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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】搬送経路切換装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20220906BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220906BHJP
   B65G 21/12 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B65G47/68 A
B65G47/52 B
B65G47/68 E
B65G21/12 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019075995
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020172382
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤尾 義彦
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-097039(JP,A)
【文献】国際公開第2005/021410(WO,A1)
【文献】特開平11-089521(JP,A)
【文献】米国特許第03169630(US,A)
【文献】特開2006-131404(JP,A)
【文献】特表2001-500096(JP,A)
【文献】特表2000-504297(JP,A)
【文献】実開平04-066115(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/68
B65G 47/52
B65G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路の上流側に設けられる上流側コンベヤによって搬送される被搬送物を、前記搬送経路の下流側において前記上流側コンベヤより上方に配置される下流側上部コンベヤと、前記搬送経路の下流側において前記下流側上部コンベヤより下方に配置される下流側下部コンベヤと、に搬送経路を切り換えて搬送する搬送経路切換装置であって、
前記上流側コンベヤの下流側に前記上流側コンベヤ側を支点として下流側が揺動する上流側下部切換コンベヤと、
前記上流側コンベヤ及び前記上流側下部切換コンベヤの上方に配置されて、前記下流側上部コンベヤの上流側に前記下流側上部コンベヤ側を支点として上流側が揺動する下流側上部切換コンベヤと、
前記下流側上部切換コンベヤの下方に配置されて、前記下流側下部コンベヤの上流側に前記下流側下部コンベヤ側を支点として上流側が揺動する下流側下部切換コンベヤと、
前記上流側コンベヤによって搬送される被搬送物が所定高さ以上であるか否かを検出する高さ検出手段と、
前記上流側下部切換コンベヤから前記下流側下部切換コンベヤに移送される被搬送物を検出する被搬送物検出手段と、
を備え、
前記上流側下部切換コンベヤと、前記下流側上部切換コンベヤと、前記下流側下部切換コンベヤとは、それぞれ異なる揺動装置により揺動され、
前記揺動装置による前記下流側上部切換コンベヤの揺動が、前記高さ検出手段及び前記被搬送物検出手段による前記被搬送物の検出に基づいて制御されること
を特徴とする搬送経路切換装置。
【請求項2】
前記高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、
前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出した後に、前記下流側下部切換コンベヤが所定の駆動量で駆動されることで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始すること
を特徴とする請求項1に記載の搬送経路切換装置。
【請求項3】
前記高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、
前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出した後、所定時間が経過することで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始すること
を特徴とする請求項1に記載の搬送経路切換装置。
【請求項4】
前記高さ検出手段が被搬送物を検出しない場合には、
前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出することで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始すること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の搬送経路切換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物が搬送される設備において、搬送される被搬送物の搬送経路を切り換える搬送経路切換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被搬送物が搬送される設備において、搬送される被搬送物の搬送経路を切り換える搬送経路切換装置としては、特許文献1に示すような搬送経路切換装置がある。特許文献1の搬送経路切換装置は、上段に配設された主搬送コンベヤと、上下2段に配設された2つの副搬送コンベヤと、の間に3つの切換コンベヤ(上流側の上段の切換コンベヤ、下流側の上下2段の切換コンベヤ)を設けたものである。特許文献1の搬送経路切換装置においては、上流側及び下流側のそれぞれの上段の切換コンベヤが巻き掛け伝動部材によって連結され、下流側の上下2段のそれぞれの切換コンベヤがリンクによって連結されている。特許文献1の搬送経路切換装置においては、巻き掛け伝動部材を動作させることで上流側及び下流側のそれぞれの上段の切換コンベヤが揺動し、下流側の上段の切換コンベヤが揺動することで、下流側の下段の切換コンベヤがリンクを介して揺動する。3つの切換コンベヤを揺動させることで、上段の主搬送コンベヤから上段の副搬送コンベヤへ搬送される被搬送物の搬送経路が、上段の主搬送コンベヤから下段の副搬送コンベヤへ切り換えられる。このように、特許文献1の搬送経路切換装置においては、下流側の上下2段のそれぞれの切換コンベヤを同一のリンクによって連結することにより、被搬送物の搬送経路の切り換えを行っている。
また、特許文献1の搬送経路切換装置のように、上下2段のそれぞれの切換コンベヤを同一のリンクによって連結することにより、被搬送物の搬送経路の切り換えを行う搬送経路切換装置としては、図5に示すような搬送経路切換装置100が挙げられる。搬送経路切換装置100は、上下段に配設された主搬送コンベヤ110、120と、上下2段に配設された2つの副搬送コンベヤ130、140と、の間に4つの切換コンベヤ(上流側の上下2段の切換コンベヤ150、160、下流側の上下2段の切換コンベヤ170、180)を設けたものである。搬送経路切換装置100においては、上流側の上下2段の切換コンベヤ150、160に同一の揺動リンク190を連結させ、下流側の上下2段の切換コンベヤ170、180に同一の揺動リンク195を連結させている。そして、揺動リンク190を揺動させることにより、上流側の上下2段の切換コンベヤ150、160が同時に揺動され、揺動リンク195を揺動させることにより、下流側の上下2段の切換コンベヤ170、180が同時に揺動される。
図5(b)に示すように、搬送経路切換装置100では、上段の切換コンベヤ150を下方に揺動させると、それに伴って下段の切換コンベヤ160が下方に揺動するため、下段の切換コンベヤ160の水平位置より下方に、下段の切換コンベヤ160を逃がすための空間K1を設ける必要がある。また、搬送経路切換装置100では、上段の切換コンベヤ170を上方へ揺動させるために、上段の切換コンベヤ170が揺動する高さよりさらに上方へ揺動リンク195を揺動させる必要があることから、上段の切換コンベヤ170の水平位置より上方に、揺動リンク195を揺動させるための空間K2を設ける必要がある。このように、搬送経路切換装置100では、空間K1及び空間K2を設ける必要があるため、既設の搬送コンベヤ110、120、130、140が設けられている箇所であって空間K1及び空間K2を確保できない箇所に搬送経路切換装置100を導入すると、上段の切換コンベヤ150、170の上方への揺動時に揺動リンク190、195が天井に干渉し、或いは下段の切換コンベヤ160、180の下方への揺動時に下段の切換コンベヤ160、180が床に干渉する。このため、既設の搬送コンベヤ110、120、130、140に搬送経路切換装置100を設置できないという問題がある。
そこで、特許文献2の搬送経路切換装置のように、上下2段の切換コンベヤをそれぞれ独立して揺動させることにより、上段の切換コンベヤを下方に揺動させた場合であっても、それに伴って下段の切換コンベヤが下方に揺動せず、また、上段の切換コンベヤを上方に揺動させる際に、装置が天井に干渉しないものが開発されている。特許文献2の搬送経路切換装置では、上段の切換コンベヤの揺動に伴って下段の切換コンベヤが下方に揺動せず、また、下段の切換コンベヤの揺動に伴って上段の切換コンベヤが上方に揺動しないため、下段の切換コンベヤを逃がすための空間、及び上段の切換コンベヤを逃がすための空間を設ける必要がなく、搬送経路切換装置自体を小型化することができる。そのため、既設の搬送コンベヤの高さを変えることなく、既設の搬送コンベヤに搬送経路切換装置を設置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-131404号公報
【文献】国際公開第2005/021410号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に示すような上下2段の切換コンベヤをそれぞれ独立して揺動させる搬送経路切換装置においては、図6に示すように、切換コンベヤ210、220、230、240の揺動を切換コンベヤ毎に制御しなければならないため、切換コンベヤ210、220、230、240の制御が複雑になる。特に、下段の切換コンベヤ220、240によって搬送されている物品300(被搬送物)の後続の物品310を、上段のコンベヤ250に向けて搬送する場合には、上段の切換コンベヤ230は、後続の物品310を搬送する(受け入れる)ために、物品300が下段の切換コンベヤ220、240によって搬送されている段階で、その上流側の端部を下方に揺動させる。そのため、サイズの大きい物品300を下段の切換コンベヤ220、240によって搬送する場合には、下方へ揺動しようとする上段の切換コンベヤ230が、下段の切換コンベヤ220、240によって搬送されている物品300を押し潰すという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上流側コンベヤによって搬送される被搬送物を、下流側に設けた複数の下流側コンベヤに、切換コンベヤによって搬送経路を切り換えて搬送する搬送経路切換装置において、既存の上流側及び下流側コンベヤの高さを変えることなく設置可能であり、且つ被搬送物の搬送経路の切り換え時に、切換コンベヤが被搬送物を押し潰すことのない搬送経路切換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の搬送経路切換装置は、搬送経路の上流側に設けられる上流側コンベヤによって搬送される被搬送物を、前記搬送経路の下流側において前記上流側コンベヤより上方に配置される下流側上部コンベヤと、前記搬送経路の下流側において前記下流側上部コンベヤより下方に配置される下流側下部コンベヤと、に搬送経路を切り換えて搬送する搬送経路切換装置であって、前記上流側コンベヤの下流側に前記上流側コンベヤ側を支点として下流側が揺動する上流側下部切換コンベヤと、前記上流側コンベヤ及び前記上流側下部切換コンベヤの上方に配置されて、前記下流側上部コンベヤの上流側に前記下流側上部コンベヤ側を支点として上流側が揺動する下流側上部切換コンベヤと、前記下流側上部切換コンベヤの下方に配置されて、前記下流側下部コンベヤの上流側に前記下流側下部コンベヤ側を支点として上流側が揺動する下流側下部切換コンベヤと、前記上流側コンベヤによって搬送される被搬送物が所定高さ以上であるか否かを検出する高さ検出手段と、前記上流側下部切換コンベヤから前記下流側下部切換コンベヤに移送される被搬送物を検出する被搬送物検出手段と、を備え、前記上流側下部切換コンベヤと、前記下流側上部切換コンベヤと、前記下流側下部切換コンベヤとは、それぞれ異なる揺動装置により揺動され、前記揺動装置による前記下流側上部切換コンベヤの揺動が、前記高さ検出手段及び前記被搬送物検出手段による前記被搬送物の検出に基づいて制御されるものである。
上記構成では、上流側下部切換コンベヤ及び下流側下部切換コンベヤによって搬送される被搬送物を、高さ検出手段及び被搬送物検出手段が検出することによって、下流側上部切換コンベヤの揺動が制御される。
【0007】
本発明の搬送経路切換装置は、上記搬送経路切換装置において、前記高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出した後に、前記下流側下部切換コンベヤが所定の駆動量で駆動されることで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始するものである。
上記構成では、高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、被搬送物検出手段が当該被搬送物を検出した後、且つ当該被搬送物が下流側下部切換コンベヤにおいて所定距離搬送された後に、下流側上部切換コンベヤが揺動される。ここで、「被搬送物検出手段が当該被搬送物を検出した後」とは、被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「開始した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向前側」を検出した後)、又は被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「終了した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向後側」を検出した後)のいずれか一方の場合を意味する。
【0008】
本発明の搬送経路切換装置は、上記搬送経路切換装置において、前記高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出した後、所定時間が経過することで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始するものである。
上記構成では、高さ検出手段が被搬送物を検出した場合には、被搬送物検出手段が被搬送物を検出した後、所定の時間を空けて、下流側上部切換コンベヤが揺動される。ここで、「被搬送物検出手段が当該被搬送物を検出した後」とは、被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「開始した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向前側」を検出した後)、又は被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「終了した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向後側」を検出した後)のいずれか一方の場合を意味する。
【0009】
本発明の搬送経路切換装置は、上記搬送経路切換装置において、前記高さ検出手段が被搬送物を検出しない場合には、前記被搬送物検出手段が前記被搬送物を検出することで、前記揺動装置は、前記下流側上部切換コンベヤの揺動を開始するものである。
上記構成では、高さ検出手段が被搬送物を検出しない場合には、被搬送物検出手段が被搬送物を検出した後に、下流側上部切換コンベヤが揺動される。ここで、「被搬送物検出手段が当該被搬送物を検出した後」とは、被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「開始した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向前側」を検出した後)、又は被搬送物検出手段が当該被搬送物の検出を「終了した」後(被搬送物検出手段が当該被搬送物の「搬送方向後側」を検出した後)のいずれか一方の場合を意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の搬送経路切換装置によれば、上流側下部切換コンベヤにより搬送される被搬送物の高さと、上流側下部切換コンベヤから下流側下部切換コンベヤに移送される被搬送物と、を検出することによって、下流側上部切換コンベヤの揺動が制御されることから、上流側下部切換コンベヤ及び下流側下部切換コンベヤにより搬送される被搬送物の大きさ及び位置に応じて、下流側上部切換コンベヤを下方に揺動させることができる。そのため、搬送経路切換装置を構成する各切換コンベヤがそれぞれ異なる揺動装置によって揺動される場合であっても、被搬送物の搬送経路の切り換え時において、下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤが、上流側下部切換コンベヤ及び下流側下部切換コンベヤにより搬送される被搬送物を押し潰すことがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る搬送経路切換装置の正面図である。
図2】本発明に係る搬送経路切換装置の正面図である。
図3】本発明に係る搬送経路切換装置の正面図である。
図4】本発明に係る搬送経路切換装置の制御構成を示すブロック図である。
図5a】従来の搬送経路切換装置の正面図である。
図5b】従来の搬送経路切換装置の正面図である。
図6】従来の別実施例の搬送経路切換装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の搬送経路切換装置10について説明する。なお、本発明は、以下に示す搬送経路切換装置10に限定されるものではない。
図1に示すように、搬送経路切換装置10は、トレー91に収容された物品90(「被搬送物」の一例)の搬送経路を上下方向(縦方向)に切り換える縦型の経路切換装置である。搬送経路切換装置10は、空港や配送センター等における物品90を仕分ける仕分け設備(図示)等に設けられる。搬送経路切換装置10は、上下方向に2段に配設される上流側上部コンベヤ81及び上流側下部コンベヤ82(「上流側コンベヤ」の一例)と、上下方向に2段に配設される下流側上部コンベヤ83及び下流側下部コンベヤ84と、の間に挟まれた状態で設けられる。
【0013】
上流側上部コンベヤ81及び上流側下部コンベヤ82は、搬送経路切換装置10を中心として物品90の搬送経路の上流側に設けられる。すなわち、上流側上部コンベヤ81及び上流側下部コンベヤ82は、搬送経路切換装置10に対して物品90を搬送する。上流側上部コンベヤ81は、上流側下部コンベヤ82の真上において、上流側下部コンベヤ82と平行に所定の間隔を有して配設される。
下流側上部コンベヤ83及び下流側下部コンベヤ84は、搬送経路切換装置10を中心として物品90の搬送経路の下流側に設けられる。すなわち、下流側上部コンベヤ83及び下流側下部コンベヤ84は、搬送経路切換装置10から搬送されてきた物品90を搬送する。
下流側上部コンベヤ83は、上流側下部コンベヤ82の下流側において、上流側下部コンベヤ82の斜め上方に、上流側上部コンベヤ81と同じ高さに配置されている。
下流側下部コンベヤ84は、上流側下部コンベヤ82の下流側において、上流側下部コンベヤ82と同じ高さに配置されている。下流側下部コンベヤ84は、下流側上部コンベヤ83の下方において、下流側上部コンベヤ83と平行に所定の間隔を有して配設される。
【0014】
搬送経路切換装置10は、上流側上部コンベヤ81から搬送されてきた物品90を、下流側に設けられた下流側上部コンベヤ83又は下流側下部コンベヤ84のいずれかに搬送するように、物品90の搬送経路を切り換える。また、搬送経路切換装置10は、上流側下部コンベヤ82から搬送されてきた物品90を、下流側に設けられた下流側上部コンベヤ83又は下流側下部コンベヤ84のいずれかに搬送するように、物品90の搬送経路を切り換える。
【0015】
搬送経路切換装置10においては、下流側上部コンベヤ83又は下流側下部コンベヤ84への物品90の搬送経路の切り換えを、上流側上部切換コンベヤ11と、上流側下部切換コンベヤ12と、下流側上部切換コンベヤ13と、下流側下部切換コンベヤ14と、を切り換えることによって行う。
上流側上部切換コンベヤ11は、上流側上部コンベヤ81の下流側に設けられる。上流側上部切換コンベヤ11は、上流側上部コンベヤ81側を支点として下流側が揺動するように構成されている。上流側上部切換コンベヤ11は、上記支点が上流側上部コンベヤ81と同じ高さとなるように配置される。
上流側下部切換コンベヤ12は、上流側上部切換コンベヤ11の真下に、上流側上部切換コンベヤ11と平行に所定の間隔を有して配設される。上流側下部切換コンベヤ12は、上流側下部コンベヤ82の下流側に設けられる。上流側下部切換コンベヤ12は、上流側下部コンベヤ82側を支点として下流側が揺動するように構成されている。上流側下部切換コンベヤ12は、上記支点が上流側下部コンベヤ82と同じ高さとなるように配置される。
下流側上部切換コンベヤ13は、下流側上部コンベヤ83の上流側に設けられる。下流側上部切換コンベヤ13は、上流側下部コンベヤ82及び上流側下部切換コンベヤ12の斜め上方に配置される。下流側上部切換コンベヤ13は、下流側上部コンベヤ83側を支点として上流側が揺動するように構成されている。下流側上部切換コンベヤ13は、上記支点が下流側上部コンベヤ83と同じ高さとなるように配置される。
下流側下部切換コンベヤ14は、下流側下部コンベヤ84の上流側に設けられる。下流側下部切換コンベヤ14は、下流側上部切換コンベヤ13の真下に、下流側上部切換コンベヤ13と平行に所定の間隔を有して配設される。下流側下部切換コンベヤ14は、下流側下部コンベヤ84側を支点として上流側が揺動するように構成されている。下流側下部切換コンベヤ14は、上記支点が下流側下部コンベヤ84と同じ高さとなるように配置される。
【0016】
図1に示すように、搬送経路切換装置10においては、上流側上部切換コンベヤ11と下流側上部切換コンベヤ13とが連なることで、上流側上部コンベヤ81によって搬送されてきた物品90が下流側上部コンベヤ83へ搬送される。搬送経路切換装置10においては、上流側上部切換コンベヤ11と下流側下部切換コンベヤ14とが揺動して連なることで、上流側上部コンベヤ81によって搬送されてきた物品90が下流側下部コンベヤ84へ搬送される。
搬送経路切換装置10においては、上流側下部切換コンベヤ12と下流側下部切換コンベヤ14とが連なることで、上流側下部コンベヤ82によって搬送されてきた物品90が下流側下部コンベヤ84へ搬送される。図3に示すように、搬送経路切換装置10においては、上流側下部切換コンベヤ12と下流側上部切換コンベヤ13とが揺動して連なることで、上流側下部コンベヤ82によって搬送されてきた物品90が下流側上部コンベヤ83へ搬送される。
【0017】
図1から図3に示すように、上流側上部切換コンベヤ11及び下流側上部切換コンベヤ13は、第1揺動装置20によって上下方向に揺動される。第1揺動装置20は、ローラーチェーン21と、スプロケット23と、スプロケット23を回動する第1駆動装置24と、から構成されている。
ローラーチェーン21は、その一端が上流側上部切換コンベヤ11の下流側端部(自由端)に連結され、その他端が下流側上部切換コンベヤ13の上流側端部(自由端)に連結されている。ローラーチェーン21は、スプロケット23に掛け渡されている。
スプロケット23は、第1駆動装置24により回動する。スプロケット23は、その回動によりローラーチェーン21の一端側を手繰り寄せるとともに、ローラーチェーン21の他端側を送り出す。
第1駆動装置24は、スプロケット23を回動する第1回動軸25と、第1回動軸25を回動する第1モータ26と、を主に備える。
【0018】
図1から図3に示すように、上流側下部切換コンベヤ12は、第2揺動装置30によって上下方向に揺動される。第2揺動装置30は、上流側下部切換コンベヤ12に連結される上流側下部リンク31と、上流側下部リンク31を移動させる第1カム32と、第1カム32を回動する第2駆動装置33と、から構成されている。
上流側下部リンク31の一端には、上流側下部切換コンベヤ12が連結されている。上流側下部リンク31の他端には、第1カム32が連結されている。上流側下部リンク31は、上下方向に移動することで、上流側下部切換コンベヤ12の下流側を揺動させる。
第1カム32は、その回動により上流側下部リンク31を上下方向に移動させる。第1カム32は、第2駆動装置33により回動される。
第2駆動装置33は、第1カム32に設けられる第2回動軸34と、第2回動軸34を回動する第2モータ35と、を主に備える。
【0019】
図1から図3に示すように、下流側下部切換コンベヤ14は、第3揺動装置40によって上下方向に揺動される。第3揺動装置40は、下流側下部切換コンベヤ14に連結される下流側下部リンク41と、下流側下部リンク41を移動させる第2カム42と、第2カム42を回動する第3駆動装置43と、から構成されている。
下流側下部リンク41の一端には、下流側下部切換コンベヤ14が連結されている。下流側下部リンク41の他端には、第2カム42が連結されている。下流側下部リンク41は、上下方向に移動することで、下流側下部切換コンベヤ14の上流側を揺動させる。
第2カム42は、その回動により下流側下部リンク41を上下方向に移動させる。第2カム42は、第3駆動装置43により回動される。
第3駆動装置43は、第2カム42に設けられる第3回動軸44と、第3回動軸44を回動する第3モータ45と、を主に備える。
このように、搬送経路切換装置10においては、上流側上部切換コンベヤ11及び下流側上部切換コンベヤ13が第1揺動装置20によって上下方向に揺動され、上流側下部切換コンベヤ12が第1揺動装置20とは異なる第2揺動装置30によって上下方向に揺動され、下流側下部切換コンベヤ14が第1揺動装置20及び第2揺動装置30とは異なる第3揺動装置40によって上下方向に揺動される。
【0020】
図1から図3に示すように、上流側上部切換コンベヤ11と上流側下部切換コンベヤ12との間であって、水平時の上流側下部切換コンベヤ12の搬送面に対する上方の所定の高さに、上流側下部切換コンベヤ12により搬送される物品90の高さを検出するための高さ検出センサ51(「高さ検出手段」の一例)が設けられている。
下流側下部切換コンベヤ14の上流側には、上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送される物品90を検出する物品検出センサ52(「被搬送物検出手段」の一例)が設けられている。
各切換コンベヤ11、12、13、14の上流側(入口側)には、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14の上流側(入口側)を通過したことを検出する入口センサ54a、54b、54c、54dが設けられている。各切換コンベヤ11、12、13、14の下流側(出口側)には、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14の下流側(出口側)を通過したことを検出する出口センサ55a、55b、55c、55dが設けられている。各切換コンベヤ11、12、13、14に入口センサ54a、54b、54c、54d及び出口センサ55a、55b、55c、55dを設けて各切換コンベヤ11、12、13、14での物品90の通過及び在荷を確認することで、各切換コンベヤ11、12、13、14の揺動動作をより正確に制御することができる。
【0021】
次に、搬送経路切換装置10の制御構成について説明する。
図4に示すように、搬送経路切換装置10及び各コンベヤ81、82、83、84は、統括コントローラ85に接続され、統括コントローラ85によってその動作が制御されている。
搬送経路切換装置10には、搬送経路切換装置10全体を制御するコントローラ58が設けられている。コントローラ58は、統括コントローラ85に接続され、統括コントローラ85の指示に従って搬送経路切換装置10全体を制御する。なお、本実施の形態においては、搬送経路切換装置10全体をコントローラ58によって制御しているが、これに限定されるものではなく、コントローラ58を設けずに、統括コントローラ85が直接搬送経路切換装置10全体を制御しても構わない。
コントローラ58には、第1揺動装置20の第1駆動装置24と、第2揺動装置30の第2駆動装置33と、第3揺動装置40の第3駆動装置43と、が接続されている。コントローラ58は、各駆動装置24、33、43の駆動を制御することで、第1駆動装置24に接続される上流側上部切換コンベヤ11及び下流側上部切換コンベヤ13の揺動を制御し、第2駆動装置33に接続される上流側下部切換コンベヤ12の揺動を制御し、第3駆動装置43に接続される下流側下部切換コンベヤ14の揺動を制御する。
【0022】
コントローラ58には、高さ検出センサ51が接続されている。コントローラ58は、高さ検出センサ51からの検出信号により、上流側下部切換コンベヤ12によって搬送されている物品90が所定の高さ以上の物品であることを検出する。なお、高さ検出センサ51からの検出信号に基づく物品90の高さの検出は、コントローラ58を介して統括コントローラ85が行っても構わない。
コントローラ58には、物品検出センサ52が接続されている。物品検出センサ52は、物品90が上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送されると、物品90の検出を開始する(物品検出センサ52がONする)。コントローラ58は、物品検出センサ52からの検出信号により、上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に物品90が移送されたことを検出する。なお、物品検出センサ52からの検出信号に基づく物品90の検出は、コントローラ58を介して統括コントローラ85が行っても構わない。
コントローラ58には、入口センサ54a、54b、54c、54dが接続されている。入口センサ54a、54b、54c、54dは、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14に搬送されると、物品90の検出を開始する(入口センサ54a、54b、54c、54dがONする)。コントローラ58は、入口センサ54a、54b、54c、54dからの検出信号により、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14の上流側(入口側)を通過したと判断する。
コントローラ58には、出口センサ55a、55b、55c、55dが接続されている。出口センサ55a、55b、55c、55dは、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14の下流側(出口側)に搬送されると、物品90の検出を開始する(出口センサ55a、55b、55c、55dがONする)。コントローラ58は、出口センサ55a、55b、55c、55dからの検出信号により、物品90が各切換コンベヤ11、12、13、14の下流側(出口側)を通過したと判断する。
【0023】
次に、上流側下部コンベヤ82から搬送されてきた物品90を下流側上部コンベヤ83に向けて搬送する場合の搬送経路切換装置10の動作について説明する。
搬送経路切換装置10においては、上流側下部コンベヤ82から搬送されてきた物品90の搬送経路は、下流側下部コンベヤ84に搬送される経路又は下流側上部コンベヤ83に搬送される経路のいずれかである。そして、搬送経路切換装置10における物品90の搬送経路は、物品90が上流側下部コンベヤ82に搬送されてくるまでに既に決定されている。そのため、コントローラ58は、物品90が上流側下部コンベヤ82に搬送されてきた段階で、各揺動装置20、30、40に対して各切換コンベヤ11、12、13、14を揺動させる旨の指示を行う。
図1に示すように、物品90が上流側下部コンベヤ82に搬送されてくると、コントローラ58は、搬送経路切換装置10における当該物品90の搬送経路を確認する。そして、当該物品90の搬送経路が、上流側下部コンベヤ82から下流側上部コンベヤ83に搬送される経路(バーチカル搬送)である場合、コントローラ58は、上流側下部切換コンベヤ12又は下流側下部切換コンベヤ14において、先行する物品90が搬送されているか否かを、高さ検出センサ51及び物品検出センサ52からの検出信号に基づいて判断する。
コントローラ58が高さ検出センサ51及び物品検出センサ52からの検出信号を検出しない場合、すなわち、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側下部切換コンベヤ14において、先行する物品90が搬送されていない場合には、コントローラ58は、第1揺動装置20の第1駆動装置24、及び第2揺動装置30の第2駆動装置33に対して指示信号を送信する。そして、第1駆動装置24は、下流側上部切換コンベヤ13の揺動を開始する。また合わせて、第2駆動装置33は、上流側下部切換コンベヤ12の揺動を開始する。これにより、図3に示すように、下流側上部切換コンベヤ13が下方向に揺動し、上流側下部切換コンベヤ12が上方向に揺動して、上流側下部切換コンベヤ12と下流側上部切換コンベヤ13とが連なる。
【0024】
コントローラ58が高さ検出センサ51からの検出信号を検出した場合、コントローラ58は、上流側下部切換コンベヤ12に所定高さ以上の物品90が搬送されていると判断する。すなわち、コントローラ58は、上流側下部コンベヤ82まで搬送されてきた物品90の前方に、所定高さ以上の別の物品90が搬送されていると判断する。ここで、物品90の所定高さとは、物品90が上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送されたと同時に、下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させた場合に、揺動される下流側上部切換コンベヤ13に接触して押し潰される物品90の最小高さをいう。物品90の所定高さは、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側下部切換コンベヤ14における物品90の搬送速度、下流側上部切換コンベヤ13の下方向への揺動速度によって決定される。
【0025】
高さ検出センサ51によって検出された物品90は、上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送される。そして、当該物品90は、下流側下部切換コンベヤ14に移送された際に、物品検出センサ52によって検出される。すなわち、物品90が下流側下部切換コンベヤ14に移送されることで、物品検出センサ52は、物品90の検出を開始し、コントローラ58に対して検出信号を送信する。
コントローラ58は、物品検出センサ52からの検出信号に基づいて、物品90が上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送されたと判断する。
コントローラ58は、物品検出センサ52からの検出信号を受信することで、下流側下部切換コンベヤ14の駆動量を検出する。すなわち、物品検出センサ52が物品90の検出を開始すると(物品検出センサ52がONすると)、コントローラ58は、下流側下部切換コンベヤ14の駆動量を検出する。具体的には、コントローラ58は、物品検出センサ52が物品90の検出を開始すると、下流側下部切換コンベヤ14を駆動させるモータ57のパルス数をカウントする。コントローラ58は、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57のパルス数をカウントする、すなわち、下流側下部切換コンベヤ14の駆動量を検出することで、下流側下部切換コンベヤ14上での物品90の移動距離を算出する。
コントローラ58は、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57のパルス数が所定のパルス数となるまで当該パルス数のカウントを行う。ここで、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57の所定のパルス数とは、下流側下部切換コンベヤ14上における、物品検出センサ52による物品90の検出が開始する位置から、下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤ13に接触して物品90が押し潰されない位置まで、下流側下部切換コンベヤ14が物品90を搬送する際の下流側下部切換コンベヤ14のモータ57のパルス数をいう。
【0026】
コントローラ58が所定のパルス数となるまでモータ57のパルス数をカウントする、すなわち、図2に示すように、下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤ13に物品90が接触して押し潰されないように、コントローラ58は、第1駆動装置24に対して指示信号を送信する。第1駆動装置24は、コントローラ58の指示信号に基づいて、下流側上部切換コンベヤ13の揺動を開始する。
一方で、物品90が物品検出センサ52を通過して、物品検出センサ52からの検出信号がOFFになると(物品検出センサ52が物品90の検出を終了すると)、コントローラ58は、第2駆動装置33に対して指示信号を送信する。第2駆動装置33は、コントローラ58の指示信号に基づいて、上流側下部切換コンベヤ12の揺動を開始する。
このように、コントローラ58が第1駆動装置24及び第2駆動装置33に対して指示信号を送信することで、図3に示すように、下流側上部切換コンベヤ13が下方向に揺動し、上流側下部切換コンベヤ12が上方向に揺動して、上流側下部切換コンベヤ12と下流側上部切換コンベヤ13とが連なる。
【0027】
コントローラ58が高さ検出センサ51からの検出信号を検出せずに物品検出センサ52からの検出信号のみを検出した場合、コントローラ58は、下流側下部切換コンベヤ14に所定高さより低い物品90が搬送されていると判断する。すなわち、コントローラ58は、上流側下部コンベヤ82まで搬送されてきた物品90の前方に、所定高さより低い別の物品90が搬送されていると判断する。
物品90が物品検出センサ52を通過して、物品検出センサ52からの検出信号がOFFになると(物品検出センサ52が物品90の検出を終了すると)、コントローラ58は、第1駆動装置24及び第2駆動装置33に対して指示信号を送信する。第1駆動装置24は、コントローラ58の指示信号に基づいて、下流側上部切換コンベヤ13の揺動を開始する。また合わせて、第2駆動装置33は、コントローラ58の指示信号に基づいて、上流側下部切換コンベヤ12の揺動を開始する。
このように、下流側下部切換コンベヤ14に所定高さより低い物品90が搬送されている場合には、コントローラ58は、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57のパルス数をカウントすることなく、第1駆動装置24及び第2駆動装置33に対して指示信号を送信し、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側上部切換コンベヤ13の揺動を開始させる。
【0028】
以上まとめると、上流側下部コンベヤ82から搬送されてきた物品90を下流側上部コンベヤ83に向けて搬送する場合には、当該物品90より先行する物品90の高さを高さ検出センサ51によって検出する。
そして、物品90の高さが所定高さ以上の場合には、その物品90が下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤ13に接触して押し潰されない位置まで搬送されるように、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57を所定パルス数カウントした後、下流側上部切換コンベヤ13の下方向への揺動を開始する。
一方で、物品90の高さが所定高さより低い場合には、下流側下部切換コンベヤ14のモータ57のパルス数を確認することなく、物品90が物品検出センサ52を通過した後に、下流側上部切換コンベヤ13の下方向への揺動を開始する。
【0029】
以上のように、本実施の形態によると、上流側下部切換コンベヤ12により搬送される物品90の高さと、上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送される物品90と、を検出することによって、下流側上部切換コンベヤ13の揺動が制御されることから、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側下部切換コンベヤ14により搬送される物品90の大きさ及び位置に応じて、下流側上部切換コンベヤ13を下方に揺動させることができる。そのため、搬送経路切換装置10を構成する各切換コンベヤ11、12、13、14がそれぞれ異なる揺動装置20、30、40によって揺動される場合であっても、物品90の搬送経路の切り換え時において、下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤ13が、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側下部切換コンベヤ14により搬送される物品90を押し潰すことがない。また、各コンベヤ81、82、83、84の高さを変えることなく、搬送経路切換装置10を各コンベヤ81、82、83、84間に設置することができる。
【0030】
なお、本実施の形態においては、高さ検出センサ51が物品90を検出した場合には、物品検出センサ52が物品90の検出を開始した後、下流側下部切換コンベヤ14が所定の駆動量で駆動されることで、揺動装置が下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させているが、これに限定されるものではなく、物品検出センサ52が物品90の検出を開始した後、所定時間が経過することで、揺動装置が下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させる構成であっても構わない。ここで、所定時間とは、下流側下部切換コンベヤ14が、物品90を、物品検出センサ52による物品90の検出が開始された位置から、下方向に揺動する下流側上部切換コンベヤ13に接触して押し潰されない位置まで搬送する際に要する時間をいう。
具体的には、コントローラ58が、物品検出センサ52からの検出信号を受信した時からの時間を計測する。そして、コントローラ58が所定時間まで時間を計測すると、コントローラ58は、第1駆動装置24及び第2駆動装置33に対して指示信号を送信する。そして、第1駆動装置24及び第2駆動装置33は、上流側下部切換コンベヤ12及び下流側上部切換コンベヤ13の揺動を開始する。これにより、図3に示すように、下流側上部切換コンベヤ13が下方向に揺動し、上流側下部切換コンベヤ12が上方向に揺動して、上流側下部切換コンベヤ12と下流側上部切換コンベヤ13とが連なる。
本実施の形態においては、高さ検出センサ51が物品90を検出した場合には、物品検出センサ52が物品90の検出を開始した後、下流側下部切換コンベヤ14が所定の駆動量で駆動されることで、揺動装置が下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させているが、これに限定されるものではなく、物品90の検出を開始した物品検出センサ52が物品90の検出を終了した後(物品検出センサ52がONからOFFになった時)に、下流側下部切換コンベヤ14が所定の駆動量で駆動されることで、揺動装置が下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させても構わない。すなわち、物品90の検出を開始した物品検出センサ52が物品90の検出を終了した後に、下流側下部切換コンベヤ14の駆動量を検出し、又は所定時間が経過することで、揺動装置が下流側上部切換コンベヤ13を下方向に揺動させても構わない。
本実施の形態においては、搬送経路切換装置10が、上流側上部コンベヤ81又は上流側下部コンベヤ82によって搬送されてきた物品90の搬送経路を切り換えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、搬送経路切換装置10を、上流側下部コンベヤ82によって搬送されてきた物品90の搬送経路のみを切り換えるように構成しても構わない。すなわち、上流側上部コンベヤ81を有さない設備においては、搬送経路切換装置10を上流側上部切換コンベヤ11を有さない構成としても構わない。
本実施の形態においては、高さ検出センサ51が、上流側下部切換コンベヤ12により搬送される物品90の高さを検出するセンサであるが、これに限定されるものではなく、例えば、高さ検出センサ51を上流側下部切換コンベヤ12と下流側下部切換コンベヤ14との境界に配置して、上流側下部切換コンベヤ12から下流側下部切換コンベヤ14に移送される物品90の高さを検出するように構成しても構わない。また、高さ検出センサ51を上流側下部コンベヤ82と上流側下部切換コンベヤ12との境界に配置して、上流側下部コンベヤ82から上流側下部切換コンベヤ12に移送される物品90の高さを検出するように構成しても構わない。
本実施の形態においては、上流側下部切換コンベヤ12により搬送される物品90の高さを高さ検出センサ51により実際に検出しているが、これに限定されるものではなく、物品90の高さ等の情報を付与したタグを物品90毎に事前に付し、付与した当該情報に基づいて物品90の高さを管理して制御する構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0031】
10 搬送経路切換装置
12 上流側下部切換コンベヤ
13 下流側上部切換コンベヤ
14 下流側下部切換コンベヤ
20 第1揺動装置(揺動装置)
30 第2揺動装置(揺動装置)
40 第3揺動装置(揺動装置)
51 高さ検出センサ(高さ検出手段)
52 物品検出センサ(被搬送物検出手段)
82 上流側下部コンベヤ(上流側コンベヤ)
83 下流側上部コンベヤ
84 下流側下部コンベヤ
90 物品(被搬送物)
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6