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特許7135948電極シートの乾燥装置及び電極シートの乾燥方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】電極シートの乾燥装置及び電極シートの乾燥方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20220906BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20220906BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20220906BHJP
   F26B 13/02 20060101ALI20220906BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20220906BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01G13/00 381
H01G11/86
F26B13/02
H01M4/139
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019047149
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020149889
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山口 祐良
【審査官】石井 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-172450(JP,A)
【文献】特開2013-225440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
H01M 10/05-10/0587
H01G 13/00
H01G 11/86
F26B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状の集電体に活物質合剤が塗工された電極シートが内部で長手方向に搬送される乾燥炉と、前記乾燥炉の内部に配置された複数の送風部とを備え、
前記送風部は、前記電極シートの塗工面に向かって開口するとともに、前記電極シートの短手方向において前記電極シートの両外側まで延びる送風口を有する電極シートの乾燥装置であって、
前記乾燥炉の内部には、前記送風部として、前記電極シートの短手方向における前記送風口の一端部を覆う第1被覆部を有する第1カバー部材と、前記送風口の他端部を覆う第2被覆部を有する第2カバー部材とを備えたもののみが、前記電極シートの搬送方向において等間隔を空けて配置され
前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部はいずれも前記電極シートの一縁部よりも内側に位置し、前記第2被覆部の内縁部はいずれも前記電極シートの他縁部よりも内側に位置することを特徴とする電極シートの乾燥装置。
【請求項2】
前記送風部は、前記乾燥炉の底壁に設けられた複数の下側送風部を備え、
前記電極シートは、前記集電体の下面に活物質合剤が塗工されている請求項1に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項3】
前記送風部は、前記乾燥炉の上壁に設けられた複数の上側送風部を備え、
前記電極シートは、前記集電体の上面に活物質合剤が塗工されている請求項2に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項4】
前記下側送風部及び前記上側送風部は、前記電極シートの搬送方向において交互に配置されている請求項3に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項5】
前記電極シートは、前記活物質合剤が塗工されず前記集電体の短手方向の一端部が露出した第1未塗工部と、前記活物質合剤が塗工されず前記集電体の短手方向の他端部が露出した第2未塗工部とを有し、
前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部は、前記活物質合剤における前記第1未塗工部側に位置する第1塗工縁部よりも外側に位置し、前記第2被覆部の内縁部は、前記活物質合剤における前記第2未塗工部側に位置する第2塗工縁部よりも外側に位置する請求項1~請求項4の何れか一項に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項6】
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の少なくとも一方は、前記電極シートの短手方向にスライド可能である請求項1~請求項5の何れか一項に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項7】
前記送風部、前記第1カバー部材、及び前記第2カバー部材は、前記電極シートを挟んだ上下方向の両側に配置され、
前記電極シートの上側に配置された前記第1カバー部材と前記電極シートの下側に配置された前記第1カバー部材とは第1連結部材によって連結されるとともに、前記電極シートの上側に配置された前記第2カバー部材と前記電極シートの下側に配置された前記第2カバー部材とは第2連結部材によって連結されている請求項に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項8】
記搬送方向に隣り合う前記第1カバー部材同士は第1接続部材によって接続されるとともに、前記搬送方向に隣り合う前記第2カバー部材同士は第2接続部材によって接続されている請求項又は請求項に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項9】
前記第1カバー部材に接続されるとともに、前記乾燥炉の炉壁に形成された貫通孔に挿通され、かつ前記乾燥炉の外部に突出する第1調整部材と、
前記第2カバー部材に接続されるとともに、前記乾燥炉の炉壁に形成された貫通孔に挿通され、かつ前記乾燥炉の外部に突出する第2調整部材と、を備える請求項~請求項の何れか一項に記載の電極シートの乾燥装置。
【請求項10】
長尺帯状の集電体に活物質合剤が塗工された状態で乾燥炉の内部を長手方向に搬送される電極シートに対し、送風部における前記電極シートの塗工面に向かって開口するとともに前記電極シートの短手方向において前記電極シートの両外側まで延びる送風口を有した複数の送風部から気体を送ることによって前記活物質合剤を乾燥させる電極シートの乾燥方法であって、
前記乾燥炉の内部には、前記送風部として、第1カバー部材の第1被覆部によって、前記電極シートの短手方向における前記送風口の一端部を覆い、第2カバー部材の第2被覆部によって、前記電極シートの短手方向における前記送風口の他端部を覆うもののみが、前記電極シートの搬送方向において等間隔を空けて配置され
前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部をいずれも前記電極シートの一縁部よりも内側に配置し、前記第2被覆部の内縁部をいずれも前記電極シートの他縁部よりも内側に配置することを特徴とする電極シートの乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺帯状の集電体に塗工された活物質合剤を乾燥させる電極シートの乾燥装置及び電極シートの乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、リチウムイオン二次電池等の蓄電装置に用いられる電極シートが知られている。電極シートは、長尺帯状の集電体と、集電体の少なくとも片面に存在する活物質層とを備える。このような電極シートの製造装置は、例えば、長尺帯状の集電体に活物質層の前駆体である活物質合剤を塗工する塗工装置と、集電体に塗工された活物質合剤を乾燥させる乾燥装置と、活物質合剤が塗工された集電体をプレスして活物質密度を上げるプレス装置とを備える。電極シートの乾燥装置として、乾燥炉と、乾燥炉の内部に配置された送風部とを備えるものがある。乾燥炉の内部で搬送される電極シートに対して送風部が気体を送ることにより、金属箔に塗工された活物質合剤を乾燥させる。このように送風部から送られる気体を電極シートに当てる場合、電極シートのばたつきが問題となることがある。電極シートがばたつくと、活物質合剤が均一に乾燥されない虞がある。
【0003】
特許文献1には、送風部としてのフローティングノズルが開示されている。フローティングノズルは、送風口がウェブの短手方向に沿って延びるように配置されている。また、フローティングノズルは、ウェブのばたつきを抑制するための構成として、ウェブの短手方向における両端部に一対の側板を備える。この場合、フローティングノズルから送られた気体の一部は、ウェブの厚さ方向に流れた後、ウェブに当たることによりウェブの短手方向の外側に流れの向きを変える。さらに、ウェブの短手方向の外側に流れた気体は、側板に当たることによりウェブの短手方向の内側に流れの向きを変える。このため、ウェブの短手方向の両端部に対する浮上力が大きくなる。よって、ウェブのばたつきを抑制できる。
【0004】
ところで、特許文献1に開示されるように、ウェブの短手方向の寸法がフローティングノズルの送風口の寸法よりも短い場合、フローティングノズルの送風口の端部は、ウェブの短手方向においてウェブの縁部よりも外側に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-262504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電極シートの短手方向において送風口の端部が電極シートの縁部よりも外側に位置する状態で送風部が乾燥炉の内部に配置されている場合、乾燥炉の内部に乱流が発生しやすい。乱流の発生は、電極シートのばたつきの一因となる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、乱流の発生を抑制できる電極シートの乾燥装置及び電極シートの乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するための電極シートの乾燥装置は、長尺帯状の集電体に活物質合剤が塗工された電極シートが内部で長手方向に搬送される乾燥炉と、前記乾燥炉の内部に配置された送風部とを備え、前記送風部は、前記電極シートの塗工面に向かって開口するとともに、前記電極シートの短手方向において前記電極シートの両外側まで延びる送風口を有する電極シートの製造装置であって、前記電極シートの短手方向における前記送風口の一端部を覆う第1被覆部を有する第1カバー部材と、前記送風口の他端部を覆う第2被覆部を有する第2カバー部材とを備え、前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部は前記電極シートの一縁部よりも内側に位置し、前記第2被覆部の内縁部は前記電極シートの他縁部よりも内側に位置することを要旨とする。
【0009】
送風口が第1被覆部及び第2被覆部によって覆われていない場合、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重ならない部分から送られた気体は、電極シートに当たることなく電極シートの厚さ方向に流れる。一方、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重なる部分から送られた気体の一部は、電極シートの厚さ方向に流れた後、電極シートに当たることによって電極シートの短手方向の外側に流れの向きを変える。電極シートの短手方向の外側に向かって流れる気体は、電極シートの厚さ方向に流れる気体と合流して、電極シートの短手方向の外側かつ厚さ方向に向けて流れる合流気体となる。そして、この合流気体が乾燥炉に当たると渦状に流れるため、乾燥炉の内部に乱流が生じる。
【0010】
これに対し、送風口の各端部が各被覆部によって覆われ、かつ電極シートの短手方向において、各被覆部の内縁部が電極シートの各縁部よりも内側に位置している場合、カバー部材によって、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重ならない部分からの気体の送風が規制される。このため、電極シートの厚さ方向に流れる気体が減少する。よって、送風口における第1被覆部及び第2被覆部によって覆われていない部分から送られた気体の一部が電極シートに当たることによって電極シートの短手方向の外側に流れた際に、合流気体が生じ難くなる。その結果、合流気体が乾燥炉に当たって渦状に流れることによる乱流の発生を抑制できる。
【0011】
また、上記電極シートの乾燥装置について、前記電極シートは、前記活物質合剤が塗工されず前記集電体の短手方向の一端部が露出した第1未塗工部と、前記活物質合剤が塗工されず前記集電体の短手方向の他端部が露出した第2未塗工部とを有し、前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部は、前記活物質合剤における前記第1未塗工部側に位置する第1塗工縁部よりも外側に位置し、前記第2被覆部の内縁部は、前記活物質合剤における前記第2未塗工部側に位置する第2塗工縁部よりも外側に位置するのが好ましい。
【0012】
これによれば、送風口から送られた気体は、電極シートの短手方向における活物質合剤全体に当たる。このため、活物質合剤を電極シートの短手方向において均一に乾燥させることができる。
【0013】
また、上記電極シートの乾燥装置について、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の少なくとも一方は、前記電極シートの短手方向にスライド可能であるのが好ましい。
これによれば、カバー部材をスライドさせると、スライドさせたカバー部材の被覆部の内縁部の位置が変化する。よって、電極シートの短手方向の寸法に応じてカバー部の内縁部の位置を調整できる。
【0014】
また、上記電極シートの乾燥装置について、前記送風部、前記第1カバー部材、及び前記第2カバー部材は、前記電極シートを挟んだ上下方向の両側に配置され、前記電極シートの上側に配置された前記第1カバー部材と前記電極シートの下側に配置された前記第1カバー部材とは第1連結部材によって連結されるとともに、前記電極シートの上側に配置された前記第2カバー部材と前記電極シートの下側に配置された前記第2カバー部材とは第2連結部材によって連結されているのが好ましい。
【0015】
これによれば、上下方向の両側に配置された第1被覆部のうちの一方の第1被覆部の内縁部の位置を調整するだけで、他方の第1被覆部の内縁部の位置も調整される。よって、電極シートの上側に配置された第1カバー部材と電極シートの下側に配置された第1カバー部材について、第1被覆部の内縁部の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。同様に、上下方向の両側に配置された第2被覆部のうちの一方の第2被覆部の内縁部の位置を調整するだけで、他方の第2被覆部の内縁部の位置も調整される。よって、電極シートの上側に配置された第2カバー部材と電極シートの下側に配置された第2カバー部材について、第2被覆部の内縁部の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。
【0016】
また、上記電極シートの乾燥装置について、前記送風部、前記第1カバー部材、及び前記第2カバー部材は、前記電極シートの搬送方向に複数配置され、前記搬送方向に隣り合う前記第1カバー部材同士は第1接続部材によって接続されるとともに、前記搬送方向に隣り合う前記第2カバー部材同士は第2接続部材によって接続されているのが好ましい。
【0017】
これによれば、搬送方向に配置された複数の第1被覆部のうちの1つの第1被覆部の内縁部の位置を調整するだけで、他の第1被覆部の内縁部の位置も調整される。よって、電極シートの搬送方向に並ぶ複数の第1カバー部材について、第1被覆部の内縁部の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。同様に、搬送方向に配置された複数の第2被覆部のうちの1つの第2被覆部の内縁部の位置を調整するだけで、他の第2被覆部の内縁部の位置も調整される。よって、電極シートの搬送方向に並ぶ複数の第2カバー部材について、第2被覆部の内縁部の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。
【0018】
また、上記電極シートの乾燥装置について、前記第1カバー部材に接続されるとともに、前記乾燥炉の炉壁に形成された貫通孔に挿通され、かつ前記乾燥炉の外部に突出する第1調整部材と、前記第2カバー部材に接続されるとともに、前記乾燥炉の炉壁に形成された貫通孔に挿通され、かつ前記乾燥炉の外部に突出する第2調整部材と、を備えるのが好ましい。
【0019】
電極シートの短手方向の寸法が変更される場合、第1カバー部材及び第2カバー部材をスライドさせることにより、変更後の電極シートの短手方向の寸法に合わせて第1被覆部及び第2被覆部の内縁部の位置を調整する必要がある。このとき、乾燥炉の内部で第1被覆部及び第2被覆部の内縁部の位置を調整しようとすると、乾燥炉の内部は調整作業可能な温度である必要がある。これに対し、第1調整部材が乾燥炉の外部に突出していることで、第1調整部材を操作することにより、乾燥炉の外部から第1被覆部の内縁部の位置を調整できるため、乾燥炉の内部の温度に依らず第1被覆部の内縁部の位置を調整できる。同様に、第2調整部材が乾燥炉の外部に突出していることで、第2調整部材を操作することにより、乾燥炉の外部から第2被覆部の内縁部の位置を調整できるため、乾燥炉の内部の温度に依らず第2被覆部の内縁部の位置を調整できる。その結果、乾燥装置の運転直後など、乾燥炉の内部の温度が高温な状態であっても、第1被覆部及び第2被覆部の内縁部の位置を調整できる。
【0020】
上記問題点を解決するための電極シートの乾燥方法は、長尺帯状の集電体に活物質合剤が塗工された状態で乾燥炉の内部を長手方向に搬送される電極シートに対し、送風部における前記電極シートの塗工面に向かって開口するとともに前記電極シートの短手方向において前記電極シートの両外側まで延びる送風口から気体を送ることによって前記活物質合剤を乾燥させる電極シートの乾燥方法であって、第1カバー部材の第1被覆部によって、前記電極シートの短手方向における前記送風口の一端部を覆い、第2カバー部材の第2被覆部によって、前記電極シートの短手方向における前記送風口の他端部を覆い、前記電極シートの短手方向において、前記第1被覆部の内縁部を前記電極シートの一縁部よりも内側に配置し、前記第2被覆部の内縁部を前記電極シートの他縁部よりも内側に配置することを要旨とする。
【0021】
第1被覆部及び第2被覆部によって送風口を覆わない場合、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重ならない部分から送られた気体は、電極シートに当たることなく電極シートの厚さ方向に流れる。一方、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重なる部分から送られた気体の一部は、電極シートの厚さ方向に流れた後、電極シートに当たることによって電極シートの短手方向の外側に流れの向きを変える。電極シートの短手方向の外側に向かって流れる気体は、電極シートの厚さ方向に流れる気体と合流して、電極シートの短手方向の外側かつ厚さ方向に向けて流れる合流気体となる。そして、この合流気体が乾燥炉に当たると渦状に流れるため、乾燥炉の内部に乱流が生じる。
【0022】
これに対し、送風口の各端部を各被覆部によって覆い、かつ電極シートの短手方向において、各被覆部の内縁部を電極シートの各縁部よりも内側に配置する場合、被覆部によって、電極シートの厚さ方向から見て送風口における電極シートと重ならない部分からの気体の送風が規制される。このため、電極シートの厚さ方向に流れる気体が減少する。よって、送風口における第1被覆部及び第2被覆部によって覆われていない部分から送られた気体の一部が電極シートに当たることによって電極シートの短手方向の外側に流れた際に、合流気体が生じ難くなる。その結果、合流気体が乾燥炉に当たって渦状に流れることによる乱流の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、乱流の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】電極の斜視図。
図2】電極シートの平面図。
図3】電極シートの製造装置の模式図。
図4】乾燥装置の断面図。
図5図4における5-5線断面図。
図6】下側送風部及び下側カバーの分解斜視図。
図7】乾燥装置の断面図。
図8】実施形態の作用を示す断面図。
図9】実施形態の作用を示す断面図。
図10】比較例の乾燥装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、電極シートの乾燥装置及び電極シートの乾燥方法を具体化した一実施形態を図1図9にしたがって説明する。
先に、電極シート10について説明する。本実施形態の電極シート10は、蓄電装置としてのリチウムイオン二次電池に用いられる。図示しないが、二次電池は、電極組立体と、電極組立体を収容するケースとを備える。例えば、電極組立体は、正極の電極と、負極の電極と、セパレータとを備える。電極組立体は、正極の電極と負極の電極との間にセパレータを介在させ、かつ相互に絶縁させた状態で積層した層状構造を有する。
【0026】
図1に示すように、各極の電極100は、矩形シート状の金属箔11と、金属箔11の両面に存在する活物質層12とを有する。正極の電極100の金属箔11は、例えばアルミニウム箔であり、負極の電極100の金属箔11は、例えば銅箔である。各極の電極100は、金属箔11の一辺の一部から突出した形状のタブ11tを有する。タブ11tは、活物質層12が存在せず、金属箔11そのもので構成されている。正極の電極100は、長尺帯状の正極の電極シート10から製造され、負極の電極100は、長尺帯状の負極の電極シート10から製造される。電極シート10は、正極と負極で材料が異なるものの、構造及び製造方法はほぼ同じである。
【0027】
図2に示すように、電極シート10は、長尺帯状の集電体としての金属箔11と、金属箔11の両面に存在する活物質層12を備える。本実施形態の活物質層12は、金属箔11の長手方向全体に亘って存在するとともに、金属箔11の短手方向の中央に一定幅で存在する。電極シート10は、活物質層12が存在せず、金属箔11の短手方向の一端部が露出した第1未塗工部13と、活物質層12が存在せず、金属箔11の短手方向の他端部が露出した第2未塗工部14とを備える。本実施形態の第1未塗工部13及び第2未塗工部14は、金属箔11の長手方向全体に亘って存在する。このような電極シート10を、図2に二点鎖線で示す形状に切断することによって、複数の電極100が製造される。タブ11tは、第1未塗工部13又は第2未塗工部14から形成される。第1未塗工部13及び第2未塗工部14を有する電極シート10では、電極シート10の短手方向で2枚の電極100が製造可能である。
【0028】
次に、電極シートの製造装置について説明する。
図3に示すように、電極シートの製造装置20は、長尺帯状の金属箔11を長手方向に搬送する搬送装置21を備える。搬送装置21は、金属箔11を供給する供給ロール21aと、製造された電極シート10を巻き取る巻取ロール21bとを備える。金属箔11は、巻取ロール21bが回転することにより供給ロール21aから繰り出され、供給ロール21aと巻取ロール21bとの間で搬送されながら、両面に活物質層12が形成される。金属箔11の長手方向に沿うとともに金属箔11が搬送される方向を搬送方向とする。
【0029】
電極シートの製造装置20は、搬送方向において供給ロール21aよりも下流側に配置された第1塗工装置22と、搬送方向において第1塗工装置22よりも下流側に配置された第2塗工装置23とを備える。第1塗工装置22は、金属箔11の一方の面に活物質層12の前駆体である活物質合剤12aを塗工し、第2塗工装置23は、金属箔11の他方の面に活物質層12の前駆体である活物質合剤12aを塗工する。活物質合剤12aは、活物質、導電剤、バインダ、及び溶媒を混合したペーストである。
【0030】
本実施形態の第1塗工装置22は、第1ダイ22aと、第1ダイ22aと間隔を空けて配置されたバックアップロール22bとを備える。第1ダイ22aは、回転するバックアップロール22bの外周面に沿う状態で第1ダイ22aとバックアップロール22bとの間を搬送される金属箔11に対し、活物質合剤12aを塗工する。一方の面に活物質合剤12aが塗工された金属箔11は、一方の面が上側に位置するように水平方向に搬送される。第2塗工装置23は、第2ダイ23aを備える。第2ダイ23aは、水平方向に搬送される金属箔11の他方の面に対し、活物質合剤12aを塗工する。
【0031】
これにより、金属箔11の両面は、活物質合剤12aが塗工された塗工面となる。また、金属箔11の短手方向の一端部は、活物質合剤12aが塗工されず、金属箔11が露出した第1未塗工部13となり、金属箔11の短手方向の他端部は、活物質合剤12aが塗工されず、金属箔11が露出した第2未塗工部14となる。図2に示すように、電極シート10の短手方向の一対の縁部のうち、短手方向の一端側に位置する一方の縁部を一縁部10aとし、短手方向の他端側に位置する他方の縁部を他縁部10bとする。本実施形態では、電極シート10の一縁部10aは、第1未塗工部13における活物質合剤12aとは反対側の縁部であり、電極シート10の他縁部10bは、第2未塗工部14における活物質合剤12aとは反対側の縁部である。活物質合剤12aにおける第1未塗工部13側の縁部を第1塗工縁部12bとし、活物質合剤12aにおける第2未塗工部14側の縁部を第2塗工縁部12cとする。
【0032】
図3に示すように、電極シートの製造装置20は、搬送方向において第2塗工装置23よりも下流側に配置された乾燥装置24と、搬送方向において乾燥装置24よりも下流側に配置された加圧装置25を備える。乾燥装置24は、金属箔11に塗工された活物質合剤12aを乾燥させる。加圧装置25は、両面に活物質合剤12aが塗工された金属箔11を厚さ方向に挟んで配置される一対のプレスロール25a,25bを備える。金属箔11が一対のプレスロール25a,25bを通過することにより、活物質合剤12aは金属箔11の厚さ方向にプレスされ、活物質の密度は所望の密度まで上がる。これにより、活物質合剤12aは活物質層12となり、電極シート10が完成する。
【0033】
次に、電極シート10の乾燥装置24及び電極シート10の乾燥方法について詳述する。
図4及び図5に示すように、乾燥装置24は、乾燥炉31を備える。図5に示すように、乾燥炉31は、四角筒状の炉壁としての周壁32を有する。周壁32は、底壁32aと、上壁32bと、底壁32aと上壁32bとを上下方向に連結する第1側壁32cと、底壁32aと上壁32bとを上下方向に連結するとともに第1側壁32cと対向する第2側壁32dとを有する。なお、本実施形態における上下方向とは鉛直方向を意味する。電極シート10は、搬送方向が乾燥炉31の周壁32の軸線と一致するように乾燥炉31の内部を搬送される。乾燥炉31の内部を搬送される電極シート10の厚さ方向は、上下方向と一致する。図4に示すように、乾燥炉31は、周壁32の一方の開口を閉塞する炉壁としての第1閉塞壁33と、周壁32の他方の開口を閉塞する炉壁としての第2閉塞壁34とを有する。第1閉塞壁33は、第2閉塞壁34よりも搬送方向の上流に配置され、第2閉塞壁34は、第1閉塞壁33よりも搬送方向の下流に配置される。電極シート10は、第1閉塞壁33に形成された貫通孔である入口33hから乾燥炉31の内部に入り、乾燥炉31内を搬送された後、第2閉塞壁34に形成された出口34hから乾燥炉31の外部に出る。
【0034】
乾燥装置24は、乾燥炉31の底壁32aに設けられた送風部としての下側送風部41を備える。本実施形態の乾燥装置24は、3つの直方体形状の下側送風部41を備える。3つの下側送風部41は、搬送方向において等間隔を空けて配置されている。搬送方向の上流側から下流側に向けて、第1下側送風部41a、第2下側送風部41b、第3下側送風部41cとする。また、乾燥装置24は、乾燥炉31の上壁32bに設けられた送風部としての上側送風部42を備える。本実施形態の乾燥装置24は、3つの直方体形状の上側送風部42を備える。3つの上側送風部42は、搬送方向において等間隔を空けて配置されている。搬送方向の上流側から下流側に向けて、第1上側送風部42a、第2上側送風部42b、第3上側送風部42cとする。下側送風部41及び上側送風部42は、搬送方向において交互に配置されている。本実施形態では、搬送方向において最も上流側に第1下側送風部41aが配置され、最も下流側に第3上側送風部42cが配置されている。電極シート10は、乾燥炉31の内部において下側送風部41と上側送風部42との間を搬送される。各下側送風部41の上面41eは、電極シート10の下面と対向し、各上側送風部42の下面42eは、電極シート10の上面と対向する。すなわち、各下側送風部41の上面41eと各上側送風部42の下面42eは、電極シート10を間に介して対向する。
【0035】
図6に示すように、各下側送風部41は、上面41eに開口するとともに下側送風部41の長手方向に直線状に延びる送風口43を有する。本実施形態の下側送風部41は、下側送風部41の短手方向に並んだ2つの送風口43を有する。各送風口43は、電極シート10の塗工面である電極シート10の下面に向かって開口する。下側送風部41の送風口43からは上下方向の上側に向けて気体としての温風が送られる。各上側送風部42は、下面42eに開口するとともに上側送風部42の長手方向に直線状に延びる送風口(図示せず)を有する。本実施形態の上側送風部42は、上側送風部42の短手方向に並んだ2つの送風口を有する。各送風口は、電極シート10の塗工面である電極シート10の上面に向かって開口する。上側送風部42の送風口からは上下方向の下側に向けて気体としての温風が送られる。金属箔11の下面に塗工された活物質合剤12aは、下側送風部41から送られる温風によって乾燥され、金属箔11の上面に塗工された活物質合剤12aは、上側送風部42から送られる温風によって乾燥される。また、電極シート10は、各下側送風部41から送られる温風によって、下側送風部41から浮上した状態で搬送される。
【0036】
図7に示すように、下側送風部41は、各送風口43が電極シート10の短手方向に延びるように配置される。つまり、下側送風部41は、下側送風部41の長手方向が電極シート10の短手方向と平行になるように配置される。電極シート10の短手方向における各送風口43の寸法L43は、様々な電極シート10の短手方向の寸法L10に対応できるように設定されている。なお、電極シート10の短手方向の寸法L10とは、電極シート10の一縁部10aと電極シート10の他縁部10bとの最短距離である。このため、電極シート10の短手方向の寸法L10によっては、電極シート10の短手方向の寸法L10は各送風口43の寸法L43よりも短くなることがある。言い換えると、各送風口43の寸法L43は、電極シート10の短手方向の寸法L10よりも長くなることがある。下側送風部41は、電極シート10の短手方向において、各送風口43の一端部が電極シート10の一縁部10aよりも外側にはみ出し、かつ各送風口43の他端部が電極シート10の他縁部10bよりも外側にはみ出すように配置される。つまり、各下側送風部41は、電極シート10の短手方向において送風口43が電極シート10の両外側まで延びるように配置される。よって、各送風口43における電極シート10と対向する部分は、上下方向から見たとき、電極シート10と重なる。一方、各送風口43における電極シート10の一縁部10aよりも外側にはみ出す部分、及び各送風口43における電極シート10の他縁部10bよりも外側にはみ出す部分は、上下方向から見たとき、電極シート10と重ならない。なお、説明及び図示を省略するが、上側送風部42についても同様である。
【0037】
図4及び図5に示すように、乾燥装置24は、下側送風部41に用いられる下側カバー51と、上側送風部42に用いられる上側カバー52とを備える。よって、本実施形態の乾燥装置24は、3つの下側カバー51及び3つの上側カバー52を備える。3つの下側カバー51について、第1下側送風部41aに用いられる下側カバーを第1下側カバー51aとし、第2下側送風部41bに用いられる下側カバーを第2下側カバー51bとし、第3下側送風部41cに用いられる下側カバーを第3下側カバー51cとする。また、3つの上側カバー52について、第1上側送風部42aに用いられる上側カバーを第1上側カバー52aとし、第2上側送風部42bに用いられる上側カバーを第2上側カバー52bとし、第3上側送風部42cに用いられる上側カバーを第3上側カバー52cとする。
【0038】
図5に示すように、各下側カバー51は、電極シート10の短手方向において下側送風部41の一端側に配置される第1カバー部材53と、下側送風部41の他端側に配置される第2カバー部材54とから構成されている。各上側カバー52は、電極シート10の短手方向において上側送風部42の一端側に配置される第1カバー部材53と、上側送風部42の他端側に配置される第2カバー部材54とから構成されている。
【0039】
図6に示すように、各第1カバー部材53は、矩形板状の第1部位53aと、第1部位53aの対向する一対の縁部から立設する一対の矩形板状の第2部位53bと、第1部位53aにおける第2部位53bが立設する縁部とは異なる縁部から立設するとともに一対の第2部位53bを接続する矩形板状の第3部位53cとを有する。第2カバー部材54は、矩形板状の第1部位54aと、第1部位54aの対向する一対の縁部から立設する一対の矩形板状の第2部位54bと、第1部位54aにおける第2部位54bが立設する縁部とは異なる縁部から立設するとともに一対の第2部位54bを接続する矩形板状の第3部位54cとを有する。
【0040】
図4及び図5に示すように、各下側カバー51の第2カバー部材54が下側送風部41に取り付けられた状態において、第2カバー部材54の第1部位54aは、下側送風部41の上面41eと対向する。また、第2カバー部材54の一対の第2部位54bは、下側送風部41を搬送方向に挟み、第3部位54cは、下側送風部41と乾燥炉31の第2側壁32dとの間に位置する。各下側カバー51の第1カバー部材53が下側送風部41に取り付けられた状態において、第1カバー部材53の第1部位53aは、下側送風部41の上面41eと対向する。また、第1カバー部材53の一対の第2部位53bは、下側送風部41を搬送方向に挟み、第3部位53cは、下側送風部41と乾燥炉31の第1側壁32cとの間に位置する。各下側カバー51の第1カバー部材53の第1部位53aは、電極シート10の短手方向において下側送風部41の送風口43の一端部を覆う第1被覆部である。各下側カバー51の第2カバー部材54の第1部位54aは、電極シート10の短手方向において下側送風部41の送風口43の他端部を覆う第2被覆部である。
【0041】
各上側カバー52の第2カバー部材54が各上側送風部42に取り付けられた状態において、第2カバー部材54の第1部位54aは、上側送風部42の下面42eと対向する。また、第2カバー部材54の一対の第2部位54bは、上側送風部42を搬送方向に挟み、第3部位54cは、上側送風部42と乾燥炉31の第2側壁32dとの間に位置する。各上側カバー52の第1カバー部材53が各上側送風部42に取り付けられた状態において、第1カバー部材53の第1部位53aは、上側送風部42の下面42eと対向する。また、第1カバー部材53の一対の第2部位53bは、上側送風部42を搬送方向に挟み、第3部位53cは、上側送風部42と乾燥炉31の第1側壁32cとの間に位置する。各第1カバー部材53の第1部位53aは、電極シート10の短手方向において上側送風部42の送風口の一端部を覆う第1被覆部であり、各第2カバー部材54の第1部位54aは、電極シート10の短手方向において上側送風部42の送風口の他端部を覆う第2被覆部である。
【0042】
図5及び図7に示すように、各第1カバー部材53の第1部位53aにおいて、第2カバー部材54側に位置する縁部を内縁部531とし、各第2カバー部材54の第1部位54aにおいて、第1カバー部材53側に位置する縁部を内縁部541とする。第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531と第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541との距離L5は、電極シート10の短手方向の寸法L10よりも短く設定される。電極シート10の短手方向において、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、電極シート10の一縁部10aよりも内側に配置され、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、電極シート10の他縁部10bよりも内側に配置される。また、本実施形態では、電極シート10の短手方向において、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、活物質合剤12aの第1塗工縁部12bよりも外側に配置され、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、活物質合剤12aの第2塗工縁部12cよりも外側に配置される。
【0043】
図5に示すように、第2下側カバー51bの第1カバー部材53と第2上側カバー52bの第1カバー部材53とは、第1部位53a同士が第1連結部材61によって連結されることによって一体化されている。第2下側カバー51bの第2カバー部材54と第2上側カバー52bの第2カバー部材54とは、第1部位54a同士が第2連結部材62によって連結されることによって一体化されている。同様に、第1下側カバー51aの第1カバー部材53と第1上側カバー52aの第1カバー部材53とは第1連結部材61によって一体化され、第1下側カバー51aの第2カバー部材54と第1上側カバー52aの第2カバー部材54とは第2連結部材62によって一体化されている。また、第3下側カバー51cの第1カバー部材53と第3上側カバー52cの第1カバー部材53とは第1連結部材61によって一体化され、第3下側カバー51cの第2カバー部材54と第3上側カバー52cの第2カバー部材54とは第2連結部材62によって一体化されている。
【0044】
さらに、図4に示すように、第1下側カバー51aの第1カバー部材53と第2下側カバー51bの第1カバー部材53とは、対向する第2部位53bが第1接続部材63により接続されることによって一体化されている。第2下側カバー51bの第1カバー部材53と第3下側カバー51cの第1カバー部材53とは、対向する第2部位53bが第1接続部材63により接続されることによって一体化されている。第1下側カバー51aの第2カバー部材54と第2下側カバー51bの第2カバー部材54とは、対向する第2部位54bが第2接続部材64により接続されることによって一体化されている。第2下側カバー51bの第2カバー部材54の第3下側カバー51cの第2カバー部材54とは、対向する第2部位54bが第2接続部材64により接続されることによって一体化されている。
【0045】
同様に、第1上側カバー52aの第1カバー部材53と第2上側カバー52bの第1カバー部材53とは、第1接続部材63によって一体化されている。第2上側カバー52bの第1カバー部材53と第3上側カバー52cの第1カバー部材53とは、第1接続部材63によって一体化されている。第1上側カバー52aの第2カバー部材54と第2上側カバー52bの第2カバー部材54とは、第2接続部材64によって一体化されている。第2上側カバー52bの第2カバー部材54と第3上側カバー52cの第2カバー部材54とは、第2接続部材64によって一体化されている。
【0046】
よって、第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53と、第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53とは一体化されている。また、第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54と、第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54とは一体化されている。
【0047】
図5に示すように、第2上側カバー52bの第1カバー部材53の第3部位53cには、第1調整部材としての第1アーム65が接続されている。第1アーム65は、乾燥炉31の第1側壁32cに形成された貫通孔32hに挿通されている。第1アーム65における第2上側カバー52bとは反対側の端部は、乾燥炉31の外部に突出している。第1アーム65を操作することによって、第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53、及び第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53を、電極シート10の短手方向にスライドさせることができる。具体的には、乾燥炉31からの第1アーム65の突出量が増加するように乾燥炉31の外部から第1アーム65を引っ張ると、第1~第3下側カバー51a~51c及び第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53は、第1側壁32cに近付くようにスライドされる。反対に、乾燥炉31からの第1アーム65の突出量が減少するように乾燥炉31の外部から第1アーム65を押し込むと、第1~第3下側カバー51a~51c及び第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53は、第1側壁32cから離れるようにスライドされる。
【0048】
第2上側カバー52bの第2カバー部材54の第3部位54cには、第2調整部材としての第2アーム66が接続されている。第2アーム66は、乾燥炉31の第2側壁32dに形成された貫通孔32hに挿通されている。第2アーム66における第2上側カバー52bとは反対側の端部は、乾燥炉31の外部に突出している。第2アーム66を操作することによって、第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54、及び第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54を、電極シート10の短手方向にスライドさせることができる。具体的には、乾燥炉31からの第2アーム66の突出量が増加するように乾燥炉31の外部から第2アーム66を引っ張ると、第1~第3下側カバー51a~51c及び第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54は、第2側壁32dに近付くようにスライドされる。反対に、乾燥炉31からの第2アーム66の突出量が減少するように乾燥炉31の外部から第2アーム66を押し込むと、第1~第3下側カバー51a~51c及び第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54は、第2側壁32dから離れるようにスライドされる。
【0049】
本実施形態の作用について、図10に示す比較例の乾燥装置24aと合わせて説明する。比較例の乾燥装置24aは、上記実施形態の乾燥装置24から下側カバー51及び上側カバー52を省略した構成である。なお、以下では、下側カバー51による作用について詳述する。上側カバー52による作用については、下側カバー51による作用と上下方向が反転すること以外は同じであるため、説明及び図示を省略する。
【0050】
図10に示すように、比較例の乾燥装置24aでは、下側送風部41の各送風口43における上下方向から見て電極シート10と重なる部分から送られた温風A10の一部は、上下方向の上側に向かって流れた後、電極シート10の表面に当たることによって電極シート10の短手方向の外側に流れの向きを変える。一方、下側送風部41の各送風口43における上下方向から見て電極シート10と重ならない部分から送られた温風A20は、上下方向の上側に向けて流れる。電極シート10の短手方向の外側に向かって流れる温風A10は、電極シート10の各縁部10a,10bよりも外側まで到達すると、上下方向の上側に向けて流れる温風A20と合流することで、電極シート10の短手方向の外側かつ上下方向の上側に向かう合流気体としての合流風A30となる。そして、この合流風A30は乾燥炉31の第1側壁32c又は第2側壁32dに当たると渦状に流れるため、乾燥炉31の内部に乱流が発生する。
【0051】
図8に示すように、本実施形態の乾燥装置24では、下側送風部41の各送風口43の一端部は、下側カバー51の第1カバー部材53の第1部位53aによって覆われ、各送風口43の他端部は、下側カバー51の第2カバー部材54の第1部位54aによって覆われている。電極シート10の短手方向において、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、電極シート10の一縁部10aよりも内側に位置し、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、電極シート10の他縁部10bよりも内側に位置する。各送風口43における上下方向から見て電極シート10と重なる部分から送られた温風A1の一部は、比較例と同様、上下方向の上側に向かって流れた後、電極シート10の表面に当たることによって電極シート10の短手方向の外側に流れの向きを変える。
【0052】
一方、図8及び図9に示すように、各送風口43における第1部位53a,54aによって覆われた部分から送られた温風A2は、第1部位53a,54aに当たった後、下側送風部41と第2部位53b,54bとの隙間や、下側送風部41と第3部位53c,54cとの隙間に流れ込む。つまり、第1部位53a,54aによって、各送風口43における上下方向から見て電極シート10と重ならない部分からの温風の送風が規制される。このため、上下方向の上側に向けて流れる温風が減少する。よって、電極シート10の短手方向の外側に向かって流れる温風A1が電極シート10の各縁部10a,10bよりも外側まで到達した際に、合流風が生じ難くなる。その結果、合流風が乾燥炉31の第1側壁32c又は第2側壁32dに当たることによる乱流の発生が抑制される。
【0053】
本実施形態の効果について説明する。
(1)下側送風部41及び上側送風部42の送風口43の一端部は、第1カバー部材53の第1部位53aによって覆われ、下側送風部41及び上側送風部42の送風口43の他端部は、第2カバー部材54の第1部位54aによって覆われている。電極シート10の短手方向において、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、電極シート10の一縁部10aよりも内側に位置し、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、電極シート10の他縁部10bよりも内側に位置している。このため、第1部位53a,54aによって、送風口43における上下方向から見て電極シート10と重ならない部分からの温風の送風が規制され、電極シート10の厚さ方向に流れる温風が減少する。よって、送風口43における第1部位53a,54aによって覆われていない部分から送られた温風が電極シート10に当たることによって電極シート10の短手方向の外側に流れた際に、合流風が生じ難くなる。その結果、合流風が乾燥炉31に当たって渦状に流れることによる乱流の発生を抑制できる。
【0054】
(2)電極シート10の短手方向において、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、活物質合剤12aの第1塗工縁部12bよりも外側に位置する。また、電極シート10の短手方向において、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、活物質合剤12aの第2塗工縁部12cよりも外側に位置する。このため、送風口43から送られた温風は、電極シート10の短手方向における活物質合剤12a全体に当たる。このため、活物質合剤12aを電極シート10の短手方向において均一に乾燥させることができる。
【0055】
(3)各第1カバー部材53は、電極シート10の短手方向にスライド可能である。第1カバー部材53をスライドさせると、電極シート10の短手方向における第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置が変化する。よって、電極シート10の短手方向の寸法に応じて第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整できる。
【0056】
また、各第2カバー部材54は、電極シート10の短手方向にスライド可能である。第2カバー部材54をスライドさせると、電極シート10の短手方向における第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置が変化する。よって、電極シート10の短手方向の寸法に応じて第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整できる。
【0057】
(4)下側カバー51の第1カバー部材53と上側カバー52の第1カバー部材53とは第1連結部材61によって連結されている。このため、下側カバー51の第1カバー部材53及び上側カバー52の第1カバー部材53のうちの一方の第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整するだけで、他方の第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置も調整される。よって、下側カバー51の第1カバー部材53と上側カバー52の第1カバー部材53について、第1部位53aの内縁部531の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。
【0058】
また、下側カバー51の第2カバー部材54と上側カバー52の第2カバー部材54とは第2連結部材62によって連結されている。このため、下側カバー51の第2カバー部材54及び上側カバー52の第2カバー部材54のうちの一方の第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整するだけで、他方の第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置も調整される。よって、下側カバー51の第2カバー部材54と上側カバー52の第2カバー部材54について、第1部位54aの内縁部541の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。
【0059】
(5)搬送方向に隣り合う第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53は、第1接続部材63によって接続されている。このため、搬送方向に配置された第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53のうちの1つの第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整するだけで、他の第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置も調整される。よって、電極シート10の搬送方向に並ぶ第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53について、第1部位53aの内縁部531の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。搬送方向に隣り合う第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53についても同様の効果が得られる。
【0060】
また、搬送方向に隣り合う第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54は、第2接続部材64によって接続されている。このため、搬送方向に配置された第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54のうちの1つの第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整するだけで、他の第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置も調整される。よって、電極シート10の搬送方向に並ぶ第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54について、第1部位54aの内縁部541の位置を個別に調整する場合と比較して調整作業を簡素化できる。搬送方向に隣り合う第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54についても同様の効果が得られる。
【0061】
(6)電極シート10の短手方向の寸法が変更される場合、第1カバー部材53及び第2カバー部材54をスライドさせることにより、変更後の電極シート10の短手方向の寸法L10に合わせて第1部位53a,54aの内縁部531,541の位置を調整する必要がある。このとき、乾燥炉31の内部で第1部位53a,54aの内縁部531,541の位置を調整しようとすると、乾燥炉31の内部の温度は調整作業可能な温度である必要がある。
【0062】
本実施形態では、第2上側カバー52bの第1カバー部材53には第1アーム65が接続されている。第1アーム65は、乾燥炉31の第1側壁32cに形成された貫通孔32hに挿通されるとともに乾燥炉31の外部に突出する。このため、第1アーム65を操作することにより、乾燥炉31の外部から第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整できる。よって、乾燥炉31の内部の温度に依らず第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整できる。同様に、第2上側カバー52bの第2カバー部材54には第2アーム66が接続されている。第2アーム66は、乾燥炉31の第2側壁32dに形成された貫通孔32hに挿通されるとともに乾燥炉31の外部に突出する。このため、第2アーム66を操作することにより、乾燥炉31の外部から第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整できる。よって、乾燥炉31の内部の温度に依らず第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整できる。その結果、乾燥装置24の運転直後など、乾燥炉31の内部の温度が高温な状態であっても、第1カバー部材53及び第2カバー部材54の第1部位53a,54aの内縁部531,541の位置を調整できる。
【0063】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 乾燥装置24が備える下側送風部41の数、及び上側送風部42の数は、3つずつに限定されず、搬送方向における乾燥炉31の長さに応じて適宜変更してよい。また、下側カバー51の数、及び上側カバー52の数は、下側送風部41の数、及び上側送風部42の数に応じて変更する。
【0064】
○ 下側送風部41及び上側送風部42は、搬送方向において同じ位置に配置されていてもよい。
○ 乾燥装置24は、下側送風部41及び上側送風部42の両方を備えていなくてもよい。例えば、金属箔11の下面のみに活物質合剤12aが塗工されている場合、乾燥装置24は、複数の下側送風部41と、下側送風部41と同数の下側カバー51を備える構成でもよい。
【0065】
○ 下側送風部41及び上側送風部42は、直方体形状に限定されない。下側送風部41及び上側送風部42は、例えば、立方体形状でもよい。ただし、各送風口43の寸法L43は、電極シート10の短手方向の寸法L10よりも長くなるように設定される。
【0066】
○ 第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531は、電極シート10の短手方向において、活物質合剤12aの第1塗工縁部12bよりも内側に位置していてもよい。同様に、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541は、電極シート10の短手方向において、活物質合剤12aの第2塗工縁部12cよりも内側に位置していてもよい。この場合、活物質合剤12aの一部に温風が直接送られなくなるため、活物質合剤12aを乾燥できるだけの温風の温度や風量に調整するのが好ましい。
【0067】
○ 第1カバー部材53の構成は適宜変更してよい。例えば、下側カバー51の第1カバー部材53は、下側送風部41の上面41eに当接した状態で各送風口43の一端部を覆う第1部位53aのみを備える構成でもよい。同様に、第2カバー部材54の構成は適宜変更してよい。例えば、下側カバー51の第2カバー部材54は、下側送風部41の上面41eに当接した状態で各送風口43の他端部を覆う第1部位54aのみを備える構成でもよい。
【0068】
○ 第1連結部材61を省略し、下側カバー51と上側カバー52の第1カバー部材53を連結しなくてもよい。この場合、例えば、下側カバー51の第1カバー部材53及び上側カバー52の第1カバー部材53のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、下側カバー51の第1カバー部材53と上側カバー52の第1カバー部材53とを個別にスライドさせてもよい。同様に、第2連結部材62を省略し、下側カバー51と上側カバー52の第2カバー部材54を連結しなくてもよい。この場合、例えば、下側カバー51の第2カバー部材54及び上側カバー52の第2カバー部材54のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、下側カバー51の第2カバー部材54と上側カバー52の第2カバー部材54とを個別にスライドさせてもよい。
【0069】
○ 第1接続部材63を省略し、第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53を連結しなくてもよい。この場合、例えば、第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、第1~第3下側カバー51a~51cの第1カバー部材53を個別にスライドさせてもよい。同様に、第1接続部材63を省略し、第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53を連結しなくてもよい。この場合、例えば、第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、第1~第3上側カバー52a~52cの第1カバー部材53を個別にスライドさせてもよい。
【0070】
また、第2接続部材64を省略し、第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54を連結しなくてもよい。この場合、例えば、第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、第1~第3下側カバー51a~51cの第2カバー部材54を個別にスライドさせてもよい。同様に、第2接続部材64を省略し、第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54を連結しなくてもよい。この場合、例えば、第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54のそれぞれに調整部材を取り付けることによって、第1~第3上側カバー52a~52cの第2カバー部材54を個別にスライドさせてもよい。
【0071】
○ 下側カバー51について、第1カバー部材53及び第2カバー部材54の片方のみが電極シート10の短手方向にスライド可能であってもよい。同様に、上側カバー52について、第1カバー部材53及び第2カバー部材54の片方のみが電極シート10の短手方向にスライド可能であってもよい。
【0072】
○ 電極シート10の短手方向の寸法が変更されない場合、下側カバー51は、下側送風部41に固定されていてもよい。同様に、電極シート10の短手方向の寸法が変更されない場合、上側カバー52は、上側送風部42に固定されていてもよい。
【0073】
○ 第1アーム65は、第1連結部材61や第1接続部材63に接続されていてもよい。同様に、第2アーム66は、第2連結部材62や第2接続部材64に接続されていてもよい。
【0074】
○ 第1アーム65が挿通される貫通孔32hは、乾燥炉31の第1側壁32cとは異なる炉壁に形成されていてもよい。例えば、電極シート10の短手方向に長い長孔状の貫通孔32hが乾燥炉31の上壁32bに形成されていてもよい。同様に、第2アーム66が挿通される貫通孔32hは、乾燥炉31の第2側壁32dとは異なる炉壁に形成されていてもよい。例えば、電極シート10の短手方向に長い長孔状の貫通孔32hが乾燥炉31の上壁32bに形成されていてもよい。
【0075】
○ 第1アーム65を省略してもよい。この場合、乾燥炉31の内部で下側カバー51の第1カバー部材53及び上側カバー52の第1カバー部材53をスライドさせることにより、第1カバー部材53の第1部位53aの内縁部531の位置を調整する。同様に、第2アーム66を省略してもよい。この場合、乾燥炉31の内部で下側カバー51の第2カバー部材54及び上側カバー52の第2カバー部材54をスライドさせることにより、第2カバー部材54の第1部位54aの内縁部541の位置を調整する。
【0076】
○ 下側送風部41の上面41eに形成される送風口43の数は、2つに限定されず、適宜変更してよい。同様に、上側送風部42の下面42eに形成される送風口の数は、2つに限定されず、適宜変更してよい。
【0077】
○ 第1塗工装置22は、第1ダイ22a及びバックアップロール22bを備える塗工装置に限定されない。第1塗工装置22は、例えば、グラビアロールを備える塗工装置であってもよい。
【0078】
○ 第2塗工装置23は、第2ダイ23aを備える塗工装置に限定されない。第2塗工装置23は、例えば、グラビアロールを備える塗工装置であってもよい。
○ 電極シートの製造装置20は、搬送装置21、第1塗工装置22、第2塗工装置23、及び加圧装置25以外の装置を備えていてもよい。
【0079】
○ 電極シート10は、活物質層12が長手方向において間欠的に形成される構成であってもよい。
○ 電極シート10は、短手方向に並ぶ複数列の活物質層12が形成される構成であってもよい。
【0080】
○ 電極シート10は、金属箔11の一方の面に活物質層12が形成され、金属箔11の他方の面には活物質層12が形成されない構成であってもよい。この場合、電極シートの製造装置20において第1塗工装置22又は第2塗工装置23は省略される。
【0081】
○ 電極シート10は、第1未塗工部13及び第2未塗工部14の何れか一方を備える構成であってもよいし、第1未塗工部13及び第2未塗工部14の両方を備えない構成であってもよい。
【0082】
○ 集電体は、金属箔11に限定されず、例えば織物状や網状でもよい。
○ 製造する電極の形状に応じて、電極シート10の切断形状を適宜変更してもよい。例えば、電極シート10の短手方向で1枚の電極を製造してもよい。また、電極シート10を長手方向において所望の長さに切断して電極を製造してもよい。
【0083】
○ 電極シート10が用いられる蓄電装置は、リチウムイオン二次電池以外の二次電池やキャパシタでもよい。
【符号の説明】
【0084】
10…電極シート、10a…一縁部、10b…他縁部、11…集電体としての金属箔、12a…活物質合剤、12b…第1塗工縁部、12c…第2塗工縁部、13…第1未塗工部、14…第2未塗工部、24…電極シートの乾燥装置、31…乾燥炉、32h…貫通孔、41…送風部としての下側送風部、41e…面としての上面、42…送風部としての上側送風部、42e…面としての下面、43…送風口、53…第1カバー部材、53a…第1被覆部としての第1部位、54…第2カバー部材、54a…第2被覆部としての第1部位、61…第1連結部材、62…第2連結部材、63…第1接続部材、64…第2接続部材、65…第1調整部材としての第1アーム、66…第2調整部材としての第2アーム、531,541…内縁部。
図1
図2
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図10