(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】両面再使用可能電池インジケータ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/569 20210101AFI20220905BHJP
G01R 31/371 20190101ALI20220905BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220905BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20220905BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220905BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20220905BHJP
【FI】
H01M50/569
G01R31/371
H01M10/48 P
H01M50/202 501C
H01M50/213
H01M50/284
(21)【出願番号】P 2019522300
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(86)【国際出願番号】 US2017059472
(87)【国際公開番号】W WO2018085350
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-05
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ジョルン、リーマー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、パブリンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、ブーリルコフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ジェイ.スペクト
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、タルコ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、コロナド
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0277879(US,A1)
【文献】国際公開第2015/183609(WO,A1)
【文献】特開2006-139544(JP,A)
【文献】特表平06-511106(JP,A)
【文献】実公平06-025888(JP,Y2)
【文献】中国実用新案第204011808(CN,U)
【文献】特開2016-004627(JP,A)
【文献】特開2013-158148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/569
G01R 31/371
H01M 10/48
H01M 50/202
H01M 50/213
H01M 50/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の特性を表示するための再使用可能電池インジケータであって、
電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、
前記電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、
前記通信回路に作用的に結合されるアンテナと、
前記電圧センサに電気的に接続される少なくとも、
第1のコネクタ及び第2のコネクタを、有する接続機構であって、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、前記接続機構が前記第1の電池端子及び前記第2の電池端子に結合されるときに前記電圧センサと前記第1及び第2の電池端子との間の電気回路が完成される、接続機構と、
を備え
、
前記第1のコネクタは、第1の可撓性バネワイヤを含み、前記第2のコネクタは、第2の可撓性バネワイヤを含み、前記第1および第2の可撓性バネワイヤは、前記第1および第2の可撓性バネワイヤを取り付け位置へ付勢するばね力を生成し、前記第1のコネクタは、前記第1の電池端子を取り外し可能に捕捉するようなサイズおよび形状の第1の端部ループを含み、前記第2のコネクタは、第2の電池端子を取り外し可能に捕捉するようなサイズおよび形状の第2の端部ループを含む、
再使用可能電池インジケータ。
【請求項2】
集積回路を更に備え、前記集積回路は、前記電圧センサを含む、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項3】
前記第1のコネクタの
可撓性ワイヤ及び前記第2のコネクタの
可撓性ワイヤのうちの少なくとも一方は、磁石、カップ、スリーブ、タブ、ソケット、ピン、ワッシャ、バネコネクタ、ワイヤループ、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項4】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方が少なくとも1つの金属と少なくとも1つの絶縁体とを備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項5】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、金属、合金、冷間圧延鋼、硬質延伸鉄及び非鉄合金、高炭素鋼及び低炭素鋼合金、メッキされた鉄及び非鉄合金、或いは、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項6】
前記通信回路は、無線周波数識別回路、ブルートゥース
(登録商標)回路、ブルートゥース
(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi
(登録商標)回路、
ZIGBEE(登録商標)回路、LORA
(登録商標)回路、及び、
Z Wave(登録商標)回路のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項7】
前記電圧センサは、1.8ボルト未満の開回路電圧を読み取ることができる、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項8】
プリント回路基板を更に備え、前記電圧センサ及び前記通信回路は、前記プリント回路基板上に形成され、前記プリント回路基板は、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に配置されている、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項9】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタが可撓性バネワイヤを備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項10】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタが導電性磁石を備える、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項11】
ハウジングを更に備え、前記電圧センサ及び前記通信回路が前記ハウジング内に装着される、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項12】
前記ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する、請求項11に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項13】
前記ハウジングが凹状である1つの側面を有する、請求項11に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項14】
前記ハウジングが凹状である2つの側面を有する、請求項11に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項15】
前記電圧センサがディスク形状を成し、前記電圧センサは、円筒状の電池セルの一端に適合するように配置される、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項16】
前記通信回路が薄型ディスクBLE(Bluetooth Low Energy)
(登録商標)モジュール、UHF(Ultra High Frequency)モジュール、又は、RF(Radio Frequency)モジュールのうちの1つである、請求項15に記載の再使用可能電池インジケータ。
【請求項17】
請求項1に記載の再使用可能電池インジケータを備える電子機器であって、前記再使用可能電池インジケータのハウジングが電子機器の電池レセプタクル内に装着される、電子機器。
【請求項18】
遠隔電池表示システムであって、前記システムは、
電池と、
請求項1に記載の前記再使用可能電池インジケータと、
を備え、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタは、前記電圧センサが前記電池の前記アナログ特性を感知するように、前記電池の第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ電気的に取り付けられる、遠隔電池表示システム。
【請求項19】
前記通信回路に通信可能に接続されるコンピューティングデバイスを更に備え、前記コンピューティングデバイスが前記アンテナを介して前記通信回路から情報を受信する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピューティングデバイスがプロセッサとメモリとを含み、前記メモリがソフトウェアルーチンを記憶し、前記ソフトウェアルーチンにより、前記プロセッサは、前記再使用可能電池インジケータからの無線通信信号を検出させる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサは、電池特性データをユーザインターフェ-スに送信するものであり、前記電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ソフトウェアルーチンは、前記プロセッサにより実行されるときに、前記プロセッサに、前記再使用可能電池インジケータと通信させる、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記電圧センサ、前記通信回路、および前記アンテナは、プリント回路基板上に形成され、
前記第1のコネクタは、前記プリント回路基板に接続された第1および第2の端部を含み、前記第1のコネクタは、前記プリント回路基板から第1の方向に延びており、前記第2のコネクタは、前記プリント回路基板に接続された第3および第4の端部を含み、前記第2のコネクタは、前記プリント回路基板から第2の方向に延びており、前記第2の方向は、前記第1の方向とは反対である、請求項1に記載の再使用可能電池インジケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電池インジケータに関し、より具体的には、両面再使用可能電池特性インジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セル又は電池は、一般に、電気エネルギー源として使用される。電池は、一般に陰極と呼ばれる負電極と、一般に陽極と呼ばれる正電極とを含む。陰極は、酸化され得る電気化学的に活性な陰極材料を含む。陽極は、還元され得る電気化学的に活性な陽極材料を含む。電気化学的に活性な陰極材料は、電気化学的に活性な陽極材料を還元することができる。陰極と陽極との間にはセパレータが配置される。電池構成要素は、一般に金属から形成される缶又はハウジングの内部に配置される。
【0003】
電池が電子機器の電気エネルギー源として使用される場合には、電気的な接触が陰極と陽極との間でなされ、それにより、電子が機器を通じて流れることができるようにする回路が完成し、その結果、電子機器に対する電力を生み出すそれぞれの酸化反応及び還元反応がもたらされる。電解質が陰極、陽極、及び、セパレータと接触している。電解質は、放電中に電池の全体にわたって電荷平衡を維持するために陰極と陽極との間のセパレータを通じて流れるイオンを含む。
【0004】
玩具、リモコン装置、オーディオ機器、懐中電灯、デジタルカメラ及び周辺写真撮影機器、電子ゲーム、歯ブラシ、ラジオ、時計、並びに、他の携帯型電子機器などの電子機器のための携帯型電源の必要性が高まっている。消費者は、これらの電子機器に容易に利用できる電力を有する必要がある。電池はそれらが使用されるにつれて必然的に時間に伴って消耗されるようになるため、消費者は、予備の電池にアクセスできる(及び/又は完全に充電された充電式電池にアクセスできる)必要がある。消費者が必要な数の交換電池に迅速にアクセスできるように消費者が現在使用中の電池の電力状態を知ることは有用である。電池には、ANSI規格ごとに、所定の外形寸法及び制約された内容積を有する、単3形、単4形、単6形、単2形、単1形の電池サイズなどの一般的なサイズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、幾つかの電池は、電池がほぼ消耗して交換を要する時期を消費者が判断するのを助けるためにオンセル電池充電インジケータを含む。しかしながら、これらの現在のオンセル電池充電インジケータは、使い捨てである(すなわち、単一の電池セルに取り付けられる)とともに、扱いにくい(一般に、インジケータを作動させるために2つの接触ボタンを同時に押さなければならないからである)。更に、これらのオンセル電池インジケータは、インジケータを使用するために電子機器(又はパッケージ)から電池を取り外す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの態様によれば、再使用可能電池インジケータは、電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、電圧センサに電気的に接続される少なくとも第1のコネクタ及び第2のコネクタを有する接続機構とを備える。第1のコネクタ及び第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、接続機構が第1の電池端子及び第2の電池端子に結合されるときに電圧センサと第1及び第2の電池端子との間の電気回路が完成される。
【0007】
他の態様によれば、遠隔電池表示システムは、電池と、再使用可能電池インジケータとを備え、電池インジケータは、電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、電圧センサに電気的に接続される少なくとも第1のコネクタ及び第2のコネクタを有する接続機構とを含む。第1のコネクタ及び第2のコネクタが第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、接続機構が第1の電池端子及び第2の電池端子に結合されるときに電圧センサと第1及び第2の電池端子との間の電気回路が完成される。第1のコネクタ及び第2のコネクタは、電圧センサが電池の特性を感知するように第1の電池端子及び第2の電池端子にそれぞれ電気的に取り付けられる。
【0008】
本開示の教示によれば、再使用可能電池インジケータ又は遠隔電池表示システムの前述の態様のうちの任意の1つ以上は、以下の随意的な形態のうちの任意の1つ以上を更に含んでもよい。
【0009】
幾つかの随意的な形態では、電圧ブースタが電圧センサに電気的に接続される又は組み込まれてもよい。
【0010】
他の好ましい形態において、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、磁石、カップ、スリーブ、タブ、ソケット、ピン、ワッシャ、バネコネクタ、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0011】
更に他の好ましい形態では、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方が少なくとも1つの金属と少なくとも1つの絶縁体とを備える。
【0012】
更に他の好ましい形態において、第1のコネクタ及び第2のコネクタのうちの少なくとも一方は、金属、金属合金、冷間圧延鋼、炭素、又は、これらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを備える。
【0013】
更に他の好ましい形態において、通信回路は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee(登録商標)回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0014】
更に他の好ましい形態において、電圧センサは、1.8ボルト未満の開回路電圧を読み取ることができる。
【0015】
更に他の好ましい形態において、電圧センサ及び通信回路は、第1のコネクタと第2のコネクタとの間に挿入されるようになっているプリント回路基板上に形成される。
【0016】
更に他の好ましい形態では、第1のコネクタ及び第2のコネクタが導電性磁石を有する可撓性ワイヤを備えてもよい。
【0017】
更に他の好ましい形態では、電圧センサ及び通信回路がハウジング内に装着され、また、ハウジングは、長手方向に並んで配置される2つの円筒状の電池の間に嵌合するように寸法付けられて形成される。
【0018】
更に他の好ましい形態では、ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する。
【0019】
更に他の好ましい形態では、ハウジングが凹状である1つの側面又は凹状である2つの側面を有する。
【0020】
更に他の好ましい形態では、電圧センサがディスク形状を成し、また、電圧センサは、円筒状の電池セルの一端に適合するように配置される。
【0021】
更に他の好ましい形態において、電圧センサは、薄型ディスクBLE、UHF、又は、RFモジュールの1つである。
【0022】
更に他の好ましい形態では、再使用可能電池インジケータのハウジングが電子機器の電池レセプタクル内に装着される。
【0023】
更に他の好ましい形態では、コンピューティングデバイスが通信回路に通信可能に接続され、コンピューティングデバイスがアンテナを介して通信回路から情報を受信する。
【0024】
更に他の好ましい形態では、コンピューティングデバイスがプロセッサとメモリとを含み、メモリがソフトウェアルーチンを記憶し、該ソフトウェアルーチンにより、プロセッサは、再使用可能電池インジケータからの無線通信信号を検出し、再使用可能電池インジケータを介して電池回路を遠隔制御して電池特性データを決定するとともに、電池特性データをユーザインタフェースに送信する。
【0025】
更に他の好ましい形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
更に他の好ましい形態において、ソフトウェアルーチンは、プロセッサにより実行されるときに、プロセッサに、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0027】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を特に指摘して明確に請求する特許請求の範囲で終わるが、本発明は、添付図面と併せて解釈される以下の説明からより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の教示にしたがって構成される電池セル及び再使用可能電池インジケータの上面図であり、電池セル及び再使用可能電池インジケータは互いに分離されている。
【
図2】電池セルに接続される
図1の再使用可能電池インジケータの上面図である。
【
図3】
図1の再使用可能電池インジケータのプリント回路基板の拡大平面図である。
【
図4】
図1の再使用可能電池インジケータの電子回路概略図である。
【
図5A】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第2の実施形態の上面斜視図である。
【
図5B】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第2の実施形態の下面斜視図である。
【
図6】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第3の実施形態の上面斜視図である。
【
図7A】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第4の実施形態の上面斜視図である。
【
図7B】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第4の実施形態の下面斜視図である。
【
図8A】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第5の実施形態の上面斜視図である。
【
図8B】電池セルに接続される再使用可能電池インジケータの第5の実施形態の下面斜視図である。
【
図9】
図8A及び
図8Bの再使用可能電池インジケータの一端におけるマイナスラジアルリーフの拡大断面図である。
【
図10】2つの電池セルと、電池セルのうちの一方に接続される再使用可能電池インジケータの第6の実施形態とを含む電子機器の電池コンパートメントの下面斜視図である。
【
図11】一対の電池セルのうちの一方のセルに取り付けられる再使用可能電池インジケータの第7の実施形態の端面図である。
【
図12】2つの隣接する電池セル間に位置される再使用可能電池インジケータの第8の実施形態の図である。
【
図13】
図1の再使用可能電池インジケータを含む電池表示システムの概略図である。
【
図14A】第9の実施形態の再使用可能電池インジケータ及び電池セルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
電気化学セル又は電池は、一次電池又は二次電池であってもよい。一次電池は、例えば完全に消耗するまで一回だけ放電されてその後に廃棄されるようになっている。一次電池(又は使い捨て電池)は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。二次電池(又は充電式電池)は、何度も繰り返して再充電されて使用されるようになっている。二次電池は、何度も、例えば50回を超えて、100回を超えて、又は、それ以上にわたって放電及び再充電され得る。二次電池は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。したがって、電池は、様々な電気化学的結合及び電解質の組合せを含んでもよい。本明細書中で与えられる説明及び例は一般に一次アルカリ電気化学セル又は電池を対象としているが、本発明が水性、非水性、イオン液体、及び、固体システムの一次電池及び二次電池の両方に適用されることが理解されるべきである。したがって、前述のシステムの一次電池及び二次電池はこの出願の範囲内であり、また、本発明は任意の特定の実施形態に限定されない。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、陽極12、陰極14、及び、ハウジング18を含む一次アルカリ電気化学セル又は電池セル10が示される。電池セル10はエンドキャップ24も含む。エンドキャップ24は、電池セル10のマイナス端子としての機能を果たす。エンドキャップ24とは反対側の電池セル10の端部にプラスピップ26が位置される。プラスピップ26は、電池セル10のプラス端子としての機能を果たす。電池セル10の全体にわたって電解液が分散される。電池セル10は、例えば、単3、単4、単6、単2、又は、単1アルカリ電池であってもよい。更に、他の実施形態において、電池セル10は、9V電池、カメラ電池、時計電池、又は、任意の他のタイプの一次電池或いは二次電池であってもよい。
【0031】
ハウジング18は、任意の適したタイプのハウジング基材、例えば冷間圧延鋼又はニッケルメッキ冷間圧延鋼から形成され得る。
図1に示される実施形態では、ハウジング18が円筒形状を有してもよい。他の実施形態では、ハウジング18が任意の他の適した非円筒形状を有してもよい。ハウジング18は、例えば、長方形、正方形、又は、角柱形状などの少なくとも2つの平行板を備える形状を有することができる。ハウジング18は、例えば、冷間圧延鋼又はニッケルメッキ鋼などの基材のシートから深絞り加工されてもよい。ハウジング18は、例えば、円筒形状へと絞り加工されてもよい。ハウジング18は側壁を有してもよい。ハウジング18の側壁の内面は、ハウジング18の側壁の内面と陽極12などの電極との間に低い電気接触抵抗をもたらす材料で処理されてもよい。ハウジング18の側壁の内面は、例えばハウジング18の側壁の内面と陽極12との間の接触抵抗を減少させるために、例えばニッケル、コバルトでメッキされてもよく、及び/又は、炭素充填塗料で塗装されてもよい。
【0032】
電池セル10の隣には、再使用可能電池インジケータ40などの通信機構の一実施形態がある。再使用可能電池インジケータ40は、プリント回路基板(PCB)42に組み込まれてもよい集積回路と、PCB42に電気的に接続される第1のコネクタ44と、PCB42に電気的に接続される第2のコネクタ46とを含む。
図2に示されるように、第1のコネクタ44は、プラスの電気的接続部を形成するためにプラスのピップ26に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよく、また、第2のコネクタ46は、マイナスの電気的接続部を形成するためにエンドキャップ24に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよい。第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46が電池セル10及びPCB42と電気的接続部を形成できるようにする実質的に任意の物理的形態をとり得る。幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、以下の形態、すなわち、磁石、カップ、スリーブ、タブ、ソケット、ピン、ワッシャ、バネコネクタ、ワイヤループ、又は、これらの任意の組合せのうちの任意の1つ以上をとり得る。更に、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、電気情報などのアナログ情報を電池セルからPCB42に伝える実質的に任意の材料から形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、以下の材料、すなわち、金属、金属合金、冷間圧延鋼、硬質延伸鉄及び非鉄合金、高炭素鋼及び低炭素鋼合金、事後又は事前メッキされた鉄及び非鉄合金、或いは、これらの任意の組合せのうちの1つ以上から形成されてもよい。幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46のうちの少なくとも一方は、金属及び絶縁体を備えてもよい。より具体的には、第1及び第2のコネクタ44,46の内面は、電池ハウジングに対する短絡又は圧着を防ぐために、端子のための接触領域以外の領域に、非導電性コーティング(例えば、ポリマー層、エポキシ、又は、不動態化)又は付加的な絶縁体リング(例えば、紙、フェノール、又は、ポリマー)を含んでもよい。
【0033】
一般に、集積回路は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46からアンペア又はボルトなどの電気情報を受け、その電気情報は、電力又は充電レベルなどの電池特性情報を計算するために集積回路によって使用され、また、集積回路は、その後、消費者が使用するために、コンピュータ、スマートフォン、又は、携帯情報端末などの受信機に電池特性情報を伝える。このようにして、再使用可能電池インジケータ40は、消費者が電池セルを電子機器から(又はパッケージから)取り外すことなく電池特性情報を取得できるようにする。第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46は、電池セルと電子機器との間の電気的接触を妨げることなく電気情報を集積回路に供給する。更に、再使用可能電池インジケータ40は、何度も繰り返して再使用され得るように1つの電池セルから他の電池セルへ移動可能であり、それにより、消費者に対する全体のコストを低減する。
【0034】
ここで
図3及び
図4を参照すると、PCB42上に集積回路48が形成され、この集積回路48は、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46に通信可能に接続される埋め込み電圧センサ50を集積回路48内に含む。埋め込み電圧センサ50は、アンペア及び電圧などの電池セルのアナログ特性を感知し、感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換する。また、PCB42は通信回路52も含む。アンテナ54が通信回路52に作用的に結合される。通信回路52は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee(登録商標)回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの1つ以上を備えてもよい。一実施形態において、無線ブルートゥース低エネルギー電圧センサなどの集積回路は、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ、ブルートゥースラジオ、メモリデバイス、及び、DC/DC電圧変換器を組み込んでもよい。
【0035】
電圧ブースタ56が集積回路48及び埋め込み電圧センサ50に電気的に接続される。埋め込み電圧センサ50及び電圧ブースタ56は、例えば1.8ボルト未満であってもよい電池の開回路電圧を読み取ることができる。幾つかの実施形態において、通信回路52は、薄型ディスクBLEモジュール、UHFモジュール、又は、RFモジュールのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0036】
図3及び
図4に示される実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は全て、第1のコネクタ44及び第2のコネクタ46に接続されるPCB42上に形成される。しかしながら、他の実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は、互いに通信可能に且つ作用的に接続される別個の構成要素として形成されてもよい。
【0037】
図5A及び
図5Bに示される実施形態において、同様の要素には、
図1~
図4で番号付けされる要素よりも正確に100大きい番号が付される。例えば、
図1~
図4では電池セルに10の番号が付され、
図5A及び
図5Bでは電池セルに110の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0038】
ここで
図5A及び
図5Bを参照すると、第2の実施形態の再使用可能電池インジケータ140が電池セル110に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ140は、PCB142、第1のコネクタ144、及び、第2のコネクタ146を含む。
図5A及び
図5Bの電池セル110は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ140を図示の電池セル110に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ140は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0039】
図5A及び
図5Bに示される実施形態では、第1のコネクタ144及び第2のコネクタ146がそれぞれ可撓性ワイヤ160,162を備える。可撓性ワイヤ160,162は、プラス電池端子126及びマイナス電池端子124をそれぞれ捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB142上に形成される集積回路に伝えるバネワイヤとして(硬質延伸鉄及び非鉄バネ合金から)形成されてもよい。図示の実施形態において、可撓性ワイヤ160,162は、導電性を高めて接触抵抗を低減するとともに耐食性をもたらす事前ニッケルメッキ又は事後ニッケルメッキを伴うASTM A228ピアノ線から形成される。
【0040】
図5A及び
図5Bに示される実施形態において、可撓性ワイヤ160は、PCB142上のプラス端子168に接続される第1の端部166と、同様にPCB142上のプラス端子168に接続される第2の端部170とを含む。可撓性ワイヤ160は、第1の端部166から延びる第1の脚部172と、第2の端部170から延びる第2の脚部174とを含む。第1の脚部172及び第2の脚部174は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。第1の脚部172及び第2の脚部174は端部ループ176で互いに接続される。端部ループ176は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ176は、電池セル110のプラス端子126の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ160は、プラス電池端子126からPCB142上のプラス端子168へと至るプラス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ160は、可撓性ワイヤ160を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ160を
図5A及び
図5Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0041】
可撓性ワイヤ160と同様に、可撓性ワイヤ162も、PCB142上のマイナス端子180に接続される第1の端部178と、同様にPCB142上のマイナス端子180に接続される第2の端部182とを含む。可撓性ワイヤ162は、第1の端部178から延びる第1の脚部184と、第2の端部182から延びる第2の脚部186とを含む。第1の脚部184及び第2の脚部186は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。第1の脚部184及び第2の脚部186は端部ループ188で互いに接続される。端部ループ188は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ186は、電池セル110のマイナス端子124の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ162は、マイナス電池端子124からPCB142上のマイナス端子180へと至るマイナス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ162は、可撓性ワイヤ162を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ162を
図5A及び
図5Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0042】
第1の可撓性ワイヤ160の第1及び第2の脚部172,174と端部ループ176との間及び第2の可撓性ワイヤ162の第1及び第2の脚部184,186と端部ループ188との間の約90°の屈曲部は、再使用可能電池インジケータ140を電池セル110との電気的接続状態に維持する軸方向の力をもたらす。他の実施形態では、屈曲部がテーパ状のプラス端子に一致するように90°を超えてもよい。
【0043】
幾つかの実施形態では、第1の可撓性ワイヤ160とプラス端子126との間及び第2の可撓性ワイヤ162とマイナス端子124との間に更なる保持力をもたらすために、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性磁石を含んでもよく、或いは、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性の磁性材料から形成されてもよい。
【0044】
他の実施形態において、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上は、インピーダンスを測定するために、別個の電力端子及び検知端子を含むケルビン接続部として形成されてもよい。更に、別の実施形態において、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162は、単一の連続ワイヤとして形成される必要はなく、複数のワイヤ片、例えば端部ループにおいてわずかな距離だけ離間される2つのワイヤ片として形成されてもよい。
【0045】
図5A及び
図5Bの場合と同様に、
図6の実施形態において、同様の要素には、
図1~
図4で番号付けされる要素よりも正確に100大きい番号が付される。例えば、
図1~
図4では電池セルに10の番号が付され、
図6では電池セルに110の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0046】
ここで
図6を参照すると、第3の実施形態の再使用可能電池インジケータ140が電池セル110に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ140は、PCB142、第1のコネクタ144、及び、第2のコネクタ146を含む。
図6の電池セル110は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ140を図示の電池セル110に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ140は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0047】
図6に示される実施形態では、第1のコネクタ144及び第2のコネクタ146がそれぞれ可撓性ワイヤ160,162を備える。可撓性ワイヤ160,162は、プラス電池端子126及びマイナス電池端子124をそれぞれ捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB142上に形成される集積回路に伝えるバネワイヤとして形成されてもよい。
【0048】
図6の可撓性ワイヤ160,162は、
図6の可撓性ワイヤ160,162が単一の脚部のみを有することを除き、
図5A及び
図5Bの可撓性ワイヤと同様である。より具体的には、可撓性ワイヤ160は、PCB142上のプラス端子168に接続される第1の端部166を含む。可撓性ワイヤ160は、第1の端部166から延びる単一の脚部172を含む。単一の脚部172は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。単一の脚部172は第2の端部で端部ループ176を形成する。端部ループ176は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。また、端部ループは、プラス端子126の接触面の平面よりも下側に位置する。このようにすると、端部ループ176は、プラス端子126と接触する電子機器と干渉しない。端部ループ176は、電池セル110のプラス端子126の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ160は、プラス電池端子126からPCB142上のプラス端子168へと至るプラス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ160は、可撓性ワイヤ160を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ160を
図6に示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0049】
可撓性ワイヤ160と同様に、可撓性ワイヤ162は、PCB142上のマイナス端子180に接続される第1の端部178を含む。可撓性ワイヤ162は、第1の端部178から延びる単一の脚部184を含む。単一の脚部184は、電池セル110の長手方向軸Aと略平行に向けられる。単一の脚部184は第2の端部で端部ループ188を形成する。端部ループ188は、電池セル110の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。また、端部ループ188も、マイナス端子124の接触面の平面よりも下側に位置する。このようにすると、端部ループ188は、マイナス端子124と接触する電子機器と干渉しない。端部ループ188は、電池セル110のマイナス端子124の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤ162は、マイナス電池端子124からPCB142上のマイナス端子180へと至るマイナス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤ162は、可撓性ワイヤ162を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ140を必要に応じて電池セル110から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤ162を
図6に示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、第1の可撓性ワイヤ160とプラス端子126との間及び第2の可撓性ワイヤ162とマイナス端子124との間に更なる保持力をもたらすために、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性磁石を含んでもよく、或いは、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上が導電性の磁性材料から形成されてもよい。
【0051】
他の実施形態において、第1の可撓性ワイヤ160及び第2の可撓性ワイヤ162のうちの1つ以上は、インピーダンスを測定するために、別個の電力端子及び検知端子を含むケルビン接続部として形成されてもよい。
【0052】
図7A及び
図7Bに示される実施形態において、同様の要素には、
図1~
図4で番号付けされる要素よりも正確に200大きい番号が付される。例えば、
図1~
図4では電池セルに10の番号が付され、
図7A及び
図7Bでは電池セルに210の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0053】
ここで
図7A及び
図7Bを参照すると、第4の実施形態の再使用可能電池インジケータ240が電池セル210に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ240は、PCB242、第1のコネクタ244、及び、第2のコネクタ246を含む。
図6A及び
図6Bの電池セル210は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ240を図示の電池セル210に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ240は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0054】
図7A及び
図7Bに示される実施形態では、第1のコネクタ244及び第2のコネクタ246がそれぞれ板バネ260,262を備える。板バネ260,262は、プラス電池端子226及びマイナス電池端子224をそれぞれ捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB142上に形成される集積回路に伝える平面脚部として形成されてもよい。
【0055】
図7A及び
図7Bに示される実施形態において、板バネ260は、PCB242上のプラス端子268に接続される第1の端部266を含む。板バネ260は、第1の端部266から延びる第1の脚部272を含む。第1の脚部272は、略平面であり(又は電池セル210の外面の曲率を反映するように非常にわずかに湾曲され)、電池セル210の長手方向軸に対して略平行に向けられる。第1の脚部272は、第2の端部273付近で約90°曲がり、端部クリップ276を形成する。端部クリップ276は、電池セル210の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部クリップ276は、電池セル210のプラス端子226の外側円筒面を反映するように湾曲される凹状端部を含む。結果として、板バネ260は、プラス電池端子226からPCB242上のプラス端子268へと至るプラス電気経路を形成する。更に、板バネ260は、板バネ260を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ240を必要に応じて電池セル210から取り外すことができるようにしつつ、板バネ260を
図7A及び
図7Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0056】
板バネ260と同様に、板バネ262は、PCB242上のマイナス端子280に接続される第1の端部278を含む。板バネ262は、第1の端部278から延びる第1の脚部284を含む。第1の脚部284は、略平面であり(又は電池セル210の外面の曲率を反映するように非常にわずかに湾曲され)、電池セル210の長手方向軸に対して略平行に向けられる。第1の脚部284は、第2の端部285付近で約90°曲がり、端部クリップ288を形成する。端部クリップ288は、電池セル210の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部クリップ288は、電池セル210のマイナス端子224の外側円筒面を反映するように湾曲される凹状端部を含む。結果として、板バネ262は、マイナス電池端子224からPCB242上のマイナス端子280へと至るマイナス電気経路を形成する。更に、板バネ262は、板バネ262を使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ240を必要に応じて電池セル210から取り外すことができるようにしつつ、板バネ262を
図7A及び
図7Bに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0057】
第1の板バネ260の第1の脚部272と端部ループ276との間及び第2の板バネ262の第1の脚部184と端部ループ288との間の約90°の屈曲部は、再使用可能電池インジケータ240を電池セル210との電気的接続状態に維持する軸方向の力をもたらす。
【0058】
幾つかの実施形態において、第1の板バネ260及び第2の板バネ262のうちの1つ以上は、多層PCB242の1つの層として、PCB242のプラス端子268及びマイナス端子280にそれぞれ組み込まれてもよい。
【0059】
幾つかの実施形態において、再使用可能電池インジケータ240は、電池セル210の長手方向軸に対して略垂直な平面内で再使用可能電池インジケータ240から延びる保持クリップ291を含んでもよい。保持クリップ291は、電池セル210の外面の曲率を反映するように湾曲される2つの両側の脚部を含んでもよい。保持クリップ291は、再使用可能電池インジケータ240を電池セル210上に保持するための付加的な保持力をもたらす。
【0060】
図8A、
図8B及び
図9に示される実施形態において、同様の要素には、
図1~
図4で番号付けされる要素よりも正確に300大きい番号が付される。例えば、
図1~
図4では電池セルに10の番号が付され、
図8A、
図8B及び
図9では電池セルに310の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0061】
ここで、
図8A、
図8B及び
図9を参照すると、第5の実施形態の再使用可能電池インジケータ340が電池セル310に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ340は、PCB342、第1のコネクタ344、及び、第2のコネクタ346を含む。
図8A及び
図8Bの電池セル210は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ340を図示の電池セル310に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ340は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0062】
先の実施形態と同様に、
図8A、
図8B及び
図9に示される実施形態において、第1のコネクタ344及び第2のコネクタ346はそれぞれ第1及び第2の板バネ360,362を備える。第1及び第2の板バネ360,362は、以下の例外を伴って、
図7A及び
図7Bの第1及び第2の板バネ260,262と同様である。
【0063】
図8A、
図8B及び
図9に示される実施形態において、第1の板バネ360は、電池セル310の長手方向軸に対して略垂直な平面内で延びる保持クリップ391を含む。他の実施形態では、第2の板バネ362が同様の保持クリップを含んでもよい。保持クリップ391は、電池セル310の外面の曲率を反映するように湾曲される2つの両側の脚部を含んでもよい。保持クリップ391は、再使用可能電池インジケータ340を電池セル310上に保持するための付加的な保持力をもたらす。
【0064】
端部クリップを含む代わりに、第2の板バネ346は端部ループ388を含む。端部ループ388は、電池セル310の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある。端部ループ388は、マイナス電池端子324の外側円筒面を反映するように寸法付けられて形成される内側開口392を含む。結果として、第2の板バネ362は、マイナス電池端子324からPCB342上のマイナス端子へと至るマイナス電気経路を形成する。
【0065】
幾つかの実施形態において、端部ループ388は、円筒状電池セル310の一端に嵌合するように配置されるディスク形状の電圧センサを含んでもよい。
【0066】
ここで特に
図9を参照すると、端部ループ388は、端部ループ388から離れるようにPCB342に向かって延びる径方向カラー394を含んでもよい。径方向カラー394は、マイナスキャップ凹部396内に嵌合するように寸法付けられて形成される。径方向カラー394は、端部ループ388に加えて、マイナス端子位置及び接触力をもたらす。
【0067】
他の実施形態では、径方向カラーを伴う同様の端部ループが、プラス電池端子で接触するために第1の板バネに形成されてもよい。そのような実施形態では、径方向カラーがプラス電池端子に付加的な隙間をもたらしてもよく、この隙間には逆極性挿入ガードが存在する。
【0068】
端部ループ388及び径方向カラー394は、マイナスキャップ/プラス圧着溝を有する電池セルと協働する。
【0069】
ここで
図10を参照すると、第6の実施形態の再使用可能電池インジケータ440が示される。
図10の実施形態において、再使用可能電池インジケータは、ハウジング498、集積回路、電圧センサ、及び、ハウジング498内に装着されている通信回路を含む。
図10の実施形態において、ハウジング498は、長手方向に並んで配置される2つの円筒状の電池セル410間に嵌合するように寸法付けられて形成される。
図10に示される実施形態では、ハウジング498が三角柱の形状を成す断面を有する。より具体的には、ハウジング498は、凹状の第1の側面497と凹状の第2の側面499とを有する。他の実施形態において、ハウジング498は、三角柱により表される空隙内に嵌合する、長方形、台形、楕円形、半円形、及び、可変などの形状を有してもよい。
図10の実施形態において、再使用可能電池インジケータ440は、電池セル410間及び電子機器500の電池レセプタクル495内に装着される。
【0070】
ここで
図11を参照すると、第7の実施形態の再使用可能電池インジケータ540が示されて2つの電池セル510間に位置される。
図11の実施形態では、再使用可能電池インジケータ540が単一の凹面のみを有するハウジング598を含む。
【0071】
図12は別のハウジング形状を示す。この実施形態において、ハウジング698は、2つの円筒状の電池セル610により形成される空隙内に嵌合するように配置され、これらの電池セル610は、並んで配置されるとともに、電池セル610のそれぞれの長手方向軸が互いに平行になるように向けられる。
図12に示される実施形態において、ハウジング698は、以下の方程式によって定義される断面形状を有する。
A
v=(D
B
2-Π/4xD
B
2)/2、ここで
A
vはハウジング698の断面積であり、
D
Bは、1つの電池セル610の直径である。
【0072】
先の方程式によって定義される断面形状を有するハウジングは、電池セル間の使用可能空間を最大にする。例えば、先に定義された断面形状を有するハウジングは、(ハウジングの長さが電池セルの長さに等しいと仮定して)所定の電池サイズに関して以下のハウジング容積をもたらす。単4電池の場合には、ハウジングが526mm3の容積を有し、単3電池の場合には、ハウジングが1140mm3の容積を有する。
【0073】
ここで、
図13を参照すると、コンピューティングデバイス800が再使用可能電池インジケータ740内の通信回路に通信可能に接続される。コンピューティングデバイスは、再使用可能電池インジケータ740内のアンテナによって送信される無線信号を介して通信回路から情報を受信する。例えば、無線信号は、WiFi信号、ブルートゥース(登録商標)信号、RFID信号、又は、任意の他の無線信号のうちの1つ以上であってもよい。他の実施形態において、コンピューティングデバイス800及び再使用可能電池インジケータ740は、有線接続によって通信可能に接続されてもよい。
【0074】
コンピューティングデバイス800は、プロセッサ802及びメモリ804を含む。メモリ804は、プロセッサ802によって実行されるときに再使用可能電池インジケータ740からの無線通信信号をプロセッサ802に検出させるプロセッサ実行可能命令を記憶してもよい。幾つかの実施形態において、メモリ804は、製品としてプロセッサ実行可能命令が組み込まれた非一時的コンピュータ可読媒体を備えてもよい。また、プロセッサ実行可能命令により、プロセッサ802は、再使用可能電池インジケータ740を介して電池回路を遠隔制御するために無線信号を再使用可能電池インジケータ740に送り返してもよい。このようにして、プロセッサ802により、再使用可能電池インジケータ740は、電池特性データを決定するとともに、電池特性データをコンピューティングデバイス800上のディスプレイ806などのユーザインタフェースに送信してもよい。
【0075】
幾つかの実施形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0076】
他の実施形態において、プロセッサ実行可能命令は、プロセッサ802によって実行されると、プロセッサ802に、再使用可能電池インジケータ740と通信することによって、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0077】
ここで
図14A及び
図14Bを参照すると、更に他の実施形態の再使用可能電池インジケータ940が示される。再使用可能電池インジケータ940は第1のコネクタ944と第2のコネクタ946とを含む。第1のコネクタ944は電池910のマイナス端子924に接続し、また、第2のコネクタ946は電池910のプラス端子に接続する。第1のコネクタ944は、埋め込みワイヤ907を有する絶縁脚部905を含む。絶縁脚部905は、埋め込みワイヤ907が電池ハウジング918の圧着壁961と接触するのを防止する内側部909を含む。しかしながら、埋め込みワイヤ907は、埋め込みワイヤ907がマイナス端子924と電気的に接触することにより電気的接続が完成し得るように絶縁脚部905の径方向内側端部で露出される。
【0078】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わりに、別段に特定されなければ、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲との両方を意味するように意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するように意図される。
【0079】
任意の相互参照又は関連する特許又は出願、及び、この出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む本明細書中で引用される全ての文書は、明示的に排除され又は別段に制限されなければ、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる。いかなる文書の引用も、それが本明細書中に開示又は請求された任意の発明に対する先行技術であること或いはそれが単独で又は任意の他の1つ以上の引用文献との組合せで任意のそのような発明を教示、示唆、又は、開示することの承認ではない。更に、この文書中の用語の任意の意味又は定義が参照により組み入れられる文書中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する限りでは、この文書中のその用語に割り当てられた意味又は定義が支配するものとする。
【0080】
本発明の特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行なうことができる。したがって、この発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で網羅することを意図している。