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特許7135204ウインドスクリーンワイパーモータ及びウインドスクリーンワイパーモータの組立方法
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  • 特許-ウインドスクリーンワイパーモータ及びウインドスクリーンワイパーモータの組立方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ウインドスクリーンワイパーモータ及びウインドスクリーンワイパーモータの組立方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/14 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
H02K5/14 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021510683
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019073276
(87)【国際公開番号】W WO2020043910
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】102018121225.9
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート、シュテファニ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-199299(JP,A)
【文献】特開2002-142412(JP,A)
【文献】米国特許第03745393(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02834141(FR,A1)
【文献】米国特許第04163167(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
H02K 23/68
H02K 7/116
H02K 5/14
B60S 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションハウジング(12)と接続可能な電気モータ(14)のモータハウジング(56)と、コレクタ(18)を伴うアンカー(16)を備える前記電気モータ(14)と、前記コレクタ(18)と協働するカーボンブラシホルダプレート(26)とを有するウインドスクリーンワイパーモータ(10)であって、前記カーボンブラシホルダプレート(26)がカーボンブラシ(32)のためのガイド要素(46)を有し、前記カーボンブラシ(32)は、前記カーボンブラシ(32)の長手方向軸(34)において長手方向に移動できるように前記ガイド要素(46)内に配置され、前記カーボンブラシ(32)の第1の端面(36)が前記コレクタ(18)と接触するようになっており、前記第1の端面(36)の反対側の第2の端面(38)には、前記カーボンブラシ(32)を前記コレクタ(18)の方向に押し付けるために、作用位置で、バネ要素(40)がバネ予張力接触を成しており、前記バネ要素(40)は、前記カーボンブラシホルダプレート(26)が組み立てられるときに、前記カーボンブラシ(32)の側面(63)にバネ予張力接触を成すとともに、前記カーボンブラシ(32)を前記ガイド要素(46)に押し付けて摩擦接続(65)を形成し、これにより、前記カーボンブラシ(32)の前記第1の端面(36)が前記コレクタ(18)から距離を隔てて位置され、前記カーボンブラシ(32)の前記第2の端面(38)と相互作用する駆動装置(58)が設けられ、該駆動装置(58)は、前記駆動装置(58)と前記第2の端面(38)との間の接触及び相対移動の場合に、前記ガイド要素(46)内の前記カーボンブラシ(32)を前記長手方向軸(34)の方向に移動させるように構成され、これにより、前記バネ要素(40)が前記カーボンブラシ(32)の前記第2の端面(38)との作用接続状態を成し、
前記駆動装置(58)が前記トランスミッションハウジング(12)の構成部品として構成され
前記駆動装置(58)が、前記トランスミッションハウジング(12)の凹部(24)の内側ハウジング壁(57)から延びるリブに形成された接触面(60)を有する、ことを特徴とするウインドスクリーンワイパーモータ(10)。
【請求項2】
記カーボンブラシホルダプレート(26)の長手方向軸(28)に対する前記接触面の径方向距離は、前記トランスミッションハウジング(12)内における前記カーボンブラシホルダプレート(26)の組立方向(52)で減少する
ことを特徴とする
請求項1に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項3】
前記接触面(60)は、前記カーボンブラシホルダプレート(26)の前記長手方向軸(28)に対して角度(α)を成して延びる斜面の形態を成す
ことを特徴とする
請求項2に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項4】
前記カーボンブラシホルダプレート(26)がプラスチックから作製され、前記ガイド要素(46)が前記カーボンブラシホルダプレート(26)に一体的に形成される
ことを特徴とする
請求項1からのいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項5】
前記カーボンブラシ(32)の前記側面(63)が凹部(62)を有し、前記カーボンブラシホルダプレート(26)の組立位置では、前記凹部内で前記バネ要素(40)の接触部分(42)が積極的な接続接触を成し、これにより、前記カーボンブラシ(32)が前記ガイド要素(46)に対して前記長手方向軸(34)の方向で位置合わせされる、
ことを特徴とする
請求項1からのいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項6】
前記接触部分(42)は、湾曲されるとともに、前記カーボンブラシ(32)の前記側面(63)及び前記第2の端面(38)の両方に適用され得る
ことを特徴とする
請求項に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項7】
記トランスミッションハウジング(12)に対して前記カーボンブラシホルダプレート(26)を位置決めするための少なくとも1つのガイド要素(50)が前記カーボンブラシホルダプレート(26)に形成され、前記少なくとも1つのガイド要素(50)が前記トランスミッションハウジング(12)の対向要素(55)と相互作用する
ことを特徴とする
請求項1からのいずれか一項に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項8】
幾つかのガイド要素(50)及び相互作用する対向要素(55)が設けられる
ことを特徴とする
請求項に記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガイド要素(50)が前記カーボンブラシホルダプレート(26)の外周に配置される
ことを特徴とする
請求項又はに記載のウインドスクリーンワイパーモータ。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項にしたがって構成されるウインドスクリーンワイパーモータ(10)を組み立てる方法であって、
前記組立ては、
-前記トランスミッションハウジング(12)内に前記カーボンブラシホルダプレート(26)を事前に組み付けるステップであって、前記カーボンブラシ(32)が組立位置に配置され、前記カーボンブラシホルダプレート(26)が前記トランスミッションハウジング(12)内の前記作用位置から距離を隔てた中間位置に配置される、ステップと、 -前記コレクタ(18)が前記カーボンブラシ(32)と重なり合う位置に至るまで前記アンカー(16)を前記トランスミッションハウジング(12)内へ軸方向で挿入するステップと、
-前記カーボンブラシホルダプレート(26)及び前記アンカー(16)の前記中間位置から前記作用位置への平行移動を共に行なうステップであって、前記駆動装置(58)は、前記カーボンブラシ(32)と接触することにより、前記バネ要素(40)が前記カーボンブラシ(32)の前記第2の端面(38)と接触してこのカーボンブラシを前記コレクタ(18)に押し付けるまで前記カーボンブラシ(32)を前記ガイド要素(46)内で前記コレクタ(18)へ向かう方向に移動させる、ステップと、
を少なくとも含む
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴を伴うウインドスクリーンワイパーモータに関する。更に、本発明は、本発明にしたがってウインドスクリーンワイパーモータを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前文の特徴を伴うウインドスクリーンワイパーモータは、後に公開される文書である出願人のドイツ公開特許第102017110470号から知られている。既知のウインドスクリーンワイパーモータは、特別に設計されたカーボンブラシホルダプレートによって区別され、この場合、アンカーが組み立てられると、アンカーと接触するために機能するカーボンブラシが、カーボンブラシホルダプレート内のカーボンブラシのためのガイド要素における摩擦接続によってアンカーのコレクタから離間して位置される。摩擦接続は、対応するカーボンブラシの側面に作用するバネ要素によってもたらされるとともに、カーボンブラシを反対側の側壁と接触させる。アンカーが組み立てられた後、バネ要素がコレクタの方向の接触力を伴ってカーボンブラシに作用するようにバネ要素がカーボンブラシの一方の側面からコレクタとは反対側の後側面へと位置されなければならない。これは、アンカー上にわたって軸方向に押され、その過程で、モータハウジングの作動部と共に、カーボンブラシホルダプレートの領域に配置される駆動装置との作用的接触状態に入るモータハウジングによってその後の組立てステップにおいてもたらされる。カーボンブラシの側面に作用するバネ要素のその部分は、コレクタの反対側のカーボンブラシの端面の方向で駆動装置によって移動され、また、カーボンブラシとガイド要素の側壁との摩擦接続が除去される。上述した文書から知られているウインドスクリーンワイパーモータにおける本質的な特徴は、駆動装置がカーボンブラシホルダプレートの一部であることと、モータハウジングがカーボンブラシホルダプレートに駆動装置のための作動部分を有することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】ドイツ公開特許第102017110470号
【発明の概要】
【0004】
請求項1の特徴を伴う本発明に係るウインドスクリーンワイパーモータは、駆動装置がトランスミッションハウジングの構成部品として構成されるという点で区別される。これは、カーボンブラシホルダプレートの構造設計を簡略化する。
【0005】
本発明に係るウインドスクリーンワイパーモータの有利な進展が従属請求項に挙げられる。
【0006】
駆動装置の構造的に好ましい改良においては、駆動装置が接触面を有し、カーボンブラシホルダプレートの長手方向軸に対する接触面の径方向距離が、トランスミッションハウジング内におけるカーボンブラシホルダプレートの組立方向で減少する、ようにする。
【0007】
そのような構造的改良は、カーボンブラシホルダプレートがトランスミッションハウジングに対して軸方向に取り付けられるときに、接触面が、カーボンブラシホルダプレートのバネ要素との作用接続状態に入って、カーボンブラシの側面から、コレクタから離れる方向を向くカーボンブラシの後端面への、バネ要素の所望の動きを可能にする、という効果を有する。
【0008】
最後に成される提案の特定の進展において、接触面は、カーボンブラシホルダプレートの長手方向軸に対して傾いた角度で延びる斜面の形態を成す。そのような傾いて構成される又は配置される接触面により、カーボンブラシホルダプレートがトランスミッションハウジングに対して移動する際に、組立位置からカーボンブラシホルダプレートの最終位置へのバネ要素の連続的で均一な移動がもたらされる。
【0009】
製造に関して有利であるとともに追加の費用を伴うことなくトランスミッションハウジングで更に実現され得る駆動装置の改良においては、接触面がトランスミッションハウジングのハウジング壁のリブ形状延在部の一部の形態を成すことが提案される。
【0010】
カーボンブラシホルダプレートのガイド要素内におけるカーボンブラシの特に確実な位置決めを可能にする更に好ましい改良では、カーボンブラシの側面が凹部を有し、カーボンブラシホルダプレートの組立位置では、凹部内でバネ要素の接触部分が積極的な接続接触を成し、これにより、カーボンブラシがガイド要素に対して長手方向軸の方向で位置合わせされる。そのような凹部は、接触部をカーボンブラシの凹部から移動させるために増大した力が最初に必要とされるという効果を有する。更に、凹部は、カーボンブラシホルダプレートのガイド要素内でのカーボンブラシの長手方向の芯出しをもたらす。
【0011】
カーボンブラシに沿う移動中又はアンカーのコレクタの反対側の端面に対する作用中にバネ要素の接触部分によるカーボンブラシの摩耗を最小限に抑えるために、バネ要素の接触部分が、湾曲されるとともに、カーボンブラシの側面及び第2の端面の両方に適用され得る、ようにする。
【0012】
本発明の更なる態様は、トランスミッションハウジング内にカーボンブラシホルダプレートを組み立てる際にカーボンブラシホルダプレートを位置決めする又はカーボンブラシホルダプレートの正しい位置を確保することに関する。これに関して、トランスミッションハウジングに対するカーボンブラシホルダプレートの正しい角度位置を確保するために、トランスミッションハウジング内にカーボンブラシホルダプレートを組み立てるときにトランスミッションハウジングに対して適切な角度でカーボンブラシホルダプレートを位置決めするための少なくとも1つのガイド要素がカーボンブラシホルダプレートに形成され、少なくとも1つのガイド要素がトランスミッションハウジングの対向要素と相互作用する、ようにする。
【0013】
最後に成される提案の特定の進展においては、幾つかのガイド要素及び相互作用する対向要素が設けられれば、非常に特に好ましい。カーボンブラシホルダプレートの長手方向軸に対するガイド要素及び対向要素の不規則な配置は、カーボンブラシホルダプレートとトランスミッションハウジングとの間の単一の一義的な位置決めを確保できる。
【0014】
カーボンブラシホルダプレートの外周に少なくとも1つのガイド要素を配置することが好ましい。
【0015】
更に、本発明は、この程度まで記載される本発明に係るウインドスクリーンワイパーモータを組み立てる方法に関する。本発明に係る組立方法は、少なくとも以下のステップによって区別される。
【0016】
第1のステップでは、トランスミッションハウジング内でカーボンブラシホルダプレートの事前組立が行なわれ、この場合、カーボンブラシが組立位置に配置されるとともに、カーボンブラシホルダプレートがトランスミッションハウジング内の作用位置から距離を隔てた中間位置に配置される。その後、コレクタがカーボンブラシと重なり合う位置に至るまでトランスミッションハウジング内へのアンカーの軸方向挿入が行なわれる。最後に、カーボンブラシホルダプレート及びアンカーが中間位置から作用位置へと共に平行移動することによって移動され、この場合、駆動装置は、カーボンブラシと接触することにより、バネ要素がコレクタの反対側のカーボンブラシの第2の端面と接触してこのカーボンブラシをコレクタに押し付けるまでカーボンブラシをガイド要素内でコレクタへ向かう方向に移動させる。
【0017】
本発明の更なる利点、特徴、及び、詳細は、図面と関連する好ましい典型的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】カーボンブラシホルダプレートがトランスミッションハウジングの中間位置にある、ウインドスクリーンワイパーモータの部分領域の斜視図を示す。
図2図1の細部を拡大斜視図で示す。
図3】アンカーの取り付け中の図1に係るウインドスクリーンワイパーモータの例図を示す。
図4】カーボンブラシホルダプレートの取り付け中のカーボンブラシの領域におけるウインドスクリーンワイパーモータの細部を斜視図で示す。
図5】カーボンブラシホルダプレートの取り付け中のカーボンブラシの領域におけるウインドスクリーンワイパーモータの細部を斜視図で示す。
図6】カーボンブラシの作用位置におけるカーボンブラシホルダプレートの領域におけるウインドスクリーンワイパーモータの斜視断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図中、同一の要素又は同じ機能を有する要素には同じ参照符号が与えられる。
【0020】
図中に部分的に示されるウインドスクリーンワイパーモータ10は、例えばワイパーリンク機構を介して、車両のウインドスクリーンを洗浄するためのワイパーブレード(図示せず)を少なくとも間接的に移動させるように機能する。
【0021】
ウインドスクリーンワイパーモータ10は、特に多部品形態を成すとともに好ましくは1つ以上の射出成形部品の形態のプラスチックから形成されるトランスミッションハウジング12を有する。図3を参照すると最も良く分かるように、トランスミッションハウジング12の端面に電気モータ14をフランジ装着することができる。電気モータ14は、アンカーシャフト20の領域に配置されるコレクタ18を伴うアンカー16を有する。コレクタ18は、既知の態様でアンカー16のワイヤ巻線(図示せず)に電気的に接続され、この場合、ワイヤ巻線はコレクタ18を介して通電され得る。更に、アンカーシャフト20は、図3によれば、トランスミッションハウジング12内へ突出し、そこでトランスミッションハウジング12内に回転可能に装着されるギアホイールの嵌め合い歯部(図示せず)と噛み合う歯部領域22を有する。次に、ギアホイールは、ワイパーブレードを移動させるために機能する出力シャフトに少なくとも間接的に結合される。ウインドスクリーンワイパーモータ10のそのような構成は、それ自体が知られているため、簡略化のために図に示されない。
【0022】
更に、アンカー16のコレクタ18は、トランスミッションハウジング12の略円形の凹部24に挿入可能なカーボンブラシホルダプレート26と相互作用する。略環状であるカーボンブラシホルダプレート26は、プラスチックから構成され、射出成形部品の形態を成すとともに、カーボンブラシホルダプレート26の平面に対して垂直に且つアンカーシャフト20と平行に延びる長手方向軸28を有し、長手方向軸28周りに(中心)通過開口30が形成されている。通過開口30の直径は、図3の例示によれば、取り付け中に少なくともそのコレクタ18の領域で通過開口30を通じてアンカー16を案内できるようにする。
【0023】
カーボンブラシホルダプレート26は、多数の電気部品又は電子部品を受け入れることに加え、特に、長手方向軸28に対して径方向に配置される複数のカーボンブラシ32を受け入れる。長手方向軸34を伴って略ブロック形状態様で形成されるカーボンブラシ32はそれぞれ、図6によれば、作用位置でコレクタ18の外周に当て付いて位置する第1の端面36を有する。作用位置において、第1の端面36の反対側の第2の端面38は、バネ要素40の接触部分42がウインドスクリーンワイパーモータ10の作用位置で第2の端面38とバネ予張力接触を成してカーボンブラシ32の第1の端面36をコレクタ18に押し付けるような態様でバネ要素40と相互作用し、前記接触部分は湾曲した形態を成す。更に、カーボンブラシ32は、それ自体知られた態様で従って図示しない、接続プラグ44の領域で電気モータ14の電気接点接続に機能するピグテールリード又は同様のものを伴って電気的に接触している。
【0024】
カーボンブラシ32は、好ましくはカーボンブラシホルダプレート26と一体的に形成されるガイド要素46内に、長手方向に、すなわち、その長手方向軸34の方向に移動可能な態様で配置される。ガイド要素46は、僅かな遊びを伴ってカーボンブラシ32の断面を囲む。
【0025】
図1を参照すると最も良く分かるように、カーボンブラシホルダプレート26の外周は、カーボンブラシホルダプレート26の平面に対して垂直に又はその長手方向軸28と平行に延びる取り付け方向52でのトランスミッションハウジング12の凹部24内へのカーボンブラシホルダプレート26の取り付け中にガイド要素50として機能する少なくとも2つの切り欠き47及び断面が半円形の2つの突起48を有する。窪み47及び突起48は、トランスミッションハウジング12の凹部24の内壁の正反対に向かい合う突起53及び長手方向溝54と相互作用し、この場合、突起53及び長手方向溝54は、ガイド要素50のための嵌め合い要素55を形成する。
【0026】
トランスミッションハウジング12の外側で、電気モータ14のアンカー16は、図3でのみ見ることができるとともに従来からポールポットハウジングとも称されるポット形状のモータハウジング56によって囲まれ、この場合、(図示されない)永久磁石要素がモータハウジング56の内周に配置されてそれ自体知られる態様でアンカー16の巻線と相互作用する。
【0027】
図2図4、及び、図5を参照すると最も良く分かるように、カーボンブラシ32のそれぞれ又はカーボンブラシ32の第2の端面38のそれぞれは、凹部24の内壁57に配置されてトランスミッションハウジング12に一体的に接続されるリブ状の駆動装置58と相互作用する。トランスミッションハウジング12の構成部品としての駆動装置58は、カーボンブラシホルダプレート26の長手方向軸28に対して傾いた角度αで延びる平坦な接触面60を有する。
【0028】
図1図3は、カーボンブラシホルダプレート26の組立位置を示し、この場合、カーボンブラシホルダプレート26は、トランスミッションハウジング12の凹部24内のその最終的な軸方向位置又はその作用位置を未だとっていない。これは、突起48が凹部24の端側縁部61を越えて軸方向に突出する寸法xによって図1に関連して示される。図2によれば、この位置において、バネ要素40の接触部分42は、バネ要素40に面するカーボンブラシ32のその側面63の弓状の陥凹部62の領域におけるバネ予張力下に配置される。これは、側面63とは反対側のカーボンブラシ32の側面64が、ガイド要素46の側壁66の特に図6において見ることができる内側面に当て付いて位置して摩擦接続65を形成するという効果を有する。
【0029】
図1及び図2に示される組立位置において、カーボンブラシ32の第1の端面36は、アンカー16を、そのコレクタ18と共にカーボンブラシ32の高さまで軸方向に押し込むことができるような距離で、長手方向軸28から又はカーボンブラシホルダプレート26の通過開口30から隔てて配置される。
【0030】
ウインドスクリーンワイパーモータ10の組立て、特に該モータのカーボンブラシホルダプレート26のトランスミッションハウジング12内への組立て、及び、アンカー16の組立ては、以下のように説明される。すなわち、最初に、図1及び図2の例図に係るカーボンブラシホルダプレート26は、カーボンブラシ32の第1の端面36がコレクタ18から離間されたそれらの位置に配置される組立位置にある。前記組立位置は、随意的にカーボンブラシ32と駆動装置58の接触面60との間に辛うじて接触があるにすぎないことを更に特徴とする。
【0031】
続いて、図3の例図によれば、アンカー16は、コレクタ18がカーボンブラシ32の高さになるまでそのコレクタ18と共に組立方向52に移動される。その後、カーボンブラシホルダプレート26及びアンカー16の両方が組立方向52の向きで好ましくは同期して更に移動される。その過程で、カーボンブラシ32は、駆動装置58の接触面60との作用接続状態に入る。これは、図5の例図によれば、カーボンブラシ32の第2の端面38が長手方向軸28の方向に、すなわち、コレクタ18の方向に押し付けられるという結果をもたらす。これは、ひいては、図5の例図によれば、バネ要素40の接触部分42が最初にカーボンブラシ32の側面63の陥凹部62から移動された後にカーボンブラシ32の第2の端面38との作用接続状態に入るという結果をもたらす。
【0032】
バネ要素40がカーボンブラシ32の第2の端面38に押し付けられることによって、カーボンブラシ32は、図6の例図によれば、その第1の端面36がコレクタ18に対して押し付けられると同時に、第2の端面38が駆動装置58の接触面60から離間される。
【0033】
トランスミッションハウジング12の凹部24内へのアンカー16及びカーボンブラシホルダプレート26の前述した組立作業と同時に又はその後の組立作業において、永久磁石要素が設けられたモータハウジング56が、その後に、アンカー16上にわたって押し進められてトランスミッションハウジング12に接続される。
【0034】
この程度まで説明されるウインドスクリーンワイパーモータ10は、本発明の概念から逸脱することなく様々な方法で変更され得る。
【符号の説明】
【0035】
10 ウインドスクリーンワイパーモータ
12 トランスミッションハウジング
14 電気モータ
16 アンカー
18 コレクタ
20 アンカーシャフト
22 歯部領域
24 凹部
26 カーボンブラシホルダプレート
28 長手方向軸
30 通過開口
32 カーボンブラシ
34 長手方向軸
36 第1の端面
38 第2の端面
40 バネ要素
42 接触部分
44 接続プラグ
46 ガイド要素
47 切り欠き
48 突起
50 ガイド要素
52 組立方向
53 突起
54 長手方向溝
55 対向要素
56 モータハウジング
57 凹部の内壁
58 駆動装置
60 接触面
61 縁部
62 陥凹部
63 側面
64 側面
65 摩擦接続
66 側壁
α 角度
x 寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6