IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トーヨーカネツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-立体自動倉庫 図1
  • 特許-立体自動倉庫 図2
  • 特許-立体自動倉庫 図3
  • 特許-立体自動倉庫 図4
  • 特許-立体自動倉庫 図5
  • 特許-立体自動倉庫 図6
  • 特許-立体自動倉庫 図7
  • 特許-立体自動倉庫 図8
  • 特許-立体自動倉庫 図9
  • 特許-立体自動倉庫 図10
  • 特許-立体自動倉庫 図11
  • 特許-立体自動倉庫 図12
  • 特許-立体自動倉庫 図13
  • 特許-立体自動倉庫 図14
  • 特許-立体自動倉庫 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】立体自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
B65G1/04 547
B65G1/04 555A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017052304
(22)【出願日】2017-03-17
(65)【公開番号】P2018154446
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】井上 由雄
(72)【発明者】
【氏名】篠原 啓樹
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-278117(JP,A)
【文献】特開2000-118630(JP,A)
【文献】国際公開第2010/026633(WO,A1)
【文献】特開2006-206270(JP,A)
【文献】特開2016-052947(JP,A)
【文献】特開2005-104675(JP,A)
【文献】国際公開第2012/011219(WO,A1)
【文献】特開2011-178549(JP,A)
【文献】特許第2778359(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を格納する格納棚を水平長手方向及び鉛直方向に碁盤目状に配列してなる第1の前記格納棚と前記第1の前記格納棚の前記物品を出し入れする格納面と反対面で隣接する第2の前記格納棚から構成され、前記第1の前記格納棚及び前記第2の前記格納棚の一端側及び他端側に物品の仮置き搬送台を備える格納棚列が前記水平長手方向及び前記鉛直方向に直交する奥行方向に並列して配設されてなる、複数の格納棚列と、
前記複数の格納棚列を構成する第1の前記格納棚列と前記第1の前記格納棚列の隣に配設される第2の前記格納棚列との間に形成される空間であって前記第1及び前記第2の前記格納棚列でそれぞれ物品を出し入れする側が相対向して形成される空間に配設される物品を移動する移動手段と、
前記複数の格納棚列の前記一端側に配設される、前記仮置き搬送台を介して前記物品を前記移動手段に受け渡しする搬送機能を持つ第1の載置搬送台を両側に備えた複数の固定式の昇降機と、
前記複数の格納棚列の前記他端側に配設され、前記仮置き搬送台を介して前記物品を前記移動手段に受け渡しする搬送機能を持つ第の載置搬送台を両側に備えた、前記第載置搬送台のそれぞれが非同期で上下移動可能である水平方向移動式の昇降機と
前記仮置き搬送台に方向変換機能を備えると共に、前記第1の前記格納棚列に係る第1の前記仮置き搬送台と前記第2の前記格納棚列に係る第2の前記仮置き搬送台とによって挟まれる間の空間に配設される、前記第1の前記仮置き搬送台と前記第2の前記仮置き搬送台とを介して前記格納棚列に直交する方向で物品を移動可能とした昇降式の搬送装置と、
を備えたことを特徴とする立体自動倉庫。
【請求項2】
前記水平方向移動式の昇降機の下部に車を設け、前記車により前記複数の格納棚列に対し直交して移動可能としたことを特徴とする請求項1記載の立体自動倉庫。
【請求項3】
前記第1の前記格納棚列及び前記第2の前記格納棚列それぞれの前記水平長手方向における特定の位置の前記第1及び前記第2の前記格納棚にそれぞれ配設される第1及び第2の特定格納棚搬送機構と、
前記第1の前記格納棚列と前記第2の前記格納棚列との間に形成される空間であって、第1の特定格納棚搬送機構と第2の特定格納棚搬送機構とに挟まれる間に配設される昇降式の搬送装置と
をさらに備え、
物品を前記第1の特定格納棚搬送機構と前記昇降式の搬送装置と前記第2の特定格納棚搬送機構とを介して前記格納棚列に直交する方向で移動可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の立体自動倉庫。
【請求項4】
物品を格納する格納棚を水平長手方向及び鉛直方向に碁盤目状に配列してなる第1の前記格納棚と前記第1の前記格納棚の前記物品を出し入れする格納面と反対面で隣接する第2の前記格納棚から構成され、前記第1の前記格納棚及び前記第2の前記格納棚の一端側及び他端側に方向変換機能を有する前記物品を受け渡しする仮置き搬送台を備える格納棚列が前記水平長手方向及び前記鉛直方向に直交する奥行方向に並列して配設されてなる、複数の格納棚列を1つのユニットとし、2以上の前記ユニットが前記水平長手方向に並列されて配設される複数ユニットと、
前記複数ユニットを構成する各前記ユニット間に配設される、前記仮置き搬送台を介して前記物品を前記移動手段に受け渡しする搬送機能を持つ第1の載置搬送台を両側に備えた、固定式の昇降機と、
前記複数の格納棚列を構成する第1の前記格納棚列と前記第1の前記格納棚列の隣に配設される第2の前記格納棚列との間に形成される空間であって前記第1及び前記第2の前記格納棚列でそれぞれ物品を出し入れする側が相対向して形成される空間に配設される前記物品を移動する移動手段と、
前記複数ユニットの全体の一端側に配設される、前記仮置き搬送台を介して前記物品を前記移動手段に受け渡しする搬送機能を持つ第2の載置搬送台を両側に備えた、複数の固定式の昇降機と、
前記複数ユニットの前記全体の他端側に配設され、前記仮置き搬送台を介して前記物品を前記移動手段に受け渡しする搬送機能を持つ第の載置搬送台を両側に備えた水平方向移動式の昇降機であって、前記第の載置搬送台は前記両側のそれぞれが非同期で上下移動可能である水平方向移動式の昇降機と
前記仮置き搬送台に方向変換機能を備えると共に、前記第1の前記格納棚列に係る第1の前記仮置き搬送台と前記第2の前記格納棚列に係る第2の前記仮置き搬送台とによって挟まれる間の空間に配設される、前記第1の前記仮置き搬送台と前記第2の前記仮置き搬送台とを介して前記格納棚列に直交する方向で前記物品を移動可能とした昇降式の搬送装置と、
を備えたことを特徴とする立体自動倉庫。
【請求項5】
前記第1の前記格納棚列及び前記第2の前記格納棚列それぞれの前記水平長手方向における特定の位置の前記第1及び前記第2の前記格納棚にそれぞれ配設される第1及び第2の特定格納棚搬送機構と、
前記第1の前記格納棚列と前記第2の前記格納棚列との間に形成される空間であって、第1の特定格納棚搬送機構と第2の特定格納棚搬送機構とに挟まれる間に配設される昇降式の搬送装置と、
をさらに備え、
前記物品を前記第1の特定格納棚搬送機構と前記昇降式の搬送装置と前記第2の特定格納棚搬送機構とを介して前記格納棚列に直交する方向で移動可能としたことを特徴とする請求項4に記載の立体自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接する格納棚間、及び、隣接する1組の格納棚から成る格納設備が所定の間隔を持って複数配列された格納設備間の物品及び物品収納容器(以下、「物品等」という)の自在な移動が可能で、物品等の仕分けが容易にできる立体自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な立体自動倉庫は、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる物品等の格納棚を備え、その格納棚の物品等を出し入れ可能な格納面を通路(空間)を隔てて相対向するように配列した格納棚を1組とし、所定組数を配列し、その各空間には物品等の移動手段が配設されている。
【0003】
この物品等の移動手段の違いによって様々な立体自動倉庫がある。例えば、移動手段として、スタッカクレーンを用いて物品等を移動することで、格納棚の水平長手方向(X軸方向)及び垂直方向(Y軸方向)に物品等の自在な移動を可能とした立体自動倉庫(例えば、特許文献1乃至3)が知られている。また、移動手段として、Y軸方向の各段に走行台車を配置し、各段の格納棚のX軸方向に物品等を移動可能とするとともに、昇降機を使用してY軸方向の物品等を移動可能とした立体自動倉庫(例えば、特許文献4及び非特許文献1)等がある。
【0004】
前者のスタッカクレーンを用いた立体自動倉庫の一例として、特許文献2に開示されるスタッカクレーン型の立体自動倉庫を図14に示す。立体自動倉庫80は、XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等を格納する格納棚がL列、Ln'列、Ln+1列に配列されている。Ln'列とLn+1列の格納棚間の空間88には、スタッカクレーン81が配設されている。このスタッカクレーン81は、クレーンマスト82、クレーン台車83、下部走行レール84、上部走行レール85、物品等の載置台86等から構成されている。スタッカクレーン81の載置台86には、載置台86とL’列及びLn+1列との格納棚の受け渡しを行う、例えば、伸縮アーム87が備えられている。この例では、空間88に設置されるスタッカクレーン81により、格納棚のXY軸方向、即ち上下左右の物品等の移動と、伸縮アーム87による格納棚の奥行き方向(Z軸方向)の物品等の移動を可能としている。そして、物品等の格納棚への搬出入は搬出入装置89で行われる。
【0005】
なお、本例では、物品等の搬入/搬出等は、スタッカクレーン81と搬出入装置89との間で直接行われるようであるが、さらに別のスタッカクレーンを設け、仮りの格納棚を介して、スタッカクレーン間での搬入/搬出等を行わせる例も特許文献3に示されている。
【0006】
一方、後者の走行台車を用いた立体自動倉庫の一例として、非特許文献1に開示される立体自動倉庫を図15に示す。この立体自動倉庫90は、XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等を格納するLn-1列、L列、Ln+1列、Ln+2列の格納棚と、この格納棚Ln-1列とL列の間、格納棚Ln+1列とLn+2列の間の各空間98に、各段毎に走行台車95を備えている。格納棚Ln-1列とL列、格納棚Ln+1列とLn+2列とは、それぞれ物品等を出し入れ可能な格納面を対向させて配置され、その間の空間98にX軸方向に設けられたレール94上を走行台車95が往復移動可能としている。この走行台車95によりLn-1列とL列、また、Ln+1列とLn+2列の各格納棚の物品等の受け渡しを行う。
【0007】
例えば、走行台車89には、伸縮アーム(図示されていない)が備えられ、格納棚との受け渡しを行う。
【0008】
また、X軸方向の両側には、物品等の格納棚への搬入/搬出用の搬入装置96及び搬出装置97が配置され、各格納棚と搬入装置96及び搬出装置97の間に、物品等の受け渡しを行う昇降機91が各空間98に対応して設置されている。
【0009】
各格納棚Ln-1列、L列、Ln+1列、Ln+2列と搬入装置96及び搬出装置97との間の物品等の移動は、昇降機91に設けられた物品等の載置台92と、各段の格納棚に設けられた物品等の受け渡しを行う仮置き搬送台93を介して、走行台車95により行われる。また、上下方向の格納棚間での移動を必要とする場合には、この昇降機91を介して行うことも可能である。
【0010】
従って、走行台車95及び物品等の載置搬送台92を有する昇降機91を備えた立体自動倉庫90では、このような移動手段によってXY軸方向の物品等の移動が可能であると共に、空間98を隔てて対向するLn―1列とL列、Ln+1列とLn+2列等の対向する格納棚間におけるZ軸方向の物品等の移動が可能である。
【0011】
図15に示した対向する格納棚間の空間でXY軸方向に往復移動する走行台車を備えた立体自動倉庫90においても、先の図14に示したスタッカクレーン型の立体自動倉庫80のように、例えば、図15に図示の格納棚L列とLn+1列の背面同士が接続され一体化した構成の場合もある。
【0012】
図14および図15に図示したように、この種の立体自動倉庫においては、物品等を移動する移動手段として、スタッカクレーン81や走行台車95が空間88、98に配置されるので、Ln-1列、Ln-1’列、L列、L’列、Ln+1列、Ln+1’等の各列の格納棚のXY軸方向の物品等の移動は可能である。しかし、各空間88、98等を跨って他の空間88、98に面した格納棚への物品等の移動することは困難である。
【0013】
例えば、図14に示した立体自動倉庫80では、L列の格納棚のPの位置にある物品等をLn+1列の格納棚のPn+1の位置に移動することが困難である。また、図15に示した立体自動倉庫90では、Ln-1列の格納棚のPn-1の位置やL列の格納棚のPの位置にある物品等を、Ln+1列の格納棚のPn+1の位置やLn+2列の格納棚のPn+2の位置に移動することが困難である。即ち、列を飛び越えて、あるいは空間(通路)を跨って物品等を移動することは困難である。
【0014】
また、図14に示す立体自動倉庫80には空間88が1列しか例示されていないが、図15に示した立体自動倉庫90のように、物品等の搬入、搬出の装置96,97と各走行台車95への仮置き搬送台93との間を中継する昇降機91を各空間98に対応して複数設置する必要があり、何れの立体自動倉庫であっても格納棚列の増設とともに昇降機台数も増加することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開平8-108904号公報
【文献】特開2012-236683号公報
【文献】特開平9-278117号公報
【文献】特開昭63-165205号公報
【非特許文献】
【0016】
【文献】株式会社イトーキホームページ、SAS PDF、http://www.itoki.jp/catalog/pdf/senmon/sys_streamer.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述したように、従来の立体自動倉庫では、物品等の搬入、搬出装置と、多段、多列で構成される格納棚列との間においては、図15に示すように物品等を中継する昇降機を複数台必要とし、また、倉庫の増設規模に応じて昇降機の増設も必要となる。
【0018】
また、従来の立体自動倉庫では、移動手段(スタッカクレーン、走行台車等)が配設される空間に面する格納棚における水平長手方向(X軸方向)及び垂直方向(Y軸方向)の物品等の移動と、同じ空間内で対向する格納棚間における横断方向(Z軸方向)の物品等の移動は可能である。しかし、複数の空間にまたがって、異なる空間に面する格納棚との間におけるZ軸方向の物品等の移動は困難である。即ち、従来の立体自動倉庫は、複数の昇降機を必要とする設備機器の複雑さや経済性の面と、異なる空間に面する格納棚間におけるXYZ軸方向の物品等の移動が困難であるという問題がある。
【0019】
かかる問題を解決するために、本発明は、昇降機の台数を減らすことができ、また、各格納棚列に交叉する方向(Z軸方向)に物品等の搬送路を形成することで、棚間の物品等の移動をさらに容易とする立体自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するために、本発明は、物品等を格納する格納棚を水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる、複数の格納棚列と、前記複数の格納棚列の各格納棚列間で物品等の出し入れする側を相対向して形成する空間に物品等を移動する移動手段と、前記複数の格納棚列の一端側に複数の固定式の昇降機と、前記複数の格納棚列の他端側に移動式の昇降機を備えたことを特徴とする立体自動倉庫を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、前記移動式の昇降機の下部に車を設け、前記車により前記複数の格納棚列に対し直交して移動可能としたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記複数の格納棚列の一端側および他端側に物品等の仮置き搬送台と、前記固定式の昇降機に物品等を受け渡しする載置搬送台を備え、前記固定式の昇降機の前記載置搬送台と、前記仮置き搬送台と、前記移動手段により、前記格納棚間で物品等を移動することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記移動式の昇降機に物品等を受け渡しする載置搬送台を備え、前記移動式の昇降機の前記載置搬送台と、前記複数の格納棚列の他端側の前記仮置き搬送台と、前記移動手段により、前記格納棚間で物品等を移動することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記複数の格納棚列の前記仮置き搬送台に方向変換機能を備えると共に前記仮置き搬送台間の空間に昇降式の搬送装置を備え、前記仮置き搬送台と前記昇降式の搬送装置を介して格納棚列に直交する方向で物品等を移動可能としたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、前記複数の格納棚列に直交する方向で特定の格納棚に搬送機構と、前記特定の格納棚間の前記空間に昇降式の搬送装置を備え、物品等を前記特定の格納棚と前記搬送装置を介して格納棚列に直交する方向で移動可能としたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、前記複数の格納棚列が、前記格納棚の前記物品等を出し入れする格納面の反対面で隣接する格納棚列で構成したことを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、複数の格納棚列の一端側に固定式の昇降機と他端側に移動式の昇降機を備えるので、移動式の昇降機により格納棚列間のZ軸方向に移動することで、機器設備の削減等でき経済効果が高い。また、各格納棚列等の何れの仮置き搬送台に対しても、移動式の昇降機の載置搬送台が接続可能であるので、格納棚列間、特に別の空間をまたがっての格納棚間の移動を可能とでき、格納棚のXYZ軸方向に物品等を自在に移動可能でき機能向上も図ることができる。さらには、移動式の昇降機の他に、格納棚列間の特定の格納棚間に搬送機構と当該特定の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を設けることで、物品等のZ軸方向の移動を昇降機によらずに可能とでき、昇降機による格納棚列間の移動と独立、非同期にて移動でき、他の格納棚間の物品等の搬送移動と並行して格納棚列間の物品等を移動することができる。従って、倉庫の有効利用と効率化が図れる。さらには、搬送機構を併設することで物品等の移動に際し、一時退避の処理もでき、物品等の配置換え等に拡張性を持たせることができる。
【0028】
また、本発明は、物品等を格納する格納棚を水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる、複数の格納棚列を1ユニットとし、前記ユニットの2以上のユニット間に昇降機を設けるとともに、複数の前記ユニット全体の格納棚列の一端側に固定式の昇降機と、前記他端側に移動式の昇降機を設けたことを特徴とする立体自動倉庫を提供するものである。
【0029】
また、本発明は、前記複数の格納棚列に仮置き搬送台を備え、前記仮置き搬送台に方向変換機能を備えると共に前記仮置き搬送台間の空間に昇降式の搬送装置をさらに備え、物品等を前記仮置き搬送台と前記昇降式の搬送装置を介して格納棚列に直交する方向で移動可能としたことを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、前記複数の格納棚列に直交する方向で特定の格納棚に搬送機構と、前記特定の格納棚間で前記空間に昇降式の搬送装置をさらに備え、物品等を前記特定の格納棚と前記搬送装置を介して格納棚列に直交する方向で移動可能としたことを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、昇降機を介して、物品等をユニット間を跨って移動可能とするとともに、ユニット全体の両端側に夫々、移動式の昇降機、固定式の昇降機を備えているので、物品等の搬入/搬出を容易に行えると共に、格納棚間の移動や配列換え等を容易とする。さらには、物品等の搬入/搬出、棚間移動等の経路を複数とすることができ、物品等の移動に際し輻輳状態を避けることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複数の格納棚列の一端側に固定式の昇降機と他端側に移動式の昇降機を備えるので、移動式の昇降機により格納棚列間のZ軸方向に移動することで、機器設備の削減等でき経済効果が高い。また、各格納棚列等の何れの仮置き搬送台に対しても、移動式の昇降機の載置搬送台が接続可能であるので、格納棚列間、特に別の空間をまたがっての格納棚間の移動を可能とでき、格納棚のXYZ軸方向に物品等を自在に移動可能でき機能向上も図ることができる。さらには、移動式の昇降機の他に、格納棚列間の特定の格納棚間に搬送機構と当該特定の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を設けることで、物品等のZ軸方向の移動を昇降機によらずに可能とでき、昇降機による格納棚列間の移動と独立、非同期にて移動でき、他の格納棚間の物品等の搬送移動と並行して格納棚列間の物品等を移動することができる。従って、倉庫の有効利用と効率化が図れる。さらには、搬送機構を併設することで物品等の移動に際し、一時退避の処理もでき、物品等の配置換え等に拡張性を持たせることができる。
【0033】
また、本発明によれば、昇降機を介して、物品等をユニット間を跨って移動可能とするとともに、ユニット全体の両端側に夫々、移動式の昇降機、固定式の昇降機を備えているので、物品等の搬入/搬出を容易に行えると共に、格納棚間の移動や配列換え等を容易とする。また、複数の格納棚列を1ユニットとし、格納設備が2倍あるいはそれ以上に拡張でき、物品等の格納容量を飛躍的に増加できる。さらには、物品等の搬入/搬出、棚間移動等の経路を複数とすることができ、物品等の移動に際し輻輳状態を避けることができる。
【0034】
以上、本発明の立体自動倉庫によれば、格納棚及び格納設備に保管されている物品等は、XYZ軸方向のあらゆる格納棚間及び格納設備間を自在に移動可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態に係る固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、格納棚列の間に移動手段を配置した、固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫の平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、背面で隣接する格納棚から成る格納棚列の間に移動手段を配置した、固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫の平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、図3に示す立体自動倉庫の固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えると共に当該仮置き搬送台の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、図4に示す立体自動倉庫において、更に、固定式の昇降機に付設された物品等の載置搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る、図4に示す格納棚に代えてZ軸方向の奥行きが深く、背面で隣接する格納棚の一端、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えるとともに仮置き搬送台の間に物品等の搬送装置を橋設した立体自動倉庫の平面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る、X軸の特定位置において、背面で隣接する二つの格納棚で構成される特定の格納棚が搬送装置を備え、その特定の格納棚が対向する空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る、図7に示す立体自動倉庫において、更に、固定式の昇降機に付設された物品等の載置搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る、図7に示す立体自動倉庫において、更に、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る、図2に示す立体自動倉庫において、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えると共に当該仮置き搬送台の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る、図2に示す立体自動倉庫において、X軸の特定位置にある特定の格納棚に搬送装置を備え、その特定の格納棚が対向する空間に昇降式の搬送装置を配備し、その反対列間で対向する特定の格納棚間に物品等の搬送装置を橋設した立体自動倉庫を示す平面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る、図4に示す立体自動倉庫のIIIで示される格納棚部分を立体自動倉庫ユニットとし、その2つのユニットを昇降機を挟んで連結した立体自動倉庫の平面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る、図5(他、図6図7図8図9図11図12等)に示す各格納棚間の空間に配置された昇降式搬送装置のZ軸方向で紙面に垂直に切断した断面の一部の模式図である。
図14】スタッカクレーンを物品等の移動手段として配設した従来の立体自動倉庫の模式図である。
図15】走行台車を物品等の移動手段として配設した従来の立体自動倉庫の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の立体自動倉庫の基本的な構成としては、物品等の搬入/搬出用の装置と多段構成の複数の格納棚列との間に介在する昇降機を各格納棚列の両端にそれぞれ設置したもので、片方の端側に固定式の昇降機を各格納棚列対応に複数設置すると共に、他端側の昇降機を移動可能としたものであり、以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫を示す模式図である。図において、立体自動倉庫1は、多段から成る格納棚列(X-Y軸方向)が複数列、図示例では右側からLn-1’列、L列、Ln’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列の格納棚と、棚列間の空間(通路)8に対応して、一端側(図示の奥側)に3台の固定式の昇降機11(クレーン)と、他端側(図示の手前側)には移動式の昇降機(クレーン)21とが配置される。また、一端側(図示の奥側)と、他端側(図示の手前側)には、物品等の搬入/搬出用の搬送装置2、3が設けられている。物品等の搬入/搬出用の搬送装置2は、各固定式の昇降機11の物品等の載置搬送台12等(図2以降に示す)対応に格納棚との物品等を搬入/搬出する搬入/搬出部22、23、24、25、26、27を備え、搬送装置3は、移動式の昇降機21の物品等の載置搬送台212(図2以降に示す)対応に格納棚との物品等(33)を搬入/搬出する搬入/搬出部31、32を備える。移動式の昇降機21は下部に車211が取付けられ各格納棚の他端側でZ軸方向(図示の矢印方向)に移動可能である。また、各昇降機11、21の両側に設けられる各載置搬送台212等はそれぞれ非同期で上下移動可能となっている。
【0038】
また、図1では、背面で隣接する格納棚列から成る構成を例示し、Ln-1’列とL列、Ln’列とLn+1列、Ln+1’列とLn+2列等の間の物品等の搬送路となる空間(通路)8には物品等を各格納棚へ搬送移動(X軸方向に移動)する移動手段(図示省略)が設けられている。
【0039】
また、Ln-1’列、L列、Ln’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列の格納棚は、基本的には、昇降機11、21の物品等の載置搬送台12(図2以降に示す)、212に相対向して物品等の受け渡しに使用される仮置き搬送台131、132と物品等を格納収容する格納棚130とから構成される(なお、仮置き搬送台の符号131は図2以降に示す実施形態では符号13として示す)。
【0040】
また、格納棚列間の空間8には、移動手段(図1には図示されていない)が配置され、物品等を保持して移動する機能と載置台や棚等との受け渡しする機能を有する。例えば、移動手段としては、スタッカクレーンや走行台車などが使用できる。スタッカクレーンの場合には、各棚間等での物品等を受け渡しする機能の他に載置台の上下移動が可能であるので、X-Y面での移動を自在にできる。また、走行台車の場合には、上下方向の各段毎にレール等を介して走行可能なように配置される。以下の図2等にて示す実施形態としては、走行台車を使用した例で説明するが、スタッカクレーン等の移動手段を排除するものではない。
【0041】
また、物品等の搬入/搬出用の搬送装置2、3は、一方を物品等の搬入用、他方を物品等の搬出用として機能分担して設置する場合、一方を物品等の搬入/搬出用として用い他方を予備あるいは特定の物品等の扱いとして設置する場合、一方を搬入/搬出用とし用い他方を搬入または搬出の専用として設置する場合等、種々の使用形態がある。
【0042】
いずれの場合においても、移動式の昇降機21は各格納棚列に対しZ軸方向に移動するので、昇降機21の載置搬送台212と各仮置き搬送台132とが付き合せ可能であり、各格納棚間のY-Z軸方向の物品等の移動や、物品等の入れ替え等に使用することができる。
【0043】
後述するように、各格納棚列間の特定の格納棚間を搬送路として設ける場合であっても、移動式の昇降機21は独立して稼働できるので、物品等の出し入れの輻輳時においても、格納棚間での物品等の出し入れ、入れ替え等、また、搬送装置との間での搬入/搬出等を可能する。
【0044】
従って、搬送装置と各昇降機11と各格納棚列間にて物品等の搬入/搬出を行い、搬入/搬出の輻輳時に、昇降機21が、各格納棚列に対し直交する方向、即ち、図1において、Z軸方向に移動することで、搬送装置3と搬入/搬出される物品等を載置搬送台212を介して、格納棚のY-Z面における何れの仮置き搬送台132にも対向することができる。また、搬入/搬出される物品等の移動だけでなく、さらに特徴的なことは、昇降機21を移動可能とすることにより、格納棚のY-Z面における格納棚間の移動を仮置き搬送台132を介して可能とする点にある。この仮置き搬送台132と各格納棚との間は、各空間8に配置される移動手段により格納棚のX-Y面における任意の移動を可能としている。従って、昇降機21をZ軸方向に移動可能とすることで、機器設備の削減等、経済面だけでなく、格納棚のXYZ軸方向に物品等を自在に移動可能でき機能向上も図ることもできる。
【0045】
また、X軸方向の手前側に移動可能な昇降機21を配置し、後ろ側(奥側)に固定式の昇降機11を各空間8対応に設置したものを示しているが、その逆に、移動可能な昇降機を後ろ側(奥側)に、手前側に固定式の昇降機を各空間8対応に設置したものであってもよい。即ち、図1においては、立体自動倉庫1では、X軸方向の手前側に移動式の昇降機21と搬送装置3と設けた例を示しているが、これに限定されるものではなく、X軸方向の後端(奥側)に移動可能な昇降機21と搬送装置3を設け、X軸方向の前端(手前側)に固定式の昇降機11と各搬送台12(図示していない)を対応の搬送装置2を設けたものであってよい。
【0046】
また、図1における移動式の昇降機21の移動構造に関し、車211に代えて床面にレールを配置し、その上を移動するようにしてもよいが、レールとの勘合部分にクリアランス調整が必要となり、ガタツキ等の発生を考慮すると、車211による移動が好ましい。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態に係る、格納棚の間に移動手段を配置した、固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫の平面図である。図2における立体自動倉庫の基本構成は、図1に同じであるが、各格納棚の構成において、多段の格納棚Ln-1列とL列、Ln+1列とLn+2列、Ln+3列とLn+4列が各1組として格納設備を構成しているものである。従って、この場合の棚列の増設は1組単位であってよい。
【0048】
また、図2においては、固定式の昇降機11を下側に配し、移動式の昇降機21を上側に配し、各搬送装置2,3は図示省略している。これらの関係は以下に示す他の実施形態においても同様である。
【0049】
図2において、空間8を隔て対向するLn―1列とL列、Ln+1列とLn+2列、Ln+3列とLn+4列等の格納棚間における物品等の移動手段として、格納棚のX軸方向に設けられたレール14上を移動する走行台車10を例示している。多段構成の格納棚にあっては、この走行台車10とレール14は各段に設置される。また、走行台車10には、レール14上を走行する車20等が取付てあり、棚への/棚からの物品等を出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を備えている。
【0050】
図2において、物品等の格納棚への搬出入は、搬入/搬出の装置(図示省略)と各空間8に対応して設置される固定式の昇降機11を介して行われる。これら昇降機11の両側に、各格納棚列の仮置き搬送台13に対向し突き合わせ接続できる位置に物品等の載置搬送台12が設けられている。各昇降機11の両側の載置搬送台12は、非同期で上下動可能であり相互に拘束を受けることなく各格納棚への稼働効率を上げている。
【0051】
また、移動式の昇降機21にあっては、格納棚列に対して、図示上側で矢印でしめすZ軸方向に移動することにより、昇降機21の載置搬送台212と格納棚列の上下左右の任意の仮置き搬送台132とが突き合わせ接続できる。また、昇降機21の両側の載置搬送台212は、非同期で上下動可能であり相互に拘束を受けることなく動作できる。
【0052】
従って、各格納棚列の両側端あるいは片側端に昇降機が固定設置されるものに比較し、片端に移動式の昇降機を設置することで、各格納棚列への物品等の搬入/搬出を固定式の昇降機にて個別に対応すると共に、移動式の昇降機は待機用あるいは格納棚列への個別対応が可能となり、立体自動倉庫として融通性と選択性を持たせることができ機動性にも寄与する。また、移動式の昇降機を設けることで設備機器の節減効果もある。
【0053】
さらには、各格納棚列、Ln―1列、L列、Ln+1列、Ln+2列、Ln+3列、Ln+4列等の何れの仮置き搬送台132に対しても、昇降機21の載置搬送台212が接続可能であるので、格納棚列間、特に別の空間8をまたがっての格納棚間の移動を可能としている。即ち、図2に示す自立自動倉庫においては、搬入/搬出装置2側の固定式の昇降機11、各走行台車10等により各格納棚列への物品等の受け渡しを行い、また、走行台車10により各空間8に相対向した格納棚列間、X軸方向の物品等の移動や入れ替えは走行台車10にて行うとともに、空間をまたがって格納棚列間の物品等の移動(Z軸方向)は昇降機21を移動させることにより載置搬送台212、仮置き搬送台132を経由することで可能となる。なお、Y軸方向の物品等の移動や入れ替えは固定式および可動式の昇降機11,21とも載置搬送台12,212を上下移動させることで可能である。従って、XYZの任意の格納棚間で物品を自在に移動することができる。
【0054】
なお、各昇降機11,21の載置搬送台12,212と格納棚列の任意の仮置き搬送台13,132との接続とは、密着接続を意味せず、搬送台間で搭載される物品等が移動(移載)できる間隔をもって位置合せすることで足りる。このことは、以下に説明する他の図面における実施形態の構成においても同様である。
【0055】
図3は、本発明の一実施形態に係る、背面で隣接する格納棚から成る格納棚の間に移動手段を配置した、固定式の昇降機と移動式の昇降機を備える立体自動倉庫の平面図であり、図1に示した立体自動倉庫の搬入/搬出の装置の部分を省略した平面図に相当する。図2に示した立体自動倉庫が多段の格納棚の対を1組とした格納設備を多列に構成しているのに対し、図3は、格納棚列のL列とLn’列、Ln+1列とLn+1’列が背面で隣接する構成としているものである。
【0056】
図3においても、空間8を隔て対向するLn-1’列とL列、L’列とLn+1列、Ln+1’列とLn+2列の間に、物品等の移動手段として格納棚のX軸方向に設けられたレール14上を移動する走行台車10を備えている。多段構成の格納棚にあっては、この走行台車10とレール14は各段に設置される。また、走行台車10には、棚への/からの物品等を出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を備えている。
【0057】
また、図2と同様に図3においても、物品等の格納棚への搬出入は、搬入/搬出の装置(図示省略)と固定式の昇降機11を介して行われる。これら昇降機11の両側に、各格納棚列の仮置き搬送台13に対向し突き合わせ接続できる位置に物品等の載置搬送台12が設けられている。各昇降機11の両側の載置搬送台12は、非同期で上下動可能であり相互に拘束を受けることなく各格納棚への稼働効率を上げている。
【0058】
また、移動式の昇降機21は格納棚の図示上側のZ軸方向で移動することにより、昇降機21の載置搬送台212と格納棚列の上下左右の任意の仮置き搬送台132とが突き合わせ接続できる。
【0059】
従って、従来の各格納棚列の空間対応に昇降機が固定設置されるものに比較し、移動式の昇降機を設置することで、設備機器を節減できることになる。
【0060】
さらには、各格納棚列、Ln-1’列、L列、L’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列等の何れの仮置き搬送台132に対しても、昇降機21の載置搬送台212が接続可能であるので、格納棚列間、特に別の空間8をまたがっての格納棚間の移動を可能としている。即ち、図3に示す自立自動倉庫においても、各空間8に相対向した格納棚列間、X軸方向の物品等の移動や入れ替えは走行台車10にて可能であり、Y軸方向の物品等の移動や入れ替えは昇降機11、21の載置搬送台12、212を上下移動させることで可能である。さらに格納棚列間の物品等の移動(Z軸方向)は昇降機21を移動させることにより載置搬送台212、仮置き搬送台132を経由することで可能となる。従って、XYZの任意の格納棚間で物品を自在に移動することができる。
【0061】
図4は、本発明の一実施形態に係る、図3に示す立体自動倉庫の固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に方向変換機能として直角分岐機構を備えると共に当該仮置き搬送台の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0062】
図4において、基本構成は図3と同様であり、物品等Pを格納する格納棚列が、Ln-1’列、L列、Ln’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列として水平長手(X軸)及び垂直(Y軸)方向に碁盤目状に配列してなる。
【0063】
ここでL列の格納棚と、この格納棚の物品等Pを出し入れする格納面の反対面で隣接したL’列、同様にLn+1列とLn+1’列等の格納設備を一つの単位として、複数配列して構成することができる。格納棚列間の空間8で物品を移動するための移動手段としては、走行台車10を備えている。
【0064】
ここで、本発明の立体自動倉庫は、昇降機11の物品等の載置搬送台12と走行台車10とでの物品等Pの受け渡しするための、Ln-1’列、L列、Ln’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列等の一端側に設けられている仮置き搬送台15に直角分岐機構を備えている。また、各仮置き搬送台15の間の空間に昇降式の搬送装置16が設けられている。この仮置き搬送台15と昇降式の搬送装置16を格納棚列を横断方向(Z軸方向)に連結することにより物品等をZ軸方向に移動可能とする。即ち、走行台車10によるX軸方向と、直角分岐機構付きの仮置き搬送台15と搬送装置16によるZ軸方向に物品等を移動可能でき、格納棚間での物品等の移動を可能としている。
【0065】
従って、各昇降機11が他の格納棚間での物品等の受け渡し中であっても、昇降機11とは独立してZ軸方向での物品等の移動ができる。さらには、移動式の昇降機21を利用することによりZ軸方向の物品等の移動もできるので、物品等の受け渡しや移動等による輻輳状態であっても、独立に稼働できる複数の移動経路をZ軸方向に有することになる。
【0066】
この各格納棚間の空間8に配置された昇降式の搬送装置16は、図13に示される。図13は、本発明の一実施形態に係る、昇降式の搬送装置16のZ軸方向で紙面に垂直に切断した断面の一部の模式図である。
【0067】
図13において、格納棚列のある段における走行台車10で品物等を受入れあるいは引渡を行う場合、走行台車10が移動してくる位置の搬送装置16は例えば下方へ移動し、走行台車10と仮置き搬送台15と他列の昇降式の搬送装置16とが同じ段で一列に配置することができる。この上で品物等を移動させ、所定の走行台車10に搭載させることもでき、Z軸方向の移動とX軸方向の移動を行う。なお、これら走行台車10、搬送装置16、仮置き搬送台15等の移動やコンベヤ等の駆動制御は図示していない制御装置により行われる。即ち、走行台車が走行する信号を確認すると、左側に示したように搬送装置16が下降する指示が出るように制御されている。逆に、格納棚間の物品等の移動を行う信号を確認すると、走行車10は昇降式の搬送装置16の位置から移動し、右側に示したように上昇する指示が出るように制御されている。
【0068】
この様な構成とすることによって、例えば、図4において、物品等の位置PからPへの物品等の移動や、物品等の位置PからPへの物品等の移動は、次のように行われる。
【0069】
物品等の位置PからPへの物品等の移動する場合、Pにある物品等は、Ln―1’列とL列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10に取り出され、L列の格納棚の端にある直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15、L列の格納棚と背面で隣接するL’列の格納棚の端にある直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15を経由して、L’列の格納棚とLn+1列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10でPへと移動することができる。この移動を行う間は、図13の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。
【0070】
同様に、物品等の位置PからPへの物品等の移動については、Pにある物品等は、Ln―1’列とL列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10に取り出され、L列の格納棚の端にある直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15に移される。この移動を行う間は、図13の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。Pへの物品等の移動は、L’列の格納棚の端にある直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15、L’列とLn+1列の格納棚が対向する空間8にある昇降式の搬送装置16を経由して、Ln+1’列の格納棚の端にある直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15に移動する経路をとる。この移動を行う間は、図13の右側に示したように、昇降式の搬送装置16は上昇するように設定される。次いで、Ln+1’列 とLn+2の格納棚が対向する空間8にある走行台車10でPへと移動される。この移動を行う間は、図15の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。
【0071】
昇降式の搬送装置16は、一般的な一方向に物品等の搬送が可能な昇降式コンベヤを用いることができ、直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15も、従来の仮置き搬送台のコンベヤに昇降ローラやベルト等の方向変換機構部品を適用することができる。
【0072】
図5は、本発明の一実施形態に係る、図4に示す立体自動倉庫に、更に、固定式の昇降機に付設された物品等の載置搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0073】
図5において、固定式の昇降機11に付設される物品等の載置搬送台17には、直角分岐の機能を有する機構を備えている。
【0074】
このように、物品等の載置搬送台17が直角分岐機構を備えることによって、隣接して設置される昇降機11の物品等の載置搬送台17間にて相互に物品等を移動できる経路が形成される。即ち、図4にて説明したように、直角分岐機構付きの仮置き搬送台15と搬送装置16によるZ軸方向に物品等を移動可能する経路に加え、昇降機11の載置搬送台17の直角分岐機構を使用した載置搬送台17間でも物品等を移動することができる。また、図5の上部に示す、他端側の移動式の昇降機21を用いて各格納棚列間での物品等の移動を可能とすることは、先の図4にて説明した通りである。
【0075】
従って、さらに立体自動倉庫のXZ軸方向の物品等の移動の自由度が高められる。
【0076】
また、直角分岐機構を備えた物品等の載置搬送台17の移動機構として、コンベヤに昇降ローラやベルトを適用することができる。
【0077】
図6は、本発明の一実施形態に係る、図4に示す格納棚に代えてZ軸方向の奥行きが深く、背面で隣接する格納棚の一端、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えるとともに仮置き搬送台の間に物品等の搬送装置を橋設した立体自動倉庫の平面図である。
【0078】
図6において、図4に示す立体自動倉庫の格納棚との相違点は、格納棚の奥行き(図6ではZ方向の左右の幅)を広くし物品等の収容量を多くしたことにある。この格納棚の幅が広がることにより、昇降機11の隣合う載置搬送台12の間や、隣合う仮置き搬送台15の間に隙間(空間)が生じることである。他にも、格納棚、格納設備、搬送台、昇降機等の大きさや配置によっては、隣り合う載置搬送台の間や仮置き搬送台の間等に空間が形成される場合があり得る。
【0079】
隣合う仮置き搬送台15の間に空間が生じると、直角分岐機能付き仮置き搬送台15と搬送装置16により形成する搬送経路が分断されることになる。本発明では、直角分岐機能付きの仮置き搬送台15が隣接する間に生じた空間に物品等の搬送台19を更に備えることによってこの問題を解決するものである。
【0080】
図7は、本発明の一実施形態に係る、X軸の特定位置において、背面で隣接する二つの格納棚で構成される特定の格納棚が搬送装置を備え、その特定の格納棚が対向する空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0081】
図7において、XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等PのL列の格納棚と、この格納棚の物品等Pを出し入れする格納面の反対面で隣接したL’列の格納棚とを備えた格納設備と、同様のLn+1列とLn+1’列の格納棚とを備えた格納設備が、移動手段の空間8を介して対面し、複数列、Z軸方向に並んでいる。移動手段としては、走行レール14上をX軸方向に走行し、物品等を出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を有する走行台車10を示している。
【0082】
図7において、基本構成は図4と同様であり、物品等Pを格納する格納棚列が、Ln-1’列、L列、Ln’列、Ln+1列、Ln+1’列、Ln+2列として水平長手(X軸)及び垂直(Y軸)方向に碁盤目状に配列してなる。
【0083】
ここでL列の格納棚と、この格納棚の物品等Pを出し入れする格納面の反対面で隣接したL’列、同様にLn+1列とLn+1’列等の格納設備を一つの単位として、複数配列して構成することができる。格納棚列間の空間8で物品を移動するための移動手段としては、走行台車10を備えている。
【0084】
図7においては、各格納棚列を横断して物品等を移動可能とする経路を、各格納棚列のX軸方向で一端側でも他端側でもなく、X軸方向の特定位置に設けている。即ち、物品等を出し入れする格納面の反対面で隣接する二つの格納棚で構成される特定の格納棚(図示例では、内部の中央付近等)に搬送装置18を備え、この特定の格納棚の搬送装置18が対向するLn-1’列とLn列、Ln’列とLn+1列、及び、Ln+1’列とLn+2列の格納棚が対向する空間8に物品等の昇降式の搬送装置16を備えたものである。その結果、格納棚間及び格納設備間の特定の場所に、横断して物品等の搬送経路が形成することができる。また、特定の格納棚の搬送装置18を格納設備のX軸方向の仮置き搬送台等に隣接して並べる場合は、特定の格納棚の搬送装置18方向変換機構付きであると、XZ軸方向全ての物品等の移動が実現される。
【0085】
この様な構成とすることによって、例えば、図7において、物品等の位置PからPへの物品等の移動や、物品等の位置PからPへの物品等の移動は、次のように行われる。
【0086】
物品等の位置PからPへの物品等の移動については、Pにある物品等は、Ln-1’列とL列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10に取り出され、L列の特定の格納棚の搬送装置18(以下、特定の格納棚ともいう)に移され、L列の格納棚と背面で隣接するL’列の特定の格納棚18を経由して、L’列とLn+1列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10でPへと移動される。この移動を行う間は、先に説明の図13の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。
【0087】
同様に、物品等の位置PからPへの物品等の移動については、Pにある物品等は、Ln-1’列とL列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10に取り出され、L列の特定の格納棚18に移される。この移動を行う間は、図13の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。Pへの物品等の移動は、L’列の特定の格納棚18、L’列とLn+1列の格納棚が対向する空間8にある昇降式の搬送装置16を経由して、Ln+1列の特定の格納棚18からLn+1’列の特定の格納棚18に移動する経路をとる。この移動を行う間は、図13の右側に示したように、昇降式の搬送装置16は上昇するように設定される。次いで、Ln+1’列とLn+2列の格納棚が対向する空間8にある走行台車10でPへと移動することができる。この移動を行う間は、図7の左側に示したように、昇降式の搬送装置16は、下降して走行台車10の往来が可能となるように設定される。
【0088】
従って、各昇降機11が他の格納棚間での物品等の受け渡し中であっても、昇降機11とは独立してZ軸方向での物品等の移動ができる。さらには、移動式の昇降機21を利用することによりZ軸方向の物品等の移動もできるので、物品等の受け渡しや移動等による輻輳状態であっても、独立に稼働できる2つの移動経路をZ軸方向に有することになる。
【0089】
更に、物品等の移動経路を増加させる構成を図8及び図9に示す。
【0090】
図8は、本発明の一実施形態に係る、図7に示す立体自動倉庫において、更に、固定式の昇降機に付設された物品等の載置搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0091】
また、図9は、本発明の一実施形態に係る、図7に示す立体自動倉庫において、更に、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0092】
図8及び図9に示したように、物品等の載置搬送台17及び/又は仮置き搬送台15に直角分岐機構を備えることにより、物品等の載置搬送台17の間及び/又は仮置き搬送台15の間の物品等の移動も可能となり、背面で隣接する格納棚間の物品等の移動の経路が増加し、物品等の移動の自由度を高めることができ、また、移動式の昇降機21による移動経路も含め、物品等の出し入れ、移動等の輻輳時の対応も容易となる。
【0093】
図面には示していないが、図7図8図9に示した立体自動倉庫においても、格納棚、格納設備、搬送台、昇降機等の大きさや配置によって、隣り合う昇降機に付設された物品等の載置搬送台の間や背面で隣接する格納棚の一端に設けられた仮置き搬送台の間等に空間が形成される場合があるが、特定の格納棚18が搬送装置を備えているため、昇降式の搬送装置16と特定の格納棚18が形成するX軸方向の格納棚を横断する搬送経路は確保される。しかしながら、この場合にも、物品等の移動の自由度を高めるためには、直角分岐機構を備えた物品等の載置搬送台17の間及び/又は直角分岐機構を備えた仮置き搬送台15の間に、図6に図示し説明したような補助的な物品等の搬送台19を橋設するようにしてもよい。
【0094】
図10は、本発明の一実施形態に係る、図2に示す立体自動倉庫に、固定式の昇降機に対向した仮置き搬送台に直角分岐機構を備えると共に当該仮置き搬送台の格納棚間の空間に昇降式の搬送装置を備えた立体自動倉庫を示す平面図である。
【0095】
図10において、図2に示す構成と同様に、XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等のLn―1列とL列の格納棚、これらの格納棚が対向する空間8に、走行レール14上をX軸方向に往復移動する物品等を自在に出し入れ可能な走行台車10と、その空間8に設けられた物品等をY軸方向に移動するための物品等の載置搬送台12を備えた昇降機11と、走行台車10と物品等の載置搬送台12との物品等の受け渡しを媒介する仮置き搬送台15とが一つの単位となって、複数配列され、各格納棚列のX軸方向の上部、他端側に移動式の昇降機21を設置する基本構成としている。
【0096】
ここで、図2に示した仮置き搬送台13に換えて、図10においては、方向変換機構を設けた仮置き搬送台15が対向する走行空間8に、物品等の昇降式の搬送装置16と、走行空間8と反対面で対向する仮置き搬送台15の間に物品等の搬送装置19を橋設したものである。
【0097】
図11は、本発明の一実施形態に係る、図2に示す立体自動倉庫に、X軸の特定位置にある特定の格納棚が搬送装置を備え、その特定の格納棚が対向する空間に昇降式の搬送装置を配備し、その反対列間で対向する特定の格納棚間に物品等の搬送装置を橋設した立体自動倉庫を示す平面図である。
【0098】
図11においても、図2にて示した構成と同様に、XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等のLn―1列とL列の格納棚、これらの格納棚が対向する空間8に、走行レール14上をX軸方向に往復移動する物品等を自在に出し入れ可能な走行台車10を備えている。また、物品等をY軸方向に移動するための物品等の載置搬送台12を備えた昇降機11と、走行台車10と物品等の載置搬送台12との物品等の受け渡しを媒介する仮置き搬送台13とが複数配列されている。また、各格納棚列のX軸方向の上部の他端側には移動式の昇降機21を設置している。
【0099】
図11においては、X軸方向の特定位置にある特定の格納棚18を搬送装置とし、その特定の格納棚18が対向する空間8に物品等の昇降式の搬送装置16を備えると共に、その空間8の反対面で対向する特定の格納棚18の間に物品等の搬送装置19を橋設している。
【0100】
図12は、本発明の一実施形態に係る、図4に示す立体自動倉庫のIIIで示される格納棚部分を立体自動倉庫ユニットとし、その2つのユニットを昇降機を挟んで連結した立体自動倉庫の平面図である。
【0101】
図12において、Z軸方向に配置された昇降機11に対して、X軸方向の上下に図4に示す立体自動倉庫のユニットIIIを配置し、上下のユニット間で物品等を搬送移動でき、またユニット内での物品等の搬送移動もできる立体自動倉庫を構成している。
【0102】
また、図12のX軸方向の下段には、昇降機11が配置されるとともに、上段には、移動式の昇降機21が設置され全体が一つの立体自動倉庫として機能する。
【0103】
図12には図示していないが、X軸方向の上端および/または下端の昇降機の外側に搬入/搬出装置を備え、外部からの物品等の保管等に使用できる。また、昇降機としては、移動式と固定式とを適宜、選択使用することもできる。
【0104】
図12の構成とすることで、格納設備が2倍あるいはそれ以上に拡張でき、物品等の格納容量を飛躍的に増加できる。
【0105】
図12に示した格納設備のユニットとしては、図4に示した立体自動倉庫のユニットIIIに限定されるものではなく、図2に示した立体自動倉庫ユニットI、図3に示した立体自動倉庫ユニットII、図6に示した立体自動倉庫ユニットIV、図7に示した立体自動倉庫ユニットV、図9に示した立体自動倉庫ユニットVI、図10に示した立体自動倉庫ユニットVII、図11に示した立体自動倉庫ユニットVIII等に対しても同様に適用できる。
【0106】
以上各図において説明した各実施形態において、昇降機の移動、昇降機の載置搬送台の上下駆動、物品等の移動手段の移動、各格納棚間等に設置される搬送機構や直交分岐機構の駆動等、各装置、各機器等の制御は図示省略した制御装置により行われる。従って、物品等の搬入/搬出、棚等からの出し入れ等の移動に際し、関連物の移動入れ替えや、物品等のトラヒック管理、待機時間の調整等は一元的に行うことができる。なお、上記の各実施形態で説明した多段構成の格納棚間の空間とは棚間の物品等を移動手段により移動するための空間を意味し、通路あるいは搬送路といわれるものであってよい。また、空間内に相対向した設けられた格納棚間に配置される物品等を移動する移動手段としては、走行台車に限定されるものではなく、スタッカクレーン等、物品等の受け渡し機能を持ち空間内を移動可能なものであればよい。
【0107】
また、昇降機の載置搬送台、各格納棚列に設けられる仮置き搬送台、特定の格納棚の搬送機構、直角分岐機構、搬入/搬出装置等で使用される搬送部分には、ベルトコンベヤ、ローラコンベア等の回転機構を使用することができる。
【0108】
また、直角分岐機構とは、直交分岐装置、直角移載装置、直交移載装置等とも呼ばれる公知の機構を使用することができる。
【0109】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解のために例示されたものであり、本発明は、これら実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって定義される。また、本発明の技術思想から離れるものでない限り、特許請求の範囲に記載の構成と均等であるものも本発明の保護の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明によれば、昇降機の一部を移動式の昇降機とすることで、機器設備の削減等でき、経済効果高く、また、各格納棚列を交叉するように特定の格納棚間に物品等の移動経路を独立して形成するので、格納棚のXYZ軸方向に物品等を自在に移動可能でき機能向上も図ることができ、物品等を保管し出し入れする倉庫等に適用して経済効果大とできる。
【符号の説明】
【0111】
1…立体自動倉庫
2、3…搬入/搬出装置
8…空間(通路)
10…走行台車
11…固定式の昇降機
13、131、132、15…仮置き搬送台
12、212…載置搬送台
130…格納棚
14…走行レール
15…直角分岐機構を備えた仮置き搬送台
16…昇降式の搬送装置
17…直角分岐機構を備えた載置搬送台
18…特定の格納棚の搬送装置(特定の格納棚ともいう)
19…物品等の搬送台
20…走行台車の車
21…移動式の昇降機
211…車
、P、P…物品等
n-1,Ln-1’,L,L’,Ln+1,Ln+1
,Ln+2,Ln+3,Ln+4…格納棚の列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15