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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】タンポンプレスジョー
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/20 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
A61F13/20 260B
A61F13/20 260C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019566081
(86)(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 IB2018053922
(87)【国際公開番号】W WO2018220587
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-04-14
(31)【優先権主張番号】62/513,761
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597046982
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Gmbh
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・デイビッド・エル
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-069073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
婦人衛生用の膣内タンポンを作製する装置であって、
中央プレス軸を有するタンポンプレス機を含み、
前記タンポンプレス機は、
i)該中央プレス軸を中心に配置されて、プレス凹型を形成する、複数の細長いプレスダイであって、該細長いプレスダイは、所望の圧縮タンポンプレジット内の複数の長手方向溝セグメントに対応するプレス面を有し、かつ所望の第1の溝セグメント形状に対応するプレス形状を有する少なくとも1つの第1の貫通ダイと、第2の溝セグメント形状に対応するプレス面を有する少なくとも1つの第2の貫通ダイと、を含む、複数の長手方向の貫通ダイを含み、該第1の溝セグメント形状及び該第2の溝セグメント形状が組み合わされて、該タンポンプレス機で形成されるタンポン上に溝形態を形成し、該第1の貫通ダイの該プレス面は、該第2の貫通ダイの該プレス面を越えて、該プレス凹型の端部に向かって長手方向に延び、
A)該少なくとも1つの第1の貫通ダイは、その第1の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、その反対側の第2の端部において該プレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有し、該少なくとも1つの第2の貫通ダイは、少なくとも1つの第1の貫通ダイの該第2の端部に対応しかつ隣接し、該少なくとも1つの第2の貫通ダイの第2の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、少なくとも1つの第1の貫通ダイの該第1の端部に対応しかつ隣接し、該少なくとも1つの第2の貫通ダイの反対側の第1の端部において該プレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有し、かつ、
B)該第1の貫通ダイ及び該第2の貫通ダイは、該タンポンプレス機内の同じ空間を通過し、該溝形態を形成することができる、
細長いプレスダイと、
ii該プレス凹型内及び外への、該細長いプレスダイの移動を制御するための制御機構と、
含む、装置。
【請求項2】
前記複数の長手方向の貫通ダイが、前記第1の貫通ダイ及び前記第2の貫通ダイの少なくとも2つの対を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
形成ダイを更に備え、該形成ダイが、前記プレス凹型と同軸に、かつ前記タンポンプレス機内の排出開口部と隣接して配置されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、婦人衛生用の改善された膣内タンポンの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体液を膣内に捕らえ、貯めておくデバイスが市販されており、文献で知られている。婦人衛生用の膣内タンポンは、そのようなデバイスの最も一般的な例である。市販のタンポンは一般に、吸収性又は非吸収性カバー層によって収容され得る、圧縮された円筒形の吸収性繊維塊である。
【0003】
タンポンは、人間の膣内に挿入され、そこに、膣内の体液、最も一般的には月経液を捕らえ貯めておくために一時的に保持される。膣内の体液がタンポンに接触すると、体液はタンポンの吸水性材料によって吸収及び保持されるべきである。しばらくすると、タンポン及びその保持された流体は除去及び廃棄され、必要な場合は、別のタンポンが挿入される。
【0004】
市販のタンポンによってしばしば経験される欠点は、早期に不具合となる傾向であり、これは、タンポンが定位置にある状態でかつタンポンが体液で完全に飽和する前の、膣からの体液の漏出として定義される場合がある。膨張していない圧縮タンポンが、すぐに体液を吸収できないという問題が発生すると考えられていると、特許分野では説明している。したがって、特許分野では、早期の漏出は、体液が圧縮タンポンの一部分と接触し、この流体が容易に吸収されない時に生じ得ると推測している。
【0005】
早期の漏出発生を防ぐ1つの方法は、タンポンの外側表面に沿って移動する流体のために設計された経路を提供することである。この経路の増加は、流体の吸収を向上させ得る一方で、製造プロセス中に溝を追加することが、プロセスの課題を提起する可能性がある。従来技術には、タンポンに溝を組み込もうとする試みの例が豊富にある。多くの場合、新しいステップが、既に複雑な製造プロセスに追加されるか、又はそのプロセスは十分に説明されていない。
【0006】
Frieseらの欧州特許第0422660(B2)号は、長手方向の溝を備えたタンポンを製造する装置を開示している。タンポンを作製する装置は、プレス軸に垂直な面に配置された2つの群のダイを含む。第1群のダイは、圧縮セグメントを形成し、第2群のダイはスライドプレートを形成する。ダイはそれぞれ、面から突出しているプレスカッターを有する。ブランクは、プレス加工され、高圧縮されたコアと、溝によって分離された長手方向のリブとを有するプレフォームになる。ダイはショルダーを形成するための表面は含まない。
【0007】
Schoellingの米国特許出願公開第2002-0151859(A1)号は、螺旋形状で、圧縮された長手方向の溝を有するタンポンを製造する装置を開示している。この装置は、プレス軸に対して星形の形成物に配置されている、実質的に等しい寸法のプレスジョーを有する。このジョーは、開口位置と閉鎖位置との間で同期して移動させることができる。各プレスジョーは、プレス用ブレード及びプレス用ショルダーを含む、段付きプレス面を有する。プレス用ショルダーの領域は、プレス用ブレードの領域よりも大きい。プレス用ブレード及びプレス用ショルダーは、閉鎖位置、すなわちプレス位置において80°~150°の円周角αにわたって延び得る。プレフォームがプレス機から排出される時、プレスジョーはわずかに後退してクリアランスを与える。
【0008】
Van Ingelgemらの欧州特許第1547555(B1)号は、少なくとも3つのプレスジョーを用いてタンポンを製造する装置を開示することを意図しており、各プレスジョーは、吸収材料及びプレス用ショルダーを貫通するための貫通セグメントを有している。貫通セグメントの中央は、プレス機内にある時、その貫通セグメントの半径から分岐する。貫通セグメントの中央は、貫通セグメントの断面において、その先端部及びその底部の中間点を通って引かれる直線である。1つのプレスジョーは、貫通セグメント又はプレス用ショルダーのいずれか、又は1つの貫通セグメントと、貫通セグメントのいずれかの側又は両側において配置されたプレス用ショルダーの組み合わせを含み得る。貫通セグメント及びプレス用ショルダーが別々のプレスジョーに固定されている場合、それらは同時に圧縮するのが好ましい。プレスジョー、具体的には、貫通セグメントは、長手方向において、直線、正弦波形状、スパイラル又はヘリカル形状を有し、タンポンの軸方向において、実質的に直線、正弦波形状、スパイラル状、又はヘリカル状の溝を形成する。得られるタンポンは、横断方向断面において少なくとも3つのリブを有し、半径から少なくとも部分的に放射状に広がっている中央を有し、ここではリブの中央は、一連の弧線の中間点を通って引かれた線であり、リブの縁部によって境界を付けられ、この弧は、タンポンのX-X断面の中間点である共有の中央を有する。
【0009】
Schmidtの欧州特許第1459720(B1)号は、波形状に形成された溝を利用することにより、タンポンの表面積を増加させることを開示することを意図している。角度付きの点を備える波形の溝を含め、複数の実施例が示されているが、この公開は、タンポンの製造方法に関する詳細を開示していない。具体的には、公開は、圧縮、プレスジョー、又はプレス機からのプレフォーム又はタンポンの排出方法に関する詳細を含んでいない。
【0010】
Ruhlmannの国際公開第2009/129910(A1)号は、タンポンの近位端と遠位端との間で、それらの経路に沿って、少なくとも1つの第1の表面溝、及び第1の表面溝を横断する少なくとも1つの第2の表面溝を有するタンポンを開示することを意図している。しかしながら、この開示は、特に商業的に実現可能な製造プロセスにおいて、及び/又はカバーを用いて、横断溝がどのように形成されているかについて教示していない。
【0011】
Fungの米国特許出願公開第2011-0092940(A1)号は、圧縮材料から形成され、少なくとも2つの分割された溝が内部に形成されている外側表面を有する、膣内タンポンを開示しており、それぞれ分割された溝は、隣接の分割された溝から、ある距離を置いて分離され、かつ離間されている。各分割溝は、少なくとも1つの実質的に長手方向のセグメントと、少なくとも1つの蓄積セグメントとを有する。これらのセグメントの配列は、タンポンの外側表面に沿った体液の流動を妨げるための貯留領域を提供する。
【0012】
Kimballらの米国特許第8834439号、同第8827975号、及び同第9168184号は、交差する貫通溝セグメントを有する改良されたタンポンと、それらを製造するためのプロセス及び装置とを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
必要とされているのは、交差する貫通溝セグメントを有する、より一貫し、かつきれいに仕上げられたタンポンを製造するための改善されたタンポンプレス機である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
タンポンプレスジョーの修正されたセットは、交差する貫通溝セグメントを有する、一貫したきれいに完成したタンポンを提供することが発見された。
【0015】
本発明の一態様では、婦人衛生用の膣内タンポンを製造するための装置は、中央プレス軸を中心に配置されて、プレス凹型を形成する、複数の細長いプレスダイを有するタンポンプレス機と、所定の仕上がり直径よりも小さい直径を有する円筒形キャリアと、を含む。この細長いプレスダイは、所望の圧縮タンポンプレジット内の複数の長手方向溝セグメントに対応するプレス面を有し、かつ所望の第1の溝セグメント形状に対応するプレス形状を有する少なくとも1つの第1の貫通ダイと、第2の溝セグメント形状に対応するプレス面を有する少なくとも1つの第2の貫通ダイと、を含む、複数の長手方向の貫通ダイを含み、この第1の溝セグメント形状及び第2の溝セグメント形状が組み合わされて、タンポン上に溝形態を形成する。第1の貫通ダイのプレス面は、第2の貫通ダイのプレス面を越えて、プレス凹型の端部に向かって長手方向に延びる。この少なくとも1つの第1の貫通ダイは、その第1の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、その反対側の第2の端部においてプレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有し、この少なくとも1つの第2の貫通ダイは、(少なくとも1つの第1の貫通ダイの第2の端部に対応しかつ隣接する)その第2の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、(少なくとも1つの第1の貫通ダイの第1の端部に対応しかつ隣接する)その反対側の第1の端部においてプレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有する。
【0016】
本発明の他の態様及び特徴は、付属の図面と併せて、以下の本発明の具体的な実施形態の説明を精査することによって、当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】先行技術によるタンポンの側面図である。
図2】本発明によるタンポンプレスジョーで製造したタンポンの側面図である。
図3】本発明の、タンポンを形成するのに有用な単一カムを有するプレス機の斜視図である。カムは部分的に取り除かれており、図示されたプレス機要素をより明瞭に示すために、プレス機要素の一部が除去されている。
図3A】プレスダイ及び中央凹型を含む、図3のプレス機の中央部分の側面図である。カム及び他のプレス機要素の外側部分は、中央プレス部分をより明瞭に示すために取り除かれている。
図4図3のプレス機の4つのプレスダイの斜視図である。
図5】開放位置にある図3Aのプレス機の中央部分の線(D-D)に沿った断面図である。プレス機要素の外側部分は、中央プレス部分をより明瞭に示すために取り除かれている。
図6】初期圧縮ステップ中の図3Aのプレス機の中央部分の線(D-D)に沿った断面図である。プレス機要素の外側部分は、中央プレス部分をより明瞭に示すために取り除かれている。
図7】初期圧縮ステップ中に交差している貫通ダイの先端部を明瞭に示している、図6のプレス機の拡大断面図であり、残りのプレス機要素は取り除かれている。
図8図7のプレス機の拡大斜視図であり、残りのプレス機要素は取り除かれている。
図9】排出ステップ中の図3Aのプレス機の中央部分の線(D-D)に沿った断面図である。プレス機要素の外側部分は、中央プレス部分をより明瞭に示すために取り除かれている。
図10】排出位置における図9のプレス機の拡大端面図である。
図11】排出ステップ中の図9のプレス機の長手方向の断面図である。
図12】挿入端の仕上げ及びパッケージング前の圧縮タンポンプレジットの側面図である。
図13図4に示される図と同様の、本発明のタンポンプレス機の4つのプレスダイの斜視図である。
図14】2つの貫通ダイ及び中間成形ダイを含む、本発明のタンポンプレス機の3つのプレスダイの斜視図であり、これらは共に、分離した表面ゾーンを画定する一対の貫通溝セグメントを形成する。
図15】プレス面と端部ノッチとの係合を示す、完全に伸展した位置にある、図14の2つの貫通ダイの斜視図である。
図16】完成したタンポンの寸法の文脈における、プレス面ノッチと端部ノッチとの相互作用の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明者は、先行技術、特にKimballらによる米国特許第8834439号、同第8827975号、及び同第9168184号に記載されている先行技術は、制御された環境において、好適に画定された交差溝形態を形成することができるが、この良好に画定された溝形態は、タンポンの直径が変化し、プロセスが高速製造に拡張されると、損傷を受ける可能性があることを知った。これらの変化は、繊維の一部がタンポン溝内に完全に「たくし込まれ」ていなかったため、不完全な交差溝をもたらした可能性がある。したがって本発明者は、明確に画定された、交差する貫通溝セグメントを有する、きれいな仕上がりのタンポンを確実に製造するための、改良されたタンポンプレス機を開発した。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「溝」という用語及びその変化形は、タンポンの表面の凹みに関する。明確化のために、溝は、タンポン内に少なくとも0.7mm(又は半径の10%、どちらか大きい方)延在する「貫通溝」であり得る。溝間の領域は、リブの形態をとってもよい。
【0020】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「溝形態」という用語及びその変化形は、溝、あるいはタンポンプレジットの少なくとも表面で一意の分離型の機構をもたらすように、視覚的に特定可能な方式で接続されている溝セグメントの組み合わせに関する。
【0021】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「ターン」という用語及びその変化形は、溝及び/又は溝要素が、実質的にU字形又は実質的にV字形の構成でそれ自体/それら自体の上に反転する、溝形態の一部分に関する。「ターン」はまた、実質的にY字形の構成など、交点から略線形の延長部を有し得る。
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される、溝形態に関する「主軸」という用語及びその変化形は、溝形態の最も遠い点をつなぐ最短の線によって画定される。一般に、この主軸は、プレジットの一方の端部に近接する、少なくとも1つのターンを通過する。
【0023】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「長手方向軸」という用語及びその変化形は、実質的にタンポンの中央を通って挿入端から抜去端に延びる軸に関する。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「自立形状」という用語及びその変化形は、圧縮されて及び/又は成形されて、寸法安定性な一般的な形状及びサイズと見なされるタンポンプレジットに関する。例えば、自立形状を有するデジタルタンポンは一般的に、一次包装又はオーバーラップが取り除かれた後、その形状を維持し、膣の挿入に対して、そのような形状を一般的に維持する。タンポンは体液を吸収することが意図され、かかる流体を吸収する時、使用時において実質的に形状を変え得るということが認識されている。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「プレジット」という用語及びその変化形は、体液を吸収するように設計された繊維などの吸収性材料のパッド又は圧定布に関する。
【0026】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「実質的に長手方向に方向付けられる」という用語及びその変化形は、45°超のらせん角度を有する溝、若しくは溝セグメント、又は溝形態に関する。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「繊維密度」という用語及びその変化形は、繊維構造体の所与の容積における繊維と何もない空間の相対的比率に関する。
【0028】
本発明は、体液がタンポンプレジットに吸収されることなく表面に沿って流動する可能性が低いタンポンに関する。これは、それぞれがほぼ長手方向の向き、プレジットの長さの少なくとも150%の長さ(溝に沿って測定)、及び挿入端及び抜去端のうちの少なくとも1つに近接するターンを有する、少なくとも2つの別個の溝形態を提供することによって達成される。別個の溝形態は、体液を処理する様々な特性を備える、視覚的に明確な区域を提供する。更に、タンポンの少なくとも一方の端部に近接するターンは、後に続く流体がタンポンプレジットの様々な部分に分配されるよう、少なくとも2つの溝経路を提供する。したがって、本発明は、改善された流体処理特性を提供するとして、従来技術によって認識されている複数の溝を備えるタンポンを提供するだけではなく、本発明はまた、タンポンに体液をより良く収容するための吸収性収容容器を含め、ユーザーに機能的利益を視覚的に伝える、完全に又は部分的にのいずれかで閉鎖された吸収区域を提供する。
【0029】
図1を参照して、婦人衛生用の膣内タンポン10は、ほぼ円筒形状の吸収性プレジット20、及びそこから延びる抜去要素30を含む。プレジット20は、長手方向軸線21、挿入端22(これはドーム23において終端し得る)、及び抜去端24を有する。プレジットは、自立形状に圧縮された繊維塊と、この繊維塊を実質的に包囲するシート様の液体透過性カバー25(例えば穿孔フィルムカバー)と、を含む。紐などの抜去要素30は、その抜去端24に近接するプレジット20に動作可能に接続され、ここから延びる。
【0030】
プレジット20は、プレジット20の外側表面の周囲に配置された複数の分離型の溝形態40を含む。図1の実施形態では、分離型の溝形態40はそれぞれ、一対の波形の溝セグメント41、42を含み、これらは交差して、プレジット20の挿入端22に近接してターン43を作製し、抜去端24に近接して分離する。
【0031】
図2は、本発明のプレスジョーで製造されたタンポンを示す。分離型の溝形態40’はそれぞれ、一対の溝セグメント41’及び42’を含み、これらは交差してプレジット20の挿入端22及び抜去端24の両方に近接してターン43’を作製し、包囲する溝形態40’によって境界を付けられる、別個の表面区域46を提供する。加えて、1つの分離した溝形態の連続は、各ターン41a’、42a’を越えて延在する。
【0032】
本発明において、溝形態は複数の溝セグメントを含み得る。これらの溝セグメントは、直線、複数の結合した角度付きセグメント(例えばのこぎり歯の波形又は矩形の波形)、複数の湾曲したセグメント(例えば正弦波の波形)、及びこれらの組み合わせである構成を有し得る。
【0033】
溝セグメントの構成は、溝形態間で異なってもよく、あるいはそれらは同じであってもよい。各溝形態内の溝セグメントの構成もまた、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。長手方向の溝44を含む更なる溝は、互いに同様に構成されても、又は異なって構成されてもよく、溝セグメントの構成は、溝形態40を構成する。
【0034】
吸収性プレジットは、自立形状に圧縮された繊維塊を含む。プレジットはまた、発泡体、超吸収体、ヒドロゲルなどの追加の吸収性材料を含み得る。本発明に好ましい吸収材料には、発泡体及び繊維が挙げられる。吸収性発泡体には、親水性発泡体、水性流体で濡れやすい発泡体、並びに発泡体自体を形成する気泡壁が液体を吸収する発泡体を挙げることができる。
【0035】
好ましくは、吸収体の形成に使用される繊維には、再生セルロース繊維、天然繊維、及び合成繊維が挙げられる。好ましくは、本発明によるタンポンの形成に使用される材料には、繊維、発泡体、ヒドロゲル、木材パルプ、超吸収体などが挙げられる。有用な吸収体繊維の有用な非限定的なリストとしては、綿、木材パルプ、黄麻などの天然繊維、及び再生セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリアミン、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの加工繊維が挙げられる。吸収体に所望の特性を追加するために、上記の繊維に加えて他の繊維を含めてよい。好ましくは、タンポン繊維は、レーヨン、綿、又はそれらのブレンドであり、より好ましくは、この繊維はレーヨンである。繊維は任意の有用な断面を有し得る。
【0036】
繊維の断面は多肢及び無肢(non-limbed)を含む。多肢の再生セルロール繊維は、長年にわたって市販されてきた。これらの繊維は、無肢の繊維よりも増加した比吸収率を有することが知られている。これらの繊維の市販されている例は、Kelheim Fibres GmbH(Kelheim,Germany)から市販されているGalaxy(登録商標)多肢ビスコースレーヨン繊維である。これらの繊維は、Wilkesらの米国特許第5,458,835号に詳細に記載されており、その開示は参照により本明細書に援用される。好ましくは、繊維は親水性繊維を含み、より好ましくは、繊維は吸収性繊維を含み、すなわち、個々の繊維はそれ自体が流体を吸収する。有用なタンポン繊維の有用な非限定的なリストとしては、綿、木材パルプ、黄麻、麻布などの天然繊維、及び再生セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリアミン、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの加工繊維が挙げられる。吸収体に所望の特性を追加するために、上記の繊維に加えて他の繊維を含めてよい。例えば、疎水性繊維は、表面湿潤性を低減させるためにタンポンの外側表面に使用されてもよく、親水性繊維は、吸収体内及び吸収体のあらゆる場所への流体移動速度を上昇させるために使用され得る。好ましくは、タンポン繊維は、レーヨン又は綿であり、より好ましくは、繊維はレーヨンである。繊維は任意の有用な断面を有し得る。
【0037】
プレジットは、シート様のカバー材料である液体透過性カバーによって実質的に包囲される繊維塊を含む。したがって、カバーは、タンポンの外側表面の大部分を包囲する。これは、Frieseの米国特許第4,816,100号に開示されるように達成されてもよく、その開示は参照により本明細書に援用される。更に、タンポンの片方又は両方の端がカバーによって包囲されてもよい。当然ながら、処理や他の理由のために、タンポンの表面のいくらかの部分にはカバーがなくてもよい。例えば、タンポンの挿入端及びこの端に隣接する円筒形表面の一部分は、タンポンが流体をより受け入れやすいようにカバーなしで露出されていてもよい。
【0038】
カバーは、体腔へのタンポンの挿入を容易にすることができ、また繊維がタンポンから分離する可能性を低くすることができる。有用なカバーは、当業者に既知のものであり、それらは一般に、機械方向及び断面方向の両方において低伸長性を備え、寸法安定性である。そのようなカバーは、(熱接着などによって)融合された外側繊維層、不織布、有孔フィルムなどから選択されることができる。好ましくは、カバーは、疎水仕上げされることが好ましい。
【0039】
液体透過性カバーが半径方向への圧縮タンポンに対して有益な追加である一方で、それらの寸法安定性は、いくつかの製造の課題を生み出す場合がある。例えば、円筒形の外側表面の周囲に配置された寸法安定性のカバーを有する円筒形のタンポンブランクを半径方向に圧縮することにより、圧縮タンポンプレジッドの外側表面から延びるカバーにしわが生じたり、又はカバーが緩んだりする可能性がある。したがって、タンポンブランクの放射状の圧縮を伴う多くのプロセスは、吸収性構造体に比較的深く貫通する溝又は折りたたみ部へとカバー材料を折り込む又は押し込むことによって、これに対応している。
【0040】
溝の付いた区域を備える、本発明の婦人衛生用の膣内タンポンの形成に有用な方法は、開放繊維構造から始まる。開放構造は、不織布繊維ウェブ、不規則若しくは実質的に均一に配向された繊維、及び、発泡体又は粒子などの任意の材料の塊であってもよい。次いで、この塊はタンポンブランクを形成するように処理される。
【0041】
本発明に有用な不織布は、当業者によって所望される任意の方法で形成されてもよい。例えば、繊維は、鋸歯状開綿機内に繊維を連続的に計り入れることによって開綿する及び/又はブレンドすることができる。ブレンドされた繊維は、繊維ウェブを形成するために、例えば導管を通る空気によって、梳綿場に輸送することができる。あるいは、実質的に不規則に配向された繊維塊は、繊維を開綿しかつ/又はブレンドし、それらを例えばティーバッグ型タンポンブランクを形成するためのステーションに上記のように輸送することによって、形成することができる。更なるプロセスは、繊維トウ内に配向された繊維を採用してもよい。
【0042】
タンポンブランクは、タンポンを形成するために更に処理されてもよい。タンポン形成プロセスにおいて、ウェブは薄い繊維スライバに形成され、タンポンブランクを形成するために回旋状に巻かれてもよい。更に、タンポンの繊維状吸収部分を実質的に含有するように、液体透過性カバー材料がタンポンブランクの周囲に巻かれてもよい。参照により本明細書に援用する米国特許第7,845,055号(Kimballら)に開示されているように、スライバの選択的ニードルパンチを用いて繊維性スライバを処理することが望ましい場合がある。
【0043】
図3図12に示されているように、所定の仕上がり直径を有する、図1の婦人衛生用の膣内タンポンは、(1)中央プレス軸104及び実質的に円筒形の周囲を有するほぼ円筒形のプレス凹型102と、(2)複数の細長いプレスダイと、を有するプレス機100の内部で形成され得る。プレス機100の部分切欠斜視図が図3に示されている。この図は、16のプレスダイのうちの7つのみを含み、プレスカムの一部分は明確にするために取り除かれている。プレスダイは、完成したタンポンプレジット内に延びる1セットの貫通溝を画定するためのプレス面を有する貫通ダイ106と、表面形状(結果として得られる圧縮タンポンプレジットの外側表面上の浅い溝を含む)を形成する、又は結果として得られる圧縮タンポンプレジットの外側表面を平滑にする、又は結果として得られる圧縮タンポンプレジットを、排出ステップ時にプレス機から外にガイドするための連続的な直径を形成するための形成ダイ108と、を含んでもよい。貫通ダイ106及び形成ダイ108は、円筒形のプレス凹型の周囲に沿って交互である。
【0044】
プレスダイの更なる詳細は、図3の右下の4つのプレスダイの拡大図である図4に見ることができる。この図において、第1の貫通ダイ106aは、プレス面107、及び溝セグメント41に対応する形状を有し、第2の貫通ダイ106bは(図1の)溝セグメント42に対応する形状を有する。図4にて分かるように、第1の貫通ダイ106aの1つの端部150aは、第2の貫通ダイ106bの対応する端部150bを越えて延びる。実際に、第2の貫通ダイ106bの端部150bは、挿入端22に近接してタンポンプレジット20の表面にターン43を形成するために(図1に示されるように)、第1の貫通ダイ106aに向かって湾曲している。この実施形態では、第1の貫通ダイ106aの端部150aは、図1のタンポンプレジット20の挿入端22に対応する。
【0045】
分離型の溝形態40のターン43は、溝セグメント41と42との間の交点で形成される(図1を参照)。溝形態40を形成するために、貫通ダイ106a、106bは、タンポンブランク200(図5を参照)の圧縮時に横断する経路上を移動し、プレジット20を形成する。したがって、より長い貫通ダイ106aは、端部150aから離間されているけれども近接して形成されているノッチ152(図4を参照)を有し、貫通ダイ106bの端部150bが、貫通ダイ106aの移動経路を通過するのを可能にする。
【0046】
形成ダイ108は、それらの間に配置される貫通ダイ106の形状を収容するような形状に成形される。このように、形成ダイ108aは、溝セグメント41及び42、並びにターン43が含むプレジット20の表面に対応する。この形成ダイ108aは、形成ダイ108bよりも短く、挿入端22に開口しているプレジット20の表面に対応している。
【0047】
前述の説明において、4つの圧縮片のグループ化を4回繰り返して、タンポンプレジットの周囲にわたって4つの「ペタル」を提供してもよい。あるいは、タンポンプレジットの周囲にわたって3つの「ペタル」を形成するために、4つのプレスダイの3セットが存在してもよい。
【0048】
この方法において、ほぼ円筒形のタンポンブランク200が、図5図3Aのプレス機及び第1の貫通ダイ106aにおけるノッチ152に近接しているタンポンの断面図。プレス機の内部から図1のタンポンの挿入端に対応するプレス機の端部に向かって見ている)に示されている開放位置において、プレス凹型102内に挿入され、その後、初期圧縮ステップが実施される。この初期圧縮ステップにおいて、少なくとも貫通ダイ106は、図6において、並びに図7及び図8において詳細に示されているように、プレス凹型102内に、所定の仕上がり直径より小さい、プレス軸線104からの明確な距離「r」(図7を参照)を有する貫通ダイ閉鎖位置に移動される。これによって、ターンを形成する、隣接する貫通ダイの部分が、プレス機内の同じ空間を通過する。図8に示されているように、これは、第1の貫通ダイ106aにノッチ152を形成し、第2の貫通ダイ106bが、貫通ダイの閉鎖位置において、その内部を横断できるようにすることによって達成され得る。この初期圧縮ステップは、タンポンの圧縮された繊維コアを形成し、ディジタル挿入として当該技術分野において既知のタンポンアプリケータを必要としない、容易な挿入のための強度をカラムにもたらす。
【0049】
一実施形態において、プレフォームの実質的に長手方向のリブに、中央のプレス軸に向かって方向付けられた半径方向圧力を適用し、プレフォームと比較して減少した直径の圧縮タンポンプレジットを提供する、第2の圧縮ステップが、図9(プレス凹型の中心に近接しているプレス機の断面図)及び図10(プレス機の端面図)に示されている。このステップにおいて、貫通ダイ106は、形成ダイ108が、貫通ダイを越えてプレス軸に向かって前進できるように十分な、プレス軸からの明確な距離を取るように後退する。次いで、形成ダイのセットは、形成ダイ閉鎖位置に移動する。圧縮タンポンプレジットは、圧縮タンポンプレジットをプレス機から取り外せるようにするための、圧縮タンポンプレジットのための実質的に平滑なガイドを提供する形成ダイ108を使用し、かつ、押し込みロッド110(図11に示されている)を用いて圧縮タンポンプレジットの一方の端部を押すことによって、プレス凹型102から排出されてもよい。
【0050】
タンポンは更に成形され、パッケージ化されてもよい。例えば、挿入端は、半球形若しくは楕円形のドーム形状に形成されてもよく、タンポンは、タンポンの最終形状を支持することもできる一次包装材料に包囲されてもよい。
【0051】
少し詳細には、図3及び図4のタンポンプレス機100は、カム120、貫通ダイアセンブリ130、及び形成ダイアセンブリ140を含む。カム120は、ほぼ円形であり、カムがプレス軸線104を中心に旋回する時にダイアセンブリ130、140をプレス凹型102の内部及び外部に付勢するためのスロット122を含む。各貫通ダイアセンブリ130は、一対のスライド(例示的なスライド132がカム120の一方の側に示されており、もう一方は図示されていないが、カム120の反対側にある)と、貫通ダイ106とを含む。各形成ダイアセンブリ140は、一対のスライド(例示的なスライド142がカム120の一方の側に示されており、もう一方は図示されていないが、カム120の反対側にある)と、形成ダイ108とを含む。あるいは、ダイの移動の制御により多くの可変性を持たせるために、複数のカム120a、120bが使用されてもよい(例えば、あるカムは貫通ダイ106を操作することができ、他のカムは形成ダイを操作することができる)。
【0052】
プレス機100からの排出時に、圧縮されたプレジット20は図12に示されているようにほぼ円筒形である。圧縮された溝セグメントは全体的に、挿入端22から抜去端24まで延びる。プレジットのターン43から挿入端22まで延びる、これらの圧縮された溝セグメント50は、本質的に、審美的かつ機能的観点からそれらを実質的に排除する上記のドーム形成プロセスにおいて再構築される。これは、ドーム23の領域におけるカバー25の欠如によって強化される。
【0053】
代替の実施形態において、複数のカムで制御されるプロセスによって特に可能になることして、貫通ジョー106a、106bが、それらを別々に前進させるように制御されてもよい。例えば、貫通ジョー106bは、閉鎖位置まで前進させられ、十分に引かれて、貫通ジョー106aがプレス軸104に向かって閉鎖位置まで前進するようにしてもよい。これは、2つの貫通ジョーが同時に同じ空間を占有する必要がないため、貫通ジョー106aにおけるノッチ152の必要性を排除する。更に、以下の実施形態に記載されるように、これは、プレス機からの排出時に、貫通ジョー106aが圧縮タンポンプレジット20と接触したままとなるのを可能にし得る。
【0054】
前述の詳細な実施形態は、8つの交差する溝セグメントから得られる4つの溝形態を有するタンポンについて説明しているが、溝形態及び/又は溝セグメントの数は、所望のとおりに変化させてもよいことは認識されるであろう。偶数又は奇数の溝形態及び/又は溝セグメントが存在してもよい。上記の図3図12を参照して説明されている16の貫通ダイとは対照的に、対応する数の貫通ダイが必要とされることになる。
【0055】
本発明のタンポンプレス機では、図4図11のプレスダイは、以下のように変更される。
【0056】
貫通ダイ106’は対で形成され、第1の貫通ダイ106a’は、プレス面107’、及び溝セグメント41’に対応する形状を有し、第2の貫通ダイ106b’は(図2の)溝セグメント42’に対応する形状を有する。図4の貫通ダイと同様に、図13には、第1の貫通ダイ106a’の1つの端部150a’が、第2の貫通ダイ106b’の対応する端部150b’を越えて延びているのが示されている。実際に、第2の貫通ダイ106b’の端部150b’は、挿入端22’に近接してタンポンプレジット20’の表面にターン43’を形成するために(図2に示されるように)、第1の貫通ダイ106a’に向かって湾曲されている。この実施形態では、第1の貫通ダイ106a’の端部150a’は、図2のタンポンプレジット20’の挿入端22’に対応する。加えて、第2の貫通ダイ106b’の反対側の端部150b”は、第1の貫通ダイ106a’の対応する端部150a”を越えて延在する。また、タンポンプレジット(pledge)20’の基部24’に近接してターン43’を形成するように湾曲している。
【0057】
ここでも、分離型の溝形態40’のターン43’は、溝セグメント41’と42’との間の交点によって形成される(図2を参照)。溝形態40’を形成するために、貫通ダイ106a’、106b’は、タンポンブランクの圧縮時に交差する経路上を移動し(従来技術の図6に示されているものと同様)、プレジットを形成する。したがって、貫通ダイ106a’は、端部150a’から離間されているけれども近接して形成されているプレス面ノッチ152’(図13~15を参照)を有し、これにより貫通ダイ106b’の端部150b’が、貫通ダイ106a’の移動経路を通過することが可能となる。加えて、貫通ダイ106b’は、図14に示すように、また図15でより詳細に示されるように、対応するプレス面ノッチ152a’と一致する端部ノッチ153b’を有する。この配置は、貫通ダイ106a’及び106b’の他の端部150a”及び150b”で繰り返される。
【0058】
ここでも、形成ダイ108’は、それらの間に配置される貫通ダイ106’の形状に適応する形状に成形される。このように、形成ダイ108a’は、図2のタンポンの溝セグメント41’及び42’、並びにターン43’の外側のプレジット20の表面に対応する。この形成ダイ108a’は、図2のタンポンの溝セグメント41’及び42’並びにターン43’に含まれるプレジット20の表面に対応する形成ダイ108b’よりも長い。
【0059】
図16に示すように、端部ノッチの追加により、プレス面ノッチ152’の深さ「D」は、貫通ダイ106の全てのプレス面が、完成したタンポン直径に深く(少なくとも3mm)貫通することを可能にする。これにより、隣接する貫通ダイは、完成したタンポンの外側表面160の下のタンポンブランクの繊維状材料を完全に「たくし込む」ことができるようになる。
【0060】
上記の明細書及び実施形態は、本明細書で開示される本発明の完全かつ非限定的な理解を助けるために提示されるものである。本発明の多くの変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に含まれるものである。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 婦人衛生用の膣内タンポンを作製する装置であって、
a)中央プレス軸を有するタンポンプレス機であって、
i)該中央プレス軸を中心に配置されて、プレス凹型を形成する、複数の細長いプレスダイであって、該細長いプレスダイは、所望の圧縮タンポンプレジット内の複数の長手方向溝セグメントに対応するプレス面を有し、かつ所望の第1の溝セグメント形状に対応するプレス形状を有する少なくとも1つの第1の貫通ダイと、第2の溝セグメント形状に対応するプレス面を有する少なくとも1つの第2の貫通ダイと、を含む、複数の長手方向の貫通ダイを含み、該第1の溝セグメント形状及び該第2の溝セグメント形状が組み合わされて、該プレス機で形成されるタンポン上に溝形態を形成し、該第1の貫通ダイの該プレス面は、該第2の貫通ダイの該プレス面を越えて、該プレス凹型の端部に向かって長手方向に延び、
A)該少なくとも1つの第1の貫通ダイは、その第1の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、その反対側の第2の端部において該プレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有し、該少なくとも1つの第2の貫通ダイは、(該少なくとも1つの第1の貫通ダイの該第2の端部に対応しかつ隣接する)その第2の端部に近接して配置されたプレス面ノッチと、(該少なくとも1つの第1の貫通ダイの該第1の端部に対応しかつ隣接する)その反対側の第1の端部において該プレス面に垂直な縁部に配置された端部ノッチとを有し、かつ、
B)該第1の貫通ダイ及び該第2の貫通ダイは、該プレス機内の同じ空間を通過し、該溝形態を形成することができる、
細長いプレスダイと、
ii.該プレス凹型内及び外への、該細長いプレスダイの移動を制御するための制御機構と、
を含む、タンポンプレス機と、
b.所定の仕上がり直径より小さい直径を有する、円筒形キャリアと、
を含む、装置。
(2) 前記複数の長手方向の貫通ダイが、前記第1の貫通ダイ及び前記第2の貫通ダイの少なくとも2つの対を備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記所定の仕上がり直径より小さい出口オリフィスの直径を有する形成ダイを更に備え、該形成ダイが、前記プレス凹型と同軸に、かつ前記プレス機内の排出開口部と隣接して配置されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記圧縮タンポンプレジットの一方の端部を仕上げる手段を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記第1の貫通ダイ及び前記第2の貫通ダイが前記プレス機内を連続して移動するように配置され、かつ構成されており、該第1の貫通ダイが、該プレス機内のその最大貫通位置に移動する前に、該第2の貫通ダイが、該プレス機内のその最大貫通位置内へ移動し、該位置から後退する、実施態様1に記載の装置。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16