(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】電動オイルポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/14 20060101AFI20220906BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20220906BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20220906BHJP
【FI】
H02K7/14 B
F04C15/00 L
H02K11/33
(21)【出願番号】P 2018069199
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002723
【氏名又は名称】高法弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】小林 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】大森 豊
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-364536(JP,A)
【文献】特開2017-203472(JP,A)
【文献】特開2014-082824(JP,A)
【文献】特開2010-273443(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188803(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0254719(US,A1)
【文献】中国実用新案第204290629(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/14
F04C 15/00
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸に沿って配置されたシャフトを有するモータ部と、
前記モータ部の軸方向一方側に位置し、前記モータ部によって前記シャフトを介して駆動されオイルを吐出するポンプ部と、前記モータ部の作動を制御する制御部と、を有し、
前記モータ部は、
前記シャフトの軸方向他方側に固定されるロータと、
前記ロータと対向して配置されたステータと、
前記ロータ及び前記ステータを収容する円筒部を有したモータハウジングと、を有し、
前記ポンプ部は、
前記モータ部から軸方向一方側に突出する前記シャフトに取り付けられるポンプロータと、
前記ポンプロータを収容する収容部を有したポンプハウジングと、を有し、
前記制御部は、
複数の電子部品と、
前記複数の電子部品が実装される面を有した基板と、を有し、
前記基板は、前記モータハウジングの前記円筒部の径方向外側に前記基板の前記面が前記モータハウジングに対向して配置されて軸方向に沿って延び、
前記基板は、軸方向長さが前記モータ部及び前記ポンプ部を組み合わせてなるアセンブリの軸方向長さよりも短く、前記アセンブリの軸方向範囲内に配置され
、
前記ステータは、コイルを有し、
前記モータ部の軸方向他方側端部には、前記ステータの前記コイルに電気的に接続されたバスバーアセンブリが設けられ、
前記基板の軸方向一方側には、前記基板に電気的に接続されたコネクタ部が設けられ、
前記基板の軸方向他方側には、前記バスバーアセンブリに接続されたバスバーが電気的に接続される電動オイルポンプ。
【請求項2】
前記基板に実装される前記複数の電子部品は、前記モータハウジングの前記円筒部に対向して前記基板に配置される請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【請求項3】
前記複数の電子部品のうち比較的に高さの高い前記電子部品は、前記基板の前記面のうち前記モータ部側へ対向するリア側面と反対側のフロント側面に実装される請求項2に記載の電動オイルポンプ。
【請求項4】
前記バスバーアセンブリは、
前記コイルに電気的に接続する連結バスバーと、
前記連結バスバーを内部に配置する筒状のアセンブリ本体と、を有し、
前記バスバーは、
前記連結バスバーと、前記基板と、の間を接続する、
請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【請求項5】
前記モータハウジングは、前記円筒部の外側面から軸方向に対して直交する方向へ延びるケースを有し、
前記ケースは、前記円筒部の径方向外側に位置して軸方向に沿って延びて前記基板を収容する基板収容部を有し、
前記基板収容部は、前記円筒部に対向して前記アセンブリの軸方向範囲内に配置されて前記基板を載置する載置面部を有する請求項3又は4に記載の電動オイルポンプ。
【請求項6】
前記ケースは、前記円筒部の外側面から径方向外側へ延びるとともに、軸方向に対して交差する方向に延びる複数の放熱フィンを有する請求項5に記載の電動オイルポンプ。
【請求項7】
前記ケースは、前記モータハウジングの前記円筒部の前記外側面から径方向外側へ延びるとともに、前記軸方向に隣接する一対の放熱フィン間を繋ぐ支持部を有する請求項6に記載の電動オイルポンプ。
【請求項8】
前記ケースは、車両のトランスミッションに設けられた取付面に取り付けられる複数の取付部を有する請求項7に記載の電動オイルポンプ。
【請求項9】
前記複数の取付部は、前記取付面と面接触する平面部を有する請求項8に記載の電動オイルポンプ。
【請求項10】
前記支持部は、前記平面部に対して交差する方向に延びて前記支持部を貫通するフィン間貫通孔を有する請求項9に記載の電動オイルポンプ。
【請求項11】
前記複数の放熱フィンは、軸方向に間隔を有して配置され、
前記ケースは、軸方向に隣接する一対の前記放熱フィン間を繋ぐリブを有する請求項6又は7に記載の電動オイルポンプ。
【請求項12】
比較的に高さの高い前記電子部品は、コンデンサ又はチョークコイルである請求項3に記載の電動オイルポンプ。
【請求項13】
前記ポンプハウジングは、吸入の向きが前記円筒部の径方向外側に向く吸入口を有し、
前記吸入口は、
前記基板側に配置され、前記基板の軸方向一方側の端部よりも、軸方向一方側に位置し、
前記基板の少なくとも一部は、軸方向視で前記吸入口と重なる、
請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【請求項14】
前記吸入口と、前記コネクタ部と、前記バスバーと、は、
軸方向一方側から軸方向に、前記吸入口、前記コネクタ部、前記バスバーの順で配置する、
請求項13に記載の電動オイルポンプ。
【請求項15】
前記シャフトの軸方向他方側端部に対向し、前記シャフトの回転を検出する回転角センサを有し、
前記バスバーは、
前記回転角センサと、前記モータ部と、の間に位置する、
請求項1に記載の電動オイルポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
電動オイルポンプは、ポンプ部と、ポンプ部を駆動するモータ部と、モータ部の作動を制御する制御部と、を有した構造が知られている。この電動オイルポンプは、例えば、モータ部の軸方向一方側にポンプ部が配置され、モータ部から延びるシャフトがポンプ部のポンプボディを貫通する。ポンプボディの軸方向一方側の端面には、ポンプボディの軸方向一方側が開口して軸方向他方側へ窪む収容部が設けられる。収容部内にはポンプロータが収容される。また、制御部は、モータ部を駆動する電子部品が実装された基板を有する。
【0003】
特許文献1には、電子血圧計において、被測定者の測定部位に装着されたカフに空気を導入するポンプと、このポンプを駆動するポンプモータと、電子血圧計を制御する基板と、を有する構造が記載される。基板は、ポンプモータのモータ部の上方に配置され、電子部品を実装する基板の面がポンプモータのシャフトの中心軸に沿って軸方向に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子血圧計のハウジングの内部空間は、ポンプの大きさと比較して広い。また、ポンプ部の上方に配置された基板の軸方向他方側は、ポンプ部の軸方向他方側端部から突出した状態で、ポンプ部の上方に配置される。このため、特許文献1に記載の電子血圧計のポンプでは、電動オイルポンプに比べて小型化に対する要求が低い。
【0006】
一方、例えば、車両に適用される電動オイルポンプでは、車両の最低地上高の確保のため小型化に対する要求が高い。このため、特許文献1に記載の電子血圧計におけるポンプ及び基板を、電動オイルポンプに適用した場合、電動オイルポンプが大型化する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、基板を有して小型化が可能な電動オイルポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の例示的な第1発明は、軸方向に延びる中心軸に沿って配置されたシャフトを有するモータ部と、前記モータ部の軸方向一方側に位置し、前記モータ部によって前記シャフトを介して駆動されオイルを吐出するポンプ部と、前記モータ部の作動を制御する制御部と、を有し、前記モータ部は、前記シャフトの軸方向他方側に固定されるロータと、前記ロータと対向して配置されたステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容する円筒部を有したモータハウジングと、を有し、前記ポンプ部は、前記モータ部から軸方向一方側に突出する前記シャフトに取り付けられるポンプロータと、前記ポンプロータを収容する収容部を有したポンプハウジングと、有し、前記制御部は、複数の電子部品と、前記複数の電子部品が実装される面を有した基板と、を有し、前記基板は、前記モータハウジングの前記円筒部の径方向外側に前記基板の前記面が前記モータハウジングに対向して配置されて軸方向に沿って延び、前記基板は、軸方向長さが前記モータ部及び前記ポンプ部を組み合わせてなるアセンブリの軸方向長さよりも短く、前記アセンブリの軸方向範囲内に配置される電動オイルポンプである。
【発明の効果】
【0009】
本願の例示的な第1発明によれば、基板を有して小型化が可能な電動オイルポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。
【
図2】モータハウジングの記載を省略した電動オイルポンプの内部構造図である。
【
図4】モータハウジング及びアセンブリ本体の記載を省略した電動オイルポンプの内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電動オイルポンプについて説明する。本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるトランスミッションにオイルを供給する電動オイルポンプについて説明する。また、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺及び数等を異ならせる場合がある。
【0012】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、
図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向(
図1の左右方向)とする。X軸方向は、
図1に示す電動オイルポンプの短手方向と平行な方向、すなわち、
図1紙面に直交する方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0013】
また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を「リア側」と記し、Z軸方向の負の側(-Z側)を「フロント側」と記す。なお、リア側及びフロント側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と記し、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と記し、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と記す。
【0014】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0015】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、第1実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。
図2は、モータハウジングの記載を省略した電動オイルポンプの内部構造図である。本実施形態の電動オイルポンプ1は、
図1及び
図2に示すように、モータ部10と、ポンプ部40と、制御部82とを有する。モータ部10は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って配置されたシャフト11を有する。ポンプ部40は、モータ部10の軸方向一方側(フロント側)に位置し、モータ部10によってシャフト11を介して駆動されオイルを吐出する。制御部82は、モータ部10よりも+Y側に配置されて、モータ部10の作動を制御する。以下、構成部材毎に詳細に説明する。
【0016】
<モータ部10>
モータ部10は、
図1に示すように、シャフト11と、ロータ20と、ステータ22と、モータハウジング13の円筒部13dと、コイル22bと、を有する。
【0017】
モータ部10は、例えば、インナーロータ型のモータであり、ロータ20がシャフト11の外周面に固定され、ステータ22がロータ20の径方向外側に配置される。ロータ20は、シャフト11の軸方向他方側(リア側)に固定される。ステータ22は、ロータ20と対向して配置される。
【0018】
(モータハウジング13)
モータハウジング13は、
図1に示すように、ステータ22を覆う円筒状の円筒部13dと、円筒部13dの外側面から軸方向に対して直交する方向(Y軸方向)へ延びるケース50を有する。円筒部13dは、ロータ20及びステータ22を収容する。モータハウジング13は、ステータ保持部13aを有する。モータハウジング13は、金属製である。円筒部13dとケース50とは一体成型される。したがって、円筒部13dとケース50とは、単一の部材である。円筒部13dの軸方向他方側(リア側)の端部にはモータカバー72cが配置され、モータカバー72cによって円筒部13dのリア側の開口が塞がれる。また、モータハウジング13は、ステータ22から延びるコイル22bと接続されるバスバーアセンブリ30を有する。
【0019】
(ステータ保持部13a)
ステータ保持部13aは、軸方向に延びる円筒状である。ステータ保持部13a内にモータ部10のシャフト11とロータ20とステータ22とが配置される。ステータ保持部13aの内側面13a1には、ステータ22の外側面、すなわち、後述するコアバック部22aの外側面が嵌め合わされる。これにより、ステータ保持部13aにステータ22が収容される。
【0020】
(バスバーアセンブリ30)
図3は、アセンブリ本体の斜視図である。
図4は、モータハウジング13及びアセンブリ本体33cの記載を省略した電動オイルポンプ1の内部構造図である。バスバーアセンブリ30は、
図3及び
図4に示すように、ステータ22から延びるコイル22bのコイル端22eに接続される。また、バスバーアセンブリ30のバスバー73は、基板82aに接続されたバスバー73に接続される。このため、コイル端22eは、バスバーアセンブリ30を介して基板82aに電気的に接続される。
【0021】
バスバーアセンブリ30は、筒状であり、コイル端22eに接続される複数の連結バスバー35と、連結バスバー35が内部に配置されるアセンブリ本体33と、を有する。本実施形態では、連結バスバー35は、金属製であり、インサート成型によりアセンブリ本体33と一体化される。
【0022】
コイル端22eは、モータ部10の軸方向他方側(リア側)の端部から突出する。周方向に隣接する2つのコイル端22eを1つのコイル端群22fとすると、3つのコイル端群22fが周方向に等間隔を有して配置される。このため、バスバーアセンブリ30は、3つのコイル端群22fの夫々に接続される3本の連結バスバー35を有する。
【0023】
(連結バスバー35)
連結バスバー35は、シャフト11の径方向外側を周方向に沿って湾曲するバスバー本体部35aと、バスバー本体部35aの一端部に繋がってコイル端22eに接続されるコイル端側接続部35bと、バスバー本体部35aの他端部に繋がって基板82aに接続されたバスバー73に接続される基板側接続部35cとを、有する。
【0024】
(アセンブリ本体33)
アセンブリ本体33は、
図1及び
図3に示すように、筒状であり、円筒状に延びる筒部33bを有する。筒部33bは、軸方向一方側(フロント側)が開口してリア側に底部33aを有する。底部33aの中央部には、シャフト11が通される挿入孔33cを有する。挿入孔33cの内径はシャフト11の外径よりも大きい。このため、挿入孔33cは、シャフト11のリア側の振れを抑制可能である。バスバーアセンブリ30は、モータハウジング13の円筒部13dの内側面13a1に固定される。本実施形態では、バスバーアセンブリ30は、モータハウジング13の内側面13a1に圧入によって固定される。
【0025】
アセンブリ本体33は、
図3に示すように、アセンブリ本体33の底部33aの周縁部に周方向に等間隔を有して設けられた複数の露出貫通孔33dを有する。露出貫通孔33dは、連結バスバー35のコイル端側接続部35bを軸方向視において露出させる。本実施形態では、露出貫通孔33dは、リア側から見たときに、周方向に湾曲して延びる長孔状である。
【0026】
アセンブリ本体33は、底部33aの周縁部であって周方向に隣接する露出貫通孔33d間にボルトを螺合させるための雌ねじ部33eを有する。本実施形態では、3つの雌ねじ部33eが軸方向視においてX軸方向に直線状に配置される。雌ねじ部33eは、インサートを有する。
【0027】
(バスバー73)
バスバー73は、
図4に示すように、連結バスバー35と基板82aとの間を接続する。バスバー73は、バスバー本体部73aと、バスバー本体部73aの一端側に設けられて連結バスバー35と接続される連結バスバー側端子部73bと、バスバー本体部73aの他端側に設けられて基板82aと接続される基板側端子部73cと、を有する。バスバー本体部73aと連結バスバー側端子部73bは、連結バスバー35の基板側接続部35cから径方向外側に向かって直線状に延びる。バスバー本体部73aの他端側は、リア側へ屈曲して軸方向に沿って延びる。基板側接続部35cは、バスバー本体部35aの他端部から屈曲して径方向外側に向かって直線状に延びる。基板側接続部35cは、基板82aに設けられたスルーホールに通されて電気的に接続される。
【0028】
(ロータ20)
ロータ20は、
図1に示すように、ポンプ部40に対してシャフト11のリア側に固定される。ロータ20は、ロータコア20aと、ロータマグネット20bと、を有する。ロータコア20aは、シャフト11を軸周り(θ方向)に囲んで、シャフト11に固定される。ロータマグネット20bは、ロータコア20aの軸周り(θ方向)に沿った外側面に固定される。ロータコア20a及びロータマグネット20bは、シャフト11と共に回転する。なお、ロータ20は、ロータ20の内部に永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型でもよい。埋込磁石型のロータ20は、永久磁石をロータ20の表面に設けた表面磁石型と比較して、遠心力によって磁石が剥がれる虞を軽減することができ、また、リラクタンストルクを積極的に利用することができる。
【0029】
(ステータ22)
ステータ22は、ロータ20の径方向外側に、ロータ20と対向して配置され、ロータ20を軸周り(θ方向)に囲み、ロータ20を中心軸J周りに回転させる。ステータ22は、コアバック部22aと、ティース部22cと、コイル22bと、インシュレータ(ボビン)22dと、を有する。
【0030】
コアバック部22aの形状は、シャフト11と同心の円筒状である。ティース部22cは、コアバック部22aの内側面からシャフト11に向かって延びる。ティース部22cは、複数設けられ、コアバック部22aの内側面の周方向に均等な間隔で配置される。コイル22bは、インシュレータ22dの周囲に巻回されてなる。インシュレータ22dは、各ティース部22cに装着される。
【0031】
(シャフト11)
シャフト11は、
図1に示すように、軸方向に延びる中心軸Jを中心として延びてモータ部10を貫通する。シャフト11のフロント側(-Z側)は、モータ部10から突出して、ポンプ部40内に延びる。シャフト11のフロント側はポンプ部40のインナーロータ47aに固定される。シャフト11のフロント側は、モータハウジング13のケース50のフロント側に設けられた軸受貫通孔50aに通されて支持される。つまり、軸受貫通孔50aは、シャフト11を回転自在に支持するすべり軸受の機能を有する。軸受貫通孔50aの詳細は後述する。
【0032】
なお、シャフト11のリア側は、バスバーアセンブリ30の挿入孔33cに通されるが、挿入孔33cは軸受として機能しない。このため、ロータ20は、フロント側のみが支持された片持ち支持の状態で回転する。
【0033】
<制御部82>
制御部82は、
図1及び
図2に示すように、複数の電子部品82bと、複数の電子部品82bが実装される面を有した基板82aと、を有する。制御部82は、モータ部10を駆動する信号を生成し、その信号をモータ部10に対して出力する。基板82aは、ケース50内に収容されて、モータハウジング13の円筒部13dから径方向外側に延びるバスバーアセンブリ75に支持されて固定される。
【0034】
なお、
図1に示すように、モータカバー72c内であってシャフト11のリア側端部に対向する位置には、シャフト11の回転角度を検出する回転角センサ72bが配置される。回転角センサ72bは、回路基板72a上に実装される。回路基板72aは、モータハウジング13のリア側端部に固定された不図示の基板支持部に支持されて固定される。シャフト11のリア側端部には回転角センサ用磁石72dが配置されて固定される。回転角センサ72bは、回転角センサ用磁石72dと対向し、回転角センサ用磁石72dのリア側に配置される。シャフト11が回転すると回転角センサ用磁石72dも回転し、これにより磁束が変化する。回転角センサ72bは、回転角センサ用磁石72dの回転による磁束の変化を検出し、これによりシャフト11の回転角を検出する。
【0035】
<ポンプ部40>
ポンプ部40は、
図1に示すように、モータ部10の軸方向一方側(フロント側)に位置する。ポンプ部40は、モータ部10によってシャフト11を介して駆動される。ポンプ部40は、ポンプロータ47と、ポンプハウジング51と、を有する。本実施形態では、ポンプハウジング51は、ポンプボディ52と、ポンプカバー57と、を有する。ポンプハウジング51は、ポンプボディ52とポンプカバー57との間にポンプロータ47を収容する収容部60を有する。以下、各部品について詳細に説明する。
【0036】
(ポンプボディ52)
ポンプボディ52は、
図1に示すように、モータハウジング13のフロント側端部に配置される。ポンプボディ52は、ケース50と一体成型される。したがって、ポンプボディ52とケース50とは、同一の部材である。ポンプボディ52は、リア側(+Z側)の端面52cからフロント側(-Z側)に窪む凹部54を有する。凹部54内にはシール部材59が収容される。シール部材59は、ポンプロータ47から漏れ出すオイルをシールする。ポンプボディ52は、モータハウジング13と同一の部材である。
【0037】
ポンプボディ52は、中心軸Jに沿って貫通する軸受貫通孔50aを有する。軸受貫通孔50aは軸方向両端が開口してシャフト11が通され、リア側(+Z側)の開口が凹部54に開口し、フロント側(-Z側)の開口がポンプボディ52のフロント側の端面52dに開口する。この軸受貫通孔50aは、シャフト11を回転自在に支持するすべり軸受となる。
【0038】
(ポンプロータ47)
ポンプロータ47は、
図1に示すように、シャフト11のフロント側に取り付けられる。ポンプロータ47は、インナーロータ47aと、アウターロータ47bと、ロータボディ47cと、を有する。ポンプロータ47は、シャフト11に取り付けられる。より詳細には、ポンプロータ47は、シャフト11のフロント側(-Z側)に取り付けられる。インナーロータ47aは、シャフト11に固定される。アウターロータ47bは、インナーロータ47aの径方向外側を囲む。ロータボディ47cは、アウターロータ47bの径方向外側を囲む。ロータボディ47cは、ポンプボディ52に固定される。
【0039】
インナーロータ47aは、円環状である。インナーロータ47aは、径方向外側面に歯を有する歯車である。インナーロータ47aは、シャフト11と共に軸周り(θ方向)に回転する。アウターロータ47bは、インナーロータ47aの径方向外側を囲む円環状である。アウターロータ47bは、径方向内側面に歯を有する歯車である。アウターロータ47bの径方向外側面は円形である。ロータボディ47cの径方向内側面は円形である。
【0040】
インナーロータ47aの径方向外側面の歯車とアウターロータ47bの径方向内側面の歯車とは互いに噛み合い、シャフト11によってインナーロータ47aが回転することでアウターロータ47bが回転する。すなわち、シャフト11の回転によりポンプロータ47は回転する。言い換えると、モータ部10とポンプ部40とは同一の回転軸を有する。これにより、電動オイルポンプ1が軸方向に大型化することを抑制できる。
【0041】
また、インナーロータ47a及びアウターロータ47bが回転することで、インナーロータ47aとアウターロータ47bとの噛み合わせ部分の間の容積が変化する。容積が減少する領域が加圧領域となり、容積が増加する領域が負圧領域となる。ポンプロータ47の負圧領域のフロント側には、ポンプカバー57の吸入ポート(不図示)が配置される。また、ポンプロータ47の加圧領域のフロント側には、ポンプカバー57の吐出ポート(不図示)が配置される。
【0042】
(ポンプカバー57)
ポンプカバー57は、
図1に示すように、ポンプロータ47のフロント側に取り付けられる。ポンプカバー57は、ポンプロータ47のロータボディ47cに固定される。ポンプカバー57は、ポンプロータ47のロータボディ47cとともに、ポンプボディ52に取り付けられ、固定される。ポンプカバー57は、吸入ポートにつながる吸入口41(
図2参照)を有する。ポンプカバー57は、吐出ポートにつながる吐出口42(
図2参照)を有する。
【0043】
ポンプカバー57に設けられた吸入口41からポンプカバー57の吸入ポートを介してポンプロータ47内に吸入されるオイルは、インナーロータ47aとアウターロータ47bとの間の容積部分に収容され、加圧領域に送られる。その後、オイルは、ポンプカバー57の吐出ポートを介してポンプカバー57に設けられた吐出口42から吐出される。吸入口41による吸入の向きと吐出口42による吐出の向きとは直交する。これにより、吸入口から吐出口までの圧力損失を低減し、オイルの流れをスムーズにすることができる。
【0044】
吸入口41は、
図2に示すように、モータ部10に対して基板82aが配置される側に配置される。これにより、吸入口41の配置スペースを基板82aの配置スペースと重複させ、別途必要な配置スペースを最小限にし、電動オイルポンプ1を径方向で小型化することができる。
【0045】
(ケース50)
図5は、モータハウジング13の斜視図である。モータハウジング13は、円筒部13dとケースと50を有してなる。モータハウジング13は、
図1及び
図5に示すように、直方体状であり、軸方向に延びる円筒部13dを有する。円筒部13dは、リア側が開口し、フロント側が塞がれた端面52cを有する。このため、円筒部13dは、有底筒状である。端面52cには、軸方向に貫通してシャフト11が通された軸受貫通孔50aが設けられる。
【0046】
ケース50は、モータハウジング13のうち円筒部13dよりも外側の部分である。ケース50は、円筒部13dの径方向外側に位置して軸方向に沿って延びて基板82aを収容する基板収容部84を有する。また、基板収容部84は、円筒部13dに対向してアセンブリ45の軸方向範囲内に配置されて基板82aを載置する載置面部84aを有する。なお、アセブリ45とは、モータ部10及びポンプ部40を組み合わせたものをいう。基板収容部84は、円筒部13dに対向してアセンブリ45の軸方向範囲内に配置されて基板82aを載置する載置面部84aを有する。本実施形態では、基板収容部84は、円筒部13dよりも+Y側に位置し、載置面部84aが円筒部13dに対向して配置される。載置面部84aは、軸方向及びX軸方向に沿って延びる。つまり、載置面部84aは、Y軸方向に直交する方向に延びる。このため、電動オイルポンプ1のY軸方向の大きさの増大を抑制することができる。
【0047】
基板収容部84は、円筒部13d側へ窪んだ有底容器状であり、軸方向に沿って平面状に延びる載置面部84aと、載置面部84aの周縁部から+Y側へ突出する環状の突起部84bと、を有する。載置面部84aは、-Y側方向視において、長方形状である。この基板収容部84内に基板82aが収容される。
【0048】
(基板82a)
基板82aは、
図1及び
図2に示すように、モータハウジング13の円筒部13dの径方向外側に基板82aの面がモータハウジングの円筒部13dに対向して配置されて軸方向に沿って延びる。また、基板82aは、軸方向長さがモータ部10及びポンプ部40を組み合わせてなるアセンブリ45の軸方向長さよりも短く、アセンブリ45の軸方向範囲内に配置される。本実施形態では、基板82aは、長方形状であり、基板収容部84の載置面部84aよりも小さな相似形を有する。基板82aは、基板82aの面82cが基板収容部84の載置面部84aに沿って配置される。このため、基板82aの面82cがモータハウジング13の円筒部13dに対向して配置される。また、基板82aは、基板82aのフロント側端部がアセンブリ45のフロント側に位置し、基板82aのリア側端部がアセンブリ45のリア側に位置する。このため、基板82aは、軸方向長さがアセンブリ45の軸方向長さよりも短く、アセンブリ45の軸方向範囲内に配置される。このため、電動オイルポンプ1の軸方向長さが抑制されて、小型化することができる。
【0049】
基板82aは複数の電子部品82bが実装される面82cを有する。本実施形態では、基板82aは、板状であり、Y軸方向両側に平面状の面82cを有する。これらの面82cに電子部品82bが実装される。基板82aに実装される複数の電子部品82bは、モータハウジング13の円筒部13dに対向して基板82aに配置される。本実施形態では、電子部品82bは、Y軸方向に沿って配置される。また、複数の電子部品82bのうち比較的に高さの高い電子部品82b1は、基板82aの面82cのうちモータ部10側へ対向するリア側面82c1と反対側のフロント側面82c2に実装される。本実施形態では、比較的に高さの高い電子部品82b1は、コンデンサである。なお、比較的に高さの高い電子部品82b1は、チョークコイルでもよい。このため、モータ部10と比較的に高さの高い電子部品82b1との間の距離を増大することができる。従って、モータ部10からの発熱による電子部品82b1に対する悪影響を抑制することができる。
【0050】
基板82aの軸方向一方側(フロント側)には、基板82aに電気的に接続されたコネクタ部82dが設けられる。一方、基板82aの軸方向他方側(リア側)には、バスバーアセンブリ75のバスバー73が電気的に接続される。本実施形態では、コネクタ部82dは接続端子である。コネクタ部82dは、基板82aのフロント側端部のフロント側面82c2にからY軸方向に延びる。コネクタ部82dは、X軸方向に沿って間隔を有して複数配置される。つまり、コネクタ部82dは、複数の接続端子を有する。このため、バスバー73が基板82aに接続される接続点から離れた位置にコネクタ部82dを配置することができる。したがって、バスバー73から発生するノイズがコネクタ部82dに悪影響を与える虞を抑制することができる。
【0051】
(基板カバー61)
図6は、電動オイルポンプの側面図である。基板カバー61は、
図4及び
図6に示すように、基板収容部84の開口に配置され、基板収容部84の開口を塞ぐ。基板カバー61は、基板82aと平行に配置される。これにより、軸方向と直交する方向(Y方向)において、電動オイルポンプ1を小型化することができる。基板カバー61は、ケース50に固定される複数の固定部85を有する。本実施形態では、固定部85はボルトである。
【0052】
図7は、電動オイルポンプ1の平面図である。電動オイルポンプ1は、
図6に示すように、トランスミッション90の下面90aに設けられた取付面90bに取り付けられる。電動オイルポンプ1は、トランスミッション90の下に設けられたオイルパン93内に収容される。電動オイルポンプ1は、オイルパン93内のオイルを、吸入口41から吸入し、吐出口42から吐出する。
【0053】
(取付部63)
電動オイルポンプ1のケース50は、
図7に示すように、トランスミッション90の取付面90bに取り付ける複数の取付部63を有する。本実施形態では、取付部63は、-X側方向視において、ケース50の隅部に設けられる。
【0054】
取付部63は中心に取付貫通孔64を有する。電動オイルポンプ1は、不図示のボルトを取付貫通孔64に通し、このボルトを用いてトランスミッション90の取付面90bに取り付けられる。取付部63は、電動オイルポンプ1が取付面90bに取り付けられたときに、取付面90bと接触する平面部63aを有する。
【0055】
(放熱フィン86)
図8は、電動オイルポンプ1の裏面図である。ケース50は、
図7及び
図8に示すように、モータハウジング13の円筒部13dの外側面から径方向外側へ延びるとともに、軸方向に対して交差する方向に延びる複数の放熱フィン86を有する。本実施形態では、放熱フィン86は、モータハウジング13の円筒部13dの外側面のうち+X側及び-X側の両面に、X軸方向に突出するとともにY軸方向に沿って延びる複数の放熱フィン86を有する。複数の放熱フィン86は、軸方向に対して間隔を有して配置される。
【0056】
モータハウジング13の円筒部13dの外側面のうち+X側に設けられた放熱フィン86aと、-X側に設けられた放熱フィン86bとは、X軸方向において同一平面上に配置される。このため、円筒部13dよりも径方向外側へ延びる放熱フィン86a、86bは、X軸方向において繋がる。これらの放熱フィン86は、基板82a及びモータ部10からの発熱を放熱する。
【0057】
(支持部77)
ケース50は、
図7及び
図8に示すように、モータハウジング13の円筒部13dの外側面から径方向外側へ延びるとともに、軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間を繋ぐ支持部77を有する。本実施形態では、支持部77は、モータハウジング13の円筒部13dの外側面から径方向外側へ延びて軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間に設けられる。支持部77は、一対の放熱フィン86間を軸方向に対して直交する方向(Y軸方向)に板状に延びる。また、支持部77には、取付部63の平面部63aに対して交差する方向に延びて支持部77を貫通するフィン間貫通孔78を有する。本実施形態では、フィン間貫通孔78は、平面部63aに対して直交する方向に延びる。このため、取付部63をトランスミッション90の取付面90bに取り付けた場合、フィン間貫通孔78の向きを上下方向にすることができる。よって、フィン間貫通孔78を介してオイルを容易に下方へ流すことができる。
【0058】
ケース50は、
図8に示すように、軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間を繋ぐリブ88を有する。本実施形態では、リブ88は、軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間をモータハウジング13の円筒部13dの外側面からX軸方向へ延びる。このため、放熱フィン86は、リブ88を介して軸方向に隣接する他の放熱フィン86に繋がるとともに円筒部13dに繋がる。このため、複数の放熱フィン86は、リブ88を介して剛性をより強化することができる。
【0059】
<電動オイルポンプ1の作用・効果>
次に、電動オイルポンプ1の作用・効果について説明する。
図1及び
図2に示すように、電動オイルポンプ1のモータ部10が駆動すると、モータ部10のシャフト11が回転して、ポンプロータ47のインナーロータ47aの回転にともなってアウターロータ47bも回転する。ポンプロータ47が回転すると、ポンプ部40の吸入口41から吸入されたオイルは、ポンプ部40の収容部60内を移動して、吐出口42から吐出される。
【0060】
(1)ここで、本実施形態に係る電動オイルポンプ1は、
図1に示すように、基板82aは、モータハウジング13の円筒部13dの径方向外側に基板82aの面82cがモータハウジング13の円筒部13dに対向して配置されて軸方向に沿って延びる。また、基板82aは、軸方向長さがモータ部10及びポンプ部40を組み合わせてなるアセンブリ45の軸方向長さよりも短く、アセンブリ45の軸方向範囲内に配置される。このため、基板82aは、軸方向において電動オイルポンプ1の軸方向外側へ突出しない。また、基板82aは、モータ部10の径方向外側に突出する大きさを抑制できる。よって、電動オイルポンプ1を小型化することができる。
【0061】
(2)また、基板82aに実装される複数の電子部品82bは、モータハウジング13に対向して基板82aに配置される。このため、軸方向において、複数の電子部品82bを基板82a上にコンパクトに配置することができる。よって、基板82aの軸方向長さをより短縮化することができる。
【0062】
(3)また、複数の電子部品82bのうち比較的に高さの高い電子部品82b1は、モータ部10側へ対向する基板82aのリア側面82c1と反対側のフロント側面82c2に実装される。このため、モータ部10と比較的に高さの高い電子部品82b1との間の距離を増大することができる。従って、比較的に高さの高い電子部品82b1に対してモータ部10からの発熱による悪影響を抑制することができる
【0063】
(4)また、基板82aの軸方向一方側には基板82aに電気的に接続されたコネクタ部82dが設けられ、基板82aの軸方向他方側には、連結バスバー35に接続されたバスバー73が電気的に接続される。このため、バスバー73が基板82aに接続される接続点から離れた位置にコネクタ部82dを配置することができる。したがって、バスバー73から発生するノイズがコネクタ部82dに悪影響を与える虞を抑制することができる。
【0064】
(5)さらに、基板収容部84は、円筒部13dに対向してアセンブリ45の軸方向範囲内に配置されて基板82aを載置する載置面部84aを有する。基板82aを基板収容部84内に配置することで、アセンブリ45に対する基板82aの配置を容易にすることができる。
【0065】
(6)また、ケース50は、円筒13d部の外側面から径方向外側へ延びるとともに、軸方向に対して交差する方向に延びる複数の放熱フィン86を有する。このため、ケース50が複数の放熱フィン86を有することで、熱が放熱される部分の面積を増大することができる。よって、モータ部10からの発熱及び基板82aからの発熱を放熱フィン86を介して効果的に放熱することができる。
【0066】
(7)また、ケース50は、モータハウジング13の円筒部13dの外側面から径方向外側へ延びるとともに、軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間を繋ぐ支持部77を有する。このため、支持部77を介して複数の放熱フィン86が一体的に繋がるので、複数の放熱フィン86の剛性を向上することができる。
【0067】
(8)さらに、ケース50は、車両のトランスミッション90に設けられた取付面90bに取り付けられる複数の取付部63を有する。このため、トランスミッション90の取付面90bに取付部63を取り付けることで、電動オイルポンプ1をトランスミッション90に取り付けることができる。
【0068】
(9)また、複数の取付部63は、取付面90bと面接触する平面部63aを有するので、取付面90bに平面部63aを面接触させた状態で、取付部63を取付面90bに取り付けることができる。このため、電動オイルポンプ1をトランスミッション90に強固に取り付けることができる。
【0069】
(10)また、支持部77は、平面部63aに対して交差する方向に延びて支持部77を貫通するフィン間貫通孔78を有する。このため、放熱フィン68間に油等の液体が貯留しようとしてもフィン間貫通孔78を介して液体を電動オイルポンプ1の外側に排出することができる。
【0070】
(11)また、複数の放熱フィン86は、軸方向に間隔を有して配置され、ケース50は、軸方向に隣接する一対の放熱フィン86間を繋ぐリブ88を有する。このため、複数の放熱フィン86は、リブ88を介して剛性をより強化することができる。
【0071】
(12)さらに、比較的に高さの高い電子部品82b1は、コンデンサ又はチョークコイルである。このため、コンデンサ又はチョークコイルに対して、モータ部10からの発熱による影響を抑制することができる。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発名とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 電動オイルポンプ
10 モータ部
11 シャフト
13 モータハウジング
13d 円筒部
20 ロータ
22 ステータ
22b コイル
30 バスバーアセンブリ
35 連結バスバー
40 ポンプ部
45 アセンブリ
47 ポンプロータ
50 ケース
51 ポンプハウジング
60 収容部
63 取付部
63a 平面部
77 支持部
78 フィン間貫通孔
82 制御部
82a 基板
82b 電子部品
82b1 比較的に高さの高い電子部品
82c 面
82c1 リア側面
82c2 フロント側面
82d コネクタ部
84 基板収容部
84a 載置面部
86 放熱フィン
88 リブ
90 トランスミッション
90b 取付面
J 中心軸