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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】浴室使用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/395 20220101AFI20220906BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20220906BHJP
   F24H 15/457 20220101ALI20220906BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20220906BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220906BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F24H15/395
F24H15/265
F24H15/457
G08B5/00 D
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018138166
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2020016361
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 博志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】内倉 政治
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-155376(JP,A)
【文献】特開2007-293420(JP,A)
【文献】特開平04-007800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0246122(US,A1)
【文献】特開平02-093915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
H04M 11/00
H04Q 9/00
G08B 5/00 - 5/40
G10L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に人が存在するか否かを検出する人感センサと、
ユーザによって浴室使用希望の要求操作が行われたときに前記浴室使用希望の要求情報を送信し、この要求情報に対する応答情報を受信したときにこの応答情報をユーザへ報知するよう構成された入出力処理装置と通信可能に構成されるとともに、前記人感センサの検出結果を受信可能に構成され、前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときにこの要求情報に対する応答情報を生成し、この応答情報を前記入出力処理装置へ送信する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されている場合には、現在使用中による使用不可の情報を前記応答情報として生成するよう構成されるとともに、
前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、前記浴室使用希望の要求情報を受信する直前の第1の所定時間以内に前回の前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報として使用許諾の情報を送信していた場合には、他のユーザの使用予定による使用不可の情報を今回の前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報として生成するよう構成された、
浴室使用情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、前記浴室使用希望の要求情報を受信する直前の第2の所定時間以内に前記人感センサにより人の存在が検出されていた場合には、それが検出されなくなってから現時点までの時間を算出し、当該時間を他のユーザが浴室を退出してからの経過時間とし、この経過時間の情報と使用許諾の情報とを前記応答情報として生成するよう構成された、
請求項1に記載の浴室使用情報処理システム。
【請求項3】
前記人感センサは、給湯システムに備えられており、
前記情報処理装置は、前記給湯システムと通信網を介して通信可能に構成された管理サーバに含まれる、
請求項1または2に記載の浴室使用情報処理システム。
【請求項4】
前記入出力処理装置は、
マイクロホン及びスピーカを有するとともに前記通信網に接続可能に構成され、ユーザの音声が前記マイクロホンで変換された音声データを送信するとともに、受信した音声データを前記スピーカから音声として出力する音声入出力装置と、
前記通信網に接続され、前記音声入出力装置から送信される音声データを受信すると、この音声データを解析し、解析結果が前記浴室使用希望の要求操作であるときに、前記浴室使用希望の要求情報を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバから前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報を受信すると、この応答情報に対応する音声データを前記音声入出力装置へ送信する音声解析処理装置と、
を備えた
請求項3に記載の浴室使用情報処理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の浴室使用情報処理システムに用いられる管理サーバ。
【請求項6】
請求項3または4に記載の浴室使用情報処理システムに用いられる給湯システム。
【請求項7】
給湯器と、当該給湯器と通信を行うとともに通信網に接続可能な中継装置と、を含んで構成された請求項6に記載の給湯システムに用いられる給湯器。
【請求項8】
給湯器と、当該給湯器と通信を行うとともに通信網に接続可能な中継装置と、を含んで構成された請求項6に記載の給湯システムに用いられる中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室使用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、浴室に人等が居るか否かを検出するセンサを備えた浴室監視システムが開示されている。
【0003】
ところで、給湯器及びそのリモコンを備えた給湯システムにおいても、例えば、浴室に設置された浴室リモコンに人感センサを備え、この人感センサで浴室に人が居ることが検出されたときに、その旨が台所等に設置された台所リモコンによって報知されるよう構成されているものがある。また、ユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末に浴室に人が居ることを報知できるように構成されているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-36883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、台所リモコンや携帯端末に、浴室に人が居ることの報知が行われることにより、ユーザは他のユーザが浴室を使用中であるか否かを知ることができ、浴室を使用可能か否かを判断することができる。
【0006】
しかしながら、ユーザは、他のユーザが浴室へ入る直前の場合にはそのことを知ることできず、ユーザが入浴しようとして例えば自分の部屋から浴室あるいは脱衣場に着いたときに、他のユーザが入浴の準備をしている場合には、他のユーザと浴室を使用しようとする期間が重なり、入浴できずに、再度、出直さなければならない、という問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、浴室を使用しようとする期間が複数のユーザで重ならないように浴室の使用状況を報知することを可能にする浴室使用情報処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る浴室使用情報処理システムは、浴室内に人が存在するか否かを検出する人感センサと、ユーザによって浴室使用希望の要求操作が行われたときに前記浴室使用希望の要求情報を送信し、この要求情報に対する応答情報を受信したときにこの応答情報をユーザへ報知するよう構成された入出力処理装置と通信可能に構成されるとともに、前記人感センサの検出結果を受信可能に構成され、前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときにこの要求情報に対する応答情報を生成し、この応答情報を前記入出力処理装置へ送信する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されている場合には、現在使用中による使用不可の情報を前記応答情報として生成するよう構成されるとともに、前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、前記浴室使用希望の要求情報を受信する直前の第1の所定時間以内に前回の前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報として使用許諾の情報を送信していた場合には、他のユーザの使用予定による使用不可の情報を今回の前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報として生成するよう構成されている。
【0009】
この構成によれば、ユーザによって入出力処理装置に浴室使用希望の要求操作が行われて、情報処理装置が浴室使用希望の要求情報を受信したときに人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、上記要求情報を受信する直前の第1の所定時間以内に前回の応答情報として使用許諾の情報を送信していた場合には、他のユーザの使用予定による使用不可の情報を今回の応答情報として生成し、入出力処理装置からユーザへ報知することができる。この報知によって、ユーザは、現在浴室が使用されていなくても、すぐに他のユーザが入浴することがわかり、他のユーザと、脱衣場あるいは浴室で鉢合わせにならずに済む。よって、浴室を使用しようとする期間が複数のユーザで重ならないように浴室の使用状況を報知することができる。なお、ユーザによって行われる浴室使用希望の要求操作の「操作」には、音声操作(音声による操作)が含まれてもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記入出力処理装置から前記浴室使用希望の要求情報を受信したときに前記人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、前記浴室使用希望の要求情報を受信する直前の第2の所定時間以内に前記人感センサにより人の存在が検出されていた場合には、それが検出されなくなってから現時点までの時間を算出し、当該時間を他のユーザが浴室を退出してからの経過時間とし、この経過時間の情報と使用許諾の情報とを前記応答情報として生成するよう構成されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、ユーザによって入出力処理装置に浴室使用希望の要求操作が行われて、情報処理装置が浴室使用希望の要求情報を受信したときに人感センサにより人の存在が検出されておらず、かつ、上記要求情報を受信する直前の第2の所定時間以内に人感センサにより人の存在が検出されていた場合には、それが検出されなくなってから現時点までの時間を算出し、当該時間を他のユーザが浴室を退出してからの経過時間とし、この経過時間の情報と使用許諾の情報とを応答情報として生成し、入出力処理装置からユーザへ報知することができる。この報知によって、ユーザは、現在浴室が使用されていなくても、他のユーザが脱衣場から退出する時刻を考慮して脱衣場へ向かうことで、脱衣場で他のユーザと鉢合わせにならず、一人で脱衣場を使用することができる。
【0012】
前記人感センサは、給湯システムに備えられており、前記情報処理装置は、前記給湯システムと通信網を介して通信可能に構成された管理サーバに含まれるようにしてもよい。
【0013】
前記入出力処理装置は、マイクロホン及びスピーカを有するとともに前記通信網に接続可能に構成され、ユーザの音声が前記マイクロホンで変換された音声データを送信するとともに、受信した音声データを前記スピーカから音声として出力する音声入出力装置と、前記通信網に接続され、前記音声入出力装置から送信される音声データを受信すると、この音声データを解析し、解析結果が前記浴室使用希望の要求操作であるときに、前記浴室使用希望の要求情報を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバから前記浴室使用希望の要求情報に対する応答情報を受信すると、この応答情報に対応する音声データを前記音声入出力装置へ送信する音声解析処理装置と、を備えていてもよい。
【0014】
本発明のある態様に係る管理サーバは、上記の浴室使用情報処理システムに用いられる管理サーバである。
【0015】
また、本発明のある態様に係る給湯システムは、上記の浴室使用情報処理システムに用いられる給湯システムである。
【0016】
また、本発明のある態様に係る給湯器は、上記給湯システムが、給湯器と、当該給湯器と通信を行うとともに通信網に接続可能な中継装置と、を含んで構成された給湯システムに用いられる給湯器である。
【0017】
また、本発明のある態様に係る中継装置は、上記給湯システムが、給湯器と、当該給湯器と通信を行うとともに通信網に接続可能な中継装置と、を含んで構成された給湯システムに用いられる中継装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上に説明した構成を有し、浴室を使用しようとする期間が複数のユーザで重ならないように浴室の使用状況を報知することを可能にする浴室使用情報処理システムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態の浴室使用情報処理システムの概要の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す情報処理装置の詳細な動作(処理)の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態の浴室使用情報処理システムの具体的な構成例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0021】
(実施形態)
図1は、本実施形態の浴室使用情報処理システムの概要の一例を示すブロック図である。本実施形態の浴室使用情報処理システムは、人感センサAと情報処理装置Bとを備えている。なお、入出力処理装置Cを浴室使用情報処理システムに含めてもよい。
【0022】
人感センサAは、ユーザ宅の浴室に設置され、浴室内に人が存在するか否かを検出するセンサであり、この検出結果は情報処理装置Bへ送信される。この送信タイミングは、情報処理装置Bにおいて人感センサAの検出結果(人の存否)が常時把握できればよく、例えば、人感センサAの検出結果が変化したときに送信されるようにしてもよい。情報処理装置Bには、例えば、過去から現時点までの人感センサAの検出結果が時刻とともに検出結果経過情報として記憶される。この人感センサAの検出結果経過情報は、過去から現時点までの人感センサAの検出結果が時刻とともに把握できる情報であればよく、前述のように人感センサAの検出結果が変化したときの検出結果及び時刻が記憶された情報でもよい。
【0023】
入出力処理装置Cは、ユーザによって浴室使用希望の要求操作が行われたときに浴室使用希望の要求情報を情報処理装置Bへ送信し、情報処理装置Bから浴室使用希望の要求情報に対する応答情報を受信したときに、この応答情報の内容をユーザへ報知するよう構成されている。入出力処理装置Cの具体例については後述するが、例えば、入出力処理装置Cにスマートスピーカ(AIスピーカ)を備えている場合には、浴室使用希望の要求操作は、マイクロホンに入力されるユーザの発話(音声操作)によって行われ、ユーザへの応答情報の報知は、スピーカから出力される音声によって行われる。
【0024】
情報処理装置Bは、入出力処理装置Cと通信可能に構成されるとともに、人感センサAの検出結果を受信可能に構成され、入出力処理装置Cから浴室使用希望の要求情報を受信したときに、人感センサAの検出結果経過情報に基づいて浴室使用希望の要求情報に対する応答情報を生成し、この応答情報を入出力処理装置Cへ送信するよう構成されている。
【0025】
図2は、情報処理装置Bの詳細な動作(処理)の一例を示すフローチャートである。
【0026】
ユーザ宅には、複数のユーザが居住しており、以下の説明では、ユーザaとユーザbとが居住しているものとする。
【0027】
情報処理装置Bは、まず、ステップS1において、例えばユーザaによって、入出力処理装置Cに浴室使用希望の要求操作が行われて、入出力処理装置Cから浴室使用希望の要求情報を受信すると、現時点の人感センサAの検出結果に基づいて、現在浴室に人が存在するか否かを判定する(ステップS2)。
【0028】
ステップS2で現在浴室に人が存在すると判定した場合には、現在他のユーザ(ユーザb)の使用中による浴室使用不可の情報を応答情報として生成し(ステップS5)、この応答情報を入出力処理装置Cへ送信する(ステップS9)。
【0029】
また、ステップS2で現在浴室に人が存在しないと判定した場合には、ステップS3へ進み、今回の浴室使用希望の要求情報を受信する直前の第1の所定時間以内に、前回の浴室使用希望の要求情報に対する応答情報として使用許諾の情報を送信していたか否かを判定する。
【0030】
ステップS3で、直前の第1の所定時間以内に、前回の要求情報に対する応答情報として使用許諾の情報を送信していた場合には、他のユーザの使用予定による使用不可の情報を応答情報として生成し(ステップS6)、この応答情報を入出力処理装置Cへ送信する(ステップS9)。この場合、例えば、ユーザaよりも先に他のユーザbが浴室使用希望の要求操作を行ってユーザbに対して使用許諾の情報が報知されたが、ユーザbがまだ浴室へ入っていない状況を想定している。よって、他のユーザbによる浴室の使用予定があるので、ユーザaに対して、他のユーザの使用予定による使用不可の情報が入出力処理装置Cから報知される。前述の第1の所定時間は、例えば8分などに設定されてあってもよい。
【0031】
また、ステップS3で、直前の第1の所定時間以内に、前回の要求情報に対する応答情報として使用許諾の情報を送信していなかった場合には、ステップS4へ進み、人感センサAの検出結果経過情報に基づいて、ステップS1で今回の要求情報を受信する直前の第2の所定時間以内に浴室に人が存在したか否かを判定する。
【0032】
ステップS4で、直前の第2の所定時間以内に浴室に人が存在した場合には、その人の存在が検出されなくなった時点から現時点までの時間を算出し、当該時間を他のユーザbが浴室を退出してからの経過時間とし、この経過時間の情報と使用許諾の情報とを応答情報として生成し(ステップS7)、この応答情報を入出力処理装置Cへ送信する(ステップS9)。この場合、例えば、他のユーザbが入浴を終えてすでに浴室から退出しているが、まだ浴室と隣接する脱衣場にいる状況を想定している。よって、ユーザaに対しては、使用許諾の情報に加えて、ユーザbが浴室を退出してからの経過時間の情報を報知することにより、ユーザaは、ユーザbが脱衣場から退出する時刻を考慮して脱衣場へ向かうことができる。前述の第2の所定時間は、例えば10分などに設定されてあってもよい。
【0033】
また、ステップS4で、直前の第2の所定時間以内に浴室に人が存在しなかった場合には、使用許諾の情報を応答情報として生成し(ステップS8)、この応答情報を入出力処理装置Cへ送信する(ステップS9)。
【0034】
なお、ステップS3とステップS4とは、順序が入れ替わってもよい。ステップS3の判定がYesの場合はステップS6が行われ、ステップS4の判定がYesの場合はステップS7が行われ、ステップS3とステップS4の両方の判定がNoの場合にステップS8が行われるようにすればよい。
【0035】
図3は、本実施形態の浴室使用情報処理システムの具体的な構成例を説明するためのブロック図である。以下では、図3を用いて第1~第3構成例について説明する。
【0036】
まず、図3に示された構成について説明する。図3において、給湯システムHwと、インターネット等の通信網4に接続されたコンピュータからなる管理サーバ5とで、給湯管理システムが構成されている。
【0037】
給湯システムHwは、給湯器1と、この給湯器専用の中継装置2と、給湯器1を遠隔操作するためのリモコン(リモートコントローラ)7,8とを備えている。給湯器1のコントローラ1aとリモコン7,8と中継装置2とは、相互に通信可能に構成されている。
【0038】
給湯器1は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、例えば、燃焼加熱式の給湯器(熱源機)であり、台所や浴槽等に湯水を供給する給湯機能などを備えている。給湯器1に内蔵されているコントローラ1aは、例えば、CPU及びメモリ(RAM及びROM等)を有するマイクロコントローラ等によって構成され、給湯器1全体の動作を制御する。
【0039】
リモコン7,8は、操作部及び表示部(図示せず)を備え、ユーザが操作部を操作して、給湯器1の運転操作や給湯温度の設定等を行うことができるとともに、表示部に給湯器1の運転状態や給湯温度の設定温度等を表示することができる。なお、リモコン7は、浴室外の台所等に設置された浴室外リモコンである。また、リモコン8は、浴室内に設置された浴室リモコンであり、人感センサAが備えられている。ここでは、図1に示す人感センサAが浴室リモコン8に備えられた例が示されている。
【0040】
この人感センサAは、浴室内に人が存在するか否かを検出するためのものであり、例えば焦電型赤外線センサ、電波センサ等、人の存在を検知することができるものであればよい。また、人感センサAが浴室リモコン8とは別個に設けられてあってもよい。
【0041】
中継装置2は、ルータ3と無線LANの接続設定が行われており、ルータ3との間で無線LANによる無線通信が可能である。この中継装置2は、給湯器1のコントローラ1a及びリモコン7,8との間の通信処理を実行するとともに、ルータ3及び通信網4を介して行う管理サーバ5との間の通信処理を実行する。ルータ3は、給湯システムHwのユーザが所有している無線LANルータであり、通信網4に接続されている。
【0042】
管理サーバ5は、通信網4及びルータ3を介して中継装置2と通信を行う。管理サーバ5は、給湯器1のコントローラ1aから中継装置2を介して送信されてきた情報を必要に応じて記憶している。なお、管理サーバ5は、通信網4に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。すなわち、管理サーバ5は、その機能を分担して実行する複数のサーバで構成されていてもよい。
【0043】
携帯端末6は、給湯システムHwのユーザが所有しているスマートフォン等からなり、通信網4等を介して管理サーバ5と相互に通信を行うことができる。この携帯端末6には、給湯システム専用のアプリケーションプログラム(以下、「システム専用アプリ」という)がインストールされており、ユーザは、携帯端末6を操作して、システム専用アプリを起動させ、管理サーバ5等を介して給湯器1の遠隔操作及び状態確認などを行うことができる。携帯端末6は、タッチパネル付ディスプレイからなる表示部と、上記タッチパネルからなる操作部と、マイクロホン及びスピーカなどを有している。
【0044】
上記のように給湯管理システムは、通信網4、ルータ3及び携帯端末6を利用するものである。このような給湯管理システムにおいて、給湯システムHwが設置されている住宅は通常多数存在する。ここでは、代表して、1つの給湯システムHwのみを図示し、また、その給湯システムHwに対応するルータ3及び携帯端末6を図示している。
【0045】
このような給湯管理システムにおいて、給湯器1のコントローラ1aから中継装置2を介して管理サーバ5へ送信される機器情報としては、定期的(例えば1時間間隔)に送信される給湯器1の運転状態を示す運転状態情報、給湯器1の異常を示すエラー情報等がある。さらに、本実施形態では、管理サーバ5へ送信される機器情報として、人感センサAの検出結果の情報がある。この人感センサAの検出結果は、浴室リモコン8から、一旦コントローラ1aへ送信されて、コントローラ1aから中継装置2を介して管理サーバ5へ送信されるように構成してもよいし、コントローラ1aを経ずに浴室リモコン8から中継装置2を介して管理サーバ5へ送信されるように構成してもよい。管理サーバ5では、人感センサAの検出結果経過情報として記憶される。以上の機器情報は、中継装置2から中継装置2の個体識別情報とともに管理サーバ5へ送信される。
【0046】
管理サーバ5では、これら受信した機器情報を、給湯システムHwの識別情報と関連付けて記憶部に記憶することで、給湯システムHwごとに記憶される。なお、給湯システムの識別情報は、例えば、中継装置2の個体識別情報を用いてもよい。また、給湯システムの識別情報は、複数の各々の給湯システムを識別するために管理サーバ5が任意に定めた情報(例えば、通し番号)であってもよく、この場合、給湯システムHwの識別情報と中継装置2の個体識別情報とが関連付けられている。よって、給湯システムHwの識別情報または中継装置2の個体識別情報から給湯システムHwを特定し、当該給湯システムHwの人感センサAの検出結果経過情報を特定することができる。
【0047】
また、管理サーバ5は、ユーザが携帯端末6を操作して同ユーザ宅の給湯器1の遠隔操作及び状態確認を行うことを可能にするためにユーザ関連付け情報を記憶している。このユーザ関連付け情報は、例えば、給湯システムHwの識別情報(例えば中継装置2の個体識別情報)とユーザの携帯端末6から予め送信されたユーザアカウントとが関連付けされてなる情報である。
【0048】
そして、後述の第1構成例を実現するために、図3には、ルータ3と無線LANの接続設定が行われたスマートスピーカ11と、通信網4に接続されたクラウドサーバ12とが示されている。
【0049】
〔第1構成例〕
第1構成例の場合、図1の情報処理装置Bが管理サーバ5で構成され、入出力処理装置Cがスマートスピーカ(音声入出力装置)11及びクラウドサーバ(音声解析処理装置)12を有する音声対話システムで構成される。スマートスピーカ11及びクラウドサーバ12は、公知のものであり、スマートスピーカ11は、AIスピーカとも呼ばれ、市販のものを用いることができる。
【0050】
スマートスピーカ11は、ルータ3との間で無線LANによる無線通信が可能であり、ルータ3及び通信網4を介してクラウドサーバ12と通信を行うことができる。スマートスピーカ11は、例えば、マイクロホンとスピーカとを内蔵し、マイクロホンから出力される音声データをクラウドサーバ12へ送信し、クラウドサーバ12から送信されてきた音声データを音声に変換してスピーカから出力することができる。
【0051】
この第1構成例では、クラウドサーバ12には、給湯システムHwの識別情報を特定するための情報(給湯システム識別関連情報)とスマートスピーカ11の個体識別情報とが関連付けされてなる情報(ユーザ機器関連付け情報)が記憶されている。
【0052】
また、管理サーバ5には、クラウドサーバ12からユーザ機器関連付け情報が送信されてきたときに、その中の給湯システム識別関連情報から給湯システムHwの識別情報を導出するための情報が記憶されている。よって、管理サーバ5は、クラウドサーバ12から送信されてくるユーザ機器関連付け情報から、給湯システムHwの識別情報と、スマートスピーカ11の個体識別情報とを把握することができる。
【0053】
図3では、ユーザ宅に2つのスマートスピーカ11a、11bが置かれている例が示されているが、1つあるいは3つ以上でもよい。ここでは、例えば、ユーザaの部屋にスマートスピーカ11aが置かれ、ユーザbの部屋にスマートスピーカ11bが置かれている。
【0054】
例えば、ユーザaが自分の部屋に居て、入浴しようと思ったときに、スマートスピーカ11aに向かって、所定の起動ワード(ウェイクワード)を発話した後、浴室使用希望の要求を発話することにより、浴室使用希望の要求操作(音声による要求操作)が行われる。浴室使用希望の要求の発話は、例えば、「風呂へ入ります」あるいは「風呂へ入りたい」と話すことにより行われる。
【0055】
このようにして、浴室使用希望の要求操作が行われると、スマートスピーカ11aから、浴室使用希望の要求の発話の音声データとともにスマートスピーカ11aの個体識別情報がクラウドサーバ12へ送信される。
【0056】
クラウドサーバ12では、スマートスピーカ11aから送信されてきた音声データを解析し(音声認識及び自然言語処理などを行い)、その解析結果が上述の浴室使用希望の要求操作であった場合には、浴室使用希望の要求情報とともにユーザ機器関連付け情報を管理サーバ5へ送信する。ここでのユーザ機器関連付け情報は、給湯システム識別関連情報とユーザaの部屋のスマートスピーカ11aの個体識別情報とが関連付けされてなる情報である。クラウドサーバ12は、記憶している多数のユーザ機器関連付け情報の中から、スマートスピーカ11aの個体識別情報に基づいて管理サーバ5へ送信するユーザ機器関連付け情報を選出することができる。
【0057】
管理サーバ5では、浴室使用希望の要求情報とともにユーザ機器関連付け情報を受信する(図2のステップS1)。管理サーバ5では、ユーザ機器関連付け情報から、給湯システムHwの識別情報と、スマートスピーカ11aの個体識別情報とを把握する。そして、給湯システムHwの識別情報に基づいて、記憶している給湯システムHwの機器情報を参照し、同機器情報の中の人感センサAの検出結果経過情報に基づいて、図2のステップS2以降の処理を行う。
【0058】
そして、管理サーバ5は、図2のステップS9で応答情報を送信する際には、応答情報とともにスマートスピーカ11aの個体識別情報をクラウドサーバ12へ送信する。
【0059】
クラウドサーバ12では、受信した応答情報に対応する音声データを生成し、この音声データをスマートスピーカ11aへ送信する。これにより、スマートスピーカ11aのスピーカから応答情報の内容が音声で出力され、ユーザaへ報知することができる。
【0060】
例えば、応答情報がステップS5で生成された情報の場合には、「いま使用中ですので入浴できません」等の内容がスマートスピーカ11aから音声で出力される。また、応答情報がステップS6で生成された情報の場合には、「他の人がいまから使用しますので入浴できません」等の内容が音声で出力される。この報知を聞いたユーザaは、現在浴室が使用されていなくても、すぐに他のユーザが入浴することがわかり、他のユーザと、脱衣場あるいは浴室で鉢合わせにならずに済む。よって、浴室を使用しようとする期間が複数のユーザで重ならないように浴室の使用状況を報知することができる。
【0061】
また、応答情報がステップS7で生成された情報の場合には、他のユーザbが浴室を退出してからの経過時間をx分とすると、「他の人がx分前に退室しましたので入浴できます」等の内容が音声で出力される。この報知を聞いたユーザaは、現在浴室が使用されていなくても、ユーザbが脱衣場から退出する時刻を考慮して脱衣場へ向かうことで、脱衣場でユーザbと鉢合わせにならず、一人で脱衣場を使用することができる。また、応答情報がステップS8で生成された情報の場合には、「いますぐ入浴できます」等の内容が音声で出力される。
【0062】
〔第2構成例〕
第2構成例の場合、図1の情報処理装置Bが管理サーバ5で構成され、入出力処理装置Cが携帯端末6で構成される。
【0063】
前述したように、管理サーバ5は、給湯システムHwの識別情報(例えば中継装置2の個体識別情報)とユーザの携帯端末6から予め送信されたユーザアカウントとが関連付けされてなるユーザ関連付け情報を記憶している。
【0064】
この場合、例えば、ユーザは、入浴しようと思ったときに、携帯端末6を操作して、システム専用アプリを起動させ、管理サーバ5が提供しているユーザ利用サイトにログインし、浴室使用希望の要求操作を行うことにより、携帯端末6から浴室使用希望の要求情報が管理サーバ5へ送信される。この場合の浴室使用希望の要求操作は、例えば、携帯端末6の表示部の画面に「入浴」のボタンが表示され、このボタンをタッチ操作することにより行うことができる。
【0065】
管理サーバ5では、携帯端末6から浴室使用希望の要求情報を受信する(図2のステップS1)と、ログイン時に取得したユーザアカウントが含まれるユーザ関連付け情報を参照し、このユーザ関連付け情報から、ユーザアカウントと関連付けられた給湯システムHwの識別情報を把握する。そして、給湯システムHwの識別情報に基づいて、記憶している給湯システムHwの機器情報を参照し、同機器情報の中の人感センサAの検出結果経過情報に基づいて、図2のステップS2以降の処理を行い、生成した応答情報を携帯端末6へ送信する(ステップS9)。
【0066】
携帯端末6は、管理サーバ5から応答情報を受信すると、その表示部の画面に応答情報の内容を表示し、ユーザへ報知することができる。
【0067】
なお、図3では、携帯端末6を1つしか図示していないが、同一ユーザ宅に居住する複数のユーザの各々が所有する携帯端末6に前述のシステム専用アプリをインストールすることにより、複数のユーザが個々の携帯端末6を入出力処理装置Cとして使用することができる。
【0068】
また、携帯端末6を、スマートスピーカ11のように音声入出力装置として用い、クラウドサーバ(音声解析処理装置)とともに入出力処理装置Cを構成するようにしてもよい。
【0069】
〔第3構成例〕
第3構成例の場合、図1の情報処理装置Bが給湯器1のコントローラ1aで構成され、入出力処理装置Cが浴室外リモコン7で構成される。この場合、人感センサAも給湯システムHwの浴室リモコン8に備えられているので、給湯システムHw内に浴室使用情報処理システムが備えられた構成となる。
【0070】
第3構成例の場合、人感センサAの検出結果は、給湯器1のコントローラ1aへ送信され、コントローラ1aに人感センサAの検出結果経過情報が記憶されている。
【0071】
この場合、例えば、ユーザは、入浴しようと思ったときに、浴室外リモコン7を操作して、浴室使用希望の要求操作を行うことにより、浴室外リモコン7から浴室使用希望の要求情報がコントローラ1aへ送信される。この場合の浴室使用希望の要求操作は、例えば、浴室外リモコン7の表示部の画面に「入浴」のボタンが表示され、このボタンをタッチ操作することにより行うことができる。なお、「入浴」のボタンは、押しボタンとして設けられてあってもよい。
【0072】
コントローラ1aでは、浴室外リモコン7から浴室使用希望の要求情報を受信する(図2のステップS1)と、記憶している人感センサAの検出結果経過情報に基づいて、図2のステップS2以降の処理を行い、生成した応答情報を浴室外リモコン7へ送信する(ステップS9)。
【0073】
浴室外リモコン7は、コントローラ1aから応答情報を受信すると、その表示部の画面に応答情報の内容を表示し、ユーザへ報知することができる。
【0074】
なお、図3では、浴室外リモコン7を1つしか図示していないが、同一ユーザ宅に複数の浴室外リモコン7を設置し、各々が入出力処理装置Cとして使用できるようにしてもよい。
【0075】
以上に述べた第1~第3構成例において、図3の給湯システムHwでは、中継装置2と浴室外リモコン7とが個別に構成されているが、これらが一体化されてなる中継装置内蔵リモコン27として構成されていてもよい。
【0076】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、浴室を使用しようとする期間が複数のユーザで重ならないように浴室の使用状況を報知することを可能にする浴室使用情報処理システム等として有用である。
【符号の説明】
【0078】
A 人感センサ
B 情報処理装置
C 入出力処理装置
Hw 給湯システム
1 給湯器
1a コントローラ
4 通信網
5 管理サーバ
6 携帯端末
7 浴室外リモコン
11 スマートスピーカ
12 クラウドサーバ
図1
図2
図3