(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】コンタクトプローブおよび信号伝送方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20220905BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220905BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
G01R1/067 C
H01L21/66 B
H01R13/24
(21)【出願番号】P 2019046364
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相馬 一也
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102073(JP,A)
【文献】特開2003-172748(JP,A)
【文献】特開2011-169595(JP,A)
【文献】国際公開第2019/022204(WO,A1)
【文献】特開2012-68134(JP,A)
【文献】国際公開第2018/181776(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26-31/27
H01L 21/66
H01R 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の両端で電極とそれぞれ接触して信号を伝送するコンタクトプローブであって、
前記長手方向の一端側で第1の電極に接触する第1プランジャと、
前記長手方向の他端側で前記第1の電極とは異なる第2の電極に接触する第2プランジャと、
一端で前記第1プランジャと接続するとともに、他端で前記第2プランジャと接続する第1コイルばねと、
一端が前記第1プランジャに接続される第2コイルばねと、
を備え、
前記第1プランジャは、
前記第1の電極に接触する第1の接触部と、
前記第1の接触部に連なり、前記第1コイルばねが接続される第1ボス部と、
前記第1ボス部を介して前記第1の接触部と反対側に延び、前記第2コイルばねが接続され、前記第1ボス部の径より小さい径を有する第2ボス部と、
前記第2ボス部を介して前記第1ボス部と反対側に延び、前記第2ボス部の径より小さい径を有する基端部と、
を有し、
前記第2プランジャは、
前記第2の電極に接触する第2の接触部と、
前記第1プランジャ側に延び、外周が前記第1コイルばねと接触するとともに、内周が前記第2コイルばねと接触する円筒部と、
を有し、
前記第2コイルばねと前記基端部との間には、隙間が形成される
ことを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
前記第1コイルばねは、
前記第1ボス部に接続する密着巻き部と、
一端が前記密着巻き部に連なり、他端が前記第2プランジャに接続し、所定のピッチで巻回される粗巻き部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンタクトプローブを経由して前記第2の電極から前記第1の電極に信号を伝送する信号伝送方法であって、
前記第2の電極から前記第2プランジャに入力された前記信号が、前記第2プランジャ、前記第1コイルばね、前記第1プランジャを経て前記第1の電極に到達する第1経路、および、前記第2プランジャ、前記第2コイルばね、前記第1プランジャを経て前記第1の電極に到達する第2経路のうちの少なくとも一方を経由して前記第1の電極に伝送される
ことを特徴とする信号伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトプローブおよび信号伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路(パッケージ)や液晶パネルなどの検査対象の導通状態検査や動作特性検査を行う際には、検査対象と検査用信号を出力する信号処理装置との間の電気的な接続を図るために、接続端子であるコンタクトプローブを複数収容するプローブユニットが用いられる。プローブユニットとして、半導体集積回路の電極および検査用信号を出力する回路基板の電極と両端部でそれぞれ接触することによって半導体集積回路と回路基板との間を電気的に接続するコンタクトプローブを有するプローブユニットが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1が開示するコンタクトプローブは、半導体集積回路の電極と接触する第1プランジャと、検査用信号を出力する回路基板の電極と接触する第2プランジャと、第1および第2プランジャを伸縮自在に接続するコイルばねと、を有する。特許文献1が開示するコンタクトプローブでは、第1プランジャの第1基端部が、第2プランジャが有する略筒状の第2基端部に収容されて、第1基端部と第2基端部とが摺動することにより電気的な導通を確保している。第1および第2基端部は、各々第1および第2プランジャの長手方向に沿って延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示するコンタクトプローブは、剛体である第1および第2基端部が単に摺動接触しているため、摩耗によって摺動抵抗が大きくなり、検査精度が低下したり、耐久性が低下したりするおそれがあった。また、熱によって第1および第2基端部が変形すると、第1および第2基端部の間のクリアランスが変化する。クリアランスが変化すると、接触抵抗が変化し、検査精度が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性を有し、かつ熱による変形によらず安定した接触抵抗を維持することができるコンタクトプローブおよび信号伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンタクトプローブは、長手方向の両端で電極とそれぞれ接触して信号を伝送するコンタクトプローブであって、前記長手方向の一端側で第1の電極に接触する第1プランジャと、前記長手方向の他端側で前記第1の電極とは異なる第2の電極に接触する第2プランジャと、一端で前記第1プランジャと接続するとともに、他端で前記第2プランジャと接続する第1コイルばねと、一端が前記第1プランジャに接続される第2コイルばねと、を備え、前記第1プランジャは、前記第1の電極に接触する第1の接触部と、前記第1の接触部に連なり、前記第1コイルばねが接続される第1ボス部と、前記第1ボス部を介して前記第1の接触部と反対側に延び、前記第2コイルばねが接続され、前記第1ボス部の径より小さい径を有する第2ボス部と、前記第2ボス部を介して前記第1ボス部と反対側に延び、前記第2ボス部の径より小さい径を有する基端部と、を有し、前記第2プランジャは、前記第2の電極に接触する第2の接触部と、前記第1プランジャ側に延び、外周が前記第1コイルばねと接触するとともに、内周が前記第2コイルばねと接触する円筒部と、を有し、前記第2コイルばねと前記基端部との間には、隙間が形成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るコンタクトプローブは、上記の発明において、前記第1コイルばねは、前記第1ボス部に接続する密着巻き部と、一端が前記密着巻き部に連なり、他端が前記第2プランジャに接続し、所定のピッチで巻回される粗巻き部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る信号伝送方法は、上記の発明にかかるコンタクトプローブを経由して前記第2の電極から前記第1の電極に信号を伝送する信号伝送方法であって、前記第2の電極から前記第2プランジャに入力された前記信号が、前記第2プランジャ、前記第1コイルばね、前記第1プランジャを経て前記第1の電極に到達する第1経路、および、前記第2プランジャ、前記第2コイルばね、前記第1プランジャを経て前記第1の電極に到達する第2経路のうちの少なくとも一方を経由して前記第1の電極に伝送されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐久性を有し、かつ熱による変形によらず安定した接触抵抗を維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【
図3】
図3は、半導体集積回路の検査時におけるプローブユニットの要部の構成を示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、半導体集積回路の検査時にコンタクトプローブを導通する信号の導通経路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態にかかるプローブユニットの構成を示す斜視図である。
図1に示すプローブユニット1は、検査対象物である半導体集積回路100の電気特性検査を行う際に使用する装置であって、半導体集積回路100と半導体集積回路100へ検査用信号を出力する回路基板200との間を電気的に接続する装置である。
【0014】
プローブユニット1は、長手方向の両端で互いに異なる二つの被接触体である半導体集積回路100および回路基板200に接触する導電性のコンタクトプローブ2(以下、単に「プローブ2」という)と、複数のプローブ2を所定のパターンにしたがって収容して保持するプローブホルダ3と、プローブホルダ3の周囲に設けられ、検査の際に複数のプローブ2と接触する半導体集積回路100の位置ずれが生じるのを抑制するホルダ部材4と、を有する。
【0015】
図2は、プローブホルダ3に収容されるプローブ2の詳細な構成を示す部分断面図である。
図2に示すプローブ2は、導電性材料を用いて形成され、半導体集積回路100の検査を行なうときにその半導体集積回路100の電極に接触する第1プランジャ21と、検査回路を備えた回路基板200の電極に接触する第2プランジャ22と、第1プランジャ21と第2プランジャ22との間に設けられて二つの第1プランジャ21および第2プランジャ22を伸縮自在に連結する第1コイルばね23と、第1プランジャ21に設けられて第2プランジャ22に対して摺動する第2コイルばね24とを備える。プローブ2を構成する第1プランジャ21および第2プランジャ22、第1コイルばね23ならびに第2コイルばね24は同一の軸線を有している。すなわち、第1プランジャ21および第2プランジャ22、第1コイルばね23ならびに第2コイルばね24は、各々の中心軸が、同一の直線上に位置している。プローブ2は、半導体集積回路100をコンタクトさせた際に、第1コイルばね23が軸線方向に伸縮することによって半導体集積回路100の電極への衝撃を和らげるとともに、半導体集積回路100および回路基板200に荷重を加える。
【0016】
第1プランジャ21は、先細な先端形状をなし、半導体集積回路100の電極に接触する先端部21aと、先端部21aの径と比して大きい径を有するフランジ部21bと、フランジ部21bを介して先端部21aと反対側に延び、フランジ部21bと比して径の小さい、第1コイルばね23の一端部が圧入される第1ボス部21cと、第1ボス部21cを介してフランジ部21bと反対側に延び、第1ボス部21cと比して径の小さい、第2コイルばね24の一端部が圧入される第2ボス部21dと、第2ボス部21dを介して第1ボス部21cと反対側に延び、第2ボス部21dと比して径の小さい基端部21eとを有する。第1プランジャ21は、第1コイルばね23の伸縮作用によって軸線方向に移動が可能であり、第1コイルばね23の弾性力によって半導体集積回路100方向に付勢され、半導体集積回路100の電極と接触する。第1プランジャ21では、先端部21aとフランジ部21bとによって接触部を構成する。
【0017】
第2プランジャ22は、先細な先端形状をなし、回路基板200の電極に接触する先端部22aと、先端部22aの径と比して大きい径を有するフランジ部22bと、フランジ部22bを介して先端部22aと反対側に延びる円筒部22cとを有する。本実施の形態において、円筒部22cは、外周のなす径が、第1コイルばね23の内周のなす径と同等、または、この内周のなす径より若干小さい径である。また、円筒部22cは、内周のなす径が、第2コイルばね24の外周のなす径と同等、または、この外周のなす径より若干大きい径である。第2プランジャ22は、第1コイルばね23の伸縮作用によって軸線方向に移動が可能であり、第1コイルばね23の弾性力によって回路基板200方向に付勢され、回路基板200の電極と接触する。なお、本明細書において、「同じ(同等)」とは製造上の誤差を含んでいる。第2プランジャ22では、先端部22aとフランジ部22bとによって接触部を構成する。
【0018】
第1コイルばね23は、一端が第1プランジャ21の第1ボス部21cに取り付けられ、線材が密に巻回されてなる密着巻き部23aと、密着巻き部23aの他端から延び、所定の間隔をもって巻回される粗巻き部23bとを有する。粗巻き部23bは、内周が円筒部22cに連なっている。粗巻き部23bは、プローブ2の最大収縮時に巻回の軸方向で隣り合う線材同士が接触しない程度の間隔で巻回されることが好ましい。第1コイルばね23は、例えば、一本の導電性の線材を巻回してなる。
【0019】
密着巻き部23aの端部は、例えば第1プランジャ21の第1ボス部21cにバネの巻き付き力および/または半田付けによって接合されて、フランジ部21bに当接している。一方、粗巻き部23bの端部は、フランジ部22bに当接している。第2プランジャ22と第1コイルばね23とにおいても、バネの巻き付き力および/または半田付けによって接合されていてもよく、その場合は、円筒部22cの根元部(フランジ部22bに連なる部分)に第1ボス部21cと同様のボス部を設けてもよい。プローブ2は、粗巻き部23bの伸縮によって、軸線方向に伸縮する。
【0020】
第2コイルばね24は、線材を密着巻きにしてなり、一端が第1プランジャ21の第2ボス部21dに取り付けられる。第2コイルばね24の内部には、基端部21eが挿通される。第2コイルばね24と基端部21eとの間には、空隙(クリアランス)が形成される。第2コイルばね24は、例えば、一本の導電性の線材を巻回してなる。
【0021】
プローブホルダ3は、樹脂、マシナブルセラミック、シリコンなどの絶縁性材料を用いて形成され、
図2の上面側に位置する第1部材31と下面側に位置する第2部材32とが積層されてなる。第1部材31および第2部材32には、複数のプローブ2を収容するためのホルダ孔33および34がそれぞれ同数ずつ形成され、プローブ2を収容するホルダ孔33および34は、互いの軸線が一致するように形成されている。ホルダ孔33および34の形成位置は、半導体集積回路100の配線パターンに応じて定められる。
【0022】
ホルダ孔33および34は、ともに貫通方向に沿って径が異なる段付き孔形状をなしている。すなわち、ホルダ孔33は、プローブホルダ3の上端面に開口を有する小径部33aと、この小径部33aよりも径が大きい大径部33bとからなる。他方、ホルダ孔34は、プローブホルダ3の下端面に開口を有する小径部34aと、この小径部34aよりも径が大きい大径部34bとからなる。これらのホルダ孔33および34の形状は、収容するプローブ2の構成に応じて定められる。第1プランジャ21のフランジ部21bは、ホルダ孔33の小径部33aと大径部33bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。また、第2プランジャ22のフランジ部22bは、ホルダ孔34の小径部34aと大径部34bとの境界壁面に当接することにより、プローブ2のプローブホルダ3からの抜止機能を有する。
【0023】
図3は、プローブホルダ3を用いた半導体集積回路100の検査時の状態を示す図である。半導体集積回路100の検査時には、半導体集積回路100からの接触荷重により、第1コイルばね23は長手方向に沿って圧縮された状態となる。第1コイルばね23が圧縮されると、粗巻き部23bのピッチが小さくなる。この際、第1コイルばね23は、円筒部22cの外周面を摺動する。また、第2コイルばね24は、円筒部22cの内周面を摺動する。円筒部22cに対して、第1コイルばね23および第2コイルばね24がそれぞれ接触することにより確実な電気導通が得られる。この際には、第1コイルばね23および第2コイルばね24が円筒部22cと接触しているため、第1プランジャ21の軸線に対して第2プランジャ22の軸線が大きくぶれることはない。
【0024】
検査時に回路基板200から半導体集積回路100に供給される検査用信号は、回路基板200の電極201からプローブ2の第2プランジャ22、第1コイルばね23または第2コイルばね24、第1プランジャ21を経由して半導体集積回路100の電極101へ到達する。
【0025】
図4は、半導体集積回路の検査時にコンタクトプローブを導通する信号の導通経路を説明する図である。検査時、信号は、複数の経路のうちの少なくとも一つの経路を経て電極101に到達する。
図4では、複数の経路の一例(第1経路および第2経路)を示している。
第1経路C
1は、第2プランジャ22、第1コイルばね23、第1プランジャ21を経て、具体的には、先端部22a、フランジ部22b、円筒部22c、密着巻き部23a、フランジ部21b、先端部21aを経て電極101に到達する。
また、第2経路C
2は、第2プランジャ22、第2コイルばね24、第1プランジャ21を経て、具体的には、先端部22a、フランジ部22b、円筒部22c、第2コイルばね24、第2ボス部21d、第1ボス部21c、フランジ部21b、先端部21aを経て電極101に到達する。
なお、第2経路C
2において、検査時に第2コイルばね24が自身の撓みや蛇行等の変形により基端部21eと接触することで、第2コイルばね24から第2ボス部21dへの導通経路が、第2コイルばね24、基端部21e、第2ボス部21dを経た導通経路になることがある。
【0026】
上述した一実施の形態では、プローブ2において、第2プランジャ22の円筒部22cに対して摺動する第2コイルばね24と、基端部21eとの間に空隙(クリアランス)が形成される。本実施の形態によれば、熱により第1プランジャ21や第2プランジャ22が膨張した場合であっても、上述したクリアランスと、第2コイルばね24の変形とによって膨張分の変化が吸収される。その結果、第2コイルばね24と円筒部22cとの接触状態を熱膨張によらず維持することができる。また、第1コイルばね23と円筒部22cとにおいても、円筒部22cが熱膨張した際に、第1コイルばね23が変形(拡径)することによって、第1コイルばね23と円筒部22cとの接触状態を熱膨張によらず維持することができる。この際の接触抵抗の変化は、信号の伝送精度には影響のない程度である。本実施の形態によれば、熱によらず各コイルばねと円筒部との接触状態が維持され、安定した接触抵抗を維持する。
【0027】
また、上述した一実施の形態では、第2プランジャ22の円筒部22cとの電気的な接続を、第1コイルばね23および第2コイルばね24によって実現するようにしたので、剛体同士による摩耗を抑制できる。その結果、プローブ2に高い耐久性を付与することができる。
【0028】
また、上述した実施の形態では、第1コイルばね23および第2コイルばね24が円筒部22cに倣って移動するため、プローブ2が伸縮する際、高い直進性を有する。このように、プローブ2が高い直進性を有していれば、検査時において、プローブ2の軸線に対するプランジャの傾きを抑制することができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態では、第1プランジャ21および第2プランジャ22が、先端部およびフランジ部によって接触部を構成する例を説明したが、先端部とフランジ部とを一体化して、段部を有しない先細な先端形状をなす接触部を構成してもよい。
【0030】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【0031】
以上のように、本発明に係るコンタクトプローブおよび信号伝送方法は、耐久性を有し、かつ熱による変形によらず安定した接触抵抗を維持するのに好適である。
【符号の説明】
【0032】
1 プローブユニット
2 コンタクトプローブ(プローブ)
3 プローブホルダ
21 第1プランジャ
21a、22a 先端部
21b、22b フランジ部
21c 第1ボス部
21d 第2ボス部
21e 基端部
22 第2プランジャ
22c 円筒部
23 第1コイルばね
23a 密着巻き部
23b 粗巻き部
24 第2コイルばね
31 第1部材
32 第2部材
33、34 ホルダ孔
33a、34a 小径部
33b、34b 大径部
100 半導体集積回路
101、201 電極
200 回路基板