(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】バッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20220905BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20220905BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20220905BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20220905BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/516
H01M50/505
H01M50/213
(21)【出願番号】P 2020569014
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2020001629
(87)【国際公開番号】W WO2020171426
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0021176
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ソ・パク
(72)【発明者】
【氏名】チュン・クウォン・カン
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-198071(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0281151(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2007-0081533(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H01G 11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性物質からなる胴体部と、
前記胴体部から延びるリード部と、
前記リード部から突設されて、バッテリセルの電極端子に溶接されるための第1の溶接突起と、
前記リード部から突設されて前記電極端子に溶接されるための第2の溶接突起と、
を備え、
前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも低く突出するように形成され
ており、
前記リード部は、少なくとも1つのガイド溝を備え、
前記少なくとも1つのガイド溝によって、前記リード部は、前記第2の溶接突起が前記電極端子に当接するように歪ませることができるバッテリセル連結用バスバー。
【請求項2】
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、それぞれ前記電極端子に対向するように形成される請求項1に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項3】
導電性物質からなる胴体部と、
前記胴体部から延びるリード部と、
前記リード部から突設されて、バッテリセルの電極端子に溶接されるための第1の溶接突起と、
前記リード部から突設されて前記電極端子に溶接されるための第2の溶接突起と、
を備え、
前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起の突出方向とは異なる方向に突出するように形成され
ており、
前記リード部は、少なくとも1つのガイド溝を備え、
前記少なくとも1つのガイド溝によって、前記リード部は、前記第2の溶接突起が前記電極端子に当接するように歪ませることができるバッテリセル連結用バスバー。
【請求項4】
前記リード部は、
前記バッテリセルの前記電極端子に対向する第1のリードと、
前記第1のリードから折り曲げられて配置される第2のリードと、
を備え、
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、前記第1のリード及び前記第2のリードにそれぞれ形成される請求項3に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項5】
前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも前記胴体部と隣り合うように形成される請求項1又は請求項3に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項6】
前記リード部の少なくとも一方の面には、前記胴体部から延びる方向と交差する方向に前記少なくとも1つのガイド溝が刻設される請求項5に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガイド溝は、
前記第1の溶接突起と前記第2の溶接突起との間に位置する第1のガイド溝と、
前記第2の溶接突起と前記胴体部との間に位置する第2のガイド溝と、
を備える請求項6に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項8】
前記第1のガイド溝及び前記第2のガイド溝の少なくとも一方は複数刻設される請求項7に記載のバッテリセル連結用バスバー。
【請求項9】
複数のバッテリセルと、
前記複数のバッテリセルを電気的に連結するためのバスバーと、
を備え、
前記バスバーは、
前記バッテリセルの電極端子の上に延びるリード部と、
前記リード部に形成されて、前記電極端子と接合される第1の溶接突起と、
前記リード部に形成されて、前記電極端子から離れるように配置される第2の溶接突起と、
を備え
、
前記リード部は、少なくとも1つのガイド溝を備え、前記少なくとも1つのガイド溝によって、前記リード部は、前記第2の溶接突起が前記電極端子に当接するように歪ませることができるバッテリパック。
【請求項10】
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、それぞれ前記電極端子に対向するように形成され、
前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも低く突出するように形成される請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記リード部は、
前記バッテリセルの前記電極端子に対向する第1のリードと、
前記第1のリードから折り曲げられて配置される第2のリードと、
を備え、
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、前記第1のリード及び前記第2のリードにそれぞれ形成されて互いに異なる方向に突出する請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記リード部は複数配設され、
前記複数のリード部のうちの少なくとも2つのリード部は、前記電極端子の上に延びる請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項13】
リード部から突設される第1の溶接突起をバッテリセルの電極端子に溶接するステップと、
前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接状態を確認するステップと、
前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接が不良である場合、
前記リード部における少なくとも1つのガイド溝によって前記リード部を歪ませることによって前記リード部から突設されて前記電極端子から離れて配置された第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップと、
を含むバッテリパックの製造方法。
【請求項14】
前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、
複数のリード部からそれぞれ突設される前記第1の溶接突起を複数の前記バッテリセルの前記電極端子にそれぞれ溶接する請求項13に記載のバッテリパックの製造方法。
【請求項15】
前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、
前記電極端子の上に延びる2つのリード部の間に電流を流して、前記2つのリード部にそれぞれ形成される前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接する請求項13に記載のバッテリパックの製造方法。
【請求項16】
前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接状態を確認するステップは、
前記リード部を介して前記バッテリセルの電圧を測定するステップと、
測定された電圧と予め設定された電圧とを比較して溶接状態の良否を判別するステップと、
を含む請求項13~15のいずれか一項に記載のバッテリパックの製造方法。
【請求項17】
前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、
前記電極端子から離れて配置された前記第2の溶接突起が前記電極端子に接触するように前記リード部を歪ませて溶接する請求項13~16のいずれか一項に記載のバッテリパックの製造方法。
【請求項18】
前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、
前記電極端子の上に延びる2つのリード部の間に電流を流して、前記2つのリード部にそれぞれ形成される前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接する請求項13~16のいずれか一項に記載のバッテリパックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法に係り、さらに詳しくは、複数のバッテリセルを電気的に連結するためのバッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、二次電池とは、化学エネルギーと電気エネルギーの可逆的な相互変換を用いて充電と放電とを繰り返し行えるような化学電池のことをいう。高性能二次電池には、Ni-MH二次電池とリチウム二次電池があり、リチウム二次電池には、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池(角型、円筒状、ポーチ状)、リチウムイオンポリマー二次電池などがある。
【0003】
この種の二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)などの持ち運び性に優れた情報技術(IT:Information Technology)製品の普及が拡大することに伴い、リチウム系二次電池を中心として小型二次電池への需要が全世界的に急増しつつあり、小型二次電池は、中でも、IT機器の小型化、軽量化、高性能化のニーズに応じて、リチウムイオン二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池が市場を主導している。
【0004】
二次電池は、それが用いられる外部機器の種類に応じて、単一のバッテリセルの形で用いられることもあれば、多数の単位バッテリセルを電気的に連結したバッテリパックの形で用いられることもある。例えば、携帯電話などの小型デバイスは、1つのバッテリセルの出力と容量で所定の時間の間に作動可能であるのに対し、ノート型パソコン、携帯型DVD(portable DVD)、小型パソコン(PC)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの中型又は大型のデバイスは、出力及び容量の問題により、バッテリパックの使用が必ず求められる。
【0005】
多数のバッテリセルを電気的に連結するために、バッテリパックは、メタルプレート(metal plate)などからなるバスバーを備え、バスバーは、片側又は両側に延びる複数のリード部がバッテリセルの電極端子にそれぞれ溶接されて多数のバッテリセルを電気的に連結する。
【0006】
しかしながら、このような溶接過程において、バスバーとバッテリセルの電極端子との間に溶接不良が生じると、製造されたバッテリパックをまるごと廃棄することを余儀なくされるという問題が生じる。大容量のバッテリパックであればあるほど、電極端子が溶接されなければならないバッテリセルの数が多いため、このようにバッテリパックをまるごと廃棄する場合、コストの側面からみて大きなロスが生じる。このような問題を解消するために、溶接不良を極力抑えられる方案も必要であるが、溶接不良が生じる場合、これに備えるための方案を講じることが切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国公開特許公報第10-2016-0059789号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、溶接不良が生じる場合であっても、複数のバッテリセルを電気的に且つ安定的に連結することのできるバッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーは、導電性物質からなる胴体部と、前記胴体部から延びるリード部と、前記リード部から突設されて、バッテリセルの電極端子に溶接されるための第1の溶接突起と、前記リード部から突設されて前記電極端子に溶接されるための第2の溶接突起と、を備え、前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも低く突出するように形成される。
【0010】
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、それぞれ前記電極端子に対向するように形成されてもよい。
【0011】
一方、本発明の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーは、導電性物質からなる胴体部と、前記胴体部から延びるリード部と、前記リード部から突設されて、バッテリセルの電極端子に溶接されるための第1の溶接突起と、前記リード部から突設されて前記電極端子に溶接されるための第2の溶接突起と、を備え、前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起の突出方向とは異なる方向に突出するように形成される。
【0012】
前記リード部は、前記バッテリセルの前記電極端子に対向する第1のリードと、前記第1のリードから折り曲げられて配置される第2のリードと、を備え、前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、前記第1のリード及び前記第2のリードにそれぞれ形成されてもよい。
【0013】
前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも前記胴体部と隣り合うように形成されてもよい。
【0014】
前記リード部の少なくとも一方の面には、前記胴体部から延びる方向と交差する方向にガイド溝が刻設されてもよい。
【0015】
前記ガイド溝は、前記第1の溶接突起と前記第2の溶接突起との間に位置する第1のガイド溝と、前記第2の溶接突起と前記胴体部との間に位置する第2のガイド溝と、を備えていてもよい。
【0016】
前記第1のガイド溝及び前記第2のガイド溝の少なくとも一方は複数刻設されてもよい。
【0017】
また、本発明の実施形態に係るバッテリパックは、複数のバッテリセルと、前記複数のバッテリセルを電気的に連結するためのバスバーと、を備え、前記バスバーは、前記バッテリセルの電極端子の上に延びるリード部と、前記リード部に形成されて、前記電極端子と接合される第1の溶接突起と、前記リード部に形成されて、前記電極端子から離れるように配置される第2の溶接突起と、を備える。
【0018】
前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、それぞれ前記電極端子に対向するように形成され、前記第2の溶接突起は、前記第1の溶接突起よりも低く突出するように形成されてもよい。
【0019】
前記リード部は、前記バッテリセルの前記電極端子に対向する第1のリードと、前記第1のリードから折り曲げられて配置される第2のリードと、を備え、前記第1の溶接突起及び前記第2の溶接突起は、前記第1のリード及び前記第2のリードにそれぞれ形成されて互いに異なる方向に突出してもよい。
【0020】
前記リード部は複数配設され、前記複数のリード部のうちの少なくとも2つのリード部は、前記電極端子の上に延びてもよい。
【0021】
さらに、本発明の実施形態に係るバッテリパックの製造方法は、リード部から突設される第1の溶接突起をバッテリセルの電極端子に溶接するステップと、前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接状態を確認するステップと、前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接が不良である場合、前記リード部から突設されて前記電極端子から離れて配置された第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップと、を含む。
【0022】
前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、複数のリード部からそれぞれ突設される前記第1の溶接突起を複数の前記バッテリセルの前記電極端子にそれぞれ溶接してもよい。
【0023】
前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、前記電極端子の上に延びる2つのリード部の間に電流を流して、前記2つのリード部にそれぞれ形成される前記第1の溶接突起を前記電極端子に溶接してもよい。
【0024】
前記第1の溶接突起と前記電極端子との間の溶接状態を確認するステップは、前記リード部を介して前記バッテリセルの電圧を測定するステップと、測定された電圧と予め設定された電圧とを比較して溶接状態の良否を判別するステップと、を含んでいてもよい。
【0025】
前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、前記電極端子から離れて配置された前記第2の溶接突起が前記電極端子に接触するように前記リード部を歪ませて溶接してもよい。
【0026】
前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接するステップにおいては、前記電極端子の上に延びる2つのリード部の間に電流を流して、前記2つのリード部にそれぞれ形成される前記第2の溶接突起を前記電極端子に溶接してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法によれば、バッテリセルの電極端子に溶接されるための第1の溶接突起の他に、前記電極端子に溶接されるための余分の第2の溶接突起を備えて、第1の溶接突起に溶接不良が生じる場合であっても、第2の溶接突起を介して電極端子と安定的に接続することができる。
【0028】
また、第2の溶接突起は、第1の溶接突起の溶接状態を確認するときに、バッテリセルの電極端子から離れて配置されて、第1の溶接突起と電極端子との間の溶接状態を誤り無しに確認することができ、リード部の少なくとも一方の面にはリード部の歪みを誘導するガイド溝が刻設されて、第1の溶接突起の溶接不良が生じたときに第2の溶接突起を前記電極端子に容易に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係るバッテリパックの様子を概略的に示す図。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーの第1の溶接突起がバッテリセルの電極端子に溶接された様子を示す図。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーの第2の溶接突起がバッテリセルの電極端子に溶接された様子を示す図。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーの第1の溶接突起がバッテリセルの電極端子に溶接された様子を示す図。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバーの第2の溶接突起がバッテリセルの電極端子に溶接された様子を示す図。
【
図6】本発明の実施形態に係るバッテリパックの製造方法を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るバッテリパックの様子を概略的に示す図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るバッテリパックは、複数のバッテリセル100及び前記複数のバッテリセル100を電気的に連結するためのバスバー200を備える。
【0033】
バッテリセル100は、バッテリパックの出力及び容量を増加させるために複数配設されてもよい。また、バッテリセル100は、円筒状を呈する二次電池セルを備えていてもよい。この場合、円筒状の二次電池セルは、正極タブ付き正極板と負極タブ付き負極板との間にセパレータを挟持して、正極板、セパレータ及び負極板がジェリーロール(jelly roll)状に巻き取られた電極組み立て体がケースの内部に収容された形状に設けられてもよい。
【0034】
このようなバッテリセル100は、一方の側及びこれとは反対側である他方の側にそれぞれ電極端子が形成されてもよく、一方の側には正極端子が形成され、他方の側には負極端子が形成されてもよい。
【0035】
複数のバッテリセル100は、フレーム300に納められてもよい。ここで、フレーム300は、バッテリセル100の形状に対応する多数の開口部が形成され、バッテリセル100は、電極端子が外部に露出されるように多数の開口部にそれぞれ納められてもよい。このとき、多数の開口部は、行方向及び列方向に並設されてもよいが、行方向に並設される開口部には、同じ電極端子、例えば、正極端子が露出されるようにバッテリセル100が納められてもよく、列方向に並設される開口部には、互いに異なる極性を有する電極端子、例えば、正極端子及び負極端子が交差して露出されるようにバッテリセル100が納められてもよい。すなわち、多数の開口部に納められる複数のバッテリセル100は、行方向には並列に連結され、それぞれ行方向に並列に連結されたバッテリセル100の相互間は、互いに直列に連結されてもよい。
【0036】
バスバー200は、複数のバッテリセル100を互いに電気的に連結するためのバッテリセル連結用バスバー200であって、導電性物質からなる胴体部220及び前記胴体部220から延びるリード部210を備える。
【0037】
胴体部220は、電気伝導性の高い金属材質から作製されてもよく、行方向に並設される開口部とこれと隣り合うように行方向に並設される開口部との間の上側又は下側において行方向に延設されてもよい。また、胴体部220は、複数が互いに電気的に接続されるように形成されてもよく、バッテリパックの正極接続端子(図示せず)及び負極接続端子(図示せず)とそれぞれ電気的に接続されてもよい。胴体部220相互間、又は胴体部220とバッテリパックの正極接続端子及び負極接続端子との間の電気的な連結構造は種々に変形されて適用可能であるため、これに対する図示及びこれについての具体的な説明は省略する。
【0038】
リード部210は、胴体部220からバッテリセル100の電極端子の上に延びるように形成されてもよく、複数のバッテリセル100の電極端子の上にそれぞれ延びるように複数配備されてもよい。
【0039】
ここで、複数のリード部210のうちの少なくとも2つのリード部210は、
図1に示すように、バッテリセル100のある一つの電極端子の上に延設されてもよい。すなわち、リード部210には、後述するように、溶接突起が突設されてもよいが、このような溶接突起をバッテリセル100の電極端子に抵抗溶接するために複数のリード部210のうちの少なくとも2つのリード部210は、バッテリセル100のある一つの電極端子の上に延設される必要がある。この場合、溶接突起は、少なくとも2つのリード部210にそれぞれ形成されてもよく、電極端子の上に延びる少なくとも2つのリード部210の間に電流を流して、前記リード部210にそれぞれ形成される溶接突起はバッテリセル100のある一つの電極端子にそれぞれ溶接されることが可能になる。
【0040】
本発明の実施形態に係るバッテリパックにおいて、バスバー200は、リード部210に形成されてバッテリセル100のある一つの電極端子に接合される第1の溶接突起及び前記リード部210に形成されて前記ある一つの電極端子から離れるように配置される第2の溶接突起を備える。
【0041】
すなわち、複数のバッテリセル100を電気的に連結するために、リード部210に形成される第1の溶接突起は、バッテリセル100のある一つの電極端子に溶接されて接合されるが、このような第1の溶接突起の溶接過程において第1の溶接突起とバッテリセル100のある一つの電極端子との間に溶接不良が生じると、製造されたバッテリパックをまるごと廃棄することを余儀なくされるという不都合が生じる。
【0042】
したがって、本発明の実施形態に係るバッテリパックは、第1の溶接突起が形成されるリード部210にバッテリセル100の電極端子から離れるように第2の溶接突起を形成して、第1の溶接突起とバッテリセル100の電極端子との間に溶接不良が生じる場合、第2の溶接突起を前記電極端子の上に接触させて溶接することが可能になる。すなわち、第2の溶接突起は、第1の溶接突起とバッテリセル100の電極端子との間に溶接不良が生じる場合に備えた余分(spare)の役割を果たす。
【0043】
本発明の実施形態に係るバッテリパックは、このように、第1の溶接突起の他に余分の第2の溶接突起を備えることにより、第1の溶接突起とバッテリセル100のある一つの電極端子との間に溶接不良が生じる場合であっても、バッテリパックを廃棄することなく溶接不良が生じた電極端子と第2の溶接突起とを溶接することにより複数のバッテリセル100を安定的に電気的に連結することが可能になる。
【0044】
この場合、第2の溶接突起は、第1の溶接突起の溶接良否を判定する前にはバッテリセル100の電極端子から離れるように配置される必要がある。すなわち、第1の溶接突起と電極端子との間の溶接状態を確認するためには、第1の溶接突起上においてリード部210を介してバッテリセル100の電圧を測定するが、このとき、第2の溶接突起が電極端子に接触された場合、第2の溶接突起と電極端子とが電気的に連結されて第1の溶接突起と電極端子との間の溶接状態を確認することができなくなる。したがって、第2の溶接突起は、第1の溶接突起の溶接良否を判定する前には、バッテリセル100の電極端子から離れるように配置される。
【0045】
このように、第2の溶接突起を第1の溶接突起の一方の側において前記電極端子から離れるように配置するために、第1の溶接突起及び第2の溶接突起はそれぞれ電極端子に対向するように形成され、前記第2の溶接突起は前記第1の溶接突起よりも低く突出するように形成(第1の実施形態)されてもよい。また、第2の溶接突起を第1の溶接突起の一方の側において前記電極端子から離れるように配置するために、リード部210は、前記電極端子に対向する第1のリード及び前記第1のリードから折り曲げられて配置される第2のリードを備え、前記第1の溶接突起及び第2の溶接突起は、前記第1のリード及び第2のリードにそれぞれ形成されて互いに異なる方向に突出(第2の実施形態)してもよい。
【0046】
以下、本発明の実施形態に係るバッテリパックに組み込まれるバッテリセル連結用バスバーの構造についてさらに詳しく説明する。バッテリセル連結用バスバーについて説明するに当たって、本発明の実施形態に係るバッテリパックと関連して前述した内容と重複する説明は省略する。
【0047】
<第1の実施形態>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200の第1の溶接突起230がバッテリセル100の電極端子110に溶接された様子を示す図であり、
図3は、本発明の第1の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200の第2の溶接突起240がバッテリセル100の電極端子110に溶接された様子を示す図である。
【0048】
図2及び
図3を参照すると、本発明の第1の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200は、導電性物質からなる胴体部220と、前記胴体部220から延びるリード部210と、前記リード部210から突設されて、バッテリセル100の電極端子110に溶接されるための第1の溶接突起230及び前記リード部210から突設されて前記電極端子110に溶接されるための第2の溶接突起240を備え、前記第2の溶接突起240は、前記第1の溶接突起230よりも低く突出するように形成される。
【0049】
胴体部220は、複数のバッテリセル100を電気的に連結するために電気伝導性の高い金属材質から作製されてもよい。リード部210は、胴体部220と一体に形成されて、胴体部220からバッテリセル100の電極端子110の上に延びるように形成されてもよく、複数のバッテリセル100の電極端子110の上にそれぞれ延びるように複数配備されてもよい。なお、複数のリード部210のうちの少なくとも2つのリード部210は、前述したように、抵抗溶接のためにバッテリセル100のある一つの電極端子110の上に延設されてもよい。
【0050】
第1の溶接突起230は、バッテリセル100の電極端子110に溶接されるためにリード部210から突設されてもよい。また、第2の溶接突起240は、前記電極端子110に溶接されるためにリード部210から突設されてもよい。このとき、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230の一方の側に離れて配置されてそれぞれバッテリセル100の電極端子110に対向するように形成されてもよく、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230よりも低く突出するように形成される。
【0051】
すなわち、第1の溶接突起230及び第2の溶接突起240は、リード部210からそれぞれバッテリセル100の電極端子110に向かって突出するように形成されてもよく、このとき、第1の溶接突起230の突出高さH1は、第2の溶接突起240の突出高さH2よりも高く形成されてもよい。また、第1の溶接突起230及び第2の溶接突起240は、リード部210の上面が凹み、リード部210の下面が突出して前記リード部210と一体に形成されてもよい。この場合、各溶接突起の溶接に際してリード部210の凹んだ上面に溶接棒を位置させて溶接突起を電極端子110に容易に溶接することが可能になる。
【0052】
このように、第1の溶接突起230の突出高さH1を第2の溶接突起240の突出高さH2よりも高く形成することにより、
図2に示すように、第1の溶接突起230はバッテリセル100の電極端子110に接触され、第2の溶接突起240は前記電極端子110に離れるように配置されることが可能になる。次いで、第1の溶接突起230は、前記電極端子110に溶接され、
図2には、第1の溶接突起230が溶融される様子は示されていないが、第1の溶接突起230は溶接により下端の一部が溶融されて前記電極端子110に接合可能であることがいうまでもない。
【0053】
ここで、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230よりも胴体部220と隣り合う位置において前記リード部210に形成されてもよい。すなわち、第2の溶接突起240は、リード部210の端部に位置する第1の溶接突起230から胴体部220に向かって一定の間隔をあけて離れてリード部210に配置されてもよい。このように、第2の溶接突起240を第1の溶接突起230よりも胴体部220と隣り合う位置に配置することにより、第1の溶接突起230と胴体部220により両端が固定されるリード部210の張力により第2の溶接突起240が電極端子110から離れた状態を保ちやすくなる。
【0054】
このような第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接は、複数のバッテリセル100に対してそれぞれ行われる。すなわち、複数のリード部210からそれぞれ突設される第1の溶接突起230は、複数のバッテリセル100の電極端子110にそれぞれ溶接される。複数のバッテリセル100に対して第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接が行われ、その溶接が終わると、次いで、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接状態をそれぞれ確認する。
【0055】
第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110とが正常に溶接されたことが確認された場合、バッテリパックの製造のための通常の残りの工程が行われる。しかしながら、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接が不良であると確認された場合、第2の溶接突起240は、
図3に示すように、バッテリセル100の電極端子110に溶接される。
【0056】
すなわち、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接が不良である場合、第2の溶接突起240上においてリード部210は下部に押圧されてもよい。このとき、リード部210は、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240との間において折り曲げられてもよく、これにより、第2の溶接突起240はバッテリセル100の電極端子110に接触される。このように、第2の溶接突起240がバッテリセル100の電極端子110に接触された後、第2の溶接突起240は電極端子110に溶接され、
図3には、第2の溶接突起240が溶融される様子は示されていないが、第2の溶接突起240は溶接により下端の一部が溶融されて前記電極端子110に接合可能であることはいうまでもない。
【0057】
ここで、リード部210の少なくとも一方の面には、リード部210が胴体部220から延びる方向と交差する方向にガイド溝が刻設されてもよい。例えば、ガイド溝は、
図2及び
図3に示すように、リード部210の上面が所定の深さで凹んで形成されてもよく、ガイド溝は、リード部210の下面、又はリード部210の上面と下面の両面ともに刻設されてもよいことはいうまでもない。なお、ガイド溝は、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240との間に位置する第1のガイド溝212及び第2の溶接突起240と胴体部220との間に位置する第2のガイド溝214を備えていてもよく、このとき、第1のガイド溝212及び第2のガイド溝214の少なくとも一方は複数刻設されてもよい。
【0058】
図2及び
図3には、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240との間において2本の第1のガイド溝212が刻設され、第2の溶接突起240と胴体部220との間において2本の第2のガイド溝214が刻設される様子を示しているが、第1のガイド溝212及び第2のガイド溝214の位置及び本数は、リード部210の押圧に際して第2の溶接突起240をバッテリセル100の電極端子110と接触させやすくするために種々に変更可能であることはいうまでもない。
【0059】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200の第1の溶接突起230がバッテリセル100の電極端子110に溶接された様子を示す図であり、
図5は、本発明の第2の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200の第2の溶接突起240がバッテリセル100の電極端子110に溶接された様子を示す図である。
【0060】
図4及び
図5を参照すると、本発明の第2の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー200は、導電性物質からなる胴体部220と、前記胴体部220から延びるリード部210と、前記リード部210から突設されて、バッテリセル100の電極端子110に溶接されるための第1の溶接突起230及び前記リード部210から突設されて前記電極端子110に溶接されるための第2の溶接突起240を備え、前記第2の溶接突起240は、前記第1の溶接突起230の突出方向とは異なる方向に突出するように形成される。
【0061】
胴体部220は、前述と同様に、複数のバッテリセル100を電気的に連結するために電気伝導性の高い金属材質から作製されてもよい。リード部210は、胴体部220と一体に形成されて、胴体部220からバッテリセル100の電極端子110の上に延びるように形成されてもよく、複数のバッテリセル100の電極端子110の上にそれぞれ延びるように複数配備されてもよい。なお、複数のリード部210のうちの少なくとも2つのリード部210は、前述したように、抵抗溶接のためにバッテリセル100のある一つの電極端子110の上に延設可能である。
【0062】
第1の溶接突起230は、バッテリセル100の電極端子110に溶接されるためにリード部210から突設されてもよい。また、第2の溶接突起240は、前記電極端子110に溶接されるためにリード部210から突設されてもよい。このとき、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230の突出方向とは異なる方向に突出するように形成される。
【0063】
このために、リード部210は、バッテリセル100の電極端子110に対向する第1のリード210A及び前記第1のリード210Aから折り曲げられて配置される第2のリード210Bを備え、前記第1の溶接突起230及び第2の溶接突起240は、前記第1のリード210A及び第2のリード210Bにそれぞれ形成されてもよい。また、第1の溶接突起230及び第2の溶接突起240は、リード部210の上面が凹み、リード部210の下面が突出して前記リード部210と一体に形成されてもよく、この場合、前述したように、各溶接突起の溶接に際してリード部210の凹んだ上面に溶接棒を位置させて溶接突起を電極端子110に容易に溶接することができる。
【0064】
このように、第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に対向する第1のリード210Aに形成し、第2の溶接突起240を第1のリード210Aから、例えば、上部に折り曲げられて配置される第2のリード210Bに形成することにより、
図4に示すように、第1の溶接突起230はバッテリセル100の電極端子110に接触され、第2の溶接突起240は前記電極端子110に離れるように配置されることが可能になる。次いで、第1の溶接突起230は前記電極端子110に溶接され、
図4には、第1の溶接突起230が溶融される様子は示されていないが、第1の溶接突起230は溶接により下端の一部が溶融されて前記電極端子110に接合可能であることはいうまでもない。
【0065】
また、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230よりも胴体部220と隣り合う位置において前記リード部210に形成されてもよい。すなわち、第2の溶接突起240は、リード部210の端部に位置する第1の溶接突起230から胴体部220に向かって一定の間隔をあけてリード部210に配置されてもよい。このように、第2の溶接突起240を第1の溶接突起230よりも胴体部220と隣り合う位置に配置することにより、前述したように、第1の溶接突起230と胴体部220により両端が固定されるリード部210の張力により第2の溶接突起240が電極端子110から離れた状態を容易に保つことができる。
【0066】
一方、複数のバッテリセル100に対して第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接が行われ、その溶接が終わると、次いで、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接状態をそれぞれ確認する。
【0067】
第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110とが正常に溶接されたことが確認された場合、バッテリパックの製造のための通常の残りの工程が行われる。しかしながら、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接が不良であると確認された場合、第2の溶接突起240は、
図5に示すように、バッテリセル100の電極端子110に溶接される。
【0068】
すなわち、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接が不良である場合、第2のリードは下部に押圧されてもよい。このとき、所定の角度をなして配置される第1のリード及び第2のリードは、面一に配置されてもよく、これにより、第2の溶接突起240はバッテリセル100の電極端子110に接触される。このように、第2の溶接突起240がバッテリセル100の電極端子110に接触された後、第2の溶接突起240は電極端子110に溶接され、
図5には、第2の溶接突起240が溶融される様子は示されていないが、第2の溶接突起240は溶接により下端の一部が溶融されて前記電極端子110に接合可能であることはいうまでもない。
【0069】
ここで、リード部210の少なくとも一方の面には、リード部210が胴体部220から延びる方向と交差する方向にガイド溝が刻設されてもよく、ガイド溝は、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240との間に位置する第1のガイド溝212及び第2の溶接突起240と胴体部220との間に位置する第2のガイド溝214を備えていてもよい。なお、このとき、第1のガイド溝212及び第2のガイド溝214の少なくとも一方は、前述したように、複数刻設されてもよい。
【0070】
図4及び
図5には、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240との間において1本の第1のガイド溝212が刻設され、第2の溶接突起240と胴体部220との間において2本の第2のガイド溝214が刻設される様子を示しているが、第1のガイド溝212及び第2のガイド溝214の位置及び本数は、リード部210の押圧に際して第2の溶接突起240をバッテリセル100の電極端子110と接触しやすくするために種々に変更可能であることはいうまでもない。
【0071】
以下、本発明の実施形態に係るバッテリパックの製造方法についてさらに詳しく説明する。バッテリパックの製造方法について説明するに当たって、本発明の実施形態に係るバスバー及びバッテリパックと関連して前述した内容と重複する説明は省略する。
【0072】
図6は、本発明の実施形態に係るバッテリパックの製造方法を概略的に示す図である。
【0073】
図6を参照すると、本発明の実施形態に係るバッテリパックの製造方法は、リード部210から突設される第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S100)と、前記第1の溶接突起230と前記電極端子110との間の溶接状態を確認するステップ(S200)と、前記第1の溶接突起230と前記電極端子110との間の溶接が不良である場合、前記リード部210から突設されて前記電極端子110から離れて配置された第2の溶接突起240を前記電極端子110に溶接するステップ(S300)とを含む。
【0074】
第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S100)においては、リード部210から突設される第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接する。このとき、リード部210は、バスバー200に配備されて胴体部220からバッテリセル100の電極端子110の上に延設されてもよく、リード部210の下面には、前記電極端子110に向かって突出するように第1の溶接突起230及び第2の溶接突起240が形成される。第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S100)において、第1の溶接突起230はバッテリセル100の電極端子110に接触されて溶接され、第2の溶接突起240は前記電極端子110から離れて配置される。
【0075】
第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S100)においては、複数のリード部210からそれぞれ突設される第1の溶接突起230を複数のバッテリセル100の電極端子110にそれぞれ溶接してもよい。また、この場合、複数のリード部210のうちの少なくとも2つのリード部210は、ある一つの電極端子110の上に延びてもよいが、このとき、第1の溶接突起230をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S100)においては、電極端子110の上に延びる2つのリード部210の間に電流を流して、前記2つのリード部210にそれぞれ形成される第1の溶接突起230を電極端子110に溶接してもよい。
【0076】
第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接状態を確認するステップ(S200)においては、第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接が正常であるか、あるいは、第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接が不良であるかを確認する。この場合、第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接状態を確認するステップ(S200)は、リード部210を介してバッテリセル100の電圧を測定するステップ及び測定された電圧と予め設定された電圧とを比較して溶接状態の良否を判別するステップを含んでいてもよい。
【0077】
リード部210を介してバッテリセル100の電圧を測定するステップは、リード部210を介してバッテリセル100の開回路電圧(open circuit voltage)を測定することにより行われてもよい。この場合、バッテリセル100のある一つの電極端子110に第1の溶接突起230が溶接されたリード部210と前記バッテリセル100の他の電極端子との間の開回路電圧を測定してもよい。
【0078】
溶接状態の良否を判別するステップにおいては、測定された電圧と予め設定された電圧とを比較して溶接状態の良否を判別する。すなわち、第1の溶接突起230がバッテリセル100の電極端子110に正常に溶接された場合、バッテリセル100は一定の電圧を示す。しかしながら、第1の溶接突起230がバッテリセル100の電極端子110に不良に溶接された場合、バッテリセル100は正常に溶接された場合に比べて相対的に低い電圧を示す。したがって、第1の溶接突起230がバッテリセル100の電極端子110に正常に溶接された場合の電圧又はこれから所定の差分値を有する電圧をしきい値電圧に予め設定し、測定された電圧が前記しきい値電圧に満たない場合に第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接状態が不良であると判定することができる。
【0079】
ここで、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110とが正常に溶接されたことが確認された場合、バッテリパックの製造のための通常の残りの工程が行われる(S400)。しかしながら、第1の溶接突起230とバッテリセル100の電極端子110との間の溶接が不良であると確認された場合、第2の溶接突起240を電極端子110に溶接するステップ(S300)が行われる。
【0080】
ここで、第2の溶接突起240を電極端子110に溶接するステップ(S300)前には、第2の溶接突起240はバッテリセル100の電極端子110から離れて配置される。このため、第2の溶接突起240を電極端子110に溶接するステップ(S300)においては、バッテリセル100の電極端子110から離れて配置された第2の溶接突起240を前記電極端子110に接触させ、このような第2の溶接突起240と電極端子110との間の接触は、前述したように、リード部210を歪ませて行う。
【0081】
すなわち、第2の溶接突起240が第1の溶接突起230よりも低く突出するように形成される前述した第1の実施形態の場合、リード部210は折り曲げられるように歪まれて第2の溶接突起240が電極端子110に接触可能になり、第1の溶接突起230と第2の溶接突起240とが互いに異なる方向に突出するように形成される前述した第2の実施形態の場合、リード部210は折り曲げられた状態で面一になるように歪まれて第2の溶接突起240と電極端子110とが接触可能になる。
【0082】
次いで、第2の溶接突起240をバッテリセル100の電極端子110に溶接するステップ(S300)においては、電極端子110の上に延びる2つのリード部210の間に電流を流して、抵抗溶接を通じて前記2つのリード部210にそれぞれ形成される第2の溶接突起240を電極端子110に溶接することができることは、第1の溶接突起230の場合と同様である。
【0083】
このように、本発明の実施形態に係るバッテリセル連結用バスバー、バッテリパック及びこの製造方法によれば、バッテリセル100の電極端子110に溶接されるための第1の溶接突起230の他に、前記電極端子110に溶接されるための余分の第2の溶接突起240を備えて、第1の溶接突起230に溶接不良が生じる場合であっても、第2の溶接突起240を介して電極端子110と安定的に接続することができる。
【0084】
また、第2の溶接突起240は、第1の溶接突起230の溶接状態の確認に際してバッテリセル100の電極端子110から離れて配置されて、第1の溶接突起230と電極端子110との間の溶接状態を誤りなしに確認することができ、リード部210の少なくとも一方の面にはリード部210の歪みを誘導するガイド溝212、214が刻設されて第1の溶接突起230の溶接不良の際に第2の溶接突起240を前記電極端子110に容易に接触させることができる。
【0085】
以上、本発明の好適な実施形態が特定の用語を用いて説明及び図示されたが、これらの用語は、単に本発明を明確に説明するためのものに過ぎず、本発明の実施形態及び記述された用語は、特許請求の範囲の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変化が加えられるということは明らかである。これらの変形された実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明の特許請求の範囲内に属するものといえるべきである。
【符号の説明】
【0086】
100 バッテリセル
110 電極端子
200 バッテリセル連結用バスバー
210 リード部
210 第1のリード
210 第2のリード
212 第1のガイド溝
214 第2のガイド溝
220 胴体部
230 第1の溶接突起
240 第2の溶接突起
300 フレーム