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  • 特許-電源装置及びその取付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】電源装置及びその取付方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20220906BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20220906BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220906BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220906BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H05K7/12 S
H01M50/244 Z
H02J7/34 G
H02J9/06 120
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021208844
(22)【出願日】2021-12-23
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 克文
(72)【発明者】
【氏名】鯨井 良和
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-181467(JP,A)
【文献】中国実用新案第212784243(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
H05K 7/12
H01M 50/244
H02J 7/34
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面金具と、
前記背面金具に固定されて前方に延びるアーム金具と、
それぞれコンバータ部を収納して前記アーム金具に固定される2台の装置筐体と、を備え、
前記2台の装置筐体は、前記アーム金具を挟むように水平方向に対向して配置されて上方から前記アーム金具に固定されてい
電源装置。
【請求項2】
前記アーム金具は、上下方向に間隔をあけて配置される第一引っ掛かり部および第二引っ掛かり部を有し、
それぞれの前記装置筐体は、他方の装置筐体に対向する取付面に、
上部に配置されて前記第一引っ掛かり部に引っ掛かる第一フックと、
下部に配置されて前記第二引っ掛かり部に引っ掛かる第二フックと、を有する
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
それぞれの前記装置筐体は、前記取付面と反対側に意匠面を有する
請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
それぞれの前記装置筐体は、前記取付面がラジエータ面であり、他方の装置筐体のラジエータ面と水平方向に離れて配置される
請求項2または請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
背面金具から前方に延びるアーム金具が上下方向に間隔をあけて有する第一引っ掛かり部および第二引っ掛かり部に、コンバータ部を収納する装置筐体を取り付ける方法であって
前記装置筐体の下部に配置された第二フックを、前記第二引っ掛かり部に引っ掛け、
前記装置筐体の上部に配置された第一フックを、あそびを有する状態で前記第一引っ掛かり部に引っ掛け、
前記装置筐体を固定時の姿勢にして、前記アーム金具の上方から、前記装置筐体を前記アーム金具に固定する
取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、電源装置及びその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、屋外に設置される電源装置用キャビネットを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6562146号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話基地局には、交流入力電力から整流した直流電力を、負荷としての無線機へ供給する直流電源装置が用いられる。こうした基地局を、電柱やビル屋上などの屋外かつ高所に取り付ける場合、直流電源装置の取付性が良好であることが求められる。第5世代移動通信システム(いわゆる「5G」)においては、多くの基地局が高所に設置されることが見込まれている。
【0005】
直流電源装置には、並列冗長運転ができるように、例えば2台のコンバータ(電源装置)が用いられる。平常時は、2台の電源装置で負荷への電力供給を分担し、いずれか一方が故障した際は、他方で負荷への電力供給を担う。故障した電源装置は、作業員によって交換される。
【0006】
本発明の一態様は、取付性およびメンテナンス性が良好な電源装置及びその取付方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電源装置は、背面金具と、前記背面金具に固定されて前方に延びるアーム金具と、それぞれコンバータ部を収納して前記アーム金具に固定される2台の装置筐体と、を備える。前記2台の装置筐体は、前記アーム金具を挟むように水平方向に対向して配置されて上方から前記アーム金具に固定される。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、取付性およびメンテナンス性が良好な電源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】直流電源装置を示す前面の斜視図である。
図2】2台の装置筐体、アーム金具、および背面金具を示す斜視図である。
図3】1台の装置筐体の取付面を示す斜視図である。
図4】アーム金具に1台目の装置筐体を取り付ける様子を示す斜視図である。
図5】アーム金具に固定された1台目の装置筐体を示す斜視図である。
図6】アーム金具に2台目の装置筐体を取り付ける様子を示す斜視図である。
図7】アーム金具に2台の装置筐体が固定された様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本発明の実施形態に係る電源装置及びその取付方法の、概要を説明する。
【0011】
電源装置は、背面金具と、前記背面金具に固定されて前方に延びるアーム金具と、それぞれコンバータ部を収納して前記アーム金具に固定される2台の装置筐体と、を備える。前記2台の装置筐体は、前記アーム金具を挟むように水平方向に対向して配置されて上方から前記アーム金具に固定される。
【0012】
電柱などの高所に電源装置を取り付ける作業は、作業員一人で実施されることが望まれる。立ち位置や動作が制限された状態で作業を行う作業員でも、安全・確実に取り付けられるような良好な取付性が電源装置には求められる。作業員は、電柱に対向した立ち位置で、電柱に取り付けられた金具に対し、電源装置の背面を取り付ける。その際、作業員にとって、電源装置の背面は視認しにくいこと、手が届かないこと、などの作業上の課題が想定される。
【0013】
上記構成の電源装置によれば、1個の背面金具にアーム金具を介して2台の装置筐体を固定できる。これら背面金具、アーム金具、2台の装置筐体は、地上などの作業しやすい環境で組み立てられてもよい。高所では、電柱に取り付けられた金具に対して背面金具を取り付ける作業を1回行うことで、2台の装置筐体を取り付けることができるため、効率が良い。2台の装置筐体は、背面金具から前方に延びるアーム金具に、上方から固定される。そのため、故障発生時に、作業員は電源装置の背面側にアクセスする必要がなく、アーム金具の上方から比較的容易に装置筐体を取り外すことができる。なお、電源装置は、直流電力を出力するものであってもよいし、交流電力を出力するものであってもよい。
【0014】
前記アーム金具は、上下方向に間隔をあけて配置される第一引っ掛かり部および第二引っ掛かり部を有してもよい。それぞれの前記装置筐体は、他方の装置筐体に対向する取付面に、上部に配置されて前記第一引っ掛かり部に引っ掛かる第一フックと、下部に配置されて前記第二引っ掛かり部に引っ掛かる第二フックと、を有してもよい。
【0015】
上記構成によれば、第二フックを下側の第二引っ掛かり部に引っ掛け、第一フックを上側の第一引っ掛かり部に引っ掛けることで、装置筐体の上下方向の位置が定まり、かつ、装置筐体が落下する可能性を低減できる。そのため、故障発生時に交換用の装置筐体を、高所で前方に延びているアーム金具に取り付ける作業を、作業員は安全に行うことができる。
【0016】
取付方法は、背面金具から前方に延びるアーム金具が上下方向に間隔をあけて有する第一引っ掛かり部および第二引っ掛かり部に、コンバータ部を収納する装置筐体を取り付ける。取付方法は、前記装置筐体の下部に配置された第二フックを、前記第二引っ掛かり部に引っ掛け、前記装置筐体の上部に配置された第一フックを、あそびを有する状態で前記第一引っ掛かり部に引っ掛け、前記装置筐体を固定時の姿勢にして、前記アーム金具の上方から、前記装置筐体を前記アーム金具に固定する。
【0017】
上記の取付方法によれば、第二フックを下側の第二引っ掛かり部に引っ掛け、第一フックを上側の第一引っ掛かり部に引っ掛けることで、装置筐体が落下する可能性を低減できる。その状態で作業員は、一方の手で装置筐体を支持して固定時の姿勢にし、他方の手でアーム金具の上方から、装置筐体をアーム金具に容易に固定(例えば、ねじ止め)できる。取り外し時には、作業員がねじやボルトを外してアーム金具と装置筐体との固定を解除すると、アーム金具と第一フックとの間のあそびを利用して、固定時の姿勢から装置筐体をやや傾けることができる。そのため、装置筐体の取り外しも容易に行えて、メンテナンス性が良好となる。
【0018】
以下、図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。図1は、携帯電話基地局向けの直流電源装置100を前面から見た図、図2は組み立てられた2台の装置筐体31,31を固定する背面金具40を示す図である。
【0019】
図1に示すように、直流電源装置100は、上下方向に間隔をあけて配置されてそれぞれ水平方向に延びる第一金具10および第二金具20と、交流入力電力を整流して直流電力を出力する電源装置30と、非常時に電源装置30に代わって直流電力を出力する蓄電池箱50と、を備える。第一金具10および第二金具20は、電柱などのポールに取り付けられてもよいし、無線機架台に取り付けられてもよい。本明細書における「水平方向」は、完全な水平方向からやや傾いた方向もその意味に含む。
【0020】
電源装置30は、装置筐体31内に、AC/DCコンバータ部を収納している。電源装置30は、商用交流電源を受け無線機等の負荷設備に対し、直流電力を供給する。本実施形態では、並列冗長運転ができるように、2台の電源装置30,30が用いられている。平常時は、2台の電源装置30,30で負荷への電力供給を分担し、いずれか一方が故障した際は、他方で負荷への電力供給を担う。そのため、負荷への電力供給を切断せずに、1台の電源装置30を交換することができる。電源装置30の台数は、2台に限定はされない。
【0021】
蓄電池箱50は、筐体51内に、複数の単電池を直列ないし並列に接続した組電池を収納している。本実施形態では、単電池として、リチウムイオン電池セルが用いられ、組電池はそれら複数のリチウムイオン電池セルを管理する電池管理システム(BMS)を有して電池パックとして構成されている。
【0022】
なお本明細書において、電源装置30や蓄電池箱50の、第一金具10および第二金具20に近い面(対向する面)を背面と呼び、背面の反対側の面を前面と呼ぶ。2台の電源装置30,30は、その背面に配置されて第一金具10および第二金具20に架け渡される1個の背面金具40を有する。
【0023】
図2に示すように、背面金具40に、2台の電源装置30,30の装置筐体31,31は固定されている。背面金具40は、図1に示した第一金具10および第二金具20にそれぞれ引っ掛かる、第一背面フック41と第二背面フック42とを有する。
【0024】
背面金具40は、上下方向に延びる背板45と、背板45の上部に設けられて電源装置30から離れるように延びた天板44とを有する。天板44の先端に、第一背面フック41が設けられている。天板44には、固定ボルト46aが貫通する貫通孔が設けられ、天板44の下側には、ボルト固定板47が配置される。背板45の下部に、第二背面フック42が設けられている。
【0025】
背板45に固定された、上面視ほぼL字形の第一アーム金具48および第二アーム金具49に、2台の装置筐体31,31が水平方向に対向した姿勢で取り付けられている。本実施形態では、背板45とは別体に形成されたアーム金具48,49が、背板45にボルト止めされているが、代替的に、アーム金具は背板45と一体成形されていてもよい。本実施形態では、上下方向に離れた第一および第二アーム金具48,49が用いられているが、代替的に、単一のアーム金具が用いられてもよい。
【0026】
図3は、1台の装置筐体31の取付面33に第一取付金具35および第二取付金具36が固定される様子を示す。本実施形態では、取付面33がラジエータ面(放熱フィンが設けられた面)になっており、取付面33の反対側はロゴ等が装飾された意匠面32になっている。取付面33の上部に、ブラケット状の第一取付金具35が、ねじ37と絶縁ブッシュ38,39とを介して固定される。取付面33の下部に、ブラケット状の第二取付金具36が、ねじ37と絶縁ブッシュ38,39とを介して固定される。
【0027】
第一取付金具35は、装置筐体31の取付面33から水平方向に突出する1個ないし複数(本実施形態では2個)のフランジ35b,35bと、少なくともいずれかのフランジ35bの先端に設けられた第一フック35aとを有する。本実施形態では、第一フック35aは、フランジ35bの端部を折り曲げたような形状を有し、フランジ35bから下方に向かって延びている。フランジ35bには、後述するねじが貫通する貫通孔が設けられている。
【0028】
第二取付金具36は、装置筐体31の取付面33から斜め下方向に突出する1個ないし複数(本実施形態では2個)の第二フック36aを有する。
【0029】
図4に示すように、第一アーム金具48および第二アーム金具49は、上下方向に間隔をあけて背面金具40に固定されて、装置筐体31の取付面33に平行に前方に延びる。第一アーム金具48は、上フランジ48aと下フランジ48bとを有し、第二アーム金具49は、上フランジ49aと下フランジ49bとを有する。本実施形態では、これら上フランジ48a,49aおよび下フランジ48b,49bが、アーム金具の長手方向に沿って連続的に設けられているが、間欠的にアーム金具に設けられてもよい。
【0030】
本実施形態では、第一アーム金具48の上フランジ48aの、取付面33から水平方向に突出した先端が、第一フック35aが引っ掛かる第一引っ掛かり部として機能する。図示しないが、第一アーム金具48の、上フランジ48aと下フランジ48bとを接続する側板に設けられた孔や切り欠きが、第一引っ掛かり部として機能してもよい。
【0031】
本実施形態では、第二アーム金具49の、下フランジ49bと側板との接続部分に形成されたスリット49cが、第二フック36aが引っ掛かる第二引っ掛かり部として機能する。図示しないが、第二アーム金具49の、側板に設けられた孔や切り欠きが、第二引っ掛かり部として機能してもよい。
【0032】
装置筐体31を、第一アーム金具48および第二アーム金具49に取り付ける方法は、以下のとおりである。
(1)装置筐体31をやや傾けた状態で、装置筐体31の下部に配置された第二フック36aを、第二アーム金具49の側板の貫通孔に挿入し、さらに第二引っ掛かり部(スリット49c)に引っ掛ける(挿入する)。
(2)装置筐体31の上部に配置された第一フック35aを、あそびを有する状態で第一引っ掛かり部(上フランジ48aの先端)に引っ掛ける。
(3)装置筐体31を、固定時の姿勢にして、第一アーム金具48の上方から、装置筐体31を第一アーム金具48に固定する。本実施形態では、第一アーム金具48の上フランジ48a上に配置された、第一取付金具35のフランジ35bを、ねじ46bにより上フランジ48aに固定する。
【0033】
第一フック35aが設けられたフランジ35bの下面の幅寸法は、第一アーム金具48の上フランジ48aの幅寸法よりも大きく設定されている。そのため、上記のステップ(2)において、第一フック35aを、あそびを有する状態で第一引っ掛かり部に引っ掛けることができる。この状態では、装置筐体31は、下側の第二フック36aとスリット49cとの接触ポイントを中心として、第一アーム金具48の側板に平行な姿勢と、やや傾いた姿勢との間でかすかに傾動可能である。次に上記のステップ(3)において、作業員は、例えば、一方の手で装置筐体31を支持して固定時の姿勢(第一アーム金具48の側板に平行な姿勢)にし、他方の手で第一アーム金具48の上方からフランジ35bを第一アーム金具48の上フランジ48aにねじ止めする。なお、一方の手で支持しなくても装置筐体31が固定時の姿勢かそれに近い姿勢をとっている場合は、一方の手で装置筐体31を支持なくてもよい。
【0034】
図5に示す装置筐体31の固定状態で、第一フック35aと第一アーム金具48の上フランジ48aの先端(第一引っ掛かり部)との間にかすかな隙間が形成されるように、寸法設定されている。図5右下の拡大斜視図に示すように、スリット49c(第二引っ掛かり部)の右半分に第二フック36aが挿入されるように、寸法設定されている。
【0035】
図6を参照して、2台目の装置筐体31を第一アーム金具48および第二アーム金具49に取り付ける方法を説明する。2台目の装置筐体の取付面に、1台目のときと同様に、第一取付金具35および第二取付金具36を取り付ける。部品共通化によるコスト削減、組立性向上のために、1台目のときに用いたものと同じ形状・寸法の第一取付金具35および第二取付金具36を用いることが好ましい。
【0036】
1台目(図6右側)の装置筐体31に取り付けられた第一取付金具35の第一フック35aは、第一アーム金具48の先端側に位置し、2台目(図6左側)の装置筐体31に取り付けられた第一取付金具35の第一フック35aは、1台目のときとは反対側を向くため、第一アーム金具48の根元側に配置される。そのため、2台目の第一フック35aは、1台目の第一フック35aと干渉しない。
【0037】
2台目の装置筐体31の第一フック35aは、第一アーム金具48の上フランジ48aと側板との接続部分のコーナーに、あそびを有する状態で引っ掛かり、フランジ35bが、ねじ46bにより上フランジ48aに固定される。
【0038】
2台目の装置筐体31に取り付けられた第二取付金具36の第二フック36aは、第二アーム金具49の、下フランジ49bと側板との接続部分に形成されたスリット49cに引っ掛かる。具体的には、スリット49cの、残されている左半分に、2台目の装置筐体31の第二フック36aは挿入される。
【0039】
図7に示す、アーム金具に2台の装置筐体31が取り付けられた状態で、それぞれの装置筐体31は、取付面と反対側に意匠面を有する。非意匠面である取付面が露出しないため、外観が良好である。
【0040】
それぞれの装置筐体31は、取付面がラジエータ面であり、他方の装置筐体31のラジエータ面と接触せずに、水平方向に離れて配置される。第一アーム金具48および第二アーム金具49の介在により、2台の装置筐体31,31のラジエータ面の間に上昇気流が通過可能な流路が形成されている。そのため、放熱性が良好である。
【0041】
図7に示す状態で、左から2番目の電源装置が故障した場合、作業員はまず上方からねじ46bにアクセスし、図示しない工具でねじ46bを取り外す。すると、下側の第二フック36aとスリット49cとの接触ポイントを中心として、装置筐体31を傾けることが可能になる。装置筐体31をやや傾けた状態で、作業員は装置筐体31を上方に持ち上げることで、下側の第二フック36aをスリット49cから引き抜いて、そのまま装置筐体31を上方に引き抜くことができる。図1に示すように蓄電池箱50が隣接する場合も、同様にして、左から2番目の装置筐体31を引き抜くことができる。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
実施形態では、携帯電話基地局向けの直流電源装置を説明したが、その他の用途の電源装置、蓄電池箱、直流電源装置にも、本発明を適用して取付作業を効率化できる。特に、多くの台数の電源装置や蓄電池箱を各所に設置するような用途に、本発明を適用することが好ましい。
【0043】
実施形態では、アーム金具が、上フランジ、下フランジ、およびそれらをつなぐ側板を有する断面コ字状である例を説明した。代替的に、アーム金具は、上フランジ、下フランジ、およびそれらをつなぐ一対の側板を有する断面ロ字状であってもよい。この場合、第二アーム金具の一対の側板に適宜、下フック36aを挿通させる貫通孔が形成される。
【0044】
実施形態では、上部取付金具35のフランジ35bを、第一アーム金具48の上フランジ48a上に配置する例を説明した。代替的に、フランジ35bを、第一アーム金具48の下フランジ48b上に配置してもよい。この場合、第一アーム金具48の上フランジ48aに適宜、上方からの工具の挿入を可能とする貫通孔が形成される。
【符号の説明】
【0045】
30 電源装置
31 装置筐体
40 背面金具
48 第一アーム金具(アーム金具)
49 第二アーム金具(アーム金具)
【要約】      (修正有)
【課題】取付性およびメンテナンス性が良好な電源装置及びその取付方法を提供する。
【解決手段】電源装置30は、背面金具40と、背面金具40に固定されて前方に延びるアーム金具48,49と、それぞれコンバータ部を収納してアーム金具48,49に固定される2台の装置筐体31,31と、を備える。2台の装置筐体31,31は、アーム金具48,49を挟むように水平方向に対向して配置されて上方からアーム金具48に固定される。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7