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特許7135304電柱移設イメージ表示装置、電柱移設イメージ表示方法および電柱移設イメージ表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】電柱移設イメージ表示装置、電柱移設イメージ表示方法および電柱移設イメージ表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220906BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220906BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06T19/00 600
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017222613
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2019095890
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-10-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 智之
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-099689(JP,A)
【文献】特開平08-083334(JP,A)
【文献】特開2015-170018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得する情報取得部と、
移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得する電柱情報取得部と、
自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱情報取得部が取得した前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出する導出部と、
前記移設位置情報と、前記導出部が導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示する合成部と
を備える、電柱移設イメージ表示装置。
【請求項2】
前記導出部は、装置の動きに基づいて、前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像に該当する移設前の前記電柱の実際のサイズを導出する、請求項1に記載の電柱移設イメージ表示装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記装置の動きに基づいて、前記装置に生じる加速度を示す加速度情報と、角速度を示す角速度情報を取得し、
前記導出部は、前記情報取得部が取得した前記加速度情報と、前記角速度情報とに基づいて、前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像に該当する移設前の前記電柱の実際のサイズを導出する、請求項2に記載の電柱移設イメージ表示装置。
【請求項4】
前記導出部は、前記電柱情報取得部が取得した前記電柱サイズ情報に基づいて、前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の地上高と、埋設部分の長さとを導出する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電柱移設イメージ表示装置。
【請求項5】
表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得するステップと、
移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得するステップと、
自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出するステップと、
前記移設位置情報と、導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示するステップと
を有する、電柱移設イメージ表示装置が実行する電柱移設イメージ表示方法。
【請求項6】
コンピュータに、
表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得するステップと、
移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得するステップと、
自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出するステップと、
前記移設位置情報と、導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示するステップと
を実行させる、電柱移設イメージ表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電柱移設イメージ表示装置、電柱移設イメージ表示方法および電柱移設イメージ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電柱を移設する依頼を受け、移設する電柱が設置された現地で依頼者と立ち会った際に、電柱を移設した後のイメージ画像を要求されることが多い。依頼者には、建築業者や、地先住民が含まれる。建築業者は、建築物のオーナーや、地先住民に分かりやすく説明したいために、電柱を移設した後のイメージ画像を要求することが多い。地先住民は、電柱を移設した後に、どのように見えるかを知りたいために、電柱を移設した後のイメージ画像を要求することが多い。
この場合、電柱を移設する前の画像に、移設した後の電柱を直接書き込むことでイメージ画像を作成することが行われている。また、プレゼンテーションソフトウェアなどを使用して、電柱を移設する前の画像に、移設した後の電柱の画像を描くことによってイメージ画像を作成することが行われている。
【0003】
電柱を移設する技術に関して、インフラ設備の位置をアプリケーションの地図上で特定することができ、作業現場に向かう前に作業現場の様子を視覚的に確認することができる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-164655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した方法で、イメージ画像を作成する場合には、現地で依頼者と立ち会った後に、会社で、作成することになる。そして、作成したイメージ画像をメールに添付して、依頼者へ送信したり、現地で、依頼者へ提示したりすることになる。このため、依頼者から電柱を移設した後のイメージ画像を要求されてから、依頼者がそのイメージ画像を取得するまでの間に長い時間を要する。
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、依頼者から電柱を移設した後のイメージ画像を要求されてから、依頼者がそのイメージ画像を取得するまでの時間を短縮できる電柱移設イメージ表示装置、電柱移設イメージ表示方法および電柱移設イメージ表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、表示部と、前記表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得する情報取得部と、移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得する電柱情報取得部と、自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱情報取得部が取得した前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出する導出部と、前記移設位置情報と、前記導出部が導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示する合成部とを備える、電柱移設イメージ表示装置である。
本発明の一態様の電柱移設イメージ表示装置において、前記導出部は、装置の動きに基づいて、前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像に該当する移設前の前記電柱の実際のサイズを導出する。
本発明の一態様の電柱移設イメージ表示装置において、前記情報取得部は、前記装置の動きに基づいて、前記装置に生じる加速度を示す加速度情報と、角速度を示す角速度情報を取得し、前記導出部は、前記情報取得部が取得した前記加速度情報と、前記角速度情報とに基づいて、前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像に該当する移設前の前記電柱の実際のサイズを導出する
発明の一態様の電柱移設イメージ表示装置において、前記導出部は、前記電柱情報取得部が取得した前記電柱サイズ情報に基づいて、前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の地上高と、埋設部分の長さとを導出する
発明の一態様は、表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得するステップと、移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得するステップと、自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出するステップと、前記移設位置情報と、導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示するステップとを有する、電柱移設イメージ表示装置が実行する電柱移設イメージ表示方法である。
本発明の一態様は、コンピュータに、表示部に表示された移設前の電柱画像の表示画面での移設後の位置を示す情報である移設位置情報を取得するステップと、移設後の電柱の実際のサイズを示す情報である電柱サイズ情報を取得するステップと、自装置と前記表示部が表示する移設前の前記電柱画像の複数の特徴点の実際の位置との距離に基づいて移設前の電柱の実際のサイズを導出し、導出した移設前の前記電柱の実際の前記サイズと前記電柱サイズ情報と前記表示部に表示されている移設前の前記電柱画像のサイズとに基づいて、前記表示部に表示する移後の電柱画像のサイズを導出するステップと、前記移設位置情報と、導出した前記表示部に表示する移後の前記電柱画像の前記サイズとに基づいて、前記表示部に、移設後の前記電柱画像を合成して表示するステップとを実行させる、電柱移設イメージ表示プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、依頼者から電柱を移設した後のイメージ画像を要求されてから、依頼者がそのイメージ画像を取得するまでの時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態の電柱用マーカの一例を示す図である。
図3】第1の実施形態の支線用マーカの一例を示す図である。
図4】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置のメニューアイコンの一例を示す図である。
図6】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の電柱の切替えのメニューバーの一例を示す図である。
図7】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の支線切替えのメニューバーの一例を示す図である。
図8】第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の表示切替えのメニューバーの一例を示す図である。
図9】第1の施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示すブロック図である。
図12】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の導出部の処理の一例を示す図である。
図13】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その1)を示す図である。
図14】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その2)を示す図である。
図15】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その3)を示す図である。
図16】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その4)を示す図である。
図17】第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その5)を示す図である。
図18】第2の施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態の電柱移設イメージ表示装置、電柱移設イメージ表示方法および電柱移設イメージ表示プログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0010】
(第1の実施形態)
(電柱移設イメージ表示装置)
図1は、第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示す図である。図1の左図は、電柱移設イメージ表示装置100に、電柱および支線を移設する前の画像が表示されている様子を示す。図1の右図は、電柱および支線を移設する前の画像に加え、その電柱およびその支線を移設した後のイメージ画像が表示されている様子を示す。
電柱移設イメージ表示装置100は、拡張現実(Augmented Reality: AR)技術を使用して、電柱200を移設した後のイメージ画像を提示する。例えば、電柱200を移設する依頼を受け、移設する電柱200が設置された現地で依頼者と立ち会った際に、電柱移設イメージ表示装置100は、電柱200を移設した後のイメージ画像を、その現場で、依頼者へ提示する。本実施形態では、一例として、マーカ型ビジョンベース方式の拡張現実技術が用いられる。マーカ型ビジョンベース方式の拡張現実技術とは、画像認識技術、空間認識技術などを応用して、予め登録された図形を認識することによって、情報提示を行うことをいう。
電柱移設イメージ表示装置100に、電柱200を移設した後のイメージ画像を表示するには、スマートフォンなどの端末装置に、電柱移設イメージ表示アプリをインストールする。そして、電柱200を移設する位置に電柱用マーカ230を置く。また、電柱移設イメージ表示装置100に、支線300を移設した後のイメージ画像を表示するには、支線300を移設する位置に支線用マーカ250を置くとともに、支線300を施設する電柱の位置に電柱用マーカ230を置く。
【0011】
図1の左図によれば、移設対象である電柱200を移設させたい位置へ電柱用マーカ230が置かれる。ここで、電柱用マーカ230が置かれる位置は、電柱の根元部分である。また、移設対象である支線300を移設させたい位置へ支線用マーカ250が設置される。ここで、支線用マーカ250が置かれる位置は、支線の根元部分である。図1に示される例では、電柱用マーカ230が置かれた位置に電柱があるとして、支線を移設した後のイメージ画像が表示される。
ユーザは、電柱移設イメージ表示装置100を操作することによって、電柱移設イメージ表示装置100に、電柱200および支線300を移設する前の画像に、電柱200および支線300を移設した後のイメージ画像を表示させる。
図1の右図によれば、電柱用マーカ230が置かれた位置に電柱のイメージ画像240が表示される。電柱用マーカ230が置かれた位置から上方向に伸びる電柱のイメージ画像240が表示される。また、支線用マーカ250が置かれた位置に支線のイメージ画像260が表示される。支線用マーカ250が置かれた位置から斜め上の方向に伸びる支線のイメージ画像260が表示される。さらに、図1の右図には、メニューアイコン110などが示されているが、これらについては、後述する。電柱用マーカ230、支線用マーカ250について説明する。
【0012】
(電柱用マーカ)
図2は、第1の実施形態の電柱用マーカの一例を示す図である。図2の(a)は、電柱用マーカ230の立面図を示す。
電柱用マーカ230は、角柱状、円柱状、錐体(円錐台、角錐台)状などの立体の形状を有する。円柱状や、円錐台状の形状を有することによって、電柱用マーカ230に描かれた図形を、360度の全方向から検出できる。このため、電柱移設イメージ表示装置100が、電柱用マーカ230に描かれた図形を、遠方から検出し易くできる。また、仮に、電柱用マーカをカード状にした場合には電柱用マーカ230に描かれた図形を、電柱移設イメージ表示装置100の方向に向ける必要があるが、このようなことをする必要がないため、電柱用マーカ230を置く自由度を向上させることができる。以下、一例として、電柱用マーカ230が円柱状である場合について、説明を続ける。
電柱用マーカ230の高さH1は、20cm以上且つ40cm以下の範囲で適宜設定すればよく、典型的には25cm以上かつ35cm以下とすればよい。
電柱用マーカ230の上面と下面の直径D1(幅)は、15cm以上且つ40cm以下の範囲で適宜設定すればよく、典型的には20cm以上かつ30cm以下とすればよい。
【0013】
電柱用マーカ230の側面235には、AR(Augmented Reality: 拡張現実)マーカ234が描かれている。ARマーカ234には、電柱用であることを指定する図形(以下、「電柱用指定図形232」という)が含まれる。電柱用指定図形232は、適宜設定可能である。電柱用指定図形232は、電柱移設イメージ表示装置100による認識精度が所定の閾値以上となるものが選択される。図2に示される例では、多種多様で、角の多い、明暗のはっきりした図形が選択され、選択された図形が描かれている。図2に示される例では、明暗をはっきりさせるために、電柱用指定図形232が黒で、背景が白の二色で示されている。
また、ARマーカ234には、側面235において、円周に沿って、一又は複数のライン(線)が描かれている。図2に示される例では、ARマーカ234には、電柱用指定図形232の上下に平行に、ライン(線)が描かれている。以下、側面235において、円周に沿って描かれた線のうち、上側の線を上ライン231、下側の線を下ライン233という。上ライン231および下ライン233は、電柱移設イメージ表示装置100が、その上ライン231と下ライン233との間に描かれている電柱用指定図形232の検出精度を向上させるために使用される。電柱用指定図形232の上下に、上ライン231と下ライン233とが描かれることによって、上ライン231と下ライン233とが描かれない場合よりも、電柱移設イメージ表示装置100が、電柱用指定図形232を検出する精度を向上させることができる。
【0014】
電柱用マーカ230の側面235は、反射率が所定の閾値以下である材質によって構成される。ここで、閾値は、電柱移設イメージ表示装置100による電柱用指定図形232の認識精度が所定の閾値以上となるように予め設定されている。太陽光の反射を抑える観点からは、反射率が低い方が好ましい。具体的には、電柱用マーカ230の側面235は、つや消しラミネートフィルムによって構成される。このように構成することによって、電柱用マーカ230の側面235が太陽光によって反射するのを低減できるため、電柱移設イメージ表示装置100が、ARマーカ234を誤認識することを低減できる。さらに、雨が降った場合でも、電柱用マーカ230の側面235に描かれたARマーカ234が消えることがないため、雨天の場合でも使用できる。
また、ARマーカ234は、白色光(太陽光)の補色で、電柱用マーカ230の側面235に描かれる。このように、ARマーカ234を、太陽光の補色と、背景の白色との二色で構成することによって、太陽が出ている屋外で、ARマーカ234の視認性を向上させることができる。このため、電柱移設イメージ表示装置100が、ARマーカ234を誤認識することを低減できる。
【0015】
図2(b)は、電柱用マーカ230の展開図の一例を示す。電柱用マーカ230は、側面235と、上面部分236と、下面部分237とに展開できる。上面部分236は、必ずしもなくてもよい。以下、一例として、上面部分236がある場合について説明を続ける。
側面235の長手方向の両端部分が接続され、上面部分236の「A」で示される部分が側面235の「A」で示される部分に取り付けられ、下面部分237の「B」で示される部分が側面235の「B」の部分に取り付けられることによって、電柱用マーカ230が作成される。このように構成することによって、電柱用マーカ230を、折り畳み可能にできる。電柱用マーカ230を、折り畳み可能にできることによって、移設する電柱がある現地への持ち運びを容易にできる。
さらに、下面部分237には、重り238を取り付けることができるようにしてもよい。重り238を取り付けることができるように構成することによって、電柱用マーカ230を、電柱を移設する位置に置いた場合に、風が吹いたとしても飛ばないようにできる。
【0016】
(支線用マーカ)
図3は、第1の実施形態の支線用マーカの一例を示す図である。図3の(a)は、支線用マーカ250の立面図を示す。
支線用マーカ250は、角柱状、円柱状、錐体(円錐台、角錐台)状などの立体の形状を有する。円柱状や、円錐台状の形状を有することによって、支線用マーカ250に描かれた図形を、360度の全方向から認識できる。このため、電柱移設イメージ表示装置100が、支線用マーカ250に描かれた図形を、遠方から認識し易くできる。また、仮に、支線用マーカをカード状にした場合には支線用マーカ250に描かれた図形を、電柱移設イメージ表示装置100の方向に向ける必要があるが、このようなことをする必要がないため、支線用マーカ250を置く自由度を向上させることができる。以下、一例として、電柱用マーカ230が円柱状である場合について、説明を続ける。
支線用マーカ250の高さH2は、20cm以上且つ40cm以下の範囲で適宜設定すればよく、典型的には25cm以上かつ35cm以下とすればよい。
支線用マーカ250の上面と下面の直径D2(幅)は、15cm以上且つ40cm以下の範囲で適宜設定すればよく、典型的には20cm以上かつ30cm以下とすればよい。
【0017】
支線用マーカ250の側面255には、ARマーカ254が描かれている。ARマーカ254には、支線用であることを指定する図形(以下、「支線用指定図形252」という)が含まれる。支線用指定図形252は、適宜設定可能である。支線用指定図形252は、電柱移設イメージ表示装置100による認識精度が所定の閾値以上となるものが選択される。図3に示される例では、電柱用指定図形232と異なる図形で、多種多様で、角の多い、明暗のはっきりした図形が選択され、選択された図形が描かれている。図3に示される例では、明暗をはっきりさせるために、支線用指定図形252が黒で、背景が白の二色で示されている。
また、ARマーカ254には、側面255において、円周に沿って、一又は複数のライン(線)が描かれている。図3に示される例では、ARマーカ254には、支線用指定図形252の上下に平行に、ライン(線)が描かれている。以下、側面255において、円周に沿って描かれた線のうち、上側の線を上ライン251、下側の線を下ライン253という。上ライン251および下ライン253は、電柱移設イメージ表示装置100が、その上ライン251と下ライン253との間に描かれている支線用指定図形252の検出精度を向上させるために使用される。支線用指定図形252の上下に、上ライン251と下ライン253とが描かれることによって、上ライン251と下ライン253とが描かれない場合よりも、電柱移設イメージ表示装置100が、支線用指定図形252を検出する精度を向上させることができる。
支線用マーカ250の側面255は、反射率が所定の閾値以下である材質によって構成される。ここで、閾値は、電柱移設イメージ表示装置100による支線用指定図形252の認識精度が所定の閾値以上となるように設定されている。太陽光の反射を抑える観点からは、反射率が低い方が好ましい。具体的には、支線用マーカ250の側面255は、つや消しラミネートフィルムによって構成される。このように構成することによって、支線用マーカ250の側面255が太陽光によって反射するのを低減できるため、電柱移設イメージ表示装置100が、ARマーカ254を誤認識することを低減できる。さらに、雨が降った場合でも、電柱用マーカ230の側面255に描かれたARマーカ254が消えることがないため、雨天の場合でも使用できる。
【0018】
また、ARマーカ254は、白色光(太陽光)の補色で、支線用マーカ250の側面255に描かれる。このように、ARマーカ254を、太陽光の補色と、背景の白色との二色で構成することによって、太陽が出ている屋外で、ARマーカ254の視認性を向上させることができる。このため、電柱移設イメージ表示装置100が、ARマーカ254を誤認識することを低減できる。
【0019】
図3(b)は、支線用マーカ250の展開図の一例を示す。支線用マーカ250は、側面255と、上面部分256と、下面部分257とに展開できる。上面部分256は、必ずしもなくてもよい。以下、一例として、上面部分256がある場合について説明を続ける。
側面255の長手方向の両端部分が接続され、上面部分256の「A」で示される部分が側面255の「A」で示される部分に取り付けられ、下面部分257の「B」で示される部分が側面255の「B」の部分に取り付けられることによって、支線用マーカ250が作成される。このように構成することによって、支線用マーカ250を、折り畳み可能にできる。支線用マーカ250を、折り畳み可能にできることによって、移設する支線がある現地への持ち運びを容易にできる。
さらに、下面部分257には、重り258を取り付けることができるようにしてもよい。重り258を取り付けることができるように構成することによって、支線用マーカ250を、支線を移設する位置に置いた場合に、風が吹いたとしても飛ばないようにできる。
【0020】
(電柱移設イメージ表示装置)
図4は、第1の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示すブロック図である。電柱移設イメージ表示装置100の一例は、電柱移設イメージ表示アプリをインストールしたスマートフォンなどの端末装置である。
電柱移設イメージ表示装置100は、例えば、通信部102と、記憶部120と、情報処理部130と、表示部140と、操作部150と、撮像部160と、GNSS受信部170とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークを経由して、他の端末装置と通信を行う。例えば、電柱を移設した後のイメージ画像を、依頼者の端末装置へ送信する。
【0021】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120の一部または全部は、電柱移設イメージ表示装置100の一部として設けられる場合に代えて、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバなど、電柱移設イメージ表示装置100のプロセッサがネットワークを介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部120には、情報処理部130により実行されるプログラム122と、電柱移設イメージ表示アプリなどのアプリ124とが記憶される。
また、記憶部120は、電柱用指定図形232と、支線用指定図形252とを記憶する。また、記憶部120は、電柱用マーカ230の高さ、電柱用マーカ230の上面と下面との直径などの電柱用マーカ230のサイズを記憶する。また、記憶部120は、支線用マーカ250の高さ、支線用マーカ250の上面と下面との直径などの支線用マーカ250のサイズを記憶する。
【0022】
操作部150は、例えば、タッチパネルによって構成され、表示部140に表示されるメニューアイコンなどに対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理部130へ出力する。タッチ操作には、電柱の移設イメージを表示する処理を開始する操作などが含まれる。メニューアイコンの詳細については後述する。
GNSS受信部170は、全球測位衛星システム(GNSS (Global Navigation Satellite System)などによって実現される。GNSS受信部170は、情報処理部130からの測位命令に応じて、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)などの航法衛星によって送信された航法信号を受信し、該航法信号を復調する。そして、GNSS受信部170は、復調した航法信号に基づいて、所定の測位演算を行うことによって電柱移設イメージ表示装置100の測位を行うことによって位置情報を得る。GNSS受信部170は、位置情報を、情報処理部130へ出力する。
【0023】
情報処理部130の全部または一部は、例えば、CPUのようなプロセッサが記憶部120に記憶されたプログラム122や、アプリ124を実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。
なお、情報処理部130の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130は、例えば、検出部132と、判定部133と、電柱情報取得部134と、支線情報取得部135と、導出部136と、位置情報取得部137と、合成部138とを備える。
【0024】
検出部132は、ユーザが操作部150へ、電柱の移設イメージを表示する処理を開始する操作を行った場合に、撮像部160を起動し、起動した撮像部160が撮像する画像から、記憶部120に記憶されている電柱用指定図形232と支線用指定図形252とのいずれか一方又は両方を検出する。検出部132は、検出した電柱用指定図形232と支線用指定図形252とのいずれか一方又は両方を示す画像情報を、判定部133と、電柱情報取得部134と、導出部136とへ出力する。
判定部133は、検出部132が出力した画像情報を取得する。判定部133は、取得した画像を認識し、記憶部120に記憶されている電柱用指定図形232と支線用指定図形252とに基づいて、取得した画像が、電柱用指定図形232であるか、支線用指定図形252であるかを判定する。判定部133は、電柱用指定図形232であると判定した場合、電柱情報取得部134へ、電柱用指定図形232が認識されたことを示す情報を出力する。また、判定部133は、支線用指定図形252であると判定した場合、支線情報取得部135へ、支線用指定図形252が認識されたことを示す情報を出力する。
【0025】
電柱情報取得部134は、判定部133が出力した電柱用指定図形232が認識されたことを示す情報を取得した場合、ユーザが操作部150を操作することによって出力される電柱の種類を示す情報を取得する。ここで、電柱の種類を示す情報には、電柱のサイズを示す情報が含まれる。本実施例では、電柱のサイズを示す情報の一例として、電柱の長さと直径の長さとを示す情報を適用する場合について説明を続ける。電柱情報取得部134は、取得した電柱の長さと直径とを示す情報を、導出部136へ出力する。
【0026】
支線情報取得部135は、判定部133が出力した支線用指定図形252が認識されたことを示す情報を取得した場合、ユーザが操作部150を操作することによって出力される地支線を表示するか、弓支線を表示するかを示す情報を取得する。支線情報取得部135は、取得した地支線を表示するか、弓支線を表示するかを示す情報を、導出部136へ出力する。
【0027】
導出部136は、判定部133が出力した電柱用指定図形232が認識されたことを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の位置p1と高さh1と上面の直径d1とを導出する。そして、導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の高さh1と上面の直径d1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1と上面の直径D1とに基づいて、表示部140に表示する電柱のイメージ画像の長さ、直径などを導出する。
具体的には、導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の高さh1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1との比を求める。そして、導出部136は、電柱情報取得部134が出力した電柱の長さを示す情報に基づいて、その電柱の長さに(h1/H1)を乗算することによって、表示部140に表示する電柱の長さを求める。電柱の長さに応じて、地上部分の長さと、埋設部分の長さとは予め規定されている。導出部136は、表示部140に表示する地上部分の電柱の長さと、埋設部分の電柱の長さとを求める。また、導出部136は、表示されている電柱用マーカ230の直径d1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の直径D1との比を求める。そして、導出部136は、電柱情報取得部134が出力した電柱の直径を示す情報に基づいて、その電柱の直径に(d1/D1)を乗算することによって、表示部140に表示する電柱の直径の長さを求める。導出部136は、導出した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報とを、合成部138へ出力する。
【0028】
導出部136は、判定部133が出力した支線用指定図形252が認識されたことを示す情報を取得し、且つ支線情報取得部135から地支線を表示することを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。
導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の位置p1と高さh1と上面の直径d1とを導出する。さらに、導出部136は、表示部140に表示されている支線用マーカ250の位置p2と高さh2と上面の直径d2とを導出する。そして、導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の高さh1と上面の直径d1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1と上面の直径D1とに基づいて、表示部140に表示する電柱における支線の高さ(位置)を導出する。
具体的には、導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の高さh1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1との比を求める。電柱における支線の実際の高さ(位置)は規定されている。導出部136は、電柱における支線の実際の高さに(h1/H1)を乗算することによって、表示部140に表示する電柱における支線の高さを求める。導出部136は、導出した表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報と、支線用マーカ250の位置p2を示す情報とを、合成部138へ出力する。
【0029】
導出部136は、判定部133が出力した支線用指定図形252が認識されたことを示す情報を取得し、且つ支線情報取得部135から弓支線を表示することを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。
導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の位置p1と高さh1と上面の直径d1とを導出する。さらに、導出部136は、表示部140に表示されている支線用マーカ250の位置p2と高さh2と上面の直径d2とを導出する。そして、導出部136は、位置p1と位置p2とに基づいて、表示部140に表示されている電柱用マーカ230と、支線用マーカ250との間の距離を導出する。そして、導出部136は、表示部140に表示されている支線用マーカ250の高さh2と上面の直径d2と、記憶部120に記憶されている支線用マーカ250の高さH2と上面の直径D2とに基づいて、表示部140に表示されている電柱用マーカ230と、支線用マーカ250との間の実際の距離を導出する。
【0030】
具体的には、導出部136は、表示されている支線用マーカ250の直径d2と、記憶部120に記憶されている支線用マーカ250の直径D2との比を求める。導出部136は、表示されている電柱用マーカ230の直径d1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の直径D1との比を求める。そして、導出部136は、求めた比を使用して、表示部140に表示されている電柱用マーカ230と、支線用マーカ250との間の距離に、例えば(D1/d1+D2/d2)/2を乗算することによって、電柱用マーカ230と、支線用マーカ250との間の実際の距離を導出する。
電柱用マーカと支線用マーカとの間の実際の距離と弓支線のアームサイズとは、予め関連付けられている。導出部136は、導出した電柱用マーカ230と、支線用マーカ250との間の実際の距離に基づいて、弓支線のアームサイズを導出する。そして、導出部136は、求めた比を使用して、導出した弓支線のアームサイズに、例えば(d1/D1+d2/D2)/2を乗算することによって、表示部140に表示する弓支線のアームサイズを導出する。
【0031】
さらに、導出部136は、表示部140に表示されている電柱用マーカ230の高さh1と上面の直径d1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1と上面の直径D1とに基づいて、表示部140に表示する電柱における支線の高さ(位置)を導出する。具体的には、導出部136は、表示されている電柱用マーカ230の高さh1と、記憶部120に記憶されている電柱用マーカ230の高さH1との比を求める。電柱における支線の実際の高さ(位置)は規定されている。導出部136は、求めた比を使用して、電柱における支線の実際の高さに(h1/H1)を乗算することによって、表示部140に表示する電柱における支線の高さを求める。導出部136は、導出した表示部140に表示する弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報とを、合成部138へ出力する。
【0032】
位置情報取得部137は、操作部150が出力したシャッタが押されたことを示す情報を取得し、取得したシャッタが押されたことを示す情報に基づいて、GNSS受信部170へ、測位命令を出力する。位置情報取得部137は、GNSS受信部170が出力した電柱移設イメージ表示装置100の位置情報(経度情報、緯度情報)を取得し、取得した位置情報(経度情報、緯度情報)に基づいて、住所情報を取得する。具体的には、位置情報取得部137は、通信部102から、インターネットなどのネットワーク(図示なし)に接続されたサーバ(図示なし)へアクセスする。ここで、サーバは、位置情報(経度情報、緯度情報)から、その位置情報(経度情報、緯度情報)に対応する住所情報を取得する。位置情報取得部137は、通信部102から、位置情報(経度情報、緯度情報)を、サーバへ送信し、そのサーバは送信したその位置情報(経度情報、緯度情報)に対応する住所情報を、通信部102から取得する。位置情報取得部137は、取得した住所情報を、合成部138へ出力する。
【0033】
合成部138は、導出部136が出力した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱用マーカ230が置かれた地表の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像を合成する。さらに、合成部138は、位置情報取得部137が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱のイメージ画像を合成するとともに、住所情報を合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
合成部138は、導出部136が出力した電柱における支線の高さを示す情報と、支線用マーカ250の位置p2を示す情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱用マーカ230が置かれた位置の地表を起点として、支線の高さを示す情報に該当する位置と、支線用マーカ250の位置p2に置かれた支線用マーカ250とを接続することによって、支線のイメージ画像を合成する。さらに、合成部138は、位置情報取得部137が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、支線のイメージ画像を合成するとともに、住所情報を合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
合成部138は、導出部136が出力した表示部140に表示する弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱用マーカ230が置かれた位置を起点として、支線の高さを示す情報に該当する位置から水平に弓支線のアームサイズを示す情報に該当する長さの弓支線のイメージ画像を表示する。さらに、弓支線において、支線の高さを示す位置に該当する位置とは反対側の位置と支線用マーカ250とを接続することによって、支線のイメージ画像を表示する。さらに、合成部138は、位置情報取得部137が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、弓支線のイメージ画像と支線のイメージ画像とを合成するとともに、住所情報を合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
【0034】
表示部140は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイによって実現され、CPUの制御に応じて各種情報を表示する。表示部140は、合成部138が出力した画像を表示する。
撮像部160は、CCD(Charge Coupled Devices)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどによって構成され、電柱移設イメージ表示装置100の筐体に固定される。撮像部160は、直接若しくはハーフミラーなどを用いて、撮像することによって得られる画像データを情報処理部130へ出力する。
【0035】
(メニューアイコン)
メニューアイコンの詳細について説明する。
図5は、メニューアイコンの一例を示す図である。メニューアイコンの一例は、表示部140の表示画面の上側に表示されている。さらに、図5には、表示部140の下側にシャッタボタン115が表示されている。
図5に示される例では、メニューアイコンは、メニューアイコン110と、電柱切替えボタン111と、支線切替えボタン112と、表示切替えボタン113と、保存ホルダ起動ボタン114とを含む。
メニューアイコン110が押されることによって、メニューバーの切替えが行われる。
電柱切替えボタン111が押されることによって、表示する電柱の長尺の切替えが行われる。
【0036】
図6は、電柱の切替えのメニューバーの一例を示す図である。図6の上側はメニューバーを示し、図6の下側は電柱サイズの選択ボタンを示す。
ユーザが電柱切替えボタン111を押すことによって、電柱サイズの選択ボタンが表示される。電柱サイズの選択ボタンには、電柱の高さが表示された複数のボタンが含まれる。図6に示される例では、「6.9」が表示された6.9メートルの電柱の電柱選択ボタン111aと、「10」が表示された10メートルの電柱の電柱選択ボタン111bと、「12」が表示された12メートルの電柱の電柱選択ボタン111cと、「14」が表示された14メートルの電柱の電柱選択ボタン111dと、「15」が表示された15メートルの電柱の電柱選択ボタン111eと、「16」が表示された16メートルの電柱の電柱選択ボタン111fとが含まれる。図6に示される例では、電柱選択ボタン111dが押されることによって、電柱選択ボタン111a-111c、111e-111fとは異なる表示となっている場合を示している。
【0037】
支線切替えボタン112が押されることによって、表示方法が切替えられる。
図7は、支線切替えのメニューバーの一例を示す図である。図7の上側はメニューバーを示し、図7の下側は支線の選択ボタンを示す。
ユーザが支線切替えボタン112を押すことによって、支線切替えボタン112が押されたことが分かるように表示が変わり、支線の選択ボタンが表示される。支線の選択ボタンには、支線の種類を示す複数のボタンが含まれる。図7に示される例では、「地支線」を示す支線選択ボタン112aと、「弓支線」を示す支線選択ボタン112bとが含まれる。
【0038】
表示切替えボタン113が押されることによって、表示方法が切替えられる。
図8は、表示切替えのメニューバーの一例を示す図である。図8の上側はメニューバーを示し、図8の下側は表示方法の選択ボタンを示す。
ユーザが表示切替えボタン113を押すことによって、表示切替えボタン113が押されたことが分かるように表示が変わり、表示方法の選択ボタンが表示される。表示方法の選択ボタンには、表示方法を示す複数のボタンが含まれる。図8に示される例では、「地上高」を表示する地上高表示選択ボタン113aと、「根入れ部分」を表示する根入れ部分表示選択ボタン113bと、「電柱」を非表示にする電柱非表示選択ボタン113cとが含まれる。
【0039】
地上高表示選択ボタン113aが押されることによって、移設した後の電柱のイメージ画像に、地上高が合成して表示される。
根入れ部分表示選択ボタン113bが押されることによって、移設した後の電柱の埋設部分を含むイメージ画像が表示される。このように構成することによって、どの程度、電柱が地中に埋まっているのかを説明するのに利用できる。電柱非表示選択ボタン113cが押されることによって、移設した後の電柱のイメージを非表示にできる。このように構成することによって、地支線を移設する際に利用できる。
保存ホルダ起動ボタン114が押されることによって、イメージを保存している保存フィルタが起動する。このように構成することによって、今まで保存したイメージの閲覧及びPCへの保存などを行うことができる。
シャッタボタン115が押されることによって、位置情報取得部137は、GNSS受信部170が出力した電柱移設イメージ表示装置100の位置情報(経度情報、緯度情報)を取得し、取得した位置情報(経度情報、緯度情報)に基づいて、住所情報を取得する。合成部138は、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱のイメージ画像、支線のイメージ画像、又は弓支線のイメージ画像と支線のイメージ画像を合成する。合成部138は、電柱のイメージ画像、支線のイメージ画像、又は弓支線のイメージ画像と支線のイメージ画像を合成した画像に、位置情報取得部137が出力した住所情報を合成する。表示部140は、電柱のイメージ画像、支線のイメージ画像、又は弓支線のイメージ画像と支線のイメージ画像を合成した画像に、住所情報を合成した画像を表示する。撮像部160は、表示部140に表示されている画像を撮像する。撮像部160は、撮像した画像の画像情報を保存フィルタへ記憶する。
【0040】
(電柱移設イメージ表示装置の動作)
図9は、実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101) 電柱移設イメージ表示装置100の検出部132は、ユーザが操作部150へ、電柱200の移設のイメージ画像を表示する処理を開始する操作を行った場合に、撮像部160を起動し、起動した撮像部160が撮像した画像から、電柱用指定図形232と支線用指定図形252とのいずれか一方又は両方を検出する。
(ステップS102) 電柱移設イメージ表示装置100の判定部133は、検出部132が検出した電柱用指定図形232と支線用指定図形252とのいずれか一方又は両方が、電柱用指定図形232であるか、支線用指定図形252であるかを判定する。
(ステップS103) 電柱移設イメージ表示装置100の電柱情報取得部134は、判定部133が、電柱用指定図形232であると判定した場合、電柱情報を取得し、取得した電柱情報を、導出部136へ出力する。
(ステップS104) 電柱移設イメージ表示装置100の導出部136は、地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、上面の直径を示す情報とを導出する。
【0041】
(ステップS105) 電柱移設イメージ表示装置100の合成部138は、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱用マーカ230が置かれた位置の地表を起点として、直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する長さの電柱のイメージ画像を合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138が出力した画像を表示する。
(ステップS106) 電柱移設イメージ表示装置100の支線情報取得部135は、判定部133が、支線用指定図形252であると判定した場合、支線情報を取得し、取得した支線情報を、導出部136へ出力する。
(ステップS107) 電柱移設イメージ表示装置100の導出部136は、地支線を表示することを示す情報を取得したか、弓支線を表示することを示す情報を取得したかを判定する。
(ステップS108) 電柱移設イメージ表示装置100の導出部136は、地支線を表示することを示す情報を取得した場合、電柱における支線の高さを示す情報を導出する。
(ステップS109) 電柱移設イメージ表示装置100の合成部138は、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱用マーカ230が置かれた位置の地表を起点として、支線の高さを示す情報に該当する位置と、支線用マーカ250とを接続することによって、支線のイメージ画像を合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138が出力した画像を表示する。
(ステップS110) 電柱移設イメージ表示装置100の導出部136は、弓支線を表示することを示す情報を取得した場合、弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報とを導出する。
(ステップS111) 電柱移設イメージ表示装置100の合成部138は、電柱および支線を移設する前の画像に、弓支線のイメージ画像と、支線のイメージ画像とを合成する。合成部138は、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138が出力した画像を表示する。
【0042】
前述した第1の実施形態の拡張現実表示用マーカによれば、マーカ型ビジョンベース方式の拡張現実技術に用いられる拡張現実表示用マーカであって、予め登録される複数の図形が描かれたマーク面を備え、マーク面は、所定の閾値以下の反射率を有し、複数の図形は、太陽光の補色で描かれるマーカと、マーカに描かれたラインとを含む。このように構成することによって、太陽光が当たる場所であっても、ARマーカの認識精度を向上させることができる。また、遠方からの認識精度を向上させることができる。
また、拡張現実表示用マーカは、立体の形状を有し、マーク面は、立体の側面を構成する。このように構成することによって、撮像位置の自由度を向上させることができる。
また、拡張現実表示用マーカは、20cm以上且つ40cm以下の高さを有する。このように構成することによって、15m-20mの遠方からの認識精度を向上させることができる。
また、拡張現実表示用マーカの幅は、15cm以上且つ40cm以下である。このように構成することによって、15m-20mの遠方からの認識精度を向上させることができる。
また、拡張現実表示用マーカには、重りが取り付けられている。このように構成することによって、風により飛ばされにくくできる。
また、マーク面と、下面とが展開可能に構成される。このように構成することによって、持ち運びを便利にできる。
また、マーク面は、防水加工がされている。このように構成することによって、雨天時の耐候性を向上させることができる。
【0043】
前述した実施形態の電柱移設イメージ表示装置によれば、電柱移設イメージ表示装置は、電柱の移設位置に設置されたマーカを検出する検出部と、移設する電柱の種類を示す情報を取得する電柱情報取得部と、検出部が検出したマーカに基づいて、移設する電柱の位置を導出し、マーカと電柱情報取得部が取得した電柱の種類を示す情報とに基づいて、移設する電柱のサイズを導出する導出部と、導出部が導出した電柱の位置とサイズとに基づいて、撮像部が表示している画面に、移設する前記電柱の画像を合成して表示する表示部とを備える。このように、電柱の種類を示す情報とマーカとに基づいて、表示している画面に、移設する電柱の画像を合成することによって、拡張現実技術を使用して、電柱の移設の現場で、電柱を移設する前の画像に、その電柱を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
【0044】
また、検出部が検出したマーカの種類を判定する判定部を備え、導出部は、判定部がマーカの種類が電柱用マーカであると判定した場合に、マーカに基づいて、移設する電柱の位置を導出し、マーカと電柱の種類を示す情報とに基づいて、移設する電柱のサイズを導出する。このように構成することによって、マーカの種類に応じて、電柱を移設する前の画像に、その電柱を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
また、導出部は、電柱情報取得部が取得した電柱の種類を示す情報に基づいて、移設する電柱の地上高と、埋設部分の長さとを導出する。このように構成することによって、移設する電柱の地上高に加えて、埋設部分の長さを導出できる。
【0045】
また、移設する支線の種類を示す情報を取得する支線情報取得部を備え、導出部は、判定部がマーカの種類が支線用マーカであると判定した場合に、マーカに基づいて、移設する支線の位置を導出し、支線の種類を示す情報に基づいて、移設する支線が地支線であるか弓支線であるかを導出する。このように、支線の種類を示す情報とマーカとに基づいて、表示している画面に、移設する支線の画像を合成することによって、拡張現実技術を使用して、支線の移設の現場で、支線を移設する前の画像に、その支線を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
また、導出部は、弓支線を移設する場合に、電柱用マーカと、支線用マーカの設置距離に応じて、弓支線のアームのサイズを導出する。このように構成することによって、拡張現実技術を使用して、弓支線の移設の現場で、弓支線を移設する前の画像に、その弓支線を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
【0046】
(第2の実施形態)
(電柱移設イメージ表示装置)
図10は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示す図である。図10の左図は、電柱移設イメージ表示装置100aに、電柱および支線を移設する前の画像が表示されている様子を示す。図10の右図は、電柱および支線を移設する前の画像に、その電柱およびその支線を移設した後のイメージ画像が表示されている様子を示す。
電柱移設イメージ表示装置100aは、拡張現実技術を使用して、電柱200を移設した後のイメージ画像を表示する。例えば、電柱200を移設する依頼を受け、移設する電柱200が設置された現地で依頼者と立ち会った際に、電柱移設イメージ表示装置100aは、その現場で、電柱200を移設した後のイメージ画像を、依頼者へ提示する。本実施形態では、一例として、マーカ型ビジョンベース方式の拡張現実技術が用いられる。
【0047】
電柱移設イメージ表示装置100aに、電柱200を移設した後のイメージ画像や、支線300を移設した後のイメージ画像を表示するには、スマートフォンなどの端末装置に、電柱移設イメージ表示アプリをインストールし、インストールした電柱移設イメージ表示アプリを起動させる。そして、電柱移設イメージ表示アプリが起動している端末装置を上下および左右のいずれか一方又は両方にシェイクさせる。
電柱移設イメージ表示装置100aは、撮像部を備える。撮像部の詳細については、後述する。電柱移設イメージ表示装置100aは、その撮像部が取得する画像に含まれる特徴点(FP)を認識する。ここで、特徴点とは、画像上の点のうち、検出できる点をいう。具体的には、特徴点は、強度が極大又は極小の点、曲線の終点、曲率が極大である曲線上の点などの孤立した点である。電柱移設イメージ表示装置100aは、シェイクによって生じる特徴点のずれ量を取得し、取得した特徴点のずれ量とシェイクすることによって電柱移設イメージ表示装置100aに生じる加速度の情報と、角速度の情報とを分析する。電柱移設イメージ表示装置100aは、分析結果に基づいて、地面などの平面を認識するとともに、特徴点の集合によって形成される対象物のサイズを把握する。ここで、対象物には、電柱200や、支線300が含まれる。
【0048】
ユーザは、図10の左図に示される電柱移設イメージ表示装置100aの表示画面において、電柱200を移設させたい位置や、支線300を移設させたい位置を、ペン先や、指先で突く動作(タップ)を行う。ここで、タップが行われる位置は、移設させたい電柱の移設先の根元部分や、移設させたい支線の移設先の根元部分である。具体的には、ユーザは、電柱200を移設させたい場合には、移設させたい電柱200をタップした後に、その電柱200を移設させたい位置をタップする。また、ユーザは、支線300を移設させたい場合には、移設させたい支線300をタップした後に、その支線300を移設させたい位置をタップする。
図10の右図によれば、タップが行われた位置を電柱の根元とし、そのタップが行われた位置から上方向に伸びる電柱のイメージ画像240が表示されている。また、タップが行われた位置を支線の根元とし、そのタップが行われた位置から斜め上の方向に伸びる支線のイメージ画像260が表示されている。
さらに、図10の右図には、第1の実施形態で説明した電柱切替えボタン111と、支線切替えボタン112と、表示切替えボタン113と、保存ホルダ起動ボタン114と、シャッタボタン115とに加え、移動ボタン116と、測量機能ボタン117と、電柱表示OFFボタン118と、支線表示OFFボタン119とが示されているが、これらについては、後述する。
【0049】
(電柱移設イメージ表示装置)
図11は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の一例を示すブロック図である。電柱移設イメージ表示装置100aの一例は、電柱移設イメージ表示アプリをインストールしたスマートフォンなどの端末装置である。
電柱移設イメージ表示装置100aは、例えば、通信部102と、記憶部120aと、情報処理部130aと、表示部140と、操作部150と、撮像部160と、GNSS受信部170と、加速度センサー180と、ジャイロセンサー190とを備える。
【0050】
記憶部120aは、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120aの一部または全部は、電柱移設イメージ表示装置100aの一部として設けられる場合に代えて、NASや外部のストレージサーバなど、電柱移設イメージ表示装置100aのプロセッサがネットワークを介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部120aには、情報処理部130aにより実行されるプログラム122aと、電柱移設イメージ表示アプリなどのアプリ124aとが記憶される。
加速度センサー180は、例えば3軸加速度センサーによって構成され、互いに直交する3軸方向の加速度の大きさをそれぞれ計測する。加速度センサー180は、3軸方向の加速度の大きさを表す情報(以下、「加速度情報」という)を情報処理部130aへ出力する。
ジャイロセンサー190は、例えば3軸ジャイロセンサーによって構成され、互いに直交する3軸方向の地軸の大きさをそれぞれ計測する。ジャイロセンサー190は、3軸方向の地軸の大きさを表す情報(以下、「ジャイロ情報」という)を情報処理部130aへ入力する。
【0051】
情報処理部130aの全部または一部は、例えば、CPUのようなプロセッサが記憶部120aに記憶されたプログラム122aや、アプリ124aを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。
なお、情報処理部130aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130aは、例えば、電柱情報取得部134aと、支線情報取得部135aと、導出部136aと、合成部138aと、情報取得部139と、を備える。
【0052】
情報取得部139は、ユーザが操作部150へ、電柱移設イメージ表示アプリを起動させる操作を行った後に、ユーザが、電柱移設イメージ表示装置100aをシェイクさせた場合に、撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点のずれ量を示す情報を取得する。さらに、情報取得部139は、加速度センサー180を制御することによって、電柱移設イメージ表示装置100aがシェイクされることよって生じる加速度情報を取得する。さらに、情報取得部139は、ジャイロセンサー190を制御することによって、電柱移設イメージ表示装置100aがシェイクされることよって生じるジャイロ情報を取得する。情報取得部139は、取得した特徴点のずれ量を示す情報と、加速度情報と、ジャイロ情報とを、導出部136aへ出力する。
また、情報取得部139は、表示部140の表示画面上のタップが行われた位置を示す情報(以下、「タップ位置情報」という)を取得する。情報取得部139は、取得したタップ位置情報を、導出部136aへ出力する。
【0053】
また、情報取得部139は、操作部150が出力したシャッタが押されたことを示す情報を取得し、取得したシャッタが押されたことを示す情報に基づいて、GNSS受信部170へ、測位命令を出力する。情報取得部139は、GNSS受信部170が出力した電柱移設イメージ表示装置100の位置情報(経度情報、緯度情報)を取得し、取得した位置情報(経度情報、緯度情報)に基づいて、住所情報を取得する。具体的には、情報取得部139は、通信部102から、インターネットなどのネットワーク(図示なし)に接続されたサーバ(図示なし)へアクセスする。ここで、サーバは、位置情報(経度情報、緯度情報)から、その位置情報(経度情報、緯度情報)に対応する住所情報を取得する。情報取得部139は、通信部102から、位置情報(経度情報、緯度情報)を、サーバへ送信し、そのサーバは送信したその位置情報(経度情報、緯度情報)に対応する住所情報を、通信部102から取得する。情報取得部139は、取得した住所情報を、合成部138aへ出力する。
【0054】
電柱情報取得部134aは、ユーザが操作部150を操作することによって出力される電柱の種類を示す情報を取得する。ここで、電柱の種類を示す情報には、電柱のサイズを示す情報が含まれる。本実施例では、電柱のサイズを示す情報の一例として、電柱の長さを示す情報を適用する場合について説明を続ける。電柱情報取得部134aは、取得した電柱の長さを示す情報を、導出部136aへ出力する。
【0055】
支線情報取得部135aは、ユーザが操作部150を操作することによって出力される地支線を表示するか、弓支線を表示するかを示す情報を取得する。支線情報取得部135aは、取得した地支線を表示するか、弓支線を表示するかを示す情報を、導出部136aへ出力する。
【0056】
導出部136aは、情報取得部139が出力した特徴点のずれ量を示す情報と、加速度情報と、ジャイロ情報とを取得する。導出部136aは、取得した特徴点のずれ量を示す情報と、加速度情報と、ジャイロ情報とに基づいて、地面などの平面を認識するとともに、特徴点の集合によって形成される対象物のサイズを認識する。
図12は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aの処理の一例を示す図である。図12には、電柱移設イメージ表示装置100aが左右にシェイクされた場合に、電柱移設イメージ表示装置100aと撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点の集合によって形成される対象物との間の実際の距離dを求める処理が示される。
【0057】
電柱移設イメージ表示装置100aが左右にシェイクされることによって、電柱移設イメージ表示装置100aは、位置Aと、位置Bとの間で移動すると仮定する。ここで、位置Aと位置Bとの間の長さを距離Lとする。位置Aと位置Bとで、電柱移設イメージ表示装置100aの表示部140には、特徴点FPが表示されている。位置Aで、電柱移設イメージ表示装置100aと、電柱移設イメージ表示装置100aの撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点(FP)の実際の位置とを結んだ線と、位置Aと位置Bとを結んだ線とのなす角度を角度αとする。位置Bで、電柱移設イメージ表示装置100aと、電柱移設イメージ表示装置100aの撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点(FP)の実際の位置とを結んだ線と、位置Aと位置Bとを結んだ線とのなす角度を角度βとする。
導出部136aは、角度αと、角度βとを、ジャイロ情報を用いて導出する。
導出部136aは、導出した角度αと、角度βと、距離Lとに基づいて、三角測量の原理を利用して、式(1)から、電柱移設イメージ表示装置100aと特徴量FPの実際の位置との間の距離dを導出する。
d=sinα×sinβ×L/sin(α+β)
図12には、電柱移設イメージ表示装置100aと一つの特徴量FPの実際の位置との間の距離dを導出する場合について示したが、導出部136aは、電柱移設イメージ表示装置100aの撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点の全てについて、距離dを導出する。このように、電柱移設イメージ表示装置100aと特徴点FPの実際の位置との間の距離dを導出することによって、撮像部160が取得する画像内に存在する対象物の実際のサイズ(大きさ)を把握できる。
【0058】
導出部136aは、電柱情報取得部134aが出力した電柱の長さを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。
導出部136aは、電柱移設イメージ表示装置100aと電柱200を形成する複数の特徴点FPの各々の距離dに基づいて、電柱200の実際のサイズ(直径)を導出する。導出部136aは、取得した電柱200の実際のサイズ(直径)に基づいて、その電柱200を移設した場合の実際のサイズ(直径、長さ)を導出する。
具体的には、導出部136aは、取得した電柱200の実際のサイズ(直径)と、電柱情報取得部134aが出力した電柱の長さを示す情報とに基づいて、移設する電柱200の実際のサイズを導出する。電柱の長さに応じて、地上部分の実際の長さと、埋設部分の実際の長さとは予め規定されている。
導出部136aは、導出した移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの比などの割合を求め、求めた割合に基づいて、移設する電柱200を、表示部140に表示するときの地上部分の電柱の長さと、埋設部分の電柱の長さと、直径とを導出する。導出部136aは、導出した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを、合成部138aへ出力する。
【0059】
導出部136aは、支線情報取得部135aから地支線を表示することを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。
導出部136aは、電柱移設イメージ表示装置100aと支線300を形成する複数の特徴点FPの各々の距離dに基づいて、支線300の実際のサイズ(直径)を取得する。導出部136aは、取得した支線300の実際のサイズ(直径)に基づいて、その支線300を移設した場合の実際のサイズ(直径)を導出する。
具体的には、導出部136aは、導出した支線300の実際のサイズ(直径)と、表示部140に表示されている支線300のサイズ(直径)との比などの割合を求め、求めた割合に基づいて、移設する支線300を、表示部140に表示するときの支線300のサイズ(直径)を求める。電柱における支線の実際の高さ(位置)は規定されている。導出部136aは、求めた割合に基づいて、表示部140に表示する電柱における支線の高さを求める。導出部136aは、導出した表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを合成部138aへ出力する。
【0060】
導出部136aは、支線情報取得部135aから弓支線を表示することを示す情報を取得した場合、以下の処理を行う。
導出部136aは、情報取得部139が出力したタップ位置情報に基づいて、移設する支線300の実際の位置を求める。導出部136aは、求めた移設する支線300の実際の位置と、電柱200の実際の位置とに基づいて、電柱200と、移設する支線300との間の実際の距離を求める。
電柱と支線との間の実際の距離と弓支線のアームサイズとは、予め関連付けられている。導出部136aは、電柱200と、移設する支線300との間の実際の距離に基づいて、弓支線のアームサイズを導出する。
導出部136aは、電柱移設イメージ表示装置100aと支線300を形成する複数の特徴点FPの各々の距離dに基づいて、支線300の実際のサイズ(直径)を取得する。導出部136aは、取得した支線300の実際のサイズ(直径)に基づいて、その支線300を移設した場合のサイズ(直径)を導出する。
具体的には、導出部136aは、導出した支線300の実際のサイズ(直径)と、表示部140に表示されている支線300のサイズ(直径)との比などの割合を求め、求めた割合に基づいて、移設する支線300を、表示部140に表示するときの支線300のサイズ(直径)を求める。また、導出部136aは、求めた割合に基づいて、導出した弓支線のアームを、表示部140に表示するときの弓支線のアームサイズを導出する。電柱における支線の実際の高さ(位置)は規定されている。
導出部136aは、求めた割合に基づいて、表示部140に表示する電柱における支線の高さを求める。導出部136aは、導出した表示部140に表示する弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを、合成部138aへ出力する。
【0061】
合成部138aは、導出部136aが出力した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報と、タップ位置情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像を合成する。
さらに、合成部138aは、情報取得部139が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱のイメージ画像を合成するとともに、住所情報を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
合成部138aは、導出部136aが出力した電柱における支線の高さを示す情報と、タップ位置情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱200における支線の高さを示す情報に該当する位置と、タップ位置情報によって示される位置とを接続することによって、支線のイメージ画像を合成する。
さらに、合成部138aは、情報取得部139が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、支線のイメージ画像を合成するとともに、住所情報を合成する。
合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
【0062】
合成部138aは、導出部136aが出力した表示部140に表示する弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報と、タップ位置情報とを取得した場合、以下の処理を行う。合成部138aは、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱200の根元の位置を起点として、電柱200の支線の高さを示す情報に該当する位置から水平に弓支線のアームサイズを示す情報に該当する長さの弓支線のイメージ画像を表示する。さらに、弓支線において、支線の高さを示す位置に該当する位置とは反対側の位置とタップ位置情報によって示される地表の位置とを接続することによって、支線のイメージ画像を表示する。
さらに、合成部138aは、情報取得部139が出力した住所情報を取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、弓支線のイメージ画像と支線のイメージ画像とを合成するとともに、住所情報を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。
【0063】
(動作例)
図13は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その1)を示す図である。
図13の左図は、電柱および支線を移設する前の画像である。図13の右図は、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱のイメージ画像を合成した画像である。図13に示される例では、ユーザが、表示部140に表示されている電柱および支線を移設する前の画像において、電柱を移設させたい地表部分をタップすることによって、タップした地表部分を起点とする電柱のイメージ画像が合成される。
図13の左図には、電柱および支線を移設する前の画像に、メッセージ「電柱を配置しよう! 地面部分をタッチして、電柱を配置してください」が表示されている。ユーザは、この表示にしたがって、電柱を配置したい地面部分をタップする。情報取得部139は、そのタップが行われた位置を示すタップ位置情報を取得する。情報取得部139は、取得したタップ位置情報を、導出部136aへ出力する。導出部136aは、電柱200の実際のサイズ(直径)に基づいて、その電柱200を移設した場合の実際のサイズ(直径、長さ)を導出する。導出部136aは、導出した移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの割合を求め、求めた割合に基づいて、移設する電柱200を、表示部140に表示するときの地上部分の電柱の長さと、埋設部分の電柱の長さと、直径とを導出する。導出部136aは、導出した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを、合成部138aへ出力する。
【0064】
合成部138aは、導出部136aが出力した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報と、タップ位置情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像を合成する。この結果、図13の右図に示されるように、電柱および支線を移設する前の画像に、タップした地面の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像が合成される。合成される電柱のイメージ画像は、移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの割合に基づいて、導出したものとなっている。電柱移設イメージ表示装置100aを動かすことによって、撮像部160が取得する画像が変わっても、電柱のイメージ画像は、タップした地面の位置に留まるように表示される。
【0065】
図13の右図には、電柱のイメージ画像に加えて、電柱表示OFFボタン118と、メッセージ「画面タッチで支線も配置できます」とが表示されている。ここで、電柱表示OFFボタン118は、電柱のイメージ画像が表示されている状態で、その電柱のイメージ画像の表示を消したいときに押すボタンである。この電柱表示OFFボタン118が押されることによって、合成部138aは、電柱表示OFFを示す情報を取得し、取得した電柱表示OFFを示す情報に基づいて、電柱および支線を移設する前の画像を、表示部140へ出力する。つまり、合成部138aは、電柱表示OFFを示す情報を取得した場合、電柱のイメージ画像は合成しない。その結果、電柱のイメージ画像が表示されなくなる。
ユーザが、このメッセージの表示にしたがって、支線を配置する地面部分をタップした場合、以下の処理が行われる。導出部136aは、支線情報取得部135aから地支線を表示することを示す情報を取得した場合、導出した支線300の実際のサイズ(直径)と、表示部140に表示されている支線300のサイズ(直径)との割合を求め、求めた割合に基づいて、移設する支線300を、表示部140に表示するときの支線300のサイズ(直径)を求める。導出部136aは、求めた割合に基づいて、表示部140に表示する電柱における支線の高さを求める。導出部136aは、導出した表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを合成部138aへ出力する。
【0066】
合成部138aは、導出部136aが出力した電柱における支線の高さを示す情報と、タップ位置情報とを取得し、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱200における支線の高さを示す情報に該当する位置と、タップ位置情報によって示される位置とを接続することによって、支線のイメージ画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。この結果、表示部140aは、支線のイメージ画像を表示する。支線の取り付けられる電柱200の高さは標準の高さである。
【0067】
図14は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その2)を示す図である。図14は、電柱のイメージ画像および支線のイメージ画像のいずれか一方又は両方を移動させる処理を示す。
図14の左図は、移設する電柱および支線のイメージ画像を表示した表示画面である。この表示画面には、電柱および支線を移設した後の画像に加えて、電柱表示OFFボタン118と、支線表示OFFボタン119とが表示されている。ここで、支線表示OFFボタン119は、支線のイメージ画像が表示されている状態で、支線のイメージ画像の表示を消したいときに押すボタンである。ユーザが、支線のイメージ画像が表示されている状態で、支線表示OFFボタン119を押すことによって、合成部138aは、支線表示OFFを示す情報を取得し、取得した支線表示OFFを示す情報に基づいて、電柱および支線を移設する前の画像を、表示部140へ出力する。つまり、合成部138aは、支線表示OFFを示す情報を取得した場合、支線のイメージ画像は合成しない。その結果、支線のイメージ画像が表示されなくなる。
図14の左図の状態で、ユーザが、移動ボタン116を押した場合に、以下の処理が行われる。情報取得部139は、ユーザが移動ボタン116を押すことによって出力される移動を要求することを示す情報を取得し、電柱のイメージ画像の地表部分と、支線のイメージ画像の地表部分とを、赤色などの目立つ色のマーカ(240a、240b)で表示する(図14の右図)。ユーザは、電柱のイメージ画像と支線のイメージ画像のうち、移動させたい方をタップすることなどによって選択する。
【0068】
図15は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その3)を示す図である。図15は、電柱のイメージ画像および支線のイメージ画像のいずれか一方又は両方の移動先を設定する処理を示す。ここでは、電柱のイメージ画像の移動先を設定する場合について説明を続ける。
図15は、図14の右図において、ユーザが、電柱のイメージ画像の地表部分に目立つ色で表示されたマーカをタップし、さらに、表示画面上で、スワイプすることによって、移動先を指定する。
ユーザが、電柱のイメージ画像の地表部分に目立つ色で表示されたマーカをタップした場合に、情報取得部139は、表示画面上にチェックボタン116aを表示する。ユーザは、表示画面上でスワイプすることで、電柱のイメージ画像の移動先を指定する。ユーザが、電柱のイメージ画像の移動先を指定後、チェックボタン116aを押すことによって、情報取得部139は、電柱のイメージ画像の移動先を示すタップ位置情報を取得する。情報取得部139は、取得したタップ位置情報を、導出部136aへ出力する。導出部136aは、電柱のイメージ画像の地上部分の長さを示す情報と、埋設部分の長さを示す情報と、直径を示す情報と、情報取得部139が出力したタップ位置情報とを、合成部138aへ出力する。
【0069】
合成部138aは、導出部136aが出力した電柱のイメージ画像の地上部分の長さを示す情報と、埋設部分の長さを示す情報と、電柱の直径を示す情報と、タップ位置情報とを取得した場合、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。この結果、表示部140は、電柱のイメージ画像を、移動先へ移動させた表示画像を表示する。
図16は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その4)を示す図である。
電柱のイメージ画像と支線のイメージ画像とが表示されている状態で、ユーザが電柱切替えボタン111を押すことによって、電柱サイズの選択ボタンが表示される。電柱サイズの選択ボタンには、第1の実施形態と同様に、電柱の高さが表示された複数のボタンが含まれる。図16に示される例では、「6.9」が表示された6.9メートルの電柱の電柱選択ボタン111aと、「10」が表示された10メートルの電柱の電柱選択ボタン111bと、「12」が表示された12メートルの電柱の電柱選択ボタン111cと、「14」が表示された14メートルの電柱の電柱選択ボタン111dと、「15」が表示された15メートルの電柱の電柱選択ボタン111eと、「16」が表示された16メートルの電柱の電柱選択ボタン111fとが含まれる。
【0070】
ユーザは、電柱選択ボタン111a-電柱選択ボタン111fのうち、表示したい電柱の高さを押すことによって選択する。電柱情報取得部134aは、ユーザが操作部150を操作することによって出力される電柱の種類を示す情報を取得し、取得した電柱の長さを示す情報を、導出部136aへ出力する。導出部136aは、電柱情報取得部134aが出力した電柱の長さを示す情報を取得し、取得した電柱の長さを示す情報に基づいて、移設する電柱200の実際のサイズを導出する。電柱の長さに応じて、地上部分の実際の長さと、埋設部分の実際の長さとは予め規定されている。導出部136aは、導出した移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの割合に基づいて、移設する電柱200を、表示部140に表示するときの地上部分の電柱の長さと、埋設部分の電柱の長さとを導出する。導出部136aは、導出した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報とを、合成部138aへ出力する。
合成部138aは、導出部136aが出力した地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報とを取得した場合、表示されている電柱のイメージ画像の地上部分の高さを、導出部136aが出力した地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さに変更する。合成部138aは、電柱のイメージ画像の地上部分の高さを変更した画像を、表示部140へ出力する。この結果、表示部140は、電柱のイメージ画像の高さが変更された表示画像を表示する。
【0071】
図17は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例(その5)を示す図である。図17は、測量を行う処理を示す。
図17の左図は、電柱のイメージ画像と支線のイメージ画像とを表示した状態で、ユーザが、測量機能ボタン117を押した場合に、表示部140に表示される表示画面の一例を示す。表示画面には、メッセージ「測量モード 測量したい部分にポインターを合わせてカメラを動かしてください」が表示されるとともに、表示画面の下部に測量ボタン117a、表示画面の中央にポインター117bが表示される。
ユーザは、二点間を測量する場合、始点にポインター117bを合わせ、測量ボタン117aを押す。これによって、情報取得部139は、測量の始点を示す位置情報を取得する。ユーザは、測量ボタン117aを押した状態で、電柱移設イメージ表示装置100aを動かし、終点にポインター117bを合わせ、測量ボタン117aを離す。これによって、情報取得部139は、測量の終点を示す位置情報を取得する。情報取得部139は、測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報とを、導出部136aへ出力する。
導出部136aは、情報取得部139が出力した測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報とに基づいて、その始点とその終点との間の表示画面上における長さを導出する。導出部136aは、表示画面上における長さと、前述した移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの比などの割合に基づいて、現実の長さを導出する。導出部136aは、測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報と、現実の長さを示す情報とを、合成部138aへ出力する。
【0072】
合成部138aは、導出部136aが出力した測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報と、現実の長さを示す情報とを取得した場合、表示画像に、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。この結果、表示部140は、表示画面に、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像を表示する。
図17の右図は、表示部140に表示される測量結果の一例を示す。表示画面には、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像と、測量OFFボタン117cとが表示されている。
測量OFFボタン117cは、測量結果(測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示したもの)が表示されている状態で、その測量結果を消したいときに押すボタンである。この測量OFFボタン117cが押されることによって、合成部138aは、測量OFFを示す情報を取得し、取得した測量OFFを示す情報に基づいて、電柱および支線を移設する前の画像に、電柱および支線のイメージ画像を合成した画像を、表示部140へ出力する。つまり、合成部138aは、測量OFFを示す情報を取得した場合、測量結果のイメージ画像は合成しない。その結果、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像が表示されなくなる。
【0073】
測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像が表示された状態で、ユーザは、さらに、二点間を測量する場合、始点にポインター117bを合わせ、測量ボタン117aを押す。これによって、情報取得部139は、測量の始点を示す位置情報を取得する。ユーザは、測量ボタン117aを押した状態で、電柱移設イメージ表示装置100aを動かし、終点にポインター117bを合わせ、測量ボタン117aを離す。これによって、情報取得部139は、測量の終点を示す位置情報を取得する。情報取得部139は、測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報とを、導出部136aへ出力する。導出部136aは、情報取得部139が出力した測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報とに基づいて、その始点とその終点との間の表示画面上における長さを導出する。導出部136aは、表示画面上における長さと、前述した移設する電柱200の実際のサイズと、表示部140に表示されている電柱200のサイズとの比などの割合に基づいて、現実の長さを導出する。導出部136aは、測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報と、現実の長さを示す情報とを、合成部138aへ出力する。
合成部138aは、導出部136aが出力した測量の始点を示す位置情報と、測量の終点を示す位置情報と、現実の長さを示す情報とを取得した場合、表示画像に、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。この結果、表示部140は、表示画像に、測量の始点を示す位置と、測量の終点を示す位置とを線分で結び、その線分の近傍に現実の長さを示す情報を表示した画像を表示する。これによって、複数の測量結果を表示できる。
【0074】
(電柱移設イメージ表示装置の動作)
図18は、第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS201) 電柱移設イメージ表示装置100aが左右にシェイクされる。電柱移設イメージ表示装置100aの情報取得部139は、加速度センサー180を制御することによって、加速度情報を取得する。情報取得部139は、ジャイロセンサー190を制御することによって、角速度情報を取得する。
(ステップS202) 電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aは、情報取得部139が出力した加速度情報と、角速度情報とに基づいて、地面などの平面を認識する。
(ステップS203) 電柱移設イメージ表示装置100aの情報取得部139は、タップ位置情報を取得する。
(ステップS204) 電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aは、情報取得部139が出力したタップ位置情報を取得し、取得したタップ位置情報に基づいて、電柱を移設したイメージ画像を表示するのか、支線を移設したイメージ画像を表示するのかを判定する。
【0075】
(ステップS205) 導出部136aは、電柱を移設したイメージ画像を表示すると判定した場合、電柱情報を取得する。
(ステップS206) 導出部136aは、地上部分の電柱の長さを示す情報と、埋設部分の電柱の長さを示す情報と、上面の直径を示す情報とを導出する。
(ステップS207) 電柱移設イメージ表示装置100aの合成部138aは、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱の直径を示す情報に該当する直径で、地上部分の電柱の長さを示す情報に該当する高さの電柱のイメージ画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138aが出力した画像を表示する。
(ステップS208) 電柱移設イメージ表示装置100aの支線情報取得部135aは、導出部136aが、支線を移設したイメージ画像を表示すると判定した場合、支線情報を取得する。
(ステップS209) 電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aは、地支線を表示することを示す情報を取得したか、弓支線を表示することを示す情報を取得したかを判定する。
(ステップS210) 電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aは、地支線を表示することを示す情報を取得した場合、電柱における支線の高さを示す情報を導出する。
【0076】
(ステップS211) 電柱移設イメージ表示装置100aの合成部138aは、電柱および支線を移設する前の画像に、タップ位置情報によって示される地表の位置を起点として、電柱200における支線の高さを示す情報に該当する位置と、タップ位置情報によって示される位置とを接続することによって、支線のイメージ画像を合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138aが出力した画像を表示する。
(ステップS212) 電柱移設イメージ表示装置100aの導出部136aは、弓支線を表示することを示す情報を取得した場合、弓支線のアームサイズを示す情報と、表示部140に表示する電柱における支線の高さを示す情報とを導出する。
(ステップS213) 電柱移設イメージ表示装置100aの合成部138aは、電柱および支線を移設する前の画像に、弓支線のイメージ画像と、支線のイメージ画像とを合成する。合成部138aは、合成することによって得られた画像を、表示部140へ出力する。表示部140は、合成部138aが出力した画像を表示する。
【0077】
前述した第2の実施形態では、電柱のイメージ画像を移動する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、支線のイメージ画像を移動する場合についても適用できる。
前述した第2の実施形態では、電柱移設イメージ表示装置100aが左右にシェイクされた場合に、電柱移設イメージ表示装置100aと撮像部160が取得する画像に含まれる特徴点の集合によって形成される対象物との間の実際の距離dを求める処理について説明したが、この例に限られない。例えば、電柱移設イメージ表示装置100aが上下にシェイクされた場合についても適用できる。
前述した第2の実施形態の電柱移設イメージ表示装置によれば、電柱移設イメージ表示装置は、電柱を表示する表示部と、電柱の移設位置を示す情報である移設位置情報を取得する情報取得部と、移設する電柱の種類を示す情報を取得する電柱情報取得部と、表示部が表示している電柱に基づいて、移設する電柱のサイズを導出する導出部と、移設位置情報と、電柱のサイズとに基づいて、表示部に、移設する電柱を合成して表示する合成部とを備える。このように、電柱の種類を示す情報と電柱の移設位置を示す情報とに基づいて、表示している画面に、移設する電柱の画像を合成することによって、拡張現実技術を使用して、電柱の移設の現場で、電柱を移設する前の画像に、その電柱を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
また、導出部は、電柱移設イメージ表示装置の動きにさらに基づいて、移設する電柱のサイズを導出する。このように構成することによって、電柱移設イメージ表示装置をシェイクさせることによって生じる動きに基づいて、取得される情報に応じて、電柱を移設する前の画像に、その電柱を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
また、情報取得部は、電柱移設イメージ表示装置の動きに基づいて、電柱移設イメージ表示装置に生じる加速度を示す情報と、角速度を示す情報を取得し、導出部は、加速度を示す情報と、角速度を示す情報とに基づいて、移設する前記電柱のサイズを導出するこのように構成することによって、電柱移設イメージ表示装置をシェイクさせることによって生じる加速度を示す情報と、角速度を示す情報とに基づいて、電柱を移設する前の画像に、その電柱を移設した後の画像を合成した画像を作成できる。
【0078】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0079】
なお、上述した電柱移設イメージ表示装置は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
【0080】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0081】
なお、上述の電柱移設イメージ表示装置は内部にコンピュータを有している。そして、上述した電柱移設イメージ表示装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
100…電柱移設イメージ表示装置、102…通信部、110…メニューアイコン、111…電柱切替えボタン、112…支線切替えボタン、113…表示切替えボタン、114…保存ホルダ起動ボタン、115…シャッタボタン、116…移動ボタン、116a…チェックボタン、117…測量機能ボタン、117a…測量ボタン、117b…ポインター、117c…測量OFFボタン、118…電柱表示OFFボタン、119…支線表示OFFボタン、120、120a…記憶部、122、122a…プログラム、124、124a…アプリ、130、130a…情報処理部、132…検出部、133…判定部、134、134a…電柱情報取得部、135、135a…支線情報取得部、136、136a…導出部、138、138a…合成部、139…情報取得部、140…表示部、150…操作部、160…撮像部、170…GNSS受信部、180…加速度センサー、190…ジャイロセンサー、200…電柱、230…電柱用マーカ、231…上ライン、232…電柱用指定図形、233…下ライン、234…ARマーカ、235…側面、236…上面部分、237…下面部分、238…重り、240…電柱のイメージ画像、240a、240b…マーカ、250…支線用マーカ、251…上ライン、252…支線用指定図形、253…下ライン、254…ARマーカ、255…側面、256…上面部分、257…下面部分、258…重り、260…支線のイメージ画像、300…支線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図17
図18