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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017196366
(22)【出願日】2017-10-06
(65)【公開番号】P2019068951
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 :平成29年7月7日 展示会名:SAIBI PARTY 開催場所:コクヨ株式会社 東京ショールーム(東京都港区港南1丁目8番35号) 公開者 :コクヨ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼▲崎▼ 健太郎
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-000551(JP,A)
【文献】特開2015-084998(JP,A)
【文献】特開2014-090873(JP,A)
【文献】特開2014-068917(JP,A)
【文献】特開2014-090920(JP,A)
【文献】特開2014-073283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、
前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、
前記共有空間を、前記サイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させているテーブル。
【請求項2】
天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、
前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、
前記共有空間を、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させているテーブル。
【請求項3】
天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、
前記天板が、前記天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、
前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させているテーブル。
【請求項4】
天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなり、
前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるテーブルであって、
前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、
前記共有空間を、前記サイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させているテーブル。
【請求項5】
天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなり、
前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるテーブルであって、
前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、
前記共有空間を、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させているテーブル。
【請求項6】
天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなり、
前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるテーブルであって、
前記天板が、前記天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、
前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させているテーブル。
【請求項7】
天板本体の下面側に配線ダクトを配してなりその天板本体の一端から他端に至る中間の部位に前記配線ダクトの内部空間に連通する配線導出入部を設けた天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、
前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるとともに、そのサイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、
前記共有空間を、前記サイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させるとともに、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させているテーブル。
【請求項8】
前記天板が、一方の使用端から他方の使用端に至る奥行方向の中央部分に前記配線導出入部を開設した天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、
前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させた状態で、前記配線ダクトの一端を前記サイドユニットの前記上部配線挿通口に直接接続している請求項記載のテーブル。
【請求項9】
前記サイドユニットが、前記配線ダクトに対応する中央部分に前記共有空間を有し、この共有空間に前記機器類収納空間を隣設したものであり、前記機器類収納空間は中間配線挿通口を介して前記共有空間に連通させてある請求項7又は8記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室等に設置するのに好適なテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等に設置して使用されるテーブルとして、天板と、この天板の少なくとも両端部を支持する脚体とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種のテーブルは、プレゼンテーションやテレビ会議などの行うためのディスプレイや、このディスプレイに映像を表示させるための各種機器類を収めるためのサイドボード等とともに用いられることが多い。その場合、テーブルの一端側に空間を空けてサイドボードを配置し、そのサイドボードの上、或いはこのサイドボードに近接する壁面等にディスプレイが設置されることが少なくない。
【0003】
ところが、このような使用態様を採用する場合、前記テーブル上で使用されるパーソナルコンピュータやリモートコントローラ或いはTV会議用マイクロフォン等と、前記サイドボード内の機器類と、前記ディスプレイとを相互に結ぶ配線類等が外部に露出し易いという問題があり、何らかの対策が望まれている。すなわち、テーブルの下面には配線類を集約して案内するための配線ダクトが設けられていることが少なくないが、この配線ダクトと前記サイドボードとは離間しているため、配線ダクトとサイドボードとの間の配線類がテーブルの下に露出することになり、配線が足に引っ掛かるという問題や、このようなテーブル及びサイドボードを配置した来客会議室等の空間が乱雑なものになるといった問題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6065615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点に着目してなされたもので、配線類が露出することにより、配線が足に引っ掛かるという問題や、来客会議室等の空間が乱雑なものになるといった問題を解消することができるテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係るテーブルは、天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、前記共有空間を、前記サイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させているものである。
【0007】
請求項2記載の発明に係るテーブルは、天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、前記共有空間を、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させているものである。
請求項3記載の発明に係るテーブルは、天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるテーブルであって、前記天板が、前記天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させているものである。
【0008】
請求項記載の発明に係るテーブルは、天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなり、前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるテーブルであって、前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、前記共有空間を、前記サイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させている。
【0009】
請求項記載の発明に係るテーブルは、天板本体の下面側に配線ダクトを配した天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなり、前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットの外壁に係り合わせたものであるテーブルであって、前記サイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり、前記共有空間を、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させている。
【0010】
請求項記載の発明に係るテーブルは、請求項1、2、3又は4記載の構成のものにおいて、前記天板が、前記天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させている。
なお、「配線ダクトの一端をサイドユニットの外壁に係り合わせる」とは、必ずしも配線ダクトの一端を隙間なくサイドユニットの外壁に直接接続するものに限らず、本発明の趣旨を損ねないもの、すなわち配線ダクトとサイドユニットとの間の配線が外部から目立たないような配線ダクトとサイドユニットと接続態様又は配置全般を示す概念である。
【0011】
請求項記載の発明に係るテーブルは、天板本体の下面側に配線ダクトを配してなりその天板本体の一端から他端に至る中間の部位に前記配線ダクトの内部空間に連通する配線導出入部を設けた天板と、内部に機器類収納空間を有し前記天板の一端側を支持するサイドユニットとを具備してなるものであって、前記配線ダクトが、一端を前記サイドユニットに係り合わせたものであるとともに、そのサイドユニットが、内部に前記機器類収納空間に連通する共有空間を備えたものであり前記共有空間を、前記サイドユニットの起立壁に設けた上部配線挿通口を介して前記配線ダクトの内部空間に連通させるとともに、前記サイドユニットの底壁に設けた下部配線挿通口を介して外部空間に連通させている。
【0012】
請求項記載の発明に係るテーブルは、請求項記載の構成のものにおいて、前記天板が、一方の使用端から他方の使用端に至る奥行方向の中央部分に前記配線導出入部を有する天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものであり、前記支持フレームの一端側を前記サイドユニットに支持させた状態で、前記配線ダクトの一端を前記サイドユニットの前記上部配線挿通口に直接接続しているものである。
【0013】
請求項記載の発明に係るテーブルは、請求項7又は8記載の構成のものにおいて、前記サイドユニットが、前記配線ダクトに対応する中央部分に前記共有空間を有し、この共有空間に前記機器類収納空間を隣設したものであり、前記機器類収納空間は中間配線挿通口を介して前記共有空間に連通させてあるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線類が露出することによる、配線が足に引っ掛かるという問題や、来客会議室等の空間が乱雑なものになるといった問題を解消することができるテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るテーブルを示す上方からの全体斜視図。
図2】同実施形態に係るテーブルを示す下方からの全体斜視図。
図3】同実施形態に係るテーブルを示す正面図。
図4】同実施形態に係るテーブルを示す分解斜視図。
図5】同実施形態に係るサイドユニットを示す分解斜視図。
図6】本発明の他の実施形態に係るテーブルを示す上方からの全体斜視図。
図7】本発明の他の実施形態に係るテーブルを示す上方からの全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の第一実施形態を、図1図5を参照して説明する。
【0017】
本実施形態は、来客会議室もしくは役員会議室クラスのハイグレード空間に配して使用されるテーブルTに適用したものである。
【0018】
このテーブルTは、図1に示すように、ディスプレイDを設置した建築壁面Wに一端を臨ませて配されたもので、図1図3に示すように、天板本体5の下面側に配線ダクト6を配してなりその天板本体5の一端5aから他端5bに至る中間の部位に前記配線ダクト6の内部空間6sに連通する配線導出入部52xを設けた天板1と、内部に機器類収納空間2sを有し前記天板1の一端側を支持するサイドユニット2と、前記天板1の他端側を支持する端部脚体3と、前記天板1の中間部を支持する中間脚体4とを具備してなる。図2図4及び図5に示すように、前記配線ダクト6は、一端6aを前記サイドユニット2の上の外壁21に係り合わせたものであるとともに、そのサイドユニット2は、内部に前記機器類収納空間2sに連通する共有空間2tを備えたものであり、前記共有空間2tを、前記サイドユニット2の上の外壁21に設けた上部配線挿通口21aを介して前記配線ダクト6の内部空間6sに連通させるとともに、前記サイドユニット2の底壁23に設けた下部配線挿通口23aを介して外部空間に連通させている。
【0019】
詳述すれば、前記天板1は、図1図3に示すように、一方の使用端1cから他方の使用端1dに至る奥行方向の中央部分に前記配線導出入部52xを開設した天板本体5と、この天板本体5の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクト6と、この配線ダクト6が取り付けられた前記天板本体5を下面側から支持する支持フレーム7とを備えたものであり、前記支持フレーム7の一端側を前記サイドユニット2に支持させた状態で、前記配線ダクト6の一端6aを前記サイドユニット2の前記上部配線挿通口21aに直接接続している。
【0020】
すなわち、この実施形態における前記天板本体5は、図1図3に示すように、一端及び他端にそれぞれ配された端部板状部材51と、これら端部板状部材51間に配された2枚の中間板状部材52とを連設したものであり、前記両中間板状部材52における奥行方向の中央部分に平面視矩形状をなす配線導出入部52xが設けられている。各配線導出入部52xは、天板本体5の上面から下面に貫通する貫通窓状のもので、その内部には、図示は省略するが、例えば、電源コンセントや、メス型USB端子といった端子を有するとともに、LANケーブル、HDMI(登録商標)ケーブル、VGAケーブル、音声用ケーブルといった情報用ケーブルの一端部側の端子、あるいはノートパソコン用の電源ケーブルの端子を露出した状態で保持させるための設備が用意されている。(もしくは、機器が収納されている。)これら配線導出入部52xは、図示しない蓋体により閉塞することもできるようになっている。
【0021】
前記配線ダクト6は、図2図4及び図5に示すように、底壁61と、この底壁61の両側縁から起立させた対をなす側壁62と、これら両側壁62の上端から外方に延出させた取付用の鍔63とを備えたチャネル状のもので、前記鍔63を前記天板本体5の下面に当接させた状態でこれら鍔63に貫通させた図示しないネジによりその天板本体5に取り付けられており、その内部に、前記底壁61及び前記両側壁62により区成される内部空間6sが形成されている。なお、この実施形態の配線ダクト6は、前記中間脚体4の存在により一端側ダクト部分6Aと他端側ダクト部分6Bとに分断されているが、前記中間脚体4の上端部には、前記一端側ダクト部分6Aの内部空間6Asと前記他端側ダクト部分6Bの内部空間6Bsとを連通させる配線挿通窓4aが設けられており、当該配線ダクト6の内部空間6sは一端から他端に至るまで連続している。この明細書中では、前記一端側ダクト部分6Aの内部空間6Asと前記他端側ダクト部分6Bの内部空間6Bsとをまとめて配線ダクト6の内部空間6sと称している。この配線ダクト6の一端6aは、前記サイドユニット2の外壁21に係り合わせてあり、前記サイドユニット2の前記上部配線挿通口21aに直接接続している。
【0022】
前記支持フレーム7は、図2及び図4に示すように、前記天板本体5の前記配線ダクト6の両側に位置する部位を支持する対をなす縦フレーム部材71と、これらの縦フレーム部材71に直交させて設けられた2本の端部横フレーム部材72及び3本の中間横フレーム部材73とを具備してなる。2本の端部横フレーム部材72は、前記天板本体5の端部板状部材51の下面を支持するためのもので、ブラケットを介して前記端部板状部材51の下面にねじ止めされている。3本の中間横フレーム部材73は、前記天板本体5の一端5a側の端部板状部材51と中間板状部材52との境界、中間板状部材52同士の境界、及び中間板状部材52と他端5b側の端部板状部材51との境界に設けられたもので、それぞれブラケットを介して前記端部板状部材51又は中間板状部材52の下面にねじ止めされている。なお、前記配線ダクト6には、前記横フレーム部材72、73との干渉を避けるために切欠部6kが設けられている。
【0023】
前記サイドユニット2は、図1図2図4及び図5に示すように、前記配線ダクト6に対応する中央部分に前記共有空間2tを有し、この共有空間2tの両側に隔壁24を介して前記機器類収納空間2sをそれぞれ隣設したものであり、前記機器類収納空間2sは中間配線挿通口24aを介して前記共有空間2tに連通させてある。前記共有空間2tの下肢空間1s側は、上の外壁21と下の外壁22とによって閉塞されており、上の外壁21の上縁部に前記上部配線挿通口21aが設けられている。また、このサイドユニット2の底壁23における前記共有空間2tに対応する部位には、この共有空間2tを外部に連通させるための下部配線挿通口23aが形成されている。一方、前記機器類収納空間2sは、前記下肢空間1s側に開放されており、その開放端に、観音扉式に開閉する外側の扉25と内側の扉26とが配されており、これらの扉25、26により前記機器類収納空間2sの開放端を開放可能に閉塞している。前記外側の扉25には、多数の貫通孔が設けられている。すなわち、前記外側の扉25の主要部は、いわゆるパンチングメタル等と称される孔の開いた板金素材により作られている。なお、このサイドユニット2の上面における前記天板1により隠される中間領域には、前記支持フレーム7の一端部を取り付けるための取付部2aが設けられており、また、前記天板1により覆われないサイドユニット2の上面両端部には、リモートコントローラや会議ツール等の小物を収容するための蓋付き凹部2bが設けられている。加えて、このサイドユニット2の上面を閉塞する上面板27には、前記共有空間2tに対応する中央部に、排熱を行うべくスリット27aを設けてある。すなわち、このスリット27aは、前記共有空間2tを外部空間に連通させるべく前記上面板27に貫設されている。また、このスリット27aを介して共有空間2tと外部空間との間の配線を行うこともできる。前記なお、前記底壁23の下面の四隅部には、床に接地するアジャスタ28が設けられている。また、20は、前記機器類収納空間2s及び前記共有空間2tの内部と外部とを区成するための周壁である。
【0024】
前記端部脚体3は、図1図2及び図4に示すように、前記支持フレーム7の他端部、換言すれば他端側の前記端部横フレーム部材72を下側から支持すべく設けられたもので、壁状脚部31と、この壁状脚部31の下端部両側に設けられた一対の脚羽根32とを備えている。前記壁状脚部31の下面及び前記脚羽根32の先端部下面には、それぞれ床Fに接地するアジャスタ33が設けられている。
【0025】
前記中間脚体4は、図1図2及び図4に示すように、前記支持フレーム7の中央部、換言すれば中央の前記中間横フレーム部材73を下側から支持すべく設けられたもので、壁状脚部41のみからなる。この壁状脚部41の下面にも、床に接地するアジャスタ43が設けられている。
【0026】
以上説明したテーブルTは、図1及び図3に示すように、その一端と建築壁面Wとの間に一定の間隔をあけて配置されており、前記建築壁面Wにテレビ会議やプレゼンテーションを行うためのディスプレイDが取り付けられている。この実施形態では、前記ディスプレイDに接続された配線類c1は、建築壁面Wに埋設された状態で床Fの配線空間F1に導かれ、前記サイドユニット2に対応する部位において、この配線空間F1から外部空間に導出され、この外部空間から前記下部配線挿通口23aを通してサイドユニット2の共有空間2tに導かれている。また、図示しない電源に接続された電力系の配線類c2は、例えば前記床Fの配線空間F1から前記サイドユニット2の共有空間2t内に導かれ、この共有空間2t内を通して前記配線ダクト6内に案内されている。なお、前記電力系の配線類c2を、前記床Fの配線空間F1から前記端部脚体3内や前記中間脚体4内に導き、前記端部脚体3内又は中間脚体4内を通して前記配線ダクト6内に案内できるようにもなっている。
【0027】
以上に述べたテーブルTの一使用形態を以下に説明する。
【0028】
一次電源(AC100Vの電源)に接続された電源コードc1は、図3に示すように、前記サイドユニット2の共有空間2tを経て配線ダクト6内に導かれ、この配線ダクト6内に収容した図示しない電源コンセントに接続されている。また、前記サイドユニット2の機器類収納空間2sには、テレビ会議システムを構成するメイン機器や、AVシステムを構成するアンプやブルーレイディスク再生機等のAV機器や、これら機器類に接続されるスピーカー本体等が収納されている。また、天板1上には、各使用者が使用する図示しないノートPCや、テレビ会議に使用する図示しないマイクロフォン等が設置される。そして、前記各ノートPCや、マイクロフォンに接続された電源ケーブル(AC100V、DC給電)や通信ケーブル(HDMI(登録商標)、USB、有線LAN等)は、最も近い配線導出入部52xを通して配線ダクト6内に導かれ、この配線ダクト6内に配されたコンセントに接続されたり、この配線ダクト6に案内されて前記サイドユニット2の共有空間2t内に導かれている。例えば、マイクロフォンに接続された通信ケーブルは、配線ダクト6を通して共有空間2tに導かれ、この共有空間2tから前記中間配線挿通口24aを通して前記機器類収納空間2sに案内され、その機器収納空間内に収納されたテレビ会議システムを構成するメイン機器に接続されている。また、例えばノートPCに接続された、映像信号及び音声信号を伝えるためのHDMI(登録商標)ケーブル等の通信ケーブルc2は、最も近い配線導出入部52xを通して配線ダクト6内に導かれ、この配線ダクト6に案内されて前記サイドユニット2の共有空間2t内に導かれている。そして、この共有空間2t内の通信ケーブルc2は、図3に示すように、下部配線挿通口23aを通して床下の配線空間F1に導かれ、前記配線空間F1及び建築壁体W内に形成された配線通路を通してディスプレイDに接続されている。なお、前記HDMI(登録商標)等の通信ケーブルc2は、配線ダクト6内や共有空間2t内に配される図示しないコネクタを介して分断可能に連続させてある。さらに、例えば前記サイドユニット2の機器類収納空間2sに収納された前記テレビ会議システムを構成するメイン機器やAV機器等に接続された通信ケーブルc2は、中間配線挿通口24aを通して前記共有空間2tに導かれ、下部配線挿通口23aを通して床下の配線空間F1に導かれ、前記配線空間F1及び建築壁体W内に形成された配線通路を通してディスプレイDやカメラCに接続されている。
【0029】
このような構成のテーブルTであれば、天板本体5の下面側に配した配線ダクト6の一端を、前記サイドユニット2の外壁21に係り合わせているので、前記床Fの配線空間F1からの配線類c1、c2を、前記サイドユニット2の内部、より具体的には前記共有空間2tを経て前記配線ダクト6内に導くことができる。そのため、配線ダクト6とサイドユニット2との間の配線類c1、c2が露出することによって引き起こされる問題、すなわち、配線が足に引っ掛かるという問題や、来客会議室等の空間が乱雑なものになるという問題等を解消することができる。
【0030】
また、天板1の一端側を支持するサイドユニット2に床下への大容量配線を容易にした共有空間2tを設けている上に、天板本体5の下に配された配線ダクト6の一端を前記共有空間2tに連通させているので、配線類c1、c2を外部に露出させることなく共有空間2tに集中させ、その共有空間2tを介して配線類c1、c2を床下空間へ導くことができる。しかも、天板1にはその中間領域に前記配線ダクト6に連通する配線導出入部52xを設けているため、天板1上に露出する配線類c1、c2を必要最小限の長さに収めることができる。従って、この点からも、乱雑な配線の露出を有効に抑制することができる。
【0031】
さらに、前記共有空間2tを、前記サイドユニット2の底壁23に設けた下部配線挿通口23aを介して外部空間、より具体的には床下の配線空間F1に連通させているので、配線が床Fに散乱することを抑制できる。換言すれば、この点からも、配線が足に引っ掛かるという問題や、来客会議室等の空間が乱雑なものになるという問題等を解消することができる。
【0032】
加えて、前記天板1が、前記天板本体5と、この天板本体5の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクト6と、この配線ダクト6が取り付けられた前記天板本体5を下面側から支持する支持フレーム7とを備えたものであり、前記支持フレーム7の一端側を前記サイドユニット2に支持させるようにしているので、種々の形状や寸法等を有するサイドユニット2を交換して使用する態様に容易に対応することができる。また、前記配線ダクト6及び前記支持フレーム7は共通のものにしつつ、種々の形状や寸法を有する天板本体5を採用し、さらに複数の天板本体5を交換して使用する態様にも容易に対応することもできる。
【0033】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0034】
例えば、図6に示すようなサイドユニット2’を備えたテーブルT2が考えられる。このサイドユニット2’は、前述したサイドユニットに準じた構成をなすユニット本体2Aと、このユニット本体2Aの上部に設けられ、前記天板1の一端部を上から覆う上棚部2Bとを備えたものである。このような構成のものであれば、前記上棚部2Bにテレビ会議システム用のカメラやディスプレイを設置して使用することもできる。前記実施形態と同一又は準じた部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
加えて、図7に示すようなテーブルT3が考えられる。このテーブルT3は、1枚の板状部材からなる天板本体5’と、この天板本体5’の下面側に配された図示しない配線ダクトとを少なくとも有し前記天板本体5’の中央部に前記配線ダクトの内部空間に連通する配線導出入部52xが設けられた天板1’と、前述したサイドユニットに準じた構成をなすユニット本体2Aと、このユニット本体2Aの後方及び側方に配され該ユニット本体2Aの後半部、及びその上方の空間の側方及び後方を覆うパネル2Bと、前記天板1の他端側を支持する端部脚体3とを具備してなるものである。このような構成のものであっても、床下からの配線を前記ユニット本体2A内部の共有空間2tを経て前記配線ダクトに導くことにより天板1’下方や床上の配線が乱雑になることを抑制することができるとともに、(例えば上面板27に設けた排熱用のスリット27aから配線を上方に引き出し、)前記ユニット本体2Aの上方にテレビ会議システム用のカメラやディスプレイを設置して使用することもできる。前記実施形態と同一又は準じた部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
また、前記実施形態では、配線導出入部が天板本体の上面から下面に貫通する貫通窓状をなし、前記配線ダクトの内部空間に連通しているものであったが、必ずしもこのような構成に限定されるようなものではなく、例えば、天板本体の使用端下面における各使用者に対応し得る部位にそれぞれ開口させたものであってもよい。また、いずれの場合でも、配線導出入部は、配線を通過するような孔状のものに限らず、配線に接続されたコンセントを外部に表出させたものであってもよい。
【0037】
さらに、配線ダクトの構成も、前記実施形態のものに限られず、配線導出入部の形や位置に対応させて種々変形が可能である。すなわち、前記実施形態では、配線ダクトの一端をサイドユニットの外壁に設けた上部配線挿通口に直接接続した場合について説明したが、例えば、配線ダクトの一端を微小な隙間を介して前記上部配線挿通口に臨ませるようにしてもよい。この微小な隙間とは、配線ダクトから前記上部配線挿通口に向かう配線が外部から目立たない程度の隙間を意味している。あるいは、前記配線ダクトを、一端が前記サイドユニットの配線挿通口に隙間を介して臨むように取り付けられるダクト本体と、このダクト本体とは別体に構成され前記サイドユニットと前記ダクト本体との間の隙間を塞ぐ隙間閉塞カバーとを備えたものにしてもよい。ここで、前記ダクト本体及び隙間閉塞カバーの取り付け順序は、いずれが先であってもかまわない。
【0038】
また、前記サイドユニットの構成も、前記実施形態のものに限られず、種々変形が可能である。但し、前記実施形態のもののように、前記配線ダクトに対応する中央部分に前記共有空間を有し、この共有空間に前記機器類収納空間を隣設したものであり、前記機器類収納空間は中間配線挿通口を介して前記共有空間に連通させてある構成のものであれば、配線ダクト、共有空間及び機器類収納空間の間の配線を効率よく行うことができる。
【0039】
加えて、サイドユニットにおける機器類収納空間の開放端を閉塞する扉も、前記実施形態のものに限られない。但し、前記実施形態のもののように、多数の貫通孔を有するものを採用すれば、通気性を確保し機器類収納空間内に収納した機器類の排熱ないし冷却を効率的に行うことができるとともに、機器類収納空間内にスピーカーを配置することができる上に、機器類収納空間内に収納した機器類の動作状態を示すパイロットランプ等が外部から視認可能となる。
【0040】
そして、天板の構成も、上述した実施形態のような、天板本体と、この天板本体の下面における奥行方向中央部分に装着された前記配線ダクトと、この配線ダクトが取り付けられた前記天板本体を下面側から支持する支持フレームとを備えたものに限らず、例えば、天板本体と、この天板本体の下面に装着された配線ダクトとのみを備えたものとしてもよい。この場合、天板本体の一端側を前記サイドユニットに支持させるとよい。
【0041】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0042】
T…テーブル
1…天板
2…サイドユニット
2s…機器類収納空間
2t…共有空間
21、22…サイドユニットの外壁
23…サイドユニットの底壁
21a…上部配線挿通口
23a…下部配線挿通口
5…天板本体
5a…天板本体の一端
5b…天板本体の他端
52x…配線導出入部
6…配線ダクト
6a…配線ダクトの一端
6s…配線ダクトの内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7