208】
図8-6に戻り、ステップ068AKS103の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS103の処理における無音データ及び有音データの検出結果に基づいて、無音期間及び有音期間を検出する(ステップ068AKS104)。
【0209】
具体的に、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS104の処理において、一の期間において再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力されるセリフ音声データ及びダミー音声データに有音データが含まれているか否かを判定し、有音データが含まれていると判定したときには当該一の期間を有音期間として検出し、有音データが含まれていないと判定したときには当該一の期間を無音期間として検出する。
【0210】
上述したように、有音期間においてはダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される一方、無音期間においてはダッキング処理が実行されず、BGM音声の出力が制限されない。すなわち、一の期間において再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力される音声データに有音データが含まれていないと判定され、当該一の期間が無音期間として検出されたときに、BGM音声の出力を制限しない。上述したように、本実施の形態では、空白期間において、有音データとしてのダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力される。
【0211】
このような構成によれば、第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データの何れも出力されず、第1セリフ音声と第2セリフ音声とが何れも出力されない空白期間において、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力された音声データに有音データが含まれていないと判定されたことに基づいてBGM音声の出力が制限されず(ダッキング処理が実行されず)、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0212】
より具体的に、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS104の処理において、一の期間において再生チャンネル0を使用して出力されるセリフ音声データと、当該一の期間において再生チャンネル1を使用して出力されるダミー音声データと、の少なくとも一方が有音データであるか否かを判定し、少なくとも何れか一方が有音データであると判定したときには当該一の期間を有音期間として検出し、両方とも無音データであると判定したときには当該一の期間を無音期間として検出する。
【0213】
本実施の形態では、ステップ068AKS104の処理において、図8-5に示すように、第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間が有音期間として検出され、当該期間以外の期間が無音期間として検出される。
【0214】
図8-6に戻り、ステップ068AKS104の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、少なくとも1つ以上の有音期間がステップ068AKS104の処理にて検出されたか否かを判定する(ステップ068AKS105)。有音期間がステップ068AKS104の処理にて検出されなかったと判定すると(ステップ068AKS105;No)、演出制御用CPU120は、ダッキング処理を実行しないと決定する(ステップ068AKS108)。
【0215】
一方、少なくとも1つ以上の有音期間がステップ068AKS104の処理にて検出されたと判定すると(ステップ068AKS105;Yes)、演出制御用CPU120は、ダッキング処理の実行設定を行い、ステップ068AKS104の処理にて検出された無音期間を、ダッキング処理を実行しない期間として設定すると共に、ステップ068AKS104の処理にて検出された有音期間に応じてダッキング期間を設定する(ステップ068AKS106)。具体的に、演出制御用CPU120は、ステップ068AKS106の処理において、図8-5に示すように、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから有音期間が終了した後に終結期間が経過したタイミングまでの期間をダッキング期間として設定する。
【0216】
図8-6に戻り、有音期間がステップ068AKS104の処理にて検出されなかったと判定されたときに(ステップ068AKS105;No)、ダッキング処理を実行しないと決定され(ステップ068AKS108)、少なくとも1つ以上の有音期間がステップ068AKS104の処理にて検出されたと判定されたときに(ステップ068AKS105;Yes)、ステップ068AKS104の処理にて検出された無音期間が、ダッキング処理を実行しない期間として設定される(ステップ068AKS106)ため、無音期間においては、ダッキング処理が実行されず、BGM音声の出力は制限されない。
【0217】
ステップ068AKS106の処理を実行した後や、ステップ068AKS108の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、決定結果を例えばRAM122の所定領域などに記憶させ(ステップ068AKS107)、ダッキング設定処理を終了する。
【0218】
ステップS172の可変表示中演出処理において、ステップS171の可変表示開始設定処理における決定に基づいて、セリフ予告演出が実行されると共に、ダッキング処理が実行される。すなわち、可変表示中演出処理において、可変表示開始設定処理にて設定されたセリフ予告演出期間であると判定されたときにセリフ予告演出を実行する制御が実行され、ダッキング設定処理にて設定されたダッキング期間であると判定されたときにダッキング処理が実行される。
【0219】
以上説明したように、特徴部068AKでは、第1セリフ音声(第1音)が出力されているときと、第2セリフ音声(第2音)が出力されているときと、において、ダッキング処理が実行され、BGM音声(所定音)の出力が制限される。また、特徴部068AKでは、有音データとしてのダミー音声(特殊音)を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されているときに、ダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。また、特徴部068AKでは、第1セリフ音声の出力が終了してから第2セリフ音声の出力が開始されるまでの空白期間(所定期間)において、ダミー音声を示す音声データが出力される。このような構成によれば、第1セリフ音声が出力されているときと、第2セリフ音声が出力されているときと、においてBGM音声の出力を制限すると共に、空白期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出(特定演出)の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0220】
特徴部068AKでは、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間において、ダミー音声を示す音声データを出力する。このような構成によれば、ダミー音を示す音声データが出力されている空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0221】
特徴部068AKでは、ダミー音声を示す音声データが音声制御基板13によって出力されているときに、スピーカ8L、8Rは、ダミー音声を出力しない。このような構成によれば、ダミー音声を出力することなく、ダミー音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0222】
特徴部068AKでは、ダミー音声が、遊技者が認識することが困難又は不可能な非可聴音である。このような構成によれば、ダミー音声を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0223】
特徴部068AKでは、一の期間において再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力される音声データに有音データが含まれていないと判定され、当該一の期間が無音期間として検出されたときに、BGM音声の出力を制限しない。また、特徴部068AKでは、本実施の形態では、空白期間において、有音データとしてのダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力される。このような構成によれば、第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データの何れも出力されず、第1セリフ音声と第2セリフ音声とが何れも出力されない空白期間において、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力された音声データに有音データが含まれていないと判定されたことに基づいてBGM音声の出力が制限されず(ダッキング処理が実行されず)、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0224】
特徴部068AKでは、有音期間が終了したタイミングとしての第2セリフ音声の出力が終了したタイミングから終結期間(第1期間)が経過するまでダッキング処理を継続し、BGM音声の出力の制限を継続する。このような構成によれば、BGM音声によってセリフ予告演出の余韻が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0225】
特徴部068AKでは、有音期間が開始されるタイミングとしての第1セリフ音声の出力が開始されるタイミングよりも導入期間(第2期間)だけ前からダッキング処理を開始し、BGM音声の出力の制限を開始する。このような構成によれば、セリフ予告演出に合わせた態様でBGM音声の出力を制限し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0226】
上記第1の実施の形態では、第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間においてダミー音声を示す音声データを出力するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間を少なくとも含む任意の期間において、ダミー音声を示す音声データを出力することができる。例えば、第1セリフ音声の出力が開始されるタイミングよりも前からダミー音声を示す音声データの出力を開始し、第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間においてダミー音声を示す音声データを出力し、第2セリフ音声の出力が終了してから所定期間が経過するまでダミー音声を示す音声データの出力を継続するようにしてもよい。
【0227】
上記第1の実施の形態では、ダミー音声が、非可聴音であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ダミー音声は、遊技者が認識可能な(容易に認識できる)可聴音であってもよい。この場合、少なくともダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されている期間において、再生チャンネル1の音量を「0」に設定し、ダミー音声の出力を停止することが好ましい。このような構成によれば、ダミー音としての可聴音を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されているときに、ダミー音が出力されず、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0228】
上記第1の実施の形態では、ダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されているときに、再生チャンネル1の音量は「0」に設定され、ダミー音声の出力が停止されるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ダミー音声を示す音声データが再生チャンネル1を使用して出力されている期間において、再生チャンネル1の音量を「0」より大きい音量(例えば第1音量V1、第2音量V2など)に設定し、ダミー音声を出力するようにしてもよい。この場合、ダミー音声は、非可聴音であることが好ましい。このような構成によれば、ダミー音が出力されても、当該ダミー音が遊技者にとって認識することが困難又は不可能であるため、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0229】
上記第1の実施の形態では、セリフ音声データが単一の再生チャンネルとしての再生チャンネル0を使用して出力されるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ペアになった2つの再生チャンネルを使用してセリフ音声データを出力することにより、セリフ音声をステレオ音声として出力するようにしてもよい。例えば、ダミー音声データを再生チャンネル1以外の再生チャンネル(例えば再生チャンネル4など)を使用して出力する一方、ペアになった再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用してセリフ音声データを出力するようにしてもよい。或いは、再生チャンネル1を使用してダミー音声データを出力する形態において、ダミー音声データを出力していない期間に、セリフ音声データをペアになった再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力するようにしてもよい。
【0230】
なお、ペアになった2つの再生チャンネルを使用してダミー音声データを出力することにより、ダミー音声をステレオ音声として出力するようにしてもよい。例えば、ペアになった再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用してセリフ音声データを出力することにより、セリフ音声をステレオ音声として出力すると共に、ペアになった2つの再生チャンネル(例えば再生チャンネル4及び再生チャンネル5)を使用してダミー音声データを出力することにより、ダミー音声をステレオ音声として出力するようにしてもよい。
【0231】
上記第1の実施の形態では、セリフ音声データが単一の再生チャンネルとしての再生チャンネル0を使用して出力されているときに、セリフ音声としての第1セリフ音声及び第2セリフ音声を、当該セリフ音声データに基づいてスピーカ8Lとスピーカ8Rとの両方から出力することにより、第1セリフ音声及び第2セリフ音声が遊技者にステレオ音声として認識されるように構成されているものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、単一の再生チャンネルとしての再生チャンネル0を使用して出力されたセリフ音声データに基づいて、スピーカ8Lとスピーカ8Rとの何れか一方のみからセリフ音声を出力することにより、セリフ音声をモノラル音声として出力するようにしてもよい。
【0232】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間において、ダミー音声を示す音声データを出力するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、少なくとも空白期間を含む任意の期間において、ダミー音声を出力することができる。以下、空白期間においてダミー音声を示す音声データを出力する一方、空白期間以外の期間においてはダミー音声を示す音声データを出力しない第2の実施の形態に係る特徴部068AKについて、上記第1の実施の形態に係る特徴部068AKとの相違点を中心に説明する。
【0233】
図8-7(a)は、特徴部068AKに関し、音声データの種類と音声データの出力に使用される再生チャンネルとの対応関係を示している。
【0234】
本実施の形態において、デコーダ132は、図8-7(a)に示すように、BGM音声データを、再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力すると共に、音声データROM131に記憶されているセリフ音声・ダミー音声データを読み出し、読み出したセリフ音声・ダミー音声データを、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力する。
【0235】
セリフ音声・ダミー音声データは、セリフ音声としての第1セリフ音声及び第2セリフ音声と、ダミー音声と、を出力するための音声データである。本実施の形態において、ダミー音声は、非可聴音としての超音波である。また、本実施の形態において、再生チャンネル0及び再生チャンネル1はペアになっており、セリフ音声・ダミー音声データを、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力することにより、第1セリフ音声、第2セリフ音声及びダミー音声をステレオ音声として出力できる。
【0236】
図8-7(b)は、特徴部068AKに関し、各再生チャンネルの音量制御を示す模式図である。
【0237】
図8-7(b)に示すように、音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、セリフ音声・ダミー音声データが再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力されているときに、ダッキング期間であるか否かに関わらず、第2音声出力指令を再生チャンネル0及び再生チャンネル1へ出力することによって、再生チャンネル0及び再生チャンネル1の音量を第2音量V2に制御し、第1セリフ音声、第2セリフ音声及びダミー音声を第2音量V2にてスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0238】
音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、ダッキング期間において、消音指令を再生チャンネル2及び再生チャンネル3へ出力することによって、再生チャンネル2及び再生チャンネル3の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8RによるBGM音声の出力を停止させる。一方、音声制御基板13は、演出制御用CPU120による制御に従い、ダッキング期間以外のBGM音声データが再生チャンネル2及び再生チャンネル3を使用して出力されている期間において、第1音声出力指令を再生チャンネル2及び再生チャンネル3へ出力することによって、再生チャンネル2及び再生チャンネル3の音量を第1音量V1に制御し、BGM音声を第1音量V1にてスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0239】
図8-8は、特徴部068AKに関し、セリフ音声・ダミー音声データが出力された場合におけるダッキング処理実行時のセリフ音声及びBGM音声の音量の推移を示している。
【0240】
図8-8に示すように、再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力されるセリフ音声・ダミー音声データは、有音データとして、第1セリフ音声を示す音声データ、第2セリフ音声を示す音声データ及びダミー音声を示す音声データを含んでいる。
【0241】
ダミー音声を示す音声データは、空白期間において出力される一方、空白期間以外の期間においては出力されない。すなわち、第1セリフ音声を示す音声データが出力され、第1セリフ音声が出力されている期間と、第2セリフ音声を示す音声データが出力され、第2セリフ音声が出力されている期間と、においては、ダミー音声を示す音声データを出力しない。
【0242】
本実施の形態において、空白期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間は、有音期間であり、当該期間においてダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。
【0243】
すなわち、有音データとしての第1セリフ音声を示す音声データが出力される期間と、有音データとしての第2セリフ音声を示す音声データが出力される期間と、有音期間としてのダミー音声を示す音声データが出力される空白期間と、は何れも有音期間であり、これらの期間を含む第1セリフ音声の出力が開始されてから第2セリフ音声の出力が終了するまでの期間も有音期間である。
【0244】
このような構成によれば、第1セリフ音声が出力されているときと、第2セリフ音声が出力されているときと、においてBGM音声の出力を制限すると共に、ダミー音を示す音声データが出力されている空白期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0245】
上述したように、音声制御基板13は、セリフ音声・ダミー音声データが再生チャンネル0及び再生チャンネル1を使用して出力されているときに、再生チャンネル0及び再生チャンネル1の音量を第2音量V2に制御し、第1セリフ音声、第2セリフ音声及びダミー音声を第2音量V2にてスピーカ8L、8Rに出力させる。すなわち、本実施の形態では、ダミー音声を示す音声データが出力されているときに、スピーカ8L、8Rは、ダミー音を出力する。このような構成によれば、ダミー音を出力しつつ、ダッキング処理を実行してBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0246】
なお、上述したように、ダミー音声は、非可聴音である。このような構成によれば、ダミー音声を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、ダミー音がスピーカ8L、8Rによって出力されている状態においても、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0247】
本実施の形態では、図8-8に示すように、ダッキング期間としての、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから有音期間が終了した後に終結期間が経過したタイミングまでの期間において、ダッキング処理が実行され、BGM音声の出力が制限される。
【0248】
以上説明したように、本実施の形態に係る特徴部068AKでは、空白期間においてダミー音声を示す音声データを出力する一方、第1セリフ音声が出力されている期間と、第2セリフ音声が出力されている期間と、において、ダミー音声を示す音声データを出力しない。このような構成によれば、第1セリフ音声が出力されているときと、第2セリフ音声が出力されているときと、においてBGM音声の出力を制限すると共に、ダミー音を示す音声データが出力されている空白期間においてBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0249】
本実施の形態に係る特徴部068AKでは、ダミー音声を示す音声データが出力されているときに、スピーカ8L、8Rは、ダミー音を出力する。このような構成によれば、ダミー音を出力しつつ、ダッキング処理を実行してBGM音声の出力を制限し、BGM音声によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0250】
本実施の形態に係る特徴部068AKにおいて、ダミー音声は、非可聴音である。このような構成によれば、ダミー音声を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、ダミー音がスピーカ8L、8Rによって出力されている状態においても、ダミー音によってセリフ予告演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0251】
上記第2の実施の形態では、第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データと、ダミー音声を示す音声データと、を同一の再生チャンネルを使用して出力するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、第1セリフ音声を示す音声データ及び第2セリフ音声を示す音声データと、ダミー音声を示す音声データと、を異なる再生チャンネルを使用して出力するようにしてもよい。
【0252】
上記第2の実施の形態では、空白期間以外の期間において、ダミー音声を示す音声データを出力しないものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、空白期間以外の第1セリフ音声及び第2セリフ音声の何れも出力されない期間において、ダミー音声を示す音声データを出力してもよい。
【0253】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で示された構成の一部を備えたものであってもよい。
【0254】
上記第1、第2の実施の形態では、特定演出はセリフ予告演出であり、第1音は第1セリフ音声であり、第2音は第2セリフ音声であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、特定演出は、スピーカ8L、8Rによって音が出力される任意の演出であってよく、第1音及び第2音は、特定演出において出力される任意の音であってよい。例えば、特定演出は、大当り遊技状態への制御が開始される旨を報知するファンファーレ演出であってもよく、第1音及び第2音は、ファンファーレ演出において出力されるファンファーレ音であってもよい。
【0255】
上記第1、第2の実施の形態では、セリフ予告演出は、実行中の可変表示の表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態に制御される可能性を示唆する演出であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、セリフ予告演出の予告対象は、任意に設定できる。例えば、セリフ予告演出は、未だ実行されていない可変表示の表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態に制御される可能性を示唆する先読み予告演出であってもよい。或いは、セリフ予告演出は、擬似連演出が実行される可能性を示唆する演出であってもよい。
【0256】
上記第1、第2の実施の形態では、所定音は、BGM音声であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、所定音は、第1音及び第2音とは異なる任意の音声であってよい。例えば、所定音は、第1始動入賞口又は第2始動入賞口に遊技球が入賞(進入)したことを報知する入賞音であってもよい。
【0257】
上記第1、第2の実施の形態では、BGM音声が、可変表示が実行されている期間において出力されるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、BGM音声は、任意の期間において出力することができる。例えば、BGM音声を、可変表示が実行されている期間と、大当り遊技状態に制御されている期間と、において出力するようにしてもよい。なお、図8-6のフローチャートに示すダッキング設定処理において、セリフ予告演出期間においてBGM音声が出力されないと判定したときには、ダッキング処理を実行しないと決定するようにしてもよい。このような構成によれば、セリフ予告演出期間においてBGM音声が出力されず、ダッキング処理を実行する必要が無い場合において不必要なダッキング処理を実行してしまうことを抑制し、処理負荷を軽減できる。具体的に、BGM音声データに基づいて、セリフ予告演出期間においてBGM音声を示す音声データが出力されるか否かを判定することにより、セリフ予告演出期間においてBGM音声が出力されるか否かを判定すればよい。
【0258】
上記第1、第2の実施の形態では、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量としての第1音量V1は、セリフ音声の音量としての第2音量V2よりも小さいものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、第1音量V1は、第2音量V2と同一であってもよいし、第2音量V2よりも大きくてもよい。
【0259】
上記第1、第2の実施の形態では、ダッキング処理において、BGM音声の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8RによるBGM音声の出力を停止することによって、BGM音声の出力を制限するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ダッキング処理においては、BGM音声の出力を任意の態様で制限することができる。例えば、ダッキング処理において、BGM音声の音量を、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量である第1音量V1よりも小さく、かつ、「0」よりも大きい制限音量に制御する(BGM音声を制限音量にて出力する)ことによって、BGM音声の出力を制限してもよい。この場合、ダッキング処理が終了すると、ダッキング処理において制限音量に制御されたBGM音声の音量を、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量である第1音量V1へ制御することによりBGM音声の出力の制限を終了する制御を行うようにすればよい。
【0260】
なお、セリフ予告演出の種類(演出態様)に応じて異なる態様によってBGM音声の出力を制限するようにしてもよい。例えば、セリフ予告演出において、画像表示装置5の画面を暗転させることによって当該画面に表示された演出画像を遊技者が視認することを困難又は不可能にするブラックアウト演出を実行可能に構成し、セリフ予告演出において当該ブラックアウト演出が実行されないときには、BGM音声の音量を制限音量に制御することによってBGM音声の出力を制限し、セリフ予告演出において当該ブラックアウト演出が実行されるときには、BGM音声の音量を「0」に制御し、スピーカ8L、8RによるBGM音声の出力を停止することによってBGM音声の出力を制限するようにしてもよい。このような構成によれば、セリフ予告演出の種類に応じた態様によってBGM音声の出力を制限し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0261】
上記第1、第2の実施の形態では、ダッキング処理が終了すると、BGM音声の音量を、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量である第1音量V1へ変化させることによりBGM音声の出力の制限を終了するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ダッキング処理が終了したときに、BGM音声の音量を、ダッキング処理が実行されていない状態におけるBGM音声の音量とは異なる音量へ変化させることによりBGM音声の出力の制限を終了するようにしてもよい。
【0262】
上記第1、第2の実施の形態では、セリフ予告演出において、第1セリフ音声と、第2セリフ音声と、が出力されるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、セリフ予告演出において、3個以上のセリフ音声を出力することにしてもよい。
【0263】
上記第1、第2の実施の形態では、演出制御用CPU120が、音声制御基板13を制御するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、表示制御部123が、演出制御用CPU120による制御に従って、音声制御基板13を制御することにしてもよい。
【0264】
上記第1、第2の実施の形態では、音声データROM132が音声データを記憶するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、音声データは、任意の装置に記憶させることができる。例えば、音声データを、演出制御用基板CPU120に搭載されたROM121に記憶させてもよいし、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の外部記憶装置に記憶させてもよい。
【0265】
なお、上記第1、第2の実施の形態において、ダミー音声は、非可聴音としての超音波であるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、ダミー音声は、遊技者が認識することが困難又は不可能な任意の非可聴音であってよい。例えば、ダミー音声は、非可聴音としての超低周波音であってもよい。超低周波音は、人間の可聴域より低い周波数を有する音(人間の耳で聞き取れる音の周波数の下限とされる20Hzよりも低い周波数(例えば10Hzなど)を有する音)である。或いは、ダミー音声は、非可聴音としての、人間の耳で聞き取れる音量の下限よりも小さい音量である極小音量を有する音であってもよい。人間の耳で聞き取れる音量の下限は、実験等の任意の方法により決定すればよい。具体的に、非可聴音としての極小音量のBGM音声を、ダミー音声として出力するようにしてもよい。すなわち、BGM音声とダミー音声とは互いに同一の音声であってもよい。なお、非可聴音としてのダミー音声は、静かな(背景雑音の小さい)環境において遊技者が認識することが困難又は不可能な音量を有する音に限られず、静かな環境においては遊技者にとって認識可能であるものの、遊技場等の騒がしい(背景雑音の大きい)環境においては遊技者が認識することが困難又は不可能な音量を有する音であってもよい。
【0266】
上記第1、第2の実施の形態では、第1セリフ音声及び第2セリフ音声を出力するための音声データが、単一の音声データであるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、第1セリフ音声を出力するための音声データと、第2セリフ音声を出力するための音声データと、は互いに別個の音声データであってもよい。
【0267】
上記第1、第2の実施の形態では、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前からダッキング処理を開始し、BGM音声の出力の制限を開始するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、有音期間が開始されるタイミングにおいてダッキング処理を開始し、BGM音声の出力の制限を開始するようにしてもよい。
【0268】
上記第1、第2の実施の形態では、BGM音声の音量を第1音量V1から段階的に小さくする制御を、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから開始し、有音期間が開始されたタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」に制御するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、BGM音声の出力の制限は、任意の態様によって開始することができる。例えば、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングにおいてBGM音声の音量を第1音量V1から「0」へ変化させる(BGM音声の音量を一気に「0」へ下げる)制御を行うようにしてもよい。或いは、BGM音声の音量を第1音量V1から段階的に小さくする制御を、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから開始し、有音期間が開始されるタイミングよりも前のタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」に制御するようにしてもよい。
【0269】
なお、セリフ予告演出の種類に応じて異なる態様によってBGM音声の出力の制限を開始するようにしてもよい。例えば、セリフ予告演出において当該ブラックアウト演出が実行されないときには、BGM音声の音量を第1音量V1から段階的に小さくする制御を、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングから開始し、有音期間が開始されるタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」に制御し、セリフ予告演出において当該ブラックアウト演出が実行されるときには、有音期間が開始されるタイミングよりも導入期間だけ前のタイミングにおいてBGM音声の音量を第1音量V1から「0」へ変化させる制御を行うようにしてもよい。このような構成によれば、セリフ予告演出の種類に応じた態様によってBGM音声の出力の制限を開始し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0270】
上記第1、第2の実施の形態では、有音期間が終了してから終結期間が経過するまでダッキング処理を継続し、BGM音声の出力の制限を継続するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、有音期間が終了したタイミングにおいてダッキング処理を終了し、BGM音声の出力の制限を終了するようにしてもよい。
【0271】
上記第1、第2の実施の形態では、BGM音声の音量を「0」から段階的に大きくする制御を、有音期間が終了したタイミングから開始し、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過したタイミングにおいてBGM音声の音量を第1音量V1に制御し、BGM音声の出力の制限を終了するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、BGM音声の出力の制限は、任意の態様によって終了することができる。例えば、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過するまではBGM音声の音量を「0」に制御し、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過したタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」から第1音量V1へ変化させる(BGM音声の音量を一気に第1音量V1へ上げる)制御を行い、BGM音声の出力の制限を終了するようにしてもよい。
【0272】
なお、セリフ予告演出の種類に応じて異なる態様によってBGM音声の出力の制限を終了するようにしてもよい。例えば、セリフ予告演出においてブラックアウト演出が実行されないときには、BGM音声の音量を「0」から段階的に大きくする制御を、有音期間が終了したタイミングから開始し、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過したタイミングにおいてBGM音声の音量を第1音量V1に制御してBGM音声の出力の制限を終了し、セリフ予告演出においてブラックアウト演出が実行されるときには、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過するまではBGM音声の音量を「0」に制御し、有音期間が終了したタイミングから終結期間が経過したタイミングにおいてBGM音声の音量を「0」から第1音量V1へ変化させてBGMの出力の制限を終了するようにしてもよい。このような構成によれば、セリフ予告演出の種類に応じた態様によってBGM音声の出力の制限を終了し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0273】
上記第1、第2の実施の形態では、可変表示の表示結果が「大当り」となるか否かに応じて、セリフ予告演出を実行するか否かを決定するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、セリフ予告演出を実行するか否かは、任意の方法により決定することができる。例えば、ステップS111の変動パターン設定処理にて決定された変動パターンに応じて、セリフ予告演出を実行するか否かを決定してもよい。なお、変動パターンは、主基板11から伝送された、変動パターン設定処理にて決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドに基づいて特定すればよい。具体的に、可変表示の表示結果が「大当り」となる場合には可変表示の表示結果が「大当り」以外となる場合に比べて高い割合でセリフ予告演出を実行すると決定すると共に、可変表示の表示結果が「大当り」となるときと「大当り」以外となるときとの何れの場合においても、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンが変動パターン指定コマンドによって示されているときには、ノーマルリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンが示されているときに比べて高い割合でセリフ予告演出を実行すると決定し、ノーマルリーチとなるリーチ演出が実行される変動パターンが示されているときには、リーチ演出が実行されない変動パターン(「非リーチ」となる変動パターン)が示されているときに比べて高い割合でセリフ予告演出を実行すると決定すればよい。このような構成によれば、遊技者に、変動パターンに注目させ、遊技興趣を向上させることができる。
【0274】
上記第1、第2の実施の形態では、音声データの示す振幅が判定閾値以上であるか否かを判定し、判定閾値以上の振幅を示すと判定された音声データを有音データとして検出する一方、判定閾値よりも小さい振幅を示すと判定された音声データを無音データとして検出するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、有音データ及び無音データは、任意の方法によって検出できる。例えば、音声データを生成する際に、当該音声データに含まれる有音データ及び無音データを特定可能な情報を当該音声データに格納しておき、当該情報に基づいて当該音声データから有音データ及び無音データを検出するようにしてもよい。
【0275】
(特徴部068AKに係る手段の説明)
(1)特徴部068AKに係る遊技機は、
特定演出(例えばセリフ予告演出など)を実行可能な特定演出実行手段(例えば演出制御用CPU120など)と、
音声データを出力可能な音声データ出力手段(例えば音声制御基板13など)と、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに応じた音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ8L、8Rなど)と、
を備え、
前記音出力手段は、
所定音(例えばBGM音声など)を出力可能であり(例えば図8-1、8-2、8-5、8-8など)、
前記特定演出において、第1音(例えば第1セリフ音声など)を出力し、当該第1音の出力から所定期間(例えば空白期間など)が経過したときに第2音(例えば第2セリフ音声など)の出力を開始可能であり(例えば図8-2、8-5、8-8など)、
少なくとも前記第1音が出力されているときと、前記第2音が出力されているときと、において前記所定音の出力を制限可能であり(例えば図8-2、8-4、8-5、8-8など)、
前記音声データ出力手段は、前記所定期間に特殊音(例えばダミー音声など)を示す音声データを出力可能であり(例えば図8-5、8-8など)、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は前記所定音の出力を制限可能である(例えば図8-4、8-5、8-8など)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1音が出力されているときと、第2音が出力されているときと、において所定音の出力を制限すると共に、第1音の出力が終了してから第2音の出力が開始されるまでの所定期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0276】
(2)特徴部068AKに係る上記(1)の遊技機において、
前記音声データ出力手段は、
前記第1音を示す音声データと前記第2音を示す音声データとを、第1チャンネル(例えば再生チャンネル0など)を用いて出力可能であり(例えば図8-4など)、
前記特殊音を示す音声データを、前記第1チャンネルとは異なる第2チャンネル(例えば再生チャンネル1など)を用いて出力可能であり(例えば図8-4など)、
前記第1音の出力が開始されてから前記第2音の出力が終了するまでの期間に前記特殊音を示す音声データを出力可能である(例えば図8-5など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を示す音声データが出力されている所定期間を含む第1音の出力が開始されてから第2音の出力が終了するまでの期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0277】
(3)特徴部068AKに係る上記(1)の遊技機において、
前記音声データ出力手段は、
前記第1音が出力されている期間に前記特殊音を示す音声データを出力せず(例えば図8-8など)、
前記第2音が出力されている期間に前記特殊音を示す音声データを出力しない(例えば図8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1音が出力されているときと、第2音が出力されているときと、において所定音の出力を制限すると共に、特殊音を示す音声データが出力されている所定期間において所定音の出力を制限し、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0278】
(4)特徴部068AKに係る上記(1)~(3)の何れかの遊技機において、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は、前記特殊音を出力しない(例えば図8-4、8-5など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を出力することなく、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0279】
(5)特徴部068AKに係る上記(1)~(3)の何れかの遊技機において、
前記特殊音を示す音声データが前記音声データ出力手段によって出力されているときに、前記音出力手段は、前記特殊音を出力する(例えば図8-7、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を出力しつつ、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0280】
(6)特徴部068AKに係る上記(1)~(5)の何れかの遊技機において、
前記特殊音は、遊技者が認識することが困難又は不可能な非可聴音(例えば超音波など)である、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊音を遊技者が認識することを困難又は不可能とし、特殊音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制して遊技興趣の低下を抑制できる。
【0281】
(7)特徴部068AKに係る上記(1)~(6)の何れかの遊技機において、
少なくとも前記第1音と前記第2音とが出力されない無音状態に対応する無音データとは異なる有音データが音声データに含まれているか否かを判定可能な判定手段(例えばステップ068AKS104の処理を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記音声データ出力手段によって出力された音声データに前記有音データが含まれていないと前記判定手段によって判定されたときに、前記所定音の出力を制限しない(例えばステップ068AKS106、068AKS108の処理を実行する演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1音と第2音とが何れも出力されない所定期間において、音声データに有音データが含まれていないと判定されたことに基づいて所定音の出力が制限されず、所定音によって特定演出の演出効果が損なわれてしまうことを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0282】
(8)特徴部068AKに係る上記(1)~(7)の何れかの遊技機において、
前記第2音の出力が終了してから第1期間(例えば終結期間など)が経過するまで前記所定音の出力の制限を継続する(例えば図8-5、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定音によって特定演出の余韻が損なわれることを抑制し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【0283】
(9)特徴部068AKに係る上記(1)~(8)の何れかの遊技機において、
前記第1音の出力が開始されるタイミングよりも第2期間(例えば導入期間など)だけ前から前記所定音の出力の制限を開始する(例えば図8-5、8-8など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定演出に合わせた態様で所定音の出力を制限し、遊技興趣の低下を抑制できる。
【符号の説明】
【0284】
1 … パチンコ遊技機
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 … 演出制御用CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図8-5】
図8-6】
図8-7】
図8-8】