(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】タオルハンガー
(51)【国際特許分類】
A47K 10/04 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
A47K10/04 D
(21)【出願番号】P 2018212599
(22)【出願日】2018-11-13
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山枡 孝郷
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開平2-122691(JP,U)
【文献】特開2008-279199(JP,A)
【文献】登録実用新案第3068663(JP,U)
【文献】実開昭61-200915(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/04
A47G2 9/00
D06F 57/06-57/08
F16B 7/04
日本意匠分類 C3-721
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の縦棒と当該縦棒間を連結する横棒とを備えるタオルバーを複数備え、当該複数のタオルバーは、一つの上記タオルバーの上記横棒の長さ方向に垂直な方向に、他の上記タオルバーの上記横棒が位置するように配置されており、
複数の上記タオルバーの隣接する上記縦棒間を連結し、その上記縦棒の長手方向における位置が可変である連結部材をさらに備えていることを特徴とするタオルハンガー。
【請求項2】
上記連結部材は、複数の上記タオルバーのそれぞれの上記縦棒に対応する窪みを有しており、上記縦棒と上記窪みとの間の少なくとも一部に隙間を有し、上記縦棒が上記窪み内で揺動可能なように上記縦棒に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のタオルハンガー。
【請求項3】
少なくとも1つの上記タオルバーの上記縦棒の長さが、隣接する他の上記タオルバーの上記縦棒の長さと異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタオルハンガー。
【請求項4】
少なくとも1つの上記タオルバーは、その2本の上記縦棒間を連結する連結バーをさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタオルハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタオルハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
タオルを掛けて干すタオルバーを複数連結して有し、床面上に直接設置可能なタオルハンガーが従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】意匠類似第835164-002号公報(1992年5月13日発行)
【文献】意匠類似第835164-003号公報(1992年5月13日発行)
【文献】意匠類似第835164-004号公報(1992年5月13日発行)
【文献】意匠登録第924824号公報(1995年5月16日発行)
【文献】意匠登録1094704号公報(2000年12月25日発行)
【文献】意匠登録1266080号公報(2006年3月27日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術では、タオル等の掛け安さ等の使用勝手やハンガー自体の耐久性に問題がある。例えば、ハンガーに掛けられたタオルの重みに耐えられず、ハンガー自体が歪んでくるという問題がある(特許文献1~4)。また、複数のタオルバーを、タオルを掛ける横棒に近い位置において連結しているので、タオルを掛けにくいという問題がある(特許文献5及び6)。
【0005】
本発明の一態様は、タオルバーの歪みを抑え、タオルを掛けやすいタオルハンガーを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るタオルハンガーは、2本の縦棒と当該縦棒間を連結する横棒とを備えるタオルバーを複数備え、一つの上記タオルバーの上記横棒の長さ方向に垂直な方向に、他の上記タオルバーの上記横棒が位置するように配置されており、複数の上記タオルバーの隣接する上記縦棒間を連結し、その上記縦棒の長手方向における位置が可変である連結部材をさらに備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、その縦棒間の位置が可変である連結部材により複数のタオルバーを連結するので、タオルバーの歪みを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの概略を示す斜視図である。
【
図2】(a)は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの概略を示す分解上面図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの部分断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの背面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの上面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの底面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~7を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの概略を示す斜視図であり、
図2中(a)は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの概略を示す分解上面図であり、
図2中(b)は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの部分断面図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの正面図である。
図4は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの背面図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの上面図であり、
図6は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの底面図であり、
図7は、本発明の一実施形態に係るタオルハンガーの側面図である。
【0010】
図1~7に示すように、タオルハンガー10は、タオルバー1及び連結部材2を備えている。タオルハンガー10は、さらに、脚部3及び連結バー4を備えている。タオルバー1は、2本の縦棒1aと縦棒1a間を連結する横棒1bとを備えている。タオルハンガー10は、複数のタオルバー1を備えている。複数のタオルバー1は、一つのタオルバー1の横棒1bの長さ方向に垂直な方向に、他のタオルバー1の横棒1bが位置するように配置されている。タオルバー1は、その横棒1bが他のタオルバー1の横棒1bに略平行になるように配置されていてもよいし、連結部材2により連結され得る限り、その横棒1bが他の横棒1bに対して斜めになるように配置されていてもよい。
【0011】
タオルハンガー10は、脚部3を、例えば床面のような設置面に接するように配置して使用する。タオルハンガー10は、タオルバー1の横棒1bにタオルを掛けることができる。タオルバー1にタオルを掛ける場合、タオルを横棒1bの上から差し込んでもよいし、いずれか一方の縦棒1a側から差し込んでもよい。
【0012】
タオルハンガー10は、狭いスペースであってもできるだけ多くのタオルを干すことができるように、複数のタオルバー1を備えており、その数に制限はない。設置した際の転倒防止効果や外観のバランスを考慮すると、タオルハンガー10が備えるタオルバー1の数は奇数であることが好ましい。また、利便性や設置場所を考慮すると、タオルハンガー10が備えるタオルバー1の数は3本であることが好ましい。
【0013】
タオルハンガー10は、各部材を独立して備え、使用時に組み立てて使用するようになっていてもよい。したがって、タオルハンガー10は、販売及び運搬時には、
図1に示す各部材が分解された状態でコンパクトに梱包することが可能であり、使用する場所で組み立てて使用することができる。
【0014】
(タオルバー1)
タオルバー1は、2本の縦棒1aと横棒1bとを、それぞれ独立した部材として備え、使用時に連結して組み立てるようになっていてもよいし、2本の縦棒1aと横棒1bとが一体として形成されたものであってもよい。2本の縦棒1aと横棒1bとのそれぞれの連結部分は、安全性及び美観性の観点から、湾曲していることが好ましい。
【0015】
タオルバー1は、金属、木材、プラスチック材等により形成されたものであり得るが、設置や持ち運びが容易なように軽量であることが好ましく、また、バスルームのような湿度の高い場所で使用されるため、さびにくい材料により形成されていることが好ましい。このような材料として、例えば、ステンレスが挙げられる。また、タオルバー1は、軽量化のために、中空構造であってもよい。
【0016】
タオルバー1が備える2本の縦棒1aのそれぞれの長さは同じであることが好ましく、これにより、縦棒1aの端部が設置面に接するようにタオルハンガー10を設置した場合に、横棒1bを略水平にして使用することができる。横棒1bの長さは、一般的なバスタオルの幅と同等か、これよりもわずかに長くすることで、タオルハンガー10を狭いバスルームにも設置することができる。
【0017】
複数のタオルバー1において、それぞれの横棒1bの長さは同一であることが好ましい。そして、隣接する複数のタオルバー1間において、それぞれの縦棒1aの位置がタオルバー1の配列方向に重畳していることが好ましい。これにより、連結部材2による複数のタオルバー1間の連結が容易であると共に、横に飛び出したような位置に縦棒1aがないので、タオルハンガー10の省スペース化を実現できる。なお、連結部材2により連結され得る限り、隣接する複数のタオルバー1間において、それぞれの縦棒1aのタオルバー1の配列方向の位置がズレていてもよい。
【0018】
少なくとも1つのタオルバー1の縦棒1aの長さは、隣接する他のタオルバー1の縦棒1aの長さと異なっていてもよい。これにより、少なくとも1つのタオルバー1の高さが、他のタオルバー1よりも高くなるので、そのタオルバー1にタオルを掛ける際に、他のタオルバー1が邪魔になりにくく、タオルを掛けやすい。
【0019】
複数のタオルバー1のうち、中央に位置するタオルバー1の縦棒1aの長さが最も長くてもよいし、外側に位置する一方のタオルバー1から他方の外側のタオルバー1へと徐々に長くなってもよい。例えば、3本のタオルバーを備える場合、
図1に示すように、中央のタオルバー1が他の2本のタオルバー1よりも高くてもよいし、手前から奥に向かってタオルバー1の高さが徐々に高くなっていてもよい。
【0020】
複数のタオルバー1間の間隔は、狭すぎると各タオルバー1にタオルを差し込みにくくなり、広すぎると場所を取ってしまいタオルハンガー10の省スペース化を実現できないため、これらを考慮して適切な間隔にすればよい。また、複数のタオルバー1は、等間隔に配置されていてもよいし、間隔がそれぞれ異なっていてもよい。
【0021】
少なくとも1つのタオルバー1は、その2本の縦棒1a間を連結する連結バー4をさらに備えていてもよく、これによりタオルバー1の歪みを防ぐことができる。他のタオルバー1よりも縦棒1aの長さが長いタオルバー1のみが連結バー4を備えていてもよいし、全てのタオルバー1が連結バー4を備えていてもよい。連結バー4は、横棒1bと同じ長さで、横棒1bと平行に設けられていることが好ましい。
【0022】
連結バー4はタオルバー1と同一の材料により形成してもよいが、例えば、連結バー4のみを木目調にする等して、タオルバー1と連結バー4とで色や質感を異ならせ、美観を高めてもよい。また、複数のタオルバー1が連結バー4を備える場合には、その縦棒1aの延伸方向の位置は、同一であっても異なっていてもよい。連結バー4は、縦棒1aにネジ止めされてもよいが、ネジが露出して美観を損ねることがないように固定されていることが好ましい。
【0023】
(連結部材2)
連結部材2は、複数のタオルバー1の隣接する縦棒1a間を連結する。連結部材2を備えていることで、タオルバー1の歪みを抑えることができるので、例えば、タオルハンガー10が一体成型されたものではなく、独立して成形された部品を組み立てて使用する組立品である場合であっても、堅牢性を確保することができる。連結部材2は、
図2中(a)に示すように、複数のタオルバー1のそれぞれの縦棒1aに対応する窪み2aを有しており、この窪み2aに縦棒1aを嵌め込むことで、縦棒1aに取り付けられている。
【0024】
窪み2aは、円柱形状の縦棒1aの外周に沿う円弧形状であり、その始点から終点までの距離は縦棒1aの円周の少なくとも半分以上であり得る。連結部材2は、
図2中(a)の矢印に示すように、窪み2aの円弧の始点と終点との間の空隙側から縦棒1aに押し付けることで、空隙が広がるように撓み、窪み2a内に縦棒1aが嵌め込まれる。連結部材2は、縦棒1aに押し付けた時に窪み2aの空隙が広がるように、可撓性を有する材料により形成されていればよく、例えば、樹脂を成型加工したものであってもよい。
【0025】
連結部材2は、縦棒1aに取り外し可能なように取り付けられているので、例えば、タオルハンガー10の組み立て時に、縦棒1aの任意の位置に取り付け、使用中にその取り付け位置を変えるというように、縦棒1aの長手方向におけるその位置が可変である。したがって、タオルバー1の歪みをより防ぐために、連結部材2を縦棒1aのより上の方に取り付けておき、タオルを掛ける際に横からタオルを挿入することができるように連結部材2の位置を縦棒1aのより下の方に移動させてもよい。
【0026】
これにより、そのタオルバー1に掛けられるタオルの大きさによって、連結部材2の取り付け位置を選択することができ、利用者の使い勝手を配慮することができる。また、更に連結部材2の取り付け位置を変えることで、タオルハンガー10の特定箇所に働く力を抑えることができる。
【0027】
連結部材2は、
図2中(b)に示すように、窪み2aと縦棒1aとの間の少なくとも一部に隙間2bを有していてもよい。連結部材2の窪み2aに縦棒1aが嵌め込まれ、縦棒1aが窪み2a内で揺動できないように連結されていると、その連結部分に働く力が連結されているタオルバー1の全体に伝わり、タオルバー1が引っ張られて歪む可能性がある。窪み2aと縦棒1aとの間の少なくとも一部に遊び、すなわち隙間2bを有していれば、連結部分にゆとりができ、隙間2bの分だけ縦棒1aが窪み2a内で揺動することができる。すなわち、連結部材2は、縦棒1aと窪み2aとの間の少なくとも一部に隙間2bを有し、縦棒1aが窪み2a内で揺動可能なように縦棒1aに取り付けられている。これにより、連結部分に働く力が連結されているタオルバー1の全体に伝わることを防ぎ、タオルバー1の特定箇所に働く力が抑えられ、タオルバー1の歪みを防ぐことができる。
【0028】
連結部材2は、タオルバー1のいずれか一方の縦棒1aに取り付けられていてもよいし、両方の縦棒1aに取り付けられてもよい。また、連結部材2は、タオルバー1のいずれか一方の縦棒1aに複数取り付けられていてもよい。
【0029】
(脚部3)
脚部3は、複数のタオルバー1の配列方向に延伸し、当該配列方向に重畳する複数の縦棒1aの全てを連結するように設けられている。脚部3には、縦棒1aを連結して、例えばネジ止めするためのネジ穴が設けられており、脚部3の設置面に背向する側に縦棒1aを接続し、脚部3の設置面側からネジを差し込んでネジ止めするようになっていてもよい。脚部3は、タオルバー1と同じ材料により形成されていてもよいし、異なる材料により形成することもできる。
【0030】
また、例えばタオルハンガー10を床に設置した場合に、縦棒1aを脚部3にネジ止めするネジが、床にあたって床材を傷つけないように、脚部3のネジ穴部分が窪んでいることが好ましい。さらに、タオルハンガー10の転倒を防止するために、脚部3は、最も外側に位置するタオルバー1の脚部3よりも外側まで延伸していることが好ましい。
【0031】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 タオルバー
1a 縦棒
1b 横棒
2 連結部材
2a 窪み
2b 隙間
3 脚部
4 連結バー
10 タオルハンガー