(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20220906BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20220906BHJP
H04M 1/23 20060101ALI20220906BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20220906BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20220906BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20220906BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
H04M1/02 C
H04M1/23 F
H05K5/03 D
H01M50/271 S
H01M50/271 B
H01M50/247
(21)【出願番号】P 2018179703
(22)【出願日】2018-09-26
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】榊原 克典
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-070485(JP,A)
【文献】特開2012-054193(JP,A)
【文献】特開2016-096268(JP,A)
【文献】特開2012-237844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0152825(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0212571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H04M 1/02
H04M 1/23
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル型の表示装置が表面に配置されて背面側に機能モジュールが組み付けられ、対向する前記表面及び前記背面の双方に連なる1つの面を底面とするとき、収容口と当該収容口を介して底面側から挿入した電池を収容する電池収容部とが形成される筐体と、
前記収容口を閉塞するように前記筐体に対して着脱可能に組み付けられる電池蓋と、
を備える携帯端末であって、
前記収容口は、前記筐体における前記底面側の一部から背面側の一部にかけて開口するように形成され、
前記電池蓋は、前記底面側の一部を覆うための第1蓋部と前記背面側の一部を覆うための第2蓋部とが一体に連結されるように形成され、
前記第1蓋部及び前記第2蓋部のうち一方の蓋部には、ロック部をスライド面上にてスライド可能に支持する支持部が設けられ、
前記筐体には、前記電池蓋により前記収容口を閉塞した状態で、ロック方向にスライドさせた前記ロック部の一部が係合する係合穴が形成されることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記一方の蓋部には、前記ロック方向が逆方向となるように前記ロック部が一対設けられることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記ロック部は、前記係合穴に係合する先端部と、前記スライド面に向けて弾性変形可能な弾性部とを備え、
前記支持部には、前記先端部が前記係合穴に係合した状態で前記弾性部の一部を前記ロック方向に押圧する押圧面が設けられ、
前記押圧面は、前記スライド面との間に、当該スライド面に向けて弾性変形した前記弾性部がスライドして通過可能となる隙間が介在するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池交換可能な携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電池交換可能な携帯端末として、例えば、下記特許文献1に開示される携帯端末が知られている。この携帯端末の電池カバーは、筐体の厚み方向に対して直交する方向に沿って移動することにより筐体の背面側に対して着脱可能に形成されており、その移動方向となる端部に筐体の一部を収容するための筒部を備えるように形成されている。このように電池カバーの筒部で筐体の一部を収容することで、電池カバーを筐体に対して容易かつ確実に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、構成部品等の標準化を図りつつ、物流や棚卸などの各シーンにそれぞれ適した機能を有する携帯端末を複数種類用意するため、それぞれのシーンに応じた機能モジュールを組み合わせて携帯端末を構成するモジュール構造が採用されつつある。このようなモジュール構造では、例えば、スマートフォンタイプの携帯端末における背面側モジュールをガングリップ用のモジュールに代えることで、ガンタイプの携帯端末を構成することができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように電池カバーが携帯端末の背面側となるような構成では、ガンタイプの携帯端末を構成するためにガングリップ用のモジュールを筐体の背面側に組み付けると、電池を交換するためにその背面側のモジュールを取り外す必要があり、電池の交換が容易にできなくなるという問題がある。この問題は、ガングリップ用のモジュールに限らず、他の機能を有する機能モジュールを筐体の背面側に組み付ける場合にも同様に生じるものである。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、携帯端末の背面側に機能モジュールが組み付けられるモジュール構造であっても、電池交換が容易な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
タッチパネル型の表示装置が表面に配置されて背面側に機能モジュールが組み付けられ、対向する前記表面及び前記背面の双方に連なる1つの面を底面とするとき、収容口(19)と当該収容口を介して底面側から挿入した電池(17)を収容する電池収容部(18)とが形成される筐体(11)と、
前記収容口を閉塞するように前記筐体に対して着脱可能に組み付けられる電池蓋(40)と、
を備える携帯端末(1)であって、
前記収容口は、前記筐体における前記底面側の一部から背面側の一部にかけて開口するように形成され、
前記電池蓋は、前記底面側の一部を覆うための第1蓋部(41)と前記背面側の一部を覆うための第2蓋部(42)とが一体に連結されるように形成され、
前記第1蓋部及び前記第2蓋部のうち一方の蓋部には、ロック部(50)をスライド面(61)上にてスライド可能に支持する支持部(60)が設けられ、
前記筐体には、前記電池蓋により前記収容口を閉塞した状態で、ロック方向にスライドさせた前記ロック部の一部(51)が係合する係合穴(11c)が形成されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、筐体に形成される収容口は、筐体における底面側の一部から背面側の一部にかけて開口するように形成され、電池蓋は、底面側の一部を覆うための第1蓋部と背面側の一部を覆うための第2蓋部とが一体に連結されるように形成される。そして、第1蓋部及び第2蓋部のうち一方の蓋部には、ロック部をスライド面上にてスライド可能に支持する支持部が設けられ、筐体には、電池蓋により収容口を閉塞した状態で、ロック方向にスライドさせたロック部の一部が係合する係合穴が形成される。
【0009】
これにより、収容口近傍の筐体の背面側部分に、ガングリップ用などの機能モジュールが組み付けられた後でも、収容口を介した電池の着脱方向が背面側と異なる底面側となるので、収容口を介した電池の着脱を容易に実施することができる。また、収容口が筐体の底面側の一部だけでなく背面側の一部にかけて開口するため、収容口が底面側だけ開口する場合と比較して、開口部分が広くなるので、この収容口を介したSDカード等の着脱も容易に実施することができる。特に、ロック方向にスライドしたロック部が係合穴に係合するため、ロック部を支持する支持部と筐体と固定、すなわち、電池蓋と筐体との固定を簡素な構成にて強固に実施することができる。
【0010】
請求項2の発明では、一方の蓋部には、ロック方向が逆方向となるようにロック部が一対設けられる。このため、電池蓋がスライド方向両端となる離れた2箇所にて筐体と固定されることとなるので、電池蓋と筐体との固定を簡素な構成にてより強固に実施することができる。
【0011】
請求項3の発明では、ロック部は、係合穴に係合する先端部と、スライド面に向けて弾性変形可能な弾性部とを備えており、支持部には、先端部が係合穴に係合した状態で弾性部の一部をロック方向に押圧する押圧面が設けられ、この押圧面は、スライド面との間に、当該スライド面に向けて弾性変形した弾性部がスライドして通過可能となる隙間が介在するように形成される。
【0012】
これにより、先端部が係合穴に係合するロック状態では、弾性部の一部が押圧面によりロック方向に押圧されるため、ロック状態での係合穴からの先端部の抜け防止を確実に行うことができる。また、先端部を係合穴から抜いてロック状態を解除する場合には、弾性部が押圧面に接触しなくなるまでスライド面に押し付けるようにして弾性変形させた状態でロック部を反ロック方向にスライドさせればよいので、ロック部を利用したロック操作とロック解除操作とのそれぞれを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る携帯端末を示す説明図であり、
図1(A)は平面図を示し、
図1(B)は側面図を示し、
図1(C)は、底面図を示す。
【
図2】
図1の携帯端末からボトムモジュールを取り外して拡大した状態を示す一部背面図である。
【
図3】
図1の携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図4】
図3の情報コード読取ユニットの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図5】
図1のボトムモジュールを説明する斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、
図5のボトムモジュールを第2蓋部側(背面側)からみた説明図であり、
図6(B)は、
図5のボトムモジュールを第1蓋部側(底面側)からみた説明図である。
【
図7】
図6(B)のX1-X1断面を拡大して示す拡大断面図である。
【
図8】
図6(A)のX2-X2断面を拡大して示す拡大断面図である。
【
図9】
図9(A)は、第1蓋部の係合部を係合させる前に第2蓋部の係合部をケースに係合させた状態を拡大して示す一部断面図であり、
図9(B)は、第1蓋部の係合部及び第2蓋部の係合部のそれぞれをケースに係合させた状態を拡大して示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る携帯端末について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る携帯端末は、ベースモジュールに対してトップモジュール、バックモジュール及びボトムモジュール等の複数の機能モジュールをそれぞれ接続することで所定の機能を付加するように構成される携帯型の情報処理装置である。すなわち、トップモジュール、バックモジュール及びボトムモジュール等がそれぞれ付加する機能に合わせて複数種類用意されており、これらの機能モジュールを組み替えることで、所望の機能を有する携帯端末を構成することができる。
【0015】
図1に示す携帯端末1は、ベースモジュール10に対してトップモジュール20、バックモジュール30及びボトムモジュール40を組み付けてコネクタ等を介して電気的に接続することで、キーボードが無いスマートフォンタイプとして構成される。
【0016】
ベースモジュール10は、各機能を有する携帯端末にて共通に用いられるモジュールであって、外郭を構成するケース11に対して、
図3に示すように、接続される各機能モジュールを含めた装置全体を制御する制御部12と、記憶部13、タッチパネル14、通信部15及び電源部16とが収容等されるように構成されている。ケース11の上面側(
図1(B)の上側)や背面側(
図1(B)の右側)、底面側(
図1(B)の下側)には、組み付けられる各機能モジュールと制御部12とを電気的に接続するコネクタ等が配置されている。
【0017】
記憶部13は、例えば半導体メモリ装置などの公知の記憶装置によって構成されており、ベースモジュール10に対して接続され得る各機能モジュールのそれぞれの機能を実現するための複数のアプリケーションプログラム等が制御部12にて実行可能に予め記憶されている。
【0018】
タッチパネル14は、公知のタッチパネル型の表示装置として構成されており、液晶表示器等の公知の表示デバイスとして構成される表示部と、この表示部の表示画面14aに重ねられて当該表示画面14aに対して押圧操作(接触)している範囲を検出可能な検出部として機能する透明性の操作パネルとを備えている。このタッチパネル14は、制御部12によって表示部の表示内容が制御され、狭額縁化(狭ベゼル化)されるように大型化された表示画面14aがケース11の表面側(
図1(B)の左側)に配置されている。
【0019】
通信部15は、制御部12によりで制御されて、ケース11内に配置されるアンテナ又は接続される機能モジュールに設けられるアンテナを利用して電話回線や無線LANを介した無線通信等を行う外部インタフェースとして構成されている。
【0020】
電源部16は、公知の電源回路などによって構成されており、ケース11内に設けられる電池収容部18に収容された電池17を利用して、制御部12や接続された各モジュールを含めた各種電気部品に対して電力を供給するように構成されている。特に、
図2に示すように、電池収容部18は、電池17の着脱を容易にするため、ケース11の底面側及びバックモジュール30におけるケース31の底面側によって形成される収容口19を介して、電池17が底面側から挿入されるように形成されている。すなわち、電池収容部18は、電池17の着脱方向がケース11の長手方向(
図2の矢印F参照)となるように形成されている。
【0021】
また、電池収容部18の底面側には、SDカード等の記録媒体を着脱するスロット18a等が形成されている。このスロット18a等へのSDカード等の着脱を容易にするため、収容口19は、ケース11の底面側に設けられる左右一対の支持片11aを介して、ケース11の底面側の一部から背面側の一部にかけて開口するように形成されている。両支持片11aは、それぞれの表面側が連結部11bにて連結されており、両支持片11aには、後述するロック部50の先端部51が係合するための係合穴11cが、収容口19を介して対向するようにそれぞれ形成されている。
【0022】
次に、トップモジュール20について説明する。
トップモジュール20は、ベースモジュール10のケース11の上面側に組み付けられる機能モジュールである。このトップモジュール20は、
図3に示すように、外郭を構成するケース21に対して、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取ユニット23と音響部25とが収容等されるように構成されている。
【0023】
情報コード読取ユニット23は、
図4に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ23a、結像レンズ23b、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部23cなどを備えた構成をなしており、制御部12と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。この情報コード読取ユニット23によって読み取りを行う場合、まず、制御部12によって指令を受けた照明部23cから照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口22を通って読取対象Rに照射される。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口22を通ってユニット内に取り込まれ、結像レンズ23bを通って受光センサ23aに受光される。読取口22と受光センサ23aとの間に配される結像レンズ23bは、情報コードCの像を受光センサ23a上に結像させる構成をなしており、受光センサ23aはこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ23aから出力された受光信号は、画像データとして記憶部13に記憶され、情報コードCに記録される情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取ユニット23には、受光センサ23aからの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0024】
音響部25は、公知のスピーカ等を備えるように構成されており、制御部12により制御されて、音声や所定のビープ音等を発音するように機能する。
【0025】
次に、バックモジュール30について説明する。
バックモジュール30は、ベースモジュール10における表示画面14aに対して背面側(裏面側)に組み付けられる機能モジュールである。このバックモジュール30は、外郭を構成するケース31の底面側にて、組み付けられたケース11の底面側とにより、上記収容口19を構成するように形成されている。このケース31の内面側には、通信部15にて利用可能なアンテナ32(
図3参照)が配置されている。
【0026】
次に、ボトムモジュール40について説明する。
ボトムモジュール40は、ベースモジュール10の収容口19を閉塞するようにケース11の底面側に対して着脱可能に組み付けられる電池蓋として機能するモジュールである。このボトムモジュール40は、
図5及び
図6に示すように、収容口19の底面側の一部を覆うための第1蓋部41と背面側の一部を覆うための第2蓋部42とが一体に連結されるように形成されている。
【0027】
このボトムモジュール40は、第1蓋部41の端部に設けられる係合部41aと第2蓋部42の端部に設けられる係合部42aとをそれぞれケース11に係合させた状態で、ロック部50の先端部51を係合穴11cに係合させることで、ベースモジュール10に組み付けられる。
【0028】
ロック部50は、ABS樹脂等の合成樹脂からなり、第1蓋部41の左側端部と右側端部とのそれぞれ設けられる支持部60により、スライド可能に支持されている。すなわち、第1蓋部41には、ロック方向が逆方向となるようにロック部50が一対設けられている。なお、本実施形態では、第1蓋部41は、ロック部50をスライド可能に支持する支持部60が設けられる「一方の蓋部」の一例に相当し得る。
【0029】
図7に示すように、ロック部50は、係合穴11cに係合する先端部51と、ロック操作に利用する凸状の操作部52と、スライド時に弾性変形させる弾性部53とを備え、支持部60に設けられるスライド面61上に配置されている。このロック部50は、操作部52や弾性部53に対して外力が作用しない場合には、弾性部53とスライド面61との間に空間が形成され、操作部52に対してスライド面61に向かう外力が作用すると、弾性部53がスライド面61に押し付けられて弾性変形するように形成されている。なお、
図7及び後述する
図8では、便宜上、
図6に対して、先端部51がロック方向にスライドした状態を図示している。
【0030】
弾性部53の操作部52側となる部位には、ロック解除状態からロック状態に切り替える際にロック部50をスムーズにスライドさせるためのテーパ面53aが形成されている。
【0031】
また、
図8に示すように、ロック部50のスライド面61側には、当該ロック部50のスライド量を規制するための一対の規制部54が設けられている。この規制部54は、スナップフィット状に形成されており、先端側の第1規制面54aにて後述する案内面63の突起63aに接触することで、更なるロック方向へのスライドが規制され、基端側の第2規制面54bにて案内面63の突起63aに接触することで、更なる反ロック方向へのスライドが規制されるように形成されている。
【0032】
支持部60は、ロック方向にスライドさせた先端部51が係合穴11cに係合するロック状態と、反ロック方向にスライドさせた先端部51が係合穴11cから抜け出るロック解除状態とを切り替え可能に、ロック部50を支持するように構成されている。この支持部60は、スライド面61と、このスライド面61に対向してロック部50の表面側の端部と背面側の端部とを案内する案内部62と、を備えている。
【0033】
また、支持部60には、スライド面61と案内部62との表面側及び背面側をそれぞれ連結し、スライド方向に対して直交する方向にてスライド面61を介して対向するように、一対の案内面63が形成されている。一対の案内面63は、
図8に示すように、挟み込んだロック部50を、ロック方向又は反ロック方向に案内するように形成されている。
【0034】
一対の案内面63には、それぞれロック部50の抜け止め用の突起63aが形成されている。この突起63aは、ロック方向にスライドさせた先端部51が係合穴11cに係合した状態で規制部54の第1規制面54aに接触し、反ロック方向にスライドさせた先端部51が係合穴11cから完全に抜け出た状態で規制部54の第2規制面54bに接触するように形成されている。
【0035】
また、支持部60には、先端部51が係合穴11cに係合した状態で弾性部53の一部をロック方向に押圧する押圧面64が設けられている。この押圧面64は、スライド面61との間に、当該スライド面61に向けて弾性変形した弾性部53がスライドして通過可能となる隙間Gが介在するように形成されている。
【0036】
また、支持部60には、押圧面64の反ロック方向となる位置に、ロック解除状態からロック方向にスライドする弾性部53をそのテーパ面53aに沿って押し下げるための案内面65が形成されている。
【0037】
上述のように構成されるトップモジュール20、バックモジュール30、ボトムモジュール40が、ベースモジュール10の上面側、背面側、底面側にそれぞれ組み付けられることで、
図1に示すように、携帯端末1が構成される。これらの組み付け時に、
図3に示すように、トップモジュール20の情報コード読取ユニット23及び音響部25や、バックモジュール30のアンテナ32などがコネクタ等を介して制御部12に対して接続される。また、ベースモジュール10の電源部16が他のモジュールの各種電気部品に対して電力供給可能に接続される。
【0038】
次に、本実施形態に係る携帯端末1における電池交換作業について以下に説明する。なお、以下の説明では、ボトムモジュール40を電池蓋とし、ボトムモジュール40を取り外した状態での携帯端末1の外郭を構成するケース11及びケース31等を筐体として詳述する。
【0039】
本実施形態では、電池17を交換する場合には、電池蓋(ボトムモジュール40)を筐体(ケース11等)から取り外す。具体的には、ロック状態にあるロック部50において、操作部52に対するロック解除操作に応じて、弾性部53が押圧面64の下方の隙間Gを通り抜けるように反ロック方向にスライドすることで、先端部51が係合穴11cから抜け出て、電池蓋が筐体から取り外し可能な状態となる。この状態で電池蓋を筐体から取り外すことで、収容口19が露出するため、この収容口19を介して電池17を電池収容部18から取り外すことができる。そして、新たな交換用の電池17を、底面側から収容口19を介して電池収容部18に挿入した後、以下のようにして電池蓋を筐体に組み付ける。
【0040】
まず、
図9(A)に示すように、第2蓋部42の係合部42aをケース11に係合した状態から、
図9(B)に示すように、第1蓋部41の係合部41a等をケース11のパッキンが嵌めこまれた環状凹部に係合させるようにして、電池蓋にて収容口19を閉塞する。この状態では、ロック部50の先端部51が係合穴11cに対して対向しており、ロック解除状態のロック部50をロック方向にスライドさせることで、先端部51が係合穴11cに係合してロック状態となる。
【0041】
具体的には、操作部52をロック方向にスライドさせることで、テーパ面53aが案内面65により案内されるようにして、弾性部53が押圧面64の下方の隙間Gを通り抜け始め、先端部51が係合穴11cに入り込み始める。そして、弾性部53が隙間Gを通り抜け終えると、この弾性部53の一部が押圧面64によりロック方向に押圧された状態となり、先端部51が係合している係合穴11cに向けて押し込まれることとなる。このようにして一対のロック部50の先端部51がスライド方向両端にて係合穴11cに係合するため、蓋部と筐体とを強固に固定することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末1では、筐体(ケース11等)に形成される収容口19は、筐体における底面側の一部から背面側の一部にかけて開口するように形成され、電池蓋(ボトムモジュール40)は、底面側の一部を覆うための第1蓋部41と背面側の一部を覆うための第2蓋部42とが一体に連結されるように形成される。そして、第1蓋部41には、ロック部50をスライド面61上にてスライド可能に支持する支持部60が設けられ、筐体には、電池蓋により収容口19を閉塞した状態で、ロック方向にスライドさせたロック部50の先端部51が係合する係合穴11cが形成される。
【0043】
これにより、収容口19近傍の筐体の背面側部分に、ガングリップ用などの機能モジュールがバックモジュールとして組み付けられた後でも、収容口19を介した電池17の着脱方向が背面側と異なる底面側(
図2の矢印F参照)となるので、収容口19を介した電池17の着脱を容易に実施することができる。また、収容口19が筐体の底面側の一部だけでなく背面側の一部にかけて開口するため、収容口が底面側だけ開口する場合と比較して、開口部分が広くなるので、この収容口19を介したSDカード等の着脱も容易に実施することができる。特に、ロック方向にスライドしたロック部50の先端部51が係合穴11cに係合するため、ロック部50を支持する支持部60と筐体と固定、すなわち、電池蓋と筐体との固定を簡素な構成にて強固に実施することができる。
【0044】
さらに、第1蓋部41には、ロック方向が逆方向となるようにロック部50が一対設けられる。このため、電池蓋がスライド方向両端となる離れた2箇所にて筐体と固定されることとなるので、電池蓋と筐体との固定を簡素な構成にてより強固に実施することができる。
【0045】
特に、ロック部50は、係合穴11cに係合する先端部51と、スライド面に向けて弾性変形可能な弾性部53とを備えており、支持部60には、先端部51が係合穴11cに係合した状態で弾性部53の一部をロック方向に押圧する押圧面64が設けられ、この押圧面64は、スライド面61との間に、当該スライド面61に向けて弾性変形した弾性部53がスライドして通過可能となる隙間Gが介在するように形成される。
【0046】
これにより、先端部51が係合穴11cに係合するロック状態では、弾性部53の一部が押圧面64によりロック方向に押圧されるため、ロック状態での係合穴11cからの先端部51の抜け防止を確実に行うことができる。また、先端部51を係合穴11cから抜いてロック状態を解除する場合には、弾性部53が押圧面64に接触しなくなるまでスライド面61に押し付けるようにして弾性変形させた状態でロック部50を反ロック方向にスライドさせればよいので、ロック部50を利用したロック操作とロック解除操作とのそれぞれを容易に行うことができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)ロック部50をスライド可能に支持する支持部60は、第1蓋部41に設けられることに限らず、第2蓋部42に設けられてもよい。この構成では、第2蓋部42は、ロック部50をスライド可能に支持する支持部60が設けられる「一方の蓋部」の一例に相当し得る。また、ロック部50及び支持部60は、ロック方向が逆方向となるように一対設けられることに限らず、第1蓋部41又は第2蓋部42に対して1又は3以上設けられてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…携帯端末
10…ベースモジュール
11…ケース(筐体)
11c…係合穴
17…電池
18…電池収容部
19…収容口
40…ボトムモジュール(電池蓋)
41…第1蓋部
42…第2蓋部
50…ロック部
51…先端部(ロック部の一部)
52…操作部
53…弾性部
60…支持部
61…スライド面
64…押圧面
G…隙間