(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】アルゴン-ヘリウム系コーティング
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20220905BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20220905BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
C23C14/34 U
G02B5/28
H05H1/46 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019147150
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-01-27
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179866
【氏名又は名称】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ジェイ オケンファス
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-012730(JP,A)
【文献】特開平08-296032(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0000474(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03330753(EP,A1)
【文献】国際公開第2009/084319(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
H01L 21/203
H01L 21/285
H01L 21/363
G02B 5/28
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
スパッタリングシステムによって、スパッタリングガスを前記スパッタリングシステムのチャンバー内に注入することと(前記スパッタリングガスは、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物である)、
前記スパッタリングシステムの前記チャンバー内に前記スパッタリングガスを注入することに基づいて、前記スパッタリングシステムによって、基板の第1の面上に第1のコーティングを堆積するために、ターゲットの少なくとも1つのコーティング材料を前記基板上の前記第1の面上にスパッタすることを含み、
前記第1のコーティングが、閾値厚さ未満の厚さを有し、
前記チャンバーをヘリウムガスなしでアルゴンガスで充填するとき、第2のコーティングを、前記基板の第2の面上に堆積し、
前記基板の前記第2の面が、前記基板の前記第1の面とは異なり、
前記第2のコーティングが、前記閾値厚さ以上の厚さを有
し、
前記コーティング材料が、シリコン材料、二酸化ケイ素材料、ゲルマニウム材料、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)材料または水素化ゲルマニウム材料のうちの1つを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコーティング材料を前記基板上にスパッタすることが、
前記スパッタリングシステムの前記チャンバーに配置されたアノードとカソードとを用いて、前記少なくとも1つのコーティング材料を前記基板上にスパッタすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スパッタリングガスを注入することが、
前記スパッタリングガスを
前記アルゴンガスについて約200SCCM~500SCCMの流速、かつ、約9%~約60%のヘリウムガス寄与率で注入すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
前記基板の前記第2の面上に前記第2コーティングを堆積するために、別のコーティング材料を、別のスパッタリングガスを用いて、前記基板の前記第2の面上にスパッタすることを含み、
前記別のスパッタリングガスは、アルゴンおよび非ヘリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アルゴンガスとヘリウムガスとの前記混合物が、約1:1~約1:3のアルゴンガスとヘリウムガスとの比に関連している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アルゴンガスとヘリウムガスとの前記混合物が、15%~55%のヘリウムガスに関連している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコーティング材料が、当該少なくとも1つのコーティング材料を水素化するための水素ガスの存在下でスパッタされる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水素ガスが、約8%~約20%の濃度に関連している、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のコーティングが、層の第1の組と、層の第2の組とを含み、
層の前記第2の組が、層の前記第1の組とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
層の前記第1の組が、1つ以上のシリコン-ゲルマニウムまたは水素化シリコン-ゲルマニウムを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
層の前記第2の組が、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウムのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記スパッタリングシステムが、パルス直流マグネトロンスパッタリングシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のコーティングを、ヘリウムガスを使わずに堆積する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のコーティングのアニーリング後固有応力レベルが、ヘリウムガスなしでアルゴンガスのみを使用して前記第2のコーティングを堆積する場合より低い、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のコーティングが、当該第1のコーティングを水素化するための水素ガスの存在下でスパッタされる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
方法であって、
システムによって、スパッタリングガスを前記システムのチャンバー内に注入することと(前記スパッタリングガスは、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物である)、
前記システムの前記チャンバー内に前記スパッタリングガスを注入することに基づいて、前記システムによって、基板の第1の面上に第1のコーティングを堆積するために、ターゲットの少なくとも1つのコーティング材料を前記基板上の前記第1の面上にスパッタすることと(前記第1のコーティングは、閾値厚さ未満の厚さを有する)、
前記チャンバーをヘリウムガスなしでアルゴンガスで充填しながら、システムによって、前記基板の第2の面上に第2のコーティングを堆積することとを含み、
前記基板の前記第2の面が、前記基板の前記第1の面とは異なり、
前記第2のコーティングが、前記閾値厚さ以上の厚さを有
し、
前記コーティング材料が、シリコン材料、二酸化ケイ素材料、ゲルマニウム材料、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)材料または水素化ゲルマニウム材料のうちの1つを含む、方法。
【請求項17】
前記チャンバーが、真空チャンバーである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記スパッタリングガスを前記チャンバー内に注入することが、
プラズマ活性源、アノード、または少なくとも1つの電源のうちの少なくとも1つを用いてアルゴンガスとヘリウムガスとの前記混合物を前記チャンバー内に配置することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのコーティング材料が、
シリコン材料、
二酸化ケイ素材料、
シリコン-ゲルマニウム材料、または
ゲルマニウム材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
方法であって、
スパッタリングシステムの真空チャンバー内に、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を注入することと、
前記真空チャンバーをアルゴンガスとヘリウムガスとの前記混合物で充填するとき、前記スパッタリングシステムによって、ターゲットの少なくとも1つのコーティング材料を用いて、基板の第1の面上に第1のコーティングをスパッタすることと、
前記スパッタリングシステムの前記真空チャンバー内に、ヘリウムガスなしでアルゴンガスを注入することと、
前記真空チャンバーをヘリウムガスなしでアルゴンガスで充填するとき、前記スパッタリングシステムによって、前記基板の第2の面上に第2のコーティングをスパッタすることとを含み、
前記第1のコーティングが、前記第2のコーティングの第2の厚さ未満である第1の厚さを有し、
前記基板の前記第2の面が、前記基板の第1の面とは異な
り、
前記コーティング材料が、シリコン材料、二酸化ケイ素材料、ゲルマニウム材料、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)材料または水素化ゲルマニウム材料のうちの1つを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コーティングシステムを使用して、基板を特定の材料でコーティングすることができる。例えば、パルス直流(DC)マグネトロンスパッタリングシステムを、薄膜層、厚膜層等の堆積に使用することができる。一組の層を堆積することに基づいて、光学素子を形成することができる。例えば、薄膜を使用して、光学干渉フィルターなどのフィルターを形成することができる。場合によっては、光学素子が特定の波長の光で特定の機能を提供することに関連付けられることがある。例えば、光干渉フィルターは、近赤外(NIR)範囲の光、中赤外(MIR)範囲の光などに使用されることがある。
【0002】
一例では、光送信機は、対象に向けられたNIR光を放射することがある。この場合、ジェスチャー認識システムでは、光送信機はユーザーに向けてNIR光を送信することがあり、NIR光は、ユーザーから光受信機に向けて反射することがある。光受信機は、NIR光に関する情報を捕捉することがあり、この情報は、ユーザーによって実行されているジェスチャーを識別するために使用され得る。例えば、ある装置は、その情報を使用して、ユーザーの3次元表示を生成し、その3次元表示に基づいてそのユーザーによって実行されているジェスチャーを識別することがある。
【0003】
別の例では、NIR光に関する情報を使用して、ユーザーの識別、ユーザーの特性(例えば、高さまたは重量)、ターゲットの別のタイプの特性(例えば、対象までの距離、対象のサイズ、または対象の形状)などを認識することができる。しかしながら、ユーザーに向かうNIR光の伝送中、および/またはユーザーから光受信機に向かう反射中に、周囲光がNIR光と干渉することがある。したがって、光受信機は、光干渉フィルター、バンドパスフィルターなどの光フィルターに光学的に結合されて、NIR光が光受信機に向かって通過することを可能にし得る。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施によれば、スパッタリングシステムは、基板を含むことができる。スパッタリングシステムは、少なくとも1つのターゲットを含むことができる。少なくとも1つのターゲットは、基板上に少なくとも1つの層をコーティングするための少なくとも1つのコーティング材料を含むことができる。少なくとも1つのコーティング材料を、不活性ガスの存在下で基板上にスパッタすることができる。不活性ガスは、アルゴンガスおよびヘリウムガスを含むことができる。
【0005】
いくつかの実施によれば、コーティングシステムは、真空チャンバーを含むことができる。コーティングシステムは、真空チャンバー内に不活性ガスを配置するための不活性ガス源を含むことができる。不活性ガスは、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を含むことができる。コーティングシステムは、不活性ガス源を使用して基板上にコーティング材料をスパッタするように構成することができる。
【0006】
いくつかの実施によれば、方法は、スパッタリングシステムによって、スパッタリングガスをスパッタリングシステムのチャンバー内に注入することを含むことができる。スパッタリングガスは、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物であってもよい。この方法は、スパッタリングシステムのチャンバー内にスパッタリングガスを注入することに基づいて、スパッタリングシステムによって、スパッタリングシステムのチャンバー内に配置された基板上に少なくとも1つのコーティング材料をスパッタすることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】
図1Aは、本明細書で説明される例示的な実施の概要の図である。
【
図1B】
図1Bは、本明細書で説明される例示的な実施の概要の図である。
【
図1C】
図1Cは、本明細書で説明される例示的な実施の概要の図である。
【
図1D】
図1Dは、本明細書で説明される例示的な実施の概要の図である。
【
図2】
図2は、本明細書で説明される例示的な実施に関連する光学素子の特性の一例の図である。
【
図3】
図3は、本明細書で説明される例示的な実施に関連する光学素子の一例の図である。
【
図4】
図4は、本明細書で説明される例示的な実施に関連する光学素子を含む光学システムの図である。
【発明の詳細な説明】
【0008】
例示的な実施の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同一の参照符号は、同一又は類似の要素を特定することがある。
【0009】
光受信機は、光送信機などの光源から光を受信することができる。例えば、光受信機は、光送信機からのおよびユーザーまたは別の対象などのターゲットから反射された、近赤外(NIR)光または中赤外(MIR)光を受信することができる。この場合、光受信機は、NIR光ならびに可視スペクトル光などの周囲光を受信することがある。周囲光は、太陽光、電球からの光など、光送信機とは別の1つ以上の光源からの光を含むことがある。周囲光は、NIR光に関する判定の精度を下げることがある。例えば、ジェスチャー認識システムでは、周囲光がNIR光に基づくターゲットの3次元画像の生成の精度を下げることがある。したがって、光受信機は周囲光を取り除き、NIR光を光受信機に通過させるために、光学干渉フィルター、バンドパスフィルターなどの光学要素(例えば、光学フィルター)に光学的に結合され得る。同様に、特定のタイプの光(例えば、NIR光)が検知システム、測定システム、通信システムなどのターゲットに向けられることを確実にするために、光送信機を光学素子に光学的に結合することができる。
【0010】
光学素子は、薄膜技術、厚膜技術などを使用して製造することができる。例えば、パルス直流マグネトロンスパッタリングシステムを使用して、基板上に粒子をスパッタして、1つ以上の薄膜層(薄膜と呼ばれることもある)を形成することができる。この場合、スパッタリングシステムは、アルゴンガスなどの不活性ガスで満たされたスパッタリングチャンバー内で粒子(例えば、シリコン粒子、二酸化ケイ素粒子、ゲルマニウム粒子、シリコン-ゲルマニウム粒子など)をスパッタすることができる。
【0011】
しかしながら、例えば、アルゴンガス環境中で粒子をスパッタすると、閾値を超える運動量でアルゴンイオンが薄膜に注入されることがある。その結果、薄膜およびその薄膜を含む光学素子に、閾値量の固有応力(例えば、圧縮固有応力)が形成されることがある。閾値量の固有応力に関連する光学素子は、閾値量の反りまたは曲がりを受けることがあり、その結果、その光学素子を含む光学システムの光学性能の低下につながることがある。さらに、閾値量の固有応力は、ウェーハ後処理(例えば、ダイシング)における困難性をもたらすことがあり、これは、光学素子の製造可能性を低くすることがある。固有応力誘起の反り、曲がりなどを低減させるために、光学素子は、閾値厚さで製造することができ、これは、追加の層および/またはより厚い層を堆積することによって達成し得る。追加の層および/またはより厚い層は、過剰なパッケージサイズ、コスト、製造の複雑さ、製造完了までの時間などにつながり得る。
【0012】
本明細書に記載されるいくつかの実施は、アルゴン-ヘリウム系コーティングを利用して、光学素子の固有応力を減らすことができる。例えば、スパッタ堆積システムは、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を含む環境を使用することができ、それによって、薄膜に注入されるアルゴンイオンの量を減らす。このようにして、NIR波長またはMIR波長のための光学干渉フィルターコーティングなどの光学素子内の固有応力の量を減らすことができ、それによって、光学素子の反りおよび/または曲がりを減らすことができる。さらに、固有応力の低減に基づいて、光学素子の耐久性を下げることなく、光学素子の厚さを減らすことができる。このようにして、スパッタ堆積のための不活性ガス環境としてアルゴンガスおよびヘリウムガスを使用することは、例えば、アルゴンガス環境(ヘリウムガスなし)を使用することと比較して、パッケージサイズを縮小し、コストを減らし、複雑さを減らし、製造可能性を改善する。
【0013】
図1A~1Dは、本明細書に記載されるスパッタ堆積システムの例100の図である。
【0014】
図1Aに示すように、例100は、真空チャンバー110と、基板120と、カソード130と、ターゲット131と、カソード電源140と、アノード150と、プラズマ活性化源(PAS)160と、PAS電源170とを含む。ターゲット131は、シリコン材料源、二酸化ケイ素材料源、ゲルマニウム材料源、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)材料源、水素化ゲルマニウム材料源などのコーティング材料源を含むことができる。PAS電源170は、PAS160に電力を供給するために利用することができ、無線周波数(RF)電源を含むことができる。カソード電源140は、カソード130に電力を供給するために利用することができ、パルス直流(DC)電源を含むことができる。
【0015】
図1Aに関して、ターゲット131を、水素(H
2)(例えば、ターゲット131のコーティング材料を水素化するため)ならびにアルゴンガスおよびヘリウムガスの混合物などの不活性ガスの存在下でスパッタして、水素化シリコン-ゲルマニウム材料などのコーティング材料を基板120上に層として堆積させる。このようにして、NIR範囲(例えば、約700ナノメートル(nm)~2500nm)、MIR範囲(例えば、約2500nm~8000nm)などにおけるパスバンドに関連付けられ、かつ閾値角度シフト(例えば、3次元感知および/または他のフィルター機能性のため)未満に関連付けられた光学干渉フィルターなどの光学フィルターを製造することができる。
【0016】
本明細書に記載されるいくつかの実施は、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物であるスパッタリングガスに関して記載されるが、別の混合物、例えば、アルゴンガスと別のガスとの混合物、ヘリウムガスと別のガスとの混合物、または他のガスの組合せなどが可能である。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施は2つのガスの混合物に関して記載されるが、本明細書に記載されるいくつかの実施は、スパッタ堆積のための不活性ガス環境として3つ以上のガスを使用してもよい。アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を使用することに基づいて、スパッタ堆積中に基板120に注入されるアルゴンイオンの量を、不活性ガスとしてアルゴンガス(ヘリウムガスなし)を使用する場合と比較して、減らすことができる。不活性ガスに関するさらなる詳細は、
図2に関して本明細書に記載される。
【0017】
いくつかの実施では、真空チャンバー110を、第1のスパッタ堆積手順用の第1の不活性ガスと、第2のスパッタ堆積手順用の第2の不活性ガスとで満たすことができる。例えば、光学素子の閾値厚さ未満に関連する第1のコーティング(例えば、基板120の第1の面上の1つ以上の層)を堆積するために、真空チャンバー110を、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物で充填することができ、光学素子の閾値厚さ以上に関連する第2のコーティング(例えば、基板120の第2の面上の1つ以上の層)を堆積するために、真空チャンバー110を、アルゴンガス(ヘリウムガスなし)で充填することができる。このようにして、スパッタ堆積システムは、ウェーハの両側に堆積されたコーティング材料を含むウェーハを応力バランスさせることができ、それによって、より多くの圧縮固有応力を有するウェーハと比べて、例えば、ウェーハの取扱いを改善し、コーティング後処理(例えば、ウェーハのダイシング)の歩留まりを改善し、透過波面誤差を減らすことができる。
【0018】
不活性ガス(例えば、アルゴンガスおよびヘリウムガス)を、アノード150および/またはPAS160などの不活性ガス源からチャンバー内に注入することができる。水素は、水素を活性化する働きをするPAS160を通って真空チャンバー110に導入される。さらに、または代替として、カソード130は、水素活性化を引き起こし得る(例えば、この場合、水素は、真空チャンバー110の別の部分から導入され得る)。さらに、または代替的に、アノード150は、水素活性化を引き起こしてもよい(例えば、この場合、水素は、アノード150によって真空チャンバー110に導入されてもよい)。いくつかの実施では、水素は、水素ガス、水素ガスと希ガス(例えば、アルゴンガスおよび/またはヘリウムガス)との混合物などの形態をとることができる。PAS160は、カソード130の境界近傍内に配置することができ、PAS160からのプラズマとカソード130からのプラズマとの重なりを可能にする。PAS160の使用によって、薄膜層(例えば、水素化シリコン層)を比較的高い堆積速度で堆積することができる。いくつかの実施では、薄膜層を約0.05nm/秒~約2.0nm/秒の堆積速度、約0.5nm/秒~約1.2nm/秒の堆積速度、約0.8nm/秒の堆積速度などで堆積する。
【0019】
本明細書ではスパッタリング手順を水素化層に関して説明するが(例えば、水素ガスを注入して、水素化シリコン層、水素化ゲルマニウム層などを堆積する)、スパッタリング手順は、水素ガスを水素化層に注入することなく、不活性ガスとしてアルゴンおよびヘリウムを使用することができる。さらに、または代替的に、本明細書ではスパッタリング手順を、特定の幾何学的形状および特定の実施に関して説明するが、他の幾何学的形状および他の実施も可能である。例えば、水素を、別の方向から、カソード130に近接する境界内のガスマニホールドなどから注入してもよい。
【0020】
図1B~1Cに示すように、同様のスパッタ堆積システムは、真空チャンバー110、基板120、第1のカソード180、第2のカソード190、シリコンターゲット181、ゲルマニウムターゲット191、カソード電源140、アノード150、プラズマ活性化源(PAS)160、およびPAS電源170を含む。この場合、シリコンターゲット181は、シリコンターゲットであり、ゲルマニウムターゲット191は、ゲルマニウムターゲットである。
【0021】
図1Bに示すように、シリコンターゲット181は、基板120に対して約0度(例えば、基板120に対してほぼ平行)に配向され、ゲルマニウムターゲット191は、基板120に対して約120度に配向される。この場合、シリコンおよびゲルマニウムは、それぞれ、シリコンターゲット181およびゲルマニウムターゲット191から基板120上に、それぞれ、カソード180およびカソード190によってスパッタされる。
【0022】
図1Cに示すように、同様のスパッタ堆積システムでは、シリコンターゲット181およびゲルマニウムターゲット191がそれぞれ、基板120に対して約60度で配向され、シリコンおよびゲルマニウムは、それぞれ、カソード180およびカソード190によって、それぞれ、シリコンターゲット181およびゲルマニウムターゲット191から基板120上にスパッタされる。
【0023】
図1Dに示すように、同様のスパッタ堆積システムでは、シリコンターゲット181は、基板120に対して約120度に配向され、ゲルマニウムターゲット191は、基板120に対して約0度に配向される。この場合、シリコンおよびゲルマニウムはそれぞれ、カソード180およびカソード190によって、それぞれ、シリコンターゲット181およびゲルマニウムターゲット191から基板120上にスパッタされる。
【0024】
図1A~
図1Dに関して、不活性ガスとしてアルゴンガスおよびヘリウムガスを使用するスパッタ堆積システムにおける構成要素の各構成は、ヘリウムガスが不活性ガスの一部として使用されない同様のスパッタ堆積システムと比較して、アルゴンイオンの注入が減少した、シリコンおよびゲルマニウムの異なる相対濃度をもたらし得る。
【0025】
上述したように、1A~1Dは、単に一例として提供されているに過ぎない。他の例も可能であり、
図1A~1Dに関して説明したものとは異なっていてもよい。
【0026】
図2は、本明細書で説明される例示的な実施に関連する光学素子の特性の一例の図である。
【0027】
図2に示すように、スパッタ堆積システムの構成202~212の組を使用して製造した光学素子の特性が提供される。構成202は、ヘリウムの0標準立方センチメートル/分(SCCM)、アルゴンの440SCCM、および水素の70SCCMの流量を使用するベースラインの場合を表す。言い換えれば、構成202は、スパッタ堆積のための環境にヘリウムを含まないスパッタ堆積システムを使用して製造した光学素子を表す。示されるように、構成202は、0.5179ナノメートル/分(nm/分)のコーティング速度、-1067メガパスカル(MPa)のプリベーク(すなわち、プレアニーリング)固有応力(例えば、280℃への光学素子の加熱前の機械的固有応力の量)、および-708MPaのポストベーク(すなわち、ポストアニーリング)固有応力(例えば、280℃への光学素子の加熱後の機械的固有応力の量)を有する光学素子をもたらす。この場合、光学素子の加熱は、機械的固有応力の34%の減少をもたらす。
【0028】
いくつかの実施では、スパッタ堆積システムは、約200SCCM~500SCCM、約240SCCM~440SCCMなどのアルゴンガスの流量、および約9%~約60%、約8%~20%などのヘリウムガス寄与率に関連付けられてもよい。いくつかの実施では、スパッタ堆積システムは、約50SCCM~300SCCM、約100SCCM~250SCCMなどのヘリウムガスの流量に関連付けられてもよい。いくつかの実施では、スパッタ堆積システムは、約0SCCM~100SCCM、約70SCCMなどの水素ガスの流量、および約8%~約60%の水素ガス濃度に関連付けられてもよい。いくつかの実施では、スパッタ堆積システムは、約1:1~約1:3のアルゴンガスとヘリウムガスの比に関連付けられてもよい。
【0029】
図2にさらに示すように、構成204~212では、ヘリウムおよびアルゴンの異なる濃度が対応する光学素子を製造するための不活性ガス環境として使用される。構成202のベースラインの場合と比べて、100SCCM(例えば、構成206)~250SCCM(例えば、構成212)の範囲のヘリウム濃度、および240SCCM(例えば、構成204)~440SCCM(例えば、構成206~212)の範囲のアルゴン濃度を使用すると、ベースラインの場合に対して、10%(例えば、構成206)~30%(例えば、構成204)の固有応力の減少となる。言い換えれば、スパッタ堆積のための不活性ガス環境としてヘリウムガスとアルゴンガスとの混合物を使用すると、不活性ガス環境としてアルゴンガスのみを使用する場合と比べて、減少したプリベーク固有応力および減少したポストベーク固有応力を有する水素化シリコン光学素子が得られる。
【0030】
本明細書に記載されるいくつかの実施はアルゴンガスおよびヘリウムガスの特定の濃度に関して、および水素化シリコンスパッタリングに関して記載されるが、他の濃度、他のスパッタリング材料などの他の構成も可能である。
【0031】
上述したように、
図2は、単に一例として提供されているに過ぎない。他の例も可能であり、
図2に関して説明したものと異なっていてもよい。
【0032】
図3は、例示的な光学フィルター300の図である。
図3は、本明細書に記載されるスパッタ堆積システムを使用して製造される光学フィルターの例示的な積層を示す。
図3にさらに示すように、光学フィルター300は、光学フィルターコーティング部分310および基板320を含む。
【0033】
光学フィルターコーティング部分310は、一組の光学フィルター層を含む。例えば、光学フィルターコーティング部分310は、層330-1~330-N+1(N≧1)の第1の組と、層340-1~340-Nの第2の組とを含む。別の例では、光学フィルターコーティング部分310は、単一のタイプの層(例えば、1つ以上の層330)、3つ以上のタイプの層(例えば、1つ以上の層330、1つ以上の層340、および1つ以上の他の1つ以上のタイプの層)などであってもよい。いくつかの実施では、層330は、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)、水素化シリコン-ゲルマニウム層などの高屈折率材料の層(H層)の組を含むことができる。一部の層はSiGeなどの特定の材料として説明され得るが、一部の層は、(少量の)蛍光体、ホウ素、窒化物などを含んでもよい。いくつかの実施では、層340は、二酸化ケイ素層などの低屈折率材料の層(L層)の組を含むことができる。さらに、または代替として、L層は、窒化ケイ素層、Ta2O5層、Nb2O5層、TiO2層、Al2O3層、ZrO2層、Y2O3層、Si3N4層、それらの組合せなどを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施では、光学フィルターコーティング部分310は、層の特定量mに関連付けられてもよい。例えば、水素化シリコン-ゲルマニウム系光学フィルターは、2層~200層の範囲などの多数の交互層を含むことができる。アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を含む不活性ガス環境を使用することに基づいて、アルゴンガス環境(ヘリウムなし)と比べて、固有応力を減らすことができ、それによって、特定の量の層を、200未満、100未満、50未満、20未満、10未満、5未満などの閾値量未満にすることができる。このように、本明細書に記載されるいくつかの実施は、閾値厚さ未満の光学フィルターを可能にし、そして、閾値厚さ未満であることから生じる耐久性、反り、曲がりなどに悪影響がない。
【0035】
いくつかの実施では、光学フィルターコーティング部分310の各層は、特定の厚さに関連付けられてもよい。例えば、層330および340は、それぞれ、1nm~1500nm、10nm~500nmなどの厚さに関連付けられてもよい。さらに、または代替として、光学フィルターコーティング部分310は、0.1μm~100μm、0.25μm~10μmなどの厚さに関連付けられてもよい。いくつかの例では、層330および340のうちの少なくとも1つは、それぞれ、1000nm未満、100nm未満、または5nm未満などの厚さに関連付けられ得る。さらに、または代替として、光学フィルターコーティング部分310は、100μm未満、50μm未満、10μm未満などの厚さに関連付けられてもよい。
【0036】
いくつかの実施では、特定のシリコン-ゲルマニウム系材料を層330のために選択することができる。例えば、SiGe-50、SiGe-40、SiGe-60などの特定のタイプのシリコン-ゲルマニウムを含むように、層330を、選択および/または製造してもよい(例えば、アルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を使用するスパッタリング手順によって)。いくつかの実施では、層330は、本明細書に記載されるように、アルゴン/ヘリウム不活性ガス環境でのスパッタ堆積手順の結果として、アルゴンおよび/またはヘリウムなどの微量の別の材料を含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施では、別の材料を層340のために選択することができる。例えば、層340は、シリコン層の組、ゲルマニウム層の組、二酸化ケイ素(SiO2)層の組、酸化アルミニウム(Al2O3)層の組、二酸化チタン(TiO2)層の組、五酸化ニオブ(Nb2O5)層の組、五酸化タンタル(Ta2O5)層の組、フッ化マグネシウム(MgF2)層の組、窒化ケイ素(S3N4)層の組、酸化ジルコニウム(ZrOz2)、酸化イットリウム(Y2O3)などを含む。例えば、光学フィルターコーティング部分310は、シリコン/二酸化ケイ素コーティング、ゲルマニウム/二酸化ケイ素コーティング、シリコン-ゲルマニウム/二酸化ケイ素コーティングなどであってもよい。
【0038】
いくつかの実施では、光学フィルターコーティング部分310は、スパッタリング手順を使用して製造することができる。例えば、光学フィルターコーティング部分310は、本明細書に記載されるように、パルスマグネトロン系スパッタリング手順を使用して、ガラス基板または別のタイプの基板上に交互層330および340をスパッタして製造してもよい。いくつかの実施では、本明細書に記載されるように、ケイ素をスパッタするための第1のカソードおよびゲルマニウムをスパッタするための第2のカソードなど、複数のカソードをスパッタリング手順に使用することができる。
【0039】
いくつかの実施では、約280℃の温度での、または約200℃~約400℃での第1のアニーリング手順、約320℃の温度での、または約250℃~約350℃での第2のアニーリング手順など、1つ以上のアニーリング手順を使用して、光学フィルターコーティング部分310をアニールすることができる。
【0040】
上述したように、
図3は、単に一例として提供されているに過ぎない。他の例も可能であり、
図3に関して説明したものと異なっていてもよい。
【0041】
図4は、本明細書で説明される例示的な実施400の図である。
図4に示すように、例示的な実施400は、センサーシステム410を含む。センサーシステム410は、光学システムの一部であってもよく、センサー判定に対応する電気出力を提供してもよい。センサーシステム410は、光学フィルター430を含む光学フィルター構造420と、光学センサー440とを含む。例えば、光学フィルター構造420は、光学干渉機能を実行する光学フィルター430、または偏光ビーム分割機能、逆偏光ビーム分割機能などの別のタイプの光学フィルターを含むことができる。センサーシステム410は、光信号をターゲット460(例えば、人、物体など)に向けて送信する光送信機450を含む。
【0042】
本明細書で説明される実施は、センサーシステムにおける光学フィルターに関して説明されてもよいが、本明細書で説明される実施は、別のタイプのシステムで使用されてもよく、センサーシステムの外部などで使用されてもよい。
【0043】
さらに
図4に参照番号470で示すように、入力光信号は、光フィルター構造420に向けられる。入力光信号は、光送信機450によって放射されるNIR光、MIR光など、およびセンサーシステム410が利用されている環境からの周囲光を含むことができる。例えば、光学フィルター430がバンドパスフィルターである場合、光送信機450は(例えば、ターゲット460によって実行されるジェスチャーの)ジェスチャー認識システムのためにユーザーへNIR光を向け、そしてNIR光は、光学センサー440がNIR光の測定を実行可能にするために、光学センサー440へターゲット460(例えば、ユーザー)から反射されてもよい。この場合、周囲光は、1つ以上の周囲光源(例えば、電球または太陽)から光学センサー440に向かってもよい。
【0044】
別の例では、複数の光線をターゲット460に向けることができ、複数の光線のサブセットを光学フィルター構造420に向けて反射させることができ、光学フィルター構造420は図示のように、光学センサー440に対して傾いた角度で配置することができる。いくつかの実施では、別の傾斜角度(例えば、バンドパスフィルターに対して0度傾斜角度)を使用することができる。いくつかの実施では、光学フィルター構造420は、光学センサー440から距離をおいて配置されるのではなく、光学センサー440上に直接配置および/または形成されてもよい。例えば、光学フィルター構造420は、例えば、フォトリソグラフィー、スパッタ堆積技術(例えば、スパッタ堆積のための不活性ガス混合物としてアルゴンガスおよびヘリウムガスを使用する)などを使用して、光学センサー440上にコーティングおよびパターン化されてもよい。別の例では、光送信機450は、NIR光を別のタイプのターゲット460に向けることができ(例えば、車両の近くの物体を検出するため、盲人の近くの物体を検出するため、物体の近くを検出するため(例えば、LIDAR技術を使用して)など)、その結果、NIR光および周囲光を光学センサー440に向けることができる。
【0045】
図4に参照番号480によってさらに示すように、光信号の一部は、光学フィルター430および光フィルター構造420を通過する。例えば、光学フィルター430のシリコン-ゲルマニウム層(例えば、高屈折率材料)と別のタイプの材料層(例えば、二酸化ケイ素(SiO
2)などの低屈折率材料)とを交互に配置することにより、光の第1の偏光を第1の方向に反射させることができる。この場合、スパッタリングのための不活性ガス環境としてアルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を用いたスパッタ堆積技術を使用することに基づいて、他の技術と比べて、光学フィルター430内の固有応力の量を減らすことができ、それによって、光学フィルター430の厚さを減らすこと、センサーシステム410のサイズを小さくすることなどが可能になる。
【0046】
図4に参照番号490によってさらに示され、光学センサー440に伝わる光信号の部分に基づいて、光学センサー440は、ユーザーのジェスチャーを認識する際、または物体の存在を検出する際の使用などのために、センサーシステム410に出力電気信号を提供することができる。いくつかの実施では、光学フィルター430および光学センサー440の別の配置を利用することができる。例えば、光信号の第2の部分を入力光信号と同一直線上に通過させるのではなく、光フィルター430は、光信号の第2の部分を異なる位置にある光学センサー440に向け別の方向に向けることができる。別の例では、光学センサー440は、アバランシェフォトダイオード、シリコン系検出器、インジウム-ガリウム-ヒ素(InGaAs)検出器、赤外線検出器などとすることができる。
【0047】
上述したように、
図4は、単に一例として提供されているに過ぎない。他の例も可能であり、
図4に関して説明したものと異なっていてもよい。
【0048】
このようにして、光学素子、光学フィルター、光学システム、センサーシステムなどを、スパッタ堆積手順を使用して製造することができる。スパッタリングのための不活性ガス環境としてアルゴンガスとヘリウムガスとの混合物を使用することに基づいて、光学フィルターのスパッタ層に埋め込まれるアルゴンイオンの量を減らすことができ、それによって、アルゴンガス環境(ヘリウムガスなし)を使用する場合と比べて、スパッタ層内の固有応力の量を減らすことができる。この場合、スパッタ層内の固有応力の量を減らすことに基づいて、スパッタ層、光学システム、センサーシステムなどの厚さを、過度の曲がり、反りなどなしに(固有応力の量が増大したスパッタ層と比べて)減らすことができる。
【0049】
前述の開示は、例示および説明を提供するが、網羅的であることまたは実施を開示された厳密な形態に限定することを意図しない。修正および変形が上記の開示に照らして可能であり、または実装の実施から獲得されてもよい。
【0050】
本明細書では、いくつかの実施を閾値に関連して説明する。本明細書中で使用されるように、閾値を満足することは、閾値より大きい値、閾値より大きい値、閾値より高い値、閾値以上の値、閾値より小さい値、閾値より少ない値、閾値より低い値、閾値以下の値、閾値と等しい値などを指し得る。
【0051】
特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、および/または明細書に開示されているが、これらの組み合わせは、可能な実施の開示を限定することを意図していない。実際、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に具体的に記載されていない、および/または本明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に列挙される各従属請求項は、1つの請求項のみに直接従属し得るが、可能な実施の開示は、請求項セットにおける他の全ての請求項と組み合わせた各従属請求項を含む。
【0052】
本明細書で使用される要素、動作、または命令はそのように明示的に説明されない限り、重要または必須であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用されるように、冠詞「a」および「an」は、1つ以上の項目を含むことが意図され、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用されるように、用語「組」は1つ以上の項目(例えば、関連する項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目との組み合わせなど)を含むように意図され、「1つ以上」と交換可能に使用され得る。1つの項目のみを意図する場合には、「1つの」という用語又は類似した文言が使用されている。また、本明細書で使用されるように、用語「有する」、「有する」、「有する」などは、限定されない用語であることが意図される。さらに、「に基づく」という語句は特に明記しない限り、「に少なくとも部分的に基づく」ことを意味することを意図している。