(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20220905BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220905BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
G06F1/16 312T
G06F1/16 312E
H05K5/02 B
H05K7/20 G
(21)【出願番号】P 2021529587
(86)(22)【出願日】2019-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2019026196
(87)【国際公開番号】W WO2021001912
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】398058588
【氏名又は名称】Dynabook株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村山 友巳
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-73877(JP,A)
【文献】特開2011-238063(JP,A)
【文献】特開2016-71785(JP,A)
【文献】特開平10-270864(JP,A)
【文献】国際公開第2010/011228(WO,A1)
【文献】特開2005-165480(JP,A)
【文献】特開2004-213446(JP,A)
【文献】実開平4-77279(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
H05K 5/02
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも載置する側に面を備え
、前記面に設けられた溝部と突起部からなる取付部を備えた筐体ユニットと、
前記筐体ユニットの溝部に取り付けられる上部平面部と、前記上部平面部に形成され前記突起部が挿入可能な溝部とを備え、前記筐体ユニットを支持する支持ユニットと、を有し、
前記支持ユニットは、前記面の一端側から他端側まで連続して設けられ、
かつ前記支持ユニットに形成された溝部は前記支持ユニットの長尺方向に連続に、かつその深さが一定にして設けられ、
前記筐体ユニットの突起部は、前記長尺方向に沿って矩形上に形成され、前記一端側と前記他端側との間に位置する中間部分における前記突起部の突出長さを前記一端側と前記他端側に位置する突出長さよりも短くすることで、前記中間部分の剛性を、前記一端側及び前記他端側の両端部分の剛性よりも低く構成した、電子機器。
【請求項2】
前記支持ユニットは、伸縮性を備え、前記面と直交する方向において、前記中間部分の長さを、前記両端部分の長さよりも短くした、請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
少なくとも載置する側に面を備えた筐体ユニットと、
前記面に取り付けられ、前記筐体ユニットを支持する支持ユニットと、を有し、
前記支持ユニットは、前記面の一端側から他端側まで連続して設けられ、
前記支持ユニットの前記面上で前記一端側から前記他端側を結ぶ線に直交する方向における、前記一端側と前記他端側との間に位置する中間部分の長さを、前記一端側及び前記他端側の両端部分の長さよりも短く
することで、前記中間部分の剛性を、前記両端部分の剛性よりも低く構成した
、電子機器。
【請求項4】
少なくとも載置する側に面を備えた筐体ユニットと、
前記面に取り付けられ、前記筐体ユニットを支持する支持ユニットと、を有し、
前記支持ユニットは、前記面の一端側から他端側まで連続して設けられ、
前記支持ユニットの前記一端側と前記他端側との間に位置する中間部分の材質の硬度を、前記一端側及び前記他端側の両端部分の材質の硬度よりも低く
することで、前記中間部分の剛性を、前記両端部分の剛性よりも低く構成した
、電子機器。
【請求項5】
情報を表示する表示ユニットと、
前記表示ユニットを支持する他の筐体ユニットと、を有し、
前記筐体ユニットは、回転による前記他の筐体ユニットとの開閉動作を伴うノートパソコンに適用され、
前記支持ユニットは、前記筐体ユニットと前記他の筐体ユニットとが閉じられた状態において、前記筐体ユニットを隔てて前記他の筐体ユニットと隣り合う、請求項1乃至
請求項4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体ユニットは、前記面に吸気口と排気口とを備え、
前記支持ユニットは、前記吸気口と前記排気口との間に設けられた、請求項
5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記支持ユニットは、長尺に形成され、長手方向が前記一端側から前記他端側を結ぶ線上に沿うように設けられ、
前記支持ユニットの前記長手方向の全長は、前記面の一端から他端までの全長の50%以上であり、
前記支持ユニットは、前記筐体ユニットよりも弾性変形容易に構成された、請求項
6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記支持ユニットの、前記電子機器が載置される載置面と接触する下部から前記筐体ユニットの前記面までの距離は、前記中間部分と前記両端部分とで同じである請求項
6に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器においては、筐体ユニットに支持ユニットを取り付けて、その支持ユニットを用いて筐体ユニットを支持することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭61-123995号公報
【文献】特許第4048349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、外部から加わった力により筐体の内部に収容されたユニットへの影響を抑制できる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る電子機器は、少なくとも載置する側に面を備え、前記面に設けられた溝部と突起部からなる取付部を備えた筐体ユニットと、前記筐体ユニットの溝部に取り付けられる上部平面部と、前記上部平面部に形成され前記突起部が挿入可能な溝部を備え、前記筐体ユニットを支持する支持ユニットと、を有する。前記支持ユニットは、前記面の一端側から他端側まで連続して設けられ、かつ前記支持ユニットに形成された溝部は前記支持ユニットの長尺方向に連続に、かつその深さが一定にして設けられる。前記筐体ユニットの突起部は、前記長尺方向に沿って矩形上に形成され、前記一端側と前記他端側との間に位置する中間部分における前記突起部の突出長さが、前記一端側と前記他端側に位置する突出長さよりも短くすることで、前記中間部分の剛性を、前記一端側及び前記他端側の両端部分の剛性よりも低く構成した。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態のノートパソコン100を開いた状態で正面側の上方から示す斜視図である。
【
図2】
図1のノートパソコン100を閉じた状態で背面側の上方から示す斜視図である。
【
図3】
図2のノートパソコン100を下方から示す斜視図である。
【
図5】
図4の領域Cを拡大し、支持ユニット190の第1支持部材191をベース筐体ユニット150から取り外した状態で示す斜視図である。
【
図6】
図3をP-P線およびR-R線に沿って示す端面図である。
【
図10】
図9の領域Dを拡大し、支持ユニット190の第2支持部材192をベース筐体ユニット150から取り外した状態で示す斜視図である。
【
図11】
図3をS-S線およびU-U線に沿って示す端面図である。
【
図12】
図3をT-T線に沿って示す端面図である。
【
図13】
図3をW-W線に沿って示す端面図である。
【
図14】第2実施形態のノートパソコン200の要部であって
図3の領域Aに相当する領域を拡大して示す斜視図である。
【
図15】第3実施形態のノートパソコン300の要部であって
図3の領域Aに相当する領域を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。図面において、ベース筐体ユニット150等の横幅方向X、奥行方向Y及び高さ方向Zを矢印で示している。
【0008】
図1から
図13を参照して、第1実施形態のノートパソコン100の構成を説明する。
【0009】
図1は、第1実施形態のノートパソコン100を開いた状態で正面側の上方から示す斜視図である。
図2は、
図1のノートパソコン100を閉じた状態で背面側の上方から示す斜視図である。
図3は、
図2のノートパソコン100を下方から示す斜視図である。
図4から
図13は、
図3の特定部分を示す図である。
【0010】
ノートパソコン100(請求項では電子機器と称する)には、演算ユニット110、通信ユニット120、入出力ユニット130、電源ユニット140、ベース筐体ユニット150(請求項では筐体ユニットと称する)、表示ユニット160、ディスプレイ筐体ユニット170(請求項では他の筐体ユニットと称する)、連結ユニット180及び支持ユニット190が含まれている。ノートパソコン100は、演算ユニット110、通信ユニット120、入出力ユニット130及び電源ユニット140を保持したベース筐体ユニット150と、表示ユニット160を保持したディスプレイ筐体ユニット170を、連結ユニット180によって開閉自在に連結して構成している。支持ユニット190は、ベース筐体ユニット150の下面150a(請求項では面と称する)に取り付けられている。ノートパソコン100に含まれている各ユニットについて順に説明する。
【0011】
演算ユニット110は、
図1に示すように、ノートパソコン100において演算を行うユニットである。演算ユニット110には、システム基板であるマザーボードが含まれている。マザーボードは、ROM(Read Only Memory)、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等を実装した基板から構成されている。
【0012】
通信ユニット120(第1通信ユニット120R及び第2通信ユニット120L)は、
図1に示すように、演算ユニット110を介して、外部の機器と無線通信等を行うユニットである。通信ユニット120には、演算ユニット110のマザーボードとのインターフェース(interface:I/F)及びアンテナが含まれている。
【0013】
入出力ユニット130は、
図1に示すように、ユーザによってデータの入出力の操作が行われるユニットである。入出力ユニット130には、電源ボタン、キーボード、タッチパッド、スピーカ、マイク及び入出力端子(例えばUSB端子)が含まれている。
【0014】
電源ユニット140は、
図1に示すように、演算ユニット110、通信ユニット120、入出力ユニット130及び表示ユニット160に電力を供給するユニットである。電源ユニット140には、例えばリチウムイオン二次電池が含まれている。電源ユニット140は、外部の電源からACアダプターを介して充電される。
【0015】
ベース筐体ユニット150は、
図1から
図13に示すように、演算ユニット110、通信ユニット120、入出力ユニット130及び電源ユニット140等を保持するユニットである。ベース筐体ユニット150には、
図1に示すように、演算ユニット110、通信ユニット120及び電源ユニット140が収容されている。ベース筐体ユニット150には、上面に入出力ユニット130が取り付けられ、かつ、下面150aに支持ユニット190が取り付けられている。下面150aは、矩形状であって、例えば横幅方向Xが奥行方向Yよりも長い長方形状からなる。ベース筐体ユニット150に対する支持ユニット190の取り付けに関する構成は、後述する支持ユニット190の構成と共に説明する。
【0016】
ベース筐体ユニット150の下面150aには、通気部150bが設けられている。通気部150bは、下面150aにおいて、連結ユニット180と隣接する背面側(ノートパソコン100を使用時において、ユーザに対して奥側)に設けられている。通気部150bは、複数の吸気口150b1と複数の排気口150b2とを備えている。吸気口150b1は、ベース筐体ユニット150に冷却用の空気を吸気するための開口である。排気口150b2は、ベース筐体ユニット150の内部で発生した熱を外部に放出させるための開口である。排気口152b2は、背面又は下面150aのいずれか一方のみ、又は図示のように背面及び下面150aの両方に設けてもよい。
【0017】
表示ユニット160は、
図1に示すように、演算ユニット110を介して、映像や情報等を表示するユニットである。表示ユニット160には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、liquid crystal display)が含まれている。表示ユニット160は、液晶ディスプレイに換えて、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを用いて構成してもよい。
【0018】
ディスプレイ筐体ユニット170は、
図1から
図5に示すように、表示ユニット160を保持するユニットである。ディスプレイ筐体ユニット170には、液晶ディスプレイ等を保持する筐体が含まれている。筐体は、応力を受けると弾性変形する。
【0019】
連結ユニット180(第1連結ユニット180R及び第2連結ユニット180L)は、
図1から
図5に示すように、ベース筐体ユニット150とディスプレイ筐体ユニット170を回転自在に連結するユニットである。連結ユニット180には、ヒンジが含まれている。連結ユニット180を軸にして、ディスプレイ筐体ユニット170をベース筐体ユニット150に対して回動(離間及び接近)させることによって、ノートパソコン100が開閉される。
【0020】
支持ユニット190は、
図1から
図13に示すように、ベース筐体ユニット150を下面150a側から支持するユニットである。支持ユニット190には、第1支持部材191(第1脚部)及び第2支持部材192(第2脚部)が含まれている。第1支持部材191及び第2支持部材192は、ベース筐体ユニット150に取り付けられている。
【0021】
第1支持部材191は、
図1から
図8に示すように、連結ユニット180と隣接する背面側(ノートパソコン100を使用時において、ユーザに対して奥側)において、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って設けられている。第1支持部材191は、長尺に形成され、長手方向(横幅方向X)が、下面150aの一端150m側から他端150n側を結ぶ線上に沿うように設けられている。第1支持部材191の横幅方向Xの全長L2は、下面150aの一端150mから他端150nまでの全長L1の50%以上である。第1支持部材191は、吸気口150b1と排気口150b2との間に設けられている。第1支持部材191は、
図5及び
図6に示すように、机の載置面10に接する下部191a、ベース筐体ユニット150に取り付けられる上部191b、及び上部191bに形成された凹状の窪部191cを含んでいる。
【0022】
第1支持部材191とベース筐体ユニット150は、
図6から
図8に示すように、中間部分においてクリアランスを構成する隙間H2(
図7)を、両端部分においてクリアランスを構成する隙間H1(
図6)よりも大きくしている。第1支持部材191は、例えば、伸縮性を備えたゴムや樹脂によって構成されている。第1支持部材191は、ベース筐体ユニット150よりも柔らかく弾性変形容易である。すなわち、第1支持部材191は、ベース筐体ユニット150を載置するときの安定性を備え、ベース筐体ユニット150の変形に沿って変形しやすい構造になっている。また、横幅方向Xが奥行方向Yよりも長い長方形となっている下面150aにおいては、第1支持部材191及び第2支持部材192のいずれも寸法の長い横幅方向Xに沿って長手方向が向くようにした下面150aに設けることが好ましい。
【0023】
下部191aは、例えば、円弧形状に形成されている。下部191aは、
図5及び
図6に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って(奥行方向Y及び高さ方向Zに直交して)視認した場合、下方に膨らむように湾曲している。
【0024】
上部191bは、例えば、長細い平面形状に形成されている。上部191bは、
図5及び
図6に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xと奥行方向Yに沿った平面からなる。
【0025】
ここで、上部191bは、
図5及び
図6に示すように、ベース筐体ユニット150の第1取付部150cの溝部の下面150dに取り付けられている。第1取付部150cは、長尺の枠形状に形成され、下面150dから下方に向かって突出している。
【0026】
窪部191cは、上部191bに開口した穴である。窪部191cは、
図6に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って(奥行方向Y及び高さ方向Zに直交して)視認した場合、矩形状に形成されている。窪部191cは、
図6及び
図7に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って、深さが一定である。
【0027】
ここで、窪部191cには、
図6及び
図7に示すように、ベース筐体ユニット150の下面150dに形成された突起部150eが挿入されている。突起部150eは、横幅方向Xに沿って長尺の矩形状に形成され、下面150dから下方に向かって突出している。突起部150eは、
図5から
図8に示すように、Q-Q線(
図3)で示すベース筐体ユニット150の中間部分に相当する第2突起部150e2(
図7)の突出長さが、P-P線及びR-R線(
図3)で示すベース筐体ユニット150の両端部分に相当する第1突起部150e1(
図6)の突出長さと比較して、短い。したがって、
図7に示す中間部分の第2突起部150e2と窪部191cとの隙間H2は、
図6に示す両端部分の第1突起部150e1と窪部191cとの隙間H1よりも、高さ方向Zに沿って広い。
【0028】
第2支持部材192は、
図1から
図3及び
図9から
図13に示すように、電源ユニット140や入出力ユニット130のタッチパッドが位置する正面側(ノートパソコン100を使用時において、ユーザに対して手前側)において、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って設けられている。第2支持部材192は、長尺に形成され、長手方向(横幅方向X)が、下面150aの一端150m側から他端150n側を結ぶ線上に沿うように設けられている。第2支持部材192の横幅方向Xの全長L3は、下面150aの一端150mから他端150nまでの全長L1の50%以上である。第2支持部材192は、
図10及び
図11に示すように、机の載置面10に接する下部192a、及びベース筐体ユニット150に取り付けられる上部192bを含んでいる。
【0029】
第2支持部材192は、
図11~
図13に示すように、伸縮性を備え、ベース筐体ユニット150の高さ方向Zにおいて、中間部分の長さT2(
図12)を、両端部分の長さT1(
図11)よりも短くしている。第2支持部材192は、
図11に示す両端部分の長さT1と
図12に示す中間部分の長さT2の差によって、机の載置面10との間に
図13に示す隙間H3が構成される。第2支持部材192は、例えば、伸縮性を備えたゴムや樹脂によって構成されている。第2支持部材192は、ベース筐体ユニット150よりも柔らかく弾性変形容易である。すなわち、第2支持部材192は、ベース筐体ユニット150を載置するときの安定性を備え、ベース筐体ユニット150の変形に沿って変形しやすい構造になっている。
【0030】
下部192aは、
図3、
図9、
図10、
図11及び
図13に示すように、S-S線及びU-U線(
図3)で示すベース筐体ユニット150の両端部分に相当する第1下部192a1が円弧状に形成されている。第1下部192a1は、
図11に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って(奥行方向Y及び高さ方向Zに直交して)視認した場合、下方に膨らむように湾曲した形状からなる。一方、下部192aは、
図3、
図9、
図10、
図12及び
図13に示すように、T-T線(
図3)で示すベース筐体ユニット150の中間部分に相当する第2下部192a2が矩形状に形成されている。第2下部192a2は、
図12に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xに沿って(奥行方向Y及び高さ方向Zに直交して)視認した場合、第1下部192a1の下端が水平方向(横幅方向X及び奥行方向Y)に切り欠かれた形状に相当する。このため、第1下部192a1が机の載置面10に接した状態で、第2下部192a2が机の載置面10から離れた状態になる。
【0031】
上部192bは、例えば、長細い平面形状に形成されている。上部192bは、
図10及び
図11に示すように、ベース筐体ユニット150の横幅方向Xと奥行方向Yに沿った平面からなる。
【0032】
ここで、上部192bは、
図10及び
図11に示すように、ベース筐体ユニット150の第2取付部150fの溝部の下面150gに取り付けられている。第2取付部150fは、長尺の枠形状に形成され、下面150gから下方に向かって突出している。
【0033】
図8及び
図13等を参照して、第1実施形態のノートパソコン100の効果を説明する。
【0034】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、支持ユニット190は、下面150aの一端150m側から他端150n側まで連続して設けられ、一端150m側と他端150n側との間に位置する中間部分の剛性を、一端150m側及び他端150n側の両端部分の剛性よりも低く構成した。このような構成によれば外部から力が加わった際におけるベース筐体ユニット150の変形しやすさの著しい低下を防ぐことができる。たとえば、机上などにより載置した状態でベース筐体ユニット150の中央部分に外部から力が支持ユニット190に向けて加わった場合、ベース筐体ユニット150の内部に与えられる力の印加方向における圧縮応力を、支持ユニット190によって大きな阻害を受けずにベース筐体ユニットの撓み方向の変形によって、吸収することができる。すなわち、支持ユニット190において、中間部分を両端部分よりも相対的に大きく変形させて、ベース筐体ユニット150に入力される応力を吸収することができる。ここで、剛性は、例えば、ベース筐体ユニット150や支持ユニット190に荷重を入力したときの変形のし易さ(又は、変形のし難さ)に相当する。このため、ベース筐体ユニット150と支持ユニット190との間において、相対的に変形し易い中間部分を、相対的に変形し難い両端部分と比較して、例えば大きく湾曲させることができる。したがって、外部から力が印加された際にベース筐体ユニット150の内部に発生する力の印加方向における圧縮応力を抑制できる。
【0035】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、ベース筐体ユニット150は、
図6から
図8に示すように、第1支持部材191との間において、中間部分における隙間H2(
図7)を、両端部分における隙間H1(
図6)よりも大きくなるように構成した。このような構成によれば、
図7に示す中間部分の第2突起部150e2と窪部191cとの隙間H2を、
図6に示す両端部分の第1突起部150e1と窪部191cとの隙間H1よりも、高さ方向Zに沿って広くしている。すなわち、ベース筐体ユニット150において、中間部分を両端部分よりも物理的に干渉し難くすることで、相対的に大きく変形可能に構成して、ベース筐体ユニット150に入力される応力を吸収することができる。したがって、外部から力が印加された際にベース筐体ユニット150の内部に発生する力の印加方向における圧縮応力を抑制できる。
【0036】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、第2支持部材192は、
図11~
図13に示すように、伸縮性を備え、下面150aと直交する方向(ベース筐体ユニット150の高さ方向Z)において、中間部分の長さT2(
図12)を、両端部分の長さT1(
図11)よりも短くした。このような構成によれば、
図11及び
図12に示す第2支持部材192は、第1下部192a1が机の載置面10に接した状態で、第2下部192a2が机の載置面10から離れた状態にすることができる。すなわち、支持ユニット190において、中間部分を両端部分よりも物理的に干渉し難くすることで、相対的に大きく変形可能に構成して、ベース筐体ユニット150に入力される応力を吸収することができる。したがって、外部から力が印加された際にベース筐体ユニット150の内部に発生する力の印加方向における圧縮応力を抑制できる。
【0037】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、情報を表示する表示ユニット160と、表示ユニットを支持するディスプレイ筐体ユニット170と、を有する。ベース筐体ユニット150は、回転によるディスプレイ筐体ユニット170との開閉動作を伴う。支持ユニット190は、ベース筐体ユニット150とディスプレイ筐体ユニット170とが閉じられた状態において、ベース筐体ユニット150を隔ててディスプレイ筐体ユニット170と隣り合う。このような状態で、ディスプレイ筐体ユニット170の中央部分にベース筐体ユニット150に向けて外部から力が加わると、ベース筐体ユニット150よりも内部に収容されている部材の構造が弱いディスプレイ筐体ユニット170の内部に応力が集中しやすくなる。そこで、本実施形態のようにベース筐体ユニット150と支持ユニット190端との間において、中間部分の剛性を両端部よりも小さくする構成によれば、例えば、表示ユニット160の液晶ディスプレイに加わる応力を抑制できる。すなわち、液晶ディスプレイの損傷を抑制できる。したがって、例えば、液晶ディスプレイに発生する可能性が有る、いわゆる白化現象を抑制又は防止できる。
【0038】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、ベース筐体ユニット150は、下面150aに吸気口150b1と排気口150b2とを備えている。支持ユニット190は、吸気口150b1と排気口150b2との間に設けられている。このような構成によれば、排気口150b2から排出された直後の空気が、吸気口150b1から吸気されることを低減できる。すなわち、空気の巻き込みを減少させることができる。また、吸気口150b1と排気口150b2との間に支持ユニット190を設けることによって、ノートパソコン100を机などの載置面10に載置した時に、支持ユニット190と載置面10との間隔を、ベース筐体ユニット150の下面150aと載置面10との間隔よりも狭くすることができる。したがって、排気口150b2から排気された空気が直接的に吸気口150b1に到達することを支持ユニット190で抑制でき、排気された後で十分に冷却されていない空気を吸気口150b1に到達し難くすることができる。また、この機能をさらに向上させるためには、ベース筐体ユニット150の下面150aから第1支持部材191の下部191aまでの、ベース筐体ユニット150の厚さ方向Zにおける長さを、支持ユニット190の中間部分と両端部分とで同じにすることが好ましい。このようにすることで支持ユニット190とノートパソコン100を載置する載置面10との間に隙間がほぼ無くなり、排気口150b2による排気が吸気口150bに直接到達することをほぼ防ぐことができる。
【0039】
第1実施形態のノートパソコン100によれば、第1支持部材191の全長L2及び第2支持部材192の全長L3は、下面150aの全長L1の50%以上である。第1支持部材191及び第2支持部材192は、ベース筐体ユニット150よりも弾性変形容易に構成されている。このような構成によれば、第1支持部材191及び第2支持部材192によって、ベース筐体ユニット150を安定的に支持することができる。より具体的には、ベース筐体ユニット150のガタツキを防止することができる。第1支持部材191の全長L2及び第2支持部材192の全長L3が、下面150aの全長L1の60%、好ましくは70%、さらに好ましくは80%以上の範囲であれば、更に安定的にノートパソコン100を支持することできる。
【0040】
図14を参照して、第2実施形態のノートパソコン200の構成を説明する。
【0041】
図14は、第2実施形態のノートパソコン200の要部であって
図3の領域Aに相当する領域を拡大して示す斜視図である。第2実施形態では、上記した第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0042】
図14に示すように、支持ユニット290の第1支持部材291は、ベース筐体ユニット250の奥行方向Yに沿った幅が、横幅方向Xの両端部分に位置する両端支持部291Mと、横幅方向Xの中間部分に位置する中間支持部291Nとで異なる。すなわち、両端部分の両端支持部291Mの幅(長さW1)が、中間部分の中間支持部291Nの幅(長さW2)よりも広く(長く)形成されている。第1支持部材291において、両端部分の両端支持部291Mと中間部分の中間支持部291Nは、一体に形成されている。また、ベース筐体ユニット250において、第1取付部250cの形状は、第1支持部材291の形状に合わせて形成されている。すなわち、第1取付部250cは、中間部分の幅に対して両端部分の幅が広く形成されている。
【0043】
第2実施形態のノートパソコン200によれば、第1支持部材291は、
図14に示すように、下面150a上で一端150m側から他端150n側を結ぶ線に直交する方向(ベース筐体ユニット250の奥行方向Y)において、中間支持部291Nの長さW2を、両端支持部291Mの長さW1よりも短くした。第1支持部材291の幅(長さ)を位置によって変えることによって、第1支持部材291の接地面積を異ならせて撓み易さを位置によって変えている。このような構成によれば、前述した第1実施形態と同様に、外部から力が印加された際にベース筐体ユニット250の内部に発生する力の印加方向の圧縮応力を抑制できる。すなわち、中間支持部291Nを両端支持部291Mよりも相対的に大きく変形させて、ベース筐体ユニット250に入力される応力を吸収することができる。相対的に変形し易い中間支持部291Nを、相対的に変形し難い両端支持部291Mと比較して、圧縮させることができる。したがって、外部から加わった力によりベース筐体ユニット250の内部に収容されたユニットへの影響を抑制できる。
【0044】
図15を参照して、第3実施形態のノートパソコン300の構成を説明する。
【0045】
図15は、第3実施形態のノートパソコン300の要部であって
図3の領域Aに相当する領域を拡大して示す斜視図である。第3実施形態では、上記した第1実施形態と異なる構成を説明する。
【0046】
図15に示すように、支持ユニット390の第1支持部材391は、ベース筐体ユニット150の高さ方向Zの伸縮に影響する硬度が、横幅方向Xの両端部分に位置する両端支持部391Mと、横幅方向Xの中間部分に位置する中間支持部391Nとで異なる。すなわち、両端部分の両端支持部391Mが、中間部分の中間支持部391Nの幅よりも固い材料からなる。第1支持部材391において、両端部分の両端支持部391Mと中間部分の中間支持部391Nは、一体に形成されている。
【0047】
第3実施形態のノートパソコン300によれば、第1支持部材391は、
図15に示すように、中間支持部391Nの材質の硬度を、両端支持部391Mの材質の硬度よりも低くした。硬度は、形状によらず材質そのものもの粘弾性率のような力に対する変形しにくさを具体的に特定したものであって、第1支持部材391の機械的な硬さを表すものである。第1支持部材391の硬度を位置によって変えることによって、第1支持部材391の撓み易さを位置によって変えている。このような構成によれば、前述した第1実施形態と同様に、外部から力が印加された時のベース筐体ユニット150の内部に発生する力の印加方向の圧縮応力を抑制できる。すなわち、中間支持部391Nを両端支持部391Mよりも相対的に大きく変形させて、ベース筐体ユニット150に入力される応力を吸収することができる。相対的に変形し易い中間支持部391Nを、相対的に変形し難い両端支持部391Mと比較して、圧縮させることができる。したがって、ベース筐体ユニット150の内部に発生する圧縮応力を抑制できる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。又、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0049】
例えば、電子機器は、ノートパソコンに限定されることなく、例えば、タブレット型端末にも適用できる。この場合、タブレット型端末の筐体が、ベース筐体ユニット150の筐体に相当する。
【0050】
ベース筐体ユニット150に取り付ける支持ユニット190において、第1支持部材191と第2支持部材192を入れ替えてもよい。さらに、支持ユニット190において、第1支持部材191のみ用いてもよいし、第2支持部材192のみ用いてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…(ベース筐体ユニット150を載置する机の)載置面、
100…ノートパソコン(電子機器)、110…演算ユニット、120…通信ユニット、
130…入出力ユニット、140…電源ユニット、
150…ベース筐体ユニット(筐体ユニット)、150a…下面(面)、
150b…通気部、150b1…吸気口、150b2…排気口、
150c…第1取付部、150d…下面、150e…突起部、
150e1…第1突起部、150e2…第2突起部、150f…第2取付部、
150g…下面、150m…一端、150n…他端、160…表示ユニット、
170…ディスプレイ筐体ユニット(他の筐体ユニット)、180…連結ユニット、
190…支持ユニット、191…第1支持部材、191a…下部、191b…上部、
191c…窪部、192…第2支持部材、192a…下部、192a1…第1下部、
192a2…第2下部、192b…上部、200…ノートパソコン(電子機器)、
250…ベース筐体ユニット、250c…第1取付部、290…支持ユニット、
291…第1支持部材、291M…両端支持部(両端部分)、
291N…中間支持部(中間部分)、300…ノートパソコン(電子機器)、
390…支持ユニット、391…第1支持部材、
391M…両端支持部(両端部分)、391N…中間支持部(中間部分)、
X…(ベース筐体ユニット150等の)横幅方向、
Y…(ベース筐体ユニット150等の)奥行方向、
Z…(ベース筐体ユニット150等の)高さ方向