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特許7135148双方向エアバッグクッションラッパー及び関連するエアバッグアセンブリ並びに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】双方向エアバッグクッションラッパー及び関連するエアバッグアセンブリ並びに方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/201 20110101AFI20220905BHJP
   B60R 21/207 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
B60R21/201
B60R21/207
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021054886
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2021167190
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】16/843,591
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】デヴィン・スティーブ・シルバーウッド
(72)【発明者】
【氏名】ナオキ・モリ
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-227004(JP,A)
【文献】特開2001-158320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0168704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16 - 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグクッション(102)と、インフレータワイヤ(106)を有するインフレータ(103)と、前記エアバッグクッション(102)を覆うラッパー(105)と、を備える、エアバッグクッションアセンブリ(100)であって、
前記ラッパー(102)が、前記エアバッグクッション(102)の周りに、第1の方向にラッピングされた第1の区分(110)と、当該第1の区分(110)と連続的に成形された第2の区分(120)とを含み、
前記第1の区分と前記第2の区分との境界部分に折返し部が形成され、
前記第2の区分(120)が、前記第1の方向とは反対の第2の方向にラッピングされ、前記第1の区分(110)が前記第2の区分(120)の内側に位置することを特徴とする、エアバッグクッションアセンブリ。
【請求項2】
前記ラッパー(105)が、前記インフレータ(103)を備えたインフレータアセンブリの少なくとも一部分に連結される、請求項1に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項3】
前記インフレータ(103)の少なくとも一部分又は前記インフレータ(103)と連結されたイニシエータが、前記ラッパー(105)内に形成された開口部(112A)に挿入される、請求項1又は2に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項4】
前記インフレータワイヤ(106)が、前記第1の区分(110)と前記第2の区分(120)との間に少なくとも部分的に位置付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項5】
前記ラッパー(105)の前記第1の区分(110)の対向する端部が一緒に連結されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項6】
前記ラッパー(105)の前記第2の区分(120)の対向する端部が一緒に連結されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項7】
前記エアバッグクッションアセンブリが、サイド衝撃エアバッグクッションアセンブリを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項8】
前記エアバッグクッション(102)が、細長い軸を画定する圧縮構成にあり、前記ラッパー(105)が、前記細長い軸に対して少なくとも実質的に垂直な方向に前記エアバッグクッション(102)の周りを覆うように配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の区分(110)が、前記第2の区分(120)に対して少なくとも部分的に層状である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の区分(110)及び前記第2の区分(120)が、前記ラッパー(102)の一体部分である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の区分(110)が、前記エアバッグクッション(102)の周りに第1のループを形成し、前記第2の区分(120)が、前記エアバッグクッション(102)の周りに第2のループを形成する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の区分(110)及び前記第2の区分(120)のうちの少なくとも1つが、窓(125)を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項13】
前記インフレータワイヤ(106)の少なくとも一部分が、前記窓(125)を通して視認可能である、請求項12に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の区分(120)が、前記第1の区分(110)の幅よりも広い幅を有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の区分(110)の第1の端部、前記第1の区分(110)の第2の端部、前記第2の区分(120)の第1の端部、及び前記第2の区分(120)の第2の端部の各々が、共通連結領域で一緒に連結されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアバッグクッションアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えば、サイド衝撃エアバッグクッションなどの特定のエアバッグクッションアセンブリにおいて、組立/製造中に困難をもたらし得る1つ又は2つ以上のワイヤがしばしば存在する。例えば、ワイヤ(複数可)、又はエアバッグクッション自体は、隣接する車両シートのフレームに挟持されるなど、組立中に挟持され得、これは、展開失敗、望ましくない展開特性、又はクッション及び/若しくはインフレータ/イニシエータワイヤへの損傷をもたらし得る。単一の層のラッパーが以前は使用されてきたが、クッション挟持及びワイヤ挟持の両方を解決するためにラッパーは使用されておらず、既知のラッパーは、内側ラッピング及び外側ラッピングの両方を提供していない。
【0002】
本発明者らは、前述の制限、及び/又は先行技術の他の制限のうちの1つ又は2つ以上を克服する装置、システム及び方法を提供することが望ましいと判断した。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される発明概念は、好ましくは単一の一体型材料から構成されたラッパーを提供することができ、このラッパーは、クッション及びワイヤ(複数可)に保護を提供するために、エアバッグクッションの周りに、双方向及び好ましくは二層ラッピングを提供する。いくつかの好ましい実施形態及び実装形態において、ラッパーは、一方の端部で一緒に連結され、反対側の端部で緩い2つの区分又は部分を含んでもよい。次いで、第1の区分/部分は、エアバッグクッションの一部分の周りにラッピングされ、閉鎖端部で、又は閉鎖端部に隣接して、クッション又はアセンブリのそれ自体及び/又は別の領域に連結されてもよい。次いで、第2の区分/部分は、エアバッグクッションの周りに、好ましくは反対方向にラッピングされてもよく、その後、再びそれ自体と再連結されてもよい。好ましい実施形態及び実装形態において、これにより、両方の区分/部分の対向する端部が一緒に連結され、この連結領域において4つの層を有する領域をもたらすことができる。2つのラッピングされた層の間に、ワイヤ(複数可)を挿入して、そこに保護を提供してもよい。
【0003】
いくつかの実施形態によるエアバッグクッションアセンブリのより具体的な例では、アセンブリは、サイド衝撃エアバッグクッションなどのエアバッグクッションと、それから延在するインフレータワイヤを備えたインフレータ又はイニシエータと、を備えてもよい。ラッパーは、エアバッグクッションの周りに延在してもよく、エアバッグクッションの周りに第1の方向にラッピングされた第1の区分と、第1の区分と連結された第2の区分と、を含んでもよい。第2の区分は、第1の方向とは反対の第2の方向に、エアバッグクッションの周りにラッピングされてもよく、かつ/又は、第1の区分は、少なくとも部分的に第2の区分内に延在してもよい。
【0004】
いくつかの実施形態において、ラッパーは、インフレータの少なくとも一部分、又はインフレータを含むインフレータアセンブリの別の部分に連結されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、インフレータの少なくとも一部分又はインフレータと連結されたイニシエータは、ラッパー内に形成された開口部を通って延在してもよい。インフレータアセンブリの1つ又は2つ以上のスタッドもまた、又は代替的に、ラッパー内に形成された様々な開口部を通って延在してもよい。
【0005】
いくつかの実施形態において、インフレータワイヤは、第1の区分と第2の区分との間に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、ラッパーの第1の区分の対向する端部は、一緒に連結されてもよく、かつ/又はラッパーの第2の区分の対向する端部は、一緒に連結されてもよい。これは、例えば、縫い目を使用して、かつ/又は、スタッド若しくはエアバッグアセンブリの他の突出部材を、ラッパーの両方の区分内に形成された様々な開口部を通して延在させて、行うことができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、エアバッグクッションは、細長い軸を画定する圧縮構成であってもよい。いくつかのこのような実施形態において、ラッパーは、細長い軸に対して垂直又は少なくとも実質的に垂直な方向に、エアバッグクッションの周りに延在してもよい。
【0008】
他の実施形態によるエアバッグクッションアセンブリの別の特定の例では、アセンブリは、圧縮構成のエアバッグクッションを備えてもよい。圧縮エアバッグクッションは、細長い軸を画定してもよい。アセンブリは、インフレータワイヤを備えたインフレータを更に備えてもよい。一体型の材料片又は一緒に連結された複数の断片を含んでもよいラッパーの第1のラッパー部分は、エアバッグクッションの周りにラッピングされてもよい。いくつかの実施形態において、第1のラッパー部分は、細長い軸に対して少なくとも実質的に垂直な方向に、エアバッグクッションの周りにラッピングされてもよい。第2のラッパー部分は、第1のラッパー部分に連結されてもよく、エアバッグクッションの周りにラッピングされてもよい。再び、いくつかの実施形態において、第2のラッパー部分は、細長い軸に対して少なくとも実質的に垂直な方向にラッピングされてもよい。好ましい実施形態において、第2のラッパー部分は、第1のラッパー部分に対して反対の、又は少なくとも実質的に反対の方向に、ラッピングされてもよい。
【0009】
第1のラッパー部分は、エアバッグクッションの周りの第2のラッパー部分に対して少なくとも部分的に層状である、又は重なり合ってもよい。次いで、インフレータワイヤは、層状領域の少なくとも一部分に沿って、第1のラッパー部分と第2のラッパー部分との間に少なくとも部分的に延在し得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1のラッパー部分は、エアバッグクッションの周りに第1のループを形成してもよい。いくつかのこのような実施形態において、第2のラッパー部分は、エアバッグクッションの周りに第2のループを形成してもよく、第2のループは、第1のループと少なくとも部分的に重なり合ってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1のラッパー部分及び第2のラッパー部分のうちの少なくとも1つは、矩形の窓などの窓を備えてもよい。このような実施形態において、好ましくは、インフレータワイヤの少なくとも一部分が窓を通して視認可能であり、ワイヤの目視(人間又は自動)検査がその適切な位置にあることを可能にする。
【0012】
いくつかの実施形態において、第2のラッパー部分は、第1のラッパー部分の幅よりも広い幅を有してもよい。第1及び第2のラッパー部分の幅は、第1のラッパー部分及び第2のラッパー部分が、エアバッグクッションの周りを、かつ/又はラッパー/ラッパー部分の細長い軸/方向(「長さ」)に垂直な方向に延在する方向に垂直な方向に画定されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1のラッパー部分の第1の端部、第1のラッパー部分の第2の端部、第2のラッパー部分の第1の端部、及び第2のラッパー部分の第2の端部の各々は、共通連結領域で一緒に連結されてもよい。このような連結は、例えば、縫合、様々なラッパー部分に形成された開口部を通じたスタッド若しくは他の突出部材の挿入、及び/又はラッパー部分の一方若しくは両方に形成された別の開口部を通じたインフレータ及び/若しくはイニシエータの挿入のうちの1つ又は2つ以上によって達成され得る。
【0014】
いくつかの実装形態によるエアバッグクッションアセンブリの組立方法の一例では、本方法は、ラッパーを、ラッパーの第1の端部に隣接するエアバッグクッションを含むエアバッグクッションアセンブリの少なくとも一部分に連結することを含み得る。ラッパーの第1の部分は、エアバッグクッションの周りに、第1の方向にラッピングされるか、又は別の方法で延在して、第1のラッパー層を画定してもよく、ラッパーの第2の部分は、エアバッグクッションの周りに、第2の方向にラッピングされるか、又は別の方法で延在してもよい。いくつかの実装形態において、第2の方向は、少なくとも実質的に第1の方向と反対であってもよく、かつ/又は2つのラッパー層が少なくとも部分的に重なり合うように第2のラッパー層を画定してもよい。
【0015】
いくつかの実装形態において、インフレータワイヤは、第1の層と第2の層との間に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
【0016】
いくつかの実装形態において、ラッパーをエアバッグクッションアセンブリの少なくとも一部分に連結するステップは、ラッパーの第1の端部に隣接して形成された第1の開口部を通してインフレータスタッドを延在させることを含み得る。いくつかのこのような実装形態において、ラッパーをエアバッグクッションアセンブリの少なくとも一部分に連結するステップは、ラッパーの第1の端部に隣接して形成された第2の開口部を通してインフレータの少なくとも一部分を延在させることを更に含み得る。いくつかの実装形態において、第2の開口部は、第1の開口部よりも大きくてもよい。
【0017】
いくつかの実装形態は、第1の端部の反対側にあるラッパーの第2の端部を、エアバッグクッションアセンブリの少なくとも一部分に連結することを更に含んでもよい。
【0018】
いくつかの実装形態において、エアバッグクッションは、細長い軸を画定する構成に折り畳まれるか、又は別の方法で圧縮されてもよい。いくつかのこのような実装形態において、第1のラッパー層を画定するために、エアバッグクッションの周りに、第1の方向にラッパーの第1の部分を延在させるステップは、第1の部分を、エアバッグクッションの周りに、細長い軸に対して少なくとも実質的に垂直な方向に延在させることを含んでもよい。
【0019】
1つの実施形態に関連して本明細書に開示された特徴、構造体、ステップ、又は特性は、1つ又は2つ以上の代替的な実施形態において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示に記載された実施形態は、非限定的で、かつ非網羅的であり、以下の図面を参照した本開示の様々な実施形態を含む。
【0021】
図1】いくつかの実施形態による、エアバッグクッションアセンブリ用のラッピング部材の平面図である。
【0022】
図2】エアバッグクッションをラッピングするための方法の組立段階の間に折り畳まれている図1のラッピング部材を示す。
【0023】
図3】エアバッグクッションと連結されているラッピング部材を示す。
【0024】
図4】ラッピング部材内の開口部を通して挿入されているエアバッグクッションアセンブリのインフレータの一部分を示す。
【0025】
図5図4に示す段階におけるアセンブリの断面図である。
【0026】
図6】組立プロセスの第1のラッピングステップに続くエアバッグクッションアセンブリを示す。
【0027】
図7図6に示す段階におけるアセンブリの断面図である。
【0028】
図8】インフレータワイヤがラッピング部材を通って配索された後のエアバッグクッションアセンブリを示す。
【0029】
図9図8に示す段階におけるアセンブリの断面図である。
【0030】
図10】組立プロセスの第2のラッピングステップに続くエアバッグクッションアセンブリを示す。
【0031】
図11図10に示される段階におけるアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の様々な実施形態に整合した装置、システム、及び方法が、以下に詳細に記載されている。いくつかの実施形態が記載されているが、本開示は、開示された特定の実施形態のうちのいずれにも限定されず、代わりに、多数の代替、修正、及び等価物を包含することを理解されたい。また、本明細書に開示された実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明には、多数の具体的な詳細が記述されているが、いくつかの実施形態は、これらの一部又は全ての詳細がなくても実行することができる。更に、明瞭性のために、先行技術における既知の特定の技術的材料は、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するため、詳細に記載されていない。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に」は、示されるように機能する動作、特性、特質、状態、構造、物品、又は結果の完全又はほぼ完全な程度又は度合いを指す。例えば、「実質的に」円筒形又は「実質的に」垂直である物体は、物体/特徴が、同じ又はほぼ同じ機能をもたらすように、円筒形/垂直又はほぼ円筒形/垂直のいずれかであることを意味する。この用語によって提供される正確な許容される逸脱の程度は、特定の文脈に依存し得る。「実質的に」の使用は、動作、特性、特質、状態、構造、物品、又は結果の完全な又はほぼ完全な欠如を指すために、否定的な意味合いで使用される場合に等しく適用可能である。例えば、底部を「実質的に含まない」構造は、底部を完全に欠いているか、又はほぼ完全に底部がないかのいずれかであり、その効果は、底部を完全に欠いているかのように効果的に同じであろう。
【0034】
同様に、本明細書で使用するとき、用語「約」は、所与の値が、その範囲に関連付けられた機能を依然として達成しながら、端点の「わずかに上」又は「わずかに下」であり得ることを前提とすることによって、数値範囲端点に柔軟性を提供するために使用される。
【0035】
本開示の実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解することができ、同様の部品は、同様の数字により指定され得る。開示された実施形態の構成要素は、本明細書中の各図に概略的に説明及び例示されているように、多種多様な異なった構成で配列及び設計することができることは、容易に理解されよう。このため、本開示の装置及び方法の実施形態に関する以下の詳細な説明は、特許請求の範囲に示すような本開示の範囲を限定することを意図せず、単に本開示の可能な実施形態を表すにすぎない。また、方法のステップは、必ずしもいずれかの特定の順序で実行される必要はなく、又は、たとえ順次であっても、他に特段の指定がない限り、それらのステップは、必ずしも1回だけ実行される必要があるというわけではない。ここで、特定の好ましい実施形態及び実装形態に関する追加的な詳細が、添付図面を参照してより詳細に記載される。
【0036】
図1は、エアバッグ105がエアバッグクッション(図1には示さず)の両面及び/又は双方向ラッパーを提供するために使用され得る、いくつかの実施形態によるエアバッグクッションラッパー105又はラッピング部材を示す。図1に示されるように、ラッパー105は、第1の区分又は部分110と、第2の区分又は部分120と、を備え、第2の区分又は部分120は、以下で論じられるように、エアバッグクッションアセンブリのための二層及び/又は双方向ラッパーを提供するために、一緒に折り畳まれるか、かつ/又は別個のラッピング長さを形成することができる。
【0037】
区分110は、円形として示されているが、代替実施形態では他の形状を画定し得る、一連の開口部112を備える。より具体的には、図1の上部では、第1の開口部112Aがラッパー105の突出部分に沿って設けられ、第2の開口部112Bは、第1の開口部112Aの反対側に設けられる。図1に見られるように、開口部112Aは、開口部112Bよりもかなり大きい。これは、以下に提供される更なる詳細を検討すると明らかとなるであろう。
【0038】
好ましい方法でラッパー105の折り畳みを容易にするために、1つ又は2つ以上の整列特徴部が設けられてもよい。例えば、図示した実施形態は、部分110に沿って形成された第1の線又は他の整列マーカ114と、部分120に沿って形成された第2の線又は他の整列マーカ124と、を含む。ラッパー105は、図2に示されるように、マーカ114及び124が整列されるように折り畳まれてもよい。
【0039】
対向する開口部112C及び112Dなどの追加の開口部112が形成されてもよい。同様の開口部122A及び122Bは、部分120の縁部に隣接して形成されてもよい。後述するように、開口部122A及び122Bは、部分110を部分120に対して折り畳むことに続いて、開口部112A及び112Bと整列されるか、又は少なくとも部分的に重なり合うように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの開口部の大部分又は全ては、インフレータアセンブリからスタッドなどの単一の特徴部を受容するように構成されてもよく、したがって、同じ又は少なくとも実質的に同じサイズを有してもよい。
【0040】
中央開口部又は窓125も設けられてもよい。図示の実施形態において、この開口部/窓125は、部分110に隣接する部分120上に形成される。
【0041】
図2に示されるように、ラッパー105は、部分110及び120が互いに少なくとも部分的に重なり合うように折り畳まれてもよい。したがって、図示の実施形態において、マーカ114及び124は整列され、開口部112C及び112Dは整列され、開口部112A/122A及び112B/122Bは、少なくとも部分的に重なり合うように整列される。
【0042】
いくつかの実施形態及び実装形態において、折り畳まれたラッパー105の一部分もまた、縫合されてもよく、又は別の方法で一緒に固定的に連結されてもよい。したがって、図示の実施形態において、図2の右側の部分は、1つ又は2つ以上のステッチ、縫い線、及び/又は同様のものを使用して一緒に縫合して閉鎖端部を形成してもよい。図示した実施形態において、2本のこのような縫い線が、窓125に隣接して、整列した開口部112C/Dの両側に1つの線を備えて走るように示されている。好ましくは、閉鎖/連結端部と反対側の折り畳まれたラッパー105の端部は開放される。換言すれば、図2に示される段階で互いに隣接するように折り畳まれている図1の部分110及び120の対向する端部は、この段階で互いに固定的に連結されていない。
【0043】
図3は、折り畳まれたクッションラッパー105をエアバッグクッション102に連結した後のエアバッグクッション102を含むエアバッグクッションアセンブリ100の一部分を示す。図示の実施形態において、開口部112A及び122Aの周りに様々な縫い線101が形成されている。しかしながら、代替実施形態において、縫い線又は連結のための他の手段が、必要に応じてラッパー105の他の領域に適用されてもよいことが企図される。
【0044】
図4に示されるように、インフレータ103又はインフレータと連結されたイニシエータなどのインフレータアセンブリの一部分は、ラッパー105のより大きな開口部112Aを通して挿入されてもよい。インフレータ103はまた、そこから延在するインフレータワイヤ106を有してもよい。クッション102はまた、細長い、折り畳まれた、又は別の方法で圧縮された構成で図4に示されており、これは、当業者が理解するように、図に示されていないプロセスの段階で行われてもよく、又は他の構成において全て行われる必要はない。
【0045】
図5の断面図でより良く分かるように、組立プロセスのこの段階では、ラッパー105の部分110は、圧縮エアバッグクッション102の第1の側の上に延在する。部分120は、組立プロセスのこの段階で本質的に「緩い」。
【0046】
図6は、ラッパー105がエアバッグクッション102の外周の周りに、圧縮エアバッグクッション102の細長い軸に対して少なくとも実質的に垂直な方向にラッピングされているラッピングステップに続くエアバッグクッションアセンブリ100を示す。図7の断面図でより良く示されるように、部分110は、ループを画定するためにクッション102の一部分の周りに完全にラッピングされ、次いでそれ自体及び/又はアセンブリ100の一部分に再連結されている。
【0047】
例えば、サイド衝撃クッションを含む本発明の方法のいくつかの実装形態において、1つのラッパーステップを実行して、ラッパー105をアセンブリ100の外側の周りに、又は少なくとも実質的にその周りに延在させてもよく、別のステップを実行して、ラッパー105をアセンブリ100の内側の周りに延在させてもよい。図示の実施形態において、第1のステップが、図6に示される構成をもたらすために実施され、図6の右側に外側が示され、その関連する図は同じ図を有し、外側は左側に示されている。
【0048】
図示の実施形態において、この再連結ステップは、整列された開口部112C/112Dの一方又は両方を通ってアセンブリ100のスタッド又は他の特徴部を延在させることによって達成され得る。いくつかの実施形態において、追加の縫い目101を使用して、図7に示されるように、部分110をそれ自体に、好ましくは部分110の反対側の端部に隣接して又はその近くで固定連結することができる。
【0049】
次いで、インフレータ103のワイヤ106は、図8及び9に示されるように、部分110と部分120との間を配索されてもよい。窓125を含む実施形態において、このステップは、好ましくは、ワイヤ106が露出される/視認可能であるように行われる。このようにして、ワイヤ106及び/又はインフレータ103の適切な位置決めは、人間の検査員によって、又は、例えば、ワイヤ106の特定の色を識別するように構成されたカメラによって可視化されてもよい。
【0050】
追加のステッチ又は他の連結手段も同様に使用されてもよい。したがって、図9は、部分110の遠位端を部分120の近位端及び/又は近位/固定端に連結するために使用される追加の縫い目を示す。これは、インフレータ103及び/又は関連するイニシエータに連結されたスタッドなどのスタッドの開口部112A及び/又は112Bを通した挿入によって、部分110の遠位端を連結することに加えて、又はその代替として行われてもよい。この追加の連結手段を提供することにより、ワイヤ106は、隣接するスタッド又は他のインフレータ構成要素に向かって移動することを抑制することができる。
【0051】
ワイヤ106が所望のように配索され/位置付けられると、図10及び11に示されるようにワイヤ106が部分110と120との間に延在するように、ラッパー105を再び、好ましくは反対方向にラッピングすることができる。追加の詳細を提供するために、図8及び9に示される段階に続き、部分120は、図11に最も良く示されるように、クッション102の周りをラッピングする2つのループ及び/又は層を作成するように部分110がラッピングされた反対方向に、前にラッピングされた部分110の周りに延在してもよい。
【0052】
アセンブリ101をこの双方向的二重ラッパー構成に維持するために、部分120の端部は、ラッパー105の部分及び/又はアセンブリ100の別の部分に固定的に又は解放可能に連結されてもよい。したがって、図示の実施形態において、インフレータ103又はアセンブリ100の別の部分のスタッド又は他の特徴部は、図10に示すように、開口部122A及び122Bの一方又は両方を通って延在してもよい。したがって、図示された実施形態において、部分110の対向する両端部及び部分120の対向する両端部は、同じ単数又は複数の領域において、又は少なくとも実質的に同じ単数又は複数の領域において、連結される。したがって、この領域にはラッパー105の4つの層が存在する。更に、いくつかの実施形態において、同じ単数又は複数のスタッドは、開口部112A及び/又は122B、開口部112C及び/又は112Dを通って、また開口部122A及び/又は122Bを通って延在してもよい。
【0053】
このラッパー構成、又はこれらの開示材料に基づく他の類似の構成は、エアバッグクッション及びインフレータのワイヤ又は他の要素などのエアバッグクッションアセンブリの2つの部分の望ましくない挟持を回避するために使用されてもよい。サイド衝撃クッション又は膝エアバッグクッションなどの特定のエアバッグクッションモジュール/アセンブリに関連して、このような構成はまた、モジュール/アセンブリの2つの別個の構成要素を保護するため、又はモジュール/アセンブリの単一の構成要素の2つの異なる部分に保護を提供するために、外側ラッピング及び内側ラッピングの両方を提供するために使用されてもよい。
【0054】
前述の明細書は、様々な実施形態及び実装形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本開示の範囲を逸脱せずに、様々な修正及び変更を行うことが可能であることは、当業者であれば理解するであろう。例えば、様々な動作ステップ、並びに動作ステップを実行するための基本要素は、特定の用途に応じて、又はシステムの動作と関連付けられた任意の数のコスト機能を考慮に入れて、様々な方法で実装することができる。したがって、任意の1つ又は2つ以上のステップは、削除し、修正し、又は他のステップと組み合わせてもよい。更に、本開示は、限定的ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、そのようなあらゆる修正は、本開示の範囲内に包含されることを意図されている。同様に、便益、他の利点、及び課題に対する解決策は、様々な実施形態に関して上述されてきた。しかしながら、便益、利点、課題に対する解決策、及び何らかの便益、利点、若しくは課題を生じさせ得るか、又はより明白にさせ得る任意の要素(複数可)は、絶対に欠かせない、必須の、又は不可欠な特徴又は要素として解釈されない。
【0055】
本発明に内在する原理から逸脱することなく、上述した実施形態の細部に多くの変更を成し得ることを、当業者は理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、以降の特許請求の範囲によってのみ判定されなければならない。
図1
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11