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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】HDマップの生成および使用
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220905BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220905BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220905BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220905BHJP
   B60W 50/00 20060101ALI20220905BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20220905BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220905BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20220905BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20220905BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 X
G08G1/09 H
G08G1/09 F
G01C21/26 A
B60W50/00
B64C13/18 Z
B64C39/02
G01S17/89
G01S17/87
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2019536973
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2017084835
(87)【国際公開番号】W WO2018127461
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-09-03
(31)【優先権主張番号】17150342.8
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】マーラー キム
(72)【発明者】
【氏名】ハウシュタイン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン マルクス
(72)【発明者】
【氏名】阪口 啓
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228637(JP,A)
【文献】国際公開第2016/130719(WO,A1)
【文献】特開2002-005672(JP,A)
【文献】国際公開第2016/166791(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
B64C 13/18
B64C 39/02
G01S 17/89
G01S 17/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のHDマップ(470)を提供するように構成されるプロセッサユニット(110)と、
前記装置の周辺部(304)の環境条件を表すセンサ・データ(122)を提供するために構成されるセンサユニット(120)と、
第2のHDマップ(132)を表すデータを受信するように構成される受信機ユニット(130)と、
を備える装置(100)であって、
前記プロセッサユニット(110)は、第1のHDマップ(470)を提供するために、前記第2のHDマップ(132)と前記センサ・データ(122)を統合するように構成され、
前記装置はさらに、
前記第2のHDマップ(132)と前記センサ・データ(122)とを統合した結果(112)を送信するために構成される送信機ユニット(140)と、
前記第1のHDマップ(470)に基づいて、前記装置(100)を搭載する車両(450a~f)に対する車両制御コマンドを表すコマンド信号(152)を生成するように構成されるコマンド生成ユニット(150)と、
を備える、装置(100)。
【請求項2】
前記受信機ユニット(130)は、前記第2のHDマップに加え、少なくとも第3のHDマップを表すデータを受信するように構成され、
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)を提供するために、前記第2のHDマップ(132)、前記第3のHDマップおよび前記センサ・データ(122)を統合するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のHDマップ(470)の領域は、前記周辺部(304)の領域よりも大きい、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記受信機ユニット(130)は、ミリ波信号を使用して前記第2のHDマップ(132)を受信する、および/または前記ミリ波信号を使用して前記第1のHDマップ(470)を送信するように構成される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサユニット(110)は、対象領域の領域における第1の分解能を含み、そして、前記対象領域外の領域における第2の分解能を含むように、前記第1のHDマップ(470)内の前記対象領域を示す情報(134)を受信し、前記第1のHDマップ(470)を提供するように構成され、ここで、前記第1の分解能の値は前記第2の分解能の値よりも高い、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1の分解能の値は、前記第2の分解能の値よりも少なくとも2倍以上である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記対象領域は、前記HDマップ(470)の最大50%の部分を含む、請求項5または請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記送信機ユニット(140)は、少なくとも2Gbpsのビット・レートで前記第1のHDマップ(470)を送信するために構成される、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)を繰り返し生成するように構成され、繰り返し毎に前記第1のHDマップ(470)のフレームが提供され、前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)の複数のフレームを生成するように構成され、前記プロセッサユニット(110)は、最大で10msの時間間隔で前記複数のフレームを生成するように構成される、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサユニット(110)は、少なくとも2.75メガバイトのデータ・サイズを含む、前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成される、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサユニット(110)は、前記装置の周りの少なくとも半径300m内の地図情報を含むように、前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成される、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記センサユニット(120)は、前記センサ・データ(122)を提供するための画像化技術を使用して前記装置の前記周辺部(304)をスキャンするように構成され、前記環境条件は、前記周辺部(304)の範囲内で検出されたオブジェクトまでの距離である、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記センサーユニット(120)はLiDARセンサを含む、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)内の前記装置に関連付けられた走行路の前記装置のトラフィックパラメータに関する前記第1のHDマップ(470)の詳細部分(116)を決定するように構成され、前記装置は、V2VまたはV2Xのレガシー通信方式に従って前記詳細部分(116)を送信するように構成されたレガシーインターフェース(160)を備える、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記センサユニット(120)は、LiDARセンサを使用して前記装置の前記周辺部(304)をスキャンするように構成され、前記環境条件は、前記周辺部(304)の範囲内において検出されたオブジェクトまでの距離であり、
前記第2のHDマップ(132)は、別の装置から受信したマップであり、前記第2のHDマップ(132)は、前記別の装置によって生成された前記第2のHDマップ(132)の領域内のオブジェクトに関する情報を含み、
前記プロセッサユニット(110)は、前記センサユニット(120)によって検出された前記装置と前記オブジェクトとの間の距離を使用し、そして、前記装置の実際の位置を使用して、前記オブジェクトに関する前記情報を適合させるように構成される、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)を前記第2のHDマップ(132)と比較した場合、同じ座標系を含むように生成するように構成される、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)を提供するように、前記第2のHDマップ(132)、前記センサ・データ(122)および静的マップを統合するように構成され、前記装置は、前記第2のHDマップ(132)と前記センサ・データ(122)を統合した結果(112)を送信する場合、前記静的マップを送信しないように構成され、
前記静的マップは道路に関する情報を含む基本マップであり、複数の装置に対して共通である、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)の情報の経過時間を示す情報を含むように、前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成され、前記プロセッサユニット(110)は、前記第1のHDマップ(470)を提供する場合、前記第2のHDマップ(132)における古くなった情報(306)を割り引くように構成され、前記古くなった情報は、閾値を超える経過時間を含む、請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の装置(100a~f)を複数含む通信ネットワーク(600)であって、前記複数の装置(100a~f)は、前記複数の装置(100a~f)によって生成されたHDマップ(470)を交換する(432a~g)ように構成され、
前記複数の装置(100a~f)のうちの少なくとも1つの装置は、前記通信ネットワークの他の装置から受信したHDマップを統合して、累積HDマップを生成するように構成される、通信ネットワーク(600)。
【請求項20】
第1のHDマップ(470)を提供するように構成されるプロセッサユニット(210)と、
SUの周辺部(304)の環境条件を表すセンサ・データ(222)を提供するために構成されるセンサユニット(220)と、
第2のHDマップ(232)を表すデータを受信するように構成される受信機ユニット(230)と、
を備える前記RSUであって、
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)を提供するように、前記第2のHDマップ(232)と前記センサ・データ(222)を統合するように構成され、
前記RSUはさらに、
前記第2のHDマップ(232)と前記センサ・データ(222)とを統合した結果(212)を送信するために構成される送信機ユニット(240)を備え、
前記第1のHDマップ(470)は、前記RSUの周りの少なくとも半径300mの範囲内の地図情報を含む、RSU。
【請求項21】
前記受信機ユニット(230)は、前記第2のHDマップに加え、少なくとも第3のHDマップを表すデータを受信するように構成され、
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)を提供するように、前記第2のHDマップ(232)、前記第3のHDマップおよび前記センサ・データ(222)を統合するように構成される、請求項20に記載のRSU。
【請求項22】
前記第1のHDマップ(470)の領域は、前記周辺部(304)の領域よりも大きい、請求項20または請求項21に記載のRSU。
【請求項23】
前記受信機ユニット(230)は、ミリ波信号を使用して前記第2のHDマップ(232)を受信し、および/または前記ミリ波信号を使用して前記第1のHDマップ(470)を送信するように構成される、請求項20ないし請求項22のいずれかに記載のRSU。
【請求項24】
前記プロセッサユニット(210)は、対象領域の領域における第1の分解能を含み、そして、前記対象領域外の領域における第2の分解能を含むように、前記第1のHDマップ(470)内の前記対象領域を示す情報を受信し、前記第1のHDマップ(470)を提供するように構成され、ここで、前記第1の分解能の値は前記第2の分解能の値よりも高い、請求項20ないし請求項23のいずれかに記載のRSU。
【請求項25】
前記第1の分解能の値は、前記第2の分解能の値よりも少なくとも2倍以上である、請求項24に記載のRSU。
【請求項26】
前記対象領域は、前記HDマップ(470)の最大50%の部分を含む、請求項24または請求項25に記載のRSU。
【請求項27】
前記送信機ユニット(240)は、少なくとも2Gbpsのビット・レートで前記第1のHDマップ(470)を送信するために構成される、請求項20ないし請求項26のいずれかに記載のRSU。
【請求項28】
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)を繰り返し生成するように構成され、繰り返し毎に前記第1のHDマップ(470)のフレームが提供され、前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)の複数のフレームを生成するように構成され、前記プロセッサユニット(210)は、最大で10msの時間間隔で前記複数のフレームを生成するように構成される、請求項20ないし請求項27のいずれかに記載のRSU。
【請求項29】
前記プロセッサユニット(210)は、少なくとも2.75メガバイトのデータ・サイズを含む、前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成される、請求項20ないし請求項28のいずれかに記載のRSU。
【請求項30】
前記センサユニット(220)は、前記センサ・データ(222)を提供する画像化技術を使用して前記RSUの前記周辺部(304)をスキャンするように構成され、前記環境条件は、前記周辺部(304)の範囲内で検出されたオブジェクトまでの距離である、請求項20ないし請求項29のいずれかに記載のRSU。
【請求項31】
前記センサーユニット(220)はLiDARセンサを含む、請求項20ないし請求項30のいずれかに記載のRSU。
【請求項32】
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)内の前記RSUに関連付けられた走行路のトラフィックパラメータに関する前記第1のHDマップ(470)の詳細部分(216)を決定するように構成され、前記RSUは、V2Xのレガシー通信方式で前記詳細部分(216)を送信する、またはバックホールネットワークに前記詳細部分を送信するように構成されたレガシーインターフェース(260)を備える、請求項20ないし請求項31のいずれかに記載のRSU。
【請求項33】
前記センサユニット(220)は、LiDARセンサを使用して前記RSUの前記周辺部(304)をスキャンするように構成され、前記環境条件は、前記周辺部(304)の内で検出されたオブジェクトまでの距離であり、
前記第2のHDマップ(232)は、別の装置から受信したマップであり、前記第2のHDマップ(232)とは、前記別の装置によって生成された前記第2のHDマップ(232)の領域内のオブジェクトに関する情報を含み、
前記プロセッサユニット(210)は、前記RSUと前記センサユニット(220)によって検出された前記オブジェクトとの間の距離を使用し、そして、前記RSUの実際の位置を使用して、前記オブジェクトに関する前記情報を適合させるように構成される、請求項20ないし請求項32のいずれかに記載のRSU。
【請求項34】
前記プロセッサユニット(210)は、前記第2のHDマップ(232)と比較した場合、同じ座標系を含むように前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成される、請求項20ないし請求項33のいずれかに記載のRSU。
【請求項35】
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)を提供するように、前記第2のHDマップ(232)、前記センサ・データ(222)およびスタティックマップを統合するように構成され、前記RSUは、前記第2のHDマップ(232)と前記センサ・データ(222)を統合した結果(212)を送信する場合、前記スタティックマップを送信しないように構成され、
前記静的マップは道路に関する情報を含む基本マップであり、複数の装置に対して共通である、請求項20ないし請求項34のいずれかに記載のRSU。
【請求項36】
前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)の情報の経過時間を示す情報を含むように、前記第1のHDマップ(470)を生成するように構成され、前記プロセッサユニット(210)は、前記第1のHDマップ(470)を提供する場合、前記第2のHDマップ(232)における古くなった情報(306)を割り引くように構成され、前記古くなった情報は、閾値を超える経過時間を含む、請求項20ないし請求項35のいずれかに記載のRSU。
【請求項37】
請求項20ないし請求項36のいずれかに記載のRSU(200a~f)を複数含むネットワーク(500)であって、前記複数のRSU(200a~f)は、交通システムの走行路をカバーするように、互いに距離(502)を置いて配置される、ネットワーク(500)。
【請求項38】
前記RSUは、前記走行路を間隙なくカバーするように、互いに距離(502)を置いて配置される、請求項37に記載のネットワーク。
【請求項39】
前記距離(502)は、最大500mである、請求項37または請求項38に記載のネットワーク。
【請求項40】
請求項22ないし請求項36のいずれかに記載のRSUを複数含む通信ネットワークであって、前記複数のRSUは、前記複数のRSUによって生成されたHDマップを交換するように構成され、
前記複数のRSU(200a~f)のうちの少なくとも1つのRSUは、累積HDマップを生成するように、前記通信ネットワーク(500)の他のRSUから受信したHDマップを統合するように構成される、通信ネットワーク。
【請求項41】
請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の装置(100a~e)を複数と、
請求項22ないし請求項36のいずれかに記載のRSU(200a~f)を複数と、
を備える通信ネットワーク(400)であって、
前記複数の装置(100a~f)および前記複数のRSU(200a~f)は、前記複数の装置(100a~f)および前記複数のRSU(200a~f)によって生成されたHDマップを交換(432a~b)するように構成され、
通信ネットワーク(400)の少なくとも1つの装置または少なくとも1つのRSUは、累積HDマップを生成するように、受信したHDマップを統合するように構成される、通信ネットワーク(400)。
【請求項42】
請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の装置(100)を備える車両(450)であって、前記車両(450)は、前記車両制御コマンドを表すコマンド信号(152)に応答して自律的に移動するように構成される、車両(450)。
【請求項43】
前記車両(450)は、路上走行車または無人飛行体である、請求項42に記載の車両。
【請求項44】
前記装置(100)は、他の装置(100a~f)、請求項17に記載の通信ネットワーク、請求項18ないし請求項28のいずれかに記載のRSU(200a~f)、他の車両(450a-b)、請求項33ないし請求項35に記載のネットワーク(500)および請求項36に記載の通信ネットワークのうちの1つに前記第1のHDマップ(470)を送信するように構成される、請求項42または請求項43に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、より具体的には、高解像度(HD)マップを生成する装置、およびHDマップを生成する方法、無線通信ネットワーク、およびHDマップを使用する車両に関する。本発明はさらに、自動運転用のHDマップ配信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
[1]で報告されているように、自動運転は5Gシステムの3つの最大のアプリケーションの1つと見なされている。自動運転の場合、カーナビゲーションシステムの現在のマップの解像度は十分ではなく、[2]で報告されているように、より高い解像度とリアルタイムのマップが必要である。この種類の新しいマップは、HD(高解像度)マップまたはダイナミックマップと呼ばれる。図7は、LiDAR(Light Detection and Ranging)によって収集されたHDマップの例を示す。LiDARは、自動車の近距離場環境でオブジェクトを感知するレーザー・ベースのプロセスである。図7は、HDマップについてLiDARによって収集された点群画像を示す。ここで説明する技術ソリューションは、リアルタイムで広範囲のHDマップを配信することで自動運転を可能にするためのCIUおよびRSU、およびCIUおよび/またはRSUで構成されるネットワークに関する。自動運転用のCIUは、HDマップの情報を収集するためのHDセンサユニット(LiDARなど)、たとえば2.2Gbpsを超えるスループットで、周囲の車、つまり他のCIUやRSUからの遅延が10ミリ秒未満のように、リアルタイムでHDマップを受信するためのミリ波Rx(受信機)ユニットを含む。CIUは、RSUによって受信された複数のHDマップを組み合わせることにより、少なくとも300メートル先をサポートするHDマップを計算するHDマップ処理ユニットを備えうる。これらのCIUは、ミリ波Tx(トランスミッタ)ユニットを備え、CIUリレーで計算されたHDマップをリアルタイムで、たとえば2.2Gbpsを超えるスループットで、10ミリ秒未満の待ち時間で、周囲の車またはRSUに中継することができる。CIUは、CIUリレーで計算されたHDマップに基づいて、アクセル、ブレーキ、ステアリングなどのための自動車運転コマンドを生成する自動運転ユニットを備えうる。[2]では、1時間の運転に対するHDマップの合計データ・サイズが約1Tバイトになり、これは2.2Gbpsのデータ・レートに相当すると報告されている。[2]では、HDマップのフレームを受信するための待ち時間は10ミリ秒未満でなければならないことにも留意されたい。
【0003】
最新の3GPPリリース14は、交通安全サービスをサポートするためにV2V(車両間)通信をサポートしようとしている[3]。3GPP V2VおよびIEEE802.11p、ETSI CAM、US SAEなどの関連標準は、車両間で緊急、警告、場所、速度などの運転情報を交換して安全な運転を支援するために開発された。ただし、V2Vリンクのデータ・レートが制限されているため、交換できるデータ・サイズは自動運転には小さすぎ、HDマップには膨大なデータ・サイズが必要である。さらに、すべての車両へのV2Vの統合は、車両のライフサイクルが長くなるため問題がある。
【0004】
最新の3GPP リリース14は、インフラストラクチャを介した交通安全サービスをサポートするために、V2X(すべての車両)通信をサポートしようとしている[3]。3GPP V2Xは、インフラストラクチャを介して、道路と車両の間で交通渋滞、交通事故、交通建設などに関する情報を交換するための、現在のVICS(登録商標)(Vehicle Information and communication system:道路交通情報通信システム)およびDSRC(Dedicated Short Range Communications:専用狭域通信)の拡張である。図8は、RSU(路側機)が道路上のイベントを検出する、道路を横断する自動車事故と歩行者の警告のためのV2Xの例を示す。図8では、交通安全サーバの役割は、RSUによって検出された交通イベントの情報で交通マップを更新し、同じエリアまたは都市にある車にそのマップを配信することである。トラフィックセーフティサーバはネットワークの奥深くにあるため、トラフィックマップ配信の遅延は10ミリ秒よりもはるかに長くなる。
【0005】
ミリ波カーレーダーとミリ波通信を組み合わせて、ハードウェアのコストを上げることなくミリ波技術を使用して車両間のデータ・レートを上げることが提案されている[4]。[5]において、視覚障害の問題を解決するために、車のグループ(車両集団)内またはRSUからのセンシング情報(LiDAR情報など)を交換することによる協調センシングと協調操縦について提案されている。
【0006】
したがって、自動運転を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
安全で信頼できる自動運転を可能にするコンセプトを提供することが目的である。
【0008】
発明者は、受信HDマップを自身のセンサ・データと組み合わせることにより、それぞれの装置を搭載する車両の制御コマンドが得られることを発見した。これは、自身のセンサによってスキャンされた領域の情報を含み、おそらく、独自のセンサでは見えないが、受信したマップでは見える。したがって、コマンド信号を必要とするシナリオは、装置自体によって見られる領域と見えない領域に対して信頼性がありる。適合マップまたは生成されたマップを送信することにより、同じ信頼性が他の装置に提供され得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の形態によれば、装置は、第1の高解像度マップを提供するように構成されるプロセッサユニットと、装置の周辺部の環境条件を表すセンサ・データを提供するように構成されるセンサユニットと、第2の高解像度マップを表すデータを受信するように構成される受信機ユニットとを含む。プロセッサユニットは、第1の高解像度マップを提供するために、第2の高解像度マップとセンサ・データとを統合するように構成される。この装置は、第2の高解像度マップとセンサ・データとを統合した結果を送信するために構成される送信機ユニットを備える。装置は、第1の高解像度マップに基づいて、装置を搭載する車両に対する車両制御コマンドを表すコマンド信号を生成するように構成されるコマンド生成ユニットをさらに備える。
【0010】
装置は、外部マップを独自のセンサ・データと統合し、そのような更新されたHDマップに基づいて運転コマンドを生成し、更新されたマップを再配布することにより、安全で信頼できる自動運転を可能にする。
【0011】
実施形態によれば、通信ネットワークは複数の装置を備え、複数の装置は、複数の装置によって生成された高解像度マップを交換するように構成される。少なくとも1つの装置または複数の装置は、累積高解像度マップを生成するように、通信ネットワークの他の装置から受信した高解像度マップを統合するように構成される。これにより、大きなエリアまたは領域をカバーする解像度マップが可能になる。つまり、累積高解像度マップは、広いカバレッジ範囲を含み、マップが異なる視点に基づいて生成されるため、低ロッキングの問題をさらに含む可能性がある。
【0012】
実施形態によれば、路側機(RSU)は、第1の高解像度マップを提供するように構成されたプロセッサユニットを備える。RSUは、RSUの周辺部の環境条件を表すセンサ・データを提供するために構成されるセンサユニットと、第2の高解像度マップを表すデータを受信するように構成される受信機ユニットとをさらに備える。プロセッサユニットは、第1の高解像度マップを提供するように、第2の高解像度マップとセンサ・データを統合するように構成される。RSUは、第2の高解像度マップとセンサ・データとを統合した結果を送信するために構成される送信機ユニットをさらに備える。第1の高解像度マップは、RSUの周りの少なくとも半径300mの範囲内のマップ情報を含む。これにより、路側機はRSUを中心とした半径内の地図の非常に正確な情報を提供し、車両などのデータを引き渡したものを正確にナビゲートできるようになる。
【0013】
実施形態によれば、ネットワークは、複数のRSUを備え、RSUは、交通システムの走行路をカバーするように、互いに距離を置いて配置される。これにより、交通システムの走行路に沿って情報が利用できるように、局所の配信ポイントでの自動運転の情報を提供できる。
【0014】
実施形態によれば、通信ネットワークは複数のRSUを備え、複数のRSUは、複数のRSUによって生成された高解像度マップを交換するように構成される。複数のRSUのうちの少なくとも1つのRSUは、累積高解像度マップを生成するように、通信ネットワークの他のRSUから受信した高解像度マップを統合するように構成される。これにより、路側機によって生成される累積高解像度マップの利点が得られる。
【0015】
実施形態によれば、通信ネットワークは、前述の複数の装置と複数のRSUとを備える。複数の装置および複数のRSUは、複数の装置および複数のRSUによって生成された高解像度マップを交換するように構成される。通信ネットワークの少なくとも1つの装置または少なくとも1つのRSUは、累積解像度度マップを生成するように、受信した高解像度マップを統合するように構成される。したがって、累積高解像度マップは、装置およびRSUによって協調的に生成されうる。
【0016】
実施形態によれば、車両は、前述の装置を備える。車両は、車両制御コマンドを表すコマンド信号に応答して自律的に移動するように構成される。
【0017】
更なる実施形態は、従属クレームにおいて定義される。
【0018】
本発明の実施形態は、添付図面を参照してさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態による車内ユニット(CIU)の概略ブロック図を示す。。
図2図2は、実施形態による路側機(RSU)の概略ブロック図を示す。
図3図3は、実施形態によるHDマップの概略ブロック図を示す。
図4a図4aは、実施形態による通信ネットワークの概略ブロック図を示す。
図4b図4bは、実施形態による高解像度マップの概略ブロック図を示す。
図5図5は、実施形態による、複数のRSUを含むネットワークの概略ブロック図を示す。
図6図6は、実施形態による、複数のCIUを含むネットワークの概略ブロック図を示す。
図7図7は、LiDARによって収集されたHDマップの例を示す。
図8図8は、先行技術に従って、RSU(路側機)が道路上のイベントを検出する道路を横断する自動車事故および歩行者の警告のためのV2Xの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
同等または同等の要素、または同等または同等の機能を備えた要素は、異なる図で生ずる場合でも、同等または同等の参照番号によって以下の説明で示される。
【0021】
以下の説明では、本発明の実施形態のより完全な説明を提供するために、複数の細目が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの特定の細目なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態を曖昧にすることを避けるために、周知の構造およびデバイスは細目ではなくブロック図形式で示されている。さらに、以下で説明する異なる実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0022】
本明細書で説明される実施形態は、高解像度マップ(HDマップ)に関連しうる。そのようなマップは、センサ集約の複数のモードで取得されるデータを含む場合がある。これには、ルート上に存在するオブジェクトに関連するデータおよび/または制限速度などの追加データと組み合わせたルート情報などの地理データが含まれるが、これらに限定されない。集約された情報は、高解像度で提供される場合がある。つまり、いくつかのメートル、いくつかのデシメートル、さらにはいくつかのセンチメートルの解像度が含まれる。HDマップは、情報を提供する場合もあれば、既にデカメトリックチャートとして使用されているマップである場合もある。HDマップに含まれる情報には、車、歩行者、横断する他のオブジェクト、信号機、および交通に関連する他のすべての情報が含まれる。
【0023】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、車両に関する。車両は、路上輸送車両に関連して説明される場合があるが、ここでの説明は空中輸送車両にも適用される。路上輸送車両と同様に、空中輸送車両は他のオブジェクトとの衝突を避け、交通の特定のルールに従う必要があり、通常は出発点から目標まで移動するが、空間に1つの追加次元を使用する。
【0024】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、路側機(RSU)に関連し、本明細書に記載される他の実施形態は、車内ユニット(CIU)に関連しうる。これらの用語は、車両に取り付け可能な装置と、道路沿いなどのより明確な位置に構成された装置とを区別するために使用される。「車」という用語を使用しているが、これは本明細書で説明する実施形態を限定するものではない。CIUはまた、本明細書で説明される車両が路上輸送車両に限定されないのと同じ方法で、無人機などの空中輸送車両に搭載可能でありうる。さらに、RSUは、特に空中輸送車両にデータまたはHDマップを提供する場合、道路に沿って取り付けることに限定されない。RSUは、建物の屋根、山、木、街灯柱などの他のポイントまたはオブジェクトに取り付けることができ、さらにバルーンまたは他の乗り物などの比較的静止した乗り物に取り付けることができる。簡単に言えば、CIUは車両を制御するためにHDマップを使用するための装置であり、RSUはCIUをサポートするインフラストラクチャの一部である場合がある。
【0025】
図1は、実施形態による車内ユニット(CIU)の概略ブロック図を示している。CIUは、高解像度マップを提供するように構成されたプロセッサユニット110を含む。CIU100は、装置の周辺の環境条件を表すセンサ・データを提供するように構成されたセンサユニット120をさらに備える。例えば、センサユニット120は、レーダ(無線検出および測距)またはLiDAR(光検出および測距)などのオブジェクトの検出および測距用のセンサを含みうる。環境条件は、例えば、隣接またはさらなるオブジェクトまでの装置の距離、装置の速度、HDマップおよび/または装置などの高さを含む絶対座標系における装置の位置でありうる。センサ・データ122は、例えば、センサユニット120で感知可能または検出可能なオブジェクトのサイズ、速度および/または位置に関する情報を含みうる。センサユニット120は、センサ・データ122を提供するための画像化技術を使用して装置の周辺をスキャンするように構成されうる。環境条件は、周辺部において検出されたオブジェクトまでの距離でありうる。
【0026】
CIU100は、さらなるCIUおよび/またはRSU、および/またはCIU/またはRSUである複数の装置を含むネットワークなどの外部ソースによって提供される高解像度マップを表すデータ132を受信するように構成される受信機ユニット130をさらに備える。
【0027】
プロセッサユニット110は、CIU100のHDマップを生成および提供するように、受信したHDマップとセンサ・データ122とを統合するように構成される。
【0028】
CIU140は、プロセッサユニット110によって実行された統合の結果112を送信するように構成された送信機ユニット140を備える。送信機ユニット140は、結果112を送信するための信号142を提供するように構成され、信号142は、好ましくは無線信号である。
【0029】
CIU100は、CIU100を運ぶ車両の車両制御コマンドを表すコマンド信号152を生成するように構成されたコマンド生成ユニット150をさらに備える。プロセッサユニット110は、コマンド生成ユニット150が、それに基づいてコマンド信号152を導出できるように、情報114をコマンド生成器150に提供するように構成される。情報114は、プロセッサユニット110によって生成されたHDマップに基づく。一例によれば、情報114はHDマップである。別の例によれば、情報114は結果112に対応する。結果112は、例えば、受信したHDマップに含まれる情報をデータ122により修正することにより得られる。データ132を介して受信されたHDマップは、例えば、マップ内の他のオブジェクトの速度または位置に関する情報を含みうる。自身のセンサ・データは、プロセッサユニット110が自身のセンサ・データにより受信したHDマップのデータを更新または更新できるように、より正確なデータまたはより実際のデータを含みうる。一例によれば、受信されたHDマップは、センサユニット120で検知されている範囲と比較した場合、より広いまたはより大きなエリアをカバーする。プロセッサユニット110は、他のデータが利用可能な受信されたHDマップ内のそのような領域またはデータオブジェクトのみを更新またはリフレッシュするように構成されうる。他のデータは、センサユニット120によって生成されてもよく、またはさらなるHDマップを受信する受信機ユニット130の使用によって受信されうる。さらなるHDマップは、第2のHDマップとは異なるエリアをカバーしてもよく、および/または異なるタイムスタンプを有してもよい。
【0030】
CIUは、いわゆる基本マップに基づいてコマンド信号152を決定するように構成されうる。そのような基本マップは、河川、道路などの交通手段に関する情報を含むことができ、例えばナビゲーションシステムで使用することができる。そのような基本マップは、複数のCIUまたはRSUに共通であり、HDマップのデータと組み合わされうる。装置100は、この基本マップがすでに受信ノードに存在している可能性があるため、そのような基本マップの送信を省略するように構成されうる。帯域幅およびエネルギーを節約するために、装置は、そのような基本的なマップがない場合、信号132によって受信されたHDマップとセンサ・データ122の統合の結果を送信するように構成されうる。したがって、受信されたHDマップ132は、前記基本マップのないマップでありえ、プロセッサユニット110は、受信された高解像度マップをセンサ・データおよび静的マップとも関連付けられる基本マップとも統合するように構成されうる。関連する動的な情報を配信するには、受信ノードで静的マップと統合された高解像度マップとして統合の結果を配信、つまり送信するだけで十分な場合がある。
【0031】
コマンド信号152は、車両を制御するように構成されうる。コマンド信号152は、例えば、車両がブレーキをかける、加速する、曲がる、登る、徐々に下がる、リンクするなどを示す信号に関連しうる。
【0032】
CIU100は、少なくとも1つのさらなるHDマップを表すさらなるデータを受信機ユニット130で受信し、受信したHDマップとセンサ・データ122とを統合してそれ自体のHDマップを提供するように構成されうる。
【0033】
信号142によって送信される、または信号132によって受信されるHDマップは、大量のデータを含む場合がある。大量のデータを受信するため、および/または大量のデータを送信するために、受信機ユニット130および送信機ユニット140は、それぞれミリ波信号を受信してミリ波信号を送信するように構成される。ミリ波信号として、少なくとも1ミリメートルから最大10ミリメートルの波長を含むように送信される信号を認める。これは、少なくとも30ギガヘルツ、そして最大300ギガヘルツの周波数範囲に対応し、また、高ビット・レートの送信を可能にする。非限定的な例として、世界の無線規制を考慮することにより、ミリ波周波数を24.25ギガヘルツから開始することができる。送信機ユニット140は、少なくとも2Gbps、少なくとも2.1Gbps、または少なくとも2.2Gbpsのビット・レートで高解像度マップを送信するように構成されうる。たとえば、特に統合された高解像度マップを送信する場合、高解像度マップを送信するためのフレームあたりのデータ・サイズとして、少なくとも2.75Mバイトのフレームサイズが必要になる場合がありうる。プロセッサユニット110は、少なくとも2.75メガバイト、少なくとも3.25メガバイト、または少なくとも3.75メガバイトのデータ・サイズを含むように高解像度マップを提供するように構成されうる。
【0034】
さらに、プロセッサユニットは、HDマップの連続的な更新を提供するために、時間間隔でHDマップを生成するように構成されうる。単一のHDマップは、HDマップのフレームとして認められる。例えば、プロセッサは、HDマップ、フレームをそれぞれ生成し、それらの間の時間の距離が最大で10ms、8ms、さらには7msであるように構成されうる。これにより、HDマップのリアルタイム更新を可能にしうる。リアルタイムは、まだ存在する遅延による受信側での遅延または悪影響がないように、データを十分早く提供するものとして認められうる。たとえば、毎時180キロメートル、つまり毎秒50メートルの速度で走行し、10ミリ秒の距離でHDマップを受信または生成することは、約0.5メートルのCIUを搭載した車両の動きと同じである。車両のセンサは、0.5メートルまたは10ミリ秒の遅延をマイナス効果なしで補償できるように、そして、単一フレーム間にタイムステップを有するけれども、リアルタイムとみなすことができるように、たとえば少なくとも10メートル、少なくとも30メートル、または少なくとも100メートルのオブジェクトをさらに感知しうる。
【0035】
110における同じものは、CIUの周囲に少なくとも半径300mを有するマップ情報を含むように高解像度マップを生成するように構成されうる。
【0036】
CIU100は、V2VまたはV2Xのレガシー通信方式に従ってデータを送信するように構成されたオプションのレガシーインターフェース160を備えてもよい。このために、プロセッサユニット110は、受信されたHDマップに関連しておよび/またはセンサ・データ122に関連して受信されたデータの詳細116を決定または抽出するように構成されうる。プロセッサユニット110は、交通渋滞、交通事故、交通建設などの交通安全サービスに関する情報などの抽出された詳細116を通信スキームに適合させ、これらの抽出された詳細116を通信スキームに送信するように構成されうる。簡単に言えば、CIUは既存の通信方式と互換性があるが、これにはデータ変換が必要な場合がある。
【0037】
プロセッサユニット110は、受信したHD定義マップ132と比較したときに同じ座標系を含むように高解像度マップを生成するように構成されうる。これにより、マップの領域を拡大したり、および/または再送信および/または全体として使用できる累積マップを取得したりできる。
【0038】
CIU100は、例えば、受信機ユニット130を使用して、オプションの情報134を受信するように構成されうる。情報134は、生成される高解像度マップ内の対象領域を示す情報を含みうる。プロセッサユニットは、対象領域外の領域と比較したときに、対象領域内に高度の解像度、すなわち高度な情報を含むように高解像度マップを生成するように構成されうる。対象領域は、例えば、車両またはCIUを運ぶ車両のゴールまたは目標でありうる。たとえば、車両が走行するルートに沿って、車両が走行していない可能性のあるルート以外の地域または道路と比較して、高解像度のマップをより高い解像度で生成できる。
【0039】
つまり、図1にCIUのブロック図を示す。HDセンサユニットは、たとえばLiDARを使用して、HDマップの情報を収集する。ミリ波Rxユニットは、周囲の車やRSUから、2.2Gpsを超えるスループットで、10ミリ秒未満のレイテンシで、リアルタイムでHDマップを受信する。HDマッププロセッサユニットは、ミリ波RXユニットが受信した複数のHDマップを組み合わせて、少なくとも300メートル先をサポートするHDマップを計算する。ミリ波Txユニットは、HDマッププロセッサユニットで計算されたHDマップをリアルタイムで、たとえば2.2Gbpsを超えるスループットで、10ms未満のレイテンシで、周囲の車および/またはRSUに中継する。自動運転ユニットは、HDマッププロセッサユニットで計算されたHDマップに基づいて、アクセル、ブレーキ、およびステアリングの自動車運転コマンドを生成する。
【0040】
図2は、実施形態による路側機(RSU)の概略ブロック図を示す。RSU200は、CIU100について説明したようにHDマップを提供するように構成されうる。CIU100とは対照的に、RSU200は、それぞれ自動運転ユニット、コマンド生成器150なしで実装されうる。路側機200は、特に、CIUを運ぶ車両がHDマップを提供するために他の車両を失っているシナリオにおいて、HDマップを車両に提供することができる。
【0041】
RSU200は、プロセッサユニット110と同等でありえ、HDマップを提供するように構成されたプロセッサユニット210を備えうる。RSU200は、センサユニット120と同等でありうるセンサユニット220を備えてもよく、センサ・データ122同等でありえ、RSU200の周辺部の環境条件を表すセンサ・データ222を提供するように構成される。RSU200は、受信機ユニット130と同等でありうる受信機ユニット230を備え、データ132について説明したように、第2の外部高解像度マップを表すデータ232を受信するように構成されうる。
【0042】
プロセッサユニット210は、信号212によって示されるような高解像度マップを提供するために、外部高解像度マップ232とセンサ・データ222とを統合するように構成される。RSU200は、信号242を使用することにより、第2の高解像度マップとセンサ・データ222とを統合した結果を送信するように構成された送信機ユニット240を備える。結果は、CIU100に関連して説明したように、指定されたマップがない場合のHDマップの重なりまたは統合でありうる。あるいは、指定されたマップを送信することもでき、これにより、追加のデータのコストに対してより完全なデータセットが得られうる。
【0043】
信号242によって送信される高解像度マップは、RSUの周囲の少なくとも半径300m、少なくとも半径350mまたは少なくとも半径400メートル内のマップ情報を含む。
【0044】
CIU100について説明したように、RSU200は、V2Xのレガシー通信方式に従って抽出された詳細を送信するように、および/または詳細216をバックホールネットワークに送信するように構成されたレガシーインターフェース260を備えうる。したがって、CIU100、RSU200は、レガシーネットワークと通信するように構成されえ、RSU200は、バックホール通信との車両間通信を車両と置換しうる。
【0045】
CIU100に関連して説明される通信、送信、または提供されるデータの量に提供される詳細は、RSU200にも適用されうる。すなわち、生成された高解像度マップは、センサユニット220によって検知されるエリアよりも大きく、受信ユニット230および送信ユニット240は、通信にミリメートル波長を使用し、送信ユニット240は、少なくとも2Gbpsのビット・レートを伴う高解像度を送信するように構成され、高解像度マップは、少なくとも2.75Mバイト、少なくとも3.25Mバイト、または少なくとも3.75Mバイトのデータ・サイズを含む。さらに、プロセッサユニットは、高解像度マップを複数のフレームのフレームとして生成するように構成されえ、2つのシーケンスフレームは、最大で10ミリ秒、好ましくは8ミリ秒、より好ましくは6ミリ秒の距離だけ時間的に間隔を置かれる。
【0046】
センサユニット220は、センサユニット120について説明したように、センサ・データ222を提供するために画像化技術を使用することができ、例えば、センサユニット220はLiDARセンサを含みうる。
【0047】
図1を参照する場合、受信された高解像度マップ132は、信号242によって送信された高解像度マップ、すなわち高解像度マップ242でありうる。逆に、高解像度マップ332は、CIU100によって送信された高解像度マップ142でありうる。統合が受信したマップの一部を適合させることとして認められうることを考慮すると、センサユニット120または220は、LiDARセンサを使用してそれぞれの装置100または200の周辺部をスキャンするように構成されうる。ここで、環境条件は、周辺部で検出されたオブジェクトまでの距離である場合がある。受信された高解像度マップ132または232は、さらなる装置から受信されたマップでありえ、受信された高解像度マップは、それぞれのさらなる装置によって生成された受信された高解像度マップのエリア内のオブジェクトに関連する情報を含むことができる。プロセッサユニット110、210は、それぞれ、それぞれの装置とセンサユニット120、220によってそれぞれ検出されたオブジェクトとの間の距離を使用して、および、それぞれのプロセッサユニット110または210を搭載する装置の実際の位置を使用して、受信されたマップ内の1つ以上のオブジェクトに関する情報を適応させるように構成されうる。
【0048】
おそらくCIUに類似するRSUは、受信機ユニット230が少なくとも第3の高解像度マップを表すデータを受信するように構成され、プロセッサユニット210が、第1の高解像度マップを提供するために、第2および第3の高解像度マップ、ならびにセンサ・データを統合するように構成されることも認められうる。さらに、プロセッサユニット210は、受信した高解像度マップと比較した場合、同じ座標系を含むように高解像度マップを生成するように構成されうる。さらに、プロセッサユニットは、第1の高解像度マップを提供するために、受信した高解像度マップ、センサ・データおよび静的マップを統合するように構成されうる。RSUは、高解像度マップとセンサ・データを統合した結果を送信するときに、静的マップを送信しないように構成されうる。
【0049】
つまり、図2にRSUのブロック図を示す。HDセンサユニットは、たとえばLiDARを使用して、HDマップの情報を収集する。ミリ波Rxユニットは、周囲のRSUおよび/または車から、2.2Gbpsを超えるスループットで、10ミリ秒未満の遅延で、リアルタイムでHDマップを受信する。HDマップ処理ユニットは、ミリ波Rxユニットによって受信された複数のHDマップを組み合わせることにより、1つまたは複数の道路とともに少なくとも300メートル先をサポートするHDマップを計算する。ミリ波Txユニットは、HDマップ処理ユニットで計算されたHDマップをリアルタイムで、たとえば2.2Gbpsを超えるスループットで、周囲のRSUや車への遅延が10ms未満で中継する。自動運転のためのRSUは、HDマップの情報を収集するために、HDセンサユニット、例えばLiDARセンサを含む。それは、周囲のRSUおよび/または車から、例えば2.2Gbps以上のスループットおよび10ミリ秒未満の待ち時間で、リアルタイムでHDマップを受信するためのミリ波Rxユニットをさらに含みうる。CIUまたはRSUによって受信された複数のHDマップを組み合わせることにより、道路とともに少なくとも300メートル先をサポートするHDマップを計算するHDマップ処理ユニットをさらに含みうる。CIUリレーで計算されたマップをリアルタイムで、たとえば2.2Gbpsを超えるスループットで、10ms未満のレイテンシで、周囲のRSUおよび/または自動車(CIU)にリレーするためのミリ波Txユニットをさらに含みうる。
【0050】
図3は、例えば、CIU100またはRSU200により受信され得るHDマップ302の概略ブロック図を示す。図3はCIU100の存在を示しているが、代替として、RSU200が存在しうる。加えて、本明細書に記載の実施形態によれば、さらなるCIUまたはRSUが存在しうる。CIU100は、例えばセンサユニット120を使用して周辺部304をスキャンするように構成されうる。HDマップ132でありうるHDマップ302を受信する場合、CIU100は、自身のセンサ・データを獲得したHDマップ302の領域を適応させるように構成されうる。したがって、CIU100またはRSU200によって生成される高解像度の面積は、周辺部304の面積よりも大きくなりうる。
【0051】
HDマップは、HDマップ302内のエリアまたはオブジェクト306に関連するタイムスタンプなどのメタデータを含みうる。したがって、プロセッサユニット110または210は、エリアまたはオブジェクト306に関する情報の経過時間を決定するように構成されうる。あるいは、HDマップは、高解像度マップの他の部分の経過時間を示す情報を含むように生成されうる。情報の経過時間を使用して、プロセッサユニット110または210は、特定の閾値を超える経過時間を含む情報を割り引くように構成されうる、すなわち、古くなったまたは古すぎる情報は破棄されうる。例えば、道路を横断する歩行者であるオブジェクト306に関する情報は、他のCIUまたはRSUがもはや歩行者を検出しなくなった特定の時間後に破棄されうる。単純に、歩行者は通りを横断し、通りを去ったかもしれない。情報の老化の閾値は、特定のオブジェクト・クラスで異なる場合がある。たとえば、歩行者、動物、または他の乗り物が位置を離れる場合がありうる。ここで、建物などは特定の位置に長時間留まる可能性が非常に高い。たとえば、移動すると見なされるオブジェクトの情報のエージングの閾値は、たとえば、1時間、30分、5分、またはそれ以下である。静的と見なされるオブジェクトのクラスの経過時間の閾値は、たとえば、1か月、1週間、または1日以下である。
【0052】
図4は、例えば自動車または無人機でありうる車両450a~450dに運ばれているまたは搭載されている複数のCIU100a~100eを含む通信ネットワーク400の概略ブロック図を示す。あるいは、車両は、他の任意の駆動車両または飛行車両でありうる。通信ネットワーク400は、複数のRSU200a~200fをさらに含む。各CIU100a~100eおよびRSU200a~200fは、部分的にまたは完全に重なり合うことができるが、互いに間隔をあけられうるそれぞれの周辺部304a~304hに関連付けられる。領域304a~304hのそれぞれは、センサユニット120または220などのHDセンサのカバレッジを示しうる。各CIU100a~100eは、例えば、高解像度マップ132、142、232、および/または242であり得る双方向通信リンク432aおよび432bによって示されるように、隣接するCIUおよび/または隣接するRSUと通信するように構成されうる。
【0053】
1つまたは複数のCIU100a~100eおよび/またはRSUは、現在の5Gの従来のV2Xおよび/または、ネットワーク内のノードのための速度、ブレーキなどを示す情報を受信および/または送信するバックホールネットワークと通信するように構成されうる。CIUおよび/またはRSUのそれぞれは、自動運転および/またはリアルタイムでの飛行のためのHDマップ470を提供しうる。
【0054】
したがって、複数のネットワークノード、すなわち、RSUおよびCIUは、それぞれのノードによって生成された高解像度マップ470を交換するように構成されうる。RSUおよび/またはCIUの少なくとも1つの装置は、ノードの高解像度マップを統合して、累積高解像度マップを生成するように構成されうる。
【0055】
HDマップ470に示されているように、周辺部304fを「見る」ことはできないが、CIU100aおよび、従って、車両450aは、このエリア内のオブジェクトなどを認識している場合がある。
【0056】
これは、例えば、双方向通信432cによって示されるように、RSU間の通信によって達成されうる。
【0057】
車両550a~550dは、車両制御コマンドを表すコマンド信号152に応答して自律的に移動するように構成されうる。車両540に搭載されたCIUは、生成された高解像度マップを他のCIU、通信ネットワーク構造、ネットワーク、例えば図5および図6に関連して説明したネットワーク、さらなる車両および/またはRSUに送信するように構成されうる。
【0058】
換言すれば、図4は、本明細書に記載の実施形態の典型的なシナリオを示す。実施形態の提案は、自動車または無人機の自動運転を実現することでありうる。図1に関連して説明したCIUを実装または搭載し、CIUによって計算されたHDマップを使用して自動運転を実現する自動車がいくつかある。図4では、図2に関連して説明したRSUが、CIU搭載車にHDマップを配信することで自動運転をアシストするために、たとえば約100メートルごとの距離で街灯や信号機に配置される。近くの車の複数のCIUおよび道路(または交差点を含む道路)の異なる街灯柱の複数のRSUは、HDマップ情報を交換するローカル・ネットワークを形成してHDマップのカバレッジを広げ、さまざまな角度(位置)から測定された複数のHDを組み合わせてブロッキングの問題を回避する機能がある。関心のある場所からの距離に依存するHDマップの必要な精度(つまり、より高い精度)は、対象の自動運転車に近いエリアで必要があるため、CIUおよびRSUは、関心のある場所からの距離の差に基づいて中継されるように、HDマップの適応解像度低減をサポートしうる。CIUは、レガシーV2VおよびV2X通信へのインタフェースをサポートして、緊急、警告、位置、速度などの情報を周辺車両V2VまたはV2Xを介した交通安全サーバと交換する。同様に、RSUは、Tx通信によるレガシーへのインタフェースと、交通安全サーバに接続されたバックホールネットワークをサポートして、緊急、警告、場所、速度などの情報を交換する。本明細書で説明する実施形態は、自動運転が必須である都市を飛行する無人機に適用することができる。実施形態は、HDマップのリアルタイム配信、車両およびドローンの自動運転の実現、および/または交通安全サービスの改善を実現することができる。
【0059】
特に、一部のシナリオのように、LiDARセンサは最大300メートルの距離を測定できない場合があり、異なるRSUおよび/またはCIU間のコラボレーションにより、特に、多くの交差点とブロックオブジェクトを有する都市環境で少なくとも300メートルからマップを生成できる場合がある。実施形態は、自動運転を実現するために車にHDマップ情報を配信するためのインフラストラクチャネットワークを実現するためのアイデアおよび概念を提供する。説明される実施形態の概念は、無人機の将来の交通システムにも適用することができ、そこでは、自動運転が長距離運転または飛行に必須となる可能性がある。
【0060】
図4bは、実施形態による高解像度マップ470の概略ブロック図を示す。高解像度マップ470は、例えばCIUに関連する対象領域475を含みうる。例えば、高解像度マップ470を生成するCIUまたはRSUは、対象領域475を示す情報を受信し、表示CIUに提供される高解像度マップを生成するように構成されうる。対象領域において、高解像度マップ470の解像度は、対象領域475の外側の領域477と比較した場合、より高い分解能を含むことができる。解像度の程度は、高解像度マップで表現されているオブジェクトのタイプに関連していてもよいが、高解像度マップ470内のオブジェクトの拡張の精度に関する解像度に関連しうる。例えば、対象領域475から離れた領域477は、対象領域475が関係するCIUまでの距離が大きくなるように配置されえ、または対象領域475が関連する領域がCIUの予定された交通量がない領域でありうる。対象領域475と比較した場合、領域477における高解像度マップ470のより低いデータ・サイズを取得するために、この離れた場所にある道路上の車両などのオブジェクトの存在、位置、またはサイズは、除外されるか、少なくともマップ内のデータ・サイズに関して縮小されうる。高解像度マップ470は、複数の領域475、477および任意で479、すなわち2つ以上を含むように生成されえ、各領域は、異なる程度の解像度を含みうる。対象領域475の解像度の程度は、領域477および/または479よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍以上高くてもよい。対象領域は、高解像度マップ470の最大50%、好ましくは最大40%、より好ましくは最大30%の高解像度マップ470の領域の一部を含みうる。
【0061】
図5は、複数のRSU200a~200fを含むネットワーク500の概略ブロック図を示す。例えば、通信ネットワーク400のRSU200a~200fは、ネットワーク500を少なくとも部分的に形成しうる。図4に示すように、RSUは、道路や飛行ルートなどの交通システムの移動経路をカバーするように、互いに距離を置いて配置される。RSUは、双方向通信リンク432a~432fの送信範囲に従って互いに通信することができる。RSUは、RSUの周辺部が本質的に隙間のないように、最大で両方のRSUのセンサユニットの範囲の合計である互いまでの距離で配置されうる。すなわち、移動に沿ったポイントまたは間隔のそれぞれについて、HDマップの交通量の道路の情報が利用可能である。例えば、隣接するRSU間の距離502は、最大で500メートル、最大で400メートル、または最大で300メートルでありうる。
【0062】
あるいは、ネットワーク500は、RSU200a~200fを備えてもよく、RSUは、RSU200a~200fによって生成された高解像度マップを交換するように構成される。少なくとも1つのRSU200a~200fは、累積高解像度マップを生成するように、通信ネットワーク500の他のRSUから受信した高解像度マップを統合するように構成されうる。従って、ネットワーク400と比較する場合、ネットワーク500を形成するRSUは、累積高解像度マップを生成することができる。
【0063】
図6は、複数のCIU100a~100fを含むネットワーク600の概略ブロック図を示す。ここで、ここで、CIUは、例えば、それぞれ車両450a~450fによって搭載または運搬されうる。通信ネットワーク500と同様に、CIU100a~100fは、通信リンク432a~432hによって互いに通信して、CIU100a~100fによって生成された高解像度マップを交換することができる。少なくとも1つのCIUは、通信ネットワークの他の装置からの高解像度マップを統合して、累積高解像度マップを生成するように構成されうる。
【0064】
図4から図6に関連して説明した高解像度マップの通信と交換は、高解像度マップを受信するネットワークノードがこのマップを既存のマップに含め、それによって得られたマップをさらにノードに送信することを認めることができる。それにより、段階的に、マップのサイズが大きくなり、装置によって生成される高解像度マップは、入力マップを送信する装置にも高解像度マップを生成する装置にも見えない領域を含むことがある。簡単に言えば、CIUまたはRSUのセンサによってスキャンされた周辺部は、ネットワークの大部分またはネットワーク全体に分散される場合がある。
【0065】
周囲のCIUまたはRSUが存在しない場合でも、独立型のCIUは自動運転システムのように動作する可能性がある。つまり、他のCIUおよび/またはRSUとの通信は有益かもしないが、必要ではない。
【0066】
CIUリレーは、複数または複数のCIUを含むネットワーク600などの通信ネットワークに関連して、複数のCIU間でHDマップ情報を交換することにより、より広いカバレッジおよびより少ないブロッキング問題でHDマップを計算することができる。RSUリレーは、複数または多数またはRSUを含むネットワーク500などの通信ネットワークに関連して、複数のRSU間でHDマップ情報を交換することにより、より広いカバレッジおよびより少ないブロッキング問題でHDマップを計算できる。CIU-RSUリレーは、複数または複数のCIUおよび複数または複数のRSUを含む通信ネットワーク400などの通信ネットワークに関連して、複数のCIUとRSUの間のHDマップ情報を交換することにより、より広いカバレッジおよびより少ないブロッキング問題でHDマップを計算することができる。CIUは、通信ネットワークで使用されてもよく、関心のある場所からの距離の差に基づいて関連付けられるHDマップの適応解像度低減の機能を備えうる。これは、CIU-AdapResと呼ばれうる。RSU-AdapResとして、機能は認められえ、通信ネットワークで使用されているRSUは、高解像度マップを要求または受信するCIUに関連する関心のある場所からの距離の差に基づいて中継されるHDマップの適応解像度低減の機能を有する。すなわち、CIUまたはRSUは、関心領域を示す情報に基づいて生成されているマップの解像度を適応させるように構成されうる。特に、HDマップの統合がCIUまたはRSUによって実行される場合、データフレームのデータ・サイズは2.75Mバイトのサイズを超える場合がある。たとえば、リアルタイムでデータを送信する場合、2.2Gbpsを超えるデータ・レートが発生する可能性がある。AdapRes、すなわち、異なる解像度を含む異なる領域を含むように高解像度マップを提供することにより、データ・サイズおよび/またはデータ・レートの超過を防止または少なくとも低減することができる。つまり、10ミリ秒のレイテンシを確保するには、2.2Gbpsのデータ・レートの場合、フレームあたりのデータ・サイズを2.75Mバイト未満にする必要があるが、このデータ・サイズまたはデータ・レートを超える可能性がある。ここで、超過は、マップの一部または領域の解像度を下げることにより、許容レベルに制限される場合がある。
【0067】
CIUは、緊急、警告、場所、速度などの低減された情報を交換するために、レガシーV2VおよびV2X通信(CIUレガシー)へのインタフェースを備えうる。RSUは、レガシーV2X通信(RSUレガシー)およびバックホールネットワーク通信へのインタフェースを備え、バックホールネットワークは交通安全サーバに接続され、緊急、警告、場所、速度などの情報を交換する。ドローン(無人航空機)は、周囲のドローンやRSUとの間でHDマップ情報を交換することにより、自動運転のためにCIUを実装または搭載できる。
【0068】
本明細書で説明する実施形態の用途は、例えば、自動車および/またはドローン(無人航空機)の自動運転または飛行、衝突回避などの交通安全サービスでありえ、および/またはスマートシティの範囲、すなわちナビゲーション、シティガイド、駐車場などでありうる。
【0069】
いくつかの態様が装置という脈絡の中で記載されていた場合であっても、該態様も、対応する方法の説明を表現するものとして記載される。その結果、ブロックまたは装置の要素は、それぞれの方法のステップに対応するか、または方法ステップの特徴として記載されうる。類推によって、または、方法ステップの脈絡において記載される態様は、ブロックに対応する記載、または装置に対応する詳細あるいは特性の説明を表す。
【0070】
特定の実現要求に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアにおいて、または、ソフトウェアにおいて、実行されうる。その実現態様は、それぞれの方法が実行されるように、プログラミング可能なコンピュータシステムと協働しうるか、(または、協働する)そこに格納された電子的に読み込み可能な制御信号を有するデジタル記憶媒体、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはFLASHメモリを使用して実行されうる。
【0071】
本発明による若干の実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つが実行されるように、プログラミング可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み込み可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0072】
通常、本発明の実施の形態は、プログラムコードを有するコンピュータ・プログラム製品として実施され、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で実行する場合、プログラムコードは、方法のうちの一つを実行するために作動される。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに格納される。
【0073】
他の実施形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを含み、コンピュータ・プログラムが、機械可読キャリアに格納される。
【0074】
換言すれば、従って、コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行する場合、本発明の方法の実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータ・プログラムである。
【0075】
従って、本発明の方法のさらなる実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを含むデータキャリア(または、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。
【0076】
従って、本発明の方法のさらなる実施形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを表しているデータストリームまたは一連の信号である。例えば、データストリームまたは一連の信号は、データ通信接続、例えば、インターネットを介して転送されるように構成されうる。
【0077】
さらなる実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するために構成され、または適応される処理手段、例えば、コンピュータ、またはプログラミング可能な論理回路を含む。
【0078】
さらなる実施の形態は、その上にインストールされ、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを有するコンピュータを含む。
【0079】
いくつかの実施の形態において、プログラミング可能な論理回路(例えば、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array))が、本願明細書において記載されるいくつかまたは全ての機能を実行するために使用されうる。いくつかの実施の形態において、現場でプログラム可能なゲートアレイは、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するために、マイクロプロセッサと協働しうる。一般に、方法は、いくつかのハードウェア装置によって、好ましくは実行される。
【0080】
上述した実施の形態は、本発明の原則の例を表すだけである。本願明細書において記載される装置および詳細の修正および変更は、他の当業者にとって明らかであるものと理解される。こういうわけで、記述の手段および実施の形態の議論によって、本願明細書において表された明細書の詳細な記載によりはむしろ、以下の請求項の範囲によってのみ制限されるように意図する。
【0081】
参考文献
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[2] Heiko G. Seif, Xiaolong Hu, "Autonomous Driving in the iCity - HD Maps as a Key Challenge of the Automotive Industry," ELSEVIER, Engineering, pp. 159-162, June 2016.
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[5] V Va. T. Shimizu, G. Bansal and R.W. Heath Jr,. "Millimeter Wave Vehicular Communications: A Survey," Foundations and TrendsR in Networking, vol. 10, no. 1, pp. 1-113, June 2016.
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図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8