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特許7134979環状クロロホスファゼン3量体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】環状クロロホスファゼン3量体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 21/098 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
C01B21/098 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019540970
(86)(22)【出願日】2018-09-05
(86)【国際出願番号】 JP2018032805
(87)【国際公開番号】W WO2019049872
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2017171543
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000206901
【氏名又は名称】大塚化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 匡紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】黒星 学
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】特公昭50-033033(JP,B1)
【文献】特開昭49-062398(JP,A)
【文献】特開昭55-015956(JP,A)
【文献】米国特許第04241034(US,A)
【文献】国際公開第06/077844(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104558044(CN,A)
【文献】特開昭54-143797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 21/098
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状クロロホスファゼン3量体の製造方法であって、
式(3)で表されるニトリルの存在下で、五塩化リン1molに対して、アンモニアを3~5mol使用し、
0℃以下の温度で、前記五塩化リンと前記アンモニアとを反応させて環状クロロホスファゼン3量体を得る方法。
-CN (3)
[式中、Rは炭化水素基を示す。]
【請求項2】
前記式(3)におけるRが、置換基を有することのある炭素数1~15のアルキル基、置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアラルキル基である、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状クロロホスファゼン3量体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環状クロロホスファゼンは、下記式(1)で表される化合物である。
【0003】
【化1】
【0004】
(式中、nは3以上の整数を表す。)
式(1)で表される環状クロロホスファゼンの中でも、nが3である式(2)で表される環状クロロホスファゼン3量体(以下、単に「環状クロロホスファゼン3量体」ということがある)は、難燃剤、電池用添加剤、潤滑剤、ハードコート剤等の中間原料として重要な化合物である。
【0005】
【化2】
【0006】
現在までの環状クロロホスファゼン3量体の製造方法のうち、五塩化リンをリン源とし、アンモニアを窒素源として製造する方法としては、特許文献1~3に示す方法が報告されている。
【0007】
特許文献1及び2には、重金属塩、アンモニア錯体塩、金属酸化物等の触媒を使用する方法が記載されている。特許文献3には、反応溶媒としてクロロホスファゼンを含有する溶媒を用いる方法が記載されている。これらの方法の共通条件として、ハロゲン系溶媒を主に使用すること、原料である五塩化リン及びアンモニアの量が等モル量であること、反応温度が100~200℃であること等が挙げられる。
【0008】
しかし、上記特許文献1~3の方法を用いると、式(1)で表される環状クロロホスファゼンを高収率で合成することはできるが、得られるのは3量体の他に、式(1)で表される環状クロロホスファゼンの多量体(n≧4;以下、単に「環状クロロホスファゼン多量体」ということがある)が多く含まれる混合物であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特公昭50-33033号公報
【文献】特開昭55-15956号公報
【文献】特開昭50-137892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、工業的に有用な環状クロロホスファゼン3量体を高選択的且つ高収率で製造することができる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、環状クロロホスファゼン3量体を製造する方法について種々検討した結果、ニトリルの存在下で五塩化リンとアンモニアとを反応させることにより、環状クロロホスファゼン3量体が高選択的且つ高収率で得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記項1~8に示す環状クロロホスファゼン3量体の製造方法を提供する。
項1 環状クロロホスファゼン3量体の製造方法であって、式(3)で表されるニトリルの存在下で、五塩化リンとアンモニアとを反応させて環状クロロホスファゼン3量体を得る方法。
-CN (3)
[式中、Rは炭化水素基を示す。]
項2 アンモニアの使用量が五塩化リン1molに対して3~5molである、項1に記載の方法。
項3 前記反応が、0℃以下の温度で行われる、項1又は2に記載の方法。
項4 式(3)におけるRが、置換基を有することのある炭素数1~15のアルキル基、置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアラルキル基である、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
項5 ニトリルの使用量が、五塩化リン1molに対して0.1mol以上である、項1~4のいずれか一項に記載の方法。
項6 ニトリルと他の溶媒との混合溶媒中で反応を行う項1~5のいずれか一項に記載の方法。
項7 ニトリルと他の溶媒との混合溶媒におけるニトリルの含有量が1質量%以上100質量%未満である、項6に記載の方法。
項8 他の溶媒が、ハロゲン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、及びカーボナート系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも一種である、項7に記載の方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法によれば、ニトリル存在下で五塩化リンとアンモニアとを反応させることで、環状クロロホスファゼン3量体を高選択的且つ高収率に得ることができる。すなわち、本発明の製造方法によれば、生成する環状クロロホスファゼン3量体(n=3)と副生する多量体(n≧4)とを分離する操作が不要となり、工業的に極めて有利である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明の製造方法は、ニトリルの存在下で、五塩化リンとアンモニアとを反応させることを特徴とする。
【0016】
(五塩化リン)
本発明で使用する五塩化リンは、市販品でもよく、又は従来より公知の方法で合成したものでもよい。合成方法として、例えば、三塩化リンと塩素とを反応させる方法、白リンと塩素とを反応させる方法、及び黄リンと塩素とを反応させる方法等が挙げられる。また、五塩化リンは、反応系内で生成してもよい。
【0017】
(アンモニア)
本発明で使用するアンモニアの形態は、気体及び液体状態のいずれでもよい。気体状態で使用する際は、液体アンモニアを気化させて用いてもよいし、窒素等の不活性ガスで希釈された混合ガスを用いてもよい。
【0018】
本発明で使用するアンモニアの量は、五塩化リン1molに対して、3~5molが好ましく、3.5~4.8molがより好ましく、3.8~4.5molがさらに好ましく、4~4.4molが特に好ましい。使用量を上記範囲にすることにより、別反応が進行して副生成物(環状クロロホスファゼン3量体の活性塩素がアンモニア基で置換された化合物)が生成することを防ぎつつ、所望の反応を完結させることができる。
【0019】
アンモニアは、任意の方法で反応容器内に導入することができる。
【0020】
(ニトリル)
本発明で用いられるニトリルは、下式(3)で表される。
-CN (3)
[式中、Rは炭化水素基を示す。]
【0021】
本発明の方法では、前記式(3)で表されるニトリルの存在下で反応を行うことが必須である。式(3)で表されるニトリルのRの炭化水素基としては、置換基を有することのある炭素数1~15のアルキル基、置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアラルキル基を挙げることができる。炭素数1~15のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、1-エチルプロピル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、5-プロピルノニル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。また、任意の位置の炭素元素をヘテロ原子に置換していても良い。アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0022】
アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子を挙げることができる。アリール基及びアラルキル基のアリール部の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数1~4のハロアルコキシ基から選ばれる、一種もしくは二種以上の基を挙げることができる。
【0023】
これらのニトリルはニトリル基を1~3個有していてもよい。具体的には、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル、イソブチロニトリル、2-メチルブチロニトリル、イソバレロニトリル、4-メチルバレロニトリル、ピバロニトリル、2,2-ジメチルバレロニトリル、2,2-ジメチルヘキサンニトリル、ベンゾニトリル、o-トルニトリル、m-トルニトリル、4-t-ブチルベンゾニトリル、2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリル、2-フェニルプロピオニトリル、グルタロニトリル、2-メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、1,3,5-ペンタントリカルボニトリル、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリル、メトキシアセトニトリル、フェノキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、3-エトキシプロピオニトリル、3-ブトキシプロピオニトリル、2,2’-ジフェニルプロピオニトリル、3,3’-オキシジプロピオニトリル、3,3’-(エチレンジオキシ)ジプロピオニトリル、1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパン、1-フェニルシクロペンタンカルボニトリル、1-フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、p-クロロベンゾニトリル、p-メトキシベンゾニトリル等が挙げられる。これらの中でもアセトニトリル、プロピオニトリル、及びイソブチロニトリルが好ましい。これらは、一種単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
【0024】
さらに、式(3)で表されるニトリルは、ポリアクリロニトリルのような重合体であってもよい。
【0025】
本発明のニトリルの使用量としては、特に限定されず、五塩化リン1molに対して、通常0.1mol以上であり、0.2~100molが好ましく、0.5~20molがより好ましく、1~10molが更に好ましい。
【0026】
本発明では、ニトリルを反応溶媒として使用してもよく、ニトリル単独で用いることもできるし、ニトリルを含む混合溶媒として用いることができる。
【0027】
ニトリルと他の溶媒との混合溶媒を用いる場合、混合溶媒中のニトリルの割合は、1質量%以上100質量%未満が好ましく、特に10~50質量%が好ましい。
【0028】
混合溶媒に使用される他の溶媒としては、例えば、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、sym-テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、o―キシレン、m-キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等のカーボナート系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン系溶媒が好ましく、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、及びm-ジクロロベンゼンがより好ましく、特にクロロベンゼンが好ましい。
【0029】
(触媒)
本発明では、環状クロロホスファゼン3量体の選択率及び収率向上を目的として、触媒を使用することができる。使用できる触媒としては、ルイス酸又は反応系中でルイス酸を形成する化合物で、例えば、亜鉛、塩化亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)、塩化鉄(III)、塩化モリブデン(III)等が挙げられる。これらの中で、塩化亜鉛(II)が好ましい。これらの触媒は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの触媒の使用量は、五塩化リン1molに対し、0.005~0.5mol程度が好ましく、0.01~0.1mol程度がより好ましい。
【0030】
(製造条件)
本発明の製造方法において、五塩化リンが水との反応性が高いため、反応系中の水分をできるだけ除くことが好ましい。
【0031】
反応容器内を不活性ガスで置換するのが好ましい。使用する不活性ガスとしては、特に制限はなく、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素等が挙げられる。これらの中でもヘリウム、アルゴン及び窒素が好ましい。
【0032】
反応溶媒としては、ニトリル単独で溶媒として用いることもできるし、ニトリルを含む混合溶媒として用いることができる。
【0033】
反応溶媒の使用量としては、五塩化リン1質量部に対して、1.5質量部以上であればよく、1.5~20質量部が好ましく、2.5~20質量部が更に好ましく、5~20質量部が特に好ましい。
【0034】
五塩化リンは、ニトリル又はニトリルを含む混合溶媒に対して難溶性であり、スラリーを形成することもあるが、スラリー状態で反応は有効に進行する。
【0035】
反応溶媒は、反応に影響を与えない程度に無水であることが好ましい。
【0036】
反応温度としては、0℃以下が好ましく、0~-40℃がより好ましく、0~-35℃が更に好ましく、-5~-30℃が特に好ましい。本発明では、反応の選択性及びコストの観点から-10~-25℃とするのが最もよい。0℃以下で反応させることにより、五塩化リンとニトリルとの望まない副反応などが抑制され、目的とする3量体の選択率を格段に向上させることができる。
【0037】
本発明の製造方法においては、所定量のアンモニアを導入した直後に反応を終了させてもよい。導入直後の環状クロロホスファゼンの収率及び3量体の選択率が、導入終了後15時間反応させた場合の収率及び選択率とほぼ同等であったことから、アンモニア導入直後、後処理を行うこともできると考えられる。
【0038】
反応終了後、不溶物を濾過し、ろ液を減圧濃縮することにより、環状クロロホスファゼン3量体を高純度で含有する粗生成物を得ることができる。
【0039】
本発明の製造方法によれば、環状クロロホスファゼン3量体の割合が多い(90~98%)粗生成物が得られるため、得られた粗生成物はそのまま次の反応に使用することができる。また、粗生成物をn-ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒で抽出すると、さらに高純度の環状クロロホスファゼン3量体を得ることも可能である。
【実施例
【0040】
以下に、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0041】
本発明における環状クロロホスファゼン3量体の純度は、31P NMR測定(161.6MHz)により決定した。
【0042】
実施例及び比較例において、五塩化リンは市販特級品(東京化成工業株式会社製)をそのまま使用した。
【0043】
実施例及び比較例に使用したニトリル及び混合溶媒に用いる他の溶媒は、市販特級品をモレキュラーシーブスで乾燥したものである。
【0044】
実施例1
五塩化リン(0.5g,2.4mmol)を、50mLの二口フラスコに測り取り、アンモニアガス導入用のテフロン(登録商標)チューブと排気用の集気バッグを取り付けた。フラスコ内をヘリウムで置換したのち、反応容器を-20℃冷却バスに浸して冷やしながら、これに予め-20℃に冷やしたアセトニトリル(5mL)を加え、かき混ぜてスラリーとした。つづいて、ガス導入用のテフロン(登録商標)チューブを通して容器内にアンモニアガス(9.6mmol)を2時間かけて導入し、さらに0.5時間かき混ぜて反応を行った。反応後、析出した塩化アンモニウムをろ別し、アセトニトリル(5mL x 3)で洗浄した。ろ液と洗液とを一つにまとめ、減圧濃縮して、白色の固形物(0.28g)を得た。これにn-ペンタン(5mL)を加えてよくかきまぜ、静置したのち、上澄み液を分取した。この操作を3回繰り返し、得られた上澄み液を一つにまとめ、減圧濃縮して、環状クロロホスファゼン(0.27g,収率97%)を得た。得られた環状クロロホスファゼンを重クロロホルムに溶解し、31P NMRによる分析を行ったところ、環状クロロホスファゼン3量体(δ20.64ppm)、4量体(δ-5.84ppm)、5及び6量体(δ-14.82ppm)、7量体(δ-16.83ppm)及び8量体(δ-17.64ppm)が観察された。各々の比率は3量体98.0%、4量体0.3%、5及び6量体0.7%、7量体0.1%、及び8量体0.9%であった。
【0045】
実施例2~5及び比較例1~10
アセトニトリルを下記表1に示す溶媒に変更した以外は実施例1に示す方法と同様にして環状クロロホスファゼンを製造した。得られた環状クロロホスファゼン3量体の収率、及び3量体、4量体、及び5量体以上の多量体の組成比を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例6及び7
アンモニアガスの量を下記表2に示す量に変更した以外は実施例1に示す方法と同様にして、環状クロロホスファゼンを製造した。得られた環状クロロホスファゼン3量体の収率、及び3量体、4量体、及び5量体以上の多量体の組成比を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
実施例8
触媒の効果を確認するため、塩化亜鉛0.048mmolを触媒として加えたこと以外は実施例1に示す方法と同様にして、環状クロロホスファゼンを製造した。得られた環状クロロホスファゼン3量体の収率、及び3量体、4量体、及び5量体以上の多量体の組成比を表3に示す。
【0050】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明を用いることで、産業上有用な環状クロロホスファゼン3量体を高選択的且つ高収率で製造することができる。