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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 603D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019010459
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020116182
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】小向 真之介
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-165527(JP,A)
【文献】特開2015-198687(JP,A)
【文献】特開2016-220930(JP,A)
【文献】特開2018-126274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機であって、
遊技者が触れることが可能な位置に設けられた可動部と、
初期化条件が成立したときに前記可動部に初期動作を実行させる制御を行う一方、演出条件が成立したときに前記可動部に演出動作を実行させる制御を行う動作制御手段と、
前記可動部に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき、または、前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき、前記演出条件が成立しても前記可動部に前記演出動作を実行させない不能化制御を行う不能化制御手段と、
前記不能化制御からの復帰制御を行うことが可能な復帰制御手段とを備え、
前記復帰制御手段は、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、第1復帰条件が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能であり、
前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、前記第1復帰条件が成立したとき、または、前記第1復帰条件とは異なる第2復帰条件が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が受け付けられたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球等の遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口等の始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機等がある。
【0003】
このような遊技機として、遊技枠よりも外側に突出する突出動作や遊技枠側に戻る収納動作を行うことが可能な枠可動物が遊技枠の上端部に設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、枠可動物が正常に突出できないときに異常状態と判定している。また、特許文献1では、電源投入時における枠役物設定スイッチの操作によって枠可動物を動作可能とするか動作不可能とするかを設定することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-067423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、枠役物設定スイッチの操作によって枠可動物の動作設定を行うため、枠可動物が異常状態であっても動作する虞があり、枠可動物が異常状態であるときに枠可動物を動作不可能としたり、異常状態が解除されたときに枠可動物を動作可能としたりすることができない問題がある。また、特許文献1に記載の技術では、遊技者が枠可動物に直接触ることができ、遊技者が触ることによって枠可動物が可動できなくなる虞がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、枠可動物が正常に突出できないだけで異常状態と判定しており、異常状態の判定において枠可動物に遊技者が触ることができることを考慮していない問題がある。これらの結果、特許文献1に記載の技術では、枠可動物の異常状態の判定や枠可動物の動作設定には改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、実際の状況に応じて可動部の動作の不能化制御からの復帰を行う遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
遊技者が触れることが可能な位置に設けられた可動部(例えば、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103)と、
初期化条件(例えば、初期化処理を実行する条件)が成立したときに前記可動部に初期動作(例えば、初期動作、前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で往復移動させてから前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う一方、演出条件(例えば、遊技中に演出を実行する条件)が成立したときに前記可動部に演出動作(例えば、演出動作、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う動作制御手段(例えば、サブ制御部91が各可動役物101~103に初期動作及び演出動作を実行させる処理)と、
前記可動部に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa16、Sc1~Sc3の処理)と、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき)、または、前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに+1加算される動作失敗カウンタの値が6以上となったとき)、前記演出条件が成立しても前記可動部に前記演出動作を実行させない不能化制御(例えば、不能化制御、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにするとともに異常発生フラグをオンに設定する制御、左側可動役物102及び右側可動役物103の各駆動源151のステッピングモータへの励磁をオフにする制御)を行う不能化制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa14~Sa16、Sc3の処理)と、
前記不能化制御からの復帰制御(例えば、復帰制御、電断復帰時に前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオンにするとともに異常発生フラグをオフに設定する制御、電断復帰時に左側可動役物102及び右側可動役物103の各駆動源151のステッピングモータへの励磁をオンにする制御)を行うことが可能な復帰制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSb1~Sb10の処理、サブ制御部91が実行する電断復帰後に復帰制御を行う処理)とを備え、
前記復帰制御手段は、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、第1復帰条件(例えば、電断復帰する条件)が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能であり、
前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、前記第1復帰条件が成立したとき、または、前記第1復帰条件とは異なる第2復帰条件(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb10の処理を全て実行する条件)が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能である。
【0008】
このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況とは異なる復帰条件も加えることができ、実際の状況に応じた不能化制御からの復帰を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)本実施形態に係る遊技機の構成の一例を示す図、(B)遊技機の正面図である。
図2】(A)前後可動部が収納位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの遊技機の正面図、(B)前後可動部が収納位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの遊技機の平面図、(C)前後可動部が収納位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの中央可動役物の左側面図、(D)前後可動部がロック位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの中央可動役物の左側面図である。
図3】(A)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの遊技機の正面図、(B)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの遊技機の平面図、(C)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が待機位置で停止しているときの中央可動役物の左側面図である。
図4】(A)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が稼働位置で停止しているときの遊技機の正面図、(B)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が稼働位置で停止しているときの遊技機の平面図、(C)前後可動部が出現位置で停止し且つ上下可動部が稼働位置で停止しているときの中央可動役物の左側面図である。
図5】(A)左側可動役物が待機位置で停止しているときの遊技機の正面図、(B)左側可動役物が待機位置で停止しているときの遊技機の平面図、(C)左側可動役物が待機位置で停止しているときの左側可動役物の左側面図、(D)左側可動役物が出現位置で停止しているときの遊技機の正面図、(E)左側可動役物が出現位置で停止しているときの遊技機の平面図、(F)左側可動役物が出現位置で停止しているときの左側可動役物の左側面図である。
図6】(A)中央可動役物の状態遷移図、(B)左側可動役物及び右側可動役物の状態遷移図である。
図7】サブ制御部が実行する中央可動役物異常判定処理のフローチャートである。
図8図7の続きのフローチャートである。
図9】サブ制御部が実行する中央可動役物リカバリ処理のフローチャートである。
図10】サブ制御部が実行する左側可動役物異常判定処理のフローチャートである。
図11】中央可動役物の動作例(動作成功時)のタイミングチャートである。
図12】中央可動役物の動作例(初期動作中における前後可動部の動作失敗時)のタイミングチャートである。
図13】中央可動役物の動作例(初期動作中における上下可動部の動作失敗時)のタイミングチャートである。
図14】中央可動役物の動作例(演出動作中における前後可動部の動作失敗時)のタイミングチャートである。
図15】中央可動役物の動作例(演出動作中における上下可動部の動作失敗時)のタイミングチャートである。
図16】中央可動役物の動作例(リカバリ処理成功時)のタイミングチャートである。
図17】左側可動役物の動作例(動作成功時)のタイミングチャートである。
図18】左側可動役物の動作例(動作失敗時)のタイミングチャートである。
図19】中央可動役物の動作変更例(演出動作中における前後可動部の動作失敗時)のタイミングチャートである。
図20】(A)中央可動役物の動作変更例(動作成功時)のタイミングチャート、(B)左側可動役物の動作変更例(動作成功時)のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の実施形態に係る遊技機1は、図1(A)に示すように、図示しない遊技制御基板によって遊技の進行が制御され、図示しない演出制御基板によって演出が制御され、図示しない電源基板によって駆動電源が生成されて各部品に供給される。遊技制御基板は、メイン制御部41を備え、演出制御基板は、サブ制御部91を備える。
図1(A)、図1(B)に示すように、遊技制御基板には、操作部(遊技進行用操作部)7が接続され、演出制御基板には、液晶表示器51、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103が接続されている。これらの演出装置51、101~103は、サブ制御部91による制御に基づいて駆動される。なお、本実施形態では、図1(B)に示すように、液晶表示器51、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103等の演出装置は、遊技者が触れることが可能な位置に設けられている。
【0012】
遊技機1の前面扉が開放された状態で、遊技店の店員等によって図示しない電源スイッチが操作され、遊技機1に対する電源供給が開始されると、メイン制御部41及びサブ制御部91は、それぞれ起動処理を開始する。メイン制御部41は、起動処理において操作部7の制御を行うための初期化処理等を実行する。なお、操作部7とは、例えば、スロットマシンであれば、賭数を設定可能な賭数設定ボタン、リールを回転開始するためのスタートスイッチ、リールを停止させるためのストップスイッチ等であり、パチンコ遊技機であれば、遊技球を発射するための打球操作ハンドル等である。メイン制御部41は、起動処理が終了すると、操作部7への操作の受付を有効化して遊技を進行させるための制御が可能となり(通常制御中となり)、遊技者は、操作部7の操作によって遊技を行うことが可能となる。このとき、メイン制御部41は、サブ制御部91に通常制御の開始を示す開始コマンドを送信する。
【0013】
一方、サブ制御部91は、起動処理において液晶表示器51、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103等の初期化処理等を実行する。なお、本実施形態では、サブ制御部91は、初期化処理の実行中において各可動役物101~103に演出動作を実行させる。サブ制御部91は、起動処理の終了後(起動期間経過後)、準備期間に移行して画像の表示制御の準備処理を行う。サブ制御部91は、準備期間中に画像の表示制御の準備を終了してメイン制御部41から開始コマンドを受信すると、液晶表示器51にメイン制御部41が通常制御中である旨の表示(例えば、演出画像等の表示)を行う。メイン制御部41は、遊技の進行に応じて各種コマンドを送信し、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドの制御情報に基づいて演出の制御を行う。演出は、例えば、液晶表示器51、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103等を用いて行われるが、これに限らず、図示しない演出効果LED、スピーカ、演出用スイッチ(演出進行用操作部)等が用いられてもよい。
【0014】
(液晶表示器51及び各可動役物101~103を用いた演出について)
本実施形態では、サブ制御部91は、遊技中であれば液晶表示器51に演出画像等を表示させる一方、遊技中でなければ液晶表示器51に図示しないデモ画面(例えば、背景画像等)を表示させる。また、サブ制御部91は、有利状態に制御されているとき(例えば、スロットマシンであればボーナス・ART・CZ等の制御中、パチンコ遊技機であれば大当り状態や小当り状態の制御中)に中央可動役物101に演出動作を実行させる。また、サブ制御部91は、有利状態に制御される可能性を示唆するとき(例えば、スロットマシンであれば小役当選示唆演出の実行中、パチンコ遊技機であればリーチ演出の実行中)に左側可動役物102及び右側可動役物103に演出動作を行わせる。
【0015】
なお、本実施形態では、有利状態に制御されているときに中央可動役物101に演出動作を実行させるとともに、有利状態に制御される可能性を示唆するときに左側可動役物102及び右側可動役物103に演出動作を行わせているが、これに限定されず遊技中に演出を実行するときの演出動作である限りにおいて、各可動役物101~103に任意の条件で演出動作を実行させてもよい。例えば、有利状態に制御されているときに全ての可動役物101~103に演出動作を実行させてもよい。また、例えば、第1有利状態に制御されているときに左側可動役物102及び右側可動役物103に演出動作を実行させる一方、第1有利状態よりも遊技者にとって有利な第2有利状態に制御されているときに中央可動役物101に演出動作を実行させてもよい。
【0016】
(各可動役物101~102の移動機構について)
図2図5を参照して中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103の動作について説明する。
【0017】
中央可動役物101は、前後方向に移動可能な前後可動部101aと、上下方向に移動可能な上下可動部101bとを有する。前後可動部101aは、図2(C)、図3(C)に示すように、駆動源131を駆動させることによってクランク132を回転させてクランク132と前後可動部101aとを接続する接続棒(コネクティングロッド)133を移動させる所謂クランク構造(クランク機構)によって、図2(A)~図2(C)に示す収納位置と図3(A)~図3(C)に示す出現位置との間を移動することが可能となっている。
【0018】
本実施形態では、駆動源131はステッピングモータを備え、サブ制御部91は、ステッピングモータへの励磁を制御することで、クランク132の正逆回転を制御するだけでなく回転量も制御することができるようになっている。また、クランク132は、円盤状の柄部132aと、柄部132aの中心から直交方向に延びる回転軸132bと、柄部132aの中心から偏った位置から直交方向に延びる偏心軸(クランクピン)132cとを備え、接続棒133は、後端部が偏心軸132cに接続され、前端部が前後可動部101a後端部に設けられた移動軸(ピストンピン)134に接続されている。なお、前後可動部101aは、図示しない案内部材(ガイド部材)に案内されて前後方向にのみ移動可能となっている。すなわち、偏心軸132cは、上下方向及び左右方向の移動が規制されており、前後方向にのみ移動(ピストン移動)可能となっている。
【0019】
図2(C)に示すように、前後可動部101aが収納位置で停止しているときには、偏心軸132cが回転軸132bの後方で略同じ高さとなる位置に設けられている。この状態から回転軸132bを90°程度正回転させると、図3(C)に示すように、偏心軸132cが回転軸132bの上方の位置まで移動して停止する。このとき、偏心軸132cに接続された接続棒133の後端部も偏心軸152cに伴って移動し、接続棒133の前端部に接続された移動軸134が接続棒133に押圧されて前方に移動し、前後可動部101aが出現位置まで移動して停止した状態となる。なお、この状態から回転軸132bを90°程度逆回転させると、偏心軸132cが回転軸132bの後方で略同じ高さとなる位置まで移動して停止し、偏心軸132cに接続された接続棒133の後端部も偏心軸152cに伴って移動し、接続棒133の前端部に接続された移動軸134が接続棒133に引っ張られて後方に移動し、図2(C)に示す前後可動部101aが収納位置で停止している状態に戻る。このように、サブ制御部91がクランク132の正逆回転を制御することで、前後可動部101aを収納位置と出現位置との間で移動させることが可能となっている。
【0020】
なお、図2(B)、図3(B)、図4(B)に示すように、上下可動部101bには、左右両側の後端から前方に凹んだ被係合部(凹部)121、122が設けられており、筐体1bには、被係合部121、122と前後方向で対向する位置に前端から前方に突起する係合部(凸部)111、112が設けられている。このため、前後可動部101aが収納位置で停止しているときには、上下可動部101bは、係合部111、112が被係合部121、122に係合して(凹凸が嵌まって)移動が規制されるようになっている。一方、前後可動部101aが出現位置で停止しているときには、上下可動部101bは、図3(C)、図4(C)に示すように、駆動源141を駆動させることによって前後可動部101a前端上部と上下可動部101b後端上部とを接続する接続軸142を回転させることで、図2(A)~図2(C)、図3(A)~図3(C)に示す待機位置と図4(A)~図4(C)に示す稼働位置との間を移動することが可能となっている。なお、本実施形態では、駆動源141は駆動源131と同様にステッピングモータを備え、サブ制御部91は、ステッピングモータへの励磁を制御することで、接続軸142の正逆回転を制御するだけでなく回転量も制御することができるようになっている。
【0021】
図3(C)に示すように、上下可動部101bが待機位置で停止した状態から接続軸142を40°程度正回転させると、図4(C)に示す上下可動部101bが稼働位置まで移動して停止した状態となる。また、図4(C)に示す上下可動部101bが稼働位置まで移動して停止した状態から接続軸142を40°程度逆回転させると、図3(C)に示す上下可動部101bが待機位置で停止している状態に戻る。このように、サブ制御部91が接続軸142の正逆回転を制御することで、上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で移動させることが可能となっている。
【0022】
また、左側可動役物102は、前後可動部101aと同様に前後方向に移動可能であり、図5(C)、図5(G)に示すように、駆動源151を駆動させることによってクランク152を回転させてクランク152と左側可動役物102とを接続する接続棒153を移動させるクランク構造によって、図5(A)~図5(C)に示す収納位置と図5(E)~図5(G)に示す出現位置との間を移動することが可能となっている。
【0023】
本実施形態では、駆動源151は駆動源131、141と同様にステッピングモータを備え、サブ制御部91は、ステッピングモータへの励磁を制御することで、クランク152の正逆回転を制御するだけでなく回転量も制御することができるようになっている。また、クランク152は、クランク132と同様に柄部152aと回転軸152bと偏心軸152cとを備え、接続棒153は、後端部が偏心軸152cに接続され、前端部が左側可動役物102後端部に設けられた移動軸154に接続されている。なお、左側可動役物102は、前後可動部101aと同様に図示しない案内部材に案内されて前後方向にのみ移動可能となっており、偏心軸152cは、上下方向及び左右方向の移動が規制されて前後方向にのみ移動可能となっている。
【0024】
図5(C)に示すように、左側可動役物102が収納位置で停止しているときには、偏心軸152cが回転軸152bの後方で略同じ高さとなる位置に設けられている。この状態から回転軸152bを90°程度正回転させると、図5(G)に示すように、偏心軸152cが回転軸152bの上方の位置まで移動して停止する。このとき、偏心軸152cに接続された接続棒153の後端部も偏心軸152cに伴って移動し、接続棒133の前端部に接続された移動軸134が接続棒133に押圧されて前方に移動し、左側可動役物102が出現位置まで移動して停止した状態となる。なお、この状態から回転軸152bを90°程度逆回転させると、偏心軸152cが回転軸152bの後方で略同じ高さとなる位置まで移動して停止し、偏心軸152cに接続された接続棒153の後端部も偏心軸152cに伴って移動し、接続棒153の前端部に接続された移動軸154が接続棒153に引っ張られて後方に移動し、図5(C)に示す左側可動役物102が収納位置で停止している状態に戻る。このように、サブ制御部91がクランク152の正逆回転を制御することで、左側可動役物102を収納位置と出現位置との間で移動させることが可能となっている。
【0025】
なお、本実施形態では、図示しない位置検出センサが、前後可動部101aの収納位置及び出現位置、上下可動部101bの待機位置及び稼働位置、左側可動役物102の収納位置及び出現位置、右側可動役物103の収納位置及び出現位置にそれぞれ設けられており、サブ制御部91は、位置検出センサの検出信号に基づいて各可動役物101~103が各位置に移動を終了したか否かを判定している。なお、本実施形態のように、位置検出センサは各位置にそれぞれ設けられていなくてもよく、例えば、前後可動部101aが収納位置又は出現位置に移動していることを検出可能な位置検出センサを設けて、サブ制御部91は、各位置への移動時に位置検出センサの検出信号がオン・オフ・オンの順に変化したか否かを判定することで各可動役物101~103が各位置に移動を終了したか否かを判定してもよい。また、例えば、前後可動部101aが収納位置と出現位置との間の中間位置に移動していることを検出可能な位置検出センサを設けて、サブ制御部91は、各位置への移動時に位置検出センサの検出信号がオフ・オン・オフの順に変化したか否かを判定することで各可動役物101~103が各位置に移動を終了したか否かを判定してもよい。
【0026】
なお、本実施形態では、駆動源131、141、151がステッピングモータを備えているが、これに限定されず、ステッピングモータよりも位置決め精度が低下するが比較的安価な電磁モータに替えてもよい。
また、本実施形態では、クランク機構を用いて前後可動部101a、左側可動役物102、右側可動役物103を前後方向に移動させているが、これに限定されず、例えば、所謂ピニオンラック機構を用いて前後可動部101a、左側可動役物102、右側可動役物103を前後方向に移動させてもよい。具体的には、左右方向に延び且つ外周にピニオンギアが固定支持された回転軸を各可動役物101~103に回転可能に支持させるとともにピニオンギアの下方に前後方向に延びるラックギアを設けて駆動源131、151によって回転軸を回転させ、ラックギアと噛み合うピニオンギアをラックギア上方で前後方向に移動させることで、前後可動部101a、左側可動役物102、右側可動役物103を前後方向にそれぞれ移動させてもよい。
【0027】
また、例えば、所謂ソレノイド機構を用いて前後可動部101a、左側可動役物102、右側可動役物103を前後方向に移動させてもよい。具体的には、移動軸134、154と電磁ソレノイドとを連結し、電磁ソレノイドへの電力供給がオンのときには移動軸134、154が引っ張られて後方に移動する一方で電磁ソレノイドへの電力供給がオフのときには移動軸134、154がバネで押圧されて前方に移動するようにすることで、前後可動部101a、左側可動役物102、右側可動役物103を前後方向にそれぞれ移動させてもよい。
【0028】
(各可動役物101~103の初期動作及び演出動作について)
本実施形態では、サブ制御部91は、中央可動役物101に初期動作として前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で往復移動させてから前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させる動作を実行させる。また、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作として、まず、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させる動作を実行させる。そして、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作として、有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作を実行させる。
また、サブ制御部91は、左側可動役物102及び右側可動役物103に初期動作及び演出動作の共通動作として収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動させる動作を同時に実行させる。
【0029】
(各可動役物101~103の異常判定について)
また、サブ制御部91は、各可動役物101~103に初期動作又は演出動作を実行させるときに異常が発生したか否かをそれぞれ判定している。具体的には、サブ制御部91は、位置検出センサの検出信号に基づいて各可動役物101~103の動作(初期動作又は演出動作)が正常に実行されたか否か、すなわち、動作に成功したか否かを判定している。このため、例えば、駆動源131、141、151のステッピングモータが故障(部品等が破損等)していたり、位置検出センサが故障していたり、ステッピングモータや位置検出センサに接続している電線や信号線が断線等していたり、駆動源131、141、151に含まれるギアが破損していたり、ギア同士の噛み合いが外れていたり、クランク132、152の回転軸132b、152bや偏心軸132c、152cや接続棒133、153や移動軸134、154や案内部材や各可動役物101~103が破損していたりしたときに、各可動役物101~103の動作が正常に実行されていないと判定され、異常が発生したと判定される。
【0030】
(各可動役物101~103の状態遷移について)
図6を参照して中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103の状態について説明する。
【0031】
図6(A)に示すように、サブ制御部91は、遊技機1への電力供給が開始されたときには、中央可動役物101を正常状態として制御しており、初期動作に成功したとき、正常状態としての制御を継続する。また、サブ制御部91は、初期動作に失敗したとき、異常が発生したと判定して中央可動役物101を異常状態として制御する。サブ制御部91は、中央可動役物101を異常状態として制御しているときには、遊技機1への電力供給が停止された後に電力供給が再開される、すなわち、電断復帰するまで異常状態としての制御を継続し、電断復帰後に中央可動役物101を正常状態として制御する。
【0032】
一方、サブ制御部91は、演出動作に失敗しても直ぐに異常が発生したと判定されず、演出動作に累計で6回失敗したとき、異常が発生したと判定する。サブ制御部91は、異常が発生したと判定すると中央可動役物101を直ぐに異常状態として制御せずに異常発生状態として制御する。サブ制御部91は、中央可動役物101を異常発生状態として制御しているときには、中央可動役物101のリカバリ動作を行い、リカバリ動作に成功すると中央可動役物101を正常状態として制御する。一方、サブ制御部91は、カバリ動作に失敗すると中央可動役物101を異常状態として制御し、電断復帰するまで中央可動役物101を異常状態として制御する。なお、サブ制御部91は、リカバリ動作を行う前に電断復帰しても中央可動役物101を正常状態として制御する。
【0033】
また、図6(B)に示すように、サブ制御部91は、遊技機1への電力供給が開始されたときには、左側可動役物102を正常状態として制御しており、初期動作又は演出動作に成功したとき、正常状態としての制御を継続する。また、サブ制御部91は、初期動作又は演出動作に失敗したとき、異常が発生したと判定して左側可動役物102を異常状態として制御する。サブ制御部91は、左側可動役物102を異常状態として制御しているときには、電断復帰するまで異常状態としての制御を継続し、電断復帰後に中央可動役物101を正常状態として制御する。
【0034】
なお、右側可動役物103の状態については、「左側」を「右側」、「102」を「103」とすれば図6(B)の上記説明と同様であるため、冗長な説明を低減するため、詳細な説明を省略する。
【0035】
(中央可動役物異常判定処理について)
次に、サブ制御部91が実行する中央可動役物異常判定処理について説明する。図7に示すように、中央可動役物異常判定処理では、サブ制御部91は、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動を開始したか否かを判定する(ステップSa1)。サブ制御部91は、前後可動部101aが出現位置への移動を開始していない場合(ステップSa1;N)、前後可動部101aが出現位置への移動を開始するまでステップSa1の処理を繰り返し、前後可動部101aが出現位置への移動を開始した場合(ステップSa1;Y)、所定期間(例えば、4秒間)が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSa2)。
【0036】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了した場合(ステップSa2;Y)、上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動を開始したか否かを判定する(ステップSa3)。サブ制御部91は、上下可動部101bが稼働位置への移動を開始していない場合(ステップSa3;N)、上下可動部101bが稼働位置への移動を開始するまでステップSa3の処理を繰り返し、上下可動部101bが稼働位置への移動を開始した場合(ステップSa3;Y)、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSa4)。
【0037】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了した場合(ステップSa4;Y)、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動を開始したか否かを判定する(ステップSa5)。サブ制御部91は、上下可動部101bが待機位置への移動を開始していない場合(ステップSa5;N)、上下可動部101bが待機位置への移動を開始するまでステップSa5の処理を繰り返し、上下可動部101bが待機位置への移動を開始した場合(ステップSa5;Y)、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSa6)。
【0038】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了した場合(ステップSa6;Y)、前後可動部101aが出現位置から収納位置への移動を開始したか否かを判定する(ステップSa7)。サブ制御部91は、前後可動部101aが収納位置への移動を開始していない場合(ステップSa7;N)、前後可動部101aが収納位置への移動を開始するまでステップSa7の処理を繰り返し、前後可動部101aが収納位置への移動を開始した場合(ステップSa7;Y)、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSa8)。
【0039】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了した場合(ステップSa8;Y)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了しない場合(ステップSa2;N)、または、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了しない場合(ステップSa4;N)、または、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了しない場合(ステップSa6;N)、または、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了しない場合(ステップSa8;N)、図8に示すように、中央可動役物101の動作が初期化処理で実行される初期動作であるか否かを判定する(ステップSa9)。
【0040】
サブ制御部91は、中央可動役物101の動作が初期動作である場合(ステップSa9;Y)、上下可動部101bを待機位置に移動させる動作を所定期間に亘って初期動作や演出動作の速度α[ms/step](例えば、5ms/step)よりも遅い速度β[ms/step](例えば、9ms/step)で行い(ステップSa10)、前後可動部101aを収納位置に移動させる動作を所定期間に亘って速度βで行う(ステップSa11)。一方、サブ制御部91は、中央可動役物101の動作が初期動作ではなく演出動作である場合(ステップSa9;Y)、サブ制御部91が備える図示しないRAMに記憶されている動作失敗回数カウンタの値に+1を加算し(ステップSa12)、動作失敗回数カウンタの値が6以上であるか否かを判定することで、中央可動役物101の動作失敗回数が累計6回以上であるか否かを判定する(ステップSa13)。
【0041】
サブ制御部91は、動作失敗回数カウンタの値が6未満である場合(ステップSa13;N)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、動作失敗回数カウンタの値が6以上である場合(ステップSa13;Y)、または、前後可動部101aを速度βで収納位置に移動させる動作終了後、上下可動部101bの停止後に駆動源141のステッピングモータへの励磁をオフにし(ステップSa14)、前後可動部101aの停止後に駆動源131のステッピングモータへの励磁をオフにし(ステップSa15)、サブ制御部91が備える図示しないRAMに記憶されている異常発生フラグをオンにし(ステップSa16)、処理を終了する。ここで、異常発生フラグとは、中央可動役物101が異常発生状態であるか否かを示すフラグであり、電源投入時にはオフになり、異常発生状態であると判定されるとオンになる。
【0042】
(中央可動役物リカバリ処理について)
次に、サブ制御部91が実行する中央可動役物リカバリ処理について説明する。図9に示すように、中央可動役物リカバリ処理では、サブ制御部91は、異常発生フラグがオンになってから最初のデモ画面の表示を開始したか否かを判定する(ステップSb1)。サブ制御部91は、最初のデモ画面の表示を開始していない場合(ステップSb1;N)、デモ画面の表示を開始するまでステップSb1の処理を繰り返し、最初のデモ画面の表示を開始した場合(ステップSb1;Y)、前後可動部101aを出現位置に移動させる動作を開始し(ステップSb2)、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSb3)。
【0043】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了した場合(ステップSb3;Y)、上下可動部101bを稼働位置に移動させる動作を開始し(ステップSb4)、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSb5)。サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了した場合(ステップSb5;Y)、上下可動部101bを待機位置に移動させる動作を開始し(ステップSb6)、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSb7)。サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了した場合(ステップSb7;Y)、前後可動部101aを収納位置に移動させる動作を開始し(ステップSb8)、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了したか否かを判定する(ステップSb9)。
【0044】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了した場合(ステップSb9;Y)、異常発生フラグをオフにし(ステップSb10)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが出現位置への移動を終了しない場合(ステップSb3;N)、または、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが稼働位置への移動を終了しない場合(ステップSb5;N)、または、所定期間が経過するまでに上下可動部101bが待機位置への移動を終了しない場合(ステップSb7;N)、または、所定期間が経過するまでに前後可動部101aが収納位置への移動を終了しない場合(ステップSb9;N)、異常発生フラグをオフにせずに処理を終了する。
【0045】
(左側可動役物異常判定処理及び右側可動役物異常判定処理について)
次に、サブ制御部91が実行する左側可動役物異常判定処理について説明する。図10に示すように、左側可動役物異常判定処理では、サブ制御部91は、左側可動役物102が収納位置、出現位置、収納位置の順に収納位置からの往復移動を開始したか否かを判定する(ステップSc1)。サブ制御部91は、左側可動役物102が収納位置からの往復移動を開始していない場合(ステップSc1;N)、左側可動役物102が収納位置からの往復移動を開始するまでステップSc1の処理を繰り返し、左側可動役物102が収納位置からの往復移動を開始した場合(ステップSc1;Y)、所定期間(例えば、4秒間)が経過するまでに左側可動役物102が収納位置からの往復移動を終了したか否かを判定する(ステップSc2)。
【0046】
サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに左側可動役物102が収納位置からの往復移動を終了した場合(ステップSc2;Y)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、所定期間が経過するまでに左側可動役物102が収納位置からの往復移動を終了しなかった場合(ステップSc2;N)、左側可動役物102の停止後に駆動源151のステッピングモータへの励磁をオフにし(ステップSc3)、処理を終了する。
なお、サブ制御部91が実行する右側可動役物異常判定処理については、「左側」を「右側」、「102」を「103」とすれば図10の上記説明と同様であるため、冗長な説明を低減するため、詳細な説明を省略する。
【0047】
(中央可動役物101の動作例について)
次に、図11図16を参照して中央可動役物101の動作について説明する。図11に示すタイミングチャートは、上から順に、中央可動役物101の初期動作又は演出動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置を示す。以降、本実施形態において、事象の発生したタイミングをt(t1、t2、…)で示す。
【0048】
図11に示すように、t1以前は、サブ制御部91は、中央可動役物101に初期動作又は演出動作を実行させていない。t1において、中央可動役物101に初期動作又は演出動作の実行を開始させると、サブ制御部91は、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させており、t1よりも後のt2において、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動を終了している。また、t2において、サブ制御部91は、上下可動部101bに待機位置から稼働位置への移動を開始させており、t2よりも後のt3において、上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動を終了している。この場合、t1から所定期間が経過するt4までに前後可動部101aの動作が終了し、t2から所定期間が経過するt5までに上下可動部101bの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、中央可動役物101の動作が正常に終了した、すなわち、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。
【0049】
また、t3よりも後のt6において、サブ制御部91は、上下可動部101bに稼働位置から待機位置への移動を開始させており、t6よりも後のt7において、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動を終了している。また、t7において、サブ制御部91は、前後可動部101aに出現位置から収納位置への移動を開始させており、t7よりも後のt8において、前後可動部101aが出現位置から収納位置への移動を終了しており、中央可動役物101における初期動作又は演出動作の実行を終了している。この場合、t6から所定期間が経過するt9までに上下可動部101bの動作が終了し、t7から所定期間が経過するt10までに前後可動部101aの動作が終了している。このとき、サブ制御部91は、中央可動役物101の動作が正常に終了した、すなわち、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。
【0050】
図12に示すタイミングチャートは、上から順に、中央可動役物101の初期動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフを示す。
【0051】
一方、t1において、中央可動役物101に初期動作の実行を開始させ、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させた後、中央可動役物101が動作を失敗するときがある。例えば、中央可動役物101の前方に障害物が設けられていたり(例えば、中央可動役物101の前方までスロットマシンのメダルやパチンコ遊技機の遊技球を収容する箱、所謂ドル箱が積み上げられていたり)、中央可動役物101が前方から後方向に手で押さえつけられたりしたときには、前後可動部101aが収納位置と出現位置との間の中間位置で移動できなくなることがある。この場合、図12に示すように、例えば、t1よりも後でありt2よりも前のt11において、前後可動部101aが中間位置で停止し、t1から所定期間が経過するt4までに前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このため、サブ制御部91は、t4において、中央可動役物101の動作が正常に終了しなかった、すなわち、動作に失敗したと判定し、異常が発生したと判定する。
【0052】
また、このとき、サブ制御部91は、中央可動役物101における初期動作の実行を終了し、上下可動部101bに待機位置への移動を初期動作の速度αよりも遅い速度βで開始させる。また、サブ制御部91は、t4から所定期間が経過したt12において、上下可動部101bが待機位置に移動しているか否かに関わらず上下可動部101bの駆動源141への励磁をオフにし、前後可動部101aに初期動作の速度αよりも遅い速度βとなるように収納位置への移動を開始させる。そして、サブ制御部91は、t12から所定期間が経過したt13において、前後可動部101aが収納位置に移動しているか否かに関わらず前後可動部101aの駆動源131への励磁をオフにするとともに、異常発生フラグをオンに設定して異常状態に制御する。なお、図12に示す動作例では、上下可動部101bが最初から待機位置で停止しており、前後可動部101aがt13までに中間位置から収納位置に正常に移動している。
【0053】
図13に示すタイミングチャートは、図12に示すタイミングチャートと同様に、上から順に、中央可動役物101の初期動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフを示す。
【0054】
また、t2において、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動を終了し、上下可動部101bに待機位置から稼働位置への移動を開始させた後、中央可動役物101が動作を失敗するときがある。例えば、中央可動役物101の上方に障害物が設けられていたり(例えば、中央可動役物101の上にドル箱が乗せられていたり)、中央可動役物101が上方から下方向に手で押さえつけられたりしたときには、上下可動部101bが待機位置と稼働位置との間の中間位置で移動できなくなることがある。この場合、図13に示すように、例えば、t2よりも後でありt3よりも前のt21において、上下可動部101bが中間位置で停止し、t2から所定期間が経過するt5までに上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t5において、中央可動役物101の動作が正常に終了しなかった、すなわち、動作に失敗したと判定し、異常が発生したと判定する。
【0055】
このとき、サブ制御部91は、中央可動役物101における初期動作の実行を終了し、上下可動部101bに待機位置への移動を初期動作の速度αよりも遅い速度βで開始させる。また、サブ制御部91は、t5から所定期間が経過したt22において、上下可動部101bが待機位置に移動しているか否かに関わらず上下可動部101bの駆動源141への励磁をオフにし、前後可動部101aに初期動作の速度αよりも遅い速度βとなるように収納位置への移動を開始させる。そして、サブ制御部91は、t22から所定期間が経過したt23において、前後可動部101aが収納位置に移動しているか否かに関わらず前後可動部101aの駆動源131への励磁をオフにするとともに、異常発生フラグをオンに設定して異常状態に制御する。なお、図13に示す動作例では、上下可動部101bがt22までに中間位置から待機位置に正常に移動し、且つ、前後可動部101aがt23までに出現位置から収納位置に正常に移動している。
【0056】
図14に示すタイミングチャートは、上から順に、中央可動役物101の演出動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフ、動作失敗カウンタの値(0~6)を示す。
【0057】
また、t1において、中央可動役物101に演出動作の実行を開始させ、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させた後も初期動作のときと同様に、中央可動役物101が動作を失敗するときがある。この場合、図14に示すように、例えば、中央可動役物101の前方にドル箱が積み上げられていたり、中央可動役物101の上にドル箱や遊技者の鞄等の所有物が乗せられていたりすると、t11において、前後可動部101aが中間位置で停止し、t1から所定期間が経過するt4までに前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t4において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を0から1に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0058】
また、t4よりも後のt31において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させ、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させる。このとき、例えば、中央可動役物101の前方に障害物が設けられたまま放置されていたり、中央可動役物101が前方から後方向に再度手で押さえつけられたりしたときには、前後可動部101aが中間位置から移動できない。この場合、図14に示すように、例えば、t31から所定期間が経過するt32まで前後可動部101aが中間位置で停止し、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t32において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を1から2に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0059】
また、t32よりも後のt33において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図14に示すように、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させてもt33から所定期間が経過するt34まで前後可動部101aが中間位置で停止する場合、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t34において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を2から3に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0060】
また、t34よりも後のt35において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図14に示すように、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させてもt35から所定期間が経過するt36まで前後可動部101aが中間位置で停止する場合、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t36において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を3から4に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0061】
また、t36よりも後のt37において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図14に示すように、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させてもt37から所定期間が経過するt38まで前後可動部101aが中間位置で停止する場合、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t38において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を4から5に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0062】
また、t38よりも後のt39において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図14に示すように、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させてもt39から所定期間が経過するt40まで前後可動部101aが中間位置で停止する場合、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t40において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を5から6に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。また、サブ制御部91は、動作失敗カウンタの値が6になったことで異常が発生したと判定し、前後可動部101aの駆動源131への励磁をオフにするとともに、上下可動部101bの駆動源141への励磁をオフにし、異常発生フラグをオンに設定して異常発生状態に制御する。
【0063】
図15に示すタイミングチャートは、図14に示すタイミングチャートと同様に、上から順に、中央可動役物101の演出動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフ、動作失敗カウンタの値(0~6)を示す。
【0064】
また、t2において、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動を終了し、上下可動部101bに待機位置から稼働位置への移動を開始させた後も初期動作のときと同様に、中央可動役物101が動作を失敗するときがある。この場合、図15に示すように、例えば、t21において、上下可動部101bが中間位置で停止し、t2から所定期間が経過するt5までに上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t5において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を0から1に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0065】
また、t5よりも後のt41において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させ、上下可動部101bに稼働位置への移動を開始させる。このとき、例えば、中央可動役物101の上方に障害物が設けられたまま放置されていたり、中央可動役物101が上方から下方向に再度手で押さえつけられたりしたときには、上下可動部101bが中間位置から移動できない。この場合、図15に示すように、例えば、t41から所定期間が経過するt42まで上下可動部101bが中間位置で停止し、上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t42において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を1から2に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0066】
また、t42よりも後のt43において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図15に示すように、上下可動部101bに稼働位置への移動を開始させてもt43から所定期間が経過するt44まで上下可動部101bが中間位置で停止する場合、上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t44において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を2から3に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0067】
また、t44よりも後のt45において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図15に示すように、上下可動部101bに出現位置への移動を開始させてもt45から所定期間が経過するt46まで上下可動部101bが中間位置で停止する場合、上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t46において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を3から4に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0068】
また、t46よりも後のt47において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図15に示すように、上下可動部101bに出現位置への移動を開始させてもt47から所定期間が経過するt48まで上下可動部101bが中間位置で停止する場合、上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t48において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を4から5に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0069】
また、t48よりも後のt49において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図15に示すように、上下可動部101bに稼働位置への移動を開始させてもt49から所定期間が経過するt50まで上下可動部101bが中間位置で停止する場合、上下可動部101bの稼働位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t50において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を5から6に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。また、サブ制御部91は、動作失敗カウンタの値が6になったことで異常が発生したと判定し、前後可動部101aの駆動源131への励磁をオフにするとともに、上下可動部101bの駆動源141への励磁をオフにし、異常発生フラグをオンに設定して異常発生状態に制御する。
【0070】
図16に示すタイミングチャートは、上から順に、異常発生状態での最初のデモ画面の表示の有無(表示・非表示)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフ、動作失敗カウンタの値(0~6)を示す。
【0071】
図16に示すように、t51以前は、サブ制御部91は、遊技進行中に動作失敗カウンタが6になり、異常発生フラグがオンに設定されて異常発生状態に制御しており、前後可動部101aの駆動源131及び上下可動部101bの駆動源141への励磁がオフになっている。t51において、サブ制御部91は、異常発生状態での最初のデモ画面の表示を開始させると、中央可動役物のリカバリ動作(復帰動作)を開始する。具体的には、まず、サブ制御部91は、t51において、前後可動部101aの駆動源131及び上下可動部101bの駆動源141への励磁をそれぞれオンにし、前後可動部101aに出現位置への移動を開始させる。
【0072】
このとき、例えば、図16に示すように、t51よりも後のt52において、前後可動部101aが中間位置から出現位置への移動を終了すると、上下可動部101bに待機位置から稼働位置への移動を開始させる。このとき、例えば、図16に示すように、t52よりも後のt53において、上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動を終了すると、サブ制御部91は、上下可動部101bに稼働位置から待機位置への移動を開始させる。なお、この場合、t51から所定期間が経過するt54までに前後可動部101aの動作が終了し、t52から所定期間が経過するt55までに上下可動部101bの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、前後可動部101aおよび上下可動部101bの動作がそれぞれ正常に終了していると判定している。
【0073】
また、例えば、図16に示すように、t55において、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動を終了すると、サブ制御部91は、前後可動部101aに出現位置から収納位置への移動を開始させる。このとき、例えば、図16に示すように、t55よりも後のt56において、前後可動部101aが出現位置から収納位置への移動を終了する場合、t53から所定期間が経過するt56までに上下可動部101bの動作が終了し、t55から所定期間が経過するt57までに前後可動部101aの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、前後可動部101aおよび上下可動部101bの動作がそれぞれ正常に終了していると判定し、t56において、リカバリ動作に成功したと判定し、異常判定フラグをオフに設定して正常状態に制御し、動作失敗カウンタの値を0にリセットする。なお、図示は省略するが、リカバリ動作に失敗したと判定したときは、前後可動部101aの駆動源131及び上下可動部101bの駆動源141への励磁をそれぞれ再びオフにするとともに、異常判定フラグをオンに設定したままにする。
【0074】
(左側可動役物102及び右側可動役物103の動作例について)
次に、図17図18を参照して左側可動役物102の動作について説明する。図17に示すタイミングチャートは、上から順に、左側可動役物102の初期動作又は演出動作の実行の有無(実行・非実行)、左側可動役物102の収納位置から出現位置までの間の位置を示す。
【0075】
図17に示すように、t61以前は、サブ制御部91は、左側可動役物102に初期動作又は演出動作を実行させていない。t61において、左側可動役物102に初期動作又は演出動作の実行を開始させると、サブ制御部91は、左側可動役物102に収納位置から出現位置への移動を開始させており、t61よりも後のt62において、左側可動役物102が収納位置から出現位置への移動を終了している。また、t62よりも後のt63において、サブ制御部91は、左側可動役物102に出現位置から収納位置への移動を開始させており、t63よりも後のt64において、左側可動役物102が出現位置から収納位置への移動を終了しており、左側可動役物102における初期動作又は演出動作の実行を終了している。この場合、t61から所定期間が経過するt65までに左側可動役物102の動作が終了している。このとき、サブ制御部91は、左側可動役物102の動作が正常に終了した、すなわち、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。
【0076】
図18に示すタイミングチャートは、上から順に、左側可動役物102の初期動作の実行の有無(実行・非実行)、左側可動役物102の収納位置から出現位置までの間の位置、左側可動役物102の駆動源151への励磁のオン・オフを示す。
【0077】
一方、t61において、左側可動役物102に初期動作又は演出動作の実行を開始させ、左側可動役物102に収納位置から出現位置への移動を開始させた後、左側可動役物102が動作を失敗するときがある。例えば、左側可動役物102の前方に障害物が設けられていたり、左側可動役物102が前方から後方向に手で押さえつけられたりしたときには、左側可動役物102が収納位置と出現位置との間の中間位置で移動できなくなることがある。この場合、図18に示すように、例えば、t61よりも後でありt62よりも前のt66において、左側可動役物102が中間位置で停止し、t61から所定期間が経過するt65までに左側可動役物102の出現位置への動作が終了しないことになる。このため、サブ制御部91は、t65において、左側可動役物102の動作が正常に終了しなかった、すなわち、動作に失敗したと判定し、異常が発生したと判定し、左側可動役物102の駆動源151への励磁をオフにして異常状態に制御する。
【0078】
なお、右側可動役物103の動作については、「左側」を「右側」、「102」を「103」とすれば図17図18の上記説明と同様であるため、冗長な説明を低減するため、詳細な説明を省略する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機1によれば、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103は、遊技者が触れることが可能な位置にそれぞれ設けられている。また、サブ制御部91は、遊技機1に対する電源供給が開始されたとき、初期化処理において中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103に初期動作をそれぞれ実行させる。また、サブ制御部91は、遊技中に演出を実行するとき、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103に演出動作をそれぞれ実行させる。また、サブ制御部91は、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103の初期動作又は演出動作において異常が発生したか否かを判定している。
【0080】
ここで、サブ制御部91は、中央可動役物101の初期動作の実行中においては、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、中央可動役物101の動作に異常が発生したと判定する。一方、サブ制御部91は、中央可動役物101の演出動作の実行中においては、これらの判定がなされたとき、動作失敗カウンタの値を+1加算し、動作失敗カウンタの値が6以上となったとき、中央可動役物101の動作に異常が発生したと判定する。
【0081】
この結果、本実施形態に係る遊技機1によれば、中央可動役物101の初期動作を実行したときに成立する第1異常条件が中央可動役物101の演出動作を実行したときに成立する第2異常条件よりも成立したと判定するまでの時間を要する条件となっている。
このようにすることで、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に中央可動役物101に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が中央可動役物101に触っている可能性がない状況よりも時間をかけて中央可動役物101に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、中央可動役物101の初期動作を実行したときに成立する第1異常条件が中央可動役物101の演出動作を実行したときに成立する第2異常条件よりも成立したと判定するまでの判定回数が多い条件となっている。
このようにすることで、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に中央可動役物101に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が中央可動役物101に触っている可能性がない状況よりも判定回数を多くして中央可動役物101に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0083】
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、左側可動役物102及び右側可動役物103の演出動作の実行中においては初期動作の実行中と同様に、上述した判定がなされたときに動作に異常が発生したと判定したが、これに限定されず、中央可動役物101と同様に上述した判定がなされたときに動作失敗カウンタの値を+1加算し、動作失敗カウンタの値が6以上となったとき、動作に異常が発生したと判定してもよい。この場合、中央可動役物101の動作失敗カウンタだけでなく、左側可動役物102の動作失敗カウンタと右側可動役物103の動作失敗カウンタとをそれぞれ新たに設ける必要がある。
【0084】
なお、本実施形態では、遊技者が触れることが可能な位置にそれぞれ設けられた可動役物として、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103を例示したが、各可動役物101~103を配置する位置についてはこれに限定されず、例えば、左側可動役物102及び右側可動役物103を筐体1bの左側板及び右側板にそれぞれ配置して左側可動役物102を左側板よりも左方に飛び出すように移動させたり、右側可動役物103を右側板よりも右方に飛び出すように移動させたりしてもよい。また、例えば、中央可動役物101を遊技機1前面中央部に設けてもよい。
【0085】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、第1異常条件は、中央可動役物101に初期動作を実行させてから所定期間が経過しても各位置への移動を終了しない旨の判定回数が1回で成立する条件である。一方、第2異常条件は、中央可動役物101に演出動作を実行させてから所定期間が経過しても各位置への移動を終了しない旨の判定回数が累計6回で成立する条件である。
このようにすることで、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に中央可動役物101に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が中央可動役物101に触っている可能性がない状況よりも所定期間が経過しても各位置への移動を終了しない旨の判定回数を多くして中央可動役物101に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0086】
なお、本実施形態では、第1異常条件の判定回数が1回としたが、これに限定されず、2回以上であってもよい。また、第2異常条件の判定回数を6回としたが、これに限定されず、第1異常条件の判定回数よりも多い回数である限りにおいて、5回以下であってもよく、7回以上であってもよい。
なお、本実施形態では、第2異常条件の判定回数が累計6回となったときに異常であると判定したが、これに限定されず、連続6回とならなければ異常であると判定しないようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第1異常条件よりも第2異常条件の判定回数が多くなるように調整したが、これに限定されず、例えば、第1異常条件よりも第2異常条件の判定期間が長くなるように調整してもよい。具体的には、第1異常条件を中央可動役物101に初期動作を実行させてから第1期間(例えば、4秒間)が経過しても各位置への移動を終了しない旨の判定回数が1回で成立する条件とする一方、第2異常条件を中央可動役物101に演出動作を実行させてから第1期間よりも長い第2期間(例えば、8秒間)が経過しても各位置への移動を終了しない旨の判定回数が1回で成立する条件であってもよい。
【0087】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、中央可動役物101の初期動作を実行したときに第1異常条件が成立したと判定されたとき、上下可動部101bに待機位置への移動を行わせてから前後可動部101aに収納位置への移動を行わせる。すなわち、中央可動役物101を初期位置に移動させる。一方、サブ制御部91は、中央可動役物101の演出動作を実行したときに第2異常条件が成立したと判定されたとき、中央可動役物101を初期位置に移動させずに現在の位置に停止させる。
このようにすることで、初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が中央可動役物101に触っている可能性がない状況においては中央可動役物101に異常が発生したと判定されると中央可動役物101を初期位置に復帰させて中央可動役物101初期位置に配置されていないことによって遊技に支障が発生することを防止できる。また、このようにすることで、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に中央可動役物101に触っている可能性がある状況においては中央可動役物101に異常が発生したと判定されると中央可動役物101を現在の位置に停止させて中央可動役物101に過度な負荷が掛かることを防止できる。
【0088】
なお、本実施形態では、中央可動役物101の初期動作を実行したときに第1異常条件が成立したと判定されたときに上下可動部101bを待機位置に移動させた状態で前後可動部101を収納位置に移動させることで中央可動役物101を初期位置に移動させているが(図2(A)~図2(C)参照)、これに限定されず、例えば、図2(D)に示すように、偏心軸132cが回転軸132bの後方で完全に同じ高さとなる位置まで移動させることで、前後可動部101をロック位置に移動させてもよい。このようにすることで、中央可動役物101を遊技者が手で引っ張っても前後可動部101が前方に移動しない状態(デッドロック状態)にすることができる。
【0089】
なお、本実施形態のように、遊技に支障が発生することを防止させるために中央可動役物101の初期動作を実行したときに第1異常条件が成立したと判定されたときに中央可動役物101を初期位置に移動させることが好ましいが、中央可動役物101の演出動作を実行したときに第2異常条件が成立したと判定されたときや左側可動役物102や右側可動役物103の動作(初期動作、演出動作)を実行したときに異常条件が成立したと判定されたときと同様に、中央可動役物101を現在の位置に停止させてもよい。また、中央可動役物101に過度な負荷が掛かることを防止するために、中央可動役物101の演出動作を実行したときに第2異常条件が成立したと判定されたときに中央可動役物101を現在の位置に停止させることが好ましいが、中央可動役物101の初期動作を実行したときと同様に、中央可動役物101を初期位置に移動させてもよい。
【0090】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、中央可動役物101に初期動作または演出動作を実行させるとき、前後可動部101a及び上下可動部101bを速度αでそれぞれ移動させる一方、初期動作の実行中に異常が発生して中央可動役物101を初期位置に移動させるとき、前後可動部101a及び上下可動部101bを速度αよりも遅い速度βでそれぞれ移動させる。
このようにすることで、各可動部101a、101bを速度αで移動させるときよりも遅い速度βで移動させたほうが駆動源131、141のステッピングモータが回転軸132b、142を回転させるトルクが大きくなるため、各可動部101a、101bを移動させる力が大きくなる。この結果、中央可動役物101に異常が発生したと判定されているときに中央可動役物101に初期動作中や演出動作中よりも強い負荷をかけて好適に初期位置に復帰させることができる。
【0091】
なお、本実施形態のように、強い負荷をかけて好適に初期位置に復帰させるために初期動作の実行中に異常が発生して中央可動役物101を初期位置に移動させるときに速度βで各可動部101a、101bを移動させることが好ましいが、中央可動役物101を初期位置に移動させるときであっても通常の速度αで各可動部101a、101bを移動させてもよい。
【0092】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、初期動作の実行中において中央可動役物101に異常が発生したと判定されたとき、または、演出動作の実行中において中央可動役物101に異常が発生したと判定されたとき、中央可動役物101に演出動作を実行させる演出を実行するときに中央可動役物101に演出動作を実行させないように不能化制御を行っている。具体的には、サブ制御部91は、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにするとともに異常発生フラグをオンに設定している。また、サブ制御部91は、不能化制御からの復帰制御を行うことが可能である。具体的には、サブ制御部91は、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁を再開にするとともに異常発生フラグをオフに設定し、動作失敗カウンタの値を0にリセットしている。
【0093】
ここで、サブ制御部91は、初期動作の実行中において中央可動役物101に異常が発生したと判定されて不能化制御を行った後においては電断復帰したときに復帰制御を行う。一方、サブ制御部91は、演出動作の実行中において中央可動役物101に異常が発生したと判定されて不能化制御を行った後においては電断復帰したときだけでなく、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときに開始するリカバリ動作が正常に実行できたときにも復帰制御を行う。
このようにすることで、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に中央可動役物101に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が中央可動役物101に触っている可能性がない状況とは異なる復帰条件(リカバリ動作成功)も加えることができ、実際の状況に応じた不能化制御からの復帰を行うことができる。
【0094】
なお、本実施形態では、中央可動役物101を異常発生状態として制御するために異常発生フラグを用いているが、これに限定されず、例えば、動作失敗カウンタの値を用いてもよく、動作失敗カウンタの値が6となったときに中央可動役物101を異常発生状態として制御してもよい。この場合、不能化制御から異常発生フラグをオンに設定する処理を省略できるとともに、復帰制御から異常発生フラグをオフに設定する処理を省略できる。
【0095】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、初期動作の実行中に異常が発生して不能化制御を行った後だけでなく演出動作の実行中に異常が発生して不能化制御を行った後にも成立可能な第1復帰条件が電断復帰する条件である。一方、演出動作の実行中に異常が発生して不能化制御を行った後にのみ成立可能な第2復帰条件が異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときにリカバリ動作が成功する条件である。
このようにすることで、演出動作の実行中において中央可動役物101に異常が発生したと判定されて不能化制御を行った後においては電断復帰することなく不能化制御から復帰させることができ、電断復帰しなければ復帰制御が行われない遊技機よりも利便性が向上する。
【0096】
なお、本実施形態では、第1復帰条件を電断復帰する条件としたが、これに限定されず、電断復帰したときにサブ制御部91のRAMの記憶が初期化されたとき所謂RAMクリアが行われる条件としてもよい。また、本実施形態では、第2復帰条件を異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときのリカバリ動作が成功する条件としたが、これに限定されず、例えば、異常発生状態に制御されてから特定期間が経過したときのリカバリ動作が成功する条件としてもよい。すなわち、リカバリ動作を実行可能な状況については失敗した演出動作とは異なる状況である限りにおいて異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示した状況に限定されず、異常発生状態に制御されてから特定期間が経過した状況であってもよい。
【0097】
例えば、スロットマシンであれば異常発生状態に制御された次のゲーム開始時や次の連続演出の実行後にリカバリ動作を実行してもよく、失敗する演出動作を実行する契機となったボーナスやARTやCZ等の有利状態が終了したときにリカバリ動作を実行してもよい。また、パチンコ遊技機であれば異常発生状態に制御された次の特図ゲーム開始時や次のリーチ演出の実行後にリカバリ動作を実行してもよく、失敗する演出動作を実行する契機となった大当り状態や小当り状態等の有利状態が終了したときにリカバリ動作を実行してもよい。
【0098】
また、異常発生状態に制御されてから特定期間が経過した状況については、異常発生状態に制御されたときの遊技者が遊技を終了している状況(所謂客待ちの状況)や、異常発生状態に制御されたときの遊技者とは異なる遊技者に交代している状況であることが好ましい。よって、例えば、スロットマシンであれば異常発生状態に制御されてから特定ゲーム(例えば、100ゲーム、1000ゲーム、1200ゲーム)後のゲーム開始時にリカバリ動作を実行してもよく、異常発生状態に制御されてから有利状態に複数回(例えば、5回、10回)制御されてからリカバリ動作を実行してもよい。また、パチンコ遊技機であれば異常発生状態に制御された特定特図ゲーム後の特図ゲーム開始時にリカバリ動作を実行してもよく、異常発生状態に制御されてから有利状態に複数回制御されてからリカバリ動作を実行してもよい。
【0099】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときにのみリカバリ動作を実行しており、当該リカバリ動作に失敗するとリカバリ動作を再度実行することがなく、第2復帰条件が成立しないことになる。
このようにすることで、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときにリカバリ動作に失敗すると中央可動役物101の故障と判断して第1復帰条件が成立するまで、すなわち、電断復帰するまで復帰制御を行わないようにすることができる。
【0100】
なお、本実施形態では、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示したときにのみリカバリ動作を実行したが、これに限定されず、例えば、異常発生状態に制御されてから所定回数目(例えば、5回目)のデモ画面が表示されたときまでリカバリ動作を実行してもよく、異常発生状態に制御されてからデモ画面が表示される度にリカバリ動作を実行してもよい。すなわち、異常発生状態に制御されてからデモ画面が表示される度にリカバリ動作を実行する場合、サブ制御部91は、演出動作の実行中に異常であると判定されたときには電断復帰するかリカバリ動作に成功するまで中央可動役物101を異常発生状態として制御し、リカバリ動作に何回失敗しても中央可動役物101を異常状態として制御しないようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにすることによって不能化制御を行っている。
このようにすることで、不能化制御を行っているときに中央可動役物101が意図しない動作を行ってしまうことを防止できる。
【0102】
なお、本実施形態では、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにすることによって不能化制御を行っているが、これに限定されず、例えば、サブ制御部91が中央可動役物101に演出動作を実行させる演出を実行するときに駆動源131、141のステッピングモータへの励磁を制御しないようにする(例えば、パルス電力を出力する決定や命令や指示等を行わない)ことで不能化制御を行ってもよい。
なお、本実施形態では、各可動役物101~103に演出動作を実行させる演出において不能化制御によって演出動作が行われないときには異常が発生していないその他の演出装置、例えば、液晶表示器51に演出画像を表示するだけで、演出動作の替わりの演出を行っていないが、その他の演出装置に演出動作の替わりの演出を実行させてもよい。例えば、液晶表示器51に特別な演出画像を表示させたり、演出動作を実行するときには用いられないスピーカや演出効果LEDを用いた演出を実行したりしてもよい。
【0103】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、中央可動役物101は、収納位置と出現位置との間を移動可能な前後可動部101aと、待機位置と稼働位置との間を移動可能な上下可動部101bとを有する。そして、サブ制御部91は、前後可動部101aの各位置への移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの各位置への移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、動作失敗カウンタの値に+1加算しており、動作失敗カウンタの値が6以上となったとき、中央可動役物101に異常が発生したと判定している。
このようにすることで、前後可動部101aの各位置への移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに更新されるカウンタの値が特定値となったときに前後可動部101aに異常が発生したと判定する遊技機や上下可動部101bの各位置への移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに更新されるカウンタの値が特定値となったときに上下可動部101bに異常が発生したと判定する遊技機よりも複数の可動部101a、101bの何れかについて異常が発生したか否かを判定するための制御負荷を低減できる。
【0104】
なお、本実施形態では、中央可動役物101が前後可動部101aと上下可動部101bとを有しているが、第1可動部及び第2可動部については前後可動部101aや上下可動部101bに限定されず、例えば、左右方向に移動可能な左右可動部や、遊技機1前面における周方向に移動可能な周可動部であってもよい。すなわち、第1動作や第2動作は前後方向や上下方向の動作に限定されず、左右方向の動作や遊技機1前面における周方向の動作であってもよい。この場合であっても、サブ制御部91が位置検出センサ等を用いて各可動部の動作が成功したか否かを判定する構成が必要である。
【0105】
なお、本実施形態では、中央可動役物101が前後可動部101aと上下可動部101bとを有しているが、その他の可動部(第3可動部)を有してもよく、例えば、左右方向に移動可能な左右可動部を新たに設けてもよく、有利状態の制御中に中央可動役物101全体を液晶表示器51の前方まで移動させる可動部を新たに設けてもよい。この場合、初期動作や演出動作や初期位置に復帰する動作やリカバリ動作に第3可動部の動作を追加する必要があり、例えば、第3可動部の動作が失敗したときにも動作失敗カウンタの値に+1を加算したり、リカバリ動作として左右可動部の動作が成功したか否かを判定したりする必要がある。
【0106】
なお、本実施形態では、上記の判定がされたとき、動作失敗カウンタの値に+1加算しているが、動作失敗カウンタの値を更新する限りにおいてこれに限定されず、例えば、+2以上を加算したり、任意の数値を用いて減算・乗算・除算等のその他の演算を行ったりしてもよい。この場合、動作失敗カウンタの値については6とは異なる特定値を用いて中央可動役物101に異常が発生したと判定してもよい。
【0107】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、サブ制御部91は、中央可動役物101に異常が発生したと判定されたとき、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにするとともに異常発生フラグをオンに設定して前後可動部101a及び上下可動部101bに動作を実行させないようにする。
このようにすることで、正常状態ではない状態、すなわち、異常発生状態や異常状態において前後可動部101a及び上下可動部101bが動作することを防止できる。
【0108】
なお、本実施形態のように、不能化制御として前後可動部101a及び上下可動部101bに動作を実行させないようにすることが好ましいが、不能化制御として前後可動部101a又は上下可動部101bの何れか一方に動作を実行させないようにしてもよい。
なお、本実施形態のように、異常発生状態や異常状態において前後可動部101a及び上下可動部101bが動作することを防止するために中央可動役物101に異常が発生したと判定されたとき上述したような不能化制御を行うことが好ましいが、中央可動役物101に異常が発生したと判定されても不能化制御を行わなくてもよい。
【0109】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、不能化制御からの復帰制御を行う復帰条件が前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の往復移動と上下可動部101bの機位置と稼働位置との間の往復移動とを含むリカバリ動作に成功する条件である。
このようにすることで、複数の可動部101a、101bが全て正常に動作することによって不能化制御から復帰させることができる。
【0110】
なお、本実施形態では、復帰条件をリカバリ動作に成功する条件としたが、これに限定されず、例えば、リカバリ動作に複数回(例えば、3回)成功する条件としてもよい。
なお、本実施形態のように、前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の往復移動と上下可動部101bの機位置と稼働位置との間の往復移動とを含むリカバリ動作に成功したときに復帰制御を行うようにすることが好ましいが、リカバリ動作を行わないようにして電断復帰するまで復帰制御も行わないようにしてもよい。
【0111】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、中央可動役物101が実行する演出動作には、前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の往復移動と上下可動部101bの機位置と稼働位置との間の往復移動とが含まれる。
このようにすることで、演出動作として前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の往復移動のみを行う遊技機や演出動作として上下可動部101bの待機位置と稼働位置との間の往復移動のみを行う遊技機よりも演出動作に対して遊技者が興味を抱くようになり、遊技の興趣が向上する。
【0112】
なお、本実施形態では、中央可動役物101が実行する演出動作として、前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作を実行したが、演出動作としてはこれに限定されず、例えば、上下可動部101bの待機位置と稼働位置との間の往復移動を繰り返してもよく、例えば、前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の往復移動を繰り返した後、前後可動部101aを出現位置に移動させてから上下可動部101bの待機位置と稼働位置との間の往復移動を行い、前後可動部101aを収納位置に移動させてもよい。また、例えば、前後可動部101aを出現位置よりも前方又は後方の第2出現位置に移動させる動作を行ってもよい。この場合、第2出現位置への移動を検出可能な位置検出センサを新たに設けたり、初期動作やリカバリ動作にも第2出現位置に移動する動作を追加したりする必要がある。また、例えば、上下可動部101bも前後可動部101aと同様に稼働位置よりも上方又は下方の第2稼働位置に移動させる動作を行ってもよい。この場合、第2稼働位置への移動を検出可能な位置検出センサを新たに設けたり、初期動作やリカバリ動作にも第2稼働位置に移動する動作を追加したりする必要がある。さらに、演出動作としては1つの動作パターンに限定されず、例えば、上述した複数の動作を動作パターンとして選択可能であってもよい。
【0113】
なお、本実施形態のように、演出動作に対して遊技者が興味を抱くようにするために中央可動役物101が実行する演出動作として各可動部101a、101bの移動が両方含まれることが好ましいが、前後可動部101aと上下可動部101bとのうちの一方の移動のみの動作であってもよく、例えば、前後可動部101aの往復移動のみの動作であってもよい。
【0114】
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、上下可動部101bは、前後可動部101aが収納位置で停止しているときには被係合部121、122が筐体1bの係合部111、112と係合しており、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ待機位置から稼働位置への移動ができないようになっている。
このようにすることで、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動をすることが規制されるので、上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動をしていないときの上下可動部101bの意図しない動作を防止できる。
【0115】
なお、本実施形態では、前後可動部101aが収納位置で停止しているときに被係合部121、122が筐体1bの係合部111、112と係合することで前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動ができないようにしたが、これに限定されず、例えば、位置検出センサの検出信号に基づいて前後可動部101aが出現位置で停止していることを条件としてサブ制御部91が上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させる決定や命令や指示等を行うことで、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動ができないようにしてもよい。
【0116】
なお、本実施形態では、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動ができないようにしたが、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動をしなければ前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動ができないようにしてもよい。例えば、位置検出センサの検出信号に基づいて上下可動部101bが待機位置で停止していることを条件としてサブ制御部91が前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる決定や命令や指示等を行うことで、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動をしなければ前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動ができないようにしてもよい。
【0117】
なお、本実施形態のように、上下可動部101bの意図しない動作を防止するために前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ待機位置から稼働位置への移動ができないようにすることが好ましいが、例えば、筐体1bに係合部111、112を設けないようにすることで前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなくても待機位置から稼働位置への移動ができるようにしてもよい。
【0118】
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、中央可動役物101が演出動作を失敗して終了したとき、各可動部101a、101bが動作を停止した状態で演出動作を終了しているが、これに限定されず、例えば、中央可動役物101が初期動作を失敗して終了したときと同様に、中央可動役物101が演出動作を失敗する度に中央可動役物101を初期位置に移動させてもよい。また、例えば、単位遊技(例えば、スロットマシンであれば1ゲーム、パチンコ遊技機であれば1特図ゲーム)毎に中央可動役物101の各可動部101a、101bの位置を制御してもよく、次のゲームが有利状態の制御中でなければ中央可動役物101を初期位置に移動させてもよい。このようにすることで、単位遊技毎に中央可動役物101を好適な状態にすることができる。
【0119】
以下、図19に示すタイミングチャートを用いて中央可動役物101の演出動作の変更例について説明する。図19に示すタイミングチャートは、上から順に、中央可動役物101の演出動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置、前後可動部101aの駆動源131への励磁のオン・オフ、上下可動部101bの駆動源141への励磁のオン・オフ、異常発生フラグのオン・オフ、動作失敗カウンタの値(0~6)を示す。
【0120】
図19に示すように、t1において、中央可動役物101に演出動作の実行を開始させ、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させた後、例えば、t11において、前後可動部101aが中間位置で停止し、t1から所定期間が経過するt4までに前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことがある。このとき、サブ制御部91は、t4において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を0から1に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0121】
また、t4よりも後でありt31よりも前のt70において、サブ制御部91は、演出動作に失敗した単位遊技以降の単位遊技の開始時において有利状態に制御していなければ、前後可動部101aに中間位置から収納位置への移動を開始させており、t70よりも後のt71において、前後可動部101aが中間位置から収納位置への移動を終了している。この場合、t70から所定期間が経過するt72までに前後可動部101aの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。
【0122】
また、t72よりも後のt31において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させ、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させる。このとき、例えば、中央可動役物101の前方に障害物が設けられたまま放置されていたり、中央可動役物101が前方から後方向に再度手で押さえつけられたりしたときには、例えば、t31よりも後のt73において、前後可動部101aが中間位置で停止し、t31から所定期間が経過するt32まで前後可動部101aが中間位置で停止し、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しないことになる。このとき、サブ制御部91は、t32において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を1から2に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0123】
また、t32よりも後でありt33よりも前のt74において、サブ制御部91は、演出動作に失敗した単位遊技以降の単位遊技の開始時において有利状態に制御していなければ、前後可動部101aに中間位置から収納位置への移動を開始させており、t74よりも後のt75において、前後可動部101aが中間位置から収納位置への移動を終了している。この場合、t74から所定期間が経過するt76までに前後可動部101aの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。
【0124】
また、t76よりも後のt33において、サブ制御部91は、中央可動役物101に演出動作の実行を再度開始させる。このとき、図19に示すように、例えば、t33よりも後のt77において、前後可動部101aが中間位置で停止し、t33から所定期間が経過するt34まで前後可動部101aが中間位置で停止し、前後可動部101aの出現位置への動作が終了しない場合、サブ制御部91は、t34において、動作に失敗したと判定し、動作失敗カウンタの値を2から3に+1加算し、中央可動役物101における演出動作の実行を終了する。
【0125】
また、t34よりも後でありt35よりも前のt78において、サブ制御部91は、演出動作に失敗した単位遊技以降の単位遊技の開始時において有利状態に制御していなければ、前後可動部101aに中間位置から収納位置への移動を開始させており、t78よりも後のt79において、前後可動部101aが中間位置から収納位置への移動を終了している。この場合、t78から所定期間が経過するt80までに前後可動部101aの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。そして、図示は省略するが、以降、サブ制御部91は、t40において、動作失敗カウンタの値が6になったことで異常が発生したと判定するまで、前後可動部101aの中間位置と収納位置との間の移動を単位遊技毎に行うか否かを判定しながら繰り返すことになる。
【0126】
なお、図示は省略するが、サブ制御部91は、前後可動部101aが出現位置まで移動可能である一方、上下可動部101bが何らかの原因によって中間位置で停止して演出動作を失敗する場合には、動作失敗カウンタの値が6になったことで異常が発生したと判定するまで、前後可動部101aの収納位置と出現位置との間の移動と上下可動部101bの中間位置と待機位置との間の移動とを単位遊技毎に行うか否かを判定しながら繰り返すことになる。この結果、単位遊技毎に中央可動役物101の位置を好適に制御できる。
【0127】
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、初期化処理において各可動役物101~103に初期動作をそれぞれ実行させ、遊技中に演出を実行するとき各可動役物101~103に演出動作をそれぞれ実行させているが、各可動役物101~103に動作を実行させる制御はこれに限定されず、例えば、遊技機1の製造時において出荷前の最終検査時において各可動役物101~103に検査動作を実行させる制御を行ってもよい。この場合、サブ制御部91は、検査動作の実行中においては初期動作や演出動作の異常条件(例えば、上述した中央可動役物101の第1異常条件や第2異常条件)とは異なる第3異常条件が成立したと判定したとき、各可動役物101~103に異常が発生したと判定してもよい。このようにすることで、第3異常条件を調整することで検査期間を調整できる。
【0128】
例えば、サブ制御部91は、中央可動役物101の検査動作の実行中においては、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間よりも短い検査期間(例えば、2.5秒間)を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定されたとき、第3異常条件が成立したと判定し、中央可動役物101の動作に異常が発生したと判定してもよい。
【0129】
以下、図20(A)に示すタイミングチャートを用いて中央可動役物101の出荷前の検査動作について説明する。図20(A)に示すタイミングチャートは、上から順に、中央可動役物101の出荷前の検査動作の実行の有無(実行・非実行)、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの間の位置、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの間の位置を示す。
【0130】
図20(A)に示すように、t81以前は、サブ制御部91は、中央可動役物101に検査動作を実行させていない。t81において、中央可動役物101に検査動作の実行を開始させると、サブ制御部91は、前後可動部101aに収納位置から出現位置への移動を開始させており、t81よりも後のt82において、前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動を終了している。また、t82において、サブ制御部91は、上下可動部101bに待機位置から稼働位置への移動を開始させており、t82よりも後のt84において、上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動を終了している。この場合、t81から検査期間が経過するt83までに前後可動部101aの動作が終了し、t82から検査期間が経過するt85までに上下可動部101bの動作が終了している。このため、サブ制御部91は、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。なお、図示は省略するが、t83までに前後可動部101aの動作が終了しないとき、または、t85までに上下可動部101bの動作が終了しないとき、サブ制御部91は、動作が失敗したと判定し、異常が発生したと判定することになる。
【0131】
また、t84において、サブ制御部91は、上下可動部101bに稼働位置から待機位置への移動を開始させており、t84よりも後のt86において、上下可動部101bが稼働位置から待機位置への移動を終了している。また、t86において、サブ制御部91は、前後可動部101aに出現位置から収納位置への移動を開始させており、t86よりも後のt88において、前後可動部101aが出現位置から収納位置への移動を終了しており、中央可動役物101における検査動作の実行を終了している。この場合、t84から検査期間が経過するt87までに上下可動部101bの動作が終了し、t86から検査期間が経過するt89までに前後可動部101aの動作が終了している。このとき、サブ制御部91は、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。なお、図示は省略するが、t87までに上下可動部101bの動作が終了しないとき、または、t89までに前後可動部101aの動作が終了しないとき、サブ制御部91は、動作が失敗したと判定し、異常が発生したと判定することになる。
【0132】
また、例えば、サブ制御部91は、左側可動役物102の検査動作の実行中においては、左側可動役物102の収納位置と出現位置との間の往復移動が所定期間よりも短い検査期間(例えば、1秒間)を経過しても終了しないと判定されたとき、第3異常条件が成立したと判定し、左側可動役物102の動作に異常が発生したと判定してもよい。また、例えば、サブ制御部91は、右側可動役物103の検査動作の実行中においても左側可動役物102と同様に、右側可動役物103の収納位置と出現位置との間の往復移動が検査期間を経過しても終了しないと判定されたとき、第3異常条件が成立したと判定し、右側可動役物103の動作に異常が発生したと判定してもよい。
【0133】
以下、図20(B)に示すタイミングチャートを用いて左側可動役物102の出荷前の検査動作について説明する。図20(B)を参照して左側可動役物102の出荷前の検査動作について説明する。図20(B)に示すタイミングチャートは、上から順に、左側可動役物102の出荷前の検査動作の実行の有無(実行・非実行)、左側可動役物102の収納位置から出現位置までの間の位置を示す。
【0134】
図20(B)に示すように、t91以前は、サブ制御部91は、左側可動役物102に検査動作を実行させていない。t91において、左側可動役物102に検査動作の実行を開始させると、サブ制御部91は、左側可動役物102に収納位置から出現位置への移動を開始させており、t91よりも後のt92において、左側可動役物102が収納位置から出現位置への移動を終了している。このとき、サブ制御部91は、左側可動役物102に出現位置から収納位置への移動を開始させており、t92よりも後のt93において、左側可動役物102が出現位置から収納位置への移動を終了しており、左側可動役物102における検査動作の実行を終了している。この場合、t91から所定期間が経過するt94までに左側可動役物102の動作が終了している。このとき、サブ制御部91は、左側可動役物102の動作が正常に終了した、すなわち、動作が成功したと判定し、異常が発生したと判定しないことになる。なお、図示は省略するが、t94までに左側可動役物102の動作が終了しないとき、サブ制御部91は、動作が失敗したと判定し、異常が発生したと判定することになる。
【0135】
なお、右側可動役物103の出荷前の検査動作については、「左側」を「右側」、「102」を「103」とすれば図20(B)の上記説明と同様であるため、冗長な説明を低減するため、詳細な説明を省略する。
これらの結果、各可動役物101~103の出荷前の検査期間を短縮できる。
【0136】
なお、本実施形態では、サブ制御部91が各可動役物101~103動作を実行させるか否かを決定したり、各可動役物101~103に動作を実行させるための制御(例えば、駆動源131、141、151への励磁の制御等)を行ったりしているが、これに限定されず、例えば、第1サブ制御部と第2サブ制御部とを設けてサブ制御部91の機能を分担し、第1サブ制御部が各可動役物101~103に動作を実行させるか否かを決定する一方、第2サブ制御部が各可動役物101~103に動作を実行させるための制御を行ってもよい。この場合、例えば、第2サブ制御部が位置検出センサの検出信号に基づいて単独で各可動役物101~103に異常が発生したか否かを判定したり、異常が発生したときの不能化制御や復帰制御を行ったりしてもよい。また、例えば、第2サブ制御部が各可動役物101~103に異常が発生したと判定したときに第1サブ制御部にその旨を通知し、当該通知を受信した第1制御部が各可動役物101~103に動作を実行させる旨の決定をしないようにすることで不能化制御を行ってもよい。
【0137】
なお、本発明に係る遊技機は、スロットマシンやパチンコ遊技機に限定されず、遊技者が触れることが可能な位置に初期動作や演出動作を実行可能な可動部が設けられて当該可動部に異常が発生したか否かを判定する任意の遊技機が含まれる。よって、例えば、初期動作や演出動作として液晶表示器や操作部が可動するゲームセンターに設置されたクレーンゲームやメダルゲーム等のゲーム機等も本発明に係る遊技機に含まれる可能性がある。
【0138】
(1-1)上述したように、本願においては、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
遊技者が触れることが可能な位置に設けられた可動部(例えば、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103)と、
初期化条件(例えば、初期化処理を実行する条件)が成立したときに前記可動部に初期動作(例えば、初期動作、前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で往復移動させてから前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う一方、演出条件(例えば、遊技中に演出を実行する条件)が成立したときに前記可動部に演出動作(例えば、演出動作、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う動作制御手段(例えば、サブ制御部91が各可動役物101~103に初期動作及び演出動作を実行させる処理)と、
前記可動部に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa16、Sc1~Sc3の処理)とを備え、
前記異常判定手段は、前記初期動作の実行中において第1異常条件(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件)が成立したと判定したとき、または、前記演出動作の実行中において前記第1異常条件とは異なる第2異常条件(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに+1加算される動作失敗カウンタの値が6以上となる条件)が成立したと判定したとき、前記可動部に異常が発生したと判定し、
前記第2異常条件は、前記第1異常条件よりも成立したと判定するまでの時間を要する条件である(例えば、初期動作の実行中においては中央可動役物101が1回でも動作を失敗したと判定されれば成立するのに対して演出動作の実行中においては中央可動役物101が累計6回以上動作を失敗したと判定されるまで成立しない)、遊技機について開示されている。
【0139】
このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況よりも時間をかけて可動部に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0140】
(1-2)また、本願においては、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
遊技者が触れることが可能な位置に設けられた可動部(例えば、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103)と、
初期化条件(例えば、初期化処理を実行する条件)が成立したときに前記可動部に初期動作(例えば、初期動作、前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で往復移動させてから前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う一方、演出条件(例えば、遊技中に演出を実行する条件)が成立したときに前記可動部に演出動作(例えば、演出動作、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う動作制御手段(例えば、サブ制御部91が各可動役物101~103に初期動作及び演出動作を実行させる処理)と、
前記可動部に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa16、Sc1~Sc3の処理)とを備え、
前記異常判定手段は、前記初期動作の実行中において第1異常条件(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定される条件)が成立したと判定したとき、または、前記演出動作の実行中において前記第1異常条件とは異なる第2異常条件(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに+1加算される動作失敗カウンタの値が6以上となる条件)が成立したと判定したとき、前記可動部に異常が発生したと判定し、
前記第2異常条件は、前記第1異常条件よりも成立したと判定するまでの判定回数が多い条件である(例えば、初期動作の実行中においては中央可動役物101が1回でも動作を失敗したと判定されれば成立するのに対して演出動作の実行中においては中央可動役物101が累計6回以上動作を失敗したと判定されるまで成立しない)、遊技機についても開示されている。
【0141】
このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況よりも判定回数を多くして可動部に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0142】
(1-3)また、本願においては、
前記第1異常条件は、前記可動部に前記初期動作を実行させてから規定期間(例えば、所定期間、4秒間)が経過しても所定態様(例えば、前後可動部101aが収納位置までの移動を終了する態様、前後可動部101aが出現位置までの移動を終了する態様、上下可動部101bが待機位置までの移動を終了する態様、上下可動部101bが稼働位置までの移動を終了する態様)にならなかったと判定された回数が第1回数(例えば、1回)になることによって成立する条件であり、
前記第2異常条件は、前記可動部に前記演出動作を実行させてから前記規定期間が経過しても前記所定態様にならなかったと判定された回数が前記第1回数よりも多い第2回数(例えば、6回)になることによって成立する条件である、遊技機についても開示されている。
【0143】
このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況よりも規定期間が経過しても所定態様にならなかった旨の判定回数を多くして可動部に異常が発生したか否かを判定することができ、実際の状況に応じた判定を行うことができる。
【0144】
(1-4)また、本願においては、
前記動作制御手段は、前記第1異常条件が成立したと判定されたとき、前記可動部に初期位置(例えば、中央可動役物101の初期位置、前後可動部101aの収納位置、上下可動部101bの待機位置)への復帰動作を実行させる制御を行う一方、前記第2異常条件が成立したと判定されたとき、前記可動部に前記復帰動作を実行させずに現在の位置に停止させる制御を行う(例えば、サブ制御部91がステップSa10、Sa11の処理を実行する)、遊技機についても開示されている。
【0145】
このような構成によれば、初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況においては可動部に異常が発生したと判定されると可動部を初期位置に復帰させて可動部が初期位置に配置されていないことによって遊技に支障が発生することを防止できる。また、このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては可動部に異常が発生したと判定されると可動部を現在の位置に停止させて可動部に過度な負荷が掛かることを防止できる。
【0146】
(1-5)また、本願においては、
前記動作制御手段は、前記可動部に前記初期動作または前記演出動作を実行させるとき、前記可動部を第1速度(例えば、速度α)で移動させるように制御する一方、前記可動部に前記復帰動作を実行させるとき、前記可動部を第1速度よりも遅い第2速度(例えば、速度αよりも遅い速度β)で移動させるように制御する(例えば、サブ制御部91がステップSa10、Sa11の処理を実行する)、遊技機についても開示されている。
【0147】
このような構成によれば、可動部に異常が発生したと判定されているときに可動部に初期動作中や演出動作中よりも強い負荷をかけて好適に初期位置に復帰させることができる。
【0148】
(1-6)また、本願においては、
前記動作制御手段は、検査条件(例えば、出荷前の最終検査を行う条件)が成立したときに前記可動部に検査動作(例えば、出荷前の検査動作)を実行させる制御を行い(例えば、サブ制御部91が各可動役物101~103に検査動作を実行させる処理を実行し)、
前記異常判定手段は、前記検査動作の実行中において前記第1異常条件とは異なり且つ前記第2異常条件とは異なる第3異常条件(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件、左側可動役物102の出現位置と収納位置との間の往復移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件、右側可動役物103の出現位置と収納位置との間の往復移動が検査期間を経過しても終了しないと判定される条件)が成立したと判定したとき、前記可動部に異常が発生したと判定する、遊技機についても開示されている。
【0149】
このような構成によれば、第3異常条件を調整することで検査期間を調整でき、例えば、第3異常条件を第1異常条件や第2異常条件よりも成立したと判定するまでの時間を要する条件としたり、第1異常条件や第2異常条件よりも成立したと判定するまでの判定回数が少ない条件としたりすることで、検査期間を短縮できる。
【0150】
(2-1)また、本願においては、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
遊技者が触れることが可能な位置に設けられた可動部(例えば、中央可動役物101、左側可動役物102、右側可動役物103)と、
初期化条件(例えば、初期化処理を実行する条件)が成立したときに前記可動部に初期動作(例えば、初期動作、前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置と稼働位置との間で往復移動させてから前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う一方、演出条件(例えば、遊技中に演出を実行する条件)が成立したときに前記可動部に演出動作(例えば、演出動作、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作、左側可動役物102及び右側可動役物103を収納位置から出現位置に移動させた後に出現位置から収納位置に戻る往復移動を同時にさせる動作)を実行させる制御を行う動作制御手段(例えば、サブ制御部91が各可動役物101~103に初期動作及び演出動作を実行させる処理)と、
前記可動部に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa16、Sc1~Sc3の処理)と、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき)、または、前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されたとき(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、または、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたときに+1加算される動作失敗カウンタの値が6以上となったとき)、前記演出条件が成立しても前記可動部に前記演出動作を実行させない不能化制御(例えば、不能化制御、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにするとともに異常発生フラグをオンに設定する制御、左側可動役物102及び右側可動役物103の各駆動源151のステッピングモータへの励磁をオフにする制御)を行う不能化制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa14~Sa16、Sc3の処理)と、
前記不能化制御からの復帰制御(例えば、復帰制御、電断復帰時に前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオンにするとともに異常発生フラグをオフに設定する制御、電断復帰時に左側可動役物102及び右側可動役物103の各駆動源151のステッピングモータへの励磁をオンにする制御)を行うことが可能な復帰制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSb1~Sb10の処理、サブ制御部91が実行する電断復帰後に復帰制御を行う処理)とを備え、
前記復帰制御手段は、
前記初期動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、第1復帰条件(例えば、電断復帰する条件)が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能であり、
前記演出動作の実行中において前記可動部に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において、前記第1復帰条件が成立したとき、または、前記第1復帰条件とは異なる第2復帰条件(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb10の処理を全て実行する条件)が成立したとき、前記復帰制御を行うことが可能である、遊技機について開示されている。
【0151】
このような構成によれば、演出動作の実行中のように遊技者が遊技中に可動部に触っている可能性がある状況においては初期動作の実行中のように遊技が行われておらず遊技者が可動部に触っている可能性がない状況とは異なる復帰条件も加えることができ、実際の状況に応じた不能化制御からの復帰を行うことができる。
【0152】
(2-2)また、本願においては、
前記第1復帰条件は、前記遊技機への電力供給が停止されることによって成立する条件(例えば、電断復帰する条件)であり、
前記第2復帰条件は、前記演出動作の再試行(例えば、リカバリ動作)が可能な状況(例えば、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示する状況)において該再試行が成功することによって成立する条件(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb10の処理を全て実行する条件)である、遊技機についても開示されている。
【0153】
このような構成によれば、演出動作の実行中において可動部に異常が発生したと判定されて不能化制御を行った後においては遊技機への電力供給を停止することなく不能化制御から復帰させることが可能となり、遊技機への電力供給を停止しなければ復帰制御が行われない遊技機よりも利便性が向上する。
【0154】
(2-3)また、本願においては、
前記演出動作の再試行が可能な状況において該再試行が失敗したとき、前記第2復帰条件が成立しないようにする(例えば、サブ制御部91がステップSb1の処理を実行する)、遊技機についても開示されている。
【0155】
このような構成によれば、演出動作の再試行が失敗したときには可動部の故障と判断して第1復帰条件が成立するまで復帰制御を行わないようにすることができる。
【0156】
(2-4)また、本願においては、
前記不能化制御手段は、前記可動部の駆動源への電力供給を停止することによって前記不能化制御を行う(例えば、サブ制御部91がステップSa14、Sa15、Sc3の処理を実行する)、遊技機についても開示されている。
【0157】
このような構成によれば、前記不能化制御を行っているときに前記可動部が意図しない動作を行ってしまうことを防止できる。
【0158】
(2-5)また、本願においては、
一単位の遊技である単位遊技(例えば、単位遊技、スロットマシンであれば1ゲーム、パチンコ遊技機であれば1特図ゲーム)毎に該単位遊技に応じた前記可動部の状態を指定する状態指定手段(例えば、サブ制御部91が実行する単位遊技毎に前後可動部101a及び上下可動部101bの位置を制御する処理)を備える、遊技機についても開示されている。
【0159】
このような構成によれば、単位遊技毎に可動部を好適な状態にすることができる。
【0160】
(3-1)また、本願においては、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
第1動作(例えば、第1動作、収納位置と出現位置との間を移動する動作)が可能な第1可動部(例えば、前後可動部101a)と、第2動作(例えば、第2動作、待機位置と稼働位置との間を移動する動作)が可能な第2可動部(例えば、上下可動部101b)とを有する可動部材(例えば、中央可動役物101)と、
前記可動部材に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSa1~Sa16の処理)とを備え、
前記異常判定手段は、前記第1動作の実行中において異常条件が成立したと判定した場合(例えば、前後可動部101aの収納位置から出現位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、前後可動部101aの出現位置から収納位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき)、または、前記第2動作の実行中において異常条件が成立したと判定した場合(例えば、上下可動部101bの待機位置から稼働位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき、上下可動部101bの稼働位置から待機位置までの移動が所定期間を経過しても終了しないと判定されたとき)に更新されるカウンタ(例えば、動作失敗カウンタ)の値が特定値(例えば、6)となったとき、前記可動部材に異常が発生したと判定する(例えば、サブ制御部91がステップSa1~Sa9、Sa12~Sa16の処理を実行する)、遊技機について開示されている。
【0161】
このような構成によれば、第1動作の実行中において異常条件が成立したと判定した場合に更新されるカウンタの値が特定値となったときに第1可動部に異常が発生したと判定する遊技機や第2動作の実行中において異常条件が成立したと判定した場合に更新されるカウンタの値が特定値となったときに第2可動部に異常が発生したと判定する遊技機よりも複数の可動部について異常が発生したか否かを判定するための制御負荷を低減できる。
【0162】
(3-2)また、本願においては、
前記可動部材に異常が発生したと判定されたとき、前記第1可動部および前記第2可動部に動作を実行させない不能化制御(例えば、不能化制御、前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオフにするとともに異常発生フラグをオンに設定する制御)を行う不能化制御手段を備える、遊技機についても開示されている。
【0163】
このような構成によれば、正常ではない状態で第1可動部および第2可動部が動作することを防止できる。
【0164】
(3-3)また、本願においては、
前記可動部材に異常が発生したと判定されて前記不能化制御を行った後において復帰条件(例えば、電断復帰する条件、リカバリ動作が成功する条件)が成立したとき、前記不能化制御からの復帰制御(例えば、復帰制御、電断復帰時に前後可動部101aの及び上下可動部101bの各駆動源131、141のステッピングモータへの励磁をオンにするとともに異常発生フラグをオフに設定する制御、電断復帰時に左側可動役物102及び右側可動役物103の各駆動源151のステッピングモータへの励磁をオンにする制御)を行うことが可能な復帰制御手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップSb1~Sb10の処理、サブ制御部91が実行する電断復帰後に復帰制御を行う処理)とを備え、
前記復帰条件は、前記第1動作および前記第2動作の再試行(例えば、リカバリ動作)が可能な状況(例えば、異常発生状態に制御されてから最初のデモ画面を表示する状況)において前記第1動作および前記第2動作の再試行がともに成功することによって成立する条件(例えば、サブ制御部91がステップSb1~Sb10の処理を全て実行する条件)である、遊技機についても開示されている。
【0165】
このような構成によれば、複数の可動部が全て正常に動作することによって不能化制御から復帰させることができる。
【0166】
(3-4)また、本願においては、
演出条件(例えば、遊技中に演出を実行する条件)が成立したときに前記可動部材に演出動作(例えば、演出動作、有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作)を実行させる制御を行う動作制御手段(例えば、サブ制御部91が中央可動役物101に演出動作を実行させる処理)を備え、
前記演出動作には、前記第1動作と前記第2動作とが含まれる(例えば、演出動作が有利状態の制御を開始するときに前後可動部101aを収納位置から出現位置に移動させた後に上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させて有利状態の制御を終了するときに上下可動部101bを待機位置から稼働位置に移動させた後に前後可動部101aを出現位置から収納位置に移動させる動作である)、遊技機についても開示されている。
【0167】
このような構成によれば、演出動作として第1動作のみを実行する遊技機や演出動作として第2動作のみを実行する遊技機よりも演出動作に対して遊技者が興味を抱くようになり、遊技の興趣が向上する。
【0168】
(3-5)また、本願においては、
前記第2可動部は、前記第1可動部が前記第1動作をしたことを条件として前記第2動作が可能となる(例えば、前後可動部101aが収納位置で停止しているときには被係合部121、122が筐体1bの係合部111、112と係合しており前後可動部101aが収納位置から出現位置への移動をしなければ上下可動部101bが待機位置から稼働位置への移動ができないようになっている)、遊技機についても開示されている。
【0169】
このような構成によれば、第1可動部が第1動作をしなければ第2可動部が第2動作をすることが規制されるので、第1可動部が第1動作をしていないときの第2可動部の意図しない動作を防止できる。
【符号の説明】
【0170】
1 遊技機、7 操作部、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部、101 中央可動役物、102 左側可動役物、103 右側可動役物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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