(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】制御端末装置、再接続方法、及び再接続プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/14 20220101AFI20220905BHJP
H04L 67/12 20220101ALI20220905BHJP
【FI】
H04L67/14
H04L67/12
(21)【出願番号】P 2018207685
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【氏名又は名称】矢野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 紘子
(72)【発明者】
【氏名】牧野 雄太
(72)【発明者】
【氏名】奥村 圭司
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-200267(JP,A)
【文献】特開2008-271400(JP,A)
【文献】特開2013-162323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0358043(US,A1)
【文献】岩崎 陽平 Yohei Iwasaki,無線機器間の直観的な接続指示手法 Intuitive Connecting Method for Wireless Devices,情報処理学会研究報告 Vol.2002 No.32 IPSJ SIG Notes,日本,社団法人情報処理学会 Information Processing Society of Japan,第2002巻,第13-18頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器を制御する制御端末装置であって、
医療機器との間で無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部に依り過去に無線通信が確立された医療機器の識別情報が記憶された第1の記憶部と、
前記無線通信部に依り最後に無線通信が確立された医療機器の識別情報と当該無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報とが記憶された第2の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された前記識別情報に基づいて、前記無線通信部に依り過去に無線通信が確立された前記医療機器の一覧を表示する表示部と、
ユーザの入力操作に基づき、前記表示部に表示された前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択する選択部と、
前記選択部に依り選択された前記医療機器の識別情報と、前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報と、が一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部に依り前記識別情報が一致すると判定された場合は、前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記選択部に依り選択された前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行い、前記判定部に依り前記識別情報が一致しないと判定された場合は、新規に無線認証情報を取得して前記選択部に依り選択された前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う通信制御部と、
を備えることを特徴とする制御端末装置。
【請求項2】
無線通信の接続先となる医療機器が前記選択部における前記入力操作に基づいて選択される第1のモードと、無線通信の接続先となる前記医療機器が前記無線通信部に依り最後に無線通信が確立された前記医療機器に選択される第2のモードと、の何れかを設定するモード設定部、を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御端末装置。
【請求項3】
前記モード設定部に依り前記第1のモードが設定されている場合であって、且つ、前記第1の記憶部に1つの前記医療機器の識別情報のみが記憶されている場合、前記通信制御部は、前記選択部における前記入力操作を必要とせずに前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報の前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項4】
前記モード設定部に依り前記第2のモードが設定されている場合、前記通信制御部は、前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報の前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御端末装置。
【請求項5】
医療機器を制御する制御端末装置において実行される再接続方法であって、
過去に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器の一覧を表示し、
ユーザの入力操作に基づき、前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択し、
選択した前記医療機器と、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器と、が一致するか否かを判定し、
前記医療機器が一致すると判定した場合は、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報を用いて、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立し、
前記医療機器が一致しないと判定した場合は、新規に無線認証情報を取得して、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立する、
ことを特徴とする再接続方法。
【請求項6】
医療機器を制御する制御端末装置のコンピュータに、
過去に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器の一覧を表示し、
ユーザの入力操作に基づき、前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択し、
選択した前記医療機器と、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器と、が一致するか否かを判定し、
前記医療機器が一致すると判定した場合は、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報を用いて、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立し、
前記医療機器が一致しないと判定した場合は、新規に無線認証情報を取得して、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立する、
という処理を実行させることを特徴とする再接続プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器を制御する制御端末装置、制御端末装置において実行される再接続方法、及び制御端末装置のコンピュータに実行される再接続プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機器を制御するためのコントローラが知られている。
コントローラは、制御対象とする医療機器との間で無線通信の接続を確立することに依り、その医療機器の制御が可能になる。コントローラと医療機器とが接続されると、ユーザは、コントローラを操作することに依り、その医療機器の操作が可能になる。このため、意図した医療機器を操作するためには、意図した医療機器との接続が確実に行われる必要がある。
【0003】
コントローラが使用される医療検査(例えば内視鏡検査)は、施設に依って運用が異なり、コントローラの使われ方も異なる。例えば、1つのコントローラが複数の検査室で使用される場合がある。この場合は、ユーザがコントローラを所持して検査室間を移動し、各検査室で同じコントローラが使用される。そのため、使用される検査室が変わる度に、コントローラと検査室に設けられた医療機器とを接続し直す必要がある。また、例えば、検査室に医療機器とコントローラとが常設される場合もある。この場合は、コントローラの接続先は、固定された医療機器となる。
【0004】
なお、医療分野において、無線通信が使用される技術に関しては、次に示す技術が知られている。例えば、無線接続される超音波プローブを含む超音波診断装置において、周辺に複数の超音波プローブが存在しても、目的の超音波プローブと容易に無線接続を確立することができる技術が知られている(特許文献1参照)。また、例えば、医療室または他の医療区域にある機器類の存在を自動的に判断し、ワイヤー接続を行なわずにかつ当該医療室内にどの機器類が存在するか人手によって判断する必要のない機器類の集中管理を提供する技術が知られている(特許文献2参照)。また、例えば、医用画像撮影装置と当該医用画像撮影装置を操作する端末を離して設置した場合であっても両者の接続をより確実に行うとともに、接続状態を確認することができる医用画像撮影システムが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-236号公報
【文献】特表2011-523869号公報
【文献】特開2015-77208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つのコントローラが複数の検査室で使用される場合において、検査室に設けられた医療機器とコントローラとが再接続されるときは、その再接続の容易性を確保しつつ、その再接続が意図しない医療機器との誤接続になるリスクを低減したい、という要望がある。また、検査室に医療機器とコントローラとが常設される場合において、医療機器とコントローラとが再接続されるときは、その再接続が誤接続になるリスクが低いため、その再接続の容易性を最大限にしたい、という要望がある。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑み、制御対象とする医療機器との再接続を容易にしつつ、その再接続が意図しない医療機器との誤接続になるリスクを低減して医療機器の誤操作を防止することができる制御端末装置、再接続方法、及び再接続プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、医療機器を制御する制御端末装置であって、医療機器との間で無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部に依り過去に無線通信が確立された医療機器の識別情報が記憶された第1の記憶部と、前記無線通信部に依り最後に無線通信が確立された医療機器の識別情報と当該無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報とが記憶された第2の記憶部と、前記第1の記憶部に記憶された前記識別情報に基づいて、前記無線通信部に依り過去に無線通信が確立された前記医療機器の一覧を表示する表示部と、ユーザの入力操作に基づき、前記表示部に表示された前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択する選択部と、前記選択部に依り選択された前記医療機器の識別情報と、前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報と、が一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部に依り前記識別情報が一致すると判定された場合は、前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記選択部に依り選択された前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行い、前記判定部に依り前記識別情報が一致しないと判定された場合は、新規に無線認証情報を取得して前記選択部に依り選択された前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う通信制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、無線通信の接続先となる医療機器が前記選択部における前記入力操作に基づいて選択される第1のモードと、無線通信の接続先となる前記医療機器が前記無線通信部に依り最後に無線通信が確立された前記医療機器に選択される第2のモードと、の何れかを設定するモード設定部、を更に備える、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記モード設定部に依り前記第1のモードが設定されている場合であって、且つ、前記第1の記憶部に1つの前記医療機器の識別情報のみが記憶されている場合、前記通信制御部は、前記選択部における前記入力操作を必要とせずに前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報の前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の態様は、第2の態様において、前記モード設定部に依り前記第2のモードが設定されている場合、前記通信制御部は、前記第2の記憶部に記憶された前記無線認証情報を用いて前記第2の記憶部に記憶された前記識別情報の前記医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の態様は、医療機器を制御する制御端末装置において実行される再接続方法であって、過去に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器の一覧を表示し、ユーザの入力操作に基づき、前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択し、選択した前記医療機器と、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器と、が一致するか否かを判定し、前記医療機器が一致すると判定した場合は、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報を用いて、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立し、前記医療機器が一致しないと判定した場合は、新規に無線認証情報を取得して、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の態様は、医療機器を制御する制御端末装置のコンピュータに、過去に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器の一覧を表示し、ユーザの入力操作に基づき、前記医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択し、選択した前記医療機器と、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立された医療機器と、が一致するか否かを判定し、前記医療機器が一致すると判定した場合は、最後に前記制御端末装置と無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報を用いて、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立し、前記医療機器が一致しないと判定した場合は、新規に無線認証情報を取得して、選択した前記医療機器との間の無線通信を確立する、という処理を実行させることを特徴とする再接続プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に依れば、制御対象とする医療機器との再接続を容易にしつつ、その再接続が意図しない医療機器との誤接続になるリスクを低減して医療機器の誤操作を防止することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施の形態に係るコントローラの構成例を示す図である。
【
図2】一実施の形態に係るコントローラにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】検査室に医療機器とコントローラとが常設された例を示す図である。
【
図4】1つのコントローラが複数の検査室で使用される例を示す図である。
【
図5】一実施の形態に係るコントローラのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、一実施の形態に係るコントローラの構成例を示す図である。
図1において、コントローラ1は、医療機器を制御する制御端末装置の一例であって、例えばタブレット端末装置である。
【0017】
コントローラ1は、無線通信部11、第1の記憶部12、第2の記憶部13、表示部14、及び制御部15を備える。
無線通信部11は、制御対象とする医療機器との間で無線通信を行う通信インターフェースである。
【0018】
第1の記憶部12は、無線通信部11に依り過去に無線通信が確立された医療機器の識別情報が記憶される記憶装置である。識別情報は、例えば、機器ID(identifier)である。
【0019】
第2の記憶部13は、無線通信部11に依り最後に無線通信が確立された医療機器の識別情報と当該無線通信が確立されたときに使用された無線認証情報とが記憶される記憶装置である。無線認証情報は、例えば、SSID(service set identifier)やパスフレーズである。無線通信部11に依り最後に無線通信が確立された医療機器は、無線通信部11に依り前回に無線通信が確立された医療機器でもある。
【0020】
なお、第1の記憶部12と第2の記憶部13は、1つの記憶装置に、第1の記憶領域と第2の記憶領域として設けられてもよい。
表示部14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)装置であって、第1の記憶部12に記憶された識別情報に基づいて、無線通信部11に依り過去に無線通信が確立された医療機器の一覧を表示する。
【0021】
制御部15は、コントローラ1の全体動作を制御する。
制御部15は、選択部151、判定部152、通信制御部153、及びモード設定部154を備える。
【0022】
選択部151は、コントローラ1に対するユーザの入力操作に基づき、表示部14に表示された医療機器の一覧の中から、接続対象とする医療機器を選択する。但し、ここで選択される医療機器は1つのみである。
【0023】
判定部152は、選択部151に依り選択された医療機器の識別情報と、第2の記憶部13に記憶された識別情報と、が一致するか否かを判定する。
通信制御部153は、判定部152に依り識別情報が一致すると判定された場合に、第2の記憶部13に記憶された無線認証情報を用いて、選択部151に依り選択された医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う。また、判定部152に依り識別情報が一致しないと判定された場合は、新規に無線認証情報を取得して、選択部151に依り選択された医療機器との間の無線通信を確立する制御を行う。
【0024】
モード設定部154は、コントローラ1に対するユーザの入力操作に基づいて、接続先選択要求ONモードと、接続先選択要求OFFモードと、の何れかを設定する。ここで、接続先選択要求ONモードは、無線通信の接続先となる医療機器が選択部151におけるユーザの入力操作に基づいて選択されるモードであり、第1のモードの一例である。接続先選択要求OFFモードは、無線通信の接続先となる医療機器が無線通信部11に依り最後に無線通信が確立された医療機器に選択されるモードであり、第2のモードの一例である。
【0025】
本実施形態では、モード設定部154に依り接続先選択要求ONモードが設定されている場合であって、且つ、第1の記憶部12に複数の医療機器の識別情報が記憶されている場合に、通信制御部153が、上述の制御を行うものとする。
【0026】
また、モード設定部154に依り接続先選択要求ONモードが設定されている場合であって、且つ、第1の記憶部12に1つの医療機器の識別情報のみが記憶されている場合には、選択部151におけるユーザの入力操作を必要とすることなく、通信制御部153が、第2の記憶部13に記憶されている無線認証情報を用いて第2の記憶部13に記憶されている識別情報の医療機器との間の無線通信を確立する制御を行うものとする。
【0027】
また、モード設定部154に依り接続先選択要求OFFモードが設定されている場合には、通信制御部153が、第2の記憶部13に記憶されている無線認証情報を用いて第2の記憶部13に記憶されている識別情報の医療機器との間の無線通信を確立する制御を行うものとする。
【0028】
図2は、コントローラ1において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、過去にコントローラ1と無線通信を確立したことがない医療機器2を制御対象の医療機器(以下「制御対象機器」という)とし、まず、その制御対象機器2との間で新規に無線通信の接続が確立され、その後、その接続が切断され、そして、その制御対象機器2との再接続が行われる場合の例について説明する。
【0029】
図2において、コントローラ1は、まず、制御対象機器2と新規に無線通信の接続を確立する。ここでは、新規接続となるので、コントローラ1は、新規に取得した無線認証情報を用いて制御対象機器2との接続を確立する。無線認証情報は、新規接続を行うための所定のユーザ操作に依り制御対象機器2から新規に取得されるものであってもよいし、コントローラ1に対するユーザの入力操作に依り入力されて新規に取得されるものであってもよい。ここで、新規接続を行うための所定のユーザ操作とは、制御対象機器2に設けられたハードウェアスイッチの押下等である。
【0030】
制御対象機器2との新規接続が確立されると、コントローラ1は、制御対象機器2の識別情報を第1の記憶部12に追加記憶すると共に、制御対象機器2の識別情報と使用された無線認証情報とを第2の記憶部13に更新記憶する(S201)。ここで、制御対象機器2の識別情報は、制御対象機器2との接続確立時に制御対象機器2から取得され、使用された無線認証情報は、上述の取得された無線認証情報である。
【0031】
その後、図示はしないが、コントローラ1は、コントローラ1に対するユーザの入力操作に基づいて制御対象機器2を制御する。
そして、例えばユーザの入力操作が所定時間継続して行われなくなると、コントローラ1は、スリープ状態となり(S202)、制御対象機器2との接続を切断する。
【0032】
その後、コントローラ1に対するユーザのスリープ解除操作が行われると、コントローラ1は、スリープ状態を解除して、接続先選択要求OFFモードが設定されているか否かを判定する(S203)。
【0033】
S203の判定結果がYESの場合、コントローラ1は、第2の記憶部13に記憶された無線認証情報を用いて、第2の記憶部13に記憶された識別情報の医療機器との再接続を行う。すなわち、制御対象機器2との再接続を行う。
【0034】
一方、S203の判定結果がNOの場合、コントローラ1は、第1の記憶部12に記憶されている識別情報が、1つの医療機器の識別情報のみであるか否かを判定する(S204)。
【0035】
S204の判定結果がYESの場合、コントローラ1は、S203の判定結果がYESの場合と同様に、第2の記憶部13に記憶された無線認証情報を用いて、第2の記憶部13に記憶された識別情報の医療機器との再接続を行う。すなわち、この場合も、制御対象機器2との再接続を行う。
【0036】
一方、S204の判定結果がNOの場合、コントローラ1は、第1の記憶部12に記憶された識別情報に基づいて、過去にコントローラ1と無線通信が確立された医療機器の一覧を表示する(S205)。
【0037】
そして、その一覧に対して、コントローラ1に対するユーザの再接続先選択操作が行われると、その操作に基づいて選択した再接続先の医療機器の識別情報と、第2の記憶部13に記憶された識別情報と、が一致するか否かを判定する(S206)。すなわち、この場合は、選択された再接続先が前回に接続された制御対象機器2と同じであるか否かを判定する。
【0038】
S206の判定結果がYESの場合、コントローラ1は、第2の記憶部13に記憶された無線認証情報を用いて、再接続先として選択した医療機器との再接続を行う。すなわち、この場合も、制御対象機器2との再接続を行う。
【0039】
一方、S206の判定結果がNOの場合、コントローラ1は、新規接続を行う場合と同様に、新規に無線認証情報を取得して、再接続先として選択した医療機器との接続を確立する。すなわち、この場合は、制御対象機器2以外の制御対象機器との新規接続を行う。なお、この場合は、新規に無線認証情報を取得するために、上述のハードウェアスイッチの押下や無線認証情報の入力等といった、新規接続のためのユーザ操作が要求される。
【0040】
図2に示した処理に依れば、施設でのコントローラ1の使われ方に応じて、制御対象とする医療機器との再接続が次のとおり行われる。
図3は、検査室に医療機器とコントローラ1とが常設された例を示す図である。
【0041】
図3に示した例では、検査室Bにおいて、コントローラ1に接続される医療機器が、医療機器3に固定されるので、第1の記憶部12には医療機器3の識別情報のみが記憶されることになる。このため、この例では、接続先選択要求ONモードが設定されている場合であっても、接続先選択要求OFFモードが設定されている場合であっても、コントローラ1に対するユーザの操作無しに医療機器3との再接続が行われることになり、再接続が容易になる。また、再接続先が医療機器3に固定されるので、他の医療機器と誤接続する虞はない。
【0042】
図4は、1つのコントローラ1が複数の検査室で使用される例を示す図である。
図4に示した例では、ユーザがコントローラ1を所持して検査室間を移動し、各検査室で同じコントローラ1が使用される。ここでは、コントローラ1に接続先選択要求ONモードが設定され、第1の記憶部12には複数の識別情報が記憶されているとする。
【0043】
この例では、各検査室において、検査室に設けられた医療機器との再接続が行われる場合は、まず、過去にコントローラ1と接続された医療機器の一覧の中から再接続先をユーザに選択させる。
【0044】
そして、選択された再接続先が前回に接続された医療機器と同じである場合は、コントローラ1に対するユーザの操作無しに、選択された再接続先との再接続が行われる。従って、この場合は、再接続先をユーザに選択させる操作だけで再接続が行われるので、再接続のための操作が容易なる。また、新規接続を行うためのユーザ操作が必要とされないので、前回に接続された医療機器との再接続が行われることをユーザに認識させることができる。
【0045】
一方、選択された再接続先が前回に接続された医療機器と異なる場合は、新規接続を行うためのユーザ操作が行われて、選択された再接続先との再接続が行われる。従って、この場合は、新規接続を行うためのユーザ操作が必要とされるので、前回に接続された医療機器とは異なる医療機器との再接続が行われることをユーザに認識させることができ、意図しない医療機器との誤接続を防止することができる。
【0046】
以上のとおり、本実施形態によれば、制御対象とする医療機器との再接続を容易にしつつ、その再接続が意図しない医療機器との誤接続になるリスクを低減して医療機器の誤操作を防止することができる。
【0047】
なお、本実施形態において、コントローラ1の使用方法が、
図4に示した使用方法に限定される場合は、
図1に示したコントローラ1の構成からモード設定部154を省くと共に、
図2に示したコントローラ1の処理からS203及びS204を省いてもよい。
【0048】
また、本実施形態において、制御部15は、FPGA(field-programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)等の回路に依って実現されてもよい。
【0049】
また、本実施形態において、コントローラ1は、次に示すハードウェア構成に依り実現されてもよい。
図5は、コントローラ1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0050】
図5に示したハードウェア構成は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入出力装置103、入出力IF(interface)104、記憶装置105、可搬記録媒体108が収納される可搬記録媒体駆動装置106、及び通信IF107を備え、これらはバス109を経由して互いに接続されている。
【0051】
CPU101は、コントローラ1が行う処理のためのプログラムを実行する演算装置である。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)であり、RAMはCPU101のワークエリア等として使用され、ROMはプログラムやプログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶する。例えば、上述の制御部15の各部は、ROMに記憶されたプログラムをCPU101が実行することに依り実現される。
【0052】
入出力装置103は、タッチパネル、キーボード等の入力装置と、ディスプレイ装置等の出力装置である。例えば、入力装置は、上述のコントローラ1に対するユーザ操作を受け付け、出力装置は、上述の医療機器の一覧を表示する。
入出力IF104は、外部記憶装置等の外部装置との間で信号の送受信を行うためのインターフェースである。
【0053】
記憶装置105は、プログラム及びプログラムの実行に必要な情報や、プログラムの実行に依り取得された情報等を不揮発的に記憶するストレージである。記憶装置105は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。可搬記録媒体駆動装置106は、可搬記録媒体108を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬記録媒体108は、メモリデバイス等である。この可搬記録媒体108には、USB(Universal Serial Bus)メモリ等も含まれる。可搬記録媒体108も記憶装置105と同様に、プログラム及びプログラムの実行に必要な情報や、プログラムの実行に依り取得された情報等を不揮発的に記憶するストレージである。
【0054】
通信IF107は、ネットワークに接続され、そのネットワークを経由して外部装置と通信を行うためのインターフェースである。例えば、通信IF107は、無線ネットワークを経由して制御対象とする医療機器と無線通信を行う。
【0055】
以上、本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせに依り、様々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素のいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 コントローラ
2 医療機器、制御対象機器
3 医療機器
11 無線通信部
12 第1の記憶部
13 第2の記憶部
14 表示部
15 制御部
101 CPU
102 メモリ
103 入出力装置
104 入出力IF
105 記憶装置
106 可搬記録媒体駆動装置
107 通信IF
108 可搬記録媒体
109 バス
151 選択部
152 判定部
153 通信制御部
154 モード設定部