(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/33 20060101AFI20220906BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
C12M1/33
C12M1/00 A
(21)【出願番号】P 2020572961
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2020070558
(87)【国際公開番号】W WO2020156047
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】201910102427.5
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520506383
【氏名又は名称】成都導勝生物技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU DAOSHENG BIOTECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】710,C1 Incubation Building,Tianfu Life Science and Technology Park,No.88 Keyuan South Road High Tech Zone Chengdu,Sichuan 610000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 仲玖
(72)【発明者】
【氏名】趙 偉
(72)【発明者】
【氏名】廖 東升
(72)【発明者】
【氏名】邱 坤
【審査官】小田 浩代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/013813(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103252314(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置であって、制御基板(4)及び駆動基板(5)が内部に設けられた筐体(1)と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子と、を備え、
前記超音波振動子は、超音波トランスデューサ(2)と、超音波トランスデューサの先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーン(3)と、を備え、
前記制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、前記駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられ、前記電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させ、
前記筐体は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部と
し、
前記DCDC電力調整ユニットは、スイッチ制御信号受信端子が主制御ユニットに接続されてスイッチ制御信号を受信するスイッチ制御信号受信回路と、
第1のPWM信号受信端子が主制御ユニットに接続されて第1のPWM信号を受信する第1のPWM信号受信回路と、
主制御ユニットから送信されるスイッチ制御信号及び第1のPWM信号によって、電源を調整可能電圧に変換して出力する第4のDCDC変換ユニットと、を備え、
前記第4のDCDC変換ユニットは、電源の電圧を順に処理する第4の電圧入力フィルタ、第4の電圧変換チップU1及び第4の電圧出力フィルタを備え、第4の電圧入力フィルタは電源端子に接続されたフィルタリングコンデンサを備え、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL1を介して調整可能電圧出力端子に接続され、調整可能電圧出力端子に直列接続された分圧抵抗器R32及びR47は電圧サンプリングを行い、第4の電圧変換チップU1の基準電圧ピンFBに入力し、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWにフリーホイーリングダイオードD2がさらに接続され、イネーブルピンENに抵抗器R33がさらに接続され、抵抗器タイミング/外部クロックピンRT/CLKに周波数分圧抵抗器R85がさらに接続され、周波数補償ピンCOMPには、ループを調整し電圧出力を安定化させるためのコンデンサC51、C49及び抵抗器R46がさらに接続され、コンデンサC49は直列接続されたコンデンサC51及び抵抗器R46に並列接続され、第4の電圧出力フィルタは調整可能電圧出力端子に接続されたフィルタリングコンデンサを備え、
スイッチ制御信号受信回路は、変換後電圧とスイッチ制御信号受信端子との間に直列接続された抵抗器R104及びR105を備え、エミッターが変換後電圧に接続され、ベースが抵抗器R104とR105との間のノードに接続され、コレクタが第4の電圧変換チップU1のイネーブルピンENのトランジスタQ12に接続され、スイッチ制御信号がLであると、トランジスタQ12はオンになり、第4の電圧変換チップU1は動作し、
第1のPWM信号受信回路は、第1のPWM信号を順に処理するRCフィルタ及び第1の電圧フォロワU3Bを備え、第1のPWM信号受信端子によって受信される第1のPWM信号はRCフィルタによってフィルタリングされて第1の電圧フォロワU3Bの非反転入力端子に入力され、第1の電圧フォロワU3Bの出力端子は分圧抵抗器R54を介して分圧抵抗器R32とR47との間のノードに接続される、
ことを特徴とする超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項2】
超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置であって、制御基板(4)及び駆動基板(5)が内部に設けられた筐体(1)と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子と、を備え、
前記超音波振動子は、超音波トランスデューサ(2)と、超音波トランスデューサの先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーン(3)と、を備え、
前記制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、前記駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられ、前記電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させ、
前記筐体は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部とし、
前記駆動ユニットは第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットを備え、第1の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Nは主制御ユニットから送信される第1パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルのドット端子に接続され、第2の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Pは主制御ユニットから送信される第2パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルの非ドット端子に接続され、第2のPWM信号受信端子Nによって受信される第1パスの第2のPWM信号は第1の駆動MOSトランジスタQ6のオン/オフを制御し、第2のPWM信号受信端子Pによって受信される第2パスの第2のPWM信号は第2の駆動MOSトランジスタQ2のオフ/オンを制御する、
ことを特徴とす
る超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項3】
前記変圧ユニットはプッシュプルトランスであり、DCDC電力調整ユニットの調整可能電圧出力端子はプッシュプルトランスの一次側の第1のコイルの非ドット端子及び第2のコイルのドット端子に接続され、
前記第1の駆動ユニットはアースと第2のPWM信号受信端子Nとの間に直列接続された抵抗器R10及びR14を備え、ゲートが抵抗器R10とR14との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第1の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第1のコイルのドット端子の第1の駆動MOSトランジスタQ6に接続され、
前記第2の駆動ユニットはアースと第2のPWM信号受信端子Pとの間に直列接続された抵抗器R5及びR13を備え、ゲートが抵抗器R5とR13との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第2の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第2のコイルの非ドット端子の第2の駆動MOSトランジスタQ2に接続される、ことを特徴とする
請求項2に記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項4】
超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置であって、制御基板(4)及び駆動基板(5)が内部に設けられた筐体(1)と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子と、を備え、
前記超音波振動子は、超音波トランスデューサ(2)と、超音波トランスデューサの先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーン(3)と、を備え、
前記制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、前記駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられ、前記電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させ、
前記筐体は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部と
し、
前記主制御ユニットは主制御チップU2及び主制御チップ周辺回路を備え、主制御チップU2は第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、
前記主制御ユニットは補助チップU1及び補助チップ周辺回路をさらに備え、主制御ユニットの主制御チップU2は変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、補助チップU1に命令を送信し、補助チップU1は主制御チップU2からの命令を受信し、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力するとともに、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらに主制御チップU2にフィードバックする、
ことを特徴とする超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項5】
超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置であって、制御基板(4)及び駆動基板(5)が内部に設けられた筐体(1)と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子と、を備え、
前記超音波振動子は、超音波トランスデューサ(2)と、超音波トランスデューサの先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーン(3)と、を備え、
前記制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、前記駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられ、前記電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させ、
前記筐体は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部と
し、
前記主制御ユニットは主制御チップU2及び主制御チップ周辺回路を備え、主制御チップU2は第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、
前記デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらにそれぞれ第1の信号増幅出力回路及び第2の信号増幅出力回路で増幅して駆動ユニットに送信する、
ことを特徴とする超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項6】
前記筐体の先端部に、超音波振動子を固定して接続するための接続孔が設けられ、前記接続孔の内壁に1つ以上の第1の係合溝(103)が設けられ、超音波振動子には、第1の係合溝にマッチングする第1の段差(801)が対応して設けられる、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項7】
前記第1の段差の両側にそれぞれ第1の係止ブロック(802)及び第2の係止ブロック(803)が設けられ、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックは第1の段差を第1の係合溝内に係止する、ことを特徴とする請求項
6に記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項8】
前記第1の係合溝は環状係合溝であり、第1の段差は環状段差であり、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックはいずれも環状係止ブロックであり、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックはいずれも超音波振動子の外壁に外嵌される、ことを特徴とする請求項
7に記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項9】
第1の段差を設けた前記超音波振動子の先端部には、第1の固定カバー(804)がさらに套設され、第1の固定カバーの後端部が第1の係合溝内に係止される、ことを特徴とする請求項
6に記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項10】
前記筐体は、互いに係接される上部ハウジング(101)と下部ハウジング(102)を備え、
前記上部ハウジング及び下部ハウジングの先端部に第2の固定カバー(805)がさらに套設され、第2の固定カバーの内壁に第2の段差(806)が設けられ、上部ハウジング及び下部ハウジングの先端部の外壁には、第2の段差にマッチングする第2の係合溝(807)が設けられる、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項11】
前記筐体の外壁にフック(9)が設けられる、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項12】
前記動植物組織アブレーション装置の電力は50~1000W、超音波周波数は20~200kHzである、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項13】
前記共振ユニットはLC直列共振器であり、LC直列共振器は変圧ユニットの出力側回路内に直列接続されたインダクタT1及びコンデンサC1を備える、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項14】
前記サンプリングユニットは変圧ユニットの出力側回路の電圧を収集する電圧サンプリングユニットと、変圧ユニットの出力側回路の電流を収集する電流サンプリングユニットとを備え、変圧ユニットの出力側回路には、直列接続された複数のサンプリング抵抗器が対応して設けられ、複数のサンプリング抵抗器間のノードに接続される電圧サンプリング端子は電圧信号を収集して電圧サンプリングユニットに送信しフィルタリング及び増幅し、その後、主制御ユニットに送信して共振調整し、変圧ユニットの出力側回路に直列接続された電流サンプリング端子は電流信号を収集して電流サンプリングユニットに送信しフィルタリング及び増幅し、その後、主制御ユニットに送信して共振調整する、ことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか一つに記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【請求項15】
主制御チップU2に接続された表示ユニット、キー、充電インタフェース、メモリ、USBインタフェースユニット又は/及びタッチユニットをさらに備え、主制御チップU2にキー及び表示ユニットが接続されている場合、キー及び表示ユニットのディスプレイスクリーンが筐体の第2のセクションの表面に設けられる、ことを特徴とする請求項
4又は5に記載の超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RNA、DNA又はタンパク質抽出の技術分野に属し、具体的には、超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動子は、超音波バイブレーターとも呼ばれ、圧電セラミックの圧電効果によって電気エネルギーと機械的エネルギー(音波振動)との相互変換を実現し、音響インピーダンスが整合した前後部放射カバーによって増幅を行うデバイスである。超音波振動子は、超音波トランスデューサ及び超音波ホーンから超音波振動システムが構成される。超音波トランスデューサは、高周波電気エネルギーを機械的エネルギーに変換することができる装置であり、超音波ホーンは受動素子であり、それ自体が振動を発生させず、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達し、インピーダンス変換を実現する。超音波トランスデューサは、適切な電界励起下で規則的な振動を発生させ、その振幅が一般的に10μm程度であり、このような振幅は溶接及び加工工程を直接行う場合には十分ではない。従って、トランスデューサが合理的に設計された超音波ホーンに接続されることで、超音波の振幅を広範囲にわたって変化させることができ、材料の強度が十分である限り、振幅は100μmを超えることができる。超音波ホーンは縦方向の伸縮振動を行う際に、その中間部の特定の横断面の左右両側の質点の運動方向がちょうど逆であり、相対的に静止する節面が存在することに相当する。この節面はノードと呼ばれ、振動子の最適な固定点でもあり、このノードからずれて固定すると、振動子の動作効率が低下してしまい、一般的に漏洩波と呼ばれている。
【0003】
超音波振動子は、一般的に、超音波洗浄機、超音波アトマイザー、Bモード超音波検査用プローブ等に適用されているが、従来の超音波振動子は構造の取り付けが不便で、取り付け後の完成品構造が手で持ちにくいという課題を抱えている。
【0004】
上記内容からわかるように、組織からRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する従来の方法には、関連する超音波振動子の使用が未だにない。組織からRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出するために、米国Thermo社によって開発された組織破砕機の原理は、電磁場における磁気ビーズの不規則な高速運動を使用して組織を組織ホモジネートに粉砕することであるが、機器は高価であり、組織を小さい組織塊に均質化することしかできず、米国のPR0*PR0200手持ち/デスクトップ兼用ホモジナイザー、及びハイスループットの生体サンプル均質機器としてのBioprep-24生体サンプルホモジナイザーは同様に、機器が高価であり、組織を小さい組織塊に均質化するしかでいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の上記課題を解決するために、本発明は、超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
【0007】
超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置であって、制御基板及び駆動基板が内部に設けられた筐体と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子と、を備え、
前記超音波振動子は、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサの先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーンと、を備え、
前記制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、前記駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられ、前記電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させ、
前記筐体は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部とする。
【0008】
上記技術的解決手段において、前記筐体の先端部には、超音波振動子を固定して接続するための接続孔が設けられ、前記接続孔の内壁に1つ以上の第1の係合溝が設けられ、超音波振動子には、第1の係合溝にマッチングする第1の段差が対応して設けられる。
【0009】
上記超音波振動子が嵌着の方式で筐体の先端部に取り付けられることで、超音波振動子の取り付けが安定し、且つメンテナンス、取り外しが容易である。
【0010】
上記技術的解決手段において、前記第1の段差の両側にそれぞれ第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックがさらに設けられ、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックは第1の段差を第1の係合溝内に係止する。
【0011】
第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックが協働して超音波振動子を係止することで、超音波振動子の取り付けをさらに安定化させる。
【0012】
上記技術的解決手段において、前記第1の係合溝は環状係合溝であり、第1の段差は環状段差であり、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックはいずれも環状係止ブロックであり、第1の係止ブロック及び第2の係止ブロックはいずれも超音波振動子の外壁に外嵌される。
【0013】
上記技術的解決手段において、第1の段差を設けた前記超音波振動子の先端部には、第1の固定カバーがさらに套設され、第1の固定カバーの後端部が第1の係合溝内に係止される。
【0014】
第1の固定カバーが延びて超音波振動子の中後端部を固定することで、超音波振動子の取り付け安定性を向上させて、超音波振動子の効果を高める一方で、超音波振動子の耐用年数を延ばす。
【0015】
上記技術的解決手段において、前記筐体は、互いに係接される上部ハウジングと下部ハウジングを備え、前記上部ハウジング及び下部ハウジングの先端部に第2の固定カバーがさらに套設され、第2の固定カバーの内壁に第2の段差が設けられ、上部ハウジング及び下部ハウジングの先端部の外壁には、第2の段差にマッチングする第2の係合溝がさらに設けられる。
【0016】
上部ハウジング及び下部ハウジングの取り付け方式によって、筐体の取り付け、メンテナンス、取り外しが容易であるとともに、超音波振動子をさらに補強する。
【0017】
上記技術的解決手段において、前記筐体の外壁にフックが設けられる。それにより、本発明の据え付けが容易になる。
【0018】
上記技術的解決手段において、前記動植物組織アブレーション装置の電力は0.5~1000W、超音波周波数は20~200kHzである。
【0019】
上記技術的解決手段において、前記DCDC電力調整ユニットは、
スイッチ制御信号受信端子が主制御ユニットに接続されてスイッチ制御信号を受信するスイッチ制御信号受信回路と、
第1のPWM信号受信端子が主制御ユニットに接続されて第1のPWM信号を受信する第1のPWM信号受信回路と、
主制御ユニットから送信されるスイッチ制御信号及び第1のPWM信号によって電源を調整可能電圧に変換して出力する第4のDCDC変換ユニットと、を備える。
【0020】
上記技術的解決手段において、前記第4のDCDC変換ユニットは、電源の電圧を順に処理する第4の電圧入力フィルタ、第4の電圧変換チップU1及び第4の電圧出力フィルタを備え、第4の電圧入力フィルタは電源端子に接続されたフィルタリングコンデンサを備え、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL1を介して調整可能電圧出力端子に接続され、調整可能電圧出力端子に直列接続された分圧抵抗器R32及びR47は電圧サンプリングを行い、第4の電圧変換チップU1の基準電圧ピンFBに入力し、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWにはフリーホイーリングダイオードD2がさらに接続され、イネーブルピンENに抵抗器R33がさらに接続され、抵抗器タイミング/外部クロックピンRT/CLKに周波数分圧抵抗器R85がさらに接続され、周波数補償ピンCOMPには、ループを調整し電圧出力を安定化させるためのコンデンサC51、C49及び抵抗器R46がさらに接続され、コンデンサC49は直列接続されたコンデンサC51及び抵抗器R46に並列接続され、第4の電圧出力フィルタは調整可能電圧出力端子に接続されたフィルタリングコンデンサを備え、
スイッチ制御信号受信回路は、変換後電圧とスイッチ制御信号受信端子との間に直列接続された抵抗器R104及びR105を備え、エミッターが変換後電圧に接続され、ベースが抵抗器R104とR105との間のノードに接続され、コレクタが第4の電圧変換チップU1のイネーブルピンENのトランジスタQ12に接続され、スイッチ制御信号がLであると、トランジスタQ12はオンになり、第4の電圧変換チップU1は動作し、
第1のPWM信号受信回路は、第1のPWM信号を順に処理するRCフィルタ及び第1の電圧フォロワU3Bを備え、第1のPWM信号受信端子によって受信される第1のPWM信号はRCフィルタによってフィルタリングされて第1の電圧フォロワU3Bの非反転入力端子に入力され、第1の電圧フォロワU3Bの出力端子は分圧抵抗器R54を介して分圧抵抗器R32とR47との間のノードに接続される。
【0021】
上記技術的解決手段において、前記駆動ユニットは第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットを備え、第1の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Nは主制御ユニットから送信される第1パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルのドット端子に接続され、第2の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Pは主制御ユニットから送信される第2パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルの非ドット端子に接続され、第2のPWM信号受信端子Nによって受信される第1パスの第2のPWM信号は第1の駆動MOSトランジスタQ6のオン/オフを制御し、第2のPWM信号受信端子Pによって受信される第2パスの第2のPWM信号は第2の駆動MOSトランジスタQ2のオフ/オンを制御する。
【0022】
上記技術的解決手段において、前記変圧ユニットはプッシュプルトランスであり、DCDC電力調整ユニットの調整可能電圧出力端子はプッシュプルトランスの一次側の第1のコイルの非ドット端子及び第2のコイルのドット端子に接続され、
前記第1の駆動ユニットはアースと第2のPWM信号受信端子Nとの間に直列接続された抵抗器R10及びR14を備え、ゲートが抵抗器R10とR14との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第1の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第1のコイルのドット端子の第1の駆動MOSトランジスタQ6に接続され、
前記第2の駆動ユニットはアースと第2のPWM信号受信端子Pとの間に直列接続された抵抗器R5及びR13を備え、ゲートが抵抗器R5とR13との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第2の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第2のコイルの非ドット端子の第2の駆動MOSトランジスタQ2に接続される。
【0023】
上記技術的解決手段において、前記共振ユニットはLC直列共振器であり、LC直列共振器は変圧ユニットの出力側回路内に直列接続されたインダクタT1及びコンデンサC1を備える。
【0024】
上記技術的解決手段において、前記サンプリングユニットは、変圧ユニットの出力側回路の電圧を収集する電圧サンプリングユニットと、変圧ユニットの出力側回路の電流を収集する電流サンプリングユニットとを備え、変圧ユニットの出力側回路には、直列接続された複数のサンプリング抵抗器が対応して設けられ、複数のサンプリング抵抗器間のノードに接続された電圧サンプリング端子は電圧信号を収集して電圧サンプリングユニットに送信しフィルタリング及び増幅し、その後、主制御ユニットに送信して共振調整し、変圧ユニットの出力側回路に直列接続された電流サンプリング端子は電流信号を収集して電流サンプリングユニットに送信しフィルタリング及び増幅し、その後、主制御ユニットに送信して共振調整する。
【0025】
上記技術的解決手段において、前記主制御ユニットは主制御チップU2及び主制御チップ周辺回路を備え、主制御チップU2は第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力する。
【0026】
上記技術的解決手段において、前記主制御ユニットは補助チップU1及び補助チップ周辺回路をさらに備え、主制御ユニットの主制御チップU2は変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、補助チップU1に命令を送信し、補助チップU1は主制御チップU2からの命令を受信し、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力するとともに、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらに主制御チップU2にフィードバックする。
【0027】
上記技術的解決手段において、前記デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらにそれぞれ第1の信号増幅出力回路及び第2の信号増幅出力回路で増幅して駆動ユニットに送信する。
【0028】
上記技術的解決手段において、前記動植物組織アブレーション装置は、主制御チップU2に接続された表示ユニット、キー、充電インタフェース、メモリ、USBインタフェースユニット又は/及びタッチユニットをさらに備え、主制御チップU2にキー及び表示ユニットが接続されている場合、キー及び表示ユニットのディスプレイスクリーンが筐体の第2のセクションの表面に設けられる。視認しやすい。
【0029】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0030】
1、本発明は、生体組織からRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する従来の機器が高価で、抽出操作過程が煩雑で、操作条件が厳しく、無駄が生じ、時間がかかり、作業量が大きいという課題を解決し、本発明のアブレーション装置によれば、第1のPWM信号を利用してDCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御し、出力電力を0.5~1000Wで調整可能にし、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックを利用して、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、共振超音波周波数を20~200KHzで調整可能にし、共振点を超音波振動子の共振点に調整して、超音波振動子を共振状態で動作させ、出力エネルギーが最も大きく、振幅が最も強く、低ヘルツ超音波の方法を利用して、組織塊を組織ホモジネートに迅速かつ簡単にアブレーションする目的を達成し、後続では組織からのRNA、DNA又はタンパク質の抽出が容易になるとともに、安価である。
【0031】
2、本発明は、従来の超音波振動子の構造の取り付けが不便で、取り付け後の完成品構造が手で持ちにくい課題を解決し、本発明の手持ち式筐体は互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、キー及びディスプレイスクリーンが筐体の第2のセクションの表面に設けられ、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部とし、超音波振動子の取り付けが容易であり、且つ取り付け後の完成品構造が手で持ちやすい。
【0032】
3、本発明の超音波振動子は嵌着の方式によって筐体の先端部に取り付けられ、第1の係止ブロック、第2の係止ブロック、第1の固定カバー及び第2の固定カバーによって協働して固定されることで、超音波振動子の取り付けが安定し、メンテナンス、取り外しが容易で、効果が優れ、耐用年数が長い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図5】本発明の一実施例におけるシステムのブロック図である。
【
図6】本発明の一実施例における制御基板の電源、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットの回路原理図である。
【
図7】本発明の一実施例における制御基板の主制御ユニットの回路論理図である。
【
図8】本発明の一実施例における制御基板のサンプリングユニット、表示ユニット及び補助チップの回路論理図である。
【
図9】本発明の一実施例における制御基板のインタフェースの回路論理図である。
【
図10】本発明の一実施例における駆動基板の駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットの回路論理図である。
【
図12】従来の組織ホモジナイザーによって処理された組織ホモジネートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら本発明を更に説明する。
【0035】
実施例1
図1~10に示すように、超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置は、制御基板4及び駆動基板5が設けられた筐体1と、筐体の先端部に固定して接続された超音波振動子とを備え、超音波振動子は、超音波トランスデューサ2と、超音波トランスデューサ2の先端部に固定して接続され、超音波トランスデューサにより入力される振動を振幅調整して伝達するホーン3とを備え、制御基板4は駆動基板5に電気的に接続され、駆動基板5は超音波トランスデューサ2に電気的に接続され、制御基板4にキー6、ディスプレイスクリーン7及び充電インタフェースが接続されており、筐体1は手持ち式筐体であり、互いに鈍角をなす第1のセクション及び第2のセクションを備え、キー6及びディスプレイスクリーン7が筐体の第2のセクションの表面に設けられ、第2のセクションから遠い第1のセクションの端部を筐体の先端部とする。
【0036】
筐体の第2のセクションの表面には対応するキー貫通孔及びディスプレイスクリーン貫通孔が設けられ、制御基板4が筐体の第2のセクション内に設けられ、駆動基板5が筐体の第1のセクション内に設けられる。
【0037】
筐体の先端部に、超音波振動子を固定して接続するための接続孔が設けられ、接続孔の内壁に1つ以上の第1の係合溝103が設けられ、超音波振動子には、第1の係合溝103にマッチングする第1の段差801が対応して設けられる。
【0038】
本実施例では、第1の段差801はホーン3に設けられ、第1の係合溝103は3つであり、第1の段差801は中間部に位置する第1の係合溝103内に嵌着され、第1の段差801の両側にそれぞれ第1の係止ブロック802及び第2の係止ブロック803がさらに設けられ、第1の係止ブロック802及び第2の係止ブロック803は第1の段差801を第1の係合溝103内に係止する。第1の係合溝103は環状係合溝であり、第1の段差801は環状段差であり、第1の係止ブロック802及び第2の係止ブロック803はいずれも環状係止ブロックであり、第1の係止ブロック802及び第2の係止ブロック803はいずれも超音波振動子の外壁に外嵌され、第2の係止ブロック803はさらに後端部に位置する第1の係合溝103よりも延びている。
【0039】
本実施例では、第1の段差を設けたホーン3の先端部には、第1の固定カバー804がさらに套設され、第1の固定カバー804の後端部が先端部に位置する第1の係合溝103内に係止される。
【0040】
本実施例では、筐体は、互いに係接される上部ハウジング101と下部ハウジング102を備える。上部ハウジング101及び下部ハウジング102の先端部に第2の固定カバー805がさらに套設され、第2の固定カバー805の内壁に2つの第2の段差806が設けられ、上部ハウジング101及び下部ハウジング102の先端部の外壁には、後端部に位置する第2の段差806にマッチングする第2の係合溝807がさらに設けられる。先端部に位置する第2の段差806は筐体の先端部を包み、更に先端部に位置する第1の係合溝103まで延びて第1の固定カバー804の後端部を係止する。
【0041】
本実施例では、制御基板4及び駆動基板5はねじによって筐体1内に固定される。駆動基板5に保護シェルがさらに設けられ、ディスプレイスクリーン7の表面に強化ガラス膜がさらに貼り付けられている。
【0042】
本実施例では、筐体の外壁にフック9が設けられる。
【0043】
なお、ホーン及び超音波トランスデューサは従来の製品であり、その内部構造が成熟した技術であり、ここでは詳細な説明を省略する。上記先端部、後端部はいずれも相対位置であり、絶対位置ではない。
【0044】
図4~9に示すように、制御基板には、電源、DCDC変換ユニット、主制御ユニット、DCDC電力調整ユニット及びサンプリングユニットが設けられ、駆動基板には、駆動ユニット、変圧ユニット及び共振ユニットが設けられる。
【0045】
電源は、DCDC変換ユニット及びDCDC電力調整ユニットによって電圧を変換された後、動植物組織アブレーション装置に使用され、主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、変圧ユニットで変圧した後、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた共振ユニットによって共振点を超音波振動子の共振点に調整して、変圧ユニットの出力側回路内に設けられた超音波振動子を共振状態で動作させる。
【0046】
動植物組織アブレーション装置を更に説明する。
【0047】
電源はDC24V電源であり、DCDC変換ユニットは第1のDCDC変換ユニット、第2のDCDC変換ユニット及び第3のDCDC変換ユニットを備える。
【0048】
第1のDCDC変換ユニットはTVS保護、第1の電圧入力フィルタ、第1の電圧変換チップ及び第1の電圧出力フィルタを備え、DC24V電源は順にTVS保護、第1の電圧入力フィルタ、第1の電圧変換チップ及び第1の電圧出力フィルタによって12V出力電圧に変換され、主制御ユニット及び駆動ユニットに供給される。
【0049】
第1のDCDC変換ユニットの回路原理を詳細に説明する。DC24V電源は順に保護ダイオードTVS1によってTVS保護を行い、DC24V電源端子に並列接続された3つのコンデンサC59、C60及びC57によって電圧入力フィルタリングを行い、その後、DC24V電源端子に直列接続された分圧抵抗器R48及びR51によって電圧サンプリングを行い、第1の電圧変換チップU6のイネーブルピンENに入力し、第1の電圧変換チップU6の型番はTPS54340であり、第1の電圧変換チップU6の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL2を介して12V出力電圧端子に接続され、12V出力電圧端子に直列接続された分圧抵抗器R88及びR89は電圧サンプリングを行い、第1の電圧変換チップU6の基準電圧ピンFBに入力し、12V出力電圧端子に接続されたコンデンサC72によって電圧出力フィルタリングを行い、第1の電圧変換チップU6の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWにフリーホイーリングダイオードD4がさらに接続され、イネーブルピンENにソフトスタートコンデンサC79がさらに接続され、抵抗器タイミング/外部クロックピンRT/CLKに周波数分圧抵抗器R50がさらに接続され、周波数補償ピンCOMPには、ループを調整し電圧出力を安定化させるためのコンデンサC61、C62及び抵抗器R52がさらに接続され、コンデンサC62は直列接続されたコンデンサC61及び抵抗器R52に並列接続される。
【0050】
第2のDCDC変換ユニットは第2の電圧入力フィルタ、第2の電圧変換チップ及び第2の電圧出力フィルタを備え、12V入力電圧は順に第2の電圧入力フィルタ、第2の電圧変換チップ及び第2の電圧出力フィルタによって1.8V出力電圧に変換され、主制御ユニットに供給される。
【0051】
第2のDCDC変換ユニットの回路原理を詳細に説明する。12V入力電圧は順に12V入力電圧端子に並列接続された2つのコンデンサC84及びC85によって電圧入力フィルタリングを行い、第2の電圧変換チップU9の型番はTLV62130ARGTRであり、第2の電圧変換チップU9のMOSトランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL3を介して1.8V出力電圧端子に接続され、1.8V出力電圧端子に直列接続された分圧抵抗器R90及びR91は電圧サンプリングを行い、第2の電圧変換チップU9の基準電圧ピンFBに入力し、1.8V出力電圧端子に並列接続されたコンデンサC80及びC83によって電圧出力フィルタリングを行い、第2の電圧変換チップU9の内部電力電源ピンPVIN、内部制御回路給電ピンAVIN、イネーブルピンENに12V入力電圧端子がさらに接続され、ソフトスタート/トラッキングピンSS/TRにソフトスタートコンデンサC86がさらに接続され、調整出力ピンDEF及び周波数設定ピンFSWはいずれも接地され、出力電圧収集ピンVOSは1.8V出力電圧端子に接続される。
【0052】
第3のDCDC変換ユニットは、第3の電圧入力フィルタ、第3の電圧変換チップ及び第3の電圧出力フィルタを備え、12V入力電圧は順に第3の電圧入力フィルタ、第3の電圧変換チップ及び第3の電圧出力フィルタによって3.3V出力電圧に変換され、主制御ユニット及びサンプリングユニットに供給される。
【0053】
第3のDCDC変換ユニットの回路原理を詳細に説明する。12V入力電圧は順に12V入力電圧端子に並列接続された2つのコンデンサC89及びC90によって電圧入力フィルタリングを行い、第3の電圧変換チップU10の型番はTLV62130ARGTRであり、第3の電圧変換チップU10のMOSトランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL4を介して3.3V出力電圧端子に接続され、3.3V出力電圧端子に直列接続された分圧抵抗器R92及びR94は電圧サンプリングを行い、第3の電圧変換チップU10の基準電圧ピンFBに入力し、3.3V出力電圧端子に並列接続されたコンデンサC87及びC88によって電圧出力フィルタリングを行い、第3の電圧変換チップU10の内部電力電源ピンPVIN及び内部制御回路給電ピンAVINに12V入力電圧端子がさらに接続され、12V入力電圧端子に直列接続された分圧抵抗器R93及びR102によって電圧サンプリングを行い、第3の電圧変換チップU10のイネーブルピンENに入力し、第3の電圧変換チップU10のイネーブルピンENは第2の電圧変換チップU9の出力正常指示信号ピンPGにさらに接続され、第2のDCDC変換ユニットが異常動作すると、第3のDCDC変換ユニットは動作を停止し、ソフトスタート/トラッキングピンSS/TRにソフトスタートコンデンサC91がさらに接続され、調整出力ピンDEF及び周波数設定ピンFSWはいずれも接地され、出力電圧収集ピンVOSは3.3V出力電圧端子に接続される。
【0054】
DCDC電力調整ユニットは、スイッチ制御信号受信回路、第1のPWM信号受信回路及び第4のDCDC変換ユニットを備え、第4のDCDC変換ユニットは、第4の電圧入力フィルタ、第4の電圧変換チップ及び第4の電圧出力フィルタを備え、第4のDCDC変換ユニットは、主制御ユニットから送信されるスイッチ制御信号及び第1のPWM信号によってDC24V電源を0~24V調整可能電圧に変換して出力する。
【0055】
DCDC電力調整ユニットの回路原理を詳細に説明する。
【0056】
第4のDCDC変換ユニットの回路原理について、DC24V電源は、順にDC24V電源端子に並列接続されたコンデンサC6、C7及びC41の3つによっての電圧入力フィルタリングを行い、第4の電圧変換チップU1の型番はTPS54340であり、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWはエネルギー貯蔵インダクタL1を介して調整可能電圧出力端子に接続され、調整可能電圧出力端子に直列接続された分圧抵抗器R32及びR47は電圧サンプリングを行い、第4の電圧変換チップU1の基準電圧ピンFBに入力し、調整可能電圧出力端子に並列接続されたコンデンサC14、C40、C42、C54、C55及びC56によって調整可能電圧出力フィルタリングを行い、第4の電圧変換チップU1の上側トランジスタ駆動信号基準点ピンSWにフリーホイーリングダイオードD2がさらに接続され、イネーブルピンENに抵抗器R33がさらに接続され、抵抗器タイミング/外部クロックピンRT/CLKに周波数分圧抵抗器R85がさらに接続され、周波数補償ピンCOMPに、ループを調整し電圧出力を安定化させるためのコンデンサC51、C49及び抵抗器R46がさらに接続され、コンデンサC49は直列接続されたコンデンサC51及び抵抗器R46に並列接続される。
【0057】
スイッチ制御信号受信回路の回路原理について、スイッチ制御信号受信端子は主制御ユニットに接続されてスイッチ制御信号を受信し、抵抗器R104及びR105は3.3V電圧とスイッチ制御信号受信端子との間に直列接続され、トランジスタQ12は、エミッターが3.3V電圧に接続され、ベースが抵抗器R104とR105との間のノードに接続され、コレクタが第4の電圧変換チップU1のイネーブルピンENに接続され、スイッチ制御信号がLであると、トランジスタQ12はオンになり、第4の電圧変換チップU1は動作を開始する。
【0058】
第1のPWM信号受信回路の回路原理について、第1のPWM信号受信端子によって受信される第1のPWM信号はRCフィルタによってフィルタリングされて第1の電圧フォロワU3Bの非反転入力端子に入力され、第1の電圧フォロワU3Bの出力端子は分圧抵抗器R54を介して分圧抵抗器R32とR47との間のノードに接続され、抵抗器R45、コンデンサC63、抵抗器R40及びコンデンサC52からRCフィルタが構成され、その後、抵抗器R36によって第1の電圧フォロワU3Bの非反転入力端子に入力され、第1の電圧フォロワU3Bの非反転入力端子にコンデンサC50がさらに接続される。
【0059】
動植物組織アブレーション装置はDCDC電力調整ユニットの調整可能電圧を収集するための出力電圧サンプリングユニットをさらに備え、収集される調整可能電圧が第2の電圧フォロワU3Aによって主制御ユニットに送信される。
【0060】
出力電圧サンプリングユニットの回路原理を詳細に説明する。調整可能電圧出力端子に直列接続された分圧抵抗器R55及びR60は電圧サンプリングを行い、RCフィルタによってフィルタリングして第2の電圧フォロワU3Aの非反転入力端子に入力し、第2の電圧フォロワU3Aの陽極電圧端子が3.3V電圧に接続され、第2の電圧フォロワU3Aの出力端子が主制御ユニットに接続され、抵抗器R59及びコンデンサC39からRCフィルタが構成され、3.3V電圧にコンデンサC44がさらに接続され、第2の電圧フォロワU3Aの出力端子にコンデンサC43がさらに接続される。
【0061】
駆動ユニットは第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットを備え、第1の駆動ユニットは第1の駆動MOSトランジスタQ6を備え、第2の駆動ユニットは第2の駆動MOSトランジスタQ2を備える。第1の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Nは主制御ユニットから送信される第1パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルのドット端子に接続され、第2の駆動ユニットの第2のPWM信号受信端子Pは主制御ユニットから送信される第2パスの第2のPWM信号を受信し、出力端子は変圧ユニットの一次側コイルの非ドット端子に接続され、第2のPWM信号受信端子Nによって受信される第1パスの第2のPWM信号は第1の駆動MOSトランジスタQ6のオン/オフを制御し、第2のPWM信号受信端子Pによって受信される第2パスの第2のPWM信号は第2の駆動MOSトランジスタQ2のオフ/オンを制御する。
【0062】
駆動ユニット及び変圧ユニットの回路原理を詳細に説明する。変圧ユニットはプッシュプルトランスであり、DCDC電力調整ユニットの調整可能電圧出力端子はプッシュプルトランスの一次側の第1のコイルの非ドット端子及び第2のコイルのドット端子に接続され、抵抗器R10及びR14はアースと第2のPWM信号受信端子Nとの間に直列接続され、第1の駆動MOSトランジスタQ6は、ゲートが抵抗器R10とR14との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第1の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第1のコイルのドット端子に接続され、抵抗器R5及びR13はアースと第2のPWM信号受信端子Pとの間に直列接続され、第2の駆動MOSトランジスタQ2は、ゲートが抵抗器R5とR13との間のノードに接続され、ソースが接地され、ドレインが第2の駆動ユニットの出力端子であり、プッシュプルトランスの一次側の第2のコイルの非ドット端子に接続される。
【0063】
第2のPWM信号受信端子Nによって受信される第1パスの第2のPWM信号がHであり、且つ第2のPWM信号受信端子Pによって受信される第2パスの第2のPWM信号がLであると、第1の駆動MOSトランジスタQ6がオンになり、第2の駆動MOSトランジスタQ2がオフになるように制御し、一次側の第1のコイルの入力端子回路はオンになり、入力電流方向が一次側の第1のコイルの非ドット端子からドット端子までであり、一次側の第2のコイルの入力端子回路はオフになり、二次側コイルの出力側回路の出力電流方向が二次側コイルのドット端子から非ドット端子までである。
【0064】
第2のPWM信号受信端子Nによって受信される第1パスの第2のPWM信号がLであり、且つ第2のPWM信号受信端子Pによって受信される第2パスの第2のPWM信号がHであると、第1の駆動MOSトランジスタQ6がオフになり、第2の駆動MOSトランジスタQ2がオンになるように制御し、一次側の第2のコイルの入力端子回路はオンになり、入力電流方向が一次側の第2のコイルのドット端子から非ドット端子までであり、一次側の第1のコイルの入力端子回路はオフになり、二次側コイルの出力側回路の出力電流方向が二次側コイルの非ドット端子からドット端子までであり、入力される直流電圧を、周波数が30KHz、電圧が数百ボルトの交流波形に変換し、後続の共振ユニットに条件を提供する。
【0065】
共振ユニットはプッシュプルトランスの出力側回路内に設けられ、LC直列共振器であり、プッシュプルトランスの出力側回路内に直列接続されたインダクタT1及びコンデンサC1を備える。インダクタT1はEFD20を使用する。
【0066】
超音波トランスデューサはプッシュプルトランスの出力側回路内に設けられ、本実施例では、インタフェースJ2を介して超音波トランスデューサに接続される。
【0067】
サンプリングユニットはプッシュプルトランスの出力側回路の電圧及び電流を収集し、電圧サンプリングユニット及び電流サンプリングユニットを備える。
【0068】
電圧サンプリングユニットはプッシュプルトランスの出力側回路電圧を収集し、プッシュプルトランスの出力側回路には、直列接続されたサンプリング抵抗器R1、R2、R3、R4及びR15が設けられ、電圧サンプリング端子は抵抗器R4とR15との間のノードに接続され、収集した電圧信号を電圧サンプリングユニットに送信してフィルタリング、増幅した後、主制御ユニットに送信して共振調整を行う。
【0069】
電圧サンプリングユニットの回路原理を詳細に説明する。収集される電圧信号は順にRCフィルタによってフィルタリングされ、コンデンサC67によって直流ブロッキングされた後、第1のオペアンプU7Bの非反転入力端子に入力され、第1のオペアンプU7Bの反転入力端子と出力端子との間に負帰還抵抗器R63が接続され、第1のオペアンプU7Bの出力端子はRCフィルタによってフィルタリングされた後、抵抗器R72によって第1の比較器U8Aの非反転入力端子に入力され、3.3V電圧とアースとの間に直列接続された分圧抵抗器R77及びR76は電圧サンプリングを行い、第1の比較器U8Aの反転入力端子に入力し、第1の比較器U8Aの出力端子は抵抗器R71を介して主制御ユニットに接続され、抵抗器R72の第1の比較器U8Aの非反転入力端子に接続された他端は、さらに抵抗器R70を介して主制御ユニットに接続され、抵抗器R61及びコンデンサC65はRCフィルタを構成し、収集される電圧信号をフィルタリングし、抵抗器R62及びコンデンサC66はRCフィルタを構成し、第1のオペアンプU7Bの出力端子によって出力される信号をフィルタリングし、第1のオペアンプU7Bの反転入力端子に抵抗器R64及びコンデンサC70がさらに直列接続され、第1のオペアンプU7Bの非反転入力端子に直流3.3V電圧がさらに接続され、該直流3.3V電圧は分圧抵抗器R56、R58及びR57によって分圧されて分圧を生成し、第1のオペアンプU7Bの非反転入力端子に入力され、分圧はさらにコンデンサC64によってフィルタリングされ、抵抗器R58は一端が第1のオペアンプU7Bの非反転入力端子に接続され、他端が抵抗器R56に接続され、抵抗器R56は3.3V電圧に接続され、抵抗器R57は一端が抵抗器R56とR58との間のノードに接続され、他端が接地され、第1の比較器U8Aの陽極電圧端子は3.3V電圧に接続され、該3.3V電圧は並列接続されたコンデンサC76及びC77によってフィルタリングされる。
【0070】
電流サンプリングユニットはプッシュプルトランスの出力側回路電流を収集し、電流サンプリング端子はプッシュプルトランスの出力側回路に直列接続され、収集した電流信号を電流サンプリングユニットに送信してフィルタリング、増幅した後、主制御ユニットに送信して共振調整を行う。
【0071】
電流サンプリングユニットの回路原理を詳細に説明する。収集される電流信号は順にRCフィルタによってフィルタリングされ、コンデンサC75によって直流ブロッキングされた後、第2のオペアンプU7Aの非反転入力端子に入力され、第2のオペアンプU7Aの反転入力端子と出力端子との間に負帰還抵抗器R73が接続され、第2のオペアンプU7Aの出力端子はRCフィルタによってフィルタリングされた後、抵抗器R81によって第2の比較器U8Bの非反転入力端子に入力され、
3.3V電圧とアースとの間に直列接続された分圧抵抗器R82及びR83は電圧サンプリングを行い、第2の比較器U8Bの反転入力端子に入力し、第2の比較器U8Bの出力端子は抵抗器R80を介して主制御ユニットに接続され、抵抗器R81の第2の比較器U8Bの非反転入力端子に接続された他端は、さらに抵抗器R79を介して主制御ユニットに接続され、抵抗器R65及びコンデンサC68はRCフィルタを構成し、収集される電流信号をフィルタリングし、抵抗器R69及びコンデンサC69はRCフィルタを構成し、第2のオペアンプU7Aの出力端子によって出力される信号をフィルタリングし、第2のオペアンプU7Aの反転入力端子に抵抗器R74及びコンデンサC78がさらに直列接続され、第2のオペアンプU7Aの非反転入力端子に直流3.3V電圧がさらに接続され、該直流3.3V電圧は分圧抵抗器R78、R66、R67及びR68によって分圧されて分圧を生成し、第2のオペアンプU7Aの非反転入力端子に入力され、分圧はコンデンサC71によってフィルタリングされ、抵抗器R68は一端が第2のオペアンプU7Aの非反転入力端子に接続され、他端が3.3V電圧端子に直列接続された抵抗器R78及びR66に接続され、抵抗器R67は一端が抵抗器R66とR68との間のノードに接続され、他端が接地され、第2の比較器U8Bの陽極電圧端子は抵抗器R78を介して3.3V電圧に接続され、該3.3V電圧は並列接続されたコンデンサC73及びC74によってフィルタリングされる。
【0072】
主制御ユニットは、第1のPWM信号を出力して、DCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御するとともに、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットの第1の駆動MOSトランジスタQ6及び第2の駆動MOSトランジスタQ2に出力する。
【0073】
主制御ユニットは主制御チップU2及び主制御チップ周辺回路を備え、主制御チップU2は型番がN32905U1DNであり、ARM9カーネルを使用し、主周波数が200MHzであり、主制御チップ周辺回路はシステムクロック、リセット部等を備える。
【0074】
N32905U1DNN3290xはARM926EJ-S CPUカーネル上に構築され、JPEGコーデック、CMOSセンサインタフェース、32チャネルSPU(声音処理ユニット)、ADC、DACが集積され、様々な応用ニーズを満たすことができるとともに、BOMコストを節約する。ARM926@200MHz、同期DRAM、2D BitBLTアクセラレータ、CMOS画像センサインタフェース、LCDパネルインタフェースと組み合わせてもよい。N32905U1DNN3290xの最大解像度はXVGA(1,024x768)@TFT LCDパネルである。2D BitBLTアクセラレータはグラフィック計算を加速し、レンダリングを平滑化し、CPUをアンインストールして省電力化を図る。
【0075】
システム全体のBOMコストの異なる要件を満たすために、異なるサイズのDRAMをN3290xのメインSoCとスタックして1つのパッケージを形成し、すなわち、マルチチップパッケージ(MCP)である。N32905U1DNN3290xは特に1Mbitx16 3.3V SDRAM設計を使用する。N32905U1DNN3290xは特に4Mbitx16 1.8V DDR SDRAM設計を使用する。1つの16Mbitx16 1.8V DDR2SDRAMがN32905U1DNN3290xの内部にスタックされることで、より高い性能を確保するとともに、例えばEMIやノイズ結合のようなシステムの設計作業を最大限に減少させる。二層PCBの使用及び減衰抵抗器、EMI保護ユニット等の撤去によって、総BOMコストを低減させることができる。
【0076】
以上の技術的解決手段は十分に開示されており、実施可能であり、本発明は生体組織からRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する従来の機器が高価で、抽出操作過程が煩雑で、操作条件が厳しく、無駄が生じ、時間がかかり、作業量が大きいという課題を解決し、本発明のアブレーション装置によれば、第1のPWM信号を利用してDCDC電力調整ユニットを、調整可能電圧を出力するように制御し、出力電力を0.5~1000Wで調整可能にし、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックを利用して、デューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットに出力し、共振超音波周波数を20~200KHzで調整可能にし、共振点を超音波振動子の共振点に調整して、超音波振動子を共振状態で動作させ、出力エネルギーが最も大きく、振幅が最も強く、低ヘルツ超音波の方法を利用して、組織塊を組織ホモジネートに迅速かつ簡単にアブレーションする目的を達成し、後続では組織からのRNA、DNA又はタンパク質の抽出が容易になる。
【0077】
具体的な応用では、本発明の主制御ユニットは補助チップU1及び補助チップ周辺回路をさらに備え、補助チップU1の型番はSTM32F031G4U6である。
【0078】
STM32F031G4U6の特徴は以下の通りである。カーネルは、ARM(登録商標)32ビットCortex(登録商標)-MOCPUであり、周波数が48MHzと高く、メモリは、16~32KBのフラッシュメモリ、ハードウェアパリティチェック機能付きの4KB SRAMであり、CRC計算ユニットを使用し、リセット及び電源管理デジタル及びI/O電源は、2.0~3.6Vであり、アナログ電源はVDDA=VDDから3.6Vまでであり、パワーオン/パワーオフリセット(POR/PDR)、プログラマブル電圧検出器(PVD)を具備し、低消費電力モードはスリープ、停止及びサポートを含み、RTC及びバックアップレジスタ用のVBAT電源を使用し、クロック管理は、4~32MHz水晶発振器、校正機能付きRTC用の32kHz発振器、x6PLLオプションを有する内部8MHz RC、内部40kHzRC発振器であり、多くとも39個の高速I/Oはすべて外部割り込みベクトルにマッピングでき、多くとも26個のI/Oは5V公差を有し、5チャネルDMAコントローラは1×12ビットであり、1.0μsADC(多くとも10個のチャネル)であり、変換範囲は0~3.6Vであり、アナログ電源を2.4から3.6Vに分離し、多くとも9個のタイマー、1x16ビット7チャネル高度制御タイマーは、6チャネルPWM出力に使用され、デッドタイム、発電及び非常停止を有し、1x32ビット及び1x16ビットタイマーは、多くとも4つのIC/OCを有し、IR制御復号に使用でき、1x16ビットタイマーは、2つのIC/OC、1つのOCN、デッドタイム及び非常停止を有し、1x16ビットタイマーは、IC/OC及びOCN、デッドタイム、非常停止及びIR制御用の変調器ゲートを有し、1つのIC/OCの1x16ビットタイマー、個別及びシステムウォッチドッグタイマー、SysTickタイマーを有し、24ビットダウンカウンタであり、カレンダRTCは、アラーム及び停止/待機からの定刻ウェイクアップ機能を有し、通信インタフェースは1つのI2Cインタフェースであり、高速モード(1Mbit/s)、20mA電流吸収、SMBus/PMBusをサポートし、Stopウェイクアップモードから、1x USARTは主同期をサポートし、SPI及びモデム制御、ISO7816インタフェース、LIN、IrDA機能、自動ボーレート検出及びウェイクアップ機能、1x SPI(18Mbit/s)、4~16プログラマブルビットフレーム、I2Sインタフェース付きであり、シリアルワイヤデバッグ(SWD)、96ビットの一意IDであり、拡張温度範囲は-40~+105℃、すべての包装はECOPACK(登録商標)2である。
【0079】
主制御ユニットの主制御チップU2は、変圧ユニットの出力側回路の電圧及び電流を収集するサンプリングユニットによるフィードバックによって、補助チップU1に命令を送信し、補助チップU1は主制御チップU2の命令を受信し、周波数が30KHzでデューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号を駆動ユニットの第1の駆動MOSトランジスタQ6及び第2の駆動MOSトランジスタQ2に出力するとともに、周波数が30KHzでデューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらに主制御チップU2にフィードバックする。それととともに、第1の比較器U8Aの出力端子及び第2の比較器U8Bの出力端子によって出力される信号を補助チップU1に送信する。
【0080】
周波数が30KHzでデューティ比が相補的となる2つの第2のPWM信号をさらにそれぞれ第1の信号増幅出力回路及び第2の信号増幅出力回路によって増幅して、駆動ユニットの第1の駆動MOSトランジスタQ6及び第2の駆動MOSトランジスタQ2に送信する。
【0081】
第1の信号増幅出力回路の回路原理を詳細に説明する。第2のPWM信号は、直列接続された分圧抵抗器R49及びR53によって第1の増幅トランジスタQ5のベースに入力されて増幅され、第1の増幅トランジスタQ5はコレクタが抵抗器R34を介して12V電圧に接続され、エミッターが接地され、コレクタが第1の出力トランジスタQ2及び第2の出力トランジスタQ4のベースに接続され、第1の出力トランジスタQ2はP型トランジスタであり、第2の出力トランジスタQ4はN型トランジスタであり、第1の出力トランジスタQ2のコレクタが12V電圧に接続され、増幅後の第1パスの第2のPWM信号は第1の出力トランジスタQ2のエミッターと第2の出力トランジスタQ4のエミッターとの接続ノードから第1の駆動MOSトランジスタQ6の第2のPWM信号受信端子Nに出力される。
【0082】
第2のPWM信号がHと入力されると、第1の出力トランジスタQ2はオンになり、第2の出力トランジスタQ4はオフになり、第2のPWM信号がLと入力されると、第1の出力トランジスタQ2はオフになり、第2の出力トランジスタQ4はオンになり、それによって増幅後の方形波の第1パスの第2のPWM信号を出力する。
【0083】
第2の信号増幅出力回路の回路原理を詳細に説明する。第2のPWM信号は、直列接続された分圧抵抗器R86及びR87によって第2の増幅トランジスタQ8のベースに入力されて増幅され、第2の増幅トランジスタQ8はコレクタが抵抗器R84を介して12V電圧に接続され、エミッターが接地され、コレクタが第3の出力トランジスタQ6及び第4の出力トランジスタQ7のベースに接続され、第3の出力トランジスタQ6はP型トランジスタであり、第4の出力トランジスタQ7はN型トランジスタであり、第3の出力トランジスタQ6のコレクタが12V電圧に接続され、増幅後の第2パスの第2のPWM信号は第3の出力トランジスタQ6のエミッターと第4の出力トランジスタQ7のエミッターとの接続ノードから第2の駆動MOSトランジスタQ2の第2のPWM信号受信端子Pに出力される。
【0084】
第2のPWM信号がHと入力されると、第3の出力トランジスタQ6はオンになり、第4の出力トランジスタQ7はオフになり、第2のPWM信号がLと入力されると、第3の出力トランジスタQ6はオフになり、第4の出力トランジスタQ7はオンになり、それによって増幅後の方形波の第2パスの第2のPWM信号を出力する。
【0085】
ディスプレイスクリーン7はLCDディスプレイスクリーンであり、LCDディスプレイスクリーンが表示チップJ8と接続して表示ユニットを構成し、表示チップJ8が主制御チップU2に接続され、該表示チップJ8の型番がFPC050であり、表示チップJ8が3.3V電圧に接続され、主制御チップU2の信号LCD_BLがMOSトランジスタQ1によって増幅されて表示チップJ8に送信される。
【0086】
キー6は主制御チップU2に接続され、本実施例では、4つのキーを備え、それぞれ第1のキー、第2のキー、第3のキー及び第4のキーであり、第1のキーは左キー、第2のキーは右キー、第3のキーは中キー、第4のキーはOKキーである。第1のキーはプルアップ抵抗器R4及びプルダウン抵抗器R11を備え、プルアップ抵抗器R4が3.3V電圧に接続され、プルアップ抵抗器R4とプルダウン抵抗器R11との間のノードがキーS2の一端に接続され、キーS2の他端が接地され、プルダウン抵抗器R11の他端が主制御チップU2に接続され、キーS2を押すと、プルダウン抵抗器R11が1Kだけであり、第1のキーは低レベルを出力し、キーS2をはなすと、出力がプルアップ抵抗器R4及びプルダウン抵抗器R11によってプルアップされ、第1のキーは高レベルを出力し、第2のキーはプルアップ抵抗器R6及びプルダウン抵抗器R19を備え、プルアップ抵抗器R6が3.3V電圧に接続され、プルアップ抵抗器R6とプルダウン抵抗器R19との間のノードがキーS3の一端に接続され、キーS3の他端が接地され、プルダウン抵抗器R19の他端が主制御チップU2に接続され、キーS3を押すと、第2のキーは低レベルを出力し、キーS3をはなすと、出力がプルアップ抵抗器R6及びプルダウン抵抗器R19によってプルアップされ、第2のキーは高レベルを出力し、第3のキーはプルアップ抵抗器R8及びプルダウン抵抗器R20を備え、プルアップ抵抗器R8が3.3V電圧に接続され、プルアップ抵抗器R8とプルダウン抵抗器R20との間のノードがキーS4の一端に接続され、キーS4の他端が接地され、プルダウン抵抗器R20の他端が主制御チップU2に接続され、キーS4を押すと、第3のキーは低レベルを出力し、キーS4をはなすと、出力がプルアップ抵抗器R8及びプルダウン抵抗器R20によってプルアップされ、第3のキーは高レベルを出力し、第4のキーはプルアップ抵抗器R10及びプルダウン抵抗器R26を備え、プルアップ抵抗器R10が3.3V電圧に接続され、プルアップ抵抗器R10とプルダウン抵抗器R26との間のノードがキーS5の一端に接続され、キーS5の他端が接地され、プルダウン抵抗器R26の他端が主制御チップU2に接続され、キーS5を押すと、第4のキーは低レベルを出力し、キーS5をはなすと、出力がプルアップ抵抗器R10及びプルダウン抵抗器R26によってプルアップされ、第4のキーは高レベルを出力する。
【0087】
主制御チップU2にメモリがさらに接続され、メモリはSPI-FLASHデバイスを使用し、共振パラメータ、設定パラメータ等を含むパラメータを記憶することに用いられる。
【0088】
主制御チップU2にUSBインタフェースユニットがさらに接続され、USBインタフェースユニットは主制御チップU2に接続されたUSBチップESD1及びUSBチップESD1に接続されたインタフェースJ7を備え、USBチップESD1の型番はUSBLC6、インタフェースJ7の型番はSIP254である。
【0089】
主制御チップU2にタッチユニットがさらに接続され、タッチユニットは3.3V電圧とアースとの間に直列接続された分圧抵抗器R99及びR101と、抵抗器R99とR101との間のノードに接続された抵抗器R100と、ベースが抵抗器R99とR101との間のノードに接続されるトランジスタQ10を備え、トランジスタQ10のコレクタと3.3V電圧との間に分圧抵抗器R98及びR96が直列接続され、分圧抵抗器R98とR96との間のノードがMOSトランジスタQ9のゲートに接続され、MOSトランジスタQ9のソースが3.3V電圧に接続され、MOSトランジスタQ9のドレインがタッチインタフェースJ1に接続され、タッチインタフェースJ1が主制御チップU2に接続され、タッチインタフェースJ1にタッチパッドが接続され、主制御チップU2から送信される電源イネーブル信号TP_PWENが抵抗器R100を介してトランジスタQ10のベースに到達し、電源イネーブル信号TP_PWENがHであると、トランジスタQ10はオンになり、MOSトランジスタQ9はオンになる。
【0090】
主制御チップU2に外部インタフェースJ4がさらに接続される。主制御チップU2にブザーがさらに接続される。
【0091】
実施例2
本実施例は、超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置を使用してRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する方法を説明し、細胞懸濁液製造ステップAと、RNA、DNA又はタンパク質抽出ステップBと含み、ステップAは、組織サンプルを溶液と混合した後、超音波原理に基づく手持ち式動植物組織アブレーション装置を使用して超音波アブレーションを行い、細胞懸濁液を得るステップを含む。
【0092】
低ヘルツ超音波の方法を利用して、組織塊を細胞懸濁液に迅速かつ簡単にアブレーションする目的を達成し、更に後続では組織からのRNA、DNA又はタンパク質の抽出が容易になり、非常に少ない組織だけで、組織からRNA、DNA又はタンパク質、特にRNA及びタンパク質を抽出する目的を達成できるとともに、操作が簡単であり、抽出時間を節約し、組織塊から細胞懸濁液への時間を大幅に短縮させ、すべての操作は一人だけで実行可能であり、人的資源や物的資源を大幅に削減し、作業効率を向上させる。
【0093】
組織の最適な均質化効果を達成するために、超音波アブレーションの条件として、電力0.5~1000W、超音波周波数20~200kHzを選択する。
【0094】
ステップAの溶液はRNA抽出液、タンパク質抽出液、DNA抽出液、生理的食塩水又は緩衝液である。
【0095】
超音波アブレーション過程では、後続プロセスの処理の便宜上、異なる後続プロセスに応じて異なる溶液を選択でき、それにより操作ステップを削減し、抽出時間を節約し、後続ではRNA、DNA又はタンパク質の抽出を行う必要がある場合、RNA抽出液、DNA抽出液、タンパク質抽出液を適宜選択することで、抽出効果を確保するとともに、抽出時間を大幅に短縮させることができる。一般的に、本発明は超音波アブレーションによって細胞懸濁液を得る際に、生理的食塩水又は緩衝液を使用できる。
【0096】
一実施形態では、ステップAの溶液がRNA抽出液、タンパク質抽出液又はDNA抽出液である場合、ステップBは、RNA抽出液、タンパク質抽出液又はDNA抽出液の公知の操作方式に従ってRNA、タンパク質又はDNAをそれぞれ抽出するステップを含む。
【0097】
RNA抽出液、タンパク質抽出液又はDNA抽出液を溶液として使用し超音波アブレーションによって細胞懸濁液を得る場合、後続の具体的なRNA、DNA又はタンパク質抽出ステップでは、使用されるRNA抽出液、DNA抽出液又はタンパク質抽出液に対応する試薬の取扱説明書に従って後続の抽出操作を行ってもよく、従来のほかの公知の適切な抽出方式で操作してもよい。
【0098】
別の実施形態では、ステップAの溶液が生理的食塩水又は緩衝液である場合、ステップBは、細胞懸濁液を抽出量のRNA抽出液、タンパク質抽出液又はDNA抽出液と混合した後、それぞれ公知の操作方式でRNA、タンパク質又はDNAを抽出するステップを含む。
【0099】
生理的食塩水又は緩衝液を溶液として使用する場合、後続の具体的なRNA、DNA又はタンパク質抽出ステップでは、細胞懸濁液に抽出量のRNA抽出液、DNA抽出液又はタンパク質抽出液を添加して後続の抽出操作を行ってもよく、同様に、後続の抽出操作では、対応するRNA抽出液、DNA抽出液又はタンパク質抽出液中の試薬の取扱説明書を参照して後続の抽出操作を行ってもよく、従来のほかの公知の適切な抽出方式で操作してもよい。前記抽出量は、細胞懸濁液中のRNA、DNA又はタンパク質を抽出できる量を基準とする。
【0100】
ステップAの組織サンプルと溶液との比は10mg~100mg:100~1000μLである。
【0101】
後続の抽出プロセスをさらに容易化し、抽出効果を強化するために、好適には、組織サンプルと溶液との比は10mg~100mg:100~l000μLである。
【0102】
溶液が緩衝液である場合、緩衝液はPBS緩衝液である。
【0103】
溶液として緩衝液を使用する場合、好適には、前記緩衝液はPBS緩衝液である。
【0104】
本発明の細胞懸濁液の定義について、完全にアブレーションした後、単細胞の数が単細胞と細胞クラスターの総数の95%超えを占める懸濁液である。
【0105】
比較例
実施例2で得た細胞懸濁液は
図11に示され、従来の組織ホモジナイザーで得た組織ホモジネート液は
図12に示される。
図11と
図12を比較してわかるように、本発明に係るRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する方法で生体組織を処理して細胞懸濁液を得たが、従来の組織ホモジナイザーで得た組織ホモジネートに大量の細胞塊が存在し、明らかなように、本発明に係るRNA、DNA又はタンパク質を迅速に抽出する方法は従来の組織処理方式に比べて、処理速度が速く、十分に単細胞化できる長所を有する。
【0106】
本発明は上記選択可能な実施形態に限定されるものではなく、誰でも本発明の示唆に基づいてほかの種々の製品を得ることができ、その形状や構造の変化に関係なく、本発明の特許請求の範囲に定められる範囲内に属する技術的解決手段である限り、本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0107】
1-筐体
101-上部ハウジング
102-下部ハウジング
103-第1の係合溝
2-超音波トランスデューサ
3-ホーン
4-制御基板
5-駆動基板
6-キー
7-ディスプレイスクリーン
801-第1の段差
802-第1の係止ブロック
803-第2の係止ブロック
804-第1の固定カバー
805-第2の固定カバー
806-第2の段差
807-第2の係合溝
9-フック