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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ホイールハウス構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
B62D25/08 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018132178
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020006906
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】板橋 直紀
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-241289(JP,A)
【文献】特開2012-158268(JP,A)
【文献】特開2000-108931(JP,A)
【文献】特開平08-276866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向内側に膨出したインナパネルと、車幅方向外側に膨出したアウタパネルと、前記インナパネルとその上方の骨格部材とに亘って設けられる補強部材と、ショックアブソーバを支持するブラケットと、を備えたホイールハウス構造であって、
前記ブラケットは、前記インナパネルに対して車幅方向外側に配置され、ショックアブソーバ支持位置よりも外側且つ上方において前記インナパネルに接合された第1接合部と、前記ショックアブソーバ支持位置よりも内側において前記インナパネルに接合された第2接合部と、を有するとともに、前記インナパネルとの間に閉断面を形成し、
前記第1接合部において、前記補強部材も共に接合されており、
前記インナパネルと前記補強部材と前記ブラケットとが、上下方向に沿って延びる板部同士が重ねられ、この重なり部分に前記第1接合部が形成されていることを特徴とするホイールハウス構造。
【請求項2】
前記補強部材は、前記第1接合部から上方に延びて前記骨格部材に接合されていることを特徴とする請求項1記載のホイールハウス構造。
【請求項3】
前記補強部材は、前記骨格部材に対して接合される部分において、車幅方向に交差するように延びる横向き板部と、上下方向に交差するように延びる上下向き板部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のホイールハウス構造。
【請求項4】
前記補強部材は、車幅方向に互いに離隔した複数の前記横向き板部と、該複数の横向き板部の間に配置された前記上下向き板部と、によって構成される段差形状を有することを特徴とする請求項に記載のホイールハウス構造。
【請求項5】
前記インナパネルには、前記第2接合部から下方のフロアパネルに向かって延びるビード部が形成されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のホイールハウス構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールハウス構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホイールハウスインナとホイールハウスアウタとによってホイールハウスが形成され、ルーフサイドインナパネルとホイールハウスインナとに接合されるルーフサイドインナガセット(補強部材)が設けられた車両後部構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された車両後部構造では、サスペンション(ショックアブソーバ)がブラケットを介してホイールハウスインナに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-112991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された車両後部構造では、サスペンションに上下方向の荷重が加わった場合、この荷重はルーフサイドインナガセットを介してルーフサイドインナパネルに伝達される。しかしながら、サスペンションに加わる荷重の大きさによってはルーフサイドインナガセットが変形してしまい、荷重が伝達されにくくなってしまう可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、ショックアブソーバに入力された荷重を上方の骨格部材に伝達しやすくすることができるホイールハウス構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のホイールハウス構造は、車幅方向内側に膨出したインナパネルと、車幅方向外側に膨出したアウタパネルと、前記インナパネルとその上方の骨格部材とに亘って設けられる補強部材と、ショックアブソーバを支持するブラケットと、を備えたホイールハウス構造であって、前記ブラケットは、前記インナパネルに対して車幅方向外側に配置され、ショックアブソーバ支持位置よりも外側且つ上方において前記インナパネルに接合された第1接合部と、前記ショックアブソーバ支持位置よりも内側において前記インナパネルに接合された第2接合部と、を有するとともに、前記インナパネルとの間に閉断面を形成し、前記第1接合部において、前記補強部材も共に接合されており、前記インナパネルと前記補強部材と前記ブラケットとが、上下方向に沿って延びる板部同士が重ねられ、この重なり部分に前記第1接合部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のホイールハウス構造によれば、ショックアブソーバに入力された荷重を上方の骨格部材に伝達しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例に係るホイールハウス構造を示す斜視図である。
図2】前記ホイールハウス構造の要部を示す断面図である。
図3】前記ホイールハウス構造においてブラケットがショックアブソーバを支持する様子を示す断面図である。
図4図2における切断面を示す端面図である。
図5】前記ホイールハウス構造における補強部材と骨格部材との接合部分を拡大して示す斜視図である。
図6】前記ホイールハウス構造におけるインナパネルと補強部材との接合部分を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
請求項1に記載された発明は、車幅方向内側に膨出したインナパネルと、車幅方向外側に膨出したアウタパネルと、インナパネルとその上方の骨格部材とに亘って設けられる補強部材と、ショックアブソーバを支持するブラケットと、を備えたホイールハウス構造であって、ブラケットは、インナパネルに対して車幅方向外側に配置され、ショックアブソーバ支持位置よりも外側且つ上方においてインナパネルに接合された第1接合部と、ショックアブソーバ支持位置よりも内側においてインナパネルに接合された第2接合部と、を有するとともに、インナパネルとの間に閉断面を形成し、第1接合部において、補強部材も共に接合されており、インナパネルと補強部材とブラケットとが、上下方向に沿って延びる板部同士が重ねられ、この重なり部分に第1接合部が形成されていることを特徴とするホイールハウス構造である。
【0010】
このような本発明によれば、ショックアブソーバ支持位置よりも上方に位置する第1接合部において、ブラケットがインナパネルだけでなく補強部材にも接合されていることで、ショックアブソーバに入力された上下方向の荷重を補強部材に直接伝達することができる。さらに、補強部材がインナパネルと上方の骨格部材とに亘って設けられていることから、ショックアブソーバに入力された上下方向の荷重を、補強部材を介して上方の骨格部材に伝達しやすくすることができる。
【実施例
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例のホイールハウス構造1は、図1、2に示すように、車両後部構造10の一部であって、インナパネル(ホイールハウスインナパネル)2と、アウタパネル(ホイールハウスアウタパネル)3と、リアピラーインナリンフォース(補強部材)4と、ブラケット5と、を備える。尚、本実施例では、車両前後方向をX方向とし、車幅方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。また、Y方向において、車両の中心側を「内側」とし、車外側を「外側」とする。
【0012】
尚、図1では車両後部構造10のうち左側の構造を示しているが、右側も対称な構造となっており、以下では左側の構造についてのみ説明する。
【0013】
インナパネル2は、Y方向内側に膨出した内側膨出部21を有する。インナパネル2の上端には、クオータインナパネル11が接合される。インナパネル2とクオータインナパネル11とに跨るようにストライカブラケット12が接合される。ストライカブラケット12は、リアシートバックのリクライニングや後方への移動を規制するリアバックストライカを支持するものである。インナパネル2の下端には、フロアパネル13が接合される。
【0014】
アウタパネル3は、Y方向外側に膨出した外側膨出部31を有する。内側膨出部21の上端と外側膨出部31の上端とが接合されることにより、これらの間にホイールハウスWHが形成される。
【0015】
リアピラーインナリンフォース4は、ZX平面に沿って延びるとともにZ方向を長手方向とする帯板状の本体板部41を有し、その下端がインナパネル2に接合され、その上端が骨格部材としてのルーフレール14に接合される。即ち、リアピラーインナリンフォース4は、インナパネル2とその上方のルーフレール14とに亘って設けられる。また、本体板部41の略中央部には開口が形成されている。リアピラーインナリンフォース4の前端は、クオータインナパネル11に接合される。本体板部41には、例えばパワーバックドアコントローラが設けられる。
【0016】
ブラケット5は、ショックアブソーバ15を支持する支持部51を有し、インナパネル2に対してY方向外側に配置される。ショックアブソーバ15はZ方向に沿って延びている。支持部51は、図3に示すように、ショックアブソーバ15がボルトによって固定される2箇所の固定部511と、ショックアブソーバ15のピン151が挿通される貫通孔512と、を有する。2箇所の固定部511の間に貫通孔512が配置され、これらはX方向に沿って並んでいる。
【0017】
以下に、ホイールハウス構造1における各部の接合構造及び位置関係の詳細について説明する。
【0018】
[インナパネルとブラケットとの接合構造]
インナパネル2は、図4に示すように、ZX平面に沿って延びる第1板部22と、第1板部22の上端からY方向外側に向かいつつ上方に向かうように延びる第2板部23と、第2板部23の上端から上方に向って延びる第3板部24と、第3板部24の上端からY方向外側に向かいつつ上方に向かうように延びる第4板部25と、を有する。第4板部25の上端はフランジ状に形成されており、アウタパネル3と接合される。
【0019】
ブラケット5は、支持部51が形成されるとともにXY平面に沿って延びる支持板部52と、支持板部52のY方向外側端から上方に向かって延びる上方板部53と、支持板部52のY方向内側端から下方に向かって延びる下方板部54と、を有する。
【0020】
インナパネル2の第1板部22のY方向外側に、ブラケット5の下方板部54が重ねられる。インナパネル2のY方向内側には、第1板部22の上端部から第2板部23にかけて、補強用の部材であるショックアブソーバリンフォース16が重ねられる。ブラケット5の支持板部52は、インナパネル2の第2板部23に対して間隔をあけて下方に配置され、その上面に補強用の板材であるショックアブソーバパッチ17が重ねられる。インナパネル2の第3板部24に対し、Y方向外側にブラケット5の上方板部53が重ねられ、Y方向内側にリアピラーインナリンフォース4の本体板部41が重ねられる。
【0021】
本体板部41と第3板部24と上方板部53との3枚が重なった部分は、スポット溶接によって接合され、第1接合部SP1となる。第1接合部SP1は、ショックアブソーバ支持位置となる支持部51よりもY方向外側且つZ方向上方に位置する。ショックアブソーバリンフォース16と第1板部22と下方板部54との3枚が重なった部分は、スポット溶接によって接合され、第2接合部SP2となる。第2接合部SP2は、ショックアブソーバ支持位置である支持部51よりもY方向内側且つZ方向下方に位置する。
【0022】
第2板部23と支持板部52とが離隔するとともに、第1板部22と上方板部53とが離隔していることで、ブラケット5とインナパネル2との間には閉断面が形成される。リアピラーインナリンフォース4は、本体板部41が第1接合部SP1から上方に延びており、その上端がルーフレール14に接合される。
【0023】
[リアピラーインナリンフォース4とルーフレール14との接合構造]
リアピラーインナリンフォース4は、その上端がルーフレール14に接合されるが、X方向前側と後側とで同様の形状を有しており、以下では主に前側の形状について説明する。
【0024】
図5に示すように、リアピラーインナリンフォース4は、その上端に、本体板部41に連続するとともに本体板部41よりも幅広に形成された(X方向寸法が大きい)幅広板部42と、幅広板部42の下端に連続してY方向外側に向かって延びる外側延長板部43と、外側延長板部43の外側端部に連続して下方に向かって延びるフランジ状板部44と、を有する。尚、リアピラーインナリンフォース4の上端は、X方向後方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜している。
【0025】
幅広板部42及びフランジ状板部44は、Y方向に略直交するように(ZX平面に沿って)延びており、横向き板部となる。外側延長板部43は、XY平面に対して多少の傾斜を有しつつ、Z方向に交差するように延びており、上下向き板部となる。横向き板部としての幅広板部42とフランジ状板部44とがY方向に互いに離隔しており、これらの間に外側延長板部43が配置されている。これにより、リアピラーインナリンフォース4は、段差形状を有している。
【0026】
ルーフレール14は、幅広板部42のY方向外側に重ねられる部分と、外側延長板部43の上側に重ねられる部分と、フランジ状板部44のY方向外側に重ねられる部分と、を有しており、リアピラーインナリンフォース4と同様に段差形状を有している。リアピラーインナリンフォース4とルーフレール14とは、上記のように重なった各部がスポット溶接により接合される。
【0027】
[インナパネルとフロアパネルとの位置関係]
インナパネル2の内側膨出部21には、第2接合部SP2から下方のフロアパネル13に向かって延びるビード部211が形成されている。ビード部211は、内側膨出部21においてさらにY方向内側に凸となるように形成された部分である。
【0028】
フロアパネル13は、インナパネル2との接合部からさらに下方に延びる部分を有し、上方から見て凹状に形成されている。フロアパネル13の凹状部分の底板131には、その上面にクロスメンバ132が設けられる。クロスメンバ132はY方向に沿って延びる。
【0029】
Y方向から見た際、ビード部211の下端のX方向位置と、クロスメンバ132のX方向位置と、は略一致している。即ち、ビード部211の下方への延長線と、クロスメンバ132のY方向外側への延長線と、が交差するような位置関係となっている。
【0030】
[インナパネルとストライカブラケットとの接合構造]
ストライカブラケット12は、図6に示すように、インナパネル2の内側膨出部21に沿うようなフランジ部121を有する。内側膨出部21のY方向内側にはショックアブソーバリンフォース16が重ねられており、そのさらに内側に、フランジ部121が重ねられる。このように3枚が重なった部分がスポット溶接により接合される。
【0031】
このようにショックアブソーバリンフォース16がストライカブラケット12に接合されていることで、ショックアブソーバリンフォース16に加わった荷重は、ストライカブラケット12に伝達される。ストライカブラケット12は、Z方向に沿って延びるとともに、その上端がクオータインナパネル11に接合されている。従って、ショックアブソーバ15に入力されてショックアブソーバリンフォース16に伝達された荷重は、ストライカブラケット12によってクオータインナパネル11に伝達される。
【0032】
このような本実施例によれば、以下のような効果がある。即ち、ブラケット5がショックアブソーバ15を支持する支持部51よりも上方に位置する第1接合部SP1において、ブラケット5がインナパネル2だけでなくリアピラーインナリンフォース4にも接合されていることで、ショックアブソーバ15に入力されたZ方向の荷重をリアピラーインナリンフォース4に直接伝達することができる。さらに、リアピラーインナリンフォース4がインナパネル2と上方のルーフレール14とに亘って設けられていることから、ショックアブソーバ15に入力されたZ方向の荷重を、リアピラーインナリンフォース4を介して上方のルーフレール14に伝達しやすくすることができる。
【0033】
また、第3板部24と上方板部53と本体板部41との重なり部分に第1接合部SP1が形成され、これらの板部が全てZ方向に沿って延びていることで、ショックアブソーバ15に入力されたZ方向の荷重によって第1接合部SP1周辺が変形しにくく、荷重をルーフレール14に伝達しやすい。
【0034】
また、リアピラーインナリンフォース4が第1接合部SP1から上方に延びてルーフレール14に接合されていることで、ショックアブソーバ15に入力された荷重を上方のルーフレール14に伝達しやすい。
【0035】
また、リアピラーインナリンフォース4が、ルーフレール14に対して接合される上端部において、Y方向に交差するように延びる幅広板部42及びフランジ状板部44と、Z方向に交差するように延びる外側延長板部43と、を有し、リアピラーインナリンフォース4に段差形状が形成されていることで、リアピラーインナリンフォース4とルーフレール14との接合部において、異なる方向の荷重に対する強度を向上させるとともに、ねじれ変形に対する強度を向上させることができる。
【0036】
また、インナパネル2が第2接合部SP2から下方のフロアパネル13に向かって延びるビード部211を有することで、ショックアブソーバ15に入力されたZ方向の荷重を、ビード部211によってフロアパネル13に伝達することができる。
【0037】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0038】
例えば、前記実施例では、第1接合部SP1が形成される第3板部24と上方板部53と本体板部41とが、Z方向に沿って延びているものとしたが、第1接合部が形成される板部は、Z方向に対して多少の傾き(例えば45°以下の傾き)を有していてもよいし、XY平面に沿って延びるものであってもよい。
【0039】
また、前記実施例では、リアピラーインナリンフォース4が第1接合部SP1から上方に延びてルーフレール14に接合されているものとしたが、リアピラーインナリンフォースは、上下方向に対して傾斜して延びてルーフレール14に接合されてもよいし、他の方向に延びるような屈曲部を有してルーフレール14に接合されてもよい。
【0040】
また、前記実施例では、リアピラーインナリンフォース4が幅広板部42とフランジ状板部44と外側延長板部43とを有することにより、段差形状が形成されているものとしたが、補強部材と骨格部材との接合構造は適宜なものであればよい。例えば他の補強部材を用いることで充分な強度が確保できる場合、補強部材に段差形状が形成されていなくてもよい。
【0041】
また、前記実施例では、ビード部211のX方向位置とフロアパネル13のクロスメンバ132のX方向位置とが略一致するものとしたが、ビード部の位置は、クロスメンバの形状や数等に応じて適宜に設定されればよい。例えば複数のクロスメンバが設けられる場合、ビード部のX方向位置を、2本のクロスメンバのX方向位置の間に設定してもよい。
【0042】
また、インナパネルにビード部を形成しなくてもよい。例えば、Z方向に沿って延びる帯板状の補強部材をインナパネルに設ければ、ショックアブソーバ15に入力された荷重を、帯板状の補強部材によってフロアパネル13に伝達することができる。
【0043】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 ホイールハウス構造
2 インナパネル
211 ビード部
3 アウタパネル
4 リアピラーインナリンフォース(補強部材)
42 幅広板部(横向き板部)
43 外側延長板部(上下向き板部)
44 フランジ状板部(横向き板部)
5 ブラケット
13 フロアパネル
132 クロスメンバ
14 ルーフレール(骨格部材)
15 ショックアブソーバ
SP1 第1接合部
SP2 第2接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6