(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】少なくとも1つの自動車機能を制御する方法及び制御システム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/24 20130101AFI20220905BHJP
B60R 25/01 20130101ALI20220905BHJP
H04B 1/3827 20150101ALI20220905BHJP
H04B 1/3822 20150101ALI20220905BHJP
【FI】
B60R25/24
B60R25/01
H04B1/3827 110
H04B1/3822
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020203369
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】10 2020 103 083.5
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520193987
【氏名又は名称】ユーシン ドイチェラント ツーガングスシステメ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】ランミヒ マルク-テル
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-085899(JP,A)
【文献】特開2004-183625(JP,A)
【文献】特開2018-034635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363988(US,A1)
【文献】特開2004-232558(JP,A)
【文献】特開2010-146095(JP,A)
【文献】特開2009-029376(JP,A)
【文献】特開2009-046837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/24
B60R 25/01
H04B 1/3827
H04B 1/3822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(32)の少なくとも1つの自動車機能を制御する方法(14)であって、
前記方法は、少なくとも、
第1及び第2の無線規格の無線によ
る移動端末(46;60)の位置検出を行うステップ(10、16、18)であって、前記第1及び第2の無線規格は異なるステップと、
前記第1の無線規格の無線による位置検出(16)と前記第2の無線規格の無線による位置検出(18)とを比較することにより前記移動端末(46;60)の検出位置の検証を行うステップ(12)と、
前記検証を行うステップ(12)で検証された前記移動端末(46;60)の位置が前記自動車の車室内である場合、前記自動車機能の制御を行うステップ(14)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記自動車機能は、
モータ機能と、
加熱機能と、
安全機能と、
自律運転機能と、
のうちの少なくとも1つの機能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の無線規格がBluetooth、Bluetooth Low Energy、
又はWLANであり、前記第2の無線規格がNFC又はUWBであ
り、又は、
前記第1の無線規格がUWBであり、前記第2の無線規格がNFCである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記自動車機能の制御を行うステップ(14)は、
前記移動端末(46;60)の検出位置が
、予め定められ
る所定の位置と一致する場合、前記移動端末(46;60)の検出位置に応じて行われる、
請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び第2の無線規格の無線による前記移動端末(46)の次の位置検出を行うステップ(10、16、18)と、
前記第1の無線規格の無線による前記次の位置検出(16)と第2の無線規格の無線による前記次の位置検出(18)とを比較することにより、前記移動端末(46)の次の検出位置の検証を行うステップ(12)と、
前記検証を行うステップ(12)による前記次の検証位置がもはや前記所定の位置に対応しない場合、前記自動車機能を終了するステップと、
前記第1及び第2の無線規格の無線による他の移動端末(60)の位置検出を行うステップ(10、16、18)と、
前記第1の無線規格の無線による前記位置検出(16)と前記第2の無線規格の無線による前記位置検出(18)とを比較することにより、前記移動端末(60)の検出位置の検証をさらに行うステップ(12)と、
前記検証をさらに行うステップ(12)で検証された前記移動端末(60)の位置が前記所定の位置と一致する場合の自動車機能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記自動車機能の制御が開始されるとき、前記移動端末(46;60)が保持装置によって解除不能に保持されるように、前記所定の位置にある前記保持装置で前記移動端末(46;60)を係合するステップと、
前記自動車機能が終了するとき、前記保持装置から前記移動端末(46;60)の係合を解除するステップと、
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の位置で前記移動端末(46;60)を充電するステップをさらに含む、請求項4~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記移動端末(46;60)のステータス信号を生成するステッ
プと、
前記移動端末(46;60)からの前記ステータス信号に応じて、前記自動車機能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
温度を検出するステップと、
検出された温度に応じて、前記自動車機
能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
自動車状
態を検出するステップと、
前記自動車の状態に応じて、前記自動車機
能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記自動車の車室の少なくとも部分領域を光学的に検出するステップと、
検出された前記部分領域とデータベース装置からのユーザーの顔情報とを比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記ユーザーを認証するステップと、
前記ユーザー(48;62)の前記認証に応じて、前記自動車機能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第2の無線規格の無線による支払い情報を認証するステップと、
前記支払い情報の前記認証に応じて、前記自動車機能の制御を行うステップ(14)と、
をさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの自動車機能を制御(14)するための制御システム(30)であって、
前記制御システム(30)は、少なくとも、
第1の無線規格の無線により移動端末(46;60)の位置を検出するように構成される第1の検出装置(52)、
第2の無線規格の無線により前記移動端末(46;60)の位置を検出するように構成される第2の検出装置(34)、
前記移動端末(46;60)の検出位置を検証するように構成される検証装置(40)、及び、
前記移動端末(46;60)の検証位置に応じて自動車機能の制御(14)を行うように構成される制御装置(38)、
を含む制御システム(30)。
【請求項14】
前記移動端末(46;60)からステータス信号を受信するように構成される受信装置(58)、
自動車状態、及び/又は前記自動車の車室の部分領域を検出するように構成されるセンサ装置(56)、
前記移動端末(46;60)を充電するように構成される充電装置(42)、
データベース装置、及び/又は、
モバイル装置(46;60)、
をさらに含む、請求項13に記載の制御システム(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの自動車機能を制御する制御システム及び自動車の自動車機能を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の自動車には、多くの自動車機能がある。これらの自動車機能は、ほとんどの場合、ユーザー、通常は運転手からの入力手段によって制御することができる。場合によっては、制御システムによって、定期的に制御される必要がある自動車機能を能動的に制御することが有利である。これにより、いくつかの自動車機能を制御するためのユーザーによる入力の必要がなくなり、制御システムによってユーザーは解放される。頻繁な制御を必要とする1つの自動車機能は、例えば、駆動エンジンのオン/オフを切り替えることである。このような駆動エンジンの制御は、例えば、制御システムによって実行することができる。制御システムは、キー要素(key element)などの移動端末の位置に応じて駆動エンジンの制御を行うことができる。従って、移動端末を持ったユーザーが自動車の内部にいる場合、運転手が便利に使用できるように、制御システムによって駆動エンジンを始動することができる。移動端末の位置は、通常、無線によって検出される。
【0003】
例えば、Bluetooth(登録商標)を使用する無線を介した移動端末の位置検出は、不正確な可能性がある。したがって、たとえ移動端末の実際の位置が自動車内にないとしても、無線によって検出された移動端末の位置は、自動車内にある場合がある。例えば、制御システムによる駆動エンジンの自動制御、例えばスイッチを入れるなどの制御は、ユーザー、好ましくは運転手が、そのときにモータ車両内にいない可能性があるので、このような状況では、望ましくない状況をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自動車機能を制御するための方法及び制御システムを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項の目的によって解決される。本発明の好都合な更なる発展を伴う有利な実施形態は、それぞれの従属請求項に示されている。
【0006】
本発明の第1の側面は、自動車の少なくとも1つの自動車機能を制御する方法に関する。自動車は、例えば、乗用車又はトラックであってもよい。本方法は、移動端末の少なくとも1つの位置検出ステップを含む。移動端末は、例えば、携帯電話、キー又はキー要素、特に自動車のキー、タブレット、ラップトップ、時計などのウェアラブル、特にスマートウォッチ、一対の眼鏡、好ましくはデータ眼鏡、インプラント、又は統合された電子手段を有する衣服であってもよい。例えば、移動端末は、マイクロチップなどの制御ユニット、バッテリーなどの電源ユニット、及び/又はRFIDチップ及び/又はBluetooth、WLAN及び/又はUWBトランシーバなどの通信部を備えることができる。
【0007】
位置検出は、第1及び第2の無線規格の無線によって実行される。2つの無線規格は異なる。したがって、2つの無線規格は、使用される周波数帯域又は周波数範囲、使用される変調形式、伝送速度、範囲、セキュリティ規格、安定性及び/又は電力密度において、少なくとも異なる場合がある。位置検出とは、自動車に対する空間内の移動端末の位置を検出することである。検出位置は、空間ゼロ点に対して、3次元ベクトルの形で表すことができる。空間ゼロ点は、例えば、車両に固定することができ、特に、内部の中央に配置することができる。位置は、定義された空間ゼロ点及び定義された自動車の空間軸に対して、距離及び少なくとも1つの角度にわたって表すことができる。角度が1つしかない場合はその位置に対して、例えば、それが自動車と水平面内にあると仮定することができる。位置検出は、移動端末の検出位置を決定する。検出位置は、端末装置の実際の空間位置の近似値であってもよい。
【0008】
第1の無線規格の無線による位置検出は、移動端末と自動車の無線装置との間の幾つかの決定された距離の三角測量によって行うことができる。三角測量は、例えば、互いに間隔を置いて配置されたアンテナによって、位置検出のために3つ以上の距離を使用することができる。このように、移動端末の位置検出は、少なくとも自動車の車室全体で行ってもよい。自動車の車室は、外部空間に対して自動車の最も外側の境界から区切られた空間である。外部空間は、例えば、車両の周囲(environment)であってもよい。自動車の車室は、例えば、乗員室であってもよく、又は少なくとも乗員室を含んでもよい。加えて、第1の無線規格の無線による位置検出は少なくとも隣接する自動車の外部で実行することができ、自動車の外部は、自動車の車室の周囲に近接して延びる。
【0009】
第2の無線規格の無線による位置検出は、第1の無線規格の無線による位置検出と同様に、例えば三角測量によって行うことができる。第2の無線規格の無線による位置検出は、近距離位置検出によって、好ましくは1つのアンテナによって、実行することができ、それによって、例えば三角測量を使用せずに実行することができる。第2の無線規格に基づく無線による近距離位置検出は、自動車の車室の閉じ込めによって範囲が制限されることがある。第2の無線規格の無線による近距離位置検出は、第1の無線規格の無線による位置検出よりも短い範囲で位置検出を行うことができる。例えば、近距離位置検出は単に第2の無線規格の無線信号を受信するだけで移動端末の位置を決定することができ、この場合、移動端末は受信機までの最小距離内に位置する。したがって、移動端末が存在する1つ又は複数の無線装置のうちの1つに近接している場合、移動端末の位置をそのような方法で検出することができる。例えば、無線装置は、第2の無線規格のそれぞれの無線信号を送信及び/又は受信するためのそれぞれのアンテナを備えることができる。近接とは、例えば、数センチメートルであってもよい。有利には、このような位置検出が特に第1の無線規格での検出と比較して、比較的正確である。
【0010】
好ましくは、第1の無線規格の無線による位置検出が第2の無線規格の無線による位置検出よりも長い範囲を有してもよい。好ましくは、第1の無線規格の無線による位置検出が第2の無線規格の無線による位置検出よりも省エネルギーであってもよい。好ましくは、第2の無線規格の無線による位置検出が第1の無線規格の無線による位置検出よりも正確であってもよい。
【0011】
例えば、第1及び第2の無線規格の無線による位置検出は、実質的に同時に実行されてもよい。これにより、時間を節約した方法で位置検出を行うことができ、及び/又は検出位置を検証することができる。有利には第1の無線規格の無線による位置検出が第2の無線規格での位置検出よりも前に行うことができ、これは、最初に第1の無線規格での位置のみが検出できることを意味する。この場合、第2の無線規格の無線による位置検出は、第1の無線規格の無線による位置検出が車両の車室に位置する検出位置を決定した場合にのみ作動できる。有利には、第2の無線規格の無線による位置検出は、第1の無線規格の無線による位置検出がセンターコンソール又はダッシュボードの領域のような、自動車の車室の特定区間に位置する検出位置を決定した場合にのみ、作動できる。これにより、有利には、第1の無線規格の無線による位置検出が自動車の車室の移動端末の検出位置をもたらさない場合、第2の無線規格の無線による位置検出が行われないので、位置検出を省エネルギーで行うことができる。位置の検証は、第2の無線規格での位置検出の作動後に行うことができ、第1及び第2の無線規格での位置検出は、実質的に同時に行うことができる。
【0012】
少なくとも1つの自動車機能を制御するための方法はさらに、少なくとも移動端末の検出位置の検証を含む。検証は、第1の無線規格及び第2の無線規格の無線による位置検出を比較することによって実行される。その結果、比較は、2つの位置検出によって検出された移動端末の位置の一致(match)を決定することができる。一致すること(matching)は、空間において検出位置が正確に一致することを意味してもよい。一致することは、空間において検出位置が近似的に一致することを意味してもよい。近似的な一致は、所定の閾値内に検出位置の一致を意味してもよい。閾値は、両方の位置検出の測定の不正確さを考慮に入れるように設定されてもよい。測定の不正確さは、例えば、それぞれの無線規格での位置検出のそれぞれの最大測定許容値に対応してもよい。2つの位置検出によって検出された移動端末の位置が一致しない場合、検出された移動端末の位置は検証されない。この場合の比較の結果、検出位置を検証できなかった可能性がある。検出位置の検証が成功した場合、検証位置を、例えば、検出位置と仮定してもよく、検出位置は、最も位置精度の高い無線規格の無線で検出される。一般に、検証位置は、自動車の車室全体であってもよい。比較の結果、検証位置は、自動車の車室の外側であってもよい。これは、例えば、第1の無線規格で検出位置が自動車の車室の外側にある場合であり、第2の無線規格で検出位置が自動車の車室の外側にある場合である。
【0013】
少なくとも1つの自動車機能を制御するための方法はさらに、移動端末の検証位置が自動車の車室内にある場合に、自動車機能を制御する少なくとも1つのステップを含む。なお、自動車機能の制御は、自動車の車室内における移動端末の位置の検証の後、一時的に直接行ってもよい。代替的に又は追加的に、自動車機能の制御は自動車の車室内における移動端末の位置の検証の後に、調整可能な時間的なオフセットで行われてもよい。時間的なオフセットはユーザーによって設定されてもよいし、固定されてもよい。また、時間的なオフセットは、制御されるべき自動車機能に固有のものであってもよい。例えば、制御することは、少なくとも、自動車機能を開始することを含む。例えば、制御することは、起動した後の自動車機能を監視すること、及び自動車機能を実行中の自動車機能を監視することを含む。また、制御することは、自動車機能を停止することであってもよい。位置が検証できなかったり、検証位置が自動車の車室の外部である場合、例えば、自動車機能の制御を行わなかったり、自動車機能を異なる方法で制御することができる。位置が検証できなかったり、検証位置が自動車の車室の外部である場合、自動車機能は、例えば、始動しなかったり、自動車機能は、例えば、変更されることなく実行され続ける。
【0014】
例えば、自動車機能の制御は、ユーザー固有のものであってもよい。例示的な一実施形態では、本方法が移動端末を各ユーザーに一意に割り当てることができ、又は移動端末を各ユーザーに一意に割り当てることができる。パラメータセットは各ユーザーに割り当てられてもよく、自動車機能はパラメータセットに応じて制御されてもよい。これは、例えば、集中型及び/又は分散型データベースによって行うことができ、データベースは、方法を使用して照会される。集中型データベースは、例えば、自動車メーカのデータベースとすることができ、このデータベースは、自動車から無線で照会される。分散型データベースは、例えば、自動車の予め構成可能なデータベースとすることができる。初期の起動時に、例えば、一意に割り当てられた移動端末を有するユーザーリストをデータベースに格納することができる。例えば、代替的に又は追加的に、制御されるべき自動車機能は、異なる移動端末に対して異なるものとすることができる。
【0015】
有利には、本方法が移動端末の検証位置が自動車の車室内にある場合に、自動車機能が制御されることを確実にする。有利には、運転手が移動端末を持ち運び、したがって、移動端末が自動車の車室内にある場合、運転手が自動車の車室内にいることを間接的に証明する。運転手が自身の携帯端末と共に自動車の車室の外にいる場合には自動車機能の制御が生じないか、又は違いが生じるため、これにより、制御された自動車機能の適用の安全性が高まる。これにより、運転手は、必要に応じて、自動的に実行される自動車機能の制御中にいつでも介入することができる。
【0016】
また、本方法は、移動端末の検証位置が自動車の車室内にある場合、2つ以上の自動車機能を制御するために使用することができる。以下に、本方法によって有利に制御される自動車機能のいくつかの例を示す。また、本方法は移動端末の位置が自動車の車室内にあることの検証に応じて、これらの機能のうちの1つのみ、いくつか又は全ての制御を行うことができる。
【0017】
別の例示的な実施形態では、自動車機能は、例えば、駆動エンジンのオン又はオフの切り替えなどのモータ機能であってもよい。有利には、移動端末を有するユーザーが車両に入るとき、駆動エンジンをオンにすることができ、及び/又はイグニッションを可能にすることができる。駆動エンジンは、例えば、内燃エンジン又は電気モータであってもよい。方法によって制御することができる更なるエンジン機能は、例えば、混合気噴射の調整、混合気組成の調整、又は電動機の最大トルクなどの最大トルクの調整などの性能機能である。有利には、特定の移動端末を有する特定のユーザーが自動車の車室内にいる場合、エンジン機能を個々に適合させた方法で制御することができる。
【0018】
例えば、自動車機能は、自動車の車室の加熱、バッテリーの加熱、又は駆動エンジンの加熱のような加熱機能であってもよい。自動車の車室の加熱は、例えば、外気の加熱、1つ以上の座席の加熱、又はステアリングホイールの加熱を含むことができる。加熱の制御を行うことは、移動端末に関連付けられたユーザーに依存してもよい。有利には、例えば、ステアリングホイールは異なる移動端末を有する異なるユーザーに対して異なる温度に加熱されてもよい。有利には、バッテリーを加熱することにより、バッテリー駆動の電動車両の効率を改良することができる。この加熱は、走り去る(driving off)前のバッテリーの予備加熱を含むことができる。携帯端末を持っているユーザーが車両に入ると、バッテリーの加熱を直接開始することができるため、バッテリーの蓄えられたエネルギーを、特に速やかに走り去る場合に、最大限に活用することができる。加熱は、ディーゼルエンジンの予備加熱を含んでもよい。これにより、ユーザーが車両に入るときに、バッテリーと同様のディーゼルエンジンを制御でき、従って、ユーザーが車両に入ってから自動車が運転可能になるまでの間の時間が短縮される。
【0019】
例えば、自動車機能は、安全機能とすることができる。例えば、安全機能はブレーキを解除したり、ギアを変更したりするなどの操作上の安全機能であってもよい。例えば、安全機能は、ステアリングホイールのロックの解除のような盗難防止機能であってもよい。従って、有利な例示的な実施形態では、運転手が移動端末と共に自動車の車室内に入り、それによって自動的にハンドルロックが解除されるようにすることができる。したがって、自動車の使用は、本方法によって容易になる。また、これにより、ユーザーが自動車を始動するまでの時間が短縮される。
【0020】
自動車機能は、例えば、自律運転機能であってもよい。自律運転機能は、例えば、目的地への自律走行及び/又は自律駐車機能であってもよい。有利な例示的な実施形態において、移動端末を有するユーザーは自動車内に入り、それによって駐車場を出るための自律的な操縦機能を開始させることができる。この制御された自律運転機能は、特定のユーザーに関連付けられた移動端末に依存してもよい。したがって、1つの例示的な実施形態では、レベル4又は5などの高い自律性のレベルの自律駆動機能が高齢者などの運転が不可能なユーザーの移動端末によっても効果を発揮できる。例えば、これは、子供などの、運転できないユーザーの移動端末によっても効果を発揮できる。自律運転機能は、本発明の方法によって制御可能な自動車機能の特に有利な例である。位置を検証することにより、誤った位置検出により、移動端末を持った乗客が乗車していない状態で自動車が走り去らないことを確実にすることができる。
【0021】
上記のように、それぞれの種類の自動車機能は、組み合わせて制御することもできる。例えば、自動車の車室の位置が検証されれば、バッテリーを予熱することもできるし、自動車の車室を加熱することもできる。本方法の1つの例示的な実施形態では、第1の無線規格が例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、WLAN(Wireless LAN)、又はUWB(Ultra Wide Band)であってもよい。たとえば、Bluetooth無線規格は、Bluetooth Classic無線規格で構成されている。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、第1の無線規格は、「Smart Ready」デバイス(devices)を使用することができる。上記標準は、低消費電力で位置検出のための高い範囲を有することができる。
【0023】
第2の無線規格は、近距離通信(NFC)又はUWBである。NFCは、例えば、RFIDチップを使用して実装することができる。RFIDチップは、例えば、移動端末に内蔵されるか、又は移動端末に後付けされることができる。RFIDチップは、例えば、移動端末に接続可能なアダプタに取り付けることができる。これにより、必要なRFID技術を有していない既存の携帯端末を安価に拡張することができる。有利には、それぞれの移動端末が既に内蔵RFIDチップを使用することができる。前述の第2の無線規格では、高い精度で位置を検出できるため、特に検証に適している。さらに、第2の無線規格は高い帯域幅と高い盗聴セキュリティをもつデータ伝送を可能にし、したがって、簡単な方法で安全な認証を可能にする。例えば、パスワードを第2の無線規格で送信することもでき、これにより、自動車の車室内の位置が確認され、パスワードが正しい場合にのみ、自動車機能の制御が行われる。
【0024】
1つの例示的な実施形態において、自動車機能の制御は、自動車の車室内の移動端末の検出位置、及び/又は検証位置に応答して行うことができる。例えば、制御は、移動端末の検証位置が所定の位置と一致する場合に行われてもよい。所定の位置は、例えば、製造者によって、又はユーザーによって予め定められてもよい。これにより、所定の位置を複数設けてもよい。例えば、所定の位置は、ダッシュボードの表面などの収納表面、又は車両壁又は座席に取り付けることができる折り畳みテーブルなどのテーブル表面と対応することができる。所定の位置は、例えば、センターコンソール又はトレイの表面又は収納スペースに対応することができる。所定の位置は、収納スペース又は締結装置によって規定されてもよく、特に、自動車の車室内の移動端末のために設けられてもよい。収納スペースは、例えば、グローブボックスであってもよい。締結装置は、例えば、移動端末が運転中及び/又は自動車機能を制御しながら締結装置に取り付けられたままになるように、自動車の車室の一部に移動端末を締結することができる。有利には、所定の位置は、ユーザーが自身の移動端末を置かなければならない場所をユーザーに指定することができ、その結果、移動端末の位置は、第2の無線規格の、好ましくは短距離の無線規格の無線によって検出される。好ましくは、そのときにのみ、自動車の車室内における位置を検証することができる。これにより、ユーザーの使用を容易かつ迅速に行うことができるという利点がある。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、方法は、第1及び第2の無線規格の無線による移動端末の次の位置検出のステップを含むことができる。移動端末の次又は第2の位置検出は既に上述したように、第1の位置検出の後に一時的に生じてもよい。さらに、本方法は、例えば、次の検出位置の検証ステップを含むことができる。次の検出位置は、例えば、移動端末の第2の検出位置であってもよい。有利には、検証のステップが第1及び第2の無線規格の無線によって第2の検出位置を比較することによって実行されてもよい。有利には、本明細書に記載の検証が第1の位置検出について上述した検証と同じ方法で実行することができる。したがって、いわゆる第1の検証位置と、いわゆる第2の検証位置とが存在することができる。
【0026】
本方法は、有利には移動端末の次又は第2の検証位置が所定の位置に対応しない場合に、自動車機能を終了させるステップを含むことができる。これは、例えば、移動端末の検出位置が、例えばユーザーによる収納トレイからの取り外しのために、もはや所定の位置に対応しない場合に起こり得る。一実施形態では、自動車機能を終了させるステップが移動端末の位置に依存してもよい。従って、次に検証位置が自動車の車室内にない場合には、自動車機能を終了させることができる。従って、ユーザーが自身の携帯端末を用いて自動車から出ることは、一旦自動車から出ることのみによって、自動車機能の終了を引き起こすことができる。
【0027】
本方法は、有利には、さらなる移動端末(例えば第2の移動端末)の第3の位置検出ステップを含むことができる。この第3の位置検出は、例えば、第1及び第2の無線規格の無線によって実行することができる。第3の位置検出は、例えば、第1及び第2の位置検出の後に一時的に行われてもよい。例えば、第3の位置検出は、第1の移動端末の次に検証位置が自動車機能の終了を引き起こした場合に発生してもよい。さらに、本方法は、有利には第2の移動端末の検出位置の検証ステップを含むことができる。第2の移動端末の検出位置の検証は、有利には第1及び第2の無線規格の第3の位置検出を比較することによって実行される。本明細書で言及される検証は、第1の移動端末の第2の検出位置の検証、及び/又は第1の移動端末の第1の位置検出の検証のように構成されてもよい。有利には、本方法が例えば、第2の移動端末の検証位置に応じて、及び/又は第2の移動端末の検証位置が自動車の車室内にあるかどうかに応じて、自動車機能の制御を行うステップをさらに含むことができる。従って、自動車機能は、上述した自動車機能と同一であっても、異なるものであってもよい。したがって、制御は、同一又は異なるパラメータのセットを用いて実行されてもよい。有利には、第2の移動端末の検証位置が所定の位置に一致していれば、自動車機能の制御が行われてもよい。1つの例示的な実施形態において、制御することは第2の移動端末の検証位置が自動車の車室内にあり、第1の移動端末の検証された又は少なくとも1つの検出位置が自動車の車室内にない場合に行われる。
【0028】
第1のユーザーは、自身の第1の携帯端末で自動車の車室を離れることができる。これにより、例えば、自動車機能の制御を自動的に終了することができる。1つの例示的な実施形態では、例えば、駆動エンジンは、その後、代替的に又は追加的にオフに切り換えられ、及び/又はブレーキが適用されてもよい。自身の端末装置を持つ第2のユーザーは、それに続いて、自動車に入ることができる。有利には、これにより、第2の移動端末の検出位置の検証後に、自動車機能の制御を可能にすることができる。したがって、例えば、1つの運転手から次の運転手への引き渡しは、すべての必要な安全基準に従って行うことができる。したがって、例えば、カーシェアリングを本方法で対応させることができる。これにより、運転手が車両の中にいない限り、車両を自動的に確保することができる。運転手は、使用中に積極的に自動車の制御を行うこともでき、単に自律運転機能を監視することもでき、又は、同乗者の感覚で純粋に受動的な運転手となることもできる。
【0029】
別の実施形態では、本方法が携帯端末を保持装置に係合させるステップを含むことができる。これにより、例えば、携帯端末を保持装置に係合させることができる。保持装置は、例えば、所定の位置に配置されてもよく、及び/又は移動端末のための締結装置として構成されてもよい。また、保持装置は、例えば、ユーザーが自動車の車室内で自動車に対して相対的に変位するように構成することもできる。
【0030】
有利には、移動端末の係合が自動車機能の制御が開始されるときに発生してもよい。従って、係合は、自動車機能の制御が開始された後、大幅な時間遅延なしに発生することがある。
【0031】
有利には、移動端末は、移動端末が保持装置によって解除不能に保持されるように係合される。解除不能な係合とは、意図された使用中の不釣り合いな力、又は意図的な操作なしに、ユーザーによって移動端末が保持装置から取り外されることがない、保持装置内の移動端末の係合を表す。例えば、係合した移動端末は保持装置を損傷することによってのみ、保持装置から解除されることができる。有利には、自動車機能が終了したとき、又は自動車機能が終了するときに、保持装置における携帯端末の係合を解除することができる。係合を解除することにより、ユーザーは、携帯端末を保持装置から取り外すことができる。有利には、係合は、移動端末が所定の位置から、特に保持装置から取り外されることを防止することができる。これは、例えば、移動端末を自動車の車室から取り外すことによって可能であろう、自動車機能の意図しない終了を防止することができる。これは、例えば、車線維持機能(lane-keeping function)のような安全性に関連する自動車機能に有用であり得る。また、自動車機能の実行中に、携帯端末の所有者ではない他のユーザーによる携帯端末の意図しない取り外しを防止することができる。例えば、駆動エンジン機能の稼働時間中などの自動車機能の実行中に、乗客による運転サービス提供者の移動端末装置の盗難を防止することができるので、乗客を伴う運転サービス提供者にとって有利であり得る。
【0032】
さらなる実施形態では、本方法が好ましくは移動端末を所定の位置で充電することを含むことができる。携帯端末の充電は、携帯端末のバッテリー等のエネルギー貯蔵の充電であってもよい。充電は、プラグ又はソケットのような電気的な接触によって実行されてもよい。あるいは、充電が誘導によるなど、非接触であってもよい。充電のために、自動車は、例えば、所定の位置に、及び/又は保持装置内に統合された充電器を備えることができる。充電の利点は、移動端末の使用期間の延長であり、特に、自動車機能を制御するための使用期間の延長である。
【0033】
本方法は、有利には移動端末のステータス信号を生成するステップを含むことができる。ステータス信号は、例えば、エネルギー貯蔵装置のステータス、ナビゲーションアプリケーションのステータス、又はテレフォニーステータスであってもよい。例えば、ナビゲーションアプリケーションのステータスは、ルート提案を含むことができる。テレフォニーステータスは、例えば、ユーザーが現在携帯端末を介して通話を行っているかどうかを示すことができる。ステータス信号は、例えば、移動端末によって検出及び/又は発信されてもよい。例えば、ステータス信号は、携帯端末と自動車との通信装置の手段により、携帯端末から自動車に送信されてもよい。例えば、ステータス信号は、第1及び/又は第2の無線規格の無線によって送信されてもよい。好ましくは、ステータス信号が位置検出方法によって使用される無線信号であり、ステータス信号は、例えば、携帯端末によって生成される。したがって、位置検出の無線信号は、例えば、ステータス情報を送信することもできる。自動車は、例えば、センサ装置によってステータス信号を検出することができる。ステータス信号に応じて、例えばステータス信号の値に応じて、自動車機能を制御することが好ましい。例えば、センサ装置は、ステータス信号によって、電話が現在電話をかけるために使用されていることを検出することができる。センサ装置は、モバイルネットワークを介して電話をかけるために移動端末によって送信された信号をステータス信号として検出するように構成され得る。
【0034】
一実施形態では、自動車機能が駆動エンジンをオンに切り替えることであってもよい。ユーザーが自動車に入っている間に移動端末で電話をかけている場合、ステータス信号はユーザーが現在電話をかけており、自動車で走り去ることが許可されていないことを示すために使用される。本方法により、例えば、エンジンをオンに切り替えることを防止することができる。このようにして、気を取られた運転手による車両制御を避けることができる。
【0035】
さらなる実施形態では、本方法が温度を検出することを含むことができる。温度は、例えば、自動車の車室温度、エンジン温度、バッテリー温度及び/又は外気温度であってもよい。温度は、センサ装置によって検出することができる。例えば、自動車及び/又は携帯端末は、このセンサ装置を備えることができる。
【0036】
好ましくは自動車機能の制御、特に加熱機能の制御は検出された温度に応じて実行することができる。従って、一実施形態では、自動車の車室は、外気温度及び/又は自動車の車室温度に応じて加熱することができる。任意選択的に、加熱機能は、特定のユーザーに関連付けられた移動端末に応じて追加的に実行されてもよい。従って、本方法は、第1の移動端末が割り当てられた第1のユーザーが自動車に入るときに、第1のパラメータセットから得られる第1の目標温度で自動車の車室の加熱機能の制御を行うことができる。割り当てられた第2の移動端末を有する第2のユーザーは、割り当てられた第2の移動端末を持って第2のユーザーが自動車に入るとき、第2のパラメータセットから得られる第2の目標温度で自動車の車室の加熱機能の制御を行うことができる。第1及び第2の目標温度は、異なっていてもよい。したがって、有利には、自動車の車室のユーザー固有の温度の制御を行うことができる。
【0037】
さらなる実施形態では、外気温度に応じて駆動機能の制御を行うことができる。氷点付近の外気温度には、高い温度よりも、路面とタイヤとの間の異なる摩擦条件が期待されなければならない。従って、一実施形態では、駆動輪のトラクションは、外気温度に応じて自動車機能として制御することができる。これにより、例えば、運転の安全性を高めることができる。
【0038】
さらなる実施形態では、本方法が自動車状態、特に座席占有状態を検出するステップを含むことができる。座席占有状態は、例えば、特定の座席が占有されているかどうか、ユーザー又は他の人物が、該当する場合、座席に座っているかどうかを意味することを示すことができる。また、自動車状態は、例えば、水平に対する自動車のドア開放状態又は傾斜状態であってもよい。
【0039】
自動車機能は、車両状態に応じて制御することが好ましい。特に、自動車機能は、ブレーキの制御を行うなどの安全機能とすることができる。
【0040】
有利な実施形態では、自動車の座席占有状態を検出することができる。例えば、ユーザーは、移動端末と共に自動車の車室内にいることができる。自動車機能は、例えば、ブレーキの解除であってもよい。ブレーキの解除は、座席占有状態に依存してもよい。これはユーザーが自動車の運転席以外の座席にいる場合、制御、この場合はブレーキの解除は、自動車の車室内に配置された移動端末によって行われないことを意味する。これにより、自動車使用時の安全性がさらに向上する。
【0041】
さらなる例示的な実施形態では、本方法が例えば、光学的に検出するステップを含むことができる。好ましくは、自動車の車室の領域が検出される。自動車の車室の領域は、自動車の車室の全体でも、部分領域のみであってもよい。例えば、部分領域は、座席の領域、好ましくは運転席であってもよい。光学的検出のために、センサ装置、好ましくは、自動車の車室内にカメラを設けることができる。
【0042】
好ましくは、本方法がユーザーの顔情報を含む検出された部分領域を比較するステップを含むことができる。顔情報は、好ましくはデータベース装置のデータベースに記憶される。ここで、ユーザーとは、データベース装置のデータベースに登録された自動車の潜在的なユーザーのセットである。データベースに登録された潜在的なユーザーのセットは、例えば、共有車両のユーザーであってもよい。データベース装置は、例えば、自動車の外部に設けられ、通信装置を介して自動車と通信することができる。しかしながら、データベース装置は、自動車及び/又は移動端末の一部であってもよい。顔情報を含む検出された部分領域の一致は、例えば、顔の識別特徴とユーザーの格納された識別特徴との比較を含むことができる。この目的のために、画像認識アルゴリズムを使用することができる。本方法は、好ましくはユーザーの認証ステップを含むことができる。この認証は、好ましくは上述の顔情報が一致することに基づく。認証は、例えば、ユーザーのアイデンティティに関するユーザーの表示の検証であってもよい。この目的のために、ユーザーは、例えば、自身の移動端末によって、ユーザーが特定のアイデンティティを所有していることを示すことができる。ユーザーが位置する自動車の車室の部分領域を光学的に検出し、これによって比較を行うことができ、したがって、好ましくは、ユーザーのアイデンティティのユーザー指示が正常に検証された場合、ユーザーを認証することができる。したがって、例えば、利用者の認証が実行されてもよい。本方法は、好ましくはユーザーの認証に応じて自動車機能の制御を行うステップをさらに含むことができる。前述の認証により、例えば、認証されていないユーザーによる自動車機能の制御を防止することができる。したがって、例えば、割り当てられていない移動端末を持ったユーザーは、許可なしに、偽りのアイデンティティを主張し、自動車機能を使用することができない。これにより、例えば、自動車機能の駆動エンジンをオンに切り替えることを防止することができる。したがって、盗難した携帯端末を持った認証されていないユーザーによる自動車の盗難を防止することができる。
【0043】
別の実施形態では、本方法が支払い情報の認証ステップを含むことができる。認証は、好ましくは第2の無線規格の無線、例えば、NFC又はUWBによって実行されることができる。認証中、ユーザーは、例えば、自身の携帯端末によって支払い情報を指定及び/又は送信することができる。続いて、例えば、データベース装置にユーザーのために記憶された支払い情報と比較することができる。支払い情報がうまく検証された場合、移動端末の検証位置が自動車の車室内にあることを条件として、送信されたユーザーの支払い情報を認証することができ、自動車機能を使用可能にし、制御することができる。
【0044】
好ましくは、自動車機能の制御が支払い情報の認証に依存してもよい。自動車機能は、例えば、駆動エンジンをオンに切り替えること及び/又は自律運転機能の起動である。
【0045】
一実施形態では、ユーザーがNFCを使用して自身の移動端末を介して支払い情報を指定することができる。次いで、車両は、この支払い情報を、このユーザーのためのデータベースに既に格納されている支払い情報と比較することができる。一致することに成功すると、支払い情報が認証される。支払い情報の認証が成功した後、エンジンのスイッチを有利にオンにすることができる。したがって、例えば、正当に格納された支払い情報なしでは運転を許可しないカーシェアリングのコンセプトで運用することができる。
【0046】
本発明の別の側面は、少なくとも1つの自動車機能を制御するための制御システムに関する。自動車機能は、例えば、第1の側面に関連して説明したような自動車機能の1つであってもよい。なお、自動車機能の制御は、例えば、上述したパラメータに応じて行うことができる。制御システムは、好ましくは第1の側面による方法を実行するように構成される。
【0047】
制御システムは、少なくとも第1の検出装置を備える。第1の検出装置は、上述の移動端末などの移動端末の位置を検出するように構成される。第1の位置検出装置は、第1の無線規格の、好ましくは上述の第1の無線規格のうちの1つに従って、無線によって位置を決定するように構成される。第1の検出装置は、好ましくは制御装置と、移動端末の位置を検出するように構成される複数のアンテナとを備える。これらのアンテナは可能な限り最も正確な位置検出を可能にするために、好ましくは、自動車の車室のそれぞれの部屋コーナーに分配されてもよい。
【0048】
制御システムは、第2の無線規格の無線によって移動端末の位置を検出するように構成される第2の検出装置を備える。第2の無線規格は、好ましくは上述の第2の無線規格の1つと同一である。好ましくは、第2の検出装置が支払い情報を認証するように構成される。好ましくは、第2の検出装置が制御装置及びアンテナを備える。
【0049】
さらに、制御システムは、好ましくは移動端末の検出位置を検証するように構成される検証装置を備える。例えば、検証装置は、第1及び/又は第2の検出装置によって提供されてもよい。
【0050】
制御システムは、好ましくは制御装置を含む。本制御装置は、特に検証位置に応じて自動車機能を制御するように構成されている。制御は、例えば、第1の側面による制御であってもよい。第1及び第2の検出装置、検証装置、及び制御装置は、好ましくは互いに接続され、及び/又は自動車の一部として構成される。検証装置及び制御装置は、内蔵コンピュータなどの共通の装置によって形成されてもよい。接続は、別の装置を介して直接的又は間接的に提供することができる。接続は有線でも無線でもよい。好ましくは、接続が第1及び/又は第2の無線規格の無線信号によって確立され、それによって、位置検出のための対応するアンテナもまた、接続のために使用され得る。無線接続は、例えば、無線LANを介して提供することができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、制御システムが受信装置を含むことができる。受信装置は、好ましくは移動端末からステータス信号を受信するように構成されてもよい。受信装置は、例えば、第1及び/又は第2の検出装置によって形成されてもよい。受信装置は、例えば、WLANルータ又はNFCアンテナなどの別個の受信装置によって形成されてもよい。
【0052】
制御システムは、好ましくはセンサ装置を備えることができる。センサ装置は、好ましくは温度、自動車状態及び/又は自動車の車室の部分領域を検出するように構成することができる。例えば、センサ装置は、カメラ、アンテナ、圧電センサ、及び/又は温度センサを含んでもよい。
【0053】
有利には、制御システムが携帯端末を充電するように構成される充電装置を備えることができる。充電装置は、電気的な接触及び/又は誘導によって移動端末を充電するように構成されてもよい。
【0054】
有利には、制御システムがデータベース装置を含むことができる。例えば、データベース装置は、自動車及び/又は移動端末の一部として構成されてもよい。例えば、データベース装置は、中央サーバのような別個の装置として構成することもできる。これにより、データベース装置を、ユーザーによる不正アクセスや破壊から、より適切に保護することができる。例えば、データベース装置はNASであってもよい。好ましくは、データベース装置がユーザーの顔情報を格納するように構成される。
【0055】
有利には、制御システムがモバイルキー要素又は携帯電話などの移動端末、又は上述の他の移動端末を備えることができる。好ましくは制御システムが複数の移動端末を含むことができ、端末はそれぞれのユーザーに関連付けることができる。
【0056】
例えば、受信装置、センサ装置、充電装置、データベース装置及び/又は携帯端末は、第1及び第2の検出装置、検証装置及び制御装置に接続することができる。接続は有線でも無線でもよい。無線接続は、例えば、無線LANを介して提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】自動車機能を制御する方法を示す模式図である。
【
図2】
図1の方法で自動車機能を制御するための制御システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、自動車機能を制御する方法を示す模式図である。本方法は、第1のユーザー48の第1の移動端末46の位置を検出するステップ10を含む。ここで、移動端末46の位置は第1及び第2の無線信号によって検出され、無線信号は移動端末46のアンテナ50によって受信及び/又は生成されてもよい。一実施形態では、位置検出が三角測量によって実行される。第1及び第2の無線信号による移動端末の位置の検出は、第1及び第2の無線規格の無線による位置検出16、18を表す。一実施形態では、第1の無線規格は、Bluetooth(登録商標)、UWB、又はWLANである。一実施形態では、第2の無線規格がUWB又はNFCである。
【0059】
一実施形態では、第2のユーザー62の第2の移動端末60の位置も検出される。第2のユーザー62の第2の移動端末60の位置の位置検出10のステップは、上述したように、第1及び第2の無線規格の無線による位置検出16、18によって行われる。一実施形態では、移動端末46、60の位置検出は同時に、又は時間的なオフセットを伴って実行される。
【0060】
位置検出の後、本方法は検証ステップ12を含む。検証は、第1及び第2の無線規格の無線によって以前に検出された位置検出16、18によって検出された第1の移動端末46の位置の比較を含む。検出位置が一致した場合、検証ステップ12は、第1の移動端末46の検証位置、例えば、自動車の車室内をもたらす。一実施形態では、第1の無線規格の無線による検出位置と第2の無線規格の無線による検出位置との間の最大距離が予め定められており、その中で移動端末の位置が検証される。このようにして、位置検出16、18の測定の不正確さを考慮に入れることができる。一実施形態では、第2の移動端末60の検出位置の検証12が第1の移動端末46の検出位置の検証12と同様に実行される。一実施形態では、2つの移動端末46、60から検出位置の検証12は同時に、又は時間的なオフセットを伴って実行される。
【0061】
検証位置に応じて、ステップ14で少なくとも1つの自動車機能が制御される。特に、移動端末46の検証位置が自動車の車室内にある場合、自動車機能は、例えばユーザー固有のパラメータを用いて制御として、開始されてもよい。
【0062】
一実施形態では、自動車機能の制御を行うステップ14が状態検出20に応じて追加的に実行される。状態検出は、温度計による温度検出、センサ装置56による各携帯端末46、60のステータス信号の検出、カメラによる画像、圧電素子による圧力検出であってもよい。これにより、例えば、第1の移動端末46の検証位置がモータ車両の車室にある場合の検出状態に応じて、モータ自動車機能の制御のためのパラメータを設定することができる。
【0063】
図2は、
図1の方法で自動車機能を制御するための制御システムを示す模式図である。
自動車32は、3つのアンテナ54を備える第1の検出装置52を備える。アンテナ54は三角測量を使用してステップ10による位置検出を可能にするために、自動車32内で互いに離間されている。好ましくは、アンテナ54が三角測量によって実行される位置検出16の精度を高めるために、自動車32の角に配置される。アンテナ54は異なる方向を向いていてもよく、これは各アンテナ54の延長の主方向が実質的に3つの空間方向軸のうちの1つを指してもよいことを意味する。これにより、位置検出16を、自動車の車室全体で第1の検出装置52のアンテナ54によって確実に行うことができる。自動車32は、例えば1つのアンテナのみを有する第2の検出装置34をさらに有する。一実施形態では、第2の検出装置34がRFIDリーダとして構成され、それぞれの移動端末46、60のための保持装置に統合される。第1及び第2の検出装置52、34は、検証装置40に接続されている。2つの検出装置52、34の各々は、そのそれぞれの検出位置を検証装置40に送信する。代替的に又は追加的に、検証装置40は、検出装置52、34から検出位置を要求することができる。検証装置40は、移動端末46、60の検出位置の検証12のために構成される。一実施形態では、検証装置40が検出装置52、34によって検出された検出位置を比較し、2つの検出位置がおそらく所定の許容範囲内で一致した場合に、それぞれの携帯端末46、60の検出位置を検証するように構成される。検証装置40は、制御装置38に接続されている。検証装置40は、少なくとも検証位置に関する情報を制御装置38に送信する。代替的に又は追加的に、制御装置38は、検証位置及び/又は検証装置40からの検証位置に関する情報を要求することができる。制御装置38は検証位置がRFIDリーダ上のそれぞれの移動端末46、60の位置を結果として示した場合に、自動車機能14の制御を行うように構成される。さらに、センサ装置56は、ステータス情報を検出するように構成され、制御装置38に接続される。一実施形態では、ステータス情報が座席占有状態である。一実施形態では、センサ装置56が代替的に又は追加的に、圧力センサを備える。センサ装置56は、ステータス情報を制御装置38に送信するように構成することができる。制御装置38は例えば顔認識のためにデータベース装置からデータを検索し、及び/又は支払い情報を受信し認証するように構成されてもよい受信装置58に接続されてもよい。一実施形態では、受信装置58はWLANルータである。受信装置58は制御装置38からデータを受信し、及び/又は制御装置38にデータを送信するように構成されてもよい。制御装置38は、充電装置42に接続されている。一実施形態では、充電装置42は誘導充電装置である。一実施形態では、充電装置42がそれぞれの携帯端末46、60に対する保持装置の一部として構成され、保持装置は第2の検出装置34を備えてもよく、それぞれの携帯端末46、60を自動車内に格納するための位置を指定してもよい。一実施形態では、自動車32がそれぞれのユーザー48、62が自動車の車室に入る及び/又は出ることができる自動車ドア36を備える。
【0064】
ここで、例えば、第1のユーザー48を有する第1の携帯端末46は、自動車の車室内に配置される。従って、移動端末46の検出位置の検証12が成功した後、第1の移動端末46の検証位置に応じて自動車機能が制御される。第2のユーザー62の第2の移動端末60については、アンテナ64を介して自動車の車室の位置が検証されず、そのため、その位置に応じて自動車機能を制御することができない。別の実施形態では、第2のユーザー62の第2の移動端末60の検出位置が自動車の車室の外部で検証される。これは、第2の検出装置34が自動車の車室の縁部に近接して位置する場合に発生することがある。第2の移動端末の検出位置が自動車の内部の外部で確認された場合、自動車機能は、少なくとも外部空間で検証位置に基づいて制御されない。
【符号の説明】
【0065】
10 ステップ/位置検出
12 ステップ/検出位置の検証
14 ステップ/自動車機能の制御
16 ステップ/第1の無線規格の無線による位置検出
18 ステップ/第2の無線規格の無線による位置検出
20 ステップ/ステータス検出
30 制御システム
32 自動車
34 アンテナを備えた第2の検出装置
36 車両ドア
38 制御装置
40 検証装置
42 充電装置
46 第1の携帯端末
48 第1のユーザー
50 第1の移動端末のアンテナ
52 第1の検出装置
54 アンテナ
56 センサ装置
58 アンテナ付き受信装置
60 第2の移動端末
62 第2のユーザー
64 第2の移動端末のアンテナ