(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】内燃機関のカバー構造
(51)【国際特許分類】
F02F 7/00 20060101AFI20220906BHJP
F02B 67/06 20060101ALI20220906BHJP
F01L 1/356 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F02F7/00 K
F02B67/06 G
F01L1/356 Z
F01L1/356 E
(21)【出願番号】P 2018136869
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 壮大郎
【審査官】竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-014001(JP,A)
【文献】特開2011-247226(JP,A)
【文献】特開2011-163309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 7/00
F02B 67/06
F01L 1/356
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフト、カムシャフトおよび前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更する可変動弁機構を有するエンジン本体と、前記エンジン本体の端部に取付けられたカバー部材とを備え、
前記カバー部材が、前記エンジン本体の前記端部を覆うカバー部と、前記カバー部の幅方向両側に設けられ、前記エンジン本体の前記端部に締結される第1の側壁部および第2の側壁部と、前記カバー部に形成され、前記可変動弁機構を駆動する駆動装置が取付けられる開口部とを有する内燃機関のカバー構造であって、
前記カバー部材は、
前記カバー部から前記エンジン本体に向かって延び、前記エンジン本体に接合されるボス部と、前記ボス部から前記カバー部の幅方向と異なる方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記第1の側壁部および前記第2の側壁部と異なる位置に設けられた前記カバー部の第3の側壁部に連結される第1の補強部と、前記ボス部から前記カバー部の幅方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記第1の側壁部に連結される第2の補強部と
、前記第2の補強部が延びる方向に沿って延び、オイル通路を有する筒状のオイル通路部と、前記カバー部から前記エンジン本体と反対方向に膨出し、前記エンジン本体にオイルを供給する油圧制御弁が挿入されるシリンダ部とを有し、
前記ボス部は、前記オイル通路を流れるオイルを前記エンジン本体に導入するオイル導入用のボス部を含んで構成されており、
前記オイル通路部は、前記オイル導入用のボス部と前記第1の側壁部とを連結しており、
前記シリンダ部は、前記第2の補強部の延びる方向に沿って延びており、
前記第2の補強部は、前記シリンダ部を介して前記オイル通路部に連結されており、
前記開口部は、前記ボス部と前記第1の補強部と前記第3の側壁部と前記第1の側壁部と前記第2の補強部とによって囲まれていることを特徴とする内燃機関のカバー構造。
【請求項2】
前記開口部の周囲の前記カバー部に、前記駆動装置の取付面を構成する外周縁部が設けられており、
前記外周縁部は、前記第1の補強部および前記第2の補強部の少なくとも一方に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカバー構造。
【請求項3】
前記開口部の周囲の前記カバー部に、前記駆動装置を締結具によって前記カバー部に締結する締結部が設けられており、
前記締結部は、前記第1の補強部および前記第2の補強部の少なくとも一方に連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のカバー構造。
【請求項4】
前記可変動弁機構は、前記駆動装置によって駆動される電動式の可変動弁機構と、オイルによって駆動される油圧式の可変動弁機構とを有し、
前記ボス部は、前記カバー部材を前記エンジン本体に締結する締結部材が取付けられる締結用のボス部と、前記油圧制御弁によって制御されたオイルを前記油圧式の可変動弁機構に供給する制御用のボス部とを含んで構成されており、
前記制御用のボス部は、前記締結用のボス部と前記オイル導入用のボス部の間に位置して前記締結用のボス部と前記オイル導入用のボス部とに連結されており、
前記制御用のボス部は、前記締結用のボス部の外縁部よりも前記第1の側壁部側に突出しており、
前記第2の補強部の延びる方向の端部は、前記締結用のボス部と前記制御用のボス部に連結されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関のカバー構造。
【請求項5】
前記制御用のボス部は、前記第2の補強部と前記オイル通路部との間に入り込むように設けられ、前記第2の補強部と前記オイル通路部に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のカバー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される内燃機関のカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載された内燃機関において、可変バルブタイミング装置を駆動する電動モータを内包してモータドライバを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1において、モータドライバは、電動モータと、内燃機関の一側を覆うチェーンケースの外面に取付けられ、電動モータを内包するケーシングとを備えている。モータドライバは、ケーシングの他端部がチェーンケースに形成された開口部に嵌め込まれることにより、チェーンケースに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の内燃機関にあっては、モータドライバのような重量物を、開口部を有するチェーンケースに取付けているので、チェーンケースの剛性が低くなる。このため、内燃機関の振動によってチェーンケースが振動してモータドライバが振動するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、内燃機関の振動によってカバー部材が振動することを抑制でき、駆動装置の支持剛性を向上させて駆動装置が振動することを抑制できる内燃機関のカバー構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、クランクシャフト、カムシャフトおよび前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を変更する可変動弁機構を有するエンジン本体と、前記エンジン本体の端部に取付けられたカバー部材とを備え、前記カバー部材が、前記エンジン本体の前記端部を覆うカバー部と、前記カバー部の幅方向両側に設けられ、前記エンジン本体の前記端部に締結される第1の側壁部および第2の側壁部と、前記カバー部に形成され、前記可変動弁機構を駆動する駆動装置が取付けられる開口部とを有する内燃機関のカバー構造であって、前記カバー部材は、前記カバー部から前記エンジン本体に向かって延び、前記エンジン本体に接合されるボス部と、前記ボス部から前記カバー部の幅方向と異なる方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記第1の側壁部および前記第2の側壁部と異なる位置に設けられた前記カバー部の第3の側壁部に連結される第1の補強部と、前記ボス部から前記カバー部の幅方向に延びるように前記カバー部に設けられ、前記第1の側壁部に連結される第2の補強部と、前記第2の補強部が延びる方向に沿って延び、オイル通路を有する筒状のオイル通路部と、前記カバー部から前記エンジン本体と反対方向に膨出し、前記エンジン本体にオイルを供給する油圧制御弁が挿入されるシリンダ部とを有し、前記ボス部は、前記オイル通路を流れるオイルを前記エンジン本体に導入するオイル導入用のボス部を含んで構成されており、前記オイル通路部は、前記オイル導入用のボス部と前記第1の側壁部とを連結しており、前記シリンダ部は、前記第2の補強部の延びる方向に沿って延びており、前記第2の補強部は、前記シリンダ部を介して前記オイル通路部に連結されており、前記開口部は、前記ボス部と前記第1の補強部と前記第3の側壁部と前記第1の側壁部と前記第2の補強部とによって囲まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように上記の本発明によれば、内燃機関の振動によってカバー部材が振動することを抑制でき、駆動装置の支持剛性を向上させて駆動装置が振動することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る内燃機関のカバー構造を備えたパワートレインの正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る内燃機関のカバー構造に設けられたチェーンカバーの右側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係る内燃機関のカバー構造に設けられたチェーンカバーの左側面図であり、エンジン本体側に設けられたタイミングチェーン、可変動弁機構およびカムシャフトを図示している。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例に係る内燃機関のカバー構造に設けられたチェーンカバーの右側面図であり、電動アクチュエータを取り外した状態を示している。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例に係る内燃機関のカバー構造に設けられたチェーンカバーの左側面図であり、電動アクチュエータを取り外した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る内燃機関のカバー構造は、クランクシャフト、カムシャフトおよびクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更する可変動弁機構を有するエンジン本体と、エンジン本体の端部に取付けられたカバー部材とを備え、カバー部材が、エンジン本体の端部を覆うカバー部と、カバー部の幅方向両側に設けられ、エンジン本体の端部に締結される第1の側壁部および第2の側壁部と、カバー部に形成され、可変動弁機構を駆動する駆動装置が取付けられる開口部とを有する内燃機関のカバー構造であって、カバー部材は、カバー部からエンジン本体に向かって延び、エンジン本体に接合されるボス部と、ボス部からカバー部の幅方向と異なる方向に延びるようにカバー部に設けられ、第1の側壁部および第2の側壁部と異なる位置に設けられたカバー部の第3の側壁部に連結される第1の補強部と、ボス部からカバー部の幅方向に延びるようにカバー部に設けられ、第1の側壁部に連結される第2の補強部とを有し、開口部は、ボス部と第1の補強部と第3の側壁部と第1の側壁部と第2の補強部とによって囲まれている。
これにより、内燃機関の振動によってカバー部材が振動することを抑制でき、駆動装置の支持剛性を向上させて駆動装置が振動することを抑制できる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明に係る内燃機関のカバー構造の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から
図6は、本発明に係る一実施例の内燃機関のカバー構造を示す図である。
図1から
図6において、上下前後左右方向は、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とした場合に、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
【0012】
まず、構成を説明する。
図1において、車両1は、左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rを備えている。左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rは、車両1の幅方向(以下、車幅方向という)に離隔して前後方向に延びている。
【0013】
左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rにはそれぞれ左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rが設けられている。左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rは、パワートレイン4に連結されており、パワートレイン4は、左防振マウント部材3Lおよび右防振マウント部材3Rによって左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rに弾性的に支持されている。
【0014】
パワートレイン4は、内燃機関としてのエンジン5と変速機6とから構成されており、エンジン5および変速機6は、左サイドメンバ2Lおよび右サイドメンバ2Rに対して車幅方向の内側において車幅方向に並んで配置されている。エンジン5は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換し、変速機6は、エンジン5の回転速度を変速して出力する。
【0015】
エンジン5は、エンジン本体7を備えており、エンジン本体7は、シリンダブロック11、シリンダヘッド12、シリンダヘッドカバー13およびオイルパン14を有する。
【0016】
シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の右端部11a、12aおよびシリンダヘッドカバー13の図示しない右端部にはチェーンカバー18(
図2、
図3参照)が取付けられており、チェーンカバー18は、エンジン本体7の右端部に設けられたタイミングチェーン8を右方から覆っている。
【0017】
本実施例のチェーンカバー18は、本発明のカバー部材を構成し、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の車幅方向の右端部11a、12aおよびシリンダヘッドカバー13の図示しない右端部は、本発明のエンジン本体の端部を構成する。以下、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の車幅方向の右端部11a、12aおよびシリンダヘッドカバー13の右端部をエンジン本体7の右端部という。
【0018】
シリンダブロック11には図示しない複数の気筒が設けられている。気筒には図示しないピストンが収納されており、ピストンは、気筒に対して上下方向に往復運動する。ピストンは、図示しないコネクティングロッドを介してクランクシャフト15(
図2参照)に連結されており、ピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランクシャフト15の回転運動に変換される。
【0019】
図1において、クランクシャフト15の回転中心軸を仮想線で示す。クランクシャフト15は、車幅方向に延びており、エンジン5は、横置きエンジンから構成される。
【0020】
シリンダヘッド12には図示しない複数の吸気ポートと、吸気ポートを開閉する複数の吸気バルブ9Vと(
図1に仮想線で示す)、図示しない複数の排気ポートと、排気ポートを開閉する図示しない複数の排気バルブとが設けられている。吸気ポートは、気筒に空気を導入し、排気ポートは、気筒内で燃焼された排気ガスを気筒から排出する。
【0021】
吸気バルブ9Vと排気バルブは、1つの気筒に対してそれぞれ2つ設けられており、本実施例のエンジン5は、例えば、4気筒エンジンから構成される。なお、気筒数は、4気筒に限定されるものではない。
【0022】
シリンダヘッド12とシリンダヘッドカバー13との間には図示しない動弁室が形成されており、動弁室には
図3に示す吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10が収容されている。
【0023】
図3において、クランクシャフト15の端部にはクランクスプロケット15Aが設けられており、吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10の端部にはそれぞれ吸気カムスプロケット9Aおよび排気カムスプロケット10Aが設けられている。
【0024】
クランクスプロケット15Aと吸気カムスプロケット9Aと排気カムスプロケット10Aとにはタイミングチェーン8が巻き掛けられており、クランクシャフト15と吸気カムシャフト9と排気カムシャフト10とは、タイミングチェーン8によって連結されている。これにより、クランクシャフト15の動力は、タイミングチェーン8を介して吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10に伝達される。
【0025】
吸気カムシャフト9は、排気カムシャフト10に対して後側に設置されており、吸気カムシャフト9の端部には吸気側可変動弁機構51が設けられている。
図2において、チェーンカバー18には電動アクチュエータ52が取付けられている。
【0026】
吸気側可変動弁機構51は、電動アクチュエータ52によって駆動されることにより、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト9の相対回転位相を遅角側と進角側とに変更し、吸気バルブ9Vの開閉タイミングを進角側と遅角側とに変更する。
【0027】
排気カムシャフト10の端部には排気側可変動弁機構53が設けられており、排気側可変動弁機構53は、オイルが導入される図示しない進角室と遅角室とを備えている。
【0028】
排気側可変動弁機構53は、進角室にオイルが導入されると、クランクシャフト15に対する排気カムシャフト10の相対回転位相を進角側に変更し、排気バルブの開閉タイミングを進角側に変更する。
【0029】
排気側可変動弁機構53は、遅角室にオイルが導入されると、クランクシャフト15に対する排気カムシャフト10の相対回転位相を遅角側に変更し、排気バルブの開閉タイミングを遅角側に変更する。
【0030】
本実施例の吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10は、本発明のカムシャフトを構成し、電動アクチュエータ52は、本発明の駆動装置を構成する。吸気側可変動弁機構51は、本発明の可変動弁機構および電動式の可変動弁機構を構成し、排気側可変動弁機構53は、本発明の可変動弁機構および油圧式の可変動弁機構を構成する。
【0031】
オイルパン14にはクランクシャフト15やピストン等を潤滑することや排気側可変動弁機構53を作動するためのオイルが貯留されている。
【0032】
図3、
図5に示すように、チェーンカバー18は、カバー部19と側壁部19A、19Bとを有する。カバー部19は、エンジン本体7の右端部を覆っている。側壁部19A、19Bは、カバー部19の幅方向両側に設けられており、カバー部19からエンジン本体7側に延びている。
【0033】
図4、
図5において、カバー部19には開口部19aが形成されており、開口部19aの周囲のカバー部19には環状の外周縁部19b(
図4参照)が設けられている。電動アクチュエータ52は、開口部19aに挿入されており、開口部19aを通して吸気側可変動弁機構51に連結されている。
【0034】
電動アクチュエータ52は、開口部19aに挿入された状態で外周縁部19bに取付けられている。すなわち、外周縁部19bは電動アクチュエータ52の取付面を構成している。
【0035】
図4において、開口部19aの周囲には複数の締結部19c、19d、19eが設けられている。電動アクチュエータ52は、ボルト20B(
図2参照)によって締結部19c、19d、19eに締結されることにより、外周縁部19bに締結される。
【0036】
すなわち、電動アクチュエータ52は、ボルト20Bによってカバー部19に締結されている。本実施例のボルト20Bは、本発明の締結具を構成する。
【0037】
チェーンカバー18は、側壁部19A、19Bの延びる方向の先端がボルト20Aによってエンジン本体7の右端部に締結されている。本実施例の側壁部19Aは、本発明の第1の側壁部を構成し、側壁部19Bは、本発明の第2の側壁部を構成する。
【0038】
図2、
図4において、カバー部19の表面19fの上部にはマウント取付部22が設けられている。
図1において、マウント取付部22は、カバー部19の表面19fから右防振マウント部材3R側に膨出しており、マウント取付部22の上面には右防振マウント部材3Rのアーム部3Bが取付けられている。ここで、カバー部19の表面19fは、右防振マウント部材3R側の面であり、カバー部19の裏面19rは、エンジン本体7側の面である。
【0039】
図1において、右防振マウント部材3Rは、図示しないゴム等の弾性体を収容し、右サイドメンバ2Rに取付けられたマウント部材本体3Aと、マウント部材本体3Aからマウント取付部22に延び、ボルト20Bによってマウント取付部22に固定されたアーム部3Bとを有する。
【0040】
エンジン5は、右防振マウント部材3Rによって吊り下げられた状態で右防振マウント部材3Rを介して右サイドメンバ2Rに弾性的に支持されている。
【0041】
図2、
図3において、チェーンカバー18の下部にはオイルポンプ部23が設けられている。オイルポンプ部23は、カバー部19の表面19fから右防振マウント部材3R側に膨出する膨出部33(
図1参照)と、膨出部33と合致するようにカバー部19の裏面19rに取付けられたポンプケース23Aとを有する。
【0042】
オイルポンプ部23は、膨出部33とポンプケース23Aに回転自在に収容されたオイルポンプ23B(
図3から
図5において仮想線で示す)を有する。ポンプケース23Aと膨出部33の合わせ面には図示しない吸入ポートと吐出ポートが形成されている。
【0043】
オイルポンプ23Bは、クランクシャフト15に取付けられてクランクシャフト15によって回転駆動される図示しないインナロータと、インナロータを取り囲むように径方向の外方に配置された図示しないアウタロータとを備えている。
【0044】
オイルポンプ23Bは、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されており、アウタロータに形成された内歯とインナロータに形成された外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない作動室が形成されている。
【0045】
オイルポンプ23Bにおいて、クランクシャフト15の動力がインナロータに伝達されることにより、インナロータとアウタロータとが一方向に回転する。このとき、作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、オイルパン14に貯留されたオイルを吸入ポートから吸入し、吸入したオイルを吐出ポートから吐出する。
【0046】
図5において、チェーンカバー18にはオイル通路部24、25が一体に形成されている。オイル通路部24は、カバー部19の表面19fから右防振マウント部材3R側に膨出するとともに、カバー部19の裏面19rからエンジン本体7側に膨出しており、筒状に形成されている。
【0047】
オイル通路部24の内部にはオイル通路24aが形成されており、オイル通路24aにはオイルポンプ部23の吐出ポートから吐出されるオイルが導入される。
【0048】
オイル通路部24は、オイルポンプ部23側から上方に延び、マウント取付部22の下部に連結されている。オイル通路部24は、側壁部19Bに隣接して側壁部19Bに沿って延びており、前後方向においてオイルポンプ部23よりも前側に偏倚している。
【0049】
オイル通路部25は、カバー部19の裏面19rからエンジン本体7側に膨出しており、筒状に形成されている。オイル通路部25は、オイル通路部24の上端に連結されており、オイル通路部24の上端から側壁部19A、19Bに向かってカバー部19の幅方向に延びている。
【0050】
具体的には、オイル通路部25は、後述するボス部30からマウント取付部22に沿ってカバー部19の幅方向に延びており、延びる方向の前端部25fが後述するセンサ用ボス部31を介して側壁部19Bに連結され、かつ、上端部25uがマウント取付部22の下端部に連結されている。
【0051】
オイル通路部25は、開口部19aの下方においてボス部30からカバー部19の幅方向に延びており、延びる方向の後端部25rが側壁部19Aに連結されている。
【0052】
すなわち、本実施例のオイル通路部25は、カバー部19の幅方向に延びており、側壁部19Aと側壁部19Bとを連結している。
【0053】
オイル通路部25の内部にはオイル通路25aが形成されており、オイル通路25aは、オイル通路24aに連通されている。これにより、オイルポンプ部23の吐出ポートから吐出されたオイルは、オイル通路24aを通してオイル通路25aに供給される。本実施例のオイル通路部25は、本発明のオイル通路部を構成している。
【0054】
カバー部19の裏面19rにはボス部30が設けられている。ボス部30は、カバー部19からエンジン本体7側に突出しており、突出方向の先端がシリンダヘッド12に接合されている。
【0055】
ボス部30にはボルト20C(
図2参照)が挿通される貫通孔30aを有する締結用のボス部30Aが設けられている。チェーンカバー18は、貫通孔30aにボルト20Cが挿通され、ボルト20Cがシリンダヘッド12の図示しないねじ溝に締結されることにより、開口部19aの近傍がシリンダヘッド12に締結されている。本実施例のボルト20Cは、本発明の締結部材を構成する。
【0056】
ボス部30にはオイル導入油路30bを有するオイル導入用のボス部30Bが設けられている。オイル導入油路30bは、オイル通路25aに連通されており、オイル通路25aを流れるオイルは、オイル導入油路30bからエンジン本体7に形成された図示しないオイル通路に導入される。オイル導入油路30bからエンジン本体7のオイル通路に導入されたオイルは、エンジン本体7の潤滑部位に供給される。
【0057】
ボス部30には出口油路30c、30dを有する制御用のボス部30C、30Dが設けられている。出口油路30cは、シリンダ部27に連通しており、オイル通路25aからシリンダ部27に供給されたオイルは、出口油路30cから排気側可変動弁機構53の進角室に供給される。
【0058】
出口油路30dは、シリンダ部27に連通しており、オイル通路25aからシリンダ部27に供給されたオイルは、出口油路30dから排気側可変動弁機構53の遅角室に供給される。
【0059】
制御用のボス部30C、30Dは、上下方向において締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bの間に位置しており、締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bとに連結されている。
【0060】
制御用のボス部30Dは、締結用のボス部30Aの外縁部30rよりも側壁部19A側に突出している。貫通孔30aおよびオイル導入油路30bは、円形に形成されており、出口油路30c、30dは、貫通孔30aおよびオイル導入油路30bよりも大径であって、斜め方向に長く形成されている。
【0061】
このように本実施例のボス部30は、締結用のボス部30A、オイル導入用のボス部30Bおよび制御用のボス部30C、30Dを含んで構成されている。
【0062】
カバー部19の裏面19rにはリブ41、42が設けられている。リブ41は、カバー部19の幅方向において開口部19aとマウント取付部22の間に設置されている。
【0063】
リブ41は、ボス部30から縦方向(上下方向)に延びており、カバー部19の上壁部19uに連結されている。すなわち、リブ41は、ボス部30の締結用のボス部30Aとカバー部19の上壁部19uとを連結している。本実施例の上壁部19uは、本発明の第3の側壁部を構成する。
【0064】
マウント取付部22は、ボス部30に連結されている。これにより、マウント取付部22は、ボス部30を介してリブ41に連結されている。
【0065】
リブ42は、開口部19aの下方に位置で、かつ、オイル通路部25の上方に位置しており、ボス部30からカバー部19の幅方向に延びている。リブ42は、前端部42fが締結用のボス部30Aに連結されており、後端部42rが側壁部19Aに連結されている。すなわち、リブ42は、ボス部30と側壁部19Aとを連結している。なお、カバー部19の幅方向は、横方向と横方向に対して傾斜する方向も含む。
【0066】
開口部19aは、カバー部19の後上部に形成されており、ボス部30とリブ41と上壁部19uと側壁部19Aとリブ42とによって囲まれている。本実施例のリブ41は、本発明の第1の補強部を構成し、リブ42は、本発明の第2の補強部を構成する。
【0067】
開口部19aの外周縁部19bは、リブ41、42に連結されている。締結部19cは、リブ41に連結されており、締結部19eは、リブ42に連結されている。
【0068】
カバー部19の幅方向において、マウント取付部22は、ボス部30に対して開口部19aと反対側に位置しており、マウント取付部22の上端部22uは、開口部19aの下端部19gよりもカバー部19の上方に設置されている。ボス部30は、カバー部19の幅方向において開口部19aと重なるように設置されており、マウント取付部22に連結されている。
【0069】
図4において、カバー部19の上部にはシリンダ部27が設けられている。シリンダ部27は、カバー部19の表面19fからエンジン本体7と反対側、すなわち、右防振マウント部材3R側に膨出している。
【0070】
マウント取付部22は、開口部19a側に位置して縦方向に延びる縦側壁22Aと、カバー部19の幅方向に延びる上壁22Bと、上壁22Bの下方に位置してカバー部19の幅方向に延びる下壁22Cと、側壁部19B側に位置して縦方向に延びる縦側壁22Dとを備えており、縦側壁22A、22Dは、上壁22Bと下壁22Cと連結している。
【0071】
マウント取付部22の内部には縦側壁22A、上壁22B、下壁22Cおよび縦側壁22Dによって囲まれる空間22sが設けられており、空間22sには横リブ43が形成されている。横リブ43は、カバー部19の幅方向に延びており、側壁部19Bとボス部30とを連結している。
【0072】
空間22sには縦リブ44が形成されており、縦リブ44は、上壁22Bと下壁22Cとを連結している。横リブ43は、縦リブ44を横切るように設置されている。
【0073】
図4において、シリンダ部27は、マウント取付部22の下側に設けられており、マウント取付部22に連結されている。シリンダ部27の延びる方向の後端部27rは、開口部19aの下方に位置し、かつ、カバー部19の幅方向において開口部19aに重なっている。
【0074】
シリンダ部27には油圧制御弁28が挿入されている。油圧制御弁28は、シリンダ部27に挿入される図示しないスプール弁と、シリンダ部27から外方に突出し、スプール弁を駆動する電磁ソレノイド等の制御部28Aとを有する。
【0075】
油圧制御弁28は、スプール弁が制御部28Aによって駆動されると、オイル通路24a、25aを通してシリンダ部27に供給されるオイルを、出口油路30cまたは出口油路30dを通して排気側可変動弁機構53の進角室または遅角室に供給する。すなわち、油圧制御弁28は、オイルの供給経路をシリンダ部27から進角室に流れる経路と、シリンダ部27から遅角室に流れる経路とに切換える。
【0076】
オイル通路部25は、リブ42が延びる方向、すなわち、カバー部19の幅方向に沿って延びており、オイル導入用のボス部30Bと側壁部19Aとを連結している。
図4において仮想線で示すように、シリンダ部27は、リブ42の延びる方向に沿って延びている。
【0077】
図6において、リブ42は、シリンダ部27を介してオイル通路部25に連結されている。具体的には、リブ42は、オイル通路部25の上方に位置しており、シリンダ部27に連結されている。シリンダ部27は、オイル通路部25と同じ高さ位置に設置されており、オイル通路部25に連結されている。
【0078】
図5において、リブ42の前端部42fは、締結用のボス部30Aと制御用のボス部30Dとに連結されている。締結用のボス部30Aは、リブ42とオイル通路部25との間に入り込むように設けられており、リブ42とオイル通路部25に連結されている。すなわち、制御用のボス部30Dの上面は、リブ42に連結されており、制御用のボス部30Dの下面は、オイル通路部25に連結されている。
【0079】
図2、
図4において、カバー部19の表面19fには膨出部29が設けられている。膨出部29は、カバー部19の表面19fから右防振マウント部材3R側に膨出しており(
図1参照)、シリンダ部27の下部に連結されている。膨出部29は、チェーンカバー18の幅方向に沿って延びており、オイル通路部24と側壁部19Aとを連結している。
【0080】
チェーンカバー18にはセンサ用ボス部31が設けられている。センサ用ボス部31にはセンサ32が嵌合されており、センサ用ボス部31は、センサ32を支持している。センサ32は、オイル通路24a、25aを流れるオイルの状態、例えば、オイルの油温、オイルの圧力、あるいは、オイルの油温と圧力とを検出する。
【0081】
以上、本実施例のカバー構造によれば、チェーンカバー18は、エンジン本体7の右端部を覆うカバー部19と、カバー部19の幅方向両側に設けられ、エンジン本体7の右端部に締結される側壁部19Aおよび側壁部19Bと、カバー部19に形成され、吸気側可変動弁機構51を駆動する電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aとを有する。
【0082】
さらに、チェーンカバー18は、カバー部19からエンジン本体7に向かって延び、エンジン本体7に接合されるボス部30と、ボス部30から縦方向に延びるようにカバー部19に設けられ、カバー部19の上壁部19uに連結されるリブ41と、ボス部30からカバー部19の幅方向に延びるようにカバー部19に設けられ、側壁部19Aに連結されるリブ42とを有する。
【0083】
これに加えて、開口部19aは、ボス部30とリブ41と上壁部19uと側壁部19Aとリブ42とによって囲まれている。
【0084】
これにより、電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aの周辺の剛性を、ボス部30とリブ41と上壁部19uと側壁部19Aとリブ42とによって高くできる。このため、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することを抑制でき、電動アクチュエータ52の支持剛性を向上できる。
【0085】
したがって、電動アクチュエータ52が振動することを抑制でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18に安定して支持できる。この結果、電動アクチュエータ52によって吸気側可変動弁機構51を安定して駆動することができ、吸気側可変動弁機構51の作動時の信頼性を向上できる。
【0086】
また、本実施例のカバー構造によれば、開口部19aの周囲のカバー部19に、電動アクチュエータ52の取付面を構成する外周縁部19bが設けられており、外周縁部19bは、リブ41、42に連結されている。
【0087】
これにより、外周縁部19bを剛性の高いリブ41、42によって補強でき、外周縁部19bの剛性を高くできる。このため、重量物である電動アクチュエータ52が開口部19aに取付けられた場合であっても、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することをより効果的に抑制でき、電動アクチュエータ52の支持剛性をより一層向上できる。
【0088】
このため、電動アクチュエータ52が振動することをより効果的に抑制でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18により一層安定して支持できる。なお、外周縁部19bは、リブ41のみに連結されてもよく、リブ42のみに連結されてもよい。
【0089】
また、本実施例のカバー構造によれば、開口部19aの周囲のカバー部19に、電動アクチュエータ52をボルト20Bによってカバー部19に締結する締結部19c、19d、19eが設けられており、締結部19cは、リブ41に連結され、締結部19eは、リブ42に連結されている。
【0090】
これにより、電動アクチュエータ52を開口部19aに締結するための締結部19c、19eをリブ41、42によって補強でき、締結部19c、19eの剛性を高くできる。このため、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することをより効果的に抑制でき、電動アクチュエータ52の支持剛性をより一層向上できる。
【0091】
この結果、電動アクチュエータ52が振動することをより効果的に抑制でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18により一層安定して支持できる。
【0092】
なお、締結部19c、19d、19eのいずれか1つがリブ41のみに連結されてもよく、リブ42のみに連結されてもよい。また、締結部19c、19d、19eのいずれか1つ以上がリブ41またはリブ42に締結されてもよい。
【0093】
さらに、締結部19c、19d、19eのいずれか1つがリブ41とリブ42に連結されてもよい。この場合には、締結部19c、19d、19eのいずれか1つが、リブ41とリブ42とが連結される連結部に設置される。
【0094】
また、本実施例のカバー構造によれば、カバー部19は、リブ42が延びる方向に沿って延び、オイル通路25aを有するオイル通路部25と、カバー部19からエンジン本体7と反対方向に膨出し、エンジン本体7にオイルを供給する油圧制御弁28が挿入されるシリンダ部27とを備えている。
【0095】
ボス部30は、オイル通路25aを流れるオイルをエンジン本体7に導入するオイル導入用のボス部30Bを含んで構成されている。オイル通路部25は、オイル導入用のボス部30Bと側壁部19Aとを連結している。
【0096】
シリンダ部27は、リブ42の延びる方向に沿って延びており、リブ42は、シリンダ部27を介してオイル通路25aに連結されている。
【0097】
これにより、電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aを補強するためのリブ41、42を、オイル導入用のボス部30B、シリンダ部27およびオイル通路部25によって補強でき、リブ41、42の剛性をより一層高くできる。
【0098】
このため、より一層剛性の高いリブ41、42によって電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aの周辺の剛性をより一層高くでき、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することをより効果的に抑制できる。この結果、電動アクチュエータ52の支持剛性をより一層向上でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18により一層安定して支持できる。
【0099】
また、本実施例のカバー構造によれば、ボス部30は、チェーンカバー18をエンジン本体7に締結するボルト20Cが取付けられる締結用のボス部30Aと、油圧制御弁28によって制御されたオイルを油圧式の排気側可変動弁機構53に供給する制御用のボス部30C、30Dとを含んで構成されている。
【0100】
制御用のボス部30C、30Dは、上下方向において締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bの間に位置して締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bとに連結されている。制御用のボス部30Dは、締結用のボス部30Aの外縁部30rよりも側壁部19A側に突出している。
【0101】
これにより、ボス部30を、締結用のボス部30A、オイル導入用のボス部30Bおよび制御用のボス部30C、30Dから構成することによってボス部30の剛性を高くできる上に、制御用のボス部30Dをカバー部19の幅方向(前後方向)に拡大することにより、ボス部30の剛性をさらに高くできる。
【0102】
さらに、リブ41が締結用のボス部30Aに連結されていることに加えて、リブ42の延びる方向の前端部42fが締結用のボス部30Aと制御用のボス部30Dとに連結されているので、剛性の高いボス部30によってリブ41、42を補強できる。
【0103】
このため、より一層剛性の高いリブ41、42によって電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aの周辺の剛性をより一層高くでき、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することをより効果的に抑制できる。この結果、電動アクチュエータ52の支持剛性をより一層向上でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18により一層安定して支持できる。
【0104】
また、制御用のボス部30C、30Dは、上下方向において締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bの間に位置して締結用のボス部30Aとオイル導入用のボス部30Bとに連結されているので、リブ42をボス部30の広い領域に連結できる。このため、リブ42の剛性をより一層高くでき、開口部19aの周辺のカバー部19の剛性をより効果的に高くできる。
【0105】
また、本実施例のカバー構造によれば、制御用のボス部30C、30Dは、リブ42とオイル通路25aとの間に入り込むように設けられ、リブ42とオイル通路25aに連結されている。
【0106】
これにより、制御用のボス部30Dを剛性の高いオイル通路部25に連結することにより、制御用のボス部30Dの剛性をより一層高くでき、より一層剛性の高い制御用のボス部30Dにリブ42を連結することにより、リブ42の剛性をより一層高くできる。
【0107】
このため、剛性のより一層高いリブ41、42によって電動アクチュエータ52が取付けられる開口部19aの周辺の剛性をより一層高くでき、エンジン本体7の振動によってチェーンカバー18が振動することをより効果的に抑制できる。この結果、電動アクチュエータ52の支持剛性をより一層向上でき、電動アクチュエータ52をチェーンカバー18により一層安定して支持できる。
【0108】
なお、本実施例のカバー部材は、チェーンカバー18から構成されているが、エンジン本体7の端部を覆うカバー部材であれば、チェーンカバー18に限定されるものではない。
【0109】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0110】
1...車両、5...エンジン(内燃機関)、7...エンジン本体、9...吸気カムシャフト(カムシャフト)、10...排気カムシャフト(カムシャフト)、11a,12a...右端部(エンジン本体の端部)、15...クランクシャフト、18...チェーンカバー(カバー部材)、19...カバー部、19A...側壁部(第1の側壁部)、19B...側壁部(第2の側壁部)、19a...開口部、19b...外周縁部、19c,19d、19e...締結部、19u...上壁部(第3の側壁部)、20B...ボルト(締結具)、20C...ボルト(締結部材)、25...オイル通路部、25a...オイル通路、27...シリンダ部、28...油圧制御弁、30...ボス部、30A...締結用のボス部、30B...オイル導入用のボス部、30C,30D...ボス部(制御用のボス部)、30r...外縁部(制御用のボス部の外縁部)、41...リブ(第1の補強部)、42...リブ(第2の補強部)、51...吸気側可変動弁機構(可変動弁機構、電動式の可変動弁機構)、52...電動アクチュエータ(駆動装置)、53...排気側可変動弁機構(可変動弁機構、油圧式の可変動弁機構)