(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/65 20180101AFI20220906BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20220906BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/46
(21)【出願番号】P 2018065295
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】萩原 弓子
(72)【発明者】
【氏名】柴田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】牧野 聡輝
【審査官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-227991(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0042146(KR,A)
【文献】特開2003-061127(JP,A)
【文献】特開2007-057106(JP,A)
【文献】特開2006-349240(JP,A)
【文献】特開2012-057826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0159953(US,A1)
【文献】特開2005-241124(JP,A)
【文献】特開2007-132621(JP,A)
【文献】特開2016-188746(JP,A)
【文献】特開2014-049378(JP,A)
【文献】特開2011-132674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/65
F24F 11/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、
人の存在と前記人が保有する物品の物品情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された人が外出したか否かを判断する外出判断部と、
前記外出判断部で前記人が外出したと判断したとき、前記室内機における運転状態を切り替える運転制御部と、
特定の前記物品情報を予め記憶した記憶部と、を備え、
前記検出手段は人感センサと情報取得部であって、
前記外出判断部は、前記人が保有する物品の物品情報と前記記憶部に記憶されている前記特定の物品情報とを比較し、比較結果が一致し、かつその後所定時間内に前記検出手段により前記人が存在しないと判定した場合、前記人が外出したと判断し、前記運転制御部によって前記室内機における運転状態を切り替えることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
室内機と、
人の存在と前記人が保有する物品の物品情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された人が外出したか否かを判断する外出判断部と、
前記外出判断部で前記人が外出したと判断したとき、前記室内機における運転状態を切り替える運転制御部と、
を備え、
前記物品は前記人の着衣であり、
前記外出判断部は、前記着衣の量である着衣量を前記検出手段が検出した物品情報から算出し、前記着衣量の単位時間あたりの変化量が閾値以上であり、かつその後所定時間内に前記検出手段により前記人が存在しないと判定した場合、前記人が外出したと判断し、前記運転制御部によって前記室内機における運転状態を切り替えることを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
前記検出手段は人感センサと情報取得部であることを特徴とする請求項
2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記検出手段は撮像装置であることを特徴とする請求項
2に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記運転制御部は、前記外出判断部で前記人が外出したと判断したとき、前記室内機の運転を停止することを特徴とする請求項1
から請求項4の何れか一項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人感センサにより部屋内の利用者の有無を検知し、検知結果に応じて運転状態を切り替えることにより省エネを図るようにした空気調和機が提案されている。このような空気調和機では、例えば、人感センサの検知情報に基づき所定時間内に所定回数連続して無人状態であることが検知されたときに、空気調和機の運転を停止するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の空気調和機にあっては、例えば、利用者が空気調和機が設置された部屋とは別の部屋に一時的に移動したり、あるいは玄関口に訪問者があり空気調和機が設置された部屋を一時的に離れた場合などに、空気調和機の運転が停止する場合がある。そのため、一時的に移動していた別の部屋から空気調和機が設置された部屋に戻ってきたときや、訪問者への応対が終了し空気調和機が設置された部屋に戻ってきたときに、空気調和機の運転が停止されていることにより、利用者が不快に感じるおそれがあった。
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、省エネ性を維持しつつ利用者が一時的に空気調和機が設置された部屋を離れ、その後その部屋に戻ったときに不快感を与えることを低減することができる空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、室内機と、人の存在と前記人が保有する物品の物品情報を検出する検出手段と、検出手段により検出された人が外出したか否かを判断する外出判断部と、外出判断部で人が外出したと判断したとき、室内機における運転状態を切り替える運転制御部と、特定の物品情報を予め記憶した記憶部と、を備え、検出手段は人感センサと情報取得部であって、外出判断部は、人が保有する物品の物品情報と記憶部に記憶されている特定の物品情報とを比較し、比較結果が一致し、かつその後所定時間内に検出手段により人が存在しないと判定した場合、人が外出したと判断し、運転制御部によって室内機における運転状態を切り替える空気調和機が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、室内機と、人の存在と人が保有する物品の物品情報を検出する検出手段と、検出手段により検出された人が外出したか否かを判断する外出判断部と、外出判断部で人が外出したと判断したとき、室内機における運転状態を切り替える運転制御部と、を備え、物品は人の着衣であり、外出判断部は、着衣の量である着衣量を検出手段が検出した物品情報から算出し、着衣量の単位時間あたりの変化量が閾値以上であり、かつその後所定時間内に検出手段により人が存在しないと判定した場合、人が外出したと判断し、運転制御部によって室内機における運転状態を切り替える空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、省エネ性を維持しつつ空気調和機が設置された部屋を一時的に離れた利用者に対して不快感を与えことを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の一例を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る自動停止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第二実施形態に係る自動停止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明でなされる、特定の構成に限定されることなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。
【0009】
まず、第一実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る空気調和機の構成の一例を示すブロック図である。
空気調和機1は、室内機2と、室外機(図示せず)、室内機2を駆動制御するコントローラ3と、リモートコントローラ(以下、リモコンともいう。)4と、を備える。
コントローラ3は、制御部11と、記憶部12と、送受信部13とを備える。送受信部13は、リモコン4による設定情報や各種センサの検知情報を無線で送受信する。
制御部11は、各種センサの検知情報、および、リモコン4における各種設定情報に基づき、室内機2の制御をおこなう。また、制御部11は、人感センサ22で人の存在が検知されなくなると室内機2を自動的に停止させる自動停止制御を行う。また、人感センサ22は例えばアレイ型のサーモパイルセンサ等が用いられ、人の存在の有無と人数、方向が検知可能である。
【0010】
制御部11には、例えば温度センサや湿度センサ等空気調和機が設置された部屋内の各種環境情報を検知するための環境情報検出センサ21の検知情報、空気調和機が設置された部屋内に利用者が存在するか否かを検出する焦電センサ等で形成される人感センサ22の検知情報が入力される。また、制御部11には、物品の情報保持用のタグ23が保持する物品25情報を読み取るRFIDセンサ(情報取得部)24の検知情報等が入力される。そして、制御部11は、環境情報検出センサ21の検知情報及びリモコン4における各種設定情報に基づき、室内機2の制御を行う。また、制御部11は、例えばリモコン4の操作により物品25に取付けられたタグ23の情報(物品に関する情報)をRFIDセンサ24により検知しその検知情報を記憶部12に格納する。そして新たに検知された検知情報と、記憶部12に格納されている検知情報を比較し、室内機2の運転状態を切り替えてよい状態にあるか否か、具体的には室内機2を停止させてよいか否かを判断する。そして、室内機2を停止させてよい状態にあることを検出したとき、制御部11は室内機2を停止させる。なお、人感センサ22及びRFIDセンサ24で検出手段26が構成される。尚、RFIDセンサ24はアレイ型のもの、あるいは指向性のある複数のセンサから構成され、タグ23のある方向を検知することができる。
【0011】
ここで、環境情報検出センサ21は、空気調和機が設置された部屋内に配置される。人感センサ22は、空気調和機が設置された部屋内に存在する利用者を感知することができる位置に配置される。尚、環境情報検出センサ21、人感センサ22、RFIDセンサ(情報取得部)24は例えば室内機2と一体であってもよい。
RFIDセンサ24は、室内機2内や空気調和機が設置された部屋等に設けられている。また、RFIDセンサ24は、空気調和機が設置された部屋内に存在するタグ23が取り付けられた全ての物品25について、そのタグ23が保持する物品25の物品情報を近距離の無線通信により非接触で読み取ることができるようになっている。
【0012】
タグ23は例えば無線ICタグであり、予め物品25に取り付けられている。タグ23には、タグ23が取り付けられた物品25の品名や種類、番号などの物品25を特定するための情報が格納されている。タグ23が取り付けられる物品25としては、例えば、コート、ジャケット、帽子、手袋、マフラー、カバン等といった、外出時に利用者が身につけるもの、また外出時に利用者が携帯するもの等といった外出時に利用者が保有するものがある。物品25を特定する情報としては、例えば、物品25毎に設けられた識別番号等が挙げられる。
【0013】
タグ23は、例えば物品25の外表面、又は内表面等、少なくとも、RFIDセンサ24が、タグ23の物品25の情報を非接触で読み取ることができる位置に設けられている。タグ23には、例えば物品の製造業者によって物品25に関する情報が格納され、物品25に取り付けられている。
リモコン4は、コントローラ3との送受信を行う送受信部3a、表示部3b、入力操作を行うための入力部3c、及び各部を制御する制御部3dを備える。利用者は、入力部3cを操作して、室内機2の起動及び停止の設定や、自動停止制御を実行させるか否かの設定等、空気調和機1を動作させるための各種情報の設定を行う。設定された各種情報は表示部3bに表示されると共に、制御部3dを介して送受信部3aによって制御部11に送信される。
【0014】
図2は、制御部11で実行される自動停止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは原理を簡単に説明するため、存在する人は1人として説明を行う。
制御部11では、自動停止制御の実行が設定されているとき、室内機2が起動されている間、予め設定された一定周期で
図2に示す処理を実行する。
【0015】
制御部11では、まず人感センサ22の検知情報及びRFIDセンサ24の検知情報を読み込む(ステップS1)。検知情報には人とタグ23の方向の情報が含まれている。続いて、制御部11では、人とタグ23が同じ方向に存在するかを判定する(ステップS2)。同じ方向であるとき(S2-Y)にはステップS3に移行しカウンタをスタートさせた後、ステップS4へ進む。同じ方向でないとき(S2-N)にはステップS7に移行する。ステップS2は人とタグ23の方向の一致からタグ23が付けられた物品25を人が身につけられたかを判定している。ステップS4は記憶部12に格納(登録)されている物品に関する情報と、検知情報から得られた物品25の情報が一致するか判定する。一致しない場合(S4-N)にはステップS7に移行する。一致した場合(S4-Y)には、ステップS5に移行して、人感センサ22の検知情報から所定時間であるカウントアップ前に無人となったかを確認する。無人となった場合(S5-Y)ステップS6へ進み、ステップS6では外出と判断し室内機2の運転を停止し、その後カウンタをリセット(ステップS8)し自動停止制御を終了する。一致しない場合(S5-N)ステップS7に進み、カウンタをリセットする。そして、ステップS1に戻る。
【0016】
また、記憶部12には、物品25に関する情報のうち、利用者が登録設定した物品25に関する情報のみ格納されればよい。登録設定においては、例えば、利用者が外出する際に着用するタグ23が取付けられたコートなどを、リモコン4の入力部3cを操作することにより行わせるようにすればよい。
ここで、ステップS1~S5の処理が外出判断部の機能であり、ステップS6の処理が運転制御部の機能である。
また、人が複数名存在する場合は、同じ方向にある人とタグ23を紐づけし、それぞれについて上記と同様な動作をさせればよい。
【0017】
次に、上記第一実施形態の動作を説明する。
空気調和機が設置された部屋内の利用者の存在状況は人感センサ22で検出される。空気調和機が設置された部屋内のタグ23が取り付けられた物品25は、RFIDセンサ24によって検知される。これら人感センサ22の検知情報及びRFIDセンサ24の検知情報は空気調和機が設置された部屋内に利用者が居る間、制御部11によって記憶部12に格納される。
制御部11は、それぞれの方向の情報から、タグ23が取り付けられた物品25が人に身につけられたと判定する。空気調和機が設置された部屋内の特定の利用者が、空気調和機が設置された部屋でコートや帽子を着用したりカバンを持つと、コートや帽子及びカバンの物品25に関する情報は、RFIDセンサ24によって検出される。
【0018】
コートや帽子やカバンに取り付けられたタグ23の物品25に関する情報は人が外出時に着用する物として記憶部12に既に格納されていることから、制御部11では、身につけられた物品25と記憶部12にある物品25の情報を比較し、一致したときに利用者がこれから外出すると判断する。また、その後所定時間内に人感センサ22により空気調和機が設置された部屋内が無人であることが検出されることから、制御部11は、利用者が外出したと判断する。
そして、室内機2を停止させ、自動停止制御を終了する。これにより、室内機2を利用者が外出するときのみ停止させることができる。
【0019】
また、前述のコート等が検出されなければ人感センサ22が無人であることを検出したとしても室内機2は運転を継続するため、例えば他の部屋に一時的に移動し戻った際の使用者の不快感を不在のみを検知し停止する従来技術と比較し低減できる。
また、例えば上述の人感センサ22とRFIDセンサに換えて撮像装置を用いてもよい。その場合、撮像画像の画像情報からコートや帽子、カバン等、外出時に利用者が身につける物品25の形状や色を画像認識することにより認識する。その際はまた記憶部12に記憶された物品に関する情報も例えば画像情報にし、画像同士の比較によって外出の判断を行わせればよい。
【0020】
この例示は
図2のフローチャートにおけるステップS1~ステップS5に対応する。
また、上記第一実施形態においては、コートや帽子等、外出時に利用者が身につける物品25、また外出時に利用者が携帯する物品25にタグ23を設ける場合について説明したが、これに限るものではない。全ての物品25にタグ23が付けられている場合であっても適用することができる。この場合には、空気調和機が設置された部屋内に居た利用者が外出したかどうかの判定に用いる物品25の種別を利用者が予め登録し、タグ23の物品25情報から、予め利用者が登録した種別の物品25についてのみ、その物品25情報を記憶部12に格納するようにし、上記と同様の手順で外出したかどうかを判定するようにしてもよい。
【0021】
また、上述の利用者が登録設定した物品25の関する情報に換えて、例えば人感センサ22で長時間無人であると検知されたときに、時間的にその前にRFIDセンサ24が検知していた物品25に関する情報を、予め記憶部12に格納し、制御部11では、記憶部12に格納(登録)されている物品に関する情報と、検知情報から得られた物品25の情報が一致するか判定することで、外出したかどうかの判定を行なってもよい。
【0022】
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
この第二実施形態は、単位時間当たりの着衣量の変化量に基づき、室内機2を停止させるようにしたものである。制御部11の処理手順が異なること以外は上記第一実施形態における、空気調和機1と同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
第二実施形態において、タグ23は、衣服それぞれに取り付けられ、少なくとも衣服それぞれの着衣量が、物品25の情報として格納されている。着衣量は、クロ(clo)という単位で表される。1cloは、気温21.2℃、相対湿度50%、風速10cm/secの大気中で、椅子に腰掛けて安静にしている被服者が快適に感じ、且つ被服者の平均皮膚温度が33℃を維持できるのに必要な衣服の熱絶縁値を示す。タグ23が取り付けられる衣服としては、例えば、シャツ、ズボン、ネクタイ等の一般的な衣料品の他、手袋、帽子、マフラー等の身体に装着することができる全ての物が含まれる。
【0023】
RFIDセンサ24は、室内機2内や空気調和機が設置された部屋に設けられている。また、RFIDセンサ24は、空気調和機が設置された部屋内に存在するタグ23が取り付けられた全ての物品25について、そのタグ23が保持する物品25の情報を近距離の無線通信により非接触で読み取ることができるようになっている。
制御部11では、人感センサ22の検知情報及びRFIDセンサの方向の情報を含む検知情報に基づき、特定の人の単位時間当たりの着衣量の変化量の変化が、閾値以上であることを検出し、その後、空気調和機が設置された部屋が無人となったときに、空気調和機が設置された部屋に居た利用者は外出したと判断して、室内機2を停止させる。なお、閾値は、予め設定されて所定の記憶領域に格納されている。制御部11では自動停止制御を行う場合には、この所定の記憶領域に格納されている閾値を読み出して処理を行う。
【0024】
図3は、第二の実施の形態における自動停止制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部11は、自動停止制御の実行が設定されているとき、室内機2が起動されている間、予め設定された一定周期で
図3に示す処理を実行する。
まず、制御部11は、人感センサ22及びRFIDセンサ24の方向の情報を含む検知情報を読み込む(ステップS11)。
次に、人とタグ23が同じ方向に存在するかを判定する(ステップS12)。同じ方向であるとき(S12-Y)にはステップS13に移行する。同じ方向でないとき(S12-N)にはステップ11に戻る。
【0025】
ステップS13では、RFIDセンサ24から得られた複数の物品25の検知情報から特定の人の着衣量に関する情報の和を取ることで着衣量の総和を算出し、カウンタをスタートさせる(ステップS14)。
続いて、制御部11では、RFIDセンサ24の検知情報に基づき、単位時間当たりの着衣量の変化量が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS15)。単位時間当たりの着衣量の変化量は算出した着衣量の総和と、記憶部12に記憶されている着衣量の総和との差分によって求められる。尚、記憶部12への着衣量の格納はステップS18で行われる。
【0026】
そして、単位時間当たりの着衣量の変化量が閾値以上であるときには、空気調和機が設置された部屋内の利用者が衣類を着込んだ、つまり外出する可能性があると判断して、ステップS16に移行する。つまり、冬場は屋外が寒いため、外出前にはコートや、マフラー等衣類を着込むと考えられ、すなわち着衣量が増加すると考えられる。したがって、単位時間当たりの着衣量が比較的大きく変化し衣類を着込んだと予測されるときには、外出する可能性があると判断することができる。なお、単位時間は例えば、外出時にコートやマフラー等衣類を着込むのに要する時間に基づいて設定される。
【0027】
ステップS16では、人感センサ22の検知情報に基づき、空気調和機が設置された部屋内が所定時間であるカウントアップ前に無人になったか否かを判定し、無人になった場合には、ステップS17に移行する。ステップS17では、衣類を着込んだと判断され、その後、空気調和機が設置された部屋内が無人になったことから、空気調和機が設置された部屋内に居た利用者は外出したと判断し、室内機2を停止し、カウンタをリセットした後(ステップS19)、自動停止制御を終了する。
【0028】
一方、ステップS15で単位時間当たりの着衣量の変化量が閾値より小さいとき(S15-N)、また、ステップS16で空気調和機が設置された部屋内が無人になっていない場合(S16-N)には、ステップS18に移行する。
ステップS18では、ステップS11で読み込んだ物品25の検知情報及び人感センサ22の検知情報と、ステップS15で求めた着衣量の総和とを対応付けて記憶部12に格納する。そして、ステップS20でカウンタをリセットした後、ステップS11に戻る。
ここで、ステップS11~S16の処理が外出判断部の機能であり、ステップS17の処理が運転制御部の機能となっている。
【0029】
次に、上記第二実施形態の動作を説明する。
空気調和機が設置された部屋内の人の存在状況は人感センサ22で検出される。また、空気調和機が設置された部屋内に存在する衣服のタグ23がRFIDセンサ24によって検知される。これら人感センサ22及びRFIDセンサ24の検知情報は、制御部11により記憶部12に格納される。
なお、記憶部12には、少なくとも自動停止制御の前回の実行周期において取得された人感センサ22及びRFIDセンサ24の検知情報が格納されるようになっており、先の実行周期で格納された人感センサ22及びRFIDセンサ24の検知情報から順に記憶部12から削除されるようになっている。
【0030】
例えば、空気調和機が設置された部屋内の利用者が、外出するために帽子をかぶりコートを着ると、RFIDセンサ24によって、利用者が着用している衣類に取り付けられたタグ23が検知される(ステップS11)。また人とタグ23の方向の比較からタグ25の物品25は人に身につけられたか判定する(ステップS12)。制御部11では、タグ23の物品25の情報から、着衣量の総和を算出する(ステップS13)。所定時間をカウントするカウンタの動作についてはここでの説明は省略する。続いて、空気調和機が設置された部屋内の利用者は、外出のため帽子やコート等を着用したことから、単位時間当たりの着衣量の変化量は大きくなり、閾値を超える(ステップS15)。そして、この利用者が、空気調和機が設置された部屋を出たことから、人感センサ22の検知情報から空気調和機が設置された部屋内が無人となったことが検知される。そのため、制御部11では、ステップS15からステップS16に移行し、空気調和機が設置された部屋内に居た利用者は外出したと判断する。そして、室内機2を停止させ、自動停止制御を終了する。これにより、室内機2を不要に運転させることを回避することができる。
【0031】
また、例えば空気調和機が設置された部屋内の利用者が、別の部屋に物を取りにいったものとする。空気調和機が設置された部屋内の利用者は、通常、別の部屋に物を取りに行くのに、コートや、帽子等をさらに身につけたりしないことから、着衣量の総和は変化しない。そのため、ステップS11から開始された処理はステップS15を経て、ステップS18に移行し、検知情報及び着衣量の総和が記憶部12に格納される。室内機2は停止されない。
この状態から、別の部屋に物を取りにいった利用者が、空気調和機が設置された部屋に戻ってくると、人感センサ22で感知されるが、着衣量の総和は変化しないことから、ステップS11から開始された処理はステップS15を経て、ステップS18に移行し、引き続き室内機2は駆動される。
【0032】
したがって、この場合も、空気調和機が設置された部屋内に居た利用者が、別の部屋に物を取りにいっている間に室内機2が停止されることはなく、一時的に空気調和機が設置された部屋が無人となったことにより、空気調和機が設置された部屋に戻ってきた利用者に対して不快感を与える可能性を不在のみを検知し停止する従来技術と比較し低減することができる。
なお、この第二実施形態においては、タグ23に格納された着衣量をもとに、利用者の着衣量の単位時間当たりの変化量が閾値以上であり、利用者の着衣量が単位時間当たりに大きく増加し且つ空気調和機が設置された部屋が無人となったときに、利用者が外出したと判定するようにしているがこれに限るものではない。例えば、空気調和機が設置された部屋の出入り口に部屋内を撮影するカメラ等の撮像装置を設けて画像情報を取得し、画像認識を行うことで、利用者の着衣量の単位時間当たりの変化量を検出するようにしてもよい。
【0033】
また、上記各実施形態においては、空気調和機が設置された部屋内に方向に関する情報が取得可能な人感センサ22とRFIDセンサ24を設ける場合について説明したが、これに限るものではない。
コートや帽子等は、玄関で着用することがあることから、人感センサ22及びRFIDセンサ24を玄関の照明等に設け、玄関に設けた人感センサ22及びRFIDセンサ24の検知情報に基づき着衣の種類や量と外出を検出し、空気調和機が設置された部屋の室内機2を停止させるようにしてもよい。こうすることにより、人感センサ22及びRFIDセンサ24は方向に関する情報を取得する必要はなくなる。それぞれについて人の在不在のみを検知、タグ23からの情報を受信するだけ、というような簡易なセンサを使用することができる。
【0034】
また、上記各実施形態においては、室内機2が設けられた家屋に一人の利用者のみが存在する場合について説明したが、本発明は、複数の利用者が存在する場合であっても適用することができる。複数の利用者が存在する場合には、例えば、空気調和機が設置された部屋内を撮影するカメラ等の撮像装置を設けて画像情報を取得し、画像認識を行うことで、コートや帽子等を着用した利用者と、空気調和機が設置された部屋外に移動した利用者とを対応付け、これに基づき、空気調和機が設置された部屋内の利用者が外出したかどうかを判断するようにすればよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 空気調和機
2 室内機
3 コントローラ
4 リモートコントローラ(リモコン)
11 制御部
22 人感センサ
23 タグ
24 RFIDセンサ