(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】電極対を備えたエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20220905BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20220905BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019531461
(86)(22)【出願日】2017-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2017083386
(87)【国際公開番号】W WO2018114849
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ロベール ジャック
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-501107(JP,A)
【文献】特表2015-532136(JP,A)
【文献】中国実用新案第204579886(CN,U)
【文献】国際公開第2015/128665(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/10
A24F 40/51
A24F 40/53
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分であって、第二の部分と流体連通する第一の部分を含む、液体貯蔵部分と、
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分に隣接して、またはその中に配置される第一の電極対と、
前記液体貯蔵部分の前記第二の部分に隣接して、またはその中に配置される第二の電極対と、
制御システムであって、
前記第一の電極対間の電気量を測定し、
前記第二の電極対間の電気量を測定し、
前記第一の電極対間の前記電気量の測定値と前記第二の電極対間の前記電気量の測定値とに基づいて、前記液体貯蔵部分の配向を決定するように構成される、制御システムと、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記制御システムが、前記第一の電極対間の前記電気量の測定値と前記第二の電極対間の前記電気量の測定値との間の比較に基づいて、前記液体貯蔵部分の前記配向を決定するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記制御システムがさらに、前記第一の電極対間の前記電気量の測定値、前記第二の電極対間の前記電気量の測定値、および前記液体貯蔵部分の前記決定された配向に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持される前記液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記制御システムが、
前記液体貯蔵部分の前記決定された配向を一つ以上の基準配向値と比較し、
前記液体貯蔵部分の前記決定された配向が基準配向値と一致する場合に、前記第一の電極対間の前記電気量の測定値および前記第二の電極対間の前記電気量の測定値に基づいて、前記液体貯蔵部分内に保持される前記液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記液体貯蔵部分の前記配向の前記決定が、前記液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうかの決定と、前記液体貯蔵部分が水平な配向にないかどうかの決定とを含む、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分が長さを有し、前記第一の電極対が、実質的に前記液体貯蔵部分の前記第一の部分の長さに延在し、
前記液体貯蔵部分の前記第二の部分が、長さを有し、前記第二の電極対が、実質的に前記液体貯蔵部分の前記第二の部分の長さに延在する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分が、前記第一の部分の前記長さに沿って均一な断面を有し、
前記液体貯蔵部分の前記第二の部分が、前記第二の部分の前記長さに沿って均一な断面を有する、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分が前記液体貯蔵部分の第一の半分を含み、前記液体貯蔵部分の前記第二の部分が前記液体貯蔵部分の第二の半分を含む、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記第一の電極対が、前記液体貯蔵部分の前記第一の部分の少なくとも一部分が前記第一の電極対間に配置されるように配置される、
前記第二の電極対が、前記液体貯蔵部分の前記第二の部分の少なくとも一部分が前記第二の電極対間に配置されるように配置される、の少なくとも一つである、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記第一の電極対が相互嵌合された電極である、
前記第二の電極対が相互嵌合された電極である、の少なくとも一つである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記第一の電極対が第一のコンデンサーを形成し、前記第一の電極対間で測定される前記電気量が静電容量であり、前記第二の電極対が第二のコンデンサーを形成し、前記第二の電極対間で測定される前記電気量が静電容量である、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記システムが、
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分に隣接して、またはその中に配置される二つ以上の第一の電極対と、
前記液体貯蔵部分の前記第二の部分に隣接して、またはその中に配置される二つ以上の第二の電極対と、を備え、
前記制御システムが、
第一の電極対それぞれの間の電気量を測定し、
第二の電極対それぞれの間の電気量を測定し、
前記第一の電極対の間の前記電気量の測定値と前記第二の電極対間の前記電気量の測定値とに基づいて、前記液体貯蔵部分の前記配向を決定するように構成される、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記液体貯蔵部分を含むカートリッジと、
前記制御システムおよび前記カートリッジを受けるためのくぼみを備える主要ユニットと、を備え、
前記第一の電極対および前記第二の電極対が、前記カートリッジ内または前記主要ユニットの前記くぼみ内のいずれかに配置される、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
請求項13に記載されているエアロゾル発生システムのための主要ユニットであって、前記主要ユニットが、
カートリッジを受けるためのくぼみと、
前記カートリッジが前記くぼみ内に受けられた時に前記カートリッジの液体貯蔵部分の第一の部分が前記第一の電極対に隣接するように、前記くぼみの第一の部分に配置される前記第一の電極対と、
前記カートリッジが前記くぼみ内に受けられた時に前記カートリッジの前記液体貯部分の第二の部分が前記第二の電極対に隣接するように、前記くぼみの第二の部分に配置される前記第二の電極対と、
前記制御システムと、
を備える、
前記主要ユニット。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載されているエアロゾル発生システムのための制御システムであって、前記制御システムが、
第一の電極対間の電気量を測定し、
第二の電極対間の電気量を測定し、
前記第一の電極対間の前記電気量の測定値と前記第二の電極対間の前記電気量の測定値とに基づいて、液体貯蔵部分の前記配向を決定する
ように構成される、
前記制御システム。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載されているエアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、前記カートリッジが、
前記第一および第二の部分を有する前記液体貯蔵部分と、
前記液体貯蔵部分の前記第一の部分に隣接して、またはその中に配置される前記第一の電極対と、
前記液体貯蔵部分の前記第二の部分に隣接して、またはその中に配置される前記第二の電極対と、
を備える、
前記カートリッジ。
【請求項17】
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分であって、第二の部分と流体連通する第一の部分を含む液体貯蔵部分と、前記液体貯蔵部分の前記第一の部分に隣接して、またはその中に配置される第一の電極対と、前記液体貯蔵部分の第二の部分に隣接して、またはその中に配置される第二の電極対と、を備えるエアロゾル発生システムの液体貯蔵部分の配向を決定する方法であって、
前記第一の電極対間の電気量を測定し、
前記第二の電極対間の電気量を測定し、
前記第一の電極対間の前記電気量の測定値および前記第二の電極対間の前記電気量の測定値に基づいて、前記液体貯蔵部分の前記配向を決定することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に作動するエアロゾル発生システムおよび電気的に作動するエアロゾル発生システム用のカートリッジに関連する。
【背景技術】
【0002】
電気的に動作するエアロゾル発生システムは一般的に、霧状にされてエアロゾルを形成する液体エアロゾル形成基体を備える。電気的に作動するエアロゾル発生システムは、多くの場合、電源、液体エアロゾル形成基体の供給源を保持するための液体貯蔵部分、およびアトマイザーを備える。こうしたシステムで使用される一般的なタイプのアトマイザーは、液体エアロゾル形成基体に浸された細長い芯の周りに巻かれたヒーターワイヤーコイルを含む。こうしたシステムで使用される別の一般的なタイプのアトマイザーは、加熱メッシュを含む。
【0003】
液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムの使用時に消費され、多くの場合、液体貯蔵部分を再充填することによって、または液体貯蔵部分を含むカートリッジを取り替えることによってのいずれかでの取り替えを要求する。
【0004】
エアロゾル発生システムが、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の正確な決定をユーザーに提供することが望ましい。エアロゾル発生システムが、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を正確に監視することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様では、液体エアロゾル形成基体を保持するための、第二の部分と流体連通する第一の部分を含む液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分の第一の部分に隣接して、またはその中に配置される第一の電極対と、液体貯蔵部分の第二の部分に隣接して、またはその中に配置される第二の電極対と、制御システムと、を備える、エアロゾル発生システムが提供されている。制御システムは、第一の電極対間の電気量を測定し、第二の電極対間の電気量を測定し、そして、第一の電極対間の電気量の測定値および第二の電極対間の電気量の測定値に基づいて、液体貯蔵部分の配向を決定するように構成される。
【0006】
使用時、液体貯蔵部分が、液体エアロゾル形成基体で満たされても、液体エアロゾル形成基体が空でもないときは、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量および液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量は、液体貯蔵部分の配向で変化しうる。液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分が傾斜、または傾くと、重力の影響で液体貯蔵部分の第一の部分と第二の部分との間で移動しうる。液体エアロゾル形成基体のこうした液体貯蔵部分の第一の部分と第二の部分との間の移動は、液体貯蔵部分の第一および第二の部分の電気的特性を変化させうる。その結果、液体貯蔵部分が傾斜または傾くと、第一および第二の電極対間の電気量の測定値が変化しうる。こうして、本発明のエアロゾル発生システムの制御システムは、第一および第二の電極対からの電気量測定値を使用して液体貯蔵部分の配向を決定しうる。
【0007】
液体貯蔵部分の配向を決定するための手段を備えたエアロゾル発生システムを提供することは、いくつかの理由のために望ましい。特に、後でより詳細に記載するように、液体貯蔵部分が特定の配向にあるときに推定を行う場合に、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の推定の精度および信頼性が向上しうる。さらに、一部のエアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分が特定の配向、例えば、液体貯蔵部分が実質的に水平方向にあるときなどに、改善されたエアロゾルを発生しうる。これらのシステムでは、システムがエアロゾル発生に最適な配向にあるときをエアロゾル発生システムがユーザーに示すことが有益でありうる。
【0008】
液体貯蔵部分の一部分の電気量の測定値を使用して、配向に加えて液体貯蔵部分の複数のその他の態様を監視しうるため、液体貯蔵部分の異なる部分の電気的特性の測定値から液体貯蔵部分の配向を決定することは特に望ましい。液体貯蔵部分の電気的特性の測定値から決定されうる液体貯蔵部分のさらなる態様には、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の識別または真正、およびユーザーがエアロゾル発生システムで吸煙しているかどうかが含まれる。本発明の電極対は、エアロゾル発生システムが、加速度計などの、本システムに提供される別個の傾斜センサーを必要とすることなく、液体貯蔵部分の配向を決定することを可能にする。
【0009】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「配向」という用語は、液体貯蔵部分の傾き、傾斜または角度を記述するために使用される。液体貯蔵部分の決定される配向は、絶対値または相対値を含みうる。決定される配向は、度またはラジアンの値などの角度を含みうる。決定される配向は、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向または傾きにあるかどうかの表示を含む。決定される配向は、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向または傾きにないかどうかの表示を含みうる。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうか、また、液体貯蔵部分が水平な配向にないかどうかを決定するように構成されてもよい。一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が垂直な配向にあるかどうか、液体貯蔵部分が垂直な配向にあるかどうか、および液体貯蔵部分が水平な配向にも垂直な配向にもないかどうか決定するように構成されてもよい。
【0010】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「隣接して、またはその中に」という用語は、隣に、近くに、すぐ近くに、上に、内部に、および内側に、などの用語を含むことを意味する。例えば、液体貯蔵部分が壁を有する容器を備える場合、第一および第二の電極対は、それらが容器の壁の隣に、またはこれに近接して配置されるとき、それらが容器の壁の外表面に当接して、または接触するとき、それらが容器の壁の外表面に固定または塗布されるときそれらが壁の内部表面に固定または塗布されるとき、それらが容器の壁の一体型の部分を形成するとき、およびそれらが容器の内部または内側にあるときに、液体貯蔵部分に「隣接して、またはその中に」あるものとみなされる。
【0011】
第一の電極対は、第一の電極対が第一の部分の電気的特性を感知するように、液体貯蔵部分の第一の部分に対して配置されうる。別の形で表現すると、第一の電極対は、液体貯蔵部分の第一の部分に電気的に近接して配置されうる。第一の電極対は、第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量の変化の結果として生じうる、液体貯蔵部分の第一の部分の電気的特性の変化を感知するように配置されうる。
【0012】
同様に、第二の電極対は、第二の電極対が第二の部分の電気的特性を感知するように、液体貯蔵部分の第二の部分に対して配置されうる。言い換えると、第二の電極対は、液体貯蔵部分の第二の部分に電気的に近接して配置されうる。第二の電極対は、第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量の変化の結果として生じうる、液体貯蔵部分の第二の部分の電気的特性の変化を感知するように配置されうる。
【0013】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「電気量」という用語は、測定によって定量化されうる任意の電気的特性、パラメータまたは属性を記述するために使用される。例えば、適切な「電気量」は、電流、電圧、インピーダンス、静電容量および抵抗を含む。制御システムは、第一の電極対と第二の電極対との間のインピーダンス、静電容量および抵抗のうちの少なくとも一つを測定するように構成されうる。
【0014】
液体貯蔵部分は、電気的な負荷を含んでもよい。液体貯蔵部分は、抵抗負荷および容量負荷のうちの少なくとも一つを含んでもよい。有利なことに、抵抗負荷および容量負荷の電気量は、複雑な電子回路を必要とすることなく測定されうる。
【0015】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体と空気の両方を保持するように構成されうる。液体エアロゾル形成基体は、空気と実質的に異なる電気的特性を有しうる。液体貯蔵部分の第一の部分および第二の部分の電気的特性は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量および空気の量に依存しうる。液体貯蔵部分はまた、液体エアロゾル形成基体を保持するための一つ以上の担体材料と、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備えうる。液体エアロゾル形成基体、空気、担体材料およびハウジングは、異なる電気的特性を有しうる。
【0016】
液体貯蔵部分の電気的特性は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体と空気の比が変化するのにつれて使用中に変化しうる。液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされるときには、液体貯蔵部分は主に液体エアロゾル形成基体を保持しうる。使用時、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分から消費され、空気と置き換えられうる。液体貯蔵部分が空であるときには、液体貯蔵部分は主に空気を保持しうる。液体貯蔵部分が担体材料を含むときには、液体貯蔵部分は液体エアロゾル形成基体、空気および担体材料の組み合わせを保持しうる。液体貯蔵部分は、補充されて、液体貯蔵部分内の空気を液体エアロゾル形成基体と置き換えてもよい。
【0017】
一部の実施形態では、制御システムは、第一の電極対間で測定された電気量と第二の電極対間で測定された電気量との比較に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。例えば、制御システムは、第一の部分の測定された電気量と第二の部分の測定された電気量との比に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。別の実施例では、制御システムは、第一の部分の測定された電気量と第二の部分の測定された電気量との間の差に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。
【0018】
制御システムは、第一の電極対間で測定された電気量と制御システムに保存される一つ以上の第一の基準値との比較、および第二の電極対間で測定された電気量と制御システムに保存される一つ以上の第二の基準値との比較に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。制御システムは、これらの比較の組み合わせに基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。
【0019】
一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分の第一の部分が液体エアロゾル形成基体で満たされるときの第一の電極対間で測定される電気量に対応する第一の最大基準値と、液体貯蔵部分の第二の部分が液体エアロゾル形成基体で満たされるときの第二の電極対間で測定される電気量に対応する第二の最大基準値とを保存するように構成されてもよい。制御システムはまた、液体貯蔵部分の第一の部分の液体エアロゾル形成基体が空であるときの第一の電極対間で測定される電気量に対応する第一の最小基準値と、液体貯蔵部分の第二の部分の液体エアロゾル形成基体が空であるときの第二の電極対間で測定される電気量に対応する第二の最小基準値とを保存するように構成されてもよい。
【0020】
制御システムは、第一の電極対間で測定された電気量を第一の最大基準値および第一の最小基準値のうちの少なくとも一つと、および第二の電極対間で測定された電気量を第二の最大基準値および第二の最小基準値のうちの少なくとも一つと比較するように構成されてもよい。制御システムは、第一の電極対間で測定される電気量が第一の最大基準値に実質的に等しく、かつ第二の電極対間で測定される電気量が第二の最大基準値に実質的に等しいときに、液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされていると決定するように構成されうる。制御システムは、第一の電極対間で測定される電気量が第一の最小基準値に実質的に等しく、かつ第二の電極対間で測定される電気量が第二の最小基準値に実質的に等しいときに、液体貯蔵部分の液体エアロゾル形成基体が空であると決定するように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされているとき、または液体貯蔵部分の液体エアロゾル形成基体が空であるときは、第一および第二の電極対間の測定値から配向を決定することができない場合がある。
【0021】
一部の特定の実施形態では、液体貯蔵部分の第一の部分と第二の部分が実質的に同一であってもよい。同一の第一の部分および第二の部分は、共通の中心長軸方向軸に沿って端と端を接して配置されうる。言い換えると、第一の部分および第二の部分は、共通の中心長軸方向軸に対して垂直な、第一の部分と第二の部分との間の平面を中心に対称でありうる。長軸方向軸に垂直な平面を中心としたこの第一の部分と第二の部分との間の対称性により、システムが、共通の中心長軸方向軸が実質的に水平に配置されるように、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうかを判定することができる。これは、第一および第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量が、液体貯蔵部分が水平な配向にあるときに実質的に等しくありうるからである。
【0022】
これらの特定の実施形態では、第一の電極対および第二の電極対も実質的に同一であって、液体貯蔵部分のそれらのそれぞれの位置に対して同一の構成で配置されてもよい。そのため、第一の電極対および第二の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分の第一の部分および第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量が実質的に等しいときに実質的に等しくなりうる。
【0023】
従って、これらの特定の実施形態では、制御システムは、第一および第二の電極対間の測定値が実質的に等しいときに、液体貯蔵部分が水平の配向にあると決定するように構成されうる。
【0024】
また、第一および第二の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされている、または液体エアロゾル形成基体が空であるときに実質的に等しくてもよい。従って、制御システムは、第一および第二の電極対間で測定される電気量が、液体貯蔵部分が液体エアロゾル形成基体で満たされている、または液体エアロゾル形成基体が空であると示す場合には液体貯蔵部分の配向を決定しないように構成されてもよい。
【0025】
制御システムは、エアロゾル発生システムがオンに切り替えられた時に液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。制御システムは、所定の間隔で定期的に液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されうる。制御システムは、ユーザーが促した時に液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、制御システムは、第一の電極対間の電気量の測定値と第二の電極対間の電気量の測定値とに基づいて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。
【0027】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「量」という用語は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の質量、量または比率を記述するために使用される。液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の決定される量は、絶対値または相対値を含みうる。液体エアロゾル形成基体の決定される量は、リットル値などの容積を含みうる。液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の決定される量は、満たされた液体貯蔵部分を示す1または100%、また空の液体貯蔵部分を示す0または0%などの分率または割合を含みうる。
【0028】
一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向または傾きにあると決定されるときに液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。これは、第一および第二の電極対間で測定される電気量間の関係は、一つ以上の特定の配向または傾きに対してのみ既知となりうるからである。一つの実施例では、制御システムは、液体貯蔵部分が実質的に水平であると決定されるときに液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。別の実施例では、制御システムは、液体貯蔵部分が実質的に水平でも実質的に垂直でもないと決定されるときに、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。これにより、決定された量の値の精度および信頼性が向上しうる。
【0029】
特に、制御システムは、第一および第二の電極対間の電気量測定値を制御システムに保存された一つ以上の基準配向条件と比較するように構成されてもよい。一つ以上の基準配向条件は、液体貯蔵部分の一つ以上の特定の配向または傾きに対応しうる。例えば、一つの基準配向条件は、液体貯蔵部分が水平な配向にあることに対応し、別の基準配向条件は、液体貯蔵部分が垂直な配向にあることに対応しうる。制御システムはさらに、第一および第二の電極対間の電気量測定値が一つ以上の基準配向条件の一つ以上に一致する場合に、制御システムが第一の電極対間の電気量の測定値および第二の電極対間の電気量の測定値に基づいて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定しうるように構成されてもよい。
【0030】
制御システムに保存される一つ以上の基準配向条件は、例えば、
第一および第二の電極対間で測定される電気量が実質的に等しい、
第一および第二の電極対間で測定される電気量が最大基準値よりも小さく、かつ最大基準値よりも大きい、
一方の電極対間で測定される電気量が最大基準値または最小基準値に実質的に等しく、他方の電極対間で測定される電気量が最大基準値よりも実質的に大きい、または最小基準値よりも実質的に小さい、
第一および第二の電極対間で測定される電気量の少なくとも一方が所定の閾値よりも大きい、および、
第一および第二の電極対間で測定される電気量の組み合わせが、所定の閾値よりも大きいことを含みうる。
【0031】
基準条件それぞれは、液体貯蔵部分が特定または所望の配向にあることを示しうる。特定または所望の配向は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定が行われうる配向でありうる。適切な基準条件の選択は、液体貯蔵部分の第一および第二の部分の幾何学的形状および第一および第二の電極対の幾何学的形状に依存しうる。
【0032】
例えば、上述の特定の実施形態では、制御システムは、
第一の電極対間で測定された電気量を第一の最大基準電気量および第一の最小基準電気量の少なくとも一方と比較して、測定された電気量が第一の最小基準電気量よりも大きく、かつ第一の最大基準値よりも小さいかどうかを決定し、
第二の電極対間で測定された電気量を第二の最大基準電気量および第二の最小基準電気量の少なくとも一方と比較して、測定された電気量が第二の最小基準値よりも大きく、かつ第二の最大基準値よりも小さいかどうかを決定し、そして、
第一の電極対間で測定された電気量を第二の電極対間で測定された電気量と比較して、測定された電気量が実質的に等しいかどうかを決定するように構成されうる。
【0033】
測定された電気量と基準最大値および基準最小値との間の比較は、液体貯蔵部分がエアロゾル形成基体で満たされているか、液体エアロゾル形成基体が空であるかの表示を提供する。第一および第二の電極対間の測定された電気量間の比較は、液体貯蔵部分の配向の表示を提供する。この特定の実施形態では、液体貯蔵部分は、測定された電気量が実質的に等しいときに水平な配向にあるものと決定される。
【0034】
制御システムはさらに、第一の電極対間で測定された電気量が第一の最大基準電気量よりも小さく、かつ第一の最大基準電気量よりも大きい、第二の電極対間で測定された電気量が第二の最大電気量よりも小さく、かつ第二の最小基準電気量よりも大きい、および第一および第二の電気対間で測定される電気量が実質的に等しい場合に、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。言い換えると、制御システムは、液体貯蔵部分が、液体エアロゾル形成基体が空でもなく、液体エアロゾル形成基体で満たされてもいないとき、および液体貯蔵部分が水平な配向にあると決定されるときに、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されうる。
【0035】
一部の実施形態では、制御システムは、第一の電気対間の測定値に基づいて液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定し、第二の電気対間の測定値に基づいて液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。制御システムはさらに、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の決定された量と液体貯蔵部の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量とを組み合わせて、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の総量を決定するように構成されてもよい。
【0036】
一部の実施形態では、制御システムは、第一および第二の電極対間で測定された電気量を組み合わせることで液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。
【0037】
一部の特定の実施形態では、制御システムは、第一の電極対間で測定された電気量と第二の電極間で測定された電気量とを組み合わせ、組み合わせた電気量値に基づいて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。これらの特定の実施形態では、制御システムは、第一および第二の電極対が直列または並列に共に接続された電気的構成要素を形成するかのように、第一および第二の電極対間で測定された電気量を組み合わせるように構成されてもよい。例えば、制御システムは、第一の電極対を第一のコンデンサーとして、かつ第二の電極対を第二のコンデンサーとして扱い、第一のコンデンサーと第二のコンデンサーは共に並列で接続されているが、第一および第二のコンデンサーの測定された電気量を組み合わせるように構成されてもよい。
【0038】
別の特定の実施形態では、第一および第二の電極対は共に接続されてもよく、制御システムが第一および第二の電極対の両方の両端の組み合わせられた電気量を測定するように構成されてもよい。例えば、第一の電極対が第一のコンデンサーを形成し、第二の電極対が第二のコンデンサーを形成し、第一および第二のコンデンサーが並列で共に接続されてもよい。制御システムは、第一および第二のコンデンサーの組み合わせられた静電容量を測定するように構成されてもよい。
【0039】
第一および第二の電極対は、第一および第二の電極対が選択的に接続および切り離されうるように、一つ以上のスイッチを介して共に接続されうる。制御システムは、第一および第二の電極対が切り離されるときに、第一の電極対間の電気量および第二の電極対間の電気量を測定するように構成されうる。制御システムは、第一および第二の電極対が接続されるときに、第一および第二の電極対の両端の組み合わされた電気量を測定するように構成されうる。制御システムは、第一および第二の電極対間の一つ以上のスイッチを制御するように構成されうる。
【0040】
制御システムは、計算によって液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されうる。計算は、第一および第二の電極対間で測定された電気量情報を使用しうる。計算を用いて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することは、制御システムが、決定を行うのに履歴測定値を保存する、または取り出す必要がないため、有利でありうる。
【0041】
第一および第二の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量によって予測可能に変化しうる。第一の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量によって予測可能に変化しうる。第二の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量によって予測可能に変化しうる。一つの実施例では、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量は、第一の電極対間で制御システムによって測定される抵抗に実質的に反比例しうる。別の実施例では、液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量は、第二の電極対間で制御システムによって測定される静電容量に実質的に反比例しうる。
【0042】
制御システムは、比較によって液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されうる。比較を用いて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することは、制御システムが計算よりも早く比較を行えるため、有利でありうる。制御システムは、第一の電極対間で測定された電気量情報を制御システムに保存された基準電気量情報と比較するように構成されうる。制御システムはまた、第二の電極対間で測定された電気量情報を制御システムに保存された基準電気量情報と比較するように構成されうる。制御システムは、第一の電極対間と第二の電極対間で測定された電気量情報を組み合わせ、組み合わせられた電気量情報を制御システムに保存された基準電気量情報と比較するように構成されうる。
【0043】
基準電気量情報は、制御システムのメモリ内に保存されうる。基準電気量情報は、制御システムによって測定され、制御システムのメモリ内に保存される、電気量情報でありうる。基準電気量情報は、液体エアロゾル形成基体量情報に関連付けられてもよい。基準電気量情報と液体エアロゾル形成基体量情報との間のこの関連付けにより、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定が信頼できるものになりうる。
【0044】
基準電気量情報は、複数の基準電気量情報の範囲を含みうる。基準電気量情報の各範囲は、液体エアロゾル形成基体量に関連付けられてもよい。制御システムは、測定した電気量情報を保存された基準電気量情報の範囲と比較して、測定された電気量情報を保存された範囲に一致させるように構成されうる。
【0045】
基準電気量情報は、ルックアップテーブルに保存されてもよい。ルックアップテーブルは、保存された基準電気量情報と、保存された液体エアロゾル形成基体量情報とを含みうる。保持された基準電気量情報は、液体エアロゾル形成基体量情報に関連付けられてもよい。保存された液体エアロゾル形成基体量情報は、容積情報と分率充填情報のうち一つ以上を含みうる。
【0046】
一部の実施形態では、制御システムは、第一の電極対間の電気量の測定値、第二の電極対間の電気量の測定値、および決定された液体貯蔵部分の配向に基づいて、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。
【0047】
第一の電極対間で測定される電気量は、液体貯蔵部分の配向に応じて、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の所与の量に対して変化しうる。同様に、第二の電極対間で測定された電気量は、液体貯蔵部分の配向に応じて、液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の所与の量に対して変化しうる。したがって、制御システムは、液体エアロゾル形成基体の量が液体貯蔵部分内に保持されていると決定するときに、液体貯蔵部分の配向を考慮するように構成されうる。液体エアロゾル形成基体の量が計算によって決定される場合には、制御システムは、測定された電気量情報を正規化し、または決定された配向に基づいて数学関数によって測定した電気量情報を変換する、あるいは、決定された配向に基づいて測定された電気量情報にオフセット値を足すまたは測定された電気量情報からオフセット値を引くように構成されうる。液体エアロゾル形成基体の量が比較によって決定される場合には、制御システムは、保存された基準電気量情報を保存された基準配向情報に関連付けてもよい。制御システムは、決定された配向を基準配向情報と比較し、測定した電気量情報を一致した基準配向情報と関連付けられた基準電気量情報と比較するように構成されてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、制御システムは、エアロゾル発生システムがオンに切り替えられるときに液体貯蔵部内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。制御システムは、所定の間隔で定期的に液体エアロゾル形成基体内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。制御システムは、ユーザーが促した時に液体貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されてもよい。
【0049】
一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を受けるように配置されるエアロゾル発生手段を備えてもよい。これらの実施形態では概して、エアロゾル発生手段が液体エアロゾル形成基体によって一貫して湿らされるように、エアロゾル発生手段が特定のレートで液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分から受けることが望ましい。不十分な液体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生手段によって受容されるときにエアロゾル発生手段を起動させることは、エアロゾル発生手段を損傷しうる、望ましくない構成要素を含むエアロゾルの生成またはエアロゾル発生手段の望ましくない温度上昇につながりかねない。
【0050】
制御システムは、第一および第二の電極対の少なくとも一方からの測定された電気量情報を制御システムに保存された所定の閾値電気量情報と比較するように構成されてもよい。保存された所定の閾値電気量情報は、所定の閾値に関連付けられてもよい。制御システムは、比較が、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量が所定の閾値よりも少ないことを示すときに、エアロゾル発生手段の動作を防ぐように構成されうる。
【0051】
一部の実施形態では、制御システムは、決定された液体エアロゾル形成基体の量を所定の閾値と比較するように構成されてもよい。制御システムは、決定された液体エアロゾル形成基体の量が所定の閾値よりも少ないときにエアロゾル発生手段の動作を防ぐように構成されうる。
【0052】
測定された電気量情報が、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量が閾値よりも少ないことを示すときにエアロゾル発生手段の動作を防ぐことは、エアロゾル発生システムが意図された通りに機能するのに十分な液体エアロゾル形成基体が存在しないときにエアロゾル発生手段の動作を実質的に不能にし、または抑制しうる。これは、ユーザーの体験を向上させ、エアロゾル発生手段の寿命を延ばしうる。
【0053】
所定の閾値は、工場において、または最初の使用前にユーザーによって設定されうる。所定の閾値は、任意の適切な量としうる。例えば、所定の閾値は、液体貯蔵部分の容積の約1%~約15%の間、または約3%~約10%の間、または約5%でありうる。例えば、約2mlの液体エアロゾル形成基体を保持するように構成される液体貯蔵部分について、所定の閾値は、約0.1ml~約0.3mlの間でありうる。所定の閾値は、エアロゾル発生手段の断面積および液体貯蔵部分の容積に応じて変化しうる。例えば、エアロゾル発生手段は、ヒーターであってもよく、大きな断面積を有するヒーターは、所望の温度で動作するのに、小さな断面積を有するヒーターよりも多くの液体エアロゾル形成基体を必要としうる。したがって、大きなヒーターを有するエアロゾル発生システムは、小さなヒーターを有するエアロゾル発生システムよりも大きな最大閾値を有しうる。所定の閾値は、約0.1ml~10mlの間、または約0.5ml~約5mlの間、あるいは約0.5mlでありうる。
【0054】
制御システムは、任意の適切な方法でエアロゾル発生手段の動作を防ぐように構成されうる。制御システムは、制御信号をエアロゾル発生手段に送信して動作を防ぐように構成されてもよい。制御システムは、電力がエアロゾル発生手段に供給されるのを防ぐまたは抑制するように構成されてもよい。
【0055】
制御システムは、エアロゾル発生手段を不能にするように構成されてもよい。制御システムは、エアロゾル発生手段を可逆的に不能にするように構成されてもよい。制御システムは、決定された量が所定の閾値よりも大きい場合にエアロゾル発生手段を可能にするように構成されてもよい。制御システムは、エアロゾル発生手段を可逆的に不能にするように構成されてもよい。制御システムは、エアロゾル発生手段と電源との間の壊れやすい接続を損傷または破壊するように構成されてもよい。これは、エアロゾル発生手段を備えるエアロゾル発生システムの使い捨て可能なカートリッジおよび使い捨て可能なエアロゾル発生システムに関して、有利でありうる。
【0056】
一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分の配向の決定に基づいてエアロゾル発生手段の動作を可逆的に防ぐように構成されてもよい。これにより、エアロゾル発生システムが最適な条件下でのみエアロゾルを発生することを確実にしうる。
【0057】
一部の実施形態では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の決定された量および液体貯蔵部分の決定された配向に基づいて、エアロゾル発生手段の動作を防ぐように構成されてもよい。
【0058】
液体貯蔵部分は、適切な任意の形状およびサイズであってもよい。例えば、液体貯蔵部分は実質的に円形、楕円形、正方形、長方形または三角形の断面積を有してもよい。液体貯蔵部分は、実質的に管状または円筒形であってもよい。液体貯蔵部分は、長さおよび幅または直径を有してもよい。液体貯蔵部分の長さは、液体貯蔵部分の幅または直径よりも大きくてもよい。言い換えると、液体貯蔵部分は、細長くてもよい。液体貯蔵部分は、中心長軸方向軸を有してもよい。液体貯蔵部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って実質的に均一であってもよい。言い換えると、液体貯蔵部分の断面の形状およびサイズは、液体貯蔵部分の長さに沿って実質的に一定であってもよい。液体貯蔵部分は、中心長軸方向軸を中心に一度以上の回転対称角度を有してもよい。液体貯蔵部分は、環状であってもよく、中央通路を備えてもよい。中央通路は、中心長軸方向軸の方向に延びてもよい。
【0059】
液体貯蔵部分の第一の部分もまた、適切な任意の形状およびサイズであってもよい。例えば、第一の部分の断面の断面形状は、実質的に円形、楕円形、正方形、長方形または三角形であってもよい。第一の部分は実質的に管状または円筒形であってもよい。第一の部分は中心長軸方向軸を有してもよい。第一の部分の断面は、長軸方向軸に沿って実質的に均一でもよい。第一の部分の断面は、第一の部分の長さに沿って実質的に均一でありうる。第一の部分は環状であってもよい。第一の部分は、環状でもよく、中央通路を備えてもよい。
【0060】
液体貯蔵部分の第二の部分もまた、適切な任意の形状およびサイズであってもよい。例えば、第二の部分の断面の断面形状は、実質的に円形、楕円形、正方形、長方形または三角形であってもよい。第二の部分は実質的に管状または円筒形であってもよい。第二の部分は中心長軸方向軸を有してもよい。第二の部分の断面は、長軸方向軸に沿って実質的に均一でもよい。第二の部分の断面は、第二の部分の長さに沿って実質的に均一でありうる。第二の部分は環状であってもよい。第二の部分は、環状でもよく、中央通路を備えてもよい。
【0061】
液体貯蔵部分の第一および第二の部分は、重なっていなくてもよい。液体貯蔵部分の第一の部分および第二の部分は、端と端を接して配置されてもよい。液体貯蔵部分の第一および第二の部分は、共通軸を共有してもよい。液体貯蔵部分の第一および第二の部分は、共通の中心長軸方向軸を共有してもよい。
【0062】
一部の特定の実施形態では、液体貯蔵部分の第一の部分が液体貯蔵部分の第一の半分を含み、液体貯蔵部分の第二の部分が液体貯蔵部分の第二の半分を含む。
【0063】
一部のさらなる特定の実施形態では、液体貯蔵部分の第一の部分および液体貯蔵部分の第二の部分は、実質的に同一である。言い換えれば、第一および第二の部分の形状およびサイズは同一でありうる。
【0064】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を保持するように構成されたハウジングまたは容器を備えてもよい。容器は、第一の端、第二の端、および第一の端と第二の端との間に延びる一つ以上の側壁を備えうる。第一の端、第二の端、および側壁は、一体的に形成されてもよい。第一の端、第二の端、および側壁は、相互に取り付けられているまたは固定されている異なる要素でありうる。容器は剛直でありうる。本明細書で使用される場合、「剛直な容器」という用語は、自立型の容器を意味するのに使用される。容器は、一つ以上の可撓性の壁を備えうる。可撓性の壁は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の容積に適合するように構成されうる。容器は、任意の適切な材料から形成されてもよい。容器は、実質的に流体不透過性の材料から形成されてもよい。容器は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体が容器の透明または半透明な部分を通してユーザーに見えうるように、透明または半透明な部分を備えてもよい。
【0065】
一部の実施形態では、第一の電極対の電極は、液体貯蔵部分の第一の部分の少なくとも一部分が電極間に配置されるように配置されてもよい。第一の電極対の電極は、第一の部分の両側に配置されてもよい。液体貯蔵部分が、中央通路を有する環状の液体貯蔵部分である場合、第一の電極対の電極の一方は、第一の部分の外側に配置されてもよく、第一の電極対の他方は、第一の部分の内側に、中央通路に隣接して、またはその中に内に配置されてもよい。
【0066】
一部の実施形態では、第二の電極対の電極は、液体貯蔵部分の第二の部分の少なくとも一部分が電極間に配置されるように配置されてもよい。第二の電極対の電極は、第二の部分の両側に配置されてもよい。液体貯蔵部分が、中央通路を有する環状の液体貯蔵部分である場合、第二の電極対の電極の一方は、第二の部分の外側に配置されてもよく、第二の電極対の他方は、第二の部分の内側に、中央通路に隣接して、またはその中に配置されてもよい。
【0067】
一部の実施形態では、電極対の一方の電極が、液体貯蔵部分の一部分が電極間の間に配置されて配置される場合、電極対がコンデンサーを形成してもよく、電極間の液体エアロゾル形成基体の一部分がコンデンサーの誘電体を形成してもよい。電極対間の液体貯蔵部分の一部分の誘電体属性は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量によって変化しうる。
【0068】
一部の実施形態では、第一の電極対は、液体貯蔵部分の一部分が電極間に配置されることなく配置されてもよい。第一の電極対の電極は、液体貯蔵部分の同一の側に配置されてもよい。一部の実施形態では、第二の電極対の電極は、液体貯蔵部分の第二の部分の一部分が電極間に配置されることなく配置されてもよい。第二の電極対の電極は、液体貯蔵部分の第二の部分の同一の側に配置されてもよい。
【0069】
一部の実施形態では、第一および第二の電極対の一方の電極が、液体貯蔵部分の一部分が電極間に配置されることなく配置される場合、電極対が相互嵌合されたセンサーまたはインターデジタルセンサーを形成してもよい。相互嵌合されたセンサーは、フリンジ電界効果を使用して、センサーに隣接した媒体の電気的特性を感知しうる、インターデジタルセンサーまたは相互嵌合されたセンサーなどの、容量感知システムを形成しうる。
【0070】
相互嵌合されたセンサーは、相互嵌合された電極対を備える。相互嵌合された電極対の各電極は、複数の電気的に接続された突起部、突出部、またはフィンガーおよびフィンガー間の間隙または空間を含む。フィンガーは、主要なトラックまたは背部によって電気的に接続されうる。相互嵌合された電極のそれぞれのフィンガーおよび間隙は、規則的または周期的な配置で配置されてもよい。相互嵌合された電極対は、平面または表面上で配置されてもよく、電極のそれぞれのフィンガーは、他方の電極のフィンガー間の空間の中に延びてもよい。
【0071】
第一の電極対は、相互嵌合された電極でもよい。第一の電極対は、相互嵌合されたセンサーを形成してもよい。第二の電極対は、相互嵌合された電極でもよい。第二の電極対は、相互嵌合されたセンサーを形成してもよい。液体貯蔵部分が容器を備える場合、相互嵌合された電極の各対は、容器の表面上に配置されてもよい。相互嵌合された電極の各対は、プラットフォームの表面上に配置されてもよい。相互嵌合された電極の各対は、実質的に液体貯蔵部分を囲む可撓性のプラットフォーム上に提供されてもよい。
【0072】
相互嵌合された電極のそれぞれのフィンガーは、長さ、幅および厚さを有してもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーの長さは、フィンガーの幅および厚さよりも実質的に大きくてもよい。言い換えると、相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に細長くてもよい。相互嵌合された電極のそれぞれのフィンガーは、実質的に直線状でもよい。相互嵌合された電極のそれぞれのフィンガーは、実質的に一方向に延びてもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に非直線状でもよい。例えば、相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に湾曲または弓形であってもよい。
【0073】
相互嵌合された電極それぞれのフィンガーは、実質的に同一であってもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガー間の間隙は、実質的に同一であってもよい。相互嵌合された電極それぞれのフィンガーおよび間隙は、規則的な配置で、連続的なフィンガーそれぞれの間に規則的な間隔または間隙があるように、配置されてもよい。相互嵌合された電極それぞれの連続的なフィンガー間の距離は、空間波長λまたは電極のバンドギャップとも言及されうる。
【0074】
相互嵌合された電極対の一方は、振動電圧を供給される駆動電極であってもよい。他方の電極は、駆動電極によって発生するフリンジ電界を感知する感知電極であってもよい。駆動電極によって発生するフリンジ電界は、駆動電極のフィンガーの端における散在する電界に起因するフリンジ電界を含むが、これは、その上に相互嵌合された電極が配置される、平面または表面から、平面または表面に実質的に垂直な方向で延びる構成要素を含む。そのため、駆動回路によって発生するフリンジ電界は、電極の上または電極に隣接して配置される材料内に延びうる。別の表現をすると、本発明の液体貯蔵部分の一の側に配置された相互嵌合されたセンサーは、実質的に定期的な電位をその側の液体貯蔵部分に印加しうる。
【0075】
相互嵌合されたセンサー上またはこれに隣接して配置された材料の電気的特性は、駆動電極によって生成されるフリンジ電界に影響を与える場合がある。例えば、相互嵌合されたセンサー上またはこれに隣接して配置された材料の誘電率は、発生したフリンジ電界に影響を与えうる。従って、相互嵌合されたセンサーの感知電極は、電極の上またはこれに隣接して配置された材料の電気的特性の変化を感知しうる。
【0076】
相互嵌合されたセンサーがセンサーの一方の側のみに隣接する材料の電気的特性の変化に反応しうるように、プラットフォームまたは表面の一方の側の上に電気シールドが提供されてもよい。電気遮蔽は、電極の反対側の表面に提供されてもよい。電気シールドは、電極の反対側のプラットフォームの表面に提供されてもよい。電気シールドは、電極の反対側の表面の下またはその上に延びる導電性材料のシートまたはメッシュを含んでもよい。導電性材料のシートまたはメッシュは、接地されてもよい。シートまたはメッシュは、相互嵌合された電極に電気的に接続された電圧フォロワに電気接続されてもよい。この配置により、シールドによって生じる寄生静電容量を実質的に除去することができ、これにより相互嵌合されたセンサーの感度を向上させうる。
【0077】
適切な相互嵌合されたセンサーは、DropSens(商標)製のタイプDRP-G-IDEPT10でありうる。
【0078】
駆動電極によって生じるフリンジ電界の、センサーの上またはこれに隣接して配置される材料内への貫入深さは概して、駆動電極および感知電極に隣接するフィンガー間の距離に比例する。言い換えると、生成されるフリンジ電界の貫通深さは、相互嵌合された電極のバンドギャップ(λ)に比例する。貫通深さは、振動する駆動信号の周波数とは独立している。
【0079】
一般に、相互嵌合された電極のバンドギャップλが増えるのにつれて、生成されたフリンジ電界の貫通深さが増大する。典型的には、貫通深さはバンドギャップの三分の一であることが分かっている。液体エアロゾル形成基体の有無を効率的に感知するためには、液体貯蔵部分への最小の貫通深さを達成することが必要でありうる。
【0080】
発生したフリンジ電界の液体貯蔵部分への適切な貫通深さの一例は、約1mmでありうる。電極は、液体貯蔵部分の側壁の外表面に配置されてもよい。側壁の厚さは、約1mmでありうる。この場合、約2mmの貫通深さが必要でありうるが、これは、約6mmのバンドギャップλに対応する。その他の場合において、液体貯蔵部分の側壁およびその上に電極が取り付けられるプラットフォームは、電極と液体貯蔵部分との間に配置されうる。側壁とプラットフォームの組み合わせられた厚さは、約2mmでありうる。この場合、3mmの貫通深さが必要でありうるが、これは、約9mmのバンドギャップλに対応する。電極のバンドギャップλは、約0.5mm~約15mmの間、または約1mm~約12mmの間、または約2mm~約10mmの間でありうる。
【0081】
相互嵌合された電極によって発生するフリンジ電界の比較的小さな貫通深さは概して、液体貯蔵部分に隣接する相互嵌合された電極が液体貯蔵部分の表面または壁における液体エアロゾル形成基体の有無のみを感知する傾向があることを意味する。これは、それらの間に配置された液体貯蔵部分の一部分の平均的な電気的特性を感知する、液体貯蔵部分の一部分がその間に配置される液体貯蔵部分の両側に配置された電極対とは異なる。その結果、液体貯蔵部分に隣接して配置された相互嵌合された電極からの測定値は、液体エアロゾル形成基体で湿らされた液体貯蔵部分の表面の割合または分率を示す傾向がある。所与の量の液体エアロゾル形成基体および所与の液体エアロゾル形成基体の配向について、液体エアロゾル形成基体で被覆された側壁の表面の割合または分率は、液体貯蔵部分の形状に依存する。これらの実施形態では、液体貯蔵部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って均一であることが好ましい。特定の実施形態では、液体貯蔵部分は、実質的に円筒形であってもよい。
【0082】
一般に、相互嵌合された電極対に提供されるフィンガーの数が増えるのにつれて、相互嵌合されたセンサーの感度が増大する。したがって、所与のサイズの液体貯蔵部分について、電極のバンドギャップが小さくなるほど、より多くの数のフィンガーが電極それぞれの上に提供され、センサーの感度がより増大する。
【0083】
本発明では、液体貯蔵部分内に達するのに十分な貫通深さを有するフリンジ電界を発生するために、相互嵌合された電極は、最小バンドギャップに等しいか、またはこれより大きいバンドギャップを有する必要がありうる。そのため、本発明では、電極それぞれの上に提供されるフィンガーの数がバンドギャップのサイズよりも減少するために、液体貯蔵部分のサイズが小さくなるにつれて、相互嵌合されたセンサーの感度が減少する傾向がある。ただし、液体貯蔵部分の一部分が電極間に配置される液体貯蔵部分の両側に配置される電極対の感度は、液体貯蔵部分のサイズが増大するのにつれて増大しうる。これは、電極間の距離が減少するのにつれて、電極間の材料の電気的特性の変化に対する電極の感度が増大しうるからである。したがって、本発明では、液体貯蔵部分のサイズは、最も適切なタイプのセンサーを決定しうる。一般に、相互嵌合されたセンサーは、大きな液体貯蔵部分を有するシステムにより適切であり、液体貯蔵部分の一部分が電極間に配置される電極は、小さな液体貯蔵部分を有するシステムにより適切でありうる。
【0084】
電極対それぞれの電極は一般的に互いに間隙を介している、または分離されている。この間隔または分離は、電極対の電極間の直接的な電気接点を実質的に防ぎうる。電極間の間隔、分離または間隙は、電極の長さに沿って一貫していてもよい。
【0085】
電極対が液体貯蔵部分の両側に配置される場合、電極間の間隔は、およそ液体貯蔵部分の幅としうる。例えば、この場合、電極対の電極間の間隔は、約0.5mm~約3mmの間、または約0.5mm~約2mmの間、または約0.5mm~約1.5mmでありうる。
【0086】
一対の電極が液体貯蔵部分の両側に配置されていない場合、電極間の間隔は小さくてもよい。例えば、この場合には、電極対の電極間の間隔は、約25μm~約500μmの間、または約25μm~約200μmの間、または約25μm~約100μmの間でありうる。
【0087】
第一および第二の対の電極対は、適切な任意のタイプの電極であってもよい。例えば、適切なタイプの電極は、プレート電極およびトラック電極を含む。第一の電極対の各電極は、同じタイプの電極であっても、異なるタイプの電極であってもよい。第二の電極対の各電極は、同じタイプの電極であっても、異なるタイプの電極であってもよい。
【0088】
電極は、適切な任意の形状としうる。例えば、電極は、正方形、長方形、曲線、弓形、環状、渦巻形状またはらせん状でありうる。電極は、実質的に直線状、非直線状、平面状、または非平面状の一つ以上のセクションを含みうる。電極は剛直であってもよい。剛直性により、電極がその形状および互いからの間隔を維持することを可能にしうる。電極は可撓性であってもよい。可撓性により、電極が液体貯蔵部分の形状に適合することを可能にしうる。電極は、液体貯蔵部分のハウジングの形状に適合するように構成されてもよい。
【0089】
電極は、長さ、幅、および厚さを有してもよい。電極の長さは、電極の幅よりも実質的に大きくてもよい。言い換えれば、電極は細長くてもよい。電極の厚さは、電極の長さおよび幅よりも実質的に小さくてもよい。言い換えれば、電極は薄くてもよい。薄い電極および細長い電極は、容積比に対して大きい表面積を有しうるが、これは電気量測定の感度を向上させうる。
【0090】
電極は適切な任意の材料を含みうる。電極は適切な任意の導電性材料を含んでもよい。適切な導電性材料は、金属、合金、導電性のセラミックおよび導電性のポリマーを含む。本発明に関連して本明細書で使用される場合、導電性材料は、20°Cで、約1x10-5Ωm未満、一般的には約1x10-5Ωm~約1x10-9Ωmの体積抵抗率を有する材料を意味する。導電性材料は、特に、銅、金およびプラチナのうちの少なくとも一つを含んでもよい。導電性材料は、電極が液体貯蔵部分上に印刷されるときに導電性インクを含んでもよい。適切な導電性インクは、銀を含んで導電性を提供しうる。電極は不活性化層で被覆されてもよい。電極は、液体エアロゾル形成基体と反応または液体エアロゾル形成基体を汚染しないように、十分に非反応性の材料を含む、または十分に非反応性の材料に被覆されてもよい。電極は、透明の、または半透明の材料を含んでもよい。例えば、適切な透明な材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)でありうる。
【0091】
第一の電極対の電極は実質的に同一であってもよい。第二の電極対の電極は、実質的に同一であってもよい。第一の電極対は、第二の電極対と実質的に同一であってもよい。電極のすべてが実質的に同一であってもよい。
【0092】
第一の電極対は、液体貯蔵部分の第一の部分に対して適切な任意の位置に配置されうる。第二の電極対は、液体貯蔵部分の第二の部分に対して適切な任意の位置に配置されうる。第一の電極対および第二の電極対は重ならなくてもよい。液体貯蔵部分の第一および第二の部分が共通の中心長軸方向軸に沿って端と端を接して配置される場合、第一および第二の電極対は、共通の中心長軸方向軸に沿って重ならなくてもよい。
【0093】
第一の電極対は、液体貯蔵部分の第一の部分の長さの方向に実質的に延びてもよい。第一の電極対は、液体貯蔵部分の第一の部分の実質的に長さに延びてもよい。液体貯蔵部分の第一の部分が液体貯蔵部分の第一の半分を含む場合、第一の電極対は、液体貯蔵部分の長さの実質的に半分に延びてもよい。第一の電極対は、第一の部分の一の側に配置されてもよい。第一の電極対は、第一の部分の二つ以上の側に配置されてもよい。第一の電極対は、第一の部分を実質的に囲みうる。第一の電極対が第一の部分を実質的に囲み、実質的に第一の部分の長さに延びる場合、第一の電極対は、第一の部分を実質的に囲む管状のスリーブを形成しうる。
【0094】
第二の電極対は、液体貯蔵部分の第二の部分の長さの方向に実質的に延びてもよい。第二の電極対は、液体貯蔵部分の第二の部分の実質的に長さに延びてもよい。液体貯蔵部分の第二の部分が液体貯蔵部分の第二の半分を含む場合、第二の電極対は、液体貯蔵部分の長さの実質的に半分に延びてもよい。第二の電極対は、第二の部分の一の側に配置されてもよい。第二の電極対は、第二の部分の二つ以上の側に配置されてもよい。第二の電極対は、第二の部分を実質的に囲みうる。第二の電極対が第二の部分を実質的に囲み、実質的に第二の部分の長さに延びる場合、第二の電極対は、第二の部分を実質的に囲む管状のスリーブを形成しうる。
【0095】
第一および第二の電極対の一つ以上が、液体貯蔵部分内に配置されてもよい。電極の一つ以上は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体と直接的に接触して配置されてもよい。担体材料が液体貯蔵部分に提供される場合、一つ以上の電極が担体材料と直接的に接触して配置されてもよい。一つ以上の第一の電極対が液体貯蔵部分の第一の部分に配置されてもよい。一つ以上の第二の電極対が液体貯蔵部分の第二の部分に配置されてもよい。電極が液体貯蔵部分の内側に、または電極が液体または湿気と遭遇する可能性がある任意の位置に配置される場合、電極は、疎水性材料の被覆によるなど、液体または湿気から保護または遮蔽されうる。
【0096】
液体貯蔵部分が液体貯蔵部分を保持するための容器を含む場合、一つ以上の電極が、容器にまたは容器上に配置されうる。一つ以上の電極が容器の外表面上に提供されてもよい。一つ以上の電極は、容器の内部表面上に提供されてもよい。電極は容器の一体型の部分を形成しうる。
【0097】
一つ以上の電極はプラットフォーム上に配置されてもよい。電極それぞれは、別個のプラットフォーム上に配置されてもよい。第一の電極対は、第一のプラットフォーム上に配置されてもよい。第二の電極対は、第二のプラットフォーム上に配置されてもよい。第一および第二の電極対は、同一のプラットフォーム上に配置されてもよい。
【0098】
一つ以上のプラットフォームは、液体貯蔵部分の一つ以上の側に配置されてもよい。一つ以上のプラットフォームは、液体貯蔵部分を実質的に囲んでもよい。液体貯蔵部分が容器を含む場合、一つ以上のプラットフォームは容器にまたは容器上に提供されうる。一つ以上のプラットフォームは、容器の一つ以上の側に配置されてもよい。一つ以上のプラットフォームは、容器を実質的に囲みうる。一つ以上のプラットフォームは、容器から分離していてもよい。一つ以上のプラットフォームは、容器に固定されていてもよい。一つ以上のプラットフォームは、容器と一体的に形成されてもよい。一つ以上のプラットフォームは、容器と同じ材料を含んでもよい。一つ以上のプラットフォームは、容器と異なる材料を含んでもよい。
【0099】
一つ以上のプラットフォームは剛直であってもよい。一つ以上のプラットフォームは可撓性であってもよい。一つ以上の可撓性のプラットフォームは、液体貯蔵部分の二つ以上の側の周りに曲げられてもよい。一つ以上の可撓性のプラットフォームは、液体貯蔵部分を実質的に囲んでもよい。
【0100】
一つ以上のプラットフォームは電気絶縁材料で形成されてもよい。一つ以上のプラットフォームは、適切な任意の電気絶縁材料を含んでもよい。例えば、適切な電気絶縁材料は、ガラス、プラスチックおよびセラミック材料を含む。特に適切な材料は、ポリイミドおよびポリエステルを含む。本発明に関連して本明細書で使用される場合、電気絶縁材料は、20°Cで、約1×106Ωmを超える、一般的には約1×109Ωm~約1×1021Ωmの容積抵抗率を有する材料を意味する。
【0101】
一部の実施形態では、一つ以上のプラットフォームは疎水性材料から作製されてもよい。プラットフォームは疎水性被覆で被覆されてもよい。
【0102】
一つ以上のプラットフォームはプリント回路基板であってもよい。電極は、一つ以上のプリント回路ボードの表面上に印刷された導電性トラックを備えてもよい。一つ以上のプリント回路基板は、可撓性のプリント回路基板であってもよい。
【0103】
電極は、容器またはプラットフォームの表面に塗布されてもよい。電極は、印刷、被覆および噴霧によってなど、適切な任意の適切な手段によって、容器またはプラットフォームの表面に塗布されてもよい。電極は、容器またはプラットフォームの表面に固定されてもよい。電極は、接着剤によってなど、適切な任意の手段によって容器またはプラットフォームの表面に固定されてもよい。電極は、容器またはプラットフォーム内でエッチング加工されてもよい。
【0104】
エアロゾル発生システムは、一つ以上の第一の電極対および一つ以上の第二の電極対を提供されうる。一部の実施形態では、システムは、液体貯蔵部分の第一の部分に隣接して、またはその中に配置される二つ以上の第一の電極対と、液体貯蔵部分の第二の部分に隣接して、またはその中に配置される二つ以上の第二の電極対とを備える。これらの実施形態では、制御システムは、第一の電極対それぞれの間の電気量を測定し、第二の電極対それぞれの間の電気量を測定し、そして、第一の電極対間の電気量の測定値および第二の電極対間の電気量の測定値に基づいて、液体貯蔵部分の配向を決定するように構成されうる。
【0105】
システムに一つ以上の第一の電極対および一つ以上の第二の電極対を提供することにより、液体貯蔵部分の配向の決定の精度を向上させうる。システムに一つ以上の第一および第二の電極対を提供することにより、システムが、液体貯蔵部分が一つ以上の特定の配向にあるかどうかを決定することが可能になりうる。例えば、制御システムは、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうか、および液体貯蔵部分が垂直な配向にあるかどうかを決定するように構成されうる。
【0106】
制御システムは、電気回路を備えてもよい。電気回路は、プログラム可能マイクロプロセッサであってもよい、マイクロプロセッサを備えてもよい。電気回路は、さらなる電子部品を備えてもよい。電気回路は、第一の電極対および第二の電極対に印加される電圧を調節または制御するように構成されてもよい。
【0107】
制御システムは、第一の電極対および第二の電極対の少なくとも一方に印加される電圧を制御または調節するように構成されてもよい。制御システムは、エアロゾル発生手段への電力供給を制御または調節するように構成されてもよい。
【0108】
電圧は、第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに連続的に印加されてもよい。電圧は、システムの起動に続いて、第一の電極対および第二の電極対に印加されてもよい。電圧は、電流パルスの形態で、第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに印加されてもよい。電圧は、毎回の吸煙ごとなど断続的に第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに印加されてもよい。
【0109】
制御システムは、振動する測定信号を第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに供給するように構成されてもよい。言い換えると、制御システムは、交流電圧を、第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに印加するように構成されてもよい。制御システムは、所定の周波数で第一の電極対の少なくとも一つおよび第二の電極対の少なくとも一つに振動する測定信号を供給するように構成されてもよい。所定の周波数は、制御システムが第一の電極対間の電気量および第二の電極対間の電気量を測定するのに適切な任意の周波数としうる。所定の周波数は、約20MHz以下、または約10MHz以下としうる。所定の周波数は、約10kHz~約10kHzの間、または約10kHz~約1kHzの間、または約100kHz~約1kHzの間としうる。制御システムは、第一および第二の電極対に同一の振動する測定信号を供給するように構成されてもよい。制御システムは、第一および第二の電極対に異なる振動する測定信号を供給するように構成されてもよい。
【0110】
液体エアロゾル形成基体は、異なる電気的特性を有する異なる組成を含んでもよい。制御システムは、第一および第二の電極対間の電気量測定値に基づいて液体貯蔵部分に保持される液体エアロゾル形成基体を識別するように構成されてもよい。制御システムは、決定された識別に基づいて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定を調整するように構成されてもよい。言い換えると、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の組成を補正するように構成されうる。
【0111】
制御システムは、第一および第二の電極対間の電気量を測定するための適切な任意の手段を備えてもよい。適切な手段は、一つ以上のRCインテグレータ、一つ以上のブリッジ回路、一つ以上の発振器、および増幅器を活用する一つ以上のスイッチングコンデンサー回路を含んでもよい。これらのスイッチングコンデンサー回路は増幅モードまたは積分モードで構成されてもよい。
【0112】
測定される電気量は、適切な任意の電気量であってもよい。例えば、測定される電気量は、電圧、電流、インピーダンス、抵抗および静電容量のうちの一つ以上であってもよい。特定の実施形態では、測定される電気量は静電容量であってもよい。
【0113】
制御システムによって測定される電気量は、静電容量でありうる。液体エアロゾル形成基体が誘電体材料を含む場合に、静電容量の変化が特に明白でありうる。
【0114】
第一の電極対間の静電容量は、液体貯蔵部分の第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量に依存しうる。第二の電極対間の静電容量は、液体貯蔵部分の第二の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量に依存しうる。
【0115】
例えば、第一の電極対がコンデンサーを形成し、液体エアロゾル形成基体の第一の部分がコンデンサーの誘電体を形成してもよい。第一の部分が容量負荷を含んでもよく、第一の部分の誘電率は、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量に依存しうる。第一の部分に保持される液体エアロゾル形成基体の量が減少するにつれて、第一の電極対間の静電容量が減少しうる。第一の部分の容量負荷は、ピコファラド(pF)範囲における静電容量を有してもよい。これにより、コンデンサーの高速な充電および放電時間が可能となり、コンデンサーの高速な測定が可能となりうる。同一の配置および構成は、第二の電極対および液体貯蔵部分の第二の部分に適用しうる。
【0116】
静電容量は測定されてもよい。例えば、制御システムは、第一および第二の電極対によって形成されるコンデンサーの充電および放電時間を測定するための手段を備えてもよい。制御システムは、555タイマ回路などのタイマ回路またはその振動周波数が静電容量に依存する任意の電子回路を備えてもよく、タイマ回路出力の周波数に基づいて静電容量を決定するように構成されてもよい。
【0117】
静電容量は計算されてもよい。例えば、静電容量は電圧および電流の大きさおよび電圧および電流の位相差の測定値から計算されうる。静電容量は、インピーダンスの測定値から計算されてもよい。液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量は、測定または計算された静電容量から計算されてもよい。
【0118】
液体貯蔵部分の配向は、測定されたまたは計算された静電容量から決定されうる。液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体の量は、測定または計算された静電容量から決定されうる。
【0119】
液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に保持されているエアロゾル形成基体を含んでもよい。本発明に関連して本明細書で使用される場合、エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力のある基体である。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されうる。揮発性化合物は振動可能な要素の通路を通してエアロゾル形成基体を移動させることで放出されうる。
【0120】
液体エアロゾル形成基体は液体であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、室温において液体であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体の構成要素および固体の構成要素の両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体を含むニコチンは、ニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0121】
液体エアロゾル形成基体は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進し、システムの使用温度で熱分解に対して実質的に耐性がある、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物とすることができる。適切なエアロゾル形成体の例には、グリセリンおよびプロピレンが含まれる。適切なエアロゾル形成体は当業界で公知であり、限定されるものではないが、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなどの多価アルコール、グリセロールモノアセタート、ジアセタート、またはトリアセタートなどの多価アルコールのエステル、およびドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどのモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステルが含まれる。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然または人工の風味を含みうる。
【0122】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は約0.5%~約10%の間、例えば約2%のニコチン濃度を有してもよい。
【0123】
液体エアロゾル形成基体は、それぞれが別個の誘電率(εr)を有する、誘電体材料の混合物を含んでもよい。約20°Cの室温での液体エアロゾル形成基体の主要成分は、グリセリン(εr~42)、プロピレングリコール(εr~32)、水(εr~80)、空気(εr~1)、ニコチンおよび風味剤を含みうる。液体エアロゾル形成基体が誘電体材料を形成する場合、制御システムによって測定される電気量は静電容量でありうる。
【0124】
液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を保持するための担体材料を備えてもよい。液体貯蔵部分が容器を備える場合、担体材料は容器内に配置されうる。液体エアロゾル形成基体は、担体材料に吸着、またはその他の方法で装填されてもよい。担体材料は、任意の適切な吸収体の材料、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維またはセラミックで作成しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムを使用する前に、担体材料内に保持されてもよい。エアロゾル形成基体は、使用時に、担体材料内に放出されうる。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供されてもよい。
【0125】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を備えてもよい。エアロゾル発生手段は、液体貯蔵部分からエアロゾル形成基体を受けるように配置されてもよい。エアロゾル発生手段は、アトマイザーであってもよい。エアロゾル発生手段は、熱を使用して受けられたエアロゾル形成基体を霧状にするように構成されてもよい。エアロゾル発生手段は、受けられた液体エアロゾル形成基体を霧状にするための加熱手段を備えてもよい。エアロゾル発生手段は、超音波振動を使用して受けられたエアロゾル形成基体を霧状にするように構成されてもよい。エアロゾル発生手段は、超音波変換器を含んでもよい。
【0126】
エアロゾル発生手段は一つ以上のエアロゾル発生要素を含んでもよい。一つ以上のエアロゾル発生要素は、発熱体であってもよい。一つ以上のエアロゾル発生要素は、一つ以上の振動可能な要素を含んでもよい。
【0127】
エアロゾル発生手段は、エアロゾル形成基体を加熱するよう構成された加熱手段を備えてもよい。加熱手段は、適切な任意の加熱手段であってもよい。加熱手段は、一つ以上の発熱体を備えてもよい。一つ以上の発熱体は、主に伝導によって液体を加熱するように配置されうる。一つ以上の発熱体は、エアロゾル形成基体と実質的に直接接触して配置されてもよい。一つ以上の発熱体は、一つ以上の熱伝導性要素によってエアロゾル形成基体に熱を伝達するように配置されてもよい。一つ以上の発熱体は使用時に、エアロゾル発生システムを通して引き出された周囲空気に熱を伝達するように配置されてもよく、これにより対流によってエアロゾル形成基体を加熱しうる。一つ以上の発熱体は、周囲空気がエアロゾル形成基体を通して引き出される前に、周囲空気を加熱するように配置されてもよい。一つ以上の発熱体は、周囲空気がエアロゾル形成基体を通して引き出された後に、周囲空気を加熱するように配置されてもよい。
【0128】
加熱手段は、電気加熱手段または電気ヒーターであってもよい。電気ヒーターは、一つ以上の電気発熱体を備えてもよい。一つ以上の電気発熱体は、電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料は、添加セラミックなどの半導体、電気的に「伝導性」のセラミック(例えば、ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料を含みうる。一つ以上の電気発熱体は、適切な任意の形態をとりうる。例えば、一つ以上の電気発熱体は、加熱ブレード、一つ以上の加熱用の針またはロッド、一つ以上の加熱ワイヤーまたはフィラメントの形態をとりうる。一つ以上の発熱体は、一つ以上の可撓性シートの材料を含みうる。一つ以上の発熱体は、剛直な担体材料内にまたは剛直な担体材料上に付着していてもよい。
【0129】
加熱手段は、誘導加熱手段を含んでもよい。誘導加熱手段は、カートリッジに関して以下でより詳細に説明される。加熱手段は、一つ以上のヒートシンクまたは蓄熱体を含んでもよい。加熱手段は、一度に少量の液体エアロゾル形成基体を加熱するための手段を含んでもよい。
【0130】
エアロゾル発生手段は、一つ以上の振動可能な要素と一つ以上の振動可能な要素の振動を励起するように配置された一つ以上のアクチュエータとを備えうる。一つ以上の振動可能な要素は、それを通してエアロゾル形成基体が通過して霧状になる複数の通路を備えてもよい。一つ以上のアクチュエータは、一つ以上の圧電変換器を含んでもよい。
【0131】
エアロゾル発生手段は、液体貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体をエアロゾル発生手段の一つ以上の要素に運ぶための一つ以上の毛細管芯を備えてもよい。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって一つ以上の毛細管芯を通して液体を搬送できる、粘性を含む物理的特性を有しうる。
【0132】
エアロゾル発生手段は一つ以上の毛細管芯の一部分を取り囲む一つ以上の加熱ワイヤーまたはフィラメントを含んでもよい。加熱用ワイヤーまたはフィラメントは、一つ以上の毛細管芯の取り囲んだ部分を支持してもよい。液体基体の特性と相まる一つ以上の毛細管芯の毛細管特性は、通常の使用中、十分なエアロゾル形成基体が存在する時に、芯がエアロゾル発生手段の領域において液体エアロゾル形成基体で常に湿っていることを確実にしうる。一つ以上の毛細管芯が乾燥しているときには、一つ以上の毛細管芯は、エアロゾル発生手段への液体エアロゾル形成基体の規則的な供給を送達しなくてもよい。
【0133】
エアロゾル発生システムは電源を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、電力を制御システムに供給するように配置された電源と、第一および第二の電極対と、エアロゾル発生手段とを備えうる。エアロゾル発生手段は、単一の電源を備えうる。エアロゾル発生手段は、電力を第一および第二の電極対に供給するように配置された第一の電源と、電力をエアロゾル発生手段に供給するように構成された第二の電源とを備えてもよい。
【0134】
電源はDC電源であってもよい。電源は電池であってもよい。電池はリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸塩またはリチウムポリマー電池であってもよい。電池は、ニッケル-金属水素電池またはニッケルカドミウム電池でもよい。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有しうる。例えば、電源は、従来型の紙巻たばこ一本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応するおよそ六分間にわたって、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生が許容される十分な容量を有しうる。別の実施例では、電源は、電源は所定の回数の吸煙、または不連続的な起動を許容するのに十分な容量を有してもよい。
【0135】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を動作させるように構成された制御システムを備えてもよい。エアロゾル発生手段を動作させるように構成された制御システムは、液体貯蔵部分の配向を決定するように構成された制御システムであってもよい。
【0136】
エアロゾル発生システムは、制御システムと連通する温度センサーを備えてもよい。温度センサーは、液体貯蔵部分に隣接してもよい。温度センサーは、液体貯蔵部分に熱的に近接してもよい。温度センサーは熱電対であってもよい。エアロゾル発生手段の少なくとも一つ要素を制御システムによって使用して、温度に関する情報を提供してもよい。少なくとも一つの要素の温度に依存する抵抗の特性は既知であり、少なくとも一つの要素の温度を当業者に公知の方法で決定するために使用されてもよい。制御システムは、温度センサーからの測定値を使用して液体貯蔵部分の電気負荷における温度の影響を計算するように構成されてもよい。例えば、第一および第二の電極対間に配置された液体貯蔵部分の部分が容量負荷を含む場合、制御システムは、温度の変化に起因する液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の誘電属性における変化を計算するように構成されうる。
【0137】
エアロゾル発生システムは、制御システムと連通する吸煙検出器を備えてもよい。吸煙検出器は、ユーザーがマウスピースで吸煙する時を検出するように構成されてもよい。一部の実施形態では、第一および第二の電極対の少なくとも一つが吸煙検出器として使用されてもよい。
【0138】
エアロゾル発生システムは、スイッチまたはボタンなどのユーザー入力を備えてもよい。ユーザー入力は、ユーザーがシステムをオンおよびオフにすることを可能にしうる。
【0139】
エアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体の決定された配向を示すための表示手段を備えてもよい。制御システムは、液体貯蔵部分の配向が、ユーザーがエアロゾル発生システムを吸煙するのに適していると決定するときに表示手段を起動させるように構成されうる。制御システムは、液体貯蔵部分の配向が、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定を行うのに適していると決定されるときに表示手段を起動させるように構成されうる。
【0140】
エアロゾル発生システムはまた、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の決定された量をユーザーに示す表示手段を備えてもよい。制御システムは、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定が行われた後に表示手段を起動させるように構成されてもよい。
【0141】
表示手段は、発光ダイオード(LED)などの一つ以上の光、LCDディスプレイなどのディスプレイおよびラウドスピーカーまたはブザーなどの可聴表示手段、および振動手段を備えてもよい。制御システムは、一つ以上の光を点灯し、配向および量の少なくとも一方をディスプレイ上に表示し、ラウドスピーカーまたはブザーを介して音を発し、そして振動手段を振動させるように構成されてもよい。
【0142】
エアロゾル発生システムは、ハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、適切な任意の材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例には、金属、合金、プラスチック、または、これらの一つ以上を含む複合材料、あるいは、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に好適な熱可塑性樹脂が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものでありうる。
【0143】
ハウジングは、液体貯蔵部分を受けるためのくぼみを備えてもよい。一部の実施形態では、後でより詳細に説明する通り、ハウジングが、液体貯蔵部分を含むカートリッジを受けるためのくぼみを備える。ハウジングは、電源を受けるためのくぼみを含んでもよい。ハウジングは、マウスピースを備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口および少なくとも一つの空気出口を含んでもよい。
【0144】
エアロゾル発生システムは携帯型であってもよい。エアロゾル発生システムは、従来的な葉巻たばこまたは紙巻たばこと匹敵するサイズを有しうる。エアロゾル発生システムの全長は、約30mm~約150mmであってもよい。エアロゾル発生システムは、約5mm~約30mmの外径を有してもよい。
【0145】
エアロゾル発生システムは、主要ユニットおよびカートリッジを備えてもよい。主要ユニットは制御システムを備えてもよい。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分を備えてもよい。主要ユニットは、カートリッジを取り外し可能に受けるように構成されてもよい。
【0146】
一部の実施形態では、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分を含むカートリッジと、制御システムを含む主要ユニットと、カートリッジを受けるためのくぼみとを備えてもよい。第一の電極対は、カートリッジ内または主要ユニットのくぼみ内に配置されてもよく、第二の電極対は、カートリッジ内または主要ユニットのくぼみ内に配置されてもよい。
【0147】
第一の電極対が主要ユニットのくぼみ内に配置される場合、第一の電極対は、カートリッジがくぼみ内に受けられるときにカートリッジの液体貯蔵部分の第一の部分が第一の電極対に隣接して配置されるように配置されてもよい。第二の電極対が主要ユニットのくぼみ内に配置される場合、第二の電極対は、カートリッジがくぼみ内に受けられるときにカートリッジの液体貯蔵部分の第二の部分が第二の電極対に隣接して配置されるように配置されてもよい。
【0148】
主要ユニットは一つ以上の電源を備えうる。
【0149】
一部の実施形態では、主要ユニットはエアロゾル発生手段を備えうる。その他の実施形態では、カートリッジはエアロゾル発生手段を含んでもよい。カートリッジがエアロゾル発生手段を含む場合、カートリッジは「カトマイザー」と呼ばれうる。その他の実施形態では、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生手段を含むエアロゾル発生構成要素を含んでもよい。エアロゾル発生構成要素は、主要ユニットおよびカートリッジとは別個の構成要素であってもよい。エアロゾル発生構成要素は、主要ユニットおよびカートリッジの少なくとも一つによって取り外し可能に受けられうる。
【0150】
主要ユニットが第一および第二の電極対のいずれか一方を備える場合、制御システムは、カートリッジを識別または認証するように構成されてもよい。言い換え得ると、制御システムは、主要ユニットによって受けられたカートリッジが、主要ユニットの製造元からの本物のまたは真正のカートリッジであるかどうかを確認するために使用されうるカートリッジ上の電極対の有無を決定するように構成されてもよい。また、第一および第二の電極対の少なくとも一方間の測定値を使用して、主要ユニットによって受けられたカートリッジを識別または認証してもよい。制御システムはまた、カートリッジ上の電極対の有無に基づいて、または第一および第二の電極対間の電気量の測定値から、カートリッジが主要ユニットによって正しく受けられたかどうかを決定するように構成されてもよい。
【0151】
主要ユニットおよびカートリッジは、誘導加熱手段を備えてもよい。主要ユニットは、インダクタコイルおよびインダクタコイルに高周波振動電流を提供するように構成された電源を備えてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体を加熱するように位置付けられたサセプタ素子を含んでもよい。本明細書で使用される場合、高周波振動電流は、10kHz~20MHzの間の周波数を有する振動電流を意味する。誘電加熱手段により、システムは、カートリッジと主要ユニットとの間の電気接点を必要としないことを可能にしうる。
【0152】
カートリッジは、主要ユニットに取り外し可能なように結合されてもよい。「取り外し可能なように結合される」という用語は、主要ユニットまたはカートリッジのいずれかを著しく損傷することなく、カートリッジと主要ユニットが互いに結合および分離ができることを意味するために使用される。カートリッジは、エアロゾル形成基体が消費されたときに主要ユニットのくぼみから取り外し可能であってもよい。カートリッジは、使い捨て可能であってもよい。カートリッジは、再使用可能であって、液体エアロゾル形成基体で充填可能でありうる。カートリッジは、主要ユニットのくぼみ内で交換可能でありうる。主要ユニットは、再使用可能であってもよい。
【0153】
カートリッジは、その中に液体エアロゾル形成基体が保持されるハウジングまたは容器を有してもよい。容器は剛直であってもよい。容器は、液体に対して不透過性の材料から形成されてもよい。カートリッジまたは容器は、リッドを備えてもよい。リッドは、カートリッジを主要ユニットに結合する前にはがされうる。リッドは貫通可能であってもよい。主要ユニットは、カートリッジが主要ユニットに結合されるときにカートリッジのリッドを貫通させるための貫通要素を備えてもよい。
【0154】
主要ユニットは、マウスピースを備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口および少なくとも一つの空気出口を備えてもよい。マウスピースは、複数の空気吸込み口を備えてもよい。マウスピースは、貫通要素を含んでもよい。
【0155】
本発明の第二の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムのための主要ユニットが提供されている。主要ユニットは、液体貯蔵部分を備えるカートリッジを受けるためのくぼみと、カートリッジがくぼみ内に受けられるときに第一の電極対がカートリッジの液体貯蔵部分の第一の部分に隣接するように、くぼみの第一の部分に配置された第一の電極対と、カートリッジがくぼみ内に受けられるときに第二の電極対がカートリッジの液体貯蔵部分の第二の部分に隣接するように、くぼみの第二の部分に配置された第二の電極対と、制御システムと、を備える。
【0156】
本発明の第三の態様では、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムのための制御システムが提供されている。制御システムは、第一の電極対間の電気量を測定し、第二の電極間の電気量を測定し、そして、第一の電極間の電気量の測定値と第二の電極間の電気量の測定値とに基づいて、液体貯蔵部分の配向を決定するように構成される。
【0157】
本発明の第四の態様によれば、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、液体貯蔵部分、第一の電極対、および第二の電極対を備える。
【0158】
特に、カートリッジは、第一の部分および第二の部分を有する液体貯蔵部分を備えうる。液体貯蔵部分の第一の部分は、中心長軸方向軸を有してもよく、液体貯蔵部分の第一の部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って実質的に均一であってもよい。液体貯蔵部分の第二の部分は、中心長軸方向軸を有してもよく、液体貯蔵部分の第二の部分の断面は、中心長軸方向軸に沿って実質的に均一であってもよい。第一の部分および第二の部分は、実質的に端と端を接して配置されてもよい。第一の部分と第二の部分は、共通の中心長軸方向軸に沿って端と端を接して配置されてもよい。第一の部分および第二の部分は、実質的に同一であってもよい。第一の部分が液体貯蔵部分の第一の半分を備え、第二の部分が液体貯蔵部分の第二の半分を備えてもよい。液体貯蔵部分は、実質的に円筒形であってもよい。液体貯蔵部分は、実質的に細長くてもよい。
【0159】
第一の部分は、長さを有してもよく、第一の電極対は実質的に第一の部分の長さに延びてもよい。第二の部分は、長さを有してもよく、第二の電極対は、実質的に第二の部分の長さに延びてもよい。
【0160】
本発明の第五の態様では、液体エアロゾル形成基体を保持するための、第二の部分と流体連通する第一の部分を含む液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分の第一の部分に隣接して、またはその中に配置される第一の電極対と、液体貯蔵部分の第二の部分に隣接して、またはその中に配置される第二の電極対とを備える、エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分の配向を決定する方法が提供されている。本方法は、
第一の電極対間の電気量を測定し、
第二の電極対間の電気量を測定し、そして、
第一の電極対間の電気量の測定値および第二の電極対間の電気量の測定値に基づいて、液体貯蔵部分の配向を決定することを含む。
【0161】
本発明の第六の態様では、第一の部分および第二の部分を有する液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分の第一部の部分に隣接して、またはその中に配置される第一の電極対と、液体貯蔵部分の第二の部分に隣接して、またはその中に配置される第二の電極対と、を備える、エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定する方法が提供されており、本方法は、
第一の電極対間の電気量を測定し、
第二の電極対間の電気量を測定し、
第一および第二の電極対間で測定された電気量を一つ以上の基準配向条件と比較し、
決定された配向が、一つ以上の基準配向条件に一致する場合に、第一および第二の電極対間の電気量測定値に基づいて液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することを含む。
【0162】
基準配向条件は、第一の電極対間で測定された電気量を一つ以上の第一の基準電気量値と比較し、第二の電極対間で測定された電気量を一つ以上の第一の基準電気量値と比較し、そして、第一の電極対間で測定された電気量と第二の電極対間で測定された電気量を比較することを含みうる。
【0163】
第一の基準電気量情報は、液体貯蔵部分の第一の部分が液体エアロゾル形成基体で満たされているときの第一の電極対間の電気量の測定値に対応する、第一の最大基準電気量と、液体貯蔵部分の第一の部分の液体エアロゾル形成基体が空であるときの第一の電極対間の電気量の測定値に対応する、第一の最小基準電気量とを含みうる。同様に、第二の基準電気量情報は、液体貯蔵部分の第二の部分が液体エアロゾル形成基体で満たされているときの第二の電極対間の電気量の測定値に対応する、第二の最大基準電気量と、液体貯蔵部分の第二の部分の液体エアロゾル形成基体が空であるときの第二の電極対間の電気量の測定値に対応する、第二の最小基準電気量とを含みうる。
【0164】
液体エアロゾル形成基体の量の決定は、第一の電極対間で測定された電気量を第二の電極対間で測定された電気量と組み合わせることを含みうる。一部の実施形態では、液体エアロゾル形成基体の量の決定はさらに、組み合わせられた測定値を使用して液体エアロゾル形成基体の量を計算することを含みうる。一部の実施形態では、液体エアロゾル形成基体の決定はさらに、組み合わせられた測定値を基準量情報に関連付けられた基準電気量情報と比較して、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することを含みうる。
【0165】
一部の実施形態では、第一の電極対が第一のコンデンサーを形成してもよく、そして第二の電極対が第二のコンデンサーを形成してもよい。これらの実施形態では、方法は、
第一のコンデンサーの静電容量を測定し、
第二のコンデンサーの静電容量を測定し、
第一のコンデンサーの測定された静電容量を第一の最大基準値および第一の最小基準値と比較し、
第二のコンデンサーの測定された静電容量を第二の最大基準値および第二の最小基準値と比較し、
以下の条件、
第一および第二のコンデンサーの測定された静電容量が実質的に等しい、
第一のコンデンサーの測定された静電容量が、第一の最大基準値と実質的に等しく、かつ第二のコンデンサーの測定された静電容量が、第二の最小基準値と実質的に等しいか、またはそれより大きい、および、
第一のコンデンサーの測定された静電容量が第一の最小基準値と実質的に等しいか、またはそれより大きく、かつ第二のコンデンサーの測定された静電容量が第二の最小基準値と実質的に等しい、のうちの一つ以上が真であるかどうかを決定し、さらに、
一つ以上の条件が真であると決定する場合に、
第一および第二のコンデンサーの測定された静電容量の合計を計算し、そして、
測定された静電容量の合計に基づいて、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することを含みうる。
【0166】
当然のことながら、本発明の一態様に関連して説明した特徴は、本発明の他の態様にも適用可能である。エアロゾル発生システムに関連して説明した特徴は、本発明の第二の態様の主要ユニット、本発明の第三の態様の制御システム、および本発明の第四の態様のカートリッジにも適用可能であり、その逆もまた可である。エアロゾル発生システムに関連して説明した特徴は、本発明の第五および第六の態様の方法にも適用可能であり、その逆もまた可である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
本発明は、単なる例証として、添付図面を参照しながら、さらに説明される。
【0168】
【
図1】
図1は、本発明による例示的なエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明の第一の実施形態によるカートリッジの斜視図である。
【
図3】
図3は、中心長軸方向軸A-Aを通した
図2のカートリッジの概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図2のカートリッジのセンサーからの一対の相互嵌合された電極を示す。
【
図6】
図6は、
図2のカートリッジの折り畳まれていないセンサーの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による折り畳まれていないセンサーの概略図である。
【
図8】
図8a、8b、8cおよび8dは、直立垂直の配向および水平の配向に異なる量の液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
【
図9】
図9は、
図2のカートリッジの、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量に対する液体貯蔵部分壁の壁の湿らされた表面の正規化されたグラフである。
【
図10】
図10a、10bおよび10cは、傾いた、または傾斜した配向に異なる量の液体エアロゾル形成基体を保持する
図2のカートリッジの概略図である。
【
図11】
図11aおよび11bは、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明によるカートリッジのさらなる実施形態のそれぞれ平面図および斜視図である。
【
図12】
図12a、12bおよび12cは、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明によるカートリッジのさらなる実施形態のそれぞれ概略正面図と概略背面図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施形態による折り畳まれていないセンサーの平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の代替的な実施形態の一対の相互嵌合された電極の概略図である。
【
図15】
図15a、15bおよび15cは、
図1のエアロゾル発生システムでの使用に適切な、本発明によるカートリッジのさらなる実施形態のそれぞれ概略正面図と概略背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0169】
図1は、エアロゾル発生システムの一例の概略図である。
図1は事実上概略的であり、図示された構成要素は、個々にもあるいは相互に相対的にも等尺度ではない。エアロゾル発生システムは、再使用可能であることが好ましく、使い捨てであることが好ましいカートリッジ200と協働する、主要ユニット100を備える。
図1に示すエアロゾル発生システムは電気的に作動する喫煙システムである。
【0170】
主要ユニット100はハウジング101を備える。ハウジング101は実質的に環状の円筒形であり、従来型の葉巻たばこと匹敵する、約100mmの長軸方向の長さ、および約20mmの外径を有する。主要ユニット100は、リチウムリン酸イオン電池102の形態の電力供給源および制御電子回路104の形態の制御システムを備える。ハウジング101はまた、カートリッジ200が受けられるくぼみ112を画定する。
【0171】
主要ユニット100はまた、出口124を含むマウスピース部分120を含む。マウスピース部分はこの実施例ではヒンジによる接続によって主要ハウジング101に接続されているが、スナップ式装着またはねじ式取付など、任意の種類の接続を使用しうる。
図1に示すように、マウスピース部分が閉位置にあるとき、一つ以上の空気吸込み口122がマウスピース部分120と本体101との間に提供される。
【0172】
マウスピース部分内には、フラットスパイラルインダクタコイル110がある。コイル110は、銅板からスパイラルコイルをスタンピングまたは切断することにより形成される。コイル110は、空気吸込み口122を通して出口124に吸い込まれる空気がコイルを通過するように、空気吸込み口122と空気出口124との間に位置付けられる。
【0173】
カートリッジ200(
図1で概略的な形式において示す)は、液体貯蔵部分201を画定する剛直なハウジング204を備える。液体貯蔵部分201は、液体エアロゾル形成基体(図示せず)を含む。カートリッジ200のハウジング204は、流体不透過性であるが、透過性のサセプタ素子205によって被覆される開放端を有する。透過性のサセプタ素子205は、フェライト鋼を含むフェライトメッシュを含む。エアロゾル形成基体はメッシュの間隙内にメニスカスを形成できる。カートリッジ200が主要ユニットと係合し、くぼみ112内に受けられた時、サセプタ素子205はフラットスパイラルコイル110に隣接して位置する。カートリッジ200は、主要ユニット内に逆さまに挿入できないことを確実にするためにキー付きの特徴を含みうる。
【0174】
使用時に、ユーザーはマウスピース部分120で吸入して、空気を空気吸込み口122を通してマウスピース部分120に引き出し、出口124からユーザーの口に出す。主要ユニットは、制御電子回路104の部品としてマイクロフォンの形態の吸入センサー106を含む。ユーザーがマウスピース部分で吸入すると、小さな空気の流れがセンサー入口121を通り、マイクロフォン106を通過し、マウスピース部分120にまで引き出される。吸煙が検出されると、制御電子回路は高周波振動電流をコイル110に供給する。これにより、
図1で点線で示す通り、振動する磁場が生成される。また、LED108が作動し、装置が起動されたことを示す。振動する磁場はサセプタ素子を通過し、サセプタ素子内に渦電流を誘起する。サセプタ素子はジュール加熱およびヒステリシス損失の結果として加熱され、サセプタ素子に近いエアロゾル形成基体を気化するのに十分な温度に達する。気化されたエアロゾル形成基体は、空気入口から空気出口を通過し、ユーザーの口に入る前に冷却されてマウスピース部分内にエアロゾルを形成する空気に混入される。制御電子回路104は、吸煙が検出されると、振動する電流をコイルに所定の持続期間(この例では五秒間)にわたり供給し、その後、新しい吸煙が検出されるまで電流がオフになる。
【0175】
カートリッジ200は、環状の円筒形形状を有し、サセプタ素子はカートリッジハウジングの円形の開放端にかかる。当然のことながら、その他の構成も可能である。例えば、サセプタ素子は、カートリッジハウジング204内の長方形の開口部にかかる鋼製メッシュ220の細片であってもよい。
【0176】
図1に示す例示的なエアロゾル発生システムは、誘導加熱に依存する。適切な誘導発熱体のさらなる例および誘導加熱システムの動作の説明は、WO2015/177046A1号に記載されている。
【0177】
当然のことながら、本発明によるエアロゾル発生装置は、その他のタイプの加熱手段を備えうる。例えば、エアロゾル発生手段は、熱によって液体エアロゾル形成基体を霧状にするように構成されたその他のエアロゾル発生手段を含みうる。エアロゾル発生手段は、一つ以上の抵抗発熱体を備えてもよい。エアロゾル発生手段はまた、振動によって液体エアロゾル形成基体を霧状にするように構成されたエアロゾル発生手段を備えてもよい。エアロゾル発生手段は、一つ以上の振動可能な要素とアクチュエータとを備えてもよい。
【0178】
図2は、
図1の主要ユニット100での使用に適切な、本発明の一実施形態によるカートリッジ200を示す。カートリッジ200は、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分201を画定する、環状の円筒形の容器204を概して形成するハウジングを有する。容器204は、第一の端、サセプタ205を有する第二の端、および第一の端と第二の端との間に延びる管状の側壁を備える。容器204は、中心長軸方向軸A-Aを中心として完全な回転対称性を有する。
【0179】
当然のことながら、本発明のその他の実施形態では、カートリッジにサセプタが提供されなくてもよい。代わりに、カートリッジに別の適切なタイプのエアロゾル発生手段が提供されてもよい。例えば、カートリッジに、カートリッジ上の電気接点および主要ユニットのくぼみの相補的な電気接点を介して主要ユニットの電源に物理的および電気的に接続された抵抗性ヒーターが提供されてもよい。カートリッジが主要ユニットのくぼみ内に受けられると、カートリッジの電気接点が主要ユニットの電気接点と接触することとなってもよい。本発明のその他の実施形態では、主要ユニットがエアロゾル発生手段を備え、カートリッジがエアロゾル発生手段のいずれの部品も備えなくてもよい。
【0180】
センサー300は、円筒形の容器204を囲み、容器204の長さのほとんどに延び、実質的に管状の側壁を覆う。センサー300は、容器204の側壁を実質的に囲む環状の円筒形のスリーブを実質的に形成する。
【0181】
センサー300は、
図3~6でより詳細に示されている。センサー300は一般に、可撓性のプリント回路基板310、第一の電極対320、第二の電極対330およびシールド340を備える。
【0182】
可撓性のプリント回路基板310は一般に長方形であり、カートリッジ200の容器204の長さとほぼ等しい幅、および容器204の周辺にほぼ等しい長さを有する。可撓性のプリント印刷回路310は、容器204の側壁の周りに巻かれ、屈曲させられ、または曲げられて、実質的に側壁を覆う容器204の周囲の周りに精密に嵌め合わせされるスリーブを形成してもよい。
【0183】
この実施形態では、可撓性のプリント回路基板310は、接着層(図示せず)によって容器204の側壁の外表面に固定される。可撓性のプリント回路基板を容器204に固定することで、センサー300と容器204との間の精密な嵌め合わせが一定なままとなり、さらに電極対320、330と液体貯蔵部分201との相対的な配置が一定なままとなることを確実にする。当然のことながら、クリップまたはその他のタイプの固定具などの、その他の任意の適切な固定手段が使用されてもよい。一部の実施形態では、センサー300および容器204は、締まり嵌めまたは摩擦嵌めによって互いに固定されてもよい。さらに当然のことながら、その他の実施形態では、容器204がセンサー300から取り外されうるように、センサー300は容器204に固定されなくてもよい。これらの実施形態では、センサーは、容器204を収容するのに十分な内径を有する円筒形の管の周りに巻かれてもよい。円筒形の管は、容器204の挿入および取り外しに伴ってセンサーが損傷されることを実質的に防ぎうる。
【0184】
第一の電極対320および第二の電極対330は、可撓性のプリント回路基板310の表面上に印刷され、電気シールド340は、可撓性のプリント回路基板310の反対表面上に印刷される。
【0185】
図3および
図6に示すように、回路基板310はその長さに沿って二つの半分に概念上分けられており、電極対320、330それぞれは、可撓性のプリント回路基板310の半分の一方にわたって延びる。第一の電極対320、第二の電極対330は、第一の電極対320が回路基板310の表面の第一の半分上に延び、第二の電極対330が回路基板310の第二の半分上に延びるように、重ならない。
【0186】
図3に示す通り、液体貯蔵部分201は、二つの同一の部分、第一の部分220と第二の部分230に概念上分けられる。第一の部分220は、液体貯蔵部分201の第一の半分を備え、第二の部分230は液体貯蔵部分の第二の半分を備える。液体貯蔵部分201内に保持される液体エアロゾル形成基体は、第一の部分220と第二の部分230との間で移動しうる。部分220、230それぞれは、中心長軸方向軸を有する実質的に環状の円筒形の容積を含む。第一の部分220および第二の部分230は、中心長軸方向軸A-Aに沿って端と端を接して配置される。第一の部分220および第二の部分230は、第一の部分220と第二の部分230との間に延び、かつ共通の中心長軸方向軸に対して直角をなす平面を中心として実質的に対称である。第一の部分220は、容器204の第一の端から該平面へと延びて長さL
1を有し、第二の部分230は容器204の第二の端から該平面へと延びて長さL
2を有する。
【0187】
図3および4に示すように、センサー300は、第一の電極対320および第二の電極対330が容器204に向かって面し、シールド340が容器204に背いて面するように、容器204の周りに配置される。言い換えると、第一の電極対および第二の電極対は、容器204の側壁に隣接して配置される。第一の電極対320は、実質的に第一の部分220を囲んで配置され、第二の電極対330は、実質的に第二の部分230を囲んで配置される。そのため、第一の電極対320は第一の部分220の電気的特性を感知するよう配置され、第二の電極対は第二の部分230の電気的特性を感知するように配置される。
【0188】
第一の電極対320は、相互嵌合されたセンサーを形成する。言い換えると、第一の電極対は、
図3および4に示す通り、相互嵌合された電極である。第一の電極対320は、駆動電極321および感知電極325を備える。
【0189】
駆動電極321は、センサーを主要ユニット100の制御システムに接続するためのコネクター322、コネクター322に接続された主要トラックまたは背部323、および主要なトラック323から延びる複数の突出部またはフィンガー324を備える。主要なトラック323およびフィンガー324は、規則的なまたは周期的な櫛様の構造を形成する。主要トラック323に沿ったフィンガー324の規則的な間隔は、連続的なまたは隣接するフィンガー324の間に間隙329を提供する。連続的なまたは隣接するフィンガー324の中心線間の距離が、電極321のバンドギャップλと言及される。
【0190】
感知電極325はまた、コネクター326、コネクター325に接続された主要なトラックまたは背部327、および主要なトラック323から延びる複数の突出部またはフィンガー328を備える。主要なトラック327およびフィンガー328は、駆動電極321の櫛様構造と類似した櫛様構造を形成する。感知電極325のバンドギャップλS は、駆動電極321のバンドギャップλDと等しい。
【0191】
駆動電極321および感知電極325は、主要トラック323、327が実質的に回路基板310の長さの方向に延び、フィンガー324、328が実質的に基板310の幅の方向に延びるように、プリント回路基板310の表面上に配置される。駆動電極321のフィンガー324は、感知電極325の主要トラック327に向かって延び、感知電極325のフィンガー328は、駆動電極321の主要トラック323に向かって延びる。駆動電極321のフィンガー324は、感知電極325の隣接するフィンガー328間の間隙329へと延び、感知電極のフィンガー328は駆動電極321の隣接するフィンガー324間の間隙329へと延びる。そのため、駆動回路321および感知回路325は、相互嵌合される。駆動回路321のフィンガー324および感知回路325のフィンガー328の長さおよび幅は、電極の長さに沿って駆動回路321と感知回路325との間に間隙または間隔が提供されるように選択される。相互嵌合された第一の電極対320は、プリント回路基板310の表面の実質的に第一の半分を覆う。
【0192】
第二の電極対330もまた、相互嵌合されたセンサーを形成する相互嵌合された電極である。第二の電極対330は、第一の電極対320と実質的に同一である。
【0193】
第二の電極対330は、コネクター332を有する駆動電極331、実質的に直線状の主要なトラック333、および主要なトラック333から延びる実質的に直線状のフィンガー334を備える。第二の電極対330はまた、コネクター336を有する感知電極335、実質的に直線状の主要なトラック337および主要なトラック337から延びる実質的に直線状のフィンガー338を備える。
【0194】
第二の電極対330は、第一の電極対320と同様に回路基板310上に配置されるが、基板310の第一の半分ではなく第二の半分を実質的に覆う。
【0195】
シールド340は、プリント回路基板310の他方の表面上に提供されている。シールドは、実質的に第一の電極対320および第二の電極対330に対向して、基板310の他方の表面上に印刷される導電性メッシュを備える。導電性メッシュはコネクター342を介して接地に電気的に接続されている。
【0196】
図7は、本発明の別の実施形態によるセンサー400を示す。
図7に示すセンサーは、センサー300のプリント回路基板310と第一の相互嵌合された電極対320および第二の相互嵌合された電極対330とに同一の、プリント回路基板410と、第一の相互嵌合された電極対420および第二の相互嵌合された電極対430とを備える。ただし、センサー400は、シールド440について異なる構成を備える。シールド440は、第一の電極対420に直接的に対向して、回路基板の他方の表面の第一の半分上に延びる第一の導電性メッシュ444を備える。第一のメッシュ444は、第一の電極対420の感知電極428に電気的に接続されたコネクター445を備える。シールド440はまた、第二の電極対430に直接対向して、回路基板の他方の表面に第二の半分上に延びる第二の導電性メッシュ447を備える。第二のメッシュ447は、第二の電極対430の感知電極438に電気的に接続されたコネクター448を備える。第一の導電性メッシュ444および第二の導電性メッシュ447は、電気的に接続されていない。この構成により、第一および第二の電極対とシールドとの間の寄生静電容量の影響が除去される。
【0197】
図6のセンサー300に戻ると、コネクター322、326、332、337は、主要ユニット100などの主要ユニットの制御システムに電気的に接続されうる。制御システムは、第一の電極対320間の静電容量を測定するため、および第二の電極対330間の静電容量を測定するための適切な任意の手段を備えうる。この実施形態では、制御回路は、スイッチトキャパシタ増幅器または積分器を備える。制御システムを測定するための適切な任意の手段を備えうる。静電容量を測定するための制御システムは、当技術分野でよく理解されており、本明細書では詳細には説明しない。
【0198】
制御システムは、第一の電極対320間の静電容量の測定値と第二の電極対330間の静電容量の測定値に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定するようにプログラムされてもよい。特に、制御システムは、第一の電極対320間および第二の電極対330間の静電容量の測定値を使用して液体貯蔵部分201が水平な配向にあるかどうかを決定するようにプログラムされてもよい。
【0199】
図8aは、液体エアロゾル形成基体で満たされ、かつ直立垂直な配向に方向付けられたカートリッジ200を示す。カートリッジ200は、中心長手方向軸A-Aが実質的に垂直なときに垂直方向にあるとみなされる。カートリッジ200は、第一の部分220が第二の部分230の真下に配置されるときに直立であると決定される。
図8bは、液体エアロゾル形成基体が空であり、かつ水平な配向に方向付けられたカートリッジ200を示す。カートリッジ200は、中心長軸方向軸A-Aが実質的に水平なときに水平な配向にあるとみなされる。
【0200】
液体貯蔵部分201が、液体エアロゾル形成基体で満たされている、または液体エアロゾル形成基体が空であるとき、第一の電極対320間および第二の電極対330間の測定値を使用して液体貯蔵部分の配向を測定することはできない。これは、液体貯蔵部分の配向が変化しても、液体貯蔵部分201の、空気と第一の部分220および第二の部分230に保持される液体エアロゾル形成基体との比が変化しないからである。
【0201】
液体貯蔵部分201が液体エアロゾル形成基体で満たされているときには、第一の電極対320間で測定される静電容量が最大基準値に等しく、かつ第二の電極対330間で測定される静電容量が最大基準値に等しい。液体貯蔵部分201の液体エアロゾル形成基体が空であるときには、第一の電極対320間で測定される静電容量が最小基準値に等しく、かつ第二の電極対330間で測定される静電容量が最小基準値に等しい。
【0202】
図8cは、半分が液体エアロゾル形成基体で満たされ、かつ直立垂直な配向に方向付けられたカートリッジ200を示す。
図8dは、半分が液体エアロゾル形成基体で満たされ、かつ水平な配向に方向付けられたカートリッジ200を示す。
図8cおよび8dに明瞭に示されるように、液体貯蔵部分201内に保持される液体エアロゾル形成基体の量は両方の図で同じであるが、液体貯蔵部分201の第一の部分220および第二の部分230に保持される液体エアロゾル形成基体の量は、液体貯蔵部分201の配向によって変化する。
【0203】
図8cに示すように、液体貯蔵部分201が垂直かつ直立であるときには、第一の部分220が液体エアロゾル形成基体で満たされ、第二の部分230は空である。
図8dに示すように、液体貯蔵部分201が水平であるときには、第一の部分220の半分が液体エアロゾル形成基体で満たされ、かつ第二の部分230の半分が液体エアロゾル形成基体で満たされる。
【0204】
制御システムは、第一の電極対320および第二の電極対330間の静電容量が実質的に等しいとき、第一の電極対320および第二の電極対330間で測定された静電容量が制御システムによって保存された最大基準値未満であるとき、および第一の電極対320および第二の電極対330間で測定された静電容量が制御システムによって保存された最小基準値よりも大きいときに、液体貯蔵部分201が水平な配向にあると決定するようにプログラムされうる。
【0205】
最大基準値は、液体貯蔵部分201が液体エアロゾル形成基体で満たされるときの第一または第二の電極対の静電容量の測定値に対応しうる。最小基準値は、液体貯蔵部分201の液体エアロゾル形成基体が空であるときの第一または第二の電極対の静電容量の測定値に対応しうる。この実施形態では、第一の部分220および第二の部分230が実質的に同一であるため、第一および第二の電極対の最大基準値は同じであり、第一および第二の電極対の最小基準値は同じでありうる。ただし、当然のことながら、その他の実施形態では、第一および第二の電極対が異なる最大基準値および最小基準値を有してもよい。
【0206】
上述の通り、相互嵌合された電極対は限定された貫通深さを有する電界を生成する。その結果、相互嵌合された電極対は、液体貯蔵部分の側壁における液体エアロゾル形成基体の有無を感知する。所与の量の液体エアロゾル形成基体によって被覆される側壁の表面の割合または分率は、液体貯蔵部分の形状に依存する。
【0207】
液体貯蔵部分201は、実質的に円筒形であり、円筒形の容器204によって画定される。
図9は、円筒形の液体貯蔵部分201について、液体貯蔵部分によって被覆される正規化された表面(つまり、0は表面が液体によって被覆されていないことに対応し、1は表面すべてが液体によって被覆されることに他応する)と液体貯蔵部分内に保持される正規化された液体エアロゾル形成基体の量(つまり、0は液体貯蔵部分の液体が空であることに対応し、1は液体貯蔵部分が液体で満たされていることに対応する)との間の関係を示す。
【0208】
図9に示すように、液体貯蔵部分が垂直であるときには、湿らされた表面と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は、直線状252である。これは、液体貯蔵部分の断面が中心長軸方向軸に沿って均一であるからである。同じく
図9に示すように、液体貯蔵部分が垂直であるときには、湿らされた表面と液体貯蔵部分内の液体の量との関係は、非直線状である。湿らされた表面と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は、液体貯蔵部分が水平および垂直な配向にあるときには液体貯蔵部分に既知でありうる。これらの関係は、既知であって、制御システムが該関係を使用して液体貯蔵部分が水平または垂直な配向にあると決定されるときの液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を正確に決定しうるように、制御システムのメモリに保存されてもよい。
【0209】
液体貯蔵部分が垂直の配向にも水平な配向にもないときには、湿らされた表面と液体貯蔵部分内の液体の量との間の関係は既知ではなく、
図9のグラフの領域256内となりうる。結果として、液体貯蔵部分が水平または垂直な一にないときに決定を行う場合、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定の精度が低くなる。
【0210】
図10a、10bおよび10cは、水平でも垂直でもない、傾いた、または傾斜した配向にあるカートリッジ200を示す。
図10aは、少量の液体エアロゾル形成基体を保持する液体貯蔵部分を示し、
図10bは、半分が液体エアロゾル形成基体で満たされた液体貯蔵部分を示し、そして
図10cは、半分以上が液体エアロゾル形成基体で満たされた液体貯蔵部分を示す。
【0211】
図10a、10bおよび10cに示す配向では、液体貯蔵部分の湿らされた表面と液体貯蔵部分内に保持される量との間の関係は、
図9のグラフの領域256内である。そのため、グラフ9に示される関係252、254を使用して、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定することは可能ではない。
【0212】
制御システムは、第一の電極対の静電容量の測定値と第二の電極対の静電容量の測定値との間の比較が等しくないとの理由により、液体貯蔵部分が水平な配向にないと決定するようにプログラムされてもよい。
【0213】
図10aに図示する状況に関して、制御システムは、第二の電極対330の静電容量が、第二の部分230が空であることを示すが、第一の電極対320の静電容量が、第一の部分220が液体エアロゾル形成基体で満たされてもおらず、液体エアロゾル形成基体が空でもないと示すため、液体貯蔵部分が少量の液体エアロゾル形成基体を含むと決定するようにプログラムされてもよい。この状況では、制御システムは、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量の決定が行われうるように、液体エアロゾル形成基体の量が少なく、液体貯蔵部分内を水平な配向に回転させる必要があることをユーザーに示すようにプログラムされてもよい。特に少量の液体エアロゾル形成基体に関して、液体貯蔵部分内が垂直な配向にあるときよりも、液体貯蔵部分が水平な部分にあるときの決定の精度の方が大幅に高い。これは、液体貯蔵部分が垂直なときよりも液体貯蔵部分が水平なときの方が湿らされた表面がずっと大きいからである。
【0214】
液体貯蔵部分が水平な配向に回転されて、液体貯蔵部分内の液体の量の決定が行われたとき、制御システムは、決定された量が所定の閾値、典型的には液体貯蔵部分の容積の1パーセント~5パーセントの間より少ない場合に、エアロゾル発生システムの作動を防ぐように構成されてもよい。
【0215】
図10bおよび10cに図示する状況に関して、制御システムは、第二の電極対の静電容量が、第二の部分230が液体エアロゾル形成基体で満たされてもおらず、液体エアロゾル形成基体が空でもないと示すため、液体貯蔵部分の少なくとも半分が液体エアロゾル形成基体で満たされていると決定するようにプログラムされてもよい。特に、
図10cに図示する状況に関して、制御システムは、第一の電極対の静電容量が、第一の部分220が液体エアロゾル形成基体で満たされていると示すため、液体貯蔵部分がほぼ液体エアロゾル形成基体で満たされていると決定するように構成されてもよい。
【0216】
図11aおよび11bは、本発明の別の実施形態によるカートリッジ200を示している。カートリッジ200は、
図2~10のカートリッジ200と同一であり、センサー500を備える。センサー500は、上述のセンサー300および400と実質的に類似しているが、二つの第一の電極対521、522および二つの第二の電極対531、532を備える。第一の電極対521の一方の対は、液体貯蔵部分201の第一の部分220の周辺の実質的に半分を囲み、第一の電極対522の他方の対は、液体貯蔵部分201の第一の部分220の他方の半分を実質的に囲む。同様に、第二の電極対531の一方の対は液体貯蔵部分201の第二の部分230の周囲の実質的に半分を囲み、第一の電極対532の他方の対は液体貯蔵部分201の第二の部分230の他方の半分を実質的に囲む。
【0217】
液体貯蔵部分の第一の部分220および第二の部分230の異なる側に別個のセンサーまたは別個の相互嵌合された電極を提供することにより、制御システムは、液体貯蔵部分が水平な配向にあるかどうかの改善された決定を提供することができる。センサーのこの配置により、制御システムは、液体貯蔵部分201が水平な配向にあるとき、および液体貯蔵部分が垂直な配向にあるときを決定することができる。
【0218】
第一の電極対521、522の静電容量の合計が第二の電極対531、532間の静電容量の合計に等しいとき、液体貯蔵部分201は水平な配向にあると定されてもよい。
【0219】
液体貯蔵部分201の第一の側の第一の電極対521の静電容量が液体貯蔵部分201の第一の側の第二の電極対531の静電容量に等しいとき、および液体貯蔵部分201の第二の側の第一の電極対522の静電容量が液体貯蔵部分201の第二の側の第二の電極対532の静電容量に等しいときに、液体貯蔵部分は垂直な配向にある。
【0220】
主要ユニット100などの主要ユニットの制御システムは、第一の電極対のそれぞれの間で測定された静電容量を組み合わせ、第二の電極対のそれぞれの間で測定された静電容量を組み合わせるように構成されてもよい。制御システムは、第一の電極対の組み合わせられた静電容量が第二の電極対の組み合わせられた静電容量に実質的に等しい場合に、液体貯蔵部分が水平な配向にあると決定するように構成されてもよい。
【0221】
制御システムは、第一の電極対のそれぞれの間で測定された静電容量を比較し、第二の電極対のそれぞれの間で測定された静電容量を比較するように構成されてもよい。制御システムは、第一の電極対の静電容量が実質的に等しい場合および第二の電極対の静電容量が実質的に等しい場合に液体貯蔵部分が垂直な配向にあると決定するように構成されてもよい。
【0222】
制御システムはさらに、制御システムが、液体貯蔵部分が水平な配向または垂直な配向にあると決定する場合に、液体貯蔵部分内に保持される液体エアロゾル形成基体の量を決定するように構成されうる。これにより、決定の信頼性が向上しうる。
【0223】
一部の実施形態では、主要ユニットは、視覚的な、触覚的な、または聴覚的な表示をユーザーに提供するための表示手段を備える。制御システムは、様々な時に、例えば、液体貯蔵部分が水平な配向にあると決定されるとき、液体貯蔵部分が非水平な配向にあると決定されるとき、および液体エアロゾル形成基体の決定された量が閾値または閾値よりも少ないと決定されるときに、ユーザーに表示を提供するように構成されてもよい。一部の実施形態では、主要ユニットは、液体エアロゾル形成基体の量が閾値である、または閾値よりも少ないと決定されるとさらなるエアロゾル発生を防いでもよい。
【0224】
一部の実施形態では、制御システムは、エアロゾル発生システムでのユーザーによる吸煙をカウントするように構成されてもよく、検出された吸煙数に基づいて、決定された量の値を調節するように構成されてもよい。
【0225】
当然のことながら、液体貯蔵部分は、その他の任意の適切な形状を有してもよい。適切な形状は、液体貯蔵部分の中心長軸方向軸に沿って均一な断面を有する形状である。例えば、液体貯蔵部分は、円形、三角形または長方形の断面を有してもよい。
【0226】
図12a、12bおよび12cは、本発明の別の実施形態によるカートリッジ200を示す。カートリッジ200は、
図2~10のカートリッジ200と同一であり、センサー600を備える。センサー600は、上述のセンサー500と実質的に類似するが、四つの第一の電極対621、622、623、624および四つの第二の電極対631、632、633、634を備える。第一の電極対621、622、623、624のそれぞれは、液体貯蔵部分201の第一の部分の周囲の実質的に四分の一を囲む。同様に、第二の電極対631、632、633、634のそれぞれは、液体貯蔵部分201の第二の部分の周囲の実質的に四分の一を囲む。この配置により、液体エアロゾル形成基体で湿らされた容器204の表面上に特定の位置のさらなる表示を提供することで、液体貯蔵部分の配向の決定をさらに改善しうる。
【0227】
図13は、本発明の別の実施形態によるセンサー700を示す。センサー700は、実質的に長方形の直方体形状を有する容器を備える液体貯蔵部分に隣接して配置されるように構成される。センサー700は、中央部分に接続され、実質的に十字形に配置される四つのアームを有するプリント回路基板を備える。アームのそれぞれは、直方体容器の側壁を覆うことが意図されている。
【0228】
センサー700は、四つの第一の相互嵌合された電極対721、722、723、724、および四つの第二の相互嵌合された電極対731、732、733、734を備える。プリント回路基板の各アームは、中央部分に向かって、アームの遠位端に向かって配置される第一の相互嵌合された電極対と、アームの近位端に向かって配置される第二の相互嵌合された電極対とを備える。そのため、第一の相互嵌合された電極対および第二の相互嵌合された電極対は、液体貯蔵部分の直方体容器の側面それぞれに配置されうる。
【0229】
センサー700を液体貯蔵部分の直方体容器上に取り付けるために、回路基板の中央セクションが液体貯蔵部分の端に配置されてもよく、回路基板の各アームは、容器の側壁上に折り畳まれまたは折り曲げられてもよい。この構成は、比較的製造が安価であり、液体貯蔵部分の第一の部分における第一の電極対の、および液体貯蔵部分の第二の部分における第二の電極対の改善された位置を提供しうる。
【0230】
図14は、本発明での使用に適切でありうる、相互嵌合された電極対800の別の配置を示す。相互嵌合された電極対800は、駆動回路および感知回路を備える。電極それぞれは、実質的に直線状の主要なトラックまたは背部と、複数の弓形突出部またはフィンガーとを備える。弓形フィンガー対は、主要なトラックに沿って規則的に間隙を介しており、主要なトラックから離れて対向する方向に延びる。フィンガーそれぞれは、遠位端で結合しない、不完全な円形を形成する。突出部の隣接する対は、電極対のバンドギャップを画定する間隙によって間隙を介している。駆動回路の弓形フィンガー対は、駆動回路および感知回路のフィンガーが相互嵌合されるように、感知回路の弓形フィンガー対間の間隙に配置されている。
【0231】
図15a、15bおよび15cは、本発明の別の実施形態によるカートリッジ200を示す。カートリッジ200は
図2~10のカートリッジ200と同一であり、センサー900を備える。センサー900は、
図12を参照して上述したセンサー600と実質的に類似している。ただし、センサー900は相互嵌合された電極対を備えない。
【0232】
センサー900は、二つの第一の電極対921、922、923、924および二つの第二の電極対931、932、933、934を備える。上述したように、この実施形態では、第一および第二の電極対は、相互嵌合された電極ではなく、むしろ、液体貯蔵部分の一部分が電極対のそれぞれの間に配置されるように、容器204の液体貯蔵部分201の両側に配置されるプレート電極である。
【0233】
電極921、922、931、932それぞれは、容器204の長さの約半分に延びる湾曲したプレートを備え、容器204の周囲の四分の一を囲む。第一のプレート電極921、922、923、924のそれぞれは、液体貯蔵部分201の第一の部分の周囲の実質的に四分の一を囲む。同様に、第二のプレート電極931、932、933、934のそれぞれは、液体貯蔵部分201の第二の部分の周囲の実質的に四分の一を囲む。
【0234】
各電極921、922、931、932は、容器204の長さの約半分に延びる湾曲したプレートを備え、容器204の周囲の約四分の一を囲む。第一の電極対921、922、923、924は、実質的に液体貯蔵部分201の第一の部分220を囲み、第二の電極対931、932、933、934は実質的に液体貯蔵部分201の第二の部分230を囲む。そのため、液体貯蔵部分201の第一の部分220は、第一の電極対921、922、923、924間に配置され、液体貯蔵部分201の第二の部分230は、第二の電極対931、932、933、934間に配置される。
【0235】
第一の電極対それぞれは、第一のコンデンサーを形成してもよく、液体貯蔵部分201の第一の部分220が第一のコンデンサーの誘電体を形成してもよい。同様に、第二のコンデンサーを形成してもよく、液体貯蔵部分201の第二の部分230が第二のコンデンサーの誘電体を形成してもよい。
【0236】
制御システムは、相互嵌合された電極対からの電気量の測定値に基づいて液体貯蔵部分の配向を決定する、上述の制御システムと類似した方法で、第一の電極対の静電容量の測定値および第二の電極対の静電容量の測定値に基づいて液体貯蔵部分201の配向を決定してもよい。
【0237】
当然のことながら、その他の実施形態では、
図1~
図15に関連して説明したカートリッジは、カートリッジではなくてもよく、むしろ
図1に示した主要ユニットなどの主要ユニットに組み込まれた部分であってもよい。
【0238】
当然のことながら、一つの実施形態で上述したいずれかの特徴が、他の実施形態のいずれかに提供されてもよい。特に、本発明によるカートリッジおよび主要ユニットは、一つ以上の第一の電極対と一つ以上の第二の電極対とを備えてもよい。さらに当然のことながら、液体貯蔵部分および第一および第二の電極対のサイズおよび形状は変化しうる。