(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】スタンディングパウチ
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20220906BHJP
B65D 33/02 20060101ALI20220906BHJP
B65D 30/16 20060101ALN20220906BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D33/02
B65D30/16 C
(21)【出願番号】P 2018089128
(22)【出願日】2018-05-07
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森田 佐保
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-025453(JP,A)
【文献】特開2018-020813(JP,A)
【文献】特開2014-169131(JP,A)
【文献】特開2010-241462(JP,A)
【文献】特開2009-101583(JP,A)
【文献】特開2005-067027(JP,A)
【文献】特開2012-148541(JP,A)
【文献】特開2013-049438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
B65D 77/30
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前フィルムと後フィルムとのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に底フィルムを有するガゼットの底シール部、を有するスタンディングパウチにおいて、
このパウチは、底部の幅に対し、天シール部の幅が大きく、側シール部にテーパーが掛けられた形態であり、
前記前フィルムおよび前記後フィルムの少なくとも一方は、最外層側から最内層側へ少なくとも引裂き性フィルムと、シーラント層をこの順で含み、
かつ、天シール部に平行に開口保持機能を有するテープを溶着して
おり、
このテープが、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンシート及び直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをこの順に積層した層構成を有することを特徴とするスタンディングパウチ。
【請求項2】
前記引裂き性フィルムが、引裂き性ポリエステル系樹脂フィルムもしくは引裂き性ポリアミド系フィルムから形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスタンディングパウチ。
【請求項3】
前記シーラント層が引裂き性ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1、又は2に記載のスタンディングパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、粉体、粒体等を収納し、開封後、内容物を逐次取り出すのに、開口部を充分に広げて開口し、開口部近傍に内容物が付着しにくいスタンディングパウチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、薬品、洗剤などの液体状、あるいは粉体や粒体などの内容物が入った包装袋から、スプーンや箸、ピンセットなどの器具を用い、内容物を取り出す時に、開口部が充分に開口していないと、取り出すスプーンなどの器具や、内容物が、包装袋の開口部に接触し、汚してしまう問題が発生しやすい。
さらに、包装袋から内容物を注出後、廃棄する時に、洗浄しようとしても、開口部が閉じ易いので、洗いにくいなどの問題もあった。
【0003】
例えば、特許文献1では、
重ね合わせ状態で側端縁が溶着される表面フィルムと裏面フィルムの下部に、袋部の内側方向に折り畳んだ状態で底面フィルムを挿入させてヒートシールすることにより平面状に広がった底面部が形成されるスタンディングパウチにおいて、
前記底面フィルムは、前記表面フィルム及び裏面フィルムと接合される左右の接合部から中央に向かって底面部が下がる略舟底形又は略逆台形にヒートシールされており、
前記底面フィルムと前記表面フィルム又は裏面フィルムとの溶着部である底面ヒートシール部は、前記底面フィルムの周縁に沿うように成形されていることを特徴とするスタンディングパウチを提案している。
【0004】
しかしながら、このような底部にガゼットをスタンディングパウチは、底側では底面フィルムがあるので開きやすいが、上方の天シール側では、両端が融着している事もあって、表面フィルムと裏面フィルムとが閉じてしまいやすく、内容物を取り出しにくい問題があった。
【0005】
また、特許文献2では、
プラスチック材料によって形成された、相互に噛み合う噛合部を有する一対の帯状のファスナー部材が、袋本体の口部内面に装着されたパウチ容器において、
前記ファスナー部材または前記ファスナー部材の装着部分が塑性変形可能な形状保持性を有していることを特徴とするパウチ容器を提案している。
【0006】
ファスナー部材は形状保持性を有し、天シール部の内側に装着するので、口部を固定しやすい。しかしながら、このパウチは、開封前は雄のファスナー部材と雌のファスナー部材が天シール部近傍に置かれていたので、天シール部近傍を開封する時、雄のファスナー部材と雌のファスナー部材は、平面状に近い形状になっていた。
その為、開封した時には、表面フィルムと裏面フィルムとの隙間が無く、開口部を無理に押し広げなくてはならない状態になっていた。
この為、この開口部を押し広げるには、手が汚れてしまうなどの問題が発生していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-96388号公報
【文献】特開2003-40290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、開口部が大きく開きやすく、開口部近傍に接触せずに、内容物を取り出し易いスタンディングパウチを得ることが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のスタンディングパウチは、前フィルムと後フィルムとのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部、左側シール部、右側シール部、および底部に底フィルムを有するガゼットの底シール部、を有するスタンディングパウチにおいて、
このパウチは、底部の幅に対し、天シール部の幅が大きく、側シール部にテーパーが掛けられた形態であり、
前記前フィルムおよび前記後フィルムの少なくとも一方は、最外層側から最内層側へ少なくとも引裂き性フィルムと、シーラント層をこの順で含み、
かつ、天シール部に平行に開口保持機能を有するテープを溶着しており、
このテープが、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンシート及び直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをこの順に積層した層構成を有することを特徴とするスタンディングパウチである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスタンディングパウチは、開口部を広げた状態で形状を保持する機能を有しているので、開口後、開口保持機能を有するテープで開口部を開いた状態で形状を保持させることで、開口部を大きく開口した状態を維持することができる。この為、内容物や食器を汚さないで、内容物をスプーンなどのフラットウェアで取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るスタンディングパウチを示す正面図である。
【
図2】本発明に係るスタンディングパウチにおいて、開封工程を示す開口部近傍の斜視図である。
【
図3】本発明に係るスタンディングパウチを開封した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係るスタンディングパウチで、底部に対し、開口部を大きくした実施形態例を示す正面図である。
【
図5】本発明に係るスタンディングパウチで、底部に対し、開口部を大きくした実施形態例において、パウチを開封した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のスタンディングパウチの実施形態について、図で説明する。
図1は、本発明に係るスタンディングパウチ1を示す正面図である。
スタンディングパウチ1は、前フィルム2と後フィルム3とのシーラント面を向かい合わせ、周囲に天シール部11、左側シール部12、右側シール部13、および底部にシーラント層を表側にして折り曲げた底フィルム4を前フィルム2と後フィルム3との間に挟んでガゼットとした底シール部14から構成されている。
【0013】
本発明のスタンディングパウチ1の特徴は、前フィルムおよび後フィルムの少なくとも一方のフィルムの層構成中に引裂き性のあるフィルムを含み、かつ、開口保持機能を有するテープ6を溶着していることにある。
【0014】
開口保持機能を有するテープ6は、開封方向に前フィルム2と後フィルム3の少なくとも一方に、溶着している。
開口保持機能を有するテープ6を溶着する面は、内面が好ましいが、外面であってもかまわない。
【0015】
開口保持機能を有するテープ6は、開口部を開口した状態を保持できるテープである。
【0016】
図2は、本発明に係るスタンディングパウチにおいて、開封工程を示す開口部近傍の斜
視図である。左側シール部12に設けた左開封開始点51や、右側シール部13に設けた右開封開始点52を起点に、スタンディングパウチを引き裂く工程を示している。
開封開始点は、天シール部より下方に設けられ、図ではV字状の切り欠きの形状に形成されているが、単なる線状の切り込みであってもかまわないし、細孔によって形成されていてもかまわない。
【0017】
図3は、スタンディングパウチ1を開封した状態の斜視図である。
開封開始点から引き裂いて、開封した開口部内側の、開口部に平行な開口保持機能を有するテープ6を開口した状態で保持させることによって、スタンディングパウチ1は大きく開口した状態を保持できる。
開口保持機能を有するテープ6は、天シール11部があった時には、前フィルム2と後フィルム3が内面同士を突き合せた状態で融着し、平面状に押し潰された状態におかれていたが、開口後、湾曲させた状態で保持させることにより、スタンディングパウチを開口した状態で保持することができる。
【0018】
図4は、本発明に係るスタンディングパウチ1で、底部4の幅に対し、天シール部の幅を大きくした実施形態例を示す正面図である。
図のように側シール部にテーパーを掛けることによって、開口部を大きくすることができ、開口部が開きやすくなるので、開口部が開いた状態で保持しやすい。
【0019】
図5は、本発明に係るスタンディングパウチ1で、底部4の幅に対し、天シール部の幅を大きくした実施形態例において、パウチを開封した状態を示す斜視図である。
開口保持機能を有するテープ6が、確実に開口部を広げ、径に比例して大きく開くことができるので、底の方の内容物をスプーンなどのフラットウェアで取り出す時に、汚さないで内容物を取り出すことができる。
このような機能は、スタンディングパウチ1を、どんぶりやお椀のように、食器として代用可能となり、さらに、好みに応じて、調味料を加えたり、海苔や胡麻、辛子などを振りかけたりして食すことが可能になる。
【0020】
本発明のスタンディングパウチを構成する積層フィルムの基本的な構成としては、引裂き性フィルム、とシーラント層からなるフィルムでかまわないが、中間層として、内容物の保存性を向上させるバリア層や、落下等に破袋しにくいような柔軟性を付与する層を設けることが好ましい。
【0021】
引裂き性フィルムとしては、直線カット性を有するポリエチレンテレフタレートフィルム、直線カット性を有するポリプロピレンフィルム、直線カット性を有するポリアミドフィルムなどが挙げられる。機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、特に限定されない。
【0022】
また、引裂き性フィルムには必要に応じて適宜印刷層を設けることができる。印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤などを添加されてなるインキにより印刷された層である。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。また基材層の表面を、予め前処理としてコロナ処理またはオゾン処理を施すことにより、印刷層の密着性を向上させることができる。
【0023】
シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が使用できる。これらの樹脂をTダイ、あるいはインフレーションなどの押出し機により製膜可能である。単層または複層でもよい。フィルムの厚みとしては、50~200μmの範囲であることが好ましい。特に引裂き性を有するポリオレフィン系樹脂を用いるとさらにカット性が向上する。
【0024】
接着層としては、ドライラミネート用接着剤が使用できる。例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などを使用することができる。貼り合わせ方法としては、ドライラミネート法にて可能であるが、エキストルーダーラミネーション機で、シーラント層側を製膜しながら貼り合せてもかまわないし、サンドポリエチレン加工してもかまわない。
【0025】
また、積層シートの諸物性を向上する必要があれば、例えば、積層シートの剛性や落下強度、突き刺し強度などを向上させる場合、水蒸気や酸素ガスなどのバリア性を向上させる場合、などにはバリア層を設けることも可能である。
【0026】
バリア層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、無機酸化物蒸着ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどを使用することができる。また、バリア層を積層するには、接着層を介してドライラミネート法にて貼り合わせることができる。
【0027】
無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシュウム、酸化カリウム、酸化錫、酸化ナトリウム、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが好ましい。
【0028】
底フィルムは、前フィルムや後フィルムと同じ構成でかまわない。しかし、使い勝手や生産性から、折り畳まれる面には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレンなどの2軸延伸フィルムを使用することが好ましい。そして、前フィルムや後フィルムよりも薄肉にして、開閉性をスムーズに行なわれやすくしておいてもよい。
【実施例】
【0029】
<実施例1>
前フィルム、後フィルムとして、外側から直線カット性ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/印刷層/接着層/直線カット性ナイロンフィルム(15μm)/接着層/易カット性直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(80μm)からなる積層フィルムを使用した。
底フィルムとして、外側からポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着層/ポリアミドフィルム(15μm)/接着層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(60μm)からなる積層フィルムを使用し、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム側が外側になるよう折って、前フィルムと後フィルムとの間に融着したガゼットを形成した。
形状保持テープとして、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(30μm)/高密度ポリエチレンシート(400μm)/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(30μm)の構成の幅10mmのテープを使用した。
容器の大きさは、上方(開口側)の幅190mm、下方(底側)の幅170mm、高さ140mmとし、下方から高さ120mmの位置に開封開始点を設け、その下方12mm離した位置の内面に、形状保持テープを溶着し、
図4の形状に準じたスタンディングパウチとした。
【0030】
<実施例2>
前フィルム、後フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムを直線カット性でない2軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)に酸化珪素を蒸着したフィルムとした。
その他の点は実施例1に準じてスタンディングパウチを作成した。
【0031】
<実施例3>
前フィルム、後フィルムのナイロンフィルム(15μm)を直線カット性でないナイロンフィルム(15μm)とした。
その他の点は実施例1に準じてスタンディングパウチを作成した。
【0032】
<実施例4>
前フィルム、後フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルムを直線カット性でない2軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)に酸化珪素を蒸着したフィルムとし、かつ、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(80μm)を易カット性でない直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。
その他の点は実施例1に準じてスタンディングパウチを作成した。
【0033】
<比較例1>
前フィルム、後フィルムとして、外側から直線カット性でない酸化珪素を蒸着した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/印刷層/接着層/直線カット性でない2軸延伸ポリアミドフィルム(15μm)/接着層/易カット性でない直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(80μm)からなる積層フィルムを使用した。
その他の点は実施例1に準じてスタンディングパウチを作成した。
【0034】
<比較例2>
前フィルム、後フィルム、底フィルムは、比較例1と同じ積層フィルムを使用した。
また、形状保持テープは使用しなかった。
その他の点は実施例1に準じてスタンディングパウチを作成した。
【0035】
【0036】
<評価方法>
スタンディングパウチに入れる内容物として、デミグラスソースを絡ませたハンバーグ100gとし、パックした。
沸騰した湯で5分間加熱後、一方の開封開始点からスタンディングパウチを開封し、開口性、廃棄のしやすさ、フォークとスプーンなどの食器による内容物の取り出し性、美粧性について評価した。
【0037】
<開口性評価方法>
開封開始点上方の天シール部をつかみ、引き裂いて開封した後に開口を保持させ、開口部が大きく開いた状態を保持できているかを、5点満点で評価した。
【0038】
<廃棄のしやすさ評価方法>
内容物を取出し後、スタンディングパウチの廃棄のしやすさを、5点満点で評価した。
【0039】
<食器による取り出し性評価方法>
フォークやスプーンで内容物を取り出す時に、開口部先端に内容物を接触しないで、取り出せたかを、5点満点で評価した。
【0040】
<美粧性評価方法>
開封した状態で、きれいな器として自立した状態になるかを、5点満点で評価した。
【0041】
<評価結果>
実施例1では、開口性、廃棄のしやすさ、食器による内容物の取り出し性、美粧性について、良好な結果であった。
実施例2、実施例3、実施例4では、開口性、廃棄のしやすさ、食器による内容物の取り出し性は良好で、美粧性も、単に開封端面の直線に多少のムラがあるだけだった。
比較例1は、開封するのに力が必要で、開封した開口部に直線性がなく、部分的に曲がった開口部になり、それに応じて、内容物を取り出す時に周囲に内容物や食器が付着しやすい。同時に、美粧性評価も低かった。
比較例2は、開封するのに力が必要で、開封後も、開口部が大きく広がらない。その為、食器による取出し性が著しく悪く、内容物を取り出す時に周囲に内容物や食器が付着し、開口部はもちろん、周囲を汚してしまった。
【0042】
以上の結果から、前フィルムと後フィルムが、少なくとも直線カット性があるフィルムを含む積層フィルムで構成されていると共に、開口保持機能を有するテープを溶着しているスタンディングパウチが、開口性、食器による取出し性、美粧性が良好と評価された。
【0043】
本発明のスタンディングパウチは、以上のようなもので、自立性があって、開口部を大きく開くことが出来るので、内容物やパウチ開口部、およびパウチの周囲を汚さないで、内容物を取り出すことができると共に、どんぶりなどの食器としても使用できる。
さらに、単にパウチの内面、あるいは外面に天シールに平行に開口保持機能を有するテープを溶着するだけで、製造できるので、生産性も高く、安価に供給できるなど、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0044】
1・・・・・・・・スタンディングパウチ
11・・・・・・・天シール部
12・・・・・・・左側シール部
13・・・・・・・右側シール部
14・・・・・・・底シール部
2・・・・・・・・前フィルム
3・・・・・・・・後フィルム
4・・・・・・・・底フィルム
51・・・・・・・左開封開始点
52・・・・・・・右開封開始点
6・・・・・・・・開口保持機能を有するテープ