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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】要素を格納するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/00 20060101AFI20220905BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20220905BHJP
   A47B 88/00 20170101ALI20220905BHJP
   A47B 88/988 20170101ALI20220905BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
A61J1/00 430
A47B81/00 P
A47B81/00 F
A47B88/00
A47B88/988
G06K7/10 264
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155709
(22)【出願日】2021-09-24
(62)【分割の表示】P 2019517215の分割
【原出願日】2016-10-24
(65)【公開番号】P2022008538
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】1659518
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519001279
【氏名又は名称】バイオログ-アイディー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-クロード・モングルニエ
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08342400(US,B1)
【文献】特表2014-513225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0046020(US,A1)
【文献】特表2013-519177(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0316045(US,A1)
【文献】特表2010-500128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/00
A61J 3/00
A47B 81/00
A47B 88/00
A47B 88/988
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの要素(12)が無線通信デバイス(14)を含む要素(12)を格納するための装置(22)であって、
当該装置(22)は、複数の引出しアセンブリ(30)を含み、
それぞれの前記引出しアセンブリ(30)が、
上端部(46)および下端部(48)と、
ハウジング(45)と、別の引出しアセンブリ(30)の支持体(40)の下端部(48)または上端部(46)に対応する相補的アセンブリ部材(51、52)を有するアセンブリ部材(51、52)と、を備えた支持体(40)であって、前記引出しアセンブリ(30)が、互いに組み立てられて垂直スタック(38)を形成するように構成されている、支持体(40)と、
前記支持体(40)のハウジング(45)内に配置された引出し(42)であって、前記支持体(40)に対してスライド可能で、要素(12)を受容するための複数のスロット(58)を画定する底部(56)を備えた、引出し(42)と、
それぞれの前記スロット(58)用の単独の送信機(44)であって、無線周波数を送信するように構成され、全ての前記無線通信デバイス(14)と通信するように構成された、単独の送信機(44)と、
を含んでなり、
前記引出し(42)の底部(56)は、それぞれの前記単独の送信機(44)によって発信された無線周波数が横断し得る材料で作られ、
それぞれの前記単独の送信機(44)は、前記スロット(58)内に受容された要素(12)の一つにおける無線通信デバイス(14)と単独の送信機(44)との間の通信を可能にするように、前記引出し(42)の底部(56)の対応するスロット(58)に対向する、前記引出し(42)の底部(56)の下側に配置され、
前記支持体(40)、電気的接続部である接続部(49)を含み、それぞれの引出アセンブリ(30)の接続部(49)は、一方がその引出アセンブリ(30)単独の送信機(44)に接続され、他方が他の引出アセンブリ(30)単独の送信機(44)電気的に接続されていることを特徴とする装置(22)
【請求項2】
前記引出し(42)の底部(56)がプラスチックでできていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)
【請求項3】
前記要素(12)が、生物学的製品、薬品または治療用調製物の容器であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)
【請求項4】
それぞれの前記無線通信デバイス(14)が無線識別タグであって、それぞれの前記単独の送信機(44)が無線識別リーダであることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)
【請求項5】
それぞれの前記単独の送信機(44)が、対応する前記引出しブロック(30)の前記支持体に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)。
【請求項6】
それぞれの前記単独の送信機(44)が、対応する前記引出しブロック(30)の前記引出し(42)に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)
【請求項7】
それぞれの前記無線通信デバイス(14)が、対応する要素(12)に関する情報を含み、
それぞれの前記単独の送信機(44)が前記無線通信デバイス(14)と通信するのが適切な場合に、前記要素(12)に関する情報を取得するために、それぞれの前記単独の送信機(44)は、前記単独の送信機(44)の反対側のスロット(58)に受容された前記要素(12)の無線通信デバイス(14)と通信するように構成され、
当該装置(22)は、それぞれの前記単独の送信機(44)に接続されたプロセッサ(33)をさらに含み、
前記プロセッサ(33)は、通信された情報から、それぞれの前記スロット(58)の占有と、適合すれば前記スロット(58)内に受容された前記要素(12)の状態とを決定するように構成され、
前記プロセッサ(33)は、それぞれの前記スロット(58)の占有と、適合すれば前記スロット(58)に対応する前記要素(12)の状態とに基づいた警報のきっかけとなるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(22)
【請求項8】
内部区画を含むエンクロージャ(20)と、
請求項1に記載の装置(22)であって、前記エンクロージャの内部区画内に配置されている装置(22)と、
を含んでなることを特徴とする設備(10)
【請求項9】
前記エンクロージャ(20)が冷蔵エンクロージャであることを特徴とする、請求項8に記載の設備(10)
【請求項10】
前記要素(12)が血小板容器であって、前記エンクロージャ(20)が血小板攪拌機であることを特徴とする、請求項8に記載の設備(10)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要素を格納するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はまた、そのような格納装置を含む設備に関する。
【0003】
要素は、例えば、血液製剤(一次血液、血漿、血小板、赤血球など)または細胞工学製品(細胞、変種など)のような生物学的製剤を収容するパウチ(小袋)、または化学療法パウチのような薬用のパウチである。
【0004】
そのようなパウチを、パウチが挿入される引出しによって形成された冷却構造内に格納することが知られている。そのような構造に挿入されたパウチは、一般に、対応するパウチに関する情報が記憶されているRFID(無線周波数識別)タグのような識別タグを備える。さらに、パウチのタグに含まれる情報を読み取って更新するために、RFIDリーダのような読取装置が、それぞれの引出しのパウチの意図された位置に対して配置されている。
【0005】
しかしながら、パウチのタグが引出し内で読取装置と対向して配置されていない場合、パウチのタグに含まれる情報の読み取りは実行されないかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、記憶スペースを邪魔することなく要素の状態の信頼性の高いチェックを可能にする要素格納装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の目的は要素を格納するための装置であって、それぞれの要素は第1の無線通信ユニットを含み、当該装置は、少なくとも1つの引出しアセンブリを含み、それぞれの引出しアセンブリは、
- ハウジングを備えた支持体と、
- 支持体のハウジング内に配置され、支持体に対してスライド可能な引出しであって、要素を受容するための少なくとも1つのスロットを画定する底部を含む引出しと、
- それぞれのスロット用の、無線周波数を送信することができる少なくとも1つの第2の無線通信ユニットであって、全ての第1の無線通信ユニットと通信するように設計されている少なくとも1つの第2の無線通信ユニットと、
を含んでなり、引出しの底部は、第2の無線通信ユニット(またはそれぞれ)によって送信される無線周波数が横断し得る材料で作られ、第2の無線通信ユニットまたはそれぞれの第2の無線通信ユニットは、スロット内に受容された要素の第2の無線通信ユニットと第1の無線通信ユニットとの間の通信を可能にするために、引出しの底部の対応するスロットに対し、引出しの底部の下に配置されている。
【0008】
特定の実施形態によれば、装置は、
- 引出しの底部はプラスチックでできている。
- 要素は、生物学的製品、医薬品または治療用製剤の容器である。
- それぞれの第1の無線通信ユニットは無線識別タグであって、それぞれの第2の無線通信ユニットは無線識別リーダである。
- それぞれの第2の無線通信ユニットは対応する引出しアセンブリの支持体に固定されており、それぞれの第2通信ユニットは対応する引出しアセンブリの引出しに固定されている。
- 装置は複数の引出しアセンブリを含み、それぞれの引出しアセンブリの支持体の上端部および/または下端部は、別の引出しアセンブリの支持体の上端部または下端部のそれぞれ相補的なアセンブリ部材と共にアセンブリ部材を含み、その結果、引出しアセンブリは互いに積み重ねられて垂直方向のスタックを形成する。
- それぞれの第1の無線通信ユニットは、第1の無線通信ユニットに対応する要素に関する情報を含み、それぞれの第2の無線通信ユニットは、適合する場合に、情報を取得するために第2の無線通信ユニットに面するスロットに収容された要素の第1の無線通信ユニットと通信することができ、装置は、それぞれの第2の無線通信ユニットに接続された処理ユニットをさらに含み、処理ユニットは、通信された情報から、それぞれのスロットの占有と、適合すればスロット内に受容された要素の状態とを決定することができ、処理ユニットは、それぞれのスロットの占有によって警報のきっかけとなることができ、適合すればスロットに対応する要素の状態を決定することができる。
上記特徴を、別々に、或いは、任意の技術的に実現可能な任意の組み合わせで、1つまたは複数の特徴を含む装置である。
【0009】
本発明はまた、
- 内部区画を備えるエンクロージャと、
- 本願発明の第1の態様に基づく装置であって、エンクロージャの内部区画に配置されている装置と、
を含む設備に関する。
【0010】
特定の実施形態によれば、
- エンクロージャが冷蔵エンクロージャである。
- 要素は血小板容器で、エンクロージャは血小板攪拌機(platelet stirrer)である。
上記特徴を、別々に、或いは、任意の技術的に実現可能な任意の組み合わせで、1つまたは複数の特徴を含む装置である。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、例としてのみ与えられ、図面を参照して与えられる本発明の実施形態の以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】格納装置を含む設備の概略斜視図である。
図2図1の格納装置の斜視図である。
図3図1の格納装置のいくつかの引出しアセンブリの概略図を示す。
図4図1の装置に格納することを意図した要素の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
要素格納庫12の設備10が図1に示されている。
【0014】
要素12は、例えば、容器(図2に示される)である。一般に、容器は製品を入れることを意図したあらゆる種類のパウチを指定し、その使用は厳格な保管上の制約によって条件付けられる。
【0015】
より具体的には、要素12は、例えば、血液製剤(一次血液、血漿、血小板、赤血球のようなためのパウチ)のような生物学的製品または細胞工学製品(ヒトまたは動物の細胞、特に、ヒトまたは動物の幹細胞、ヒトまたは動物の細胞由来の製品)を収容するパウチである。
【0016】
あるいは、要素12は、溶媒および1つまたは複数の化学療法活性成分を概して収容する化学療法パウチのような、1つまたは複数の活性成分または薬物を収容する、薬物または治療製剤用のパウチである。
【0017】
より一般的には、要素12は、ヒトまたは動物に灌流することを目的とした任意の製品を収容することができる。
【0018】
図4に示されるように、それぞれの要素12は、第1の無線通信ユニット14を含む。それぞれの第1の無線通信ユニット14は、例えば、要素12の外面に取り付けられた粘着タグのようなタグである。
【0019】
一般に、それぞれの第1の無線通信ユニット14は、少なくとも1つのアンテナと、メモリと、任意選択でマイクロプロセッサとを含む。
【0020】
それぞれの第1通信部14のアンテナは、例えば、無線周波数アンテナである。
【0021】
それぞれの第1通信ユニット14のメモリは、対応する要素12に関する情報を含む。
【0022】
そのような情報は、例えば、要素12の固有の識別子、要素12の保管日、要素12の有効期限、要素12の第1の無線通信ユニット14が最後に情報を提供した日、 要素12の内容物に関する寄付番号、要素12の内容物の製品コード、要素12の内容物の赤毛猿グループ、要素12の内容物の血液表現型、要素12の内容物が由来する患者の身元情報、要素12の内容物が由来する患者の名前、要素12の内容物の量、要素12の内容物が取得された寄付センター(住所を含む)、要素12に対する現在のプロセス、および、要素12の内容物の抗凝固剤の種類。化学療法の場合、そのような情報には、さらに、製造日、製品の種類、ビヒクルの種類、処方医の身元情報、薬剤師の身元情報、製造者の身元情報、製造年月日、リリース日と状態(リリース済み、発行済みなど)。
【0023】
設備10は、エンクロージャ20と格納装置22とを備える。
【0024】
エンクロージャ20は、格納装置22を受容するための内部区画24を含む。
【0025】
エンクロージャ20は、例えば、冷蔵庫や冷凍庫のような冷却エンクロージャである。冷却エンクロージャが冷蔵庫であるとき、エンクロージャの温度は0℃から5℃の間で、好ましくは4℃に等しい。冷却エンクロージャが冷凍庫であるとき、エンクロージャの温度はマイナス35からマイナス196℃の間で、好ましくはマイナス40℃に等しい。
【0026】
あるいは、エンクロージャ20は血小板攪拌機であってもよい。次いで、エンクロージャ20は、好ましくは24℃に等しい温度を有する定温器(インキュベーター)に一体化されるのが好ましい。
【0027】
以下の説明では、相対位置は、概して床上に載っている底部が定義され、底部の反対側に頂部があって、エンクロージャ20の現在の使用方向に関して定義されている。これらの相対位置では、「下」や「上」などの用語で強調されています。
【0028】
装置22は、複数の引出しアセンブリ30とベース32とを含む。図2に示すように、装置22はさらに処理ユニット33を含む。
【0029】
後述するように、引出しアセンブリ30は互いの上に積み重ねられて、引出しアセンブリ30の垂直スタック38を形成する。図1図3は、10個の引出しアセンブリ30のスタックの例を示す。
【0030】
それぞれの引出しアセンブリ30は、図2に示されるように、支持体40と、引出し42と、少なくとも1つの第2の無線通信ユニット44を備える。
【0031】
支持体40は、ハウジング45と、上端部46と、下端部48(図3に示される)と、接続部49(図2に示される)とを含む。任意選択で、それぞれの引出しアセンブリ30はプレートも含む。
【0032】
それぞれのハウジング45は対応する引出し42を受けるように設計されている。
【0033】
図3に示されるように、それぞれの引出しアセンブリ30の上端部46は、少なくとも第1のアセンブリ部材51を含む。第1のアセンブリ部材51は、例えば、雌型接続部材である。
【0034】
図3に示されるそれぞれの引出しアセンブリ30の下端部48は、第1のアセンブリ部材51と相補的な少なくとも1つの第2のアセンブリ部材52を含む。第2のアセンブリ部材52は、例えば雄型アセンブリ部材である。
【0035】
図3に示す例では、第1の接続部材51はスロットであって、第2の接続部材52はスロットと相補的なリブである。
【0036】
したがって、それぞれの引出しアセンブリ30は、引出しアセンブリ30の第1のアセンブリ部材51、および/または、引出しアセンブリ30の第2の、1つもしくは2つのアセンブリ部材52によって、スタック38の少なくとも1つの他の引出しアセンブリ30と組み立てられる。
【0037】
接続部49は、例えば電気的接続部である。
【0038】
図1図3に示す実施形態では、それぞれの引出しアセンブリ30の接続部49は、一方では引出しアセンブリ30の第2の無線通信ユニット44に、他方では他の引出しアセンブリ30の第2の無線通信ユニットに接続されている。さらに、接続部49は処理ユニット33に接続されている。
【0039】
それぞれの引出し42は支持体40のハウジング45内に配置されている。それぞれの引出し42は対応する支持体40に対してスライドすることができる。
【0040】
それぞれの引出し42は、要素12を受容する少なくとも1つのスロット58を画定する底部56を含む。
【0041】
それぞれの引出し42の底部56は、引出し42の引出しアセンブリ30の第2の無線通信ユニット44によって発信された電波が横断することができる材料からなる。
【0042】
それぞれの引出し42の底部56の材料は、例えばプラスチックである。
【0043】
図1図3に示す実施形態では、それぞれの引出し42の底部56は、要素12を受容するための12個のスロット58を画定している。
【0044】
それぞれのスロット58は、例えば、エッジ59によって境界が定められてボックス60を形成している。
【0045】
図1図3に示す実施形態では、それぞれの引出しアセンブリ30は、スロット58と同数の第2の無線通信ユニット44を備える。
【0046】
それぞれの第2の無線通信ユニット44は、スロット58内に受容された要素12の第2の無線通信ユニット44と第1の無線通信ユニット14との間の通信を可能にするために、対応するスロット58に対し、引出し42の底部56の下に配置される。「反対の」という表現は、それぞれの第2の無線通信ユニット44がスロット58によって画定された空間の反対側に配置されることを意味すると理解される。言い換えれば、第2の無線通信ユニット44の平面内のスロット58の突起が、第2の無線通信ユニット44と併合される。
【0047】
それぞれの第2の無線通信ユニット44は、必要ならば、要素12に関する情報を取得するために、スロット58内に収容された要素12の第1の無線通信ユニット14と通信することができる。
【0048】
それぞれの第2通信部44は、無線周波数を発信することができる。それぞれの第2通信ユニット44は、全ての第1通信ユニット14と通信するように設計されている。
【0049】
例示的実施形態では、第1の無線通信ユニット14はRFIDタグであって、第2の無線通信ユニット44はRFIDリーダである。
【0050】
より一般的には、それぞれの第2の無線通信ユニット44は、少なくとも1つのアンテナと、メモリと、任意選択でマイクロプロセッサとを含む。
【0051】
図1図3に示す実施形態では、それぞれの第2の無線通信ユニット44は対応する引出しアセンブリ30の引出し42と一体である。より具体的には、それぞれの第2の無線通信ユニット44は対応するスロット58の引出し42の底部56の下に固定される。
【0052】
あるいは、それぞれの第2の無線通信ユニット44は、対応する引出しアセンブリ30の支持体40と一体である。それぞれの引出しアセンブリ30はさらにサテライトを含む。サテライトは、第2の無線通信ユニット44を収容するハウジングである。サテライトは、引出しアセンブリ30の引出し42の真下で引出しアセンブリ30の支持体40に固定されている。引出し42が閉じられているとき、第2の無線通信ユニット44は対応するスロット58に面する位置にあり、したがって、必要ならば、対応するスロット58内に配置されている第1の無線通信ユニット14と通信することができる。引出し42が空いているとき、第2の無線通信ユニット44は引出し42と一緒に動かないので、対応するスロット58に配置された第1の無線通信ユニット14と通信することはできない。
【0053】
それぞれのプレートは、任意の第2の無線通信ユニット44によって発信された電波の通過を防ぐように設計されている。
【0054】
それぞれのプレートは、それぞれの引出しアセンブリ30の引出し42の底部56の下方かつ引出しアセンブリ30の引出し42の底部56のスロット58に対応する第2の無線通信ユニット44の下方に配置されている。したがって、それぞれの第2通信ユニット44は、第2通信ユニット44の上方に位置する第1通信ユニット14とのみ通信することができる。
【0055】
それぞれのプレートは、例えば金属製である。
【0056】
ベース32は、引出しアセンブリ30のスタック38の最下部の引出しアセンブリ30と組み立てられる。この目的のために、ベース32は、少なくとも第3のアセンブリ部材を備える上端部62を含む。それぞれの第3のアセンブリ部材は、第1のアセンブリ部材51と同一である。スタック38の最後の引出しアセンブリ30の第2のアセンブリ部材52は、ベース32の第3のアセンブリ部材と組み立てられ、それによってスタック38を閉じることが可能になる。
【0057】
処理ユニット33は、第2の無線通信ユニット44から来る情報を処理することができる。特に、処理ユニット33は、それぞれのスロット58の占有と、スロット58内に配置されている素子12の状態を、利用可能な情報から適切に判定することができる。
【0058】
判定される状態は、例えば、「有効」状態と「無効」状態の2つである。要素12に関する情報が仕様に準拠する場合、要素12は「有効」と見なされ、そうでなければ「無効」と見なされる。
【0059】
したがって、処理ユニット33は、格納装置22の瞬間的な画像、すなわちどの要素12がどのスロット58にあるか、およびそれぞれの要素12に関する情報を有する。処理ユニット33はまた、装置22に対するそれぞれの要素12の入庫日および出庫日を含む。
【0060】
さらに、処理ユニット33は、第2の無線通信ユニット44を調整することができる。特に、処理ユニット33は、それぞれの第2の無線通信ユニット44を起動し、必要に応じて第2の無線通信ユニット44による第1の無線通信ユニット14に収容された情報の更新を命令することができる。
【0061】
任意選択で、処理ユニット33は、それぞれのスロット58の占有、および、該当する場合にはスロット58に対応する要素12の状態に応じた警報を発するきっかけとすることができる。例えば、同じスロット58が複数の要素12を含むと処理ユニット33が判断した場合、処理装置33は警報を発する。
【0062】
設備10に統合された装置22の動作をここで説明する。
【0063】
要素12が装置22の引出しアセンブリ30のうちの1つのスロット58内に配置されると、スロット58に対応する第2の無線通信ユニット44は、要素12の第1の無線通信ユニット14と通信して関連情報を取得する。収集された情報から、処理ユニット33はそれぞれの要素12の状態を決定し、必要ならば、警報を発し、或いは、しないかのいずれかである。
【0064】
したがって、装置22は、装置22内に格納されている要素12の状態、並びに、引出しアセンブリ30のスロット58の占有率を確実に制御している。
【0065】
さらに、対応する引出しの下にリーダを特別に配置することで、設置面積を削減できる。
【0066】
したがって、装置22は、格納スペースを煩わすことなく要素12の状態を確実に制御するための要素格納装置である。
【0067】
さらに、装置22の引出しアセンブリ30を組み立ておよび分解することは容易である。装置22のそのようなモジュール性は、スタック38の引出しアセンブリ30の数を変更することによって、装置22を多数の設備10に適合することを可能にする。
【0068】
さらに、引出しアセンブリの積み重ねは、複数の引出しよりもはるかに重くなくて扱いづらくないので、その取り扱いおよび設置がより容易である。
【0069】
さらに、製造の観点からすると、何十もの異なるサイズのキャビネットではなく、何千もの同一の引出しアセンブリが製造される。これにより、在庫管理を簡素化し、経済的規模を維持することができる。
【0070】
さらに、装置22は、以前はRFID技術を有していなかった設備10に適合させることができる。
【0071】
加えて、縮小されたサイズは、設備10がより多数の要素12を含む構成を想定することを可能にする。
【0072】
さらに、設備10および/または装置22は製造が容易である。
【0073】
最後に、それぞれの引出しアセンブリ30がサテライトを含む変形例では、サテライトは1つのアセンブリ内にあって、したがって故障の場合に交換が容易である。
【符号の説明】
【0074】
10 設備
12 要素
14 第1の無線通信ユニット
20 エンクロージャ
22 格納装置
24 内部区画
30 引出しアセンブリ
32 ベース
33 処理ユニット
38 垂直スタック
40 支持体
42 引出し
44 第2の無線通信ユニット
45 ハウジング
46 上端部
48 下端部
49 接続部
51 第1のアセンブリ部材
52 第2のアセンブリ部材
56 底部
58 スロット
59 エッジ
60 ボックス
図1
図2
図3
図4