(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
E03D9/08 A
(21)【出願番号】P 2018058286
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】音羽 勇哉
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 優
(72)【発明者】
【氏名】隈本 竜一
(72)【発明者】
【氏名】末永 成司
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0130472(KR,A)
【文献】特開2016-123583(JP,A)
【文献】特開2008-014793(JP,A)
【文献】特開2008-170020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器上に取り付けられ水路系および機能部を内部に収容するケーシングと、
前記ケーシングの内部において前記水路系から排出された水を前記便器へ導く排水路と、
前記ケーシングの内部における前記排水路以外の位置に配置され前記機能部から漏れ出た水を検知する漏水検知部と、
前記排水路とは異なる排水路であり、前記ケーシングの内部において前記機能部から漏れ出た水を前記便器へ導くメイン排水路と
を備え、
前記漏水検知部は、前記ケーシングの内部における前記メイン排水路以外の位置に配置されること
を特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記ケーシングの内部において前記メイン排水路から漏れ出た水を前記便器へ導くサブ排水路を備え、
前記漏水検知部は、前記サブ排水路に配置されること
を特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記サブ排水路に設けられ、前記サブ排水路において高さが最も低いバッファ部を備え、
前記漏水検知部は、前記サブ排水路における前記バッファ部の上流に配置されること
を特徴とする請求項2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記ケーシングの内部に設けられ該ケーシングの内部において結露を防止するための送風源である結露防止ユニットを備え、
前記サブ排水路は、前記結露防止ユニットの近傍を通過する経路であり、
前記漏水検知部は、前記結露防止ユニットの近傍に配置されること
を特徴とする請求項2または3に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記機能部は、定期的に機能水を吐出する吐水部を有する脱臭ユニットであること
を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記漏水検知部は、水を検知してから所定時間経過後に水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知すること
を特徴とする請求項5に記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
トイレルーム内の人を検知する人体検知部を備え、
前記機能部は、前記人体検知部が人を検知していないタイミングで機能水を吐水し、
前記漏水検知部は、前記機能部において機能水を吐水するタイミングで水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知すること
を特徴とする請求項5または6に記載の衛生洗浄装置。
【請求項8】
便器上に取り付けられ水路系および機能部を内部に収容するケーシングと、
前記ケーシングの内部において前記水路系から排出された水を前記便器へ導く排水路と、
前記ケーシングの内部における前記排水路以外の位置に配置され前記機能部から漏れ出た水を検知する漏水検知部と、
トイレルーム内の人を検知する人体検知部と
を備え、
前記機能部は、定期的に機能水を吐出する吐水部を有する脱臭ユニットであり、前記人体検知部が人を検知していないタイミングで機能水を吐水し、
前記漏水検知部は、前記機能部において機能水を吐水するタイミングで水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知すること
を特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項9】
前記漏水検知部は、水を検知してから所定時間経過後に水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知すること
を特徴とする請求項8に記載の衛生洗浄装置。
【請求項10】
前記機能部は、前記漏水検知部が該機能部の漏水を検知した場合に停止されること
を特徴とする請求項5~9のいずれか一つに記載の衛生洗浄装置。
【請求項11】
前記漏水検知部は、水が接触することで該水の有無を検出する接触式センサであること
を特徴とする請求項1~10のいずれか一つに記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーシングの内部に収容され洗浄ノズルや縁切りタンクなどの水路系からの水を、ケーシングの内部から便器(ボウル部)に向けて排出する排水路を備える衛生洗浄装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の衛生洗浄装置は、水路系と共にケーシングの内部に収容された機能部から漏れ出た水に対して水路系の排水路が機能するものではない。たとえば、機能部である脱臭ユニットで水が使用される場合にはケーシングの内部において脱臭ユニットから水が漏れ出るおそれがあるが、脱臭ユニットから水が漏れ出た場合には排水路以外に水が流れ、意図しない場所に水が漏れ出る可能性がある。
【0005】
このように、従来の衛生洗浄装置は、意図しない場所に水が漏れ出ること、すなわち、ケーシング外部への漏水に対して改善の余地があった。
【0006】
実施形態の一態様は、機能部からの漏水を検知することができ、ケーシング外部への漏水に対応することができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る衛生洗浄装置は、便器上に取り付けられ水路系および機能部を内部に収容するケーシングと、前記ケーシングの内部において前記水路系から排出された水を前記便器へ導く排水路と、前記ケーシングの内部における前記排水路以外の位置に配置され前記機能部から漏れ出た水を検知する漏水検知部とを備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、水路系以外の機能部から水が漏れ出た場合に、この漏水を検知することができる。たとえば、機能部からの漏水を検知した場合に機能部を停止することで、ケーシング外部への漏水を抑えることができる。すなわち、ケーシング外部への漏水についていち早く対応することができる。
【0009】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記ケーシングの内部において前記機能部から漏れ出た水を前記便器へ導くメイン排水路を備え、前記漏水検知部は、前記ケーシングの内部における前記メイン排水路以外の位置に配置されることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、メイン排水路によって機能部から漏れ出た水を排出することができ、さらに、メイン排水路から水が漏れ出た場合でも、この漏水を検知することができるため、たとえば、機能部からの漏水を検知した場合に機能部を停止することで、ケーシング外部への漏水をより確実に抑えることができる。
【0011】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記ケーシングの内部において前記メイン排水路から漏れ出た水を前記便器へ導くサブ排水路を備え、前記漏水検知部は、前記サブ排水路に配置されることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、サブ排水路によってメイン排水路から漏れ出た水を排出することができるとともに、メイン排水路からの漏水を直接検知することができるため、たとえば、機能部からの漏水を検知した場合に機能部を停止することで、ケーシング外部への漏水をより確実に抑えることができる。
【0013】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記サブ排水路に設けられ、前記サブ排水路において高さが最も低いバッファ部を備え、前記漏水検知部は、前記サブ排水路における前記バッファ部の上流に配置されることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、サブ排水路によってメイン排水路から漏れ出た水を排出する場合に、漏水を検知した初期段階においてバッファ部に水が溜まるため、漏水を検知してからケーシング外部に水が漏れ出すまでの時間を稼ぐことができる。
【0015】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記ケーシングの内部に設けられ該ケーシングの内部において結露を防止するための送風源である結露防止ユニットを備え、前記サブ排水路は、前記結露防止ユニットの近傍を通過する経路であり、前記漏水検知部は、前記結露防止ユニットの近傍に配置されることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、漏水検知部が送風源である結露防止ユニットの近傍に配置されることで、漏水検知部が結露に濡れることを抑えることができ、漏水検知部が漏水以外の結露を検知するといった誤検知を防止することができる。
【0017】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記機能部は、定期的に機能水を吐出する吐水部を有する脱臭ユニットであることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、機能水を吐出することから水が漏れ出す可能性が高い脱臭ユニットからの漏水を検知することができる。これにより、ケーシング外部への漏水をより効果的に抑えることができる。
【0019】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記漏水検知部は、水を検知してから所定時間経過後に水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知することを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、漏水検知部が一定時間内に複数回水を検知することで、機能部からの漏水と判断することができる。このため、結露などの漏水以外の検知(誤検知)を防止することができる。これにより、ケーシング外部への漏水をより確実に抑えることができる。
【0021】
また、上記した衛生洗浄装置では、トイレルーム内の人を検知する人体検知部を備え、前記機能部は、前記人体検知部が人を検知していないタイミングで機能水を吐水し、前記漏水検知部は、前記機能部において機能水を吐水するタイミングで水を検知した場合に該水を前記機能部から漏れ出た水として検知することを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、漏水検知部が機能部において機能水を吐水するタイミングで水を検知することで、機能部からの漏水と判断することができる。また、漏水検知部による水の検知が人がいないタイミングに限定されるため、たとえば、清掃時に浸入した水や機能部の他の機能による水(たとえば、おしり洗浄時の結露)などの漏水以外の検知(誤検知)を防止することができる。
【0023】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記機能部は、前記漏水検知部が該機能部の漏水を検知した場合に停止されることを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、たとえば、機能部が脱臭ユニットである場合、漏水検知部が機能部からの漏水を検知した場合に機能部である脱臭ユニットのみの機能を停止することで、機能部における他の機能を停止することなく、すなわち、使い勝手を落とすことなく、ケーシング外部への漏水を抑えることができる。
【0025】
また、上記した衛生洗浄装置では、前記漏水検知部は、水が接触することで該水の有無を検出する接触式センサであることを特徴とする。
【0026】
かかる構成によれば、少量の水で漏水検知が可能となり、かつ、漏水検知部に対して水のヘッド圧しかかからないため、漏水検知を簡素な構成で実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
実施形態の一態様によれば、機能部からの漏水を検知することができ、ケーシング外部への漏水に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施形態に係る衛生洗浄装置を備えるトイレ装置およびトイレルームを示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、脱臭ユニットの配置を示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、脱臭ユニットを示す概略側断面図である。
【
図6A】
図6Aは、メイン排水路およびサブ排水路を示す概略平面図である。
【
図6B】
図6Bは、メイン排水路およびサブ排水路を示す概略斜視図である。
【
図6C】
図6Cは、サブ排水路およびバッファ部の高さ関係を示す説明図である。
【
図7】
図7は、漏水検知部の配置を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、漏水検知部による漏水検知の一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、漏水防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する衛生洗浄装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0030】
<1.トイレ装置>
まず、
図1を参照して実施形態に係る衛生洗浄装置10を備えるトイレ装置1について説明する。
図1は、実施形態に係る衛生洗浄装置10を備えるトイレ装置1およびトイレルーム100を示す概略斜視図である。
図1には、説明の便宜上、3次元の直交座標系を図示し、かかる直交座標系において、「前方」、「後方」、「左側方」、「右側方」、「上方」および「下方」を規定している。なお、座標系は、他の図においても図示している場合がある。
【0031】
図1に示すように、トイレ装置1は、トイレルーム100内に設置される。トイレ装置1は、洋式便器(以下、便器という)2と、衛生洗浄装置10とを備える。便器2は、たとえば、陶器製である。便器2には、ボウル部2aが形成される。ボウル部2aは、下方に凹んだ形状であり、使用者の排泄物を受ける部位である。なお、便器2は、図示のような床置き式に限らず、壁掛け式でもよい。
【0032】
衛生洗浄装置10は、便器2の上面後部に取り付けられ、本体部11と、便座12と、便蓋13とを備える。なお、衛生洗浄装置10は、便器2と一体化するように取り付けられてもよいし、便器2に対して着脱可能に取り付けられてもよい。また、衛生洗浄装置10は、トイレルーム100の壁面に設置された操作部51が使用者により操作されると、たとえば、便蓋13を開閉したり、後述する機能部の各種機能を動作させる。衛生洗浄装置10のさらなる構成については、
図2および
図3を用いて後述する。
【0033】
なお、トイレ装置1は、たとえば、便器2の後部に洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設置されてもよいし、洗浄水タンクが設置されない、いわゆるタンクレス式でもよい。また、トイレ装置1は、たとえば、サイホン作用を利用してボウル部2a内の汚物を引き込んでトラップ管路から排出する、いわゆるサイホン式でもよいし、たとえば、ボウル部2a内の洗浄水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる洗い落し式でもよい。
【0034】
<2.衛生洗浄装置>
次に、
図2および
図3を参照して実施形態に係る衛生洗浄装置10について説明する。
図2は、実施形態に係る衛生洗浄装置10を示す概略斜視図である。
図3は、実施形態に係る衛生洗浄装置10の要部構成を示すブロック図である。上記したように、衛生洗浄装置10は、本体部11と、便座12と、便蓋13とを備える。
【0035】
図2に示すように、便座12および便蓋13は、それそれの後部が本体部11に軸支され、本体部11に対して上下方向に揺動可能に取り付けられる。なお、便蓋13は、衛生洗浄装置10に必要に応じて取り付けられ、省略可能である。本体部11は、ケーシング14と、ノズルユニット15とを備える。ケーシング14は、ケースカバー14aと、ケースプレート14bとを備える。ケーシング14は、ノズルユニット15を含む水路系、および機能部を内部に収容する。
【0036】
ノズルユニット15は、洗浄ノズル15aを備える。洗浄ノズル15aは、図示しない電動モータなどの駆動源の駆動により、ケーシング14に対して進退可能である。また、洗浄ノズル15aは、図示しない水道管などの水源に接続される。洗浄ノズル15aは、ケーシング14に対して進出している場合に、水源からの水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。
【0037】
このように、衛生洗浄装置10は、使用者の局部を洗浄する機能を有する。なお、衛生洗浄装置10は、局部洗浄機能の他、たとえば、便座12に座った使用者のおしりなどに温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機能や、便座12の着座面を適温に温める便座暖房機能を有してもよい。
【0038】
また、衛生洗浄装置10は、その要部構成として、水路系と、機能部とを備える。
図3に示すように、衛生洗浄装置10は、水路系として、ノズルユニット15と、洗浄水供給部20と、ノズル洗浄室27と、噴霧ノズル28とを備える。衛生洗浄装置10は、機能部として、脱臭ユニット40を備える。衛生洗浄装置10は、水路系および機能部の他、人体検知部(人体検知センサ)29と、着座検知センサ30と、漏水検知部(漏水検知センサ)31と、報知部32と、制御部50とをさらに備える。
【0039】
洗浄水供給部20は、流路開閉弁21と、熱交換器22と、電解槽23と、大気解放式のバキュームブレーカ(VB)24と、電磁ポンプ25と、流調・流路切替弁26とを備える。流路開閉弁21は、開閉可能な電磁バルブであり、制御部50からの指令に基づいて、洗浄水の供給を制御する。流路開閉弁21は、給水源から供給される洗浄水の給水と止水とを切り替える。
【0040】
熱交換器22は、流路開閉弁21の下流に設けられる。熱交換器22は、ヒータにより、給水源から供給された洗浄水を加熱して、たとえば、規定の温度まで昇温させる。熱交換器22は、給水源から供給された洗浄水を、設定された温度の温水に変換する。なお、熱交換器22は、たとえば、セラミックヒータなどを用いた瞬間加熱式の熱交換器でもよいし、貯湯タンクを用いた貯湯加熱式の熱交換器でもよい。熱交換器22は、使用者が操作部51を操作することにより、温水温度が設定される。
【0041】
電解槽23は、熱交換器22の下流に設けられる。電解槽23は、一対の電極を有し、制御部50から出力された通電の制御信号に基づいて、電極間に流れる洗浄水(水道水)を電気分解する。電解槽23は、洗浄水に含まれる塩素イオンを電気分解することにより、次亜塩素酸(HClO)を含む水(以下、機能水という)を生成する。電解槽23を通過した洗浄水および電解槽23において生成された機能水は、電磁ポンプ25を介して、ノズルユニット15の洗浄ノズル15aに送られる。電磁ポンプ25は、たとえば、洗浄ノズル15aに供給される洗浄水に脈動を与える。
【0042】
洗浄ノズル15aは、噴水部16を備える。噴水部16は、たとえば、おしり洗浄噴水孔16a、おしりソフト噴水孔16bおよびビデ洗浄噴水孔16cを備える。また、洗浄ノズル15aは、複数の流路FCを備える。洗浄ノズル15aは、各流路FCのそれぞれから供給された洗浄水を吐水可能である。
【0043】
流調・流路切替弁26は、電磁ポンプ25と洗浄ノズル15aとの間に設けられ、電磁ポンプ25を介して供給された洗浄水または機能水の行き先を、たとえば、洗浄ノズル15aにおける、おしり洗浄、おしりソフト、ビデ洗浄およびワイドビデ洗浄に向けた各流路FC、ノズル洗浄室27、噴霧ノズル28および後述する脱臭ユニット40のいずれかに切り替える。
【0044】
ノズル洗浄室27は、洗浄吐水部27aを備える。ノズル洗浄室27は、洗浄吐水部27aから洗浄水または機能水を吐水する。ノズル洗浄室27は、洗浄ノズル15aの外周面の洗浄、いわゆる胴体洗浄を行う。噴霧ノズル28は、便器2のボウル部2a(
図1参照)の表面に洗浄水または機能水を噴霧する。
【0045】
人体検知部である人体検知センサ29は、たとえば、赤外線信号を用いた焦電センサであり、トイレ装置1(
図1参照)が設置されたトイレルーム100(
図1参照)内に入室した使用者などの入室者を検知する。人体検知センサ29は、検知信号を制御部50へ出力する。着座検知センサ30は、たとえば、赤外線投受光式の測距センサであり、使用者が便座12(
図1参照)に着座する直前において便座12の上方に存在する人体や、便座12に着座した使用者を検知する。着座検知センサ30は、着座検知信号を制御部50へ出力する。
【0046】
漏水検知部である漏水検知センサ31は、水の接触によって水の有無を検出する接触式センサである。漏水検知センサ31は、ケーシング14(
図2参照)の内部の所定位置に設けられる。漏水検知センサ31は、ケーシング14の内部における水路系以外の機能部からの漏水を検知し、検知信号を制御部50へ出力する。なお、漏水検知センサ31の配置については、
図7を用いて後述する。また、漏水検知センサ31の構成については、
図8を用いて後述する。
【0047】
報知部32は、たとえば、LEDランプやブザーであり、ケーシング14に設けられる。なお、報知部32は、トイレルーム100の壁面に設けられた後述する操作部51に設けられてもよい。報知部32には、漏水検知センサ31から検知信号を受けた制御部50から出力される指令信号が入力される。
【0048】
ここで、衛生洗浄装置10の機能部である脱臭ユニット40は、トイレルーム100内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる臭気を吸収または分解する。脱臭ユニット40は、臭気を吸収または分解した空気を、ケーシング14の外部へ吐き出す。なお、トイレルーム100内の空気とは、主として便器2の外部の空気(ボウル部2a内以外の空気)をいう。
【0049】
脱臭ユニット40は、集塵フィルタ41と、送風ファン42と、通風路43と、脱臭フィルタ44と、吐水部45と、排水部46と、吸気口47と、排気口48とを備える。脱臭ユニット40は、トイレルーム100内の空気が脱臭フィルタ44の内部を通過することで、空気に含まれるアンモニア(NH
3)やトリメチルアミン((CH
3)
3N)などの悪臭成分が脱臭フィルタ44に吸収または分解される。脱臭ユニット40のさらなる構成については、
図4および
図5を用いて後述する。
【0050】
制御部50は、水路系および機能部の動作を制御する。制御部50は、たとえば、操作部51から入力される操作指示に基づいて、上記した各部の動作を制御する。操作部51は、
図1に示すように、トイレルーム100の壁面に設けられる他、衛生洗浄装置10の本体部11(
図2参照)に設けられてもよい。操作部51は、いわゆるリモコンでもよい。制御部50と操作部51との間は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0051】
また、制御部50は、たとえば、人体検知センサ29による使用者の入室の検知に基づいて、噴霧ノズル28から便器2のボウル部2aの表面に水滴を噴霧する。これにより、ボウル部2aの表面に汚物が付着するのを抑えることができる。
【0052】
また、制御部50は、たとえば、人体検知センサ29がトイレルーム100内の使用者を検知しなくなってから所定時間(たとえば、90秒程度)が経過すると、噴霧ノズル28からボウル部2aの表面に向けて機能水を噴霧する。これにより、悪臭のもとになる菌がボウル部2a内で増えることを抑制し、便器2から悪臭が放出されるのを抑えることができる。
【0053】
また、制御部50は、漏水検知センサ31によってケーシング14の内部で漏水が検知されると、報知部32に報知させる。これにより、ケーシング14の内部の漏水がケーシング14の外部まで漏れ出す、すなわち、ケーシング14外部への漏水についていち早く対応することができる。なお、制御部50による漏水防止制御については、
図9を用いて後述する。
【0054】
<3.脱臭ユニット>
次に、
図4および
図5を参照して衛生洗浄装置10の機能部である脱臭ユニット40について説明する。
図4は、脱臭ユニット40の配置を示す概略平面図である。
図5は、脱臭ユニット40を示す概略側断面図であり、
図4におけるI-I線の断面図である。なお、
図4においては、ケースカバー14aの右半部を省略し、便器2を想像線(二点鎖線)で示している。
【0055】
図4に示すように、ケーシング14のケースプレート14bは、便器2の上面におけるボウル部2aの後方に取り付けられる。ケースプレート14bは、平面視においてボウル部2a後部の内周縁の一部と重なるように配置される。衛生洗浄装置10は、上記したように、水路系と、機能部とを収容する。水路系は、ケースプレート14b上の左半部に配置される。機能部は、ケースプレート14b上の右半部に配置される。
【0056】
図4に示すように、衛生洗浄装置10は、脱臭ユニット(室内脱臭ユニットともいう)40を備える。脱臭ユニット40は、ケースプレート14b上の右側端部に配置される。脱臭ユニット40は、トイレルーム100(
図1参照)内の空気を吸引して脱臭する。脱臭ユニット40は、上記したように、集塵フィルタ41と、送風ファン42と、通風路43と、脱臭フィルタ44と、吐水部45と、排水部46と、吸気口47と、排気口48とを備える。
【0057】
図5に示すように、集塵フィルタ41は、吸気口47と送風ファン42との間に設けられる。集塵フィルタ41は、送風ファン42によって吸引された空気中の塵埃を捕集して送風ファン42に塵埃が付着することを抑える。
【0058】
送風ファン42は、上記したように、トイレルーム100(
図1参照)内の空気を吸引する。送風ファン42は、たとえば、樹脂製のシロッコファンであり、内部に設けられた複数の羽が回転することで、吸気口47からトイレルーム100内の空気を吸引し、吸引した空気を排気口48から再度トイレルーム100内に吐き出す。なお、送風ファン42は、シロッコファンに限定されず、ターボファンなどの他の種類のファンでもよい。
【0059】
通風路43は、送風ファン42によって吸引された空気の流路である。図示の例では、通風路43は、前方から後方に向けて空気が流れるように形成される。脱臭フィルタ44は、通風路43に設けられる。また、脱臭フィルタ44は、送風ファン42と排気口48との間に設けられる。脱臭フィルタ44は、通風路43を流れる空気を通過させる。
【0060】
脱臭フィルタ44は、上記したように、通風路43に設けられる。また、脱臭フィルタ44は、送風ファン42と排気口48との間に設けられる。脱臭フィルタ44は、たとえば、セラミックスを含む多孔質構造のフィルタである。
【0061】
吐水部45は、脱臭フィルタ44の上方に設けられる。吐水部45は、たとえば、電磁バルブを備え、制御部50(
図3参照)の制御に基づいて電磁バルブの開弁動作を行い、流調・流路切替弁26(
図3参照)から供給された洗浄水や機能水を、吐水口45aから、図中の矢線Aにて示すように、脱臭フィルタ44の上方から脱臭フィルタ44の上部に向けて定期的に吐水(噴霧)する。排水部46は、脱臭フィルタ44の下方に設けられ、吐水部45により供給され脱臭フィルタ44の下部から排出される洗浄水や機能水を受ける。
【0062】
上記した脱臭ユニット40においては、送風ファン42が作動すると、吸気口47から吸い込まれたトイレルーム100内の空気が、脱臭フィルタ44の内部を通過する。脱臭フィルタ44が水分を保持した状態で空気が脱臭フィルタ44の内部を通過すると、空気中の悪臭成分が、脱臭フィルタ44に保持された水分に取り込まれる。たとえば、空気に含まれるアンモニア(NH3)は、脱臭フィルタ44に保持された水分に溶解する。これにより、臭気を低減させることができる。
【0063】
また、臭気が低減された空気は排気口48からトイレルーム100に排出される。このように、脱臭ユニット40は、トイレルーム100内に常在する臭気(悪臭成分)を吸収または分解することができる。これにより、使用者は、トイレルーム100に入室した場合にトイレルーム100内に常在する臭気を吸う可能性が低くなり、快適にトイレルーム100を利用することができる。
【0064】
ここで、
図4に戻り、衛生洗浄装置10は、機能部として、脱臭ユニット40の他、便器脱臭ユニット60と、結露防止の送風源である結露防止ユニット70とを備える。
図4に示すように、便器脱臭ユニット60は、送風ファン61を備え、便器2のボウル部2a内の空気を吸引して脱臭する。送風ファン61は、たとえば、シロッコファンである。
【0065】
結露防止ユニット70は、送風ファン71を備え、トイレルーム100内の空気を吸引してケーシング14の内部に供給し、ケーシング14の内部を換気して結露の発生を防止する。送風ファン71は、たとえば、プロペラファンである。
【0066】
上記した脱臭ユニット40を含むこれら機能部のうち、脱臭ユニット40および結露防止ユニット70は、ケースプレート14b上における右側端部に前後に並んで配置される。また、便器脱臭ユニット60は、脱臭ユニット40の左側方に配置される。すなわち、脱臭ユニット40および便器脱臭ユニット60は、左右方向に並んで配置される。
【0067】
<4.メイン排水路およびサブ排水路>
次に、
図6Aおよび
図6Bを参照して機能部(脱臭ユニット40)から漏れ出た水を排水するメイン排水路81およびサブ排水路82について説明する。
図6Aは、メイン排水路81およびサブ排水路82を示す概略平面図である。
図6Bは、メイン排水路81およびサブ排水路82を示す概略斜視図である。
図6Cは、サブ排水路82およびバッファ部83の高さ関係を示す説明図であり、
図6AにおけるII-II線の模式的な断面図である。なお、
図6Aにおいては、メイン排水路81およびサブ排水路82(およびバッファ部83)を強調するために、これらに斜線を付している。
【0068】
図6Aに示すように、衛生洗浄装置10は、ケーシング14のケースプレート14bに洗浄ノズル15a(
図3参照)を含む水路系から排出された水をケーシング14の外部、具体的には、便器2のボウル部2aへ導く排水路17を備える。ここで、これまでは、機能部から漏れ出る水に対する排水路については考慮されていなかった。
【0069】
ところが、機能部である脱臭ユニット40は、脱臭フィルタ44(
図3参照)に洗浄水や機能水を供給するため、脱臭ユニット40からも水が漏れ出る可能性がある。なお、脱臭ユニット40においては、脱臭フィルタ44に供給された洗浄水や機能水は排水部46によってケーシング14の外部に排出されるが、たとえば、排水部46に残存している水が原因でバイオ膜が形成されることがあり、バイオ膜が排水部46の排水口を塞ぐことで排水部46から水が溢れ出すことがある。このため、衛生洗浄装置10は、機能部である脱臭ユニット40から漏れ出る水に対する排水路を備える。
【0070】
図6Aおよび
図6Bに示すように、衛生洗浄装置10は、脱臭ユニット40から漏れ出た水に対する排水路(以下、メイン排水路という)81を備える。メイン排水路81は、水路系の排水路17とは異なる排水路である。メイン排水路81は、ケースプレート14bの面上に形成され、ケーシング14の内部において脱臭ユニット40から漏れ出た水を便器2のボウル部2aへ導く排水路である。
【0071】
メイン排水路81は、脱臭ユニット40の排水部46からケーシング14前部の中央部において便器2のボウル部2aを臨むように形成された排出口811まで延びている。脱臭ユニット40から漏れ出た水は、
図6B中の矢線B1で示すように、メイン排水路81を流れて便器2のボウル部2a内に排出される。
【0072】
また、衛生洗浄装置10は、脱臭ユニット40から漏れ出た水に対する排水路として、サブ排水路82をさらに備える。サブ排水路82は、ケースプレート14bの面上に形成され、メイン排水路81から漏れ出た水を便器2のボウル部2aへ導く排水路である。
【0073】
サブ排水路82は、脱臭ユニット40の排水部46からケーシング14前部の右側部において便器2のボウル部2aを臨むように形成された排出口821まで延びている。メイン排水路81から漏れ出た水は、
図6B中の矢線B2で示すように、サブ排水路82を流れて便器2のボウル部2a内に排出される。サブ排水路82は、結露防止ユニット70の近傍を通過する経路であることが好ましい。
【0074】
サブ排水路82は、サブ排水路82を流れる水を一時的に貯留可能なバッファ部83を備える。バッファ部83は、サブ排水路82の経路中に設けられる。バッファ部83は、たとえば、サブ排水路82の下流側、サブ排水路82の排出口821の周辺に設けられる。
【0075】
また、
図6Cに示すように、ケースプレート14b上、バッファ部83の底面831の高さは、サブ排水路82の他の位置の底面822の高さよりも低い。すなわち、バッファ部83は、サブ排水路82の経路中において高さが最も低い。なお、バッファ部83の底面831の高さは、メイン排水路81の底面812より低くてもよい。
【0076】
このように、機能部である脱臭ユニット40から漏れ出た水に対するメイン排水路81を備えることで、ケーシング14の内部において脱臭ユニット40から水が漏れ出ることを抑えることができる。また、サブ排水路82をさらに備えることで、脱臭ユニット40から水が漏れ出ることをより確実に抑えることができ、サブ排水路82にバッファ部83が設けられることで、さらに確実となる。
【0077】
<5.漏水検知部(漏水検知センサ)>
次に、
図7および
図8を参照して漏水検知部(漏水検知センサ)31について説明する。
図7は、漏水検知部(漏水検知センサ)31の配置を示す概略平面図である。なお、
図7においては、漏水検知センサ31を強調するために、これに斜線を付している。また、
図7には、漏水検知部である漏水検知センサ31の配置の好適な例を示すために漏水検知センサ31を複数記載しているが、漏水検知センサ31はいずれか1つあればよい。
【0078】
図7に示すように、漏水検知センサ31は、ケーシング14の内部のケースプレート14b上において、水路系の排水路17(
図6A参照)以外の位置に配置される。また、漏水検知センサ31は、メイン排水路81以外の位置に配置される。漏水検知センサ31は、サブ排水路82に配置される。
【0079】
漏水検知センサ31は、サブ排水路82における他の位置とバッファ部83との境界近傍に配置されることが好ましい。また、漏水検知センサ31は、サブ排水路82におけるバッファ部83よりも上流に設けられることがより好ましい。
【0080】
図8は、漏水検知部(漏水検知センサ)31による漏水検知の一例を示す説明図である。なお、
図8には、図中上部に水非検知状態、図中下部に水検知状態を示している。上記したように、漏水検知センサ31は、水の接触によって水の有無を検出する静電センサなどの接触式センサである。
図8に示すように、漏水検知センサ31は、基部311と、複数(2つ)の電極312,313とを備える。
【0081】
基部311は、2つの電極312,313を支持する。2つの電極312,313は、基部311上で離間して配置され、一方の電極312は、電力供給源に接続され、他方の電極313は接地される。
【0082】
漏水検知センサ31は、水非検知状態では、2つの電極312,313の間の抵抗が大きいが、水検知状態になると、すなわち、漏水検知センサ31に対して水Wが接触すると、2つの電極312,313の間を水Wによって接続して通電するため、2つの電極312,313の間を電気(電流)Eが流れやすくなり、2つの電極312,313の間の抵抗が小さくなる。このような2つの電極312,313の間の抵抗の変化によって水Wの有無を検出することができる。
【0083】
この場合、漏水検知センサ31によって検出された水は、サブ排水路82(
図7参照)を流れる水であるため、脱臭ユニット40(
図7参照)から漏れ出し、メイン排水路81(
図7参照)からも溢れ出した水である。このため、漏水検知センサ31から制御部50(
図3参照)に抵抗変化の信号が出力されると、制御部50において漏水と判定される。
【0084】
また、漏水検知センサ31は、水を検知してから所定時間経過後に再度水を検知した場合に、脱臭ユニット40から漏れ出た水として検知する。具体的には、制御部50に漏水検知センサ31からの抵抗変化の信号が入力され、所定時間経過後に再度信号が入力されることで、制御部50において漏水と判定される。
【0085】
<6.漏水防止制御>
次に、
図9を参照して制御部50による漏水防止制御について説明する。
図9は、漏水防止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。上記したように、制御部50は、漏水検知センサ31からの抵抗変化の信号が入力され、所定時間経過後に再度信号が入力されることで、ケーシング14の内部における漏水と判定する。この場合、
図9に示すように、まず、制御部50は、漏水検知センサ31によって水が検知されたか否かを判定する(ステップS101)。
【0086】
制御部50は、ステップS101の処理において水が検知された場合(ステップS101:Yes)、機能部である脱臭ユニット40を一定時間駆動し、所定時間経過後に再度水が検知されたか否かを判定する(ステップS102)。ステップS101の処理において水が検知されない場合(ステップS101:No)は、水が検知されるまでステップS101の処理を繰り返す。すなわち、脱臭ユニット40の通常動作を継続させる。
【0087】
次いで、制御部50は、ステップS102の処理において再度水が検知された場合(ステップS102:Yes)、脱臭ユニット40において吐水部45から脱臭フィルタ44への水の供給を停止させ(ステップS103)、報知部32に漏水を報知させる(ステップS104)。なお、報知部32による漏水報知には、たとえば、LEDランプの点灯やブザー音などがある。ステップS102の処理において再度水が検知されない場合(ステップS102:No)は、ステップS101の処理に戻る。すなわち、脱臭ユニット40の通常動作を継続させる。
【0088】
このように、実施形態に係る衛生洗浄装置10によれば、漏水検知センサ31が水路系の排水路17以外の位置に配置されることで、機能部である脱臭ユニット40から水が漏れ出た場合に、漏水検知センサ31によってこの漏水を検知することができる。また、メイン排水路81を備えることで、メイン排水路81によって脱臭ユニット40から漏れ出た水を排出することができ、さらに、メイン排水路81から水が漏れ出た場合でも、漏水検知センサ31によってこの漏水を検知することができる。
【0089】
また、サブ排水路82を備えることで、サブ排水路82によってメイン排水路81から漏れ出た水を排出することができるとともに、メイン排水路81からの漏水を漏水検知センサ31によって直接検知することができる。
【0090】
また、漏水検知センサ31によって脱臭ユニット40からの漏水を検知した場合に脱臭ユニット40の吐水部45の吐水を停止することで、ケーシング14外部への漏水を抑えることができる。このように、ケーシング14外部への漏水についていち早く対応することができる。
【0091】
また、サブ排水路82に水を一時的に貯留可能なバッファ部83が設けられることで、サブ排水路82によってメイン排水路81から漏れ出た水を排出する場合に、漏水を検知した初期段階においてバッファ部83に水が溜まるため、漏水を検知してからケーシング14外部に水が漏れ出すまでの時間を稼ぐことができる。
【0092】
また、漏水検知センサ31が結露防止ユニット70の近傍に配置されることで、漏水検知センサ31が結露に濡れることを抑えることができ、漏水検知センサ31が漏水以外の結露を検知するといった誤検知を防止することができる。
【0093】
また、定期的に機能水を吐出することから水が漏れ出す可能性が高い脱臭ユニット40からの漏水を検知することができる。これにより、ケーシング14外部への漏水をより効果的に抑えることができる。また、漏水検知センサ31が一定時間内に複数回水を検知することで、脱臭ユニット40からの漏水と判断することができるため、結露などの漏水以外の検知(誤検知)を防止することができる。これにより、ケーシング14外部への漏水をより確実に抑えることができる。
【0094】
また、機能部が脱臭ユニット40の場合には、漏水検知センサ31が脱臭ユニット40からの漏水を検知した場合にこの脱臭ユニット40のみの機能を停止することで、機能部における他の機能を停止することなく、すなわち、使い勝手を落とすことなく、ケーシング14外部への漏水を抑えることができる。
【0095】
また、漏水検知センサ31が接触式センサであるため、少量の水で漏水検知が可能となり、かつ、漏水検知センサ31に対して水のヘッド圧しかかからないため、漏水検知を簡素な構成で実現することができる。
【0096】
ここで、
図3に戻り、機能部である脱臭ユニット40は、人体検知部である人体検知センサ29が人を検知していないタイミングで吐水部45から機能水を脱臭フィルタ44へ供給する。この場合、漏水検知センサ31は、脱臭ユニット40の吐水部45から機能水が供給されるタイミングで水を検知した場合に、脱臭ユニット40から漏れ出た水として検知する。なお、これらの制御は、制御部50によって行う。
【0097】
このような構成によれば、漏水検知センサ31が脱臭ユニット40の吐水部45において機能水を吐水するタイミングで水を検知することで、脱臭ユニット40からの漏水と判断することができる。また、漏水検知センサ31による水の検知が、人がいないタイミングに限定されるため、たとえば、清掃時に浸入した水や機能部の他の機能による水(たとえば、おしり洗浄時の結露)などの漏水以外の検知(誤検知)を防止することができる。
【0098】
なお、上記した実施形態では、漏水検知センサ31がサブ排水路に配置される構成としているが、漏水検知センサ31がケースプレート14bの上面における水路系の排水路17以外の任意の位置に配置される構成としてもよい。このような構成でも、たとえば、機能部である脱臭ユニット40から水が漏れ出た場合には漏水検知センサ31によってこの漏水を検知することができる。
【0099】
また、この場合、漏水検知センサ31は、ケースプレート14bの上面において水が集まりやすい低い位置に配置されることが好ましい。このような構成によれば、ケーシング14外部に漏水する前の水が集まる位置において水を検知することができるため、ケーシング14外部への漏水を抑えることができ、また、ケーシング14外部への漏水についていち早く対応することができる。
【0100】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
2 便器
10 衛生洗浄装置
14 ケーシング
17 排水路
29 人体検知部
31 漏水検知部
40 機能部(脱臭ユニット)
45 吐水部
70 機能部(結露防止ユニット)
81 メイン排水路
82 サブ排水路
83 バッファ部