(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】流体処理装置、流体処理方法、化粧水用水、化粧水及び化粧品
(51)【国際特許分類】
F28F 9/26 20060101AFI20220906BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20220906BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220906BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20220906BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F28F9/26
F28D9/00
A61K8/19
A61K8/67
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020080158
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2021-02-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 https://monipla.jp/philtech/ 令和1年6月14日 https://www.philtech.co.jp/skinwater/ 令和1年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】305054854
【氏名又は名称】株式会社フィルテック
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古村 雄二
(72)【発明者】
【氏名】西原 晋治
(72)【発明者】
【氏名】今井 悟
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 彩子
(72)【発明者】
【氏名】拝形 英里
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-096792(JP,A)
【文献】特開2015-114033(JP,A)
【文献】米国特許第06187301(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0120042(US,A1)
【文献】特開2013-235945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/26
F28D 9/00
A61K 8/19
A61K 8/67
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱交換部と、前記第1熱交換部の下流側に直接接続された第2熱交換部とを備える流体処理装置であって、
前記第1熱交換部は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された
水を含む原料流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れ、前記第1副流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、前記第2副流路を流れる前記
原料流体の流速が前記第1副流路を流れる前記
原料流体の流速より早くなるように構成された第1流路が設けられており、前記第1流路に導入された前記
原料流体を所定の温度に加熱する
とともに水蒸気を含む流体に変化させ、
前記第2熱交換部は、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、一方の端にある第3副流路に導入された
前記水蒸気を含む流体が前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れ、前記第3副流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、前記第4副流路を流れる前記
水蒸気を含む流体の流速が前記第3副流路を流れる前記
水蒸気を含む流体の流速より早くなるように構成された第2流路が設けられており、前記第2流路に導入された前記
水蒸気を含む流体を前記所定の温度から冷却する
とともに水を含む流体に変化させる
流体処理装置。
【請求項2】
前記第1副流路の断面積S1が前記第2副流路の断面積S2の2倍より大きいこと、及び前記第2副流路の長さL2が前記第1副流路の幅W1より長いこと、及び前記第2副流路の配置ピッチがその幅の2倍より大きいことが、同時に満足されているか、またはいずれかの組み合わせが満足されており、
前記第3副流路の断面積S3が前記第4副流路の断面積S4の2倍より大きいこと、及び前記第4副流路の長さL4が前記第3副流路の幅W3より長いこと、及び前記第4副流路の配置ピッチがその幅の2倍より大きいことが、同時に満足されているか、またはいずれかの組み合わせが満足されている
請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1基体及び前記第2基体は、それぞれ、板状、円筒状、円柱状、及び角柱状のいずれかの形状である請求項1または2に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第1熱交換部は、前記第1流路に導入された前記原料流体が前記第1熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記原料流体を500℃以上の温度に加熱するとともに前記水蒸気を含む流体に変化させ、
前記第2熱交換部は、前記第2流路に導入された前記水蒸気を含む流体が前記第2熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記水蒸気を含む流体を前記500℃以上の温度から冷却するとともに前記水を含む流体に変化させる
請求項1~3のいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
第1熱交換工程と、前記第1熱交換工程の後に行われる第2熱交換工程とを備える流体処理方法であって、
前記第1熱交換工程では、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された
水を含む原料流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れる第1流路が設けられた第1熱交換部に、前記第2副流路を流れる前記
原料流体の流速が前記第1副流路を流れる前記
原料流体の流速より早くなるように前記
原料流体を流し、前記
原料流体を前記第1副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第1流路に導入された前記
原料流体を所定の温度に加熱する
とともに水蒸気を含む流体に変化させ、
前記第2熱交換工程では、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、所定の温度に加熱された前記
水蒸気を含む流体が一方の端にある第3副流路に導入されて前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れる第2流路が設けられた第2熱交換部に、前記第4副流路を流れる前記
水蒸気を含む流体の流速が前記第3副流路を流れる前記
水蒸気を含む流体の流速より早くなるように前記
水蒸気を含む流体を流し、前記
水蒸気を含む流体を前記第3副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第2流路に導入された前記
水蒸気を含む流体を前記所定の温度から冷却する
とともに水を含む流体に変化させる
流体処理方法。
【請求項6】
前記第1熱交換工程において、前記第1流路に導入された前記原料流体が前記第1熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記原料流体を500℃以上の温度に加熱するとともに前記水蒸気を含む流体に変化させ、
前記第2熱交換工程において、前記第2流路に導入された前記水蒸気を含む流体が前記第2熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記水蒸気を含む流体を前記500℃以上の温度から冷却するとともに前記水を含む流体に変化させる
請求項5に記載の流体処理方法。
【請求項7】
表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された
水を含む原料流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れる第1流路が設けられた第1熱交換部に、前記原料流体の前記第2副流路を流れる流速が前記第1副流路を流れる流速より早くなるように前記原料流体を流し、前記原料流体を前記第1副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第1流路に導入された前記原料流体を所定の温度に加熱
するとともに水蒸気を含む流体に変化させた後、
表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、所定の温度に加熱された前記
水蒸気を含む流体が一方の端にある第3副流路に導入されて前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れる第2流路が設けられた第2熱交換部に、前記
水蒸気を含む流体の前記第4副流路を流れる流速が前記第3副流路を流れる流速より早くなるように前記
水蒸気を含む流体を流し、前記
水蒸気を含む流体を前記第3副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第2流路に導入された前記
水蒸気を含む流体を前記所定の温度から冷却
するとともに水を含む流体に変化をさせて製造された、
化粧水用水。
【請求項8】
前記第1流路に導入された前記原料流体を所定の温度に加熱するとともに前記水蒸気を含む流体に変化させる際に、前記原料流体が前記第1熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記原料流体を500℃以上の温度に加熱するとともに前記水蒸気を含む流体に変化させ、
前記第2流路に導入された前記水蒸気を含む流体を前記所定の温度から冷却するとともに前記水を含む流体に変化をさせる際に、前記水蒸気を含む流体が前記第2熱交換部を通過するのに要する時間が1000ms以下で、前記水蒸気を含む流体を前記500℃以上の温度から冷却するとともに前記水を含む流体に変化させて、製造された、
請求項7に記載の化粧水用水。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載の化粧水用水と、
抗菌物質と
を含む化粧水。
【請求項10】
請求項
7又は8に記載の化粧水用水又は請求項9に記載の化粧水と、
ビタミンCとを含み、
ゲル状である
化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を加熱処理及び冷却処理する流体処理装置、流体処理方法、それにより製造された化粧水用水、化粧水及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換装置として流体を加熱する装置があり、例えば加熱したパイプにガスを通じて加熱する構造の熱交換装置が知られている。また、例えばフィンのついたパイプに加熱流体を流し、そのフィンの間に加熱しようとするガスを通じてガスを加熱する構造の熱交換装置が知られている。
【0003】
上記の熱交換装置は、ガスの加熱だけでなく、液体の加熱、あるいは液体の加熱による気化(例えば水から蒸気の作製)等にも使用される。
【0004】
特許文献1には、基体に形成された複数段の第1の流路と、第1の流路に連通する複数の第2の流路を有する熱交換器が記載されている。
【0005】
特許文献2には、柱の側面に周溝を複数段設け、隣り合う周溝のそれぞれに周溝同士を連結する連結溝を複数設けた流体の加熱装置が記載されている。
【0006】
特許文献3には、プレートの表裏両面にタブを複数段設け、片面の一つのタブが反対面のタブと重なる部分があり、重なり部分で両面タブを連結する孔が設けられた流体熱交換装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5932757号公報
【文献】特許第5955089号公報
【文献】特許第6115959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の熱交換装置を用いた流体処理装置及び流体処理方法において、加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが望まれている。
【0009】
本発明は、加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが可能な流体処理装置及び流体処理方法、それによって製造された化粧水用水、化粧水及び化粧品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の流体処理装置は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れ、前記第1副流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、前記第2副流路を流れる前記流体の流速が前記第1副流路を流れる前記流体の流速より早くなるように構成された第1流路が設けられており、前記第1流路に導入された前記流体を所定の温度に加熱する、第1熱交換部と、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、一方の端にある第3副流路に導入された流体が前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れ、前記第3副流路の壁と垂直に衝突することにより熱交換を行い、前記第4副流路を流れる前記流体の流速が前記第3副流路を流れる前記流体の流速より早くなるように構成された第2流路が設けられており、前記第2流路に導入された前記流体を前記所定の温度から冷却する、前記第1熱交換部の下流側に直接接続された第2熱交換部とを備える。
【0011】
本発明の流体処理方法は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れる第1流路が設けられた第1熱交換部に、前記第2副流路を流れる前記流体の流速が前記第1副流路を流れる前記流体の流速より早くなるように前記流体を流し、前記流体を前記第1副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第1流路に導入された前記流体を所定の温度に加熱する第1熱交換工程と、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、所定の温度に加熱された前記流体が一方の端にある第3副流路に導入されて前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れる第2流路が設けられた第2熱交換部に、前記第4副流路を流れる前記流体の流速が前記第3副流路を流れる前記流体の流速より早くなるように前記流体を流し、前記流体を前記第3副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第2流路に導入された前記流体を前記所定の温度から冷却する、前記第1熱交換工程の後に行われる第2熱交換工程とを備える。
【0012】
本発明の化粧水用水は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と前記第1基体に積層された第1密閉板とを有し、前記第1基体の前記第1基体凹部の表面と前記第1密閉板の前記第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う前記第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含み、一方の端にある第1副流路に導入された水または水蒸気を含む原料流体が前記第1副流路と前記第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れる第1流路が設けられた第1熱交換部に、前記原料流体の前記第2副流路を流れる流速が前記第1副流路を流れる流速より早くなるように前記原料流体を流し、前記原料流体を前記第1副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第1流路に導入された前記原料流体を所定の温度に加熱した後、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と前記第2基体に積層された第2密閉板とを有し、前記第2基体の前記第2基体凹部の表面と前記第2密閉板の前記第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と前記第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う前記第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含み、所定の温度に加熱された前記原料流体が一方の端にある第3副流路に導入されて前記第3副流路と前記第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れる第2流路が設けられた第2熱交換部に、前記原料流体の前記第4副流路を流れる流速が前記第3副流路を流れる流速より早くなるように前記原料流体を流し、前記原料流体を前記第3副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、前記第2流路に導入された前記原料流体を前記所定の温度から冷却して製造されたものである。
【0013】
本発明の化粧水は、上記の化粧水用水と、抗菌物質とを含む。
【0014】
本発明の化粧品は、上記の化粧水用水又は上記の化粧水と、ビタミンCとを含み、ゲル状である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1流路に導入された流体を所定の温度に加熱する第1熱交換部と、第2流路に導入された流体を所定の温度から冷却する、第1熱交換部の下流側に直接接続された第2熱交換部とを有する構成の流体処理装置により、流体の加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが可能である。
【0016】
本発明によれば、第1流路に導入された流体を所定の温度に加熱する第1熱交換工程と、第2流路に導入された流体を前記所定の温度から冷却する、第1熱交換工程の後に行われる第2熱交換工程とを有する流体処理方法により、流体の加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが可能である。
【0017】
本発明によれば、第1熱交換部の第1流路に導入された水または水蒸気を含む原料流体を所定の温度に加熱した後、第2熱交換部の第2流路に導入された原料流体を所定の温度から冷却して製造された化粧水用水を提供できる。加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが可能な流体処理装置及び流体処理方法によって製造された化粧水用水を提供できる。この化粧水用水を用いて、化粧水並びに化粧品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は
図1の流体処理装置の第1熱交換部の第1流路を示す模式図である。
【
図3】
図3は
図1の流体処理装置の第1熱交換部の第1副流路を示す模式図である。
【
図4】
図4は
図1の流体処理装置の第1熱交換部の第2副流路を示す模式図である。
【
図5】
図5は
図1の流体処理装置の第2熱交換部の第2流路を示す模式図である。
【
図6】
図6は
図1の流体処理装置の第2熱交換部の第3副流路を示す模式図である。
【
図7】
図7は
図1の流体処理装置の第2熱交換部の第4副流路を示す模式図である。
【
図8】
図8は第1実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図であり、
図8(A)は第1熱交換部のZZ断面の平面図を示し、
図8(B)は第1熱交換部のYY断面図を示し、
図8(C)は第1熱交換部のXX断面図を示す。
【
図9】
図9は第2実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は第3実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式断面図である。
【
図11】
図11は第4実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する形態はあくまで例示であり、当業者にとって自明な範囲で適宜修正することができる。
【0020】
<第1実施形態>
(流体処理装置の構成)
図1は本実施形態に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、流体処理装置1は、第1流路P1に導入された流体を所定の温度に加熱する第1熱交換部10と、第2流路P2に導入された流体を所定の温度から冷却する、第1熱交換部10の下流側に直接接続された第2熱交換部20とを有する。
【0021】
第1熱交換部10は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と、第1基体に積層された第1密閉板とを有する。第1基体の第1基体凹部の表面と第1密閉板の第1基体側の表面との間に第1流路P1が設けられている。第1流路P1は、第1の方向に伸びる複数の第1副流路SP1と、第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う第1副流路SP1を連通する複数の第2副流路SP2とを含む。流体F1が導入路30から一方の端にある第1副流路SP1に導入されると、第1副流路SP1と第2副流路SP2とを経由して他方の端にある第1副流路SP1まで流れる。第1基体は所定の温度に保持されており、流体F1が第1流路P1を流れる際に第1副流路SP1の壁と垂直に衝突することにより、流体F1と第1副流路SP1の壁との間で熱交換が行われる。垂直に衝突すると、熱伝達の抵抗となる淀み層ができない、あるいは薄くなる。流体F1と第1副流路SP1の壁との熱交換は複数回行われ、第1熱交換部10で熱交換処理がされて所定の温度に加熱された流体F2が導出路31Aから導出される。第2副流路SP2を流れる流体の流速は、第1副流路SP1を流れる流体の流速より早くなるように構成されている。
【0022】
第2熱交換部20は、上記の第1熱交換部10と同様な構成を有し、流体を所定の温度から冷却する。第2熱交換部20は、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と、第2基体に積層された第2密閉板とを有する。第2基体の第2基体凹部の表面と第2密閉板の第2基体側の表面との間に第2流路P2が設けられている。第2流路P2は、第3の方向に伸びる複数の第3副流路SP3と、第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う第3副流路SP3を連通する複数の第4副流路SP4とを含む。第1熱交換部10の導出路31Aは、第2熱交換部20の導入路31Bに接続されている。流体F2が導入路31Bから一方の端にある第3副流路SP3に導入されると、第3副流路SP3と第4副流路SP4とを経由して他方の端にある第3副流路SP3まで流れる。第2基体は、流体が第1熱交換部10で加熱された温度より低い温度に保持されており、流体F2が第2流路P2を流れる際に第3副流路SP3の壁と垂直に衝突することにより、流体F2と第3副流路SP3の壁との間で熱交換が行われる。垂直に衝突すると、熱伝達の抵抗となる淀み層ができない、あるいは薄くなる。流体F2と第3副流路SP3の壁との熱交換は複数回行われ、第2熱交換部20で熱交換処理がされて所定の温度から冷却された流体F3が導出路32から導出される。冷却された流体F3は、例えばガスから凝縮して液体40となって回収される。第4副流路SP4を流れる流体の流速は、第3副流路SP3を流れる流体の流速より早くなるように構成されている。
【0023】
第1基体及び第1密閉板の少なくともいずれか一方には、流体と熱交換する上記の第1副流路SP1の壁が所定の温度となるように、ヒーター等の不図示の第1温度調節部が設けられている。第1温度調節部により、第1副流路SP1の壁を含む第1熱交換部10は、例えば100℃~1000℃から適宜選択された所定の温度に設定可能となっている。同様に、第2基体及び第2密閉板の少なくともいずれか一方には、流体と熱交換する上記の第3副流路SP3の壁が第1副流路SP1の壁の温度より低い温度となるように、冷却器あるいはヒーター等の不図示の第2温度調節部が設けられている。第2温度調節部により、第3副流路SP3の壁を含む第2熱交換部20は、第2熱交換部20の温度が第1熱交換部10の温度より低くなる範囲で、例えば0℃~100℃から選択された所定の温度に設定可能となっている。
【0024】
図2は
図1の流体処理装置1の第1熱交換部10の第1流路P1を示す模式図である。第1流路P1は、複数の第1副流路SP1と、隣り合う第1副流路SP1を連通する複数の第2副流路SP2とを含む。流体F1は、第1流路P1を流れる際に、第1副流路SP1を流れ、第1副流路SP1から第2副流路SP2に流れ込み、第2副流路SP2から第1副流路SP1に流れ出る。このとき、流体F1が第1副流路SP1の壁と垂直に衝突し、流体F1と第1副流路SP1の壁との間で熱交換が行われる。第1副流路SP1は、上流側の第2副流路SP2から下流側の第2副流路SP2までの長さを第1副流路SP1の長さL1とし、幅W1で形成されている。また、第2副流路SP2は、上流側の第1副流路SP1から下流側の第1副流路SP1までの長さを第2副流路SP2の長さL2とし、幅W2で形成されている。隣り合う第1副流路SP1同士の距離は第2副流路SP2の長さL2に相当する。第2副流路SP2のピッチは(L1+W2)の2倍に相当する。
【0025】
図3は
図1の流体処理装置1の第1熱交換部10の第1副流路SP1を示す模式図である。第1副流路SP1は、例えば断面積がS1である断面形状が矩形の形状を有する。
【0026】
図4は
図1の流体処理装置1の第1熱交換部10の第2副流路SP2を示す模式図である。第2副流路SP2は、例えば断面積がS2である断面形状が矩形の形状を有する。
【0027】
本実施形態の流体処理装置1は、第1副流路SP1の断面積S1が第2副流路SP2の断面積S2の2倍より大きいこと、及び第2副流路SP2の長さL2が第1副流路のSP1幅W1より長いこと、及び第2副流路SP2の配置ピッチPT2が第2副流路SP2の幅W2の2倍より大きいことが、同時に満足されているか、またはいずれかの組み合わせが満足されていることが好ましい。
【0028】
図5は
図1の流体処理装置1の第2熱交換部20の第2流路P2を示す模式図である。第2流路P2は、複数の第3副流路SP3と、隣り合う第3副流路SP3を連通する複数の第4副流路SP4とを含む。第1熱交換部10から流されてきた流体F2は、第2流路P2を流れる際に、第3副流路SP3を流れ、第3副流路SP3から第4副流路SP4に流れ込み、第4副流路SP4から第3副流路SP3に流れ出る。このとき、流体F2が第3副流路SP3の壁と垂直に衝突し、流体F2と第3副流路SP3の壁との間で熱交換が行われる。第3副流路SP3は、上流側の第4副流路SP4から下流側の第4副流路SP4までの長さを第3副流路SP3の長さL3とし、幅W3で形成されている。また、第4副流路SP4は、上流側の第3副流路SP3から下流側の第3副流路SP3までの長さを第4副流路SP4の長さL4とし、幅W4で形成されている。隣り合う第3副流路SP3同士の距離は第4副流路SP4の長さL4に相当する。第4副流路SP4のピッチは(L3+W4)の2倍に相当する。
【0029】
図6は
図1の流体処理装置1の第2熱交換部20の第3副流路SP3を示す模式図である。第3副流路SP3は、断面積がS3である断面形状が矩形の形状を有する。
【0030】
図7は
図1の流体処理装置1の第2熱交換部20の第4副流路SP4を示す模式図である。第4副流路SP4は、断面積がS4である断面形状が矩形の形状を有する。
【0031】
本実施形態の流体処理装置1は、第3副流路SP3の断面積S3が第4副流路SP4の断面積S4の2倍より大きいこと、及び第4副流路SP4の長さL4が第3副流路SP3の幅W3より長いこと、及び第4副流路SP4の配置ピッチPT4が第4副流路SP4の幅W4の2倍より大きいことが、同時に満足されているか、またはいずれかの組み合わせが満足されていることが好ましい。
【0032】
流体処理装置1で処理される流体は、処理中に液体からガスにあるいはガスから液体に物質の状態の変化を行ってもよい。例えば、流体は水または水蒸気である。例えば、第1熱交換部10において熱交換処理により水から水蒸気に気化して所定の温度に加熱され、続いて第2熱交換部20において熱交換処理により水蒸気から水に凝縮して所定の温度から冷却される構成であってもよい。流体が水または水蒸気の場合、第1熱交換部10では、例えば100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上、典型的には500℃以上の温度に加熱される。加熱に要する時間(流体が第1熱交換部を通過するのに要する時間)は例えば1000ms以下、典型的には200msである。また、第2熱交換部20では、例えば室温以下、典型的には20℃の温度に冷却する。冷却に要する時間(流体が第2熱交換部を通過するのに要する時間)は、例えば1000ms以下、典型的には200ms以下である。降温により水蒸気は凝縮して水になる。流体を水蒸気状態で利用する場合は、水蒸気状態を保てる温度への冷却であってもよい。
【0033】
流体処理装置1で処理される流体は、処理中に物質の状態の変化を伴わない流体であってもよい。例えば水蒸気として第1熱交換部10及び第2熱交換部20により熱交換処理がなされてもよい。
【0034】
流体処理装置1で処理される流体としては、上記の他、空気を含むガスであっても、水を含む液体であってもよい。酸素を含むガス、水素やギ酸を含むガスに適用可能である。
【0035】
本実施形態の流体処理装置1において、第1基体及び第2基体は、例えば、それぞれ、板状、円筒状、円柱状、及び角柱状のいずれかの形状である。第1基体及び第2基体の形状は、特に限定されるものではなく、様々な形状に適用可能である。
【0036】
本実施形態の流体処理装置1において、第1基体、第1密閉板、第2基体及び第2密閉板は、例えば、それぞれ、金属、グラファイト、セラミクス、プラスチック、複合材料、またはこれらの組み合わせで構成されている。複合材料は、例えば、金属、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンファイバーから選択された少なくとも1つと、プラスチックとが複合した材料である。上記の金属は、例えば繊維状金属である。このような材料で形成された第1熱交換部10及び第2熱交換部20により流体処理装置1が実現可能である。
【0037】
上記の第1基体、第1密閉板、第2基体及び第2密閉板は、板状の材料で形成されていてもよい。例えば、板状の材料を金型等で加工してチャネルやタブを整形し、複数枚張り合わせて接合して形成されていてもよい。材料として変形容易材料を選ぶと金型プレス加工による流路形成が可能である。金属板を選ぶと溶接や電気ウエルダーで接合させることが可能である。プラスチックであれば接着剤で接合させることが可能である。
【0038】
本実施形態の流体処理装置1と接触する周囲の材料や流体が腐食性であるとき、流体処理装置1の材料表面を樹脂でライニングすることや、塗装すること、またはめっきすることも可能である。また流体処理装置1の材料表面を酸化して酸化被膜で保護することも可能である。これらの材料から、流体や熱媒体との接触による腐食や減耗を防ぐ材料を選ぶことが可能であり、腐食性のある薬品や浸透性のある毒性ガスなどの流体の熱交換が可能である。
【0039】
板状の材料を接合する場合は、ネジ止めが可能である。板状の材料の接合には、ゴムパッキンやカーボンパッキン、その他のシールパッキンをいれることも可能である。また、板状の材料の接合には、接着剤を用いることも可能である。
【0040】
上記の第1熱交換部10及び第2熱交換部20は、例えば平面の形で示した単体である。あるいは、折り曲げて三角形や四角形、その他の多角形の筒の形状であってもよい。平面でなく丸い筒の形の板で作ることで円筒の形としてもよい。第1熱交換部10及び第2熱交換部20は、他の筒や板の表面に張り付けることも可能である。
【0041】
第1熱交換部10の導入路30及び第2熱交換部20の導出路32は、数や形状、取り付ける位置について自由に設計できる。第1熱交換部10の導出路31A及び第2熱交換部20の導入路31Bは、互いに接続可能な数、形状、取り付ける位置で形成されている。
【0042】
流体を加熱するために第1熱交換部10にヒーターを取り付けること、または加熱された媒体の中に置き加熱することも可能である。例えばボイラーの燃焼効率を高めるために高温加熱した空気を導入することが有効であることが分かっている。この目的のために、例えば第1熱交換部10をボイラーの燃焼室や排気配管に接触させるか、またはその中に置き加熱し、これを介して加熱空気を導入するとよい。
【0043】
また、第1熱交換部で加熱された温度よりも低い温度に流体を冷却するために、第2熱交換部20に冷却部またはヒーターを取り付けること、または冷却あるいは加熱された媒体の中に置き、冷却あるいは加熱することも可能である。流体を冷却するために、例えば第2熱交換部20に冷却媒体を接触させること、または低温の媒体の中に置き冷却することも可能である。例えば、第1熱交換部10からの高温ガスを流体として第1熱交換部10を通し、これを海水につけて冷却すると、効率よく高温ガスを冷却することが可能である。
【0044】
本実施形態の流体処理装置1において、流路の壁に垂直に流体が衝突する構造の設計指針は、装置が大きくても小さくても、または形に依存せずに適用できる。
【0045】
また、加工コストが許す範囲で高流速衝突が起きるように設計可能である。また流量を大きく設計するなら、関係を保ちながら流路断面積を加工コストに見合う範囲で大きくすると良い。
【0046】
本実施形態の流体処理装置1において、使用する温度や熱媒体環境、基体の切削加工コストに応じて材料を選ぶことができる。
【0047】
(流体処理方法)
次に、上記の流体処理装置1を用いた流体処理方法について説明する。まず、第1熱交換部10により第1流路P1に導入された流体を所定の温度に加熱する(第1熱交換工程)。
【0048】
上記の第1熱交換部10は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と第1基体に積層された第1密閉板とを有し、第1基体の第1基体凹部の表面と第1密閉板の第1基体側の表面との間に、第1の方向に伸びる複数の第1副流路SP1と第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う第1副流路SP1を連通する複数の第2副流路SP2とを含む。
【0049】
一方の端にある第1副流路SP1に導入された流体が第1副流路SP1と第2副流路SP2とを経由して他方の端にある第1副流路SP1まで流れる第1流路P1が設けられた第1熱交換部10に、第2副流路SP2を流れる流体の流速が第1副流路SP1を流れる流体の流速より早くなるように流体を流す。これにより、流体を第1副流路SP1の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、第1流路P1に導入された流体を所定の温度に加熱する。
【0050】
次に、第1熱交換工程の後に、第2熱交換部20により第2流路P2に導入された流体を所定の温度から冷却する(第2熱交換工程)。
【0051】
上記の第2熱交換部20は、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と第2基体に積層された第2密閉板とを有し、第2基体の第2基体凹部の表面と第2密閉板の第2基体側の表面との間に、第3の方向に伸びる複数の第3副流路SP3と第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う第3副流路SP3を連通する複数の第4副流路SP4とを含む。
【0052】
所定の温度に加熱された流体が一方の端にある第3副流路SP3に導入されて第3副流路SP3と第4副流路SP4とを経由して他方の端にある第3副流路SP3まで流れる第2流路P2が設けられた第2熱交換部に、第4副流路SP4を流れる流体の流速が第3副流路SP3を流れる流体の流速より早くなるように流体を流す。これにより、流体を第3副流路SP3の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、第2流路P2に導入された流体を所定の温度から冷却する。
【0053】
(流体処理装置及び流体処理方法の作用・効果)
本実施形態の流体処理装置及び流体処理方法によれば、加熱処理及び冷却処理を連続して行うことが可能である。例えば流体が水の場合、瞬時に加熱及び冷却を施すことで、通常の蒸留水等では得ることが困難であった小さいサイズの水分子集団を得ることができる。
【0054】
ここでは1個の水分子を[H2O]と表記し、1つの水分子集団を「[H2O]n」と表記することにする。nは1つの水分子集団の大きさの指標であり、ある瞬間n値とその分布は変化している。平衡状態下の水の分子集団のn値については様々な意見がある。実際の水ではn値が異なる成分が混在していると考えられる。ある平衡状態で存在する安定な水の分子集団のn値の確率分布は一定していると考えられる。しかし、急速に加熱または冷却したときの確率分布は異なる分布にあり、時間経過とともに安定な分布になり安定すると考えられる。
【0055】
本実施形態の第1熱交換部では、n値の大きい水分子集団を第1副流路の壁に衝突させて第1副流路の壁との間で熱交換する。通常の飽和水蒸気の加熱では100℃より高い温度に加熱するには圧力をかける必要があるが、上記の第1熱交換部における熱交換では、圧力に依存することなく自在に温度設定が可能である。このような第1熱交換部で、例えば500℃に急速に加熱することで水分子集団のn値を小さくし、例えばnが1又は1に近い蒸気にすることができる。
【0056】
本実施形態の第2熱交換部では水蒸気が第3副流路の壁に衝突し、第3副流路の壁との間で熱交換する。水蒸気は低温の壁に衝突すると熱エネルギーを奪われて水になる。このような第2熱交換部で、例えば500℃以上の温度から室温程度にまで急速に冷却することで、水分子が通常の水の安定状態に戻りきらないうちに、非平衡状態の液体の水とすることができる。このようにして得られる水のn値の分布は、通常の安定状態の水と異なる。上記の水分子集団のn値の確率分布が異なる水は、放置すると時間とともにn値の分布が変化し、通常の水になる。
【0057】
n値の小さい水分子集団を含むと推定される急速冷却された水は、人間の皮膚の表面の細胞、表皮、真皮、皮下組織に浸透しやすい。n値の小さい水分子集団を含む水を利用した化粧水や化粧品は、肌への浸透力が高くなり、肌質改善の効果が期待できる。
【0058】
<第1実施例>
(第1熱交換部及び第2熱交換部の構成例)
図8は第1実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図であり、
図8(A)は第1熱交換部のZZ断面の平面図を示し、
図8(B)は第1熱交換部のYY断面図を示し、
図8(C)は第1熱交換部のXX断面図を示す。
【0059】
第1熱交換部300は、第1流路となる溝が形成された基体301と、溝を密閉して流路を形成する密閉板302とを有する。基体301及び密閉板302の少なくともいずれか一方が加熱され、流体が流路を流れて基体301の壁と熱交換を行う。
図8(A)の流路の両端には流体の集合する横溝流路としてのバッファータブ305、306が備えられ、それらに接続して流体の導入路303と流体の導出路304が備えられてある。
【0060】
第1流路を構成する第1副流路として、タブT1、T2、T3、T4、T5が形成されている。タブT1~T5は、幅W1、深さDDを有する。タブT1~T5を代表してタブTと表記する。
【0061】
第1流路を構成する第2副流路としてチャネル流路が形成されている。同じタブ流路に接続するチャネル流路をチャネル列と呼び、チャネル列は順番に番号を付けてチャネル列CH1、CH2、CH3、CH4、CH5、CH6と表記する。同じチャネル列にあるチャネルに番号を付けて、チャネル列CH2のチャネルはチャネルCH21、CH22、CH23、CH24、CH25、CH26と表記する(
図8(B)参照)。チャネル列CH1のチャネルはチャネルCH11、CH12、CH13、CH14、CH15、CH16、CH17と表記する(
図8(C)参照)。チャネル列CH1、CH2、CH3、CH4、CH5、CH6(チャネルCH21、CH22、CH23、CH24、CH25、CH26、CH11、CH12、CH13、CH14、CH15、CH16、CH17・・・)を代表してチャネルCHと表記する。
【0062】
第2副流路の配置ピッチPT2は、同一チャネル列のチャネル配置のピッチとなる。チャネルCHは、幅W2、深さD、長さL2を有する。
【0063】
流体は、第1副流路であるタブTと第2副流路であるチャネルCHを通る。
【0064】
タブTの断面積(以下Stと表す)とチャネルCHの断面積(以下Scと表す)の関係について説明する。チャネルCHから出た流体が2方向に分かれて流れる構造であるので、単純に2Sc=Stのとき流体の速度変化がなく溜まりができない。即ち乱れのない同じ速度の流れが形成される寸法と考えられる。
【0065】
2Sc>Stのとき、即ちチャネルCHの流体速度がタブTの流体速度より遅いとき、流体はタブTの壁に衝突しない、または流体は層流となる。流体が乱れることなくタブTの壁に沿って流れる層流を形成すると、壁との熱交換の効率は著しく低下する。流体が壁と衝突するのは、層流のできる条件を除く条件となり、2Sc<Stである。
【0066】
チャネルCHの長さL2とタブTの幅W1は、以下のようにして決められる。チャネルCHで高流速を得た流れがタブTの壁まで到達して壁に衝突するには、少なくともタブTの幅W1はチャネルCHの長さL2より短いことが望ましい。チャネルCHを出た流れの高流速が壁に伝わる距離はチャネルCHの長さL2に相当するとすれば、L2>W1のとき、流体が壁に衝突を起こすことになる。
【0067】
タブTを挟んで隣り合うチャネル列にあるチャネルCHの配置の関係は、以下のようにして決められる。隣り合うチャネル列のチャネルCHの中心軸が一致しているとチャネルCHを通過する流体は、挟まれたタブTを一軸の層流として横切り通過する。即ち、タブTの壁と衝突することはない。完全に一致しなくても、隣接する列のチャネルCHを重ねたとき、重なる部分があると、流体は流れやすい流路を優先して流れるので、タブTの壁と衝突しない流が形成される。従って、隣り合うチャネル列のチャネルCHが重ならない配置が必須である。
【0068】
チャネルCHの配置ピッチPT2及びチャネルCHの幅W2を使って表すと、PT2≦2W2のとき、隣接する列のチャネルCHに重なる部分が発生する。従って隣の列のチャネル同士が重ならないように、PT2>2W2とする。
【0069】
本実施例では上記のように第1熱交換部300が構成されている。第2熱交換部は、第1熱交換部300と同様の構成により実現されており、図示及び説明を省略する。但し、第2熱交換部は、流体を第1熱交換部300より低い温度に冷却可能に設けられている。上記のような第1熱交換部及び第2熱交換部を有して、流体熱処理装置が構成されている。
【0070】
<第2実施例>
(第1熱交換部及び第2熱交換部の構成例)
図9は第2実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。
【0071】
第1熱交換部300は、円柱状の基体301とそれを収納するシリンダー状の密閉板302とが組み込まれてなる。密閉板302の内壁に基体301の表面が密着する。外部に流体が漏れないように接続部は溶接されている。
【0072】
導入路303から加圧して導入された流体は、第1副流路である円周溝G1~G6を通り、第2副流路である連結溝C1A、C2B、C3A、C4B、C5A、C6Bを通過するときに高速流体となる。高速流体は円周溝G1~G6の壁に高速で垂直に衝突する。垂直に衝突すると、熱伝達の抵抗となる淀み層ができない、あるいは薄くなる。
【0073】
基体301はヒーター給電線401から給電されたヒーター400で加熱される。ヒーター400はシリコンカーバイド製であり、1000℃までの加熱が可能である。
【0074】
密閉板302及び基体301はSUS310Sで形成されており、1000℃までの加熱に耐性を有する。
【0075】
本実施例では上記のように第1熱交換部300が構成されている。第2熱交換部は、第1熱交換部300と同様の構成により実現されており、図示及び説明を省略する。但し、第2熱交換部は、流体を第1熱交換部300より低い温度に冷却可能に設けられている。上記のような第1熱交換部及び第2熱交換部を有して、流体熱処理装置が構成されている。
【0076】
<第3実施例>
(第1熱交換部及び第2熱交換部の構成例)
図10は第3実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式断面図である。第1熱交換部300は、基体301、及び密閉板302A、302Bを有する。基体301の上面にはタブG11、G21が形成されており、下面にはタブG12、G22が形成されている。タブG11、G21、G12、G22を代表してタブGとも称する。基体301の上面と下面に密閉板302A、302Bが設けられ、タブGと密閉板302A、302Bにより流路の一部が構成されている。
【0077】
タブG12はタブG11、G21をまたぐ平面配置であり、連結孔H12、H21でタブG11、G21と連結されている。タブG21はタブG12、G22をまたぐ平面配置であり、連結孔H21、H22でタブG12、G22に連結されている。連結孔H12、H21、H22を代表して連結孔Hとも称する。
【0078】
タブ配列の上流端のタブG11には流体の導入路303が連結されている。タブ配列の下流端のタブG22には流体の導出路304が連結されている。導入路303から導入される流体F1は密閉された上記タブG11、G12,G21、G22と連結孔H12、H21、H22を経由して導出路304より流体F2として放出される。
【0079】
密閉板302A、302Bにはヒーター400A、400Bが備えられ、加熱可能に設けられている。ヒーターの本数は所望される温度と使用可能な電力に応じて自由に調整できる。
【0080】
細い連結孔H12を通過した流体は速度を増して垂直に密閉板302Bに高速で衝突する。この垂直高速衝突を起こさせるために、タブG12を囲む密閉板302Bと連結孔H12の出口の距離は当該連結孔H12の長さより短い。このような構造とすると垂直高速流体と密閉板302Bの壁の間の淀み層ができない、あるいは薄くなる。流体と密閉板302Bとの間で熱交換が瞬時になされ、流体が加熱される。
【0081】
同じことが連結孔H21、H22で起きる。このように垂直高速衝突を繰り返すと、ヒーター400A,400Bで加熱された密閉板302A、302Bの熱は高い効率で流体に伝えられる。結果として流体F2の温度は密閉板302A、302Bの温度に近い温度になる。当該高速衝突の垂直度は、淀み層ができない、あるいは薄くなればよいだけなので、厳密である必要はない。このようにして、
図10に示した第1熱交換部300では瞬時に熱交換が行われ、加熱された流体を得ることができる。
【0082】
本実施例では上記のように第1熱交換部300が構成されている。第2熱交換部は、第1熱交換部300と同様の構成により実現されており、図示及び説明を省略する。但し、第2熱交換部は、流体を第1熱交換部300より低い温度に冷却可能に設けられている。上記のような第1熱交換部及び第2熱交換部を有して、流体熱処理装置が構成されている。
【0083】
<第4実施例>
(第1熱交換部及び第2熱交換部の構成例)
図11は第4実施例に係る流体処理装置の構成を示す模式図である。第1熱交換部300は、基体301を密閉板302A、302Bで挟んで流路が形成されている。密閉板302A、302Bにはヒーター401A、401Bが備えてある。
【0084】
基体301と密閉板302A、302Bはステンレス鋼であり、規格SUS316Lを用いた。基体301の両面を加工してタブG11、G12、G21、G22、G31、G32、G41、G42、G51、G52、G61を2mmのスペースで設けた。タブ深さは1mm、面積は4mm×30mmである。タブを連結する連結孔H12、H21、H22、H31、H32、H41、H42、H51、H52、H61をタブ当たり5個の連結孔をドリルであけた。連結孔は2mm直径で長さは3mmである。
【0085】
連結孔の出口から流体が高速で出て、タブを囲む壁に高速で衝突するように、当該出口から衝突する壁の距離は連結孔の長さより短く設けられている。当該距離と連結孔の長さのこの関係は効率よく熱交換を起こさせるのに有効な関係である。
【0086】
流体の導入路303、流体の導出路304とタブをつなぐ連結孔H11、H62はドリルであけた。導入路303を溶接したあと洗浄して、密閉板302A、302Bと基体301を周辺で溶接した。これで流体の流路が形成された。
【0087】
密閉板302A、302Bにはヒーター401A、401Bが挿入されている。ヒーターが分かるように密閉板からとびださせて描いてある。ヒーターは実際には内部にあってもよい。
【0088】
ヒーターは密閉版の中央にあってもよい。4本の例を示したがヒーター本数は1本でもよく設計は自由である。
【0089】
本実施例では上記のように第1熱交換部300が構成されている。第2熱交換部は、第1熱交換部300と同様の構成により実現されており、図示及び説明を省略する。但し、第2熱交換部は、流体を第1熱交換部300より低い温度に冷却可能に設けられている。上記のような第1熱交換部及び第2熱交換部を有して、流体熱処理装置が構成されている。
【0090】
<適用例>
(化粧水用水への適用)
上記の流体処理装置及び流体処理方法により、化粧水用水を製造することができる。化粧水用水は、第1流路が設けられた第1熱交換部により原料流体を所定の温度に加熱した後、第2熱交換部により原料流体を上記の所定の温度から冷却して製造されたものであり、原料流体としては水が用いられる。
【0091】
第1熱交換部は、表面に第1基体凹部が設けられた第1基体と第1基体に積層された第1密閉板とを有する。第1基体の第1基体凹部の表面と第1密閉板の第1基体側の表面との間に第1流路が設けられている。第1流路は、第1の方向に伸びる複数の第1副流路と第1の方向に対して垂直な第2の方向に伸びるとともに隣り合う第1副流路を連通する複数の第2副流路とを含む。一方の端にある第1副流路に導入された水または水蒸気を含む原料流体が第1副流路と第2副流路とを経由して他方の端にある第1副流路まで流れる。ここで、原料流体の第2副流路を流れる流速が第1副流路を流れる流速より早くなるように原料流体を流す。これにより、原料流体を第1副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、第1流路に導入された原料流体を所定の温度に加熱する。
【0092】
第2熱交換部は、表面に第2基体凹部が設けられた第2基体と第2基体に積層された第2密閉板とを有する。第2基体の第2基体凹部の表面と第2密閉板の第2基体側の表面との間に第2流路が設けられている。第2流路は、第3の方向に伸びる複数の第3副流路と第3の方向に対して垂直な第4の方向に伸びるとともに隣り合う第3副流路を連通する複数の第4副流路とを含む。所定の温度に加熱された原料流体が一方の端にある第3副流路に導入されて第3副流路と第4副流路とを経由して他方の端にある第3副流路まで流れる。ここで、原料流体の第4副流路を流れる流速が第3副流路を流れる流速より早くなるように原料流体を流す。これにより、原料流体を第3副流路の壁と垂直に衝突させることにより熱交換を行い、第2流路に導入された原料流体を所定の温度から冷却する。
【0093】
本適用例の化粧水用水は、上記の流体処理装置及び流体処理方法により製造されたものである。第1熱交換部では、水または蒸気を第1副流路の壁に衝突させて第1副流路の壁との間で熱交換する。第1熱交換部においては、液相と気相が接しない状態、即ち液相と気相が平衡状態を保たない状態で、気相を独立に加熱することができる。また、通常の水の加熱では100℃より高い温度に加熱するには圧力をかける必要があるが、上記の第1熱交換部における熱交換では、圧力に依存することなく自在に温度設定が可能である。このような第1熱交換部で、例えば500℃以上に急速に加熱することでn値が1又は1に近い水蒸気にすることができる。
【0094】
第2熱交換部では、水蒸気を水にする。水蒸気の分子を第3副流路の壁に衝突させて水分子と第3副流路の壁との間で熱交換させ急速に冷却するこのような第2熱交換部で、例えば500℃以上の温度から室温程度にまで、1秒以内に冷却する。このことで、水分子が通常の水の安定状態に戻りきらないうちに、非平衡状態で水とすることができる。このようにして得られる水は通常の安定な水よりn値が小さい水分子集団の成分を多く含むと考えられ、化粧水に好適に用いられる化粧水用水である。この水を、ここではSA(Single Active)水と称する。SA水は非平衡で生成した水であるので、安定ではない。時間経過とともに安定な平衡状態の通常の水へと、水分子集団のn値の確率分布は変化していくと考えられる。
【0095】
n値が小さい水分子集団を含む水は、細胞、例えば人間の皮膚の表面の細胞、表皮、真皮、皮下組織等に浸透しやすい。nが小さい水分子集団を含む水(SA水)を利用した化粧水や化粧品は肌への浸透力が高くなり、肌質改善の効果が期待できる。
【0096】
(化粧品への適用)
上記のSA水そのものは、肌や植物に浸透しやすい特性があるので、化粧品(化粧水)としても使用可能であるが、抗菌能力の程度は不明である。抗菌剤(ベンジルグリコール)等の抗菌能力のある抗菌物質を添加したSA水は、抗菌能力を有する化粧品(化粧水)として使用可能である。
【0097】
また、SA水又は上記の抗菌能力を有する化粧品(化粧水)にビタミンCを添加したゲル状の化粧品は、ビタミンCによる美白効果を有する化粧品である。上記の化粧水用水は、乳化剤を含まないゲル状化粧品を実現できる。
【0098】
(水蒸気ガスの適用)
水を100℃超のスチーム(過熱スチームという)にすると、無酸素状態で加熱または乾燥させることが可能になる。例えば300℃程度の高温スチームを肉に接触させると肉の筋が変化して噛みやすい柔らかい肉に変化する効果がある。これは炎を使用しない安全なバーベキューに応用できる。
【0099】
上記高温スチームと廃棄物または有機物を含むガスと接触させて取り出したケミカルポテンシャルの高い上記ガスはエネルギー資源として再利用ができる。従って、これを行う流体処理装置は、有機物の処理装置に応用できる。
【0100】
<第5実施例>
(化粧水官能試験1)
SA水を人間の肌に浸み込ませる試験を行った。SA水は、流体熱交換装置である「ヒートビームシリンダー(フィルテック社製)」を第1熱交換部及び第2熱交換部のそれぞれに適用した流体処理装置により製造した。被験者は顔に老人班のある66歳の男性であった。毎日朝6時頃及び夜23時頃にスプレイで5~10回SA水を顔全体に吹き付け、手のひらで顔の皮膚にこすりつけてマッサージをした。SA水は、毎回製造後1か月以内のものを使用した。2016年11月から試験を開始したところ、2019年11月には、以前あった老人班のうちで、消えたもの、小さくなったもの、色が薄くなったものがあった。SA水は、細胞、例えば人間の皮膚の表面の細胞、表皮、真皮、皮下組織等に浸透しやすく、肌への浸透力が高くなり、肌質改善につながったものと考えられる。
【0101】
(化粧水官能試験2)
上記の化粧水官能試験1を複数の被験者が1年以上続けたときの効果をまとめると以下のようになった。期間は2017年12月から2019年3月まで、被験者は、年齢が20~76歳であり、男女を含む100人の構成であった。
【0102】
効果を複数回答可として集計すると、以下の結果が得られた。
(1)肌がさっぱり、しっとり、つや、柔らか、うるおい(55件)
(2)シミ・老人班・くすみ・日焼けが薄くなる、しわがうすくなる(21件)
(3)肌荒れ修復、アトピー肌改善、トラブル解消、かゆみ解消(16件)
(4)化粧水の浸透加速、メイクののり改善(11件)
(5)肌が明るくなる、透明になる(10件)
以上のように、SA水の適用により、被験者による官能評価として化粧水としての効果が得られた。SA水は、n値の小さい水分子集団を多く含む水であり、細胞、例えば人間の皮膚の表面の細胞、表皮、真皮、皮下組織等に浸透しやすく、肌への浸透力が高くなり、肌質改善につながったものと考えられる。
【符号の説明】
【0103】
1 流体処理装置
10 第1熱交換部
20 第2熱交換部
30 導入路
31A 導出路
31B 導入路
32 導出路
40 液体
P1 第1流路
P2 第2流路
SP1 第1副流路
SP2 第2副流路
SP3 第3副流路
SP4 第4副流路