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特許7136502クライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】クライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材。
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A63B69/00 517
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021166333
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2022-01-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月20日~22日、こども環境デザイン展、札幌コンベンションセンターでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月10日~12日、こども環境デザイン展、アズテックミュージアム仙台産業展示館での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月10日~12日、こども環境デザイン展、ジャクエツ大阪店での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月17日~19日、こども環境デザイン展、ジャクエツさいたま店での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月17日~19日、こども環境デザイン展、福岡タワーでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月25日~28日、こども環境デザイン展、広島県立広島産業会館西展示館での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月1日~3日、こども環境デザイン展、アリーナ立川立飛での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月1日~3日、こども環境デザイン展、清水マリンビル多目的ホールでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月8日~11日、こども環境デザイン展、横浜産資ホールマリネリアでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月15日~17日、こども環境デザイン展、京都市歓業館みやこめっせでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月16日~18日、こども環境デザイン展、名古屋国際会議場イベントホールでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年12月23日~25日、こども環境デザイン展、石川県産業展示館2号館での展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年1月26日~28日、こども環境デザイン展、UMKスポーツスタジオでの展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年3月19日、美和幼稚園への販売
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500068865
【氏名又は名称】株式会社ジャクエツ
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】浅田 駿太
(72)【発明者】
【氏名】中村 有希
(72)【発明者】
【氏名】稲口 義幸
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210583634(CN,U)
【文献】特開2018-000896(JP,A)
【文献】特開2015-084873(JP,A)
【文献】米国特許第07520837(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0073313(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、
前記パネルに配置されるホールドと、
前記ホールドを、前記パネルの壁面との間で所定の距離を有する第1位置と、前記パネルの壁面との距離が前記第1位置よりも小さい第2位置と、の間で作動できるように前記パネルに取り付け可能な取付部材と、
を備え、
前記ホールドが前記パネルに取り付けられた状態で、前記第1位置と前記第2位置との間で前記ホールドを作動させて遊戯できるように構成されている
ことを特徴とするクライミング遊具。
【請求項2】
前記第2位置は、
前記ホールドが前記第2位置に向けて作動したときに当該ホールドを把持する手が挟まれないように、前記ホールドと前記パネルの壁面との間に少なくとも26mmを超える間隙を有する位置である
ことを特徴とする請求項1に記載のクライミング遊具。
【請求項3】
前記取付部材は、
端部に前記ホールドが取り付けられ、前記パネルの壁面に対して交差する方向に作動可能な軸部材と、
前記パネルの壁面に取り付けられ、前記軸部材の作動範囲を前記第1位置と前記第2位置との範囲に制限する固定部材と、を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のクライミング遊具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のクライミング遊具を含む
ことを特徴とする複合遊具。
【請求項5】
クライミング遊具またはクライミング遊具を含む複合遊具に用いられるクライミング遊具用部材であって、
パネルに取り付け可能なホールドと、
前記ホールドを、前記パネルの壁面との間で所定の距離を有する第1位置と、前記パネルの壁面との距離が前記第1位置よりも小さい第2位置と、の間で作動できるように前記パネルに取り付け可能な取付部材と、
を備え、
前記ホールドが前記パネルに取り付けられた状態で、前記第1位置と前記第2位置との間で前記ホールドを作動させて遊戯できるように構成されている
ことを特徴とするクライミング遊具用部材。
【請求項6】
前記第2位置は、
前記ホールドが前記第2位置に向けて作動したときに当該ホールドを把持する手が挟まれないように、前記ホールドと前記パネルの壁面との間に少なくとも26mmを超える間隙を有する位置である
ことを特徴とする請求項5に記載のクライミング遊具用部材。
【請求項7】
前記取付部材は、
端部に前記ホールドが取り付けられ、前記パネルの壁面に対して交差する方向に作動可能な軸部材と、
前記パネルの壁面に取り付けられ、前記軸部材の作動範囲を前記第1位置と前記第2位置との範囲に制限する固定部材と、を有する
ことを特徴とする請求項5または6に記載のクライミング遊具用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パネルにホールドが配置されたクライミング遊具、クライミング遊具を含む複合遊具、および、クライミング遊具または複合遊具に用いられるクライミング遊具用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のクライミング遊具として、例えば、パネルの壁面に複数のホールドが取り付けられたクライミング遊具が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-192010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クライミング遊具には子供用のクライミング遊具がある。子供がクライミング遊具で遊ぶ場合、従来のクライミング遊具では遊びが単調となる傾向にある。とくに、クライミング遊具での遊びは個々の遊びとなりがちであり、クライミング遊具で遊ぶ子供どうしでコミュニケーションをとりづらいといった課題もあった。
【0005】
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、これまでにない新たな、クライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のクライミング遊具は、
パネル(例えば、パネル20)と、
前記パネルに配置されるホールド(例えば、第1ホールド32、第2ホールド36)と、
前記ホールドを、前記パネルの壁面との間で所定の距離を有する第1位置(例えば、第1ホールド32であればA方向側作動限界位置、第2ホールド36であればB方向側作動限界位置)と、前記パネルの壁面との距離が前記第1位置よりも小さい第2位置(例えば、第1ホールド32であれば第2作動限界位置、第2ホールド36であればA方向側作動限界位置)と、の間で作動できるように前記パネルに取り付け可能な取付部材(例えば、取付部材40、とくに軸部材50)と、
を備え
前記ホールドが前記パネルに取り付けられた状態で、前記第1位置と前記第2位置との間で前記ホールドを作動させて遊戯できるように構成されている
ことを特徴とする。
【0007】
上記(1)のクライミング遊具によれば、パネルに対してホールドを作動させることができるといった、これまでにない新たなクライミング遊具を提供することができる。
【0008】
(2)上記(1)のクライミング遊具において、
前記第2位置は、
前記ホールドが前記第2位置(例えば、第1ホールド32であれば第2作動限界位置、第2ホールド36であればA方向側作動限界位置)に向けて作動したときに当該ホールドを把持する手が挟まれないように、前記ホールドと前記パネルの壁面(例えば、第1ホールド32であれば第1壁面22、第2ホールド36であれば第2壁面24)との間に少なくとも26mmを超える間隙を有する位置であることが好ましい。
【0009】
また、前記第2位置は、前記ホールドと前記取付部材(例えば、第1ホールド32であれば第1固定部材60、第2ホールド36であれば第2固定部材70)との間にも所定の間隙を有することが好ましい。
【0010】
上記(2)のクライミング遊具によれば、パネルに対してホールドを作動させることが可能でありながらも、遊戯者の身体(例えば指)を挟むことを防止できる。
【0011】
(3)上記(1)または(2)のクライミング遊具において、
前記取付部材は、
端部に前記ホールドが取り付けられ、前記パネルの壁面に対して交差する方向に作動可能な軸部材(例えば、軸部材50)と、
前記パネルの壁面に取り付けられ、前記軸部材の作動範囲を前記第1位置と前記第2位置との範囲(例えば、A方向側作動限界位置とB方向作動限界位置との範囲)に制限する固定部材(例えば、第1固定部材60、第2固定部材70)と、を有する
ことが好ましい。
【0012】
上記(3)のクライミング遊具によれば、軸部材の作動範囲が第1位置と第2位置との間、すなわちホールドが限られた範囲内でしか作動しないため、パネルに対してホールドを作動させることが可能でありながらも、遊戯者が安全に遊ぶことができる。
【0015】
)本発明の複合遊具は、
上記(1)~()のいずれか1つに記載のクライミング遊具を含む
ことを特徴とする。
【0016】
上記()の複合遊具は、上記(1)~()のいずれか一つに記載のクライミング遊具の他に、例えば滑り台やジャングルジム等といった複数の遊具を含む遊具等が相当する。
【0017】
上記(1)~()のいずれか一つに記載のクライミング遊具を複合遊具に用いた場合であっても、上記(1)~()と同様の作用効果を奏することができる。
【0018】
)本発明のクライミング遊具用部材は、
クライミング遊具またはクライミング遊具を含む複合遊具に用いられるクライミング遊具用部材であって、
パネル(例えば、パネル20)に取り付け可能なホールド(例えば、第1ホールド32、第2ホールド36)と、
前記ホールドを、前記パネルの壁面との間で所定の距離を有する第1位置(例えば、第1ホールド32であればA方向側作動限界位置、第2ホールド36であればB方向作動限界位置)と、前記パネルの壁面との距離が前記第1位置よりも小さい第2位置(例えば、第1ホールド32であれば第2作動限界位置、第2ホールド36であればA方向側作動限界位置)と、の間で作動できるように前記パネルに取り付け可能な取付部材(例えば、取付部材40)と、
を備え、
前記ホールドが前記パネルに取り付けられた状態で、前記第1位置と前記第2位置との間で前記ホールドを作動させて遊戯できるように構成されている
ことを特徴とする。
【0019】
上記()のクライミング遊具用部材によれば、第1位置と第2位置との間で作動できるようにホールドをパネルに取り付けることができるといった、これまでにない新たなクライミング遊具用部材を提供することができる。
【0020】
)上記()のクライミング遊具用部材において、
前記第2位置は、
前記ホールドが前記第2位置(例えば、第1ホールド32であれば第2作動限界位置、第2ホールド36であればA方向側作動限界位置)に向けて作動したときに当該ホールドを把持する手が挟まれないように、前記ホールドと前記パネルの壁面(例えば、第1ホールド32であれば第1壁面22、第2ホールド36であれば第2壁面24)との間に所定の間隙を有する位置である
ことが好ましい。
【0021】
上記()のクライミング遊具用部材によれば、第1位置と第2位置との間で作動できるようにホールドをパネルに取り付けつつも、遊戯者の身体(例えば指)を挟むことがないようにすることができる。
【0022】
)上記()または()のクライミング遊具用部材において、
前記取付部材は、
端部に前記ホールドが取り付けられ、前記パネルの壁面に対して交差する方向に作動可能な軸部材(例えば、軸部材50)と、
前記パネルの壁面に取り付けられ、前記軸部材の作動範囲を前記第1位置と前記第2位置との範囲(例えば、A方向側作動限界位置とB方向側作動限界位置との範囲)に制限する固定部材(例えば、第1固定部材60、第2固定部材70)と、を有する
ことを特徴とする。
【0023】
上記()のクライミング遊具用部材によれば、軸部材の作動範囲が第1位置と第2位置との間、すなわちホールドが限られた範囲内でしか作動しないように、取付部材をパネルに取り付けることができるため、遊戯者が安全に遊ぶことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、これまでにない新たな、クライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】クライミング遊具を含む複合遊具の一部を示す概要図の一例である。
図2】パネルに取り付けられたクライミング遊具用部材の斜視図の一例である。
図3】パネルおよびクライミング遊具用部材の分解斜視図の一例である。
図4】第1固定部材および第2固定部材の中心を通るように鉛直方向に切ったときの第1固定部材および第2固定部材の断面図の一例である。
図5】軸部材の軸心を通るように鉛直方向に切ったときのパネルおよびクライミング遊具用部材の断面図の一例であって、第1ホールドおよび第2ホールドが中立位置にある状態を示す図である。
図6】軸部材の軸心を通るように鉛直方向に切ったときのパネルおよびクライミング遊具用部材の断面図の一例であって、(A)第1ホールドおよび第2ホールドがB方向への作動限界位置にある状態を示す図、(B)第1ホールドおよび第2ホールドがA方向への作動限界位置にある状態を示す図、である。
図7】遊戯者視点で見た場合における第1ホールド及び第2ホールドの作動態様を示す図の一例であって、(A)第1ホールドおよび第2ホールドがB方向への作動限界位置にある状態を示す図、(B)第1ホールドおよび第2ホールドがA方向への作動限界位置にある状態を示す図、である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(概要)
図1は、クライミング遊具10を含む複合遊具1の一部を示す概要図の一例である。複合遊具1は、例えば、滑り台やジャングルジム等の複数の遊具が組み合わさった遊具であり、例えば公園やイベント会場等に設置される。以下では、複合遊具1のうち、クライミング遊具10について説明する。
【0027】
図2は、クライミング遊具用パネル20(以下、単に「パネル20」と称する。)に取り付けたクライミング遊具用部材30の斜視図の一例である。なお、本実施形態において、第1ホールド32、第2ホールド36、これらの各ホールド32,36をパネル20に取り付けるための取付部材40等を含む一連の部材を、クライミング遊具用部材30と定義する。
【0028】
図2に示されるように、クライミング遊具用部材30は、パネル20に取り付けられる。パネル20は、例えば樹脂、木材または鉄等で構成される大きな平板状のものであるが、説明の便宜上、図2および後述の図3図7において四角形の板状に図示している。
【0029】
(各種部材の構成)
次に、パネル20およびクライミング遊具用部材30を構成する各種部材について、図3を参照して説明する。図3は、パネル20およびクライミング遊具用部材30の分解斜視図の一例である。
【0030】
パネル20には、後述する軸部材50を挿通させることができる軸挿通孔26、および、後述する固定部材60,70を取り付けるための複数の取付孔28が形成されている。軸挿通孔26には、後述する軸部材50に形成された突起部52に対応する切欠部27が形成されている。
【0031】
第1ホールド32および第2ホールド36は、例えば、子供が遊ぶ際に手掛かりまたは足掛かりとなる部材であり、遊戯者(例えば子供)が把持しやすい厚みの略円板状の部材である。第1ホールド32は、パネル20に対して一方の側に配置されている。第2ホールド36は、パネル20に対して第1ホールド32とは反対側に配置されている。本明細書において、パネル20から第1ホールド32に向かう方向を「A方向」と称し、パネル20から第2ホールド36に向かう方向を「B方向」と称する。
【0032】
また、第1ホールド32および第2ホールド36は、それぞれ、円板状の面部の略中央に、ボルト80を挿通させることができるボルト穴33および第2ボルト穴37が形成されている。
【0033】
また、第1ホールド32のパネル20側の面には、後述する軸部材50のA方向側の端部と勘合する第1勘合部34(図3では不図示。例えば図5参照)が形成されている。第1勘合部34は、軸部材50のA方向側の端部を嵌めることができるように軸部材50の外形寸法よりも僅かに大きい。同様に、第2ホールド36のパネル20側の面には、後述する軸部材50のB方向側の端部と勘合する第2勘合部38が形成されている。第2勘合部38は、軸部材50のB方向側の端部を嵌めることができるように軸部材50の外形寸法よりも僅かに大きい。
【0034】
また、本実施形態では、軸部材50と、各勘合部34,38とが四角形どうしで勘合するため、遊戯者(例えば子供)が意図せずに軸部材50に対してホールド32,36が回転することを防止でき、安全性を担保することができる。
【0035】
なお、軸部材50と、各勘合部34,38とが四角形どうしで勘合することは必須ではなく、軸部材50に対してホールド32,36が回転することを防止できればよい。
【0036】
また、第1ホールド32および第2ホールド36は、略円板状の部材であることは必須でなく、例えば自然石のように不定形の形状であってもよいし、特定の他の形状であってもよい。
【0037】
取付部材40は、第1ホールド32および第2ホールド36がパネル20の壁面22,24に対して作動できる状態で、これらの各ホールド32,36をパネル20に取り付ける部材である。取付部材40は、軸部材50、第1固定部材60および第2固定部材70を備える。
【0038】
軸部材50は、第1ホールド32と第2ホールド36とを連結する長手状の部材であり、A方向側の端部には第1ホールド32が取り付けられ、B方向側の端部には第2ホールド36が取り付けられる。本実施形態では、軸部材50の外形が角状に形成されている。このようにすることで、クライミング遊具用部材30がパネル20に取り付けられた際に、第1ホールド32および第2ホールド36が回転することを防止できる。なお、第1ホールド32および第2ホールド36の回転防止の観点から言えば、軸部材50の外周面の一部に円周部があってもよい。
【0039】
また、軸部材50には、長手方向のおける略中央部において一対の突起部52が形成されている。具体的には、軸部材50には、上面から上方に向けて突出する突起部52と、下面から下方に向けて突出する突起部52(図3では不図示。例えば後述の図4を参照。)とが形成されている。ただし、軸部材50に形成された突起部52の数は2つであることは必須でなく、一つだけであってもよいし、軸部材50の周方向に連なって形成されていてもよいが、軸部材50の外周部に複数の突起部52を形成する場合、長手方向において同じ位置に形成されることが好ましい。
【0040】
さらに、軸部材50は、第1ホールド32を例えばボルト80で取り付けるための螺合溝54がA方向側の端部に形成されており、第2ホールド36を例えばボルト80で取り付けるための螺合溝(不図示)がB方向側の端部に形成されている。
【0041】
第1固定部材60は、パネル20の2つの壁面22,24のうちA方向側の壁面である第1壁面22に固定して取り付けられる部材であり、略円板状の部材である。第1固定部材60の円板状の面の略中央部には、軸部材50を挿通させることができる第1軸挿通孔62が形成されている。第1軸挿通孔62の径方向外側には、例えばジョイントコネクターナット82を挿通させることができる複数の第1取付孔64が形成されている。
【0042】
第2固定部材70は、パネル20の2つの壁面22,24のうちB方向側の壁面である第2壁面24に固定して取り付けられる部材であり、略円板状の部材である。第2固定部材70の円板状の面の略中央部には、軸部材50を挿通させることができる第2軸挿通孔72が形成されている。第2軸挿通孔72の径方向外側には、例えばジョイントコネクターボルト84を挿通させることができる複数の第2取付孔74が形成されている。
【0043】
なお、第1固定部材60と第2固定部材70とは、第1取付孔64の形状と第2取付孔74の形状とが異なることを除いてほぼ同様の形状である。ただし、第1固定部材60と第2固定部材70とがほぼ同様の形状であることは必須ではない。
【0044】
(取付手順)
次に、パネル20に対してクライミング遊具用部材30を取り付ける工程について、図3を参照して説明する。
【0045】
先ず、第1工程では、軸部材50を、一対の突起部52がパネル20に形成された切欠部27と対応するように、軸挿通孔26に挿通させる。本実施形態では、一対の突起部52が上下となるように、軸部材50を挿通させる。ただし、これに限られず、パネル20の上下に代えて例えば左右に切欠部27を形成するとともに、軸部材50の上下に代えて例えば左右に切欠部27を形成し、一対の突起部52と切欠部27とを対応させて、軸部材50を軸挿通孔26に挿通させるようにしてもよい。
【0046】
次に、第2工程では、第1軸挿通孔62と一対の突起部52とを対応させて第1軸挿通孔62に軸部材50を挿通させた上で、第1固定部材60をパネル20の第1壁面22に当接させる。同様に、第2軸挿通孔72と一対の突起部52とを対応させて第2軸挿通孔72に軸部材50を挿通させた上で、第2固定部材70をパネル20の第2壁面24に当接させる。そして、第1取付孔64を挿通するジョイントコネクターナット82と、第2取付孔74および取付孔28を挿通するジョイントコネクターボルト84とによって、第1固定部材60および第2固定部材70を、パネル20に固定して取り付ける。
【0047】
次に、第3工程では、軸部材50のA方向側の端部と、第1ホールド32に形成された第1勘合部34とを勘合させた上で、第1ボルト穴33にボルト80を挿通し、このボルト80を、軸部材50のA方向側の端部に形成された螺合溝54と螺合させて締め付ける。同様に、軸部材50のB方向側の端部と、第2ホールド36に形成された第2勘合部38とを勘合させた上で、第2ボルト穴37にボルト80を挿通し、このボルト80を、軸部材50のB方向側の端部に形成された螺合溝(不図示)と螺合させて締め付ける。
【0048】
このようにしてパネル20に対してクライミング遊具用部材30が取り付けられると、例えば子供が遊ぶことができる遊戯可能状態となる。
【0049】
(第1軸挿通孔および第2軸挿通孔の詳細)
次に、第1固定部材60に形成された第1軸挿通孔62の詳細な構成、および、第2固定部材70に形成された第2軸挿通孔72の詳細な構成について、図4を参照して説明する。図4は、第1固定部材60および第2固定部材70の中心を通るように鉛直方向に切ったときの第1固定部材60および第2固定部材70の断面図の一例である。なお、この図4では、説明の便宜上、軸部材50の図示を省略している。
【0050】
図4に示されるように、第1固定部材60の第1軸挿通孔62には、上下一対の第1固定側溝66が形成されている。第1固定側溝66は、第1固定部材60のB方向側の面(すなわち、パネル20の第1壁面22と当接する側の面)からA方向側に向けて所定の範囲(第1固定部材60の厚みよりも小さい範囲)にわたって形成された溝である。この第1固定側溝66は、軸部材50(図3参照)に形成された一対の突起部52(図3参照)と対応して形成された溝である。軸部材50に形成された一対の突起部52は、第1固定側溝66と摺動し、A方向とB方向とに向けて作動することができる。また、第1固定側溝66のA方向側の端部には、一対の突起部52が当接可能な上下一対の第1固定側壁68が形成されている。なお、図4において、便宜上、上下一対の第1固定側溝66のうち上側の第1固定側溝66についての参照符号の図示を省略し、上下一対の第1固定側壁68のうち下側の第1固定側壁68についての参照符号の図示を省略している。
【0051】
第1固定部材60と同様に、第2固定部材70の第2軸挿通孔72にも、上下一対の第2固定側溝76が形成されている。第2固定側溝76は、第2固定部材70のA方向側の面(すなわち、パネル20の第2壁面24と当接する側の面)からB方向に向けて所定の範囲(第2固定部材70の厚みよりも小さい範囲)にわたって形成された溝である。この第2固定側溝76は、軸部材50(図3参照)に形成された一対の突起部52(図3参照)と対応して形成された溝である。軸部材50に形成された一対の突起部52は、第2固定側溝76と摺動し、A方向とB方向とに向けて作動することができる。また、第2固定側溝76のB方向側の端部には、一対の突起部52が当接可能な上下一対の第2固定側壁78が形成されている。なお、図4において、便宜上、上下一対の第2固定側溝76のうち下側の第2固定側溝76についての参照符号の図示を省略し、上下一対の第2固定側壁78のうち上側の第2固定側壁78についての参照符号の図示を省略している。
【0052】
第1固定部材60は、円板面の中心がパネル20に形成された軸挿通孔26(図3参照)の中心と同心となるように、パネル20の第1壁面22に当接させてパネル20に取り付けられる。第2固定部材70は、円板面の中心がパネル20に形成された軸挿通孔26の中心と同心となるように、パネル20の第2壁面24に当接させてパネル20に取り付けられる。このようにして第1固定部材60および第2固定部材70がパネル20に取り付けられると、第1軸挿通孔62と軸挿通孔26と第2軸挿通孔72とで、軸部材50(図3参照)と摺動する軸挿通孔(すなわち軸部材50の通り道)を形成する。同様に、第1固定側溝66と切欠部27と第2固定側溝76とで、一対の突起部52(図3参照)と摺動する突起挿通孔(すなわち一対の突起部52の通り道)を形成する。
【0053】
(動作説明)
次に、パネル20に対してクライミング遊具用部材30を取り付けた状態における動作態様について、図5および図6を参照して説明する。
【0054】
図5は、軸部材50の軸心を通るように鉛直方向に切ったときのパネル20およびクライミング遊具用部材30の断面図の一例であって、第1ホールド32および第2ホールド36が中立位置にある状態を示す図である。図6は、軸部材50の軸心を通るように鉛直方向に切ったときのパネル20およびクライミング遊具用部材30の断面図の一例であって、(A)第1ホールド32および第2ホールド36がB方向への作動限界位置にある状態を示す図、(B)第1ホールド32および第2ホールド36がA方向への作動限界位置にある状態を示す図、である。
【0055】
図5および図6において、第1固定部材60および第2固定部材70は、パネル20に対して固定される部材である。また、軸部材50は、パネル20の壁面22,24に対して略直交するA方向とB方向とに作動可能な部材である。第1ホールド32および第2ホールド36は軸部材50の端部に取り付けられているため、第1軸挿通孔62と軸挿通孔26と第2軸挿通孔72とで形成される軸挿通孔に対して軸部材50が摺動すると、第1ホールド32および第2ホールド36はパネル20に対してA方向またはB方向に作動する。
【0056】
A方向に向けて摺動する軸部材50の作動限界は、一対の突起部52が第1固定側壁68に当接したときである。また、B方向に向けて摺動する軸部材50の作動限界は、一対の突起部52が第2固定側壁78に当接したときである。すなわち、一対の突起部52を、第1固定側壁68と第2固定側壁78との範囲内で作動させることができ、これがA方向およびB方向における軸部材50の作動範囲となる。なお、図5では、一対の突起部52が第1固定側壁68および第2固定側壁78のいずれにも当接していない。
【0057】
図6(A)に示されるように、第1ホールド32および第2ホールド36がB方向への作動限界位置にあるとき、第1ホールド32とパネル20の第1壁面22との距離が最も小さくなり、第2ホールド36とパネル20の第2壁面24との距離が最も大きくなる。
【0058】
同様に、図6(B)に示されるように、第1ホールド32および第2ホールド36がA方向への作動限界位置にあるとき、第1ホールド32とパネル20の第1壁面22との距離が最も大きくなり、第2ホールド36とパネル20の第2壁面24との距離が最も小さくなる。
【0059】
このように、本実施形態では、パネル20に対してクライミング遊具用部材30が取り付けられた遊戯可能状態において、第1ホールド32および第2ホールド36がパネル20に対して往復作動できるように構成されている。
【0060】
(第1ホールドおよび第2ホールドの作動態様)
次に、遊戯者視点で見た場合における第1ホールド32および第2ホールド36の作動態様について、図7を参照して説明する。
【0061】
図7は、遊戯者視点で見た場合における第1ホールド32及び第2ホールド36の作動態様を示す図の一例であって、(A)第1ホールド32および第2ホールド36がB方向への作動限界位置にある状態を示す図、(B)第1ホールド32および第2ホールド36がA方向への作動限界位置にある状態を示す図、である。
【0062】
図7(A)および(B)に示されるように、第1ホールド32および第2ホールド36は、図7(A)と図7(B)との間が作動可能範囲である。
【0063】
パネル20よりもA方向側にいる遊戯者(例えば子供)が、第1ホールド32を手前(A方向)に引っ張ると第1ホールド32および第2ホールド36がA方向に向けて作動し、第1ホールド32を奥側(B方向)に押すと第1ホールド32および第2ホールド36がB方向に向けて作動する。
【0064】
同様に、パネル20よりもB方向側にいる遊戯者(例えば子供)が、第2ホールド36を手前(B方向)に引っ張ると第1ホールド32および第2ホールド36がB方向に向けて作動し、第2ホールド36を奥側(A方向)に押すと第1ホールド32および第2ホールド36がA方向に向けて作動する。
【0065】
ただし、図7(A)に示されるように第1ホールド32および第2ホールド36がB方向への作動限界位置(以下、「B方向作動限界位置」と称する)にあるとき、第1ホールド32は、パネル20の第1壁面22および第1固定部材60のいずれとも接触しないように、第1壁面22および第1固定部材60との間に間隙Wが形成される。この間隙Wは、遊戯者の身体(例えば指)を挟むことがないようにするためであることは勿論、仮に指などを挟んでしまった(第1ホールド32と第1固定部材60との間に指などが入り込んでしまった)場合に抜けなくなってしまうことを防止するために形成された間隙Wであり、第1ホールド32と第1固定部材60とが対向する対向面どうしの水平方向距離が少なくとも26mmをこえることであることが好ましく、本実施形態では例えば概ね30mmである。
【0066】
同様に、図7(B)に示されるように第1ホールド32および第2ホールド36がA方向への作動限界位置(以下、「A方向作動限界位置」と称する)にあるとき、第2ホールド36は、パネル20の第2壁面24および第2固定部材70(図7では不図示。例えば図6参照。)のいずれとも接触しないように、第2壁面24および第2固定部材70との間に間隙が形成される。この間隙は、遊戯者の身体(例えば指)を挟むことがないようにするためであることは勿論、仮に指などを挟んでしまった(第2ホールド36と第2固定部材70との間に指などが入り込んでしまった)場合に抜けなくなってしまうことを防止するために形成された間隙であり、第2ホールド36と第2固定部材70とが対向する対向面どうしの水平方向距離が少なくとも26mmをこえることであることが好ましく、本実施形態では例えば30mmである。
【0067】
また、第1ホールド32および第2ホールド36が第2作動限界位置にあるとき、第2ホールド36は、第2壁面24や第2固定部材70(図7では不図示。例えば図6参照。)との距離が最も大きくなるが、この距離が大きくなりすぎると遊戯者(例えば子供)の重心が後方(B方向側)に行き、遊戯者が子供であれば握力が小さい場合が多く、第2ホールド36から手が離れてしまうおそれがある。そのため、第1ホールド32および第2ホールド36が第2作動限界位置にあるとき、第2ホールド36と第2固定部材70とが対向する対向面どうしの水平方向距離は少なくとも70mm以下であることが好ましく、本実施形態では例えば概ね55mmである。
【0068】
同様に、第1ホールド32および第2ホールド36が第1作動限界位置にあるとき、第1ホールド32は、第1壁面22や第1固定部材60との距離が最も大きくなるが、この距離が大きくなりすぎると遊戯者(例えば子供)の重心が後方(A方向側)に行き、遊戯者が子供であれば握力が小さい場合が多く、第1ホールド32から手が離れてしまうおそれがある。そのため、第1ホールド32および第2ホールド36が第1作動限界位置にあるとき、第1ホールド32と第1固定部材60とが対向する対向面どうしの水平方向距離は少なくとも70mm以下であることが好ましく、本実施形態では例えば概ね55mmである。
【0069】
(作用効果)
このように、本実施形態では、パネル20に対して第1ホールド32および第2ホールド36を作動させることができるといった、これまでにない新たなクライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材を提供することができる。
【0070】
とくに、本実施形態では、クライミング遊具用部材30がパネル20に取り付けられた遊戯可能状態において、第1軸挿通孔62と軸挿通孔26と第2軸挿通孔72とで形成される軸挿通孔に対して軸部材50が摺動可能であるとともに、第1固定側溝66と切欠部27と第2固定側溝76とで形成される突起挿通孔に対して一対の突起部52が摺動可能である。そのため、遊戯可能状態において、第1ホールド32および第2ホールド36が第1作動限界位置と第2作動限界位置との範囲内を作動することができ、これまでは遊戯者(例えば子供)どうしが一緒に遊ぶということよりも個々の遊びとなりがちであったクライミングを、複数の遊戯者(例えば複数の子供)で楽しむことが可能となる。
【0071】
また、第1ホールド32および第2ホールド36を、第1作動限界位置と第2作動限界位置との限られた範囲内(例えば、各ホールド32,36と各固定部材60,70とが対向する対向面どうしの水平方向距離が本実施形態では25mmの範囲内)でのみ作動できるようにすることで、例えば想定を超えた作動に起因するケガの発生を防止でき、遊戯者(例えば子供)が安全に遊ぶことができる。
【0072】
また、第1ホールド32および第2ホールド36を押したり引いたりすることができるようにすることで、クライミング遊具における遊びの幅を増やすことができるだけでなく、遊戯者(例えば子供)どうしがコミュニケーションを取るきっかけを作ることもできる。特に、パネル20の両面にホールドが取り付けられている場合にはパネル20の両面で遊ぶことができるが、このような場合であっても、パネル20を挟んだ見えない相手との間で、ホールドを押したり引いたりすることでコミュニケーションを取りながら遊ぶことが可能となる。従来のクライミングやボルダリングといった遊びでは、上述のとおり個々の遊びとなりがちであったが、本実施形態によれば、遊戯者同士のコミュニケーションを自然と促進させることが可能となる。
【0073】
また、クライミングやボルダリングといった遊びは、低年齢児の子供には難しく、クライミングで遊ぶことに対する心理的なハードルが高くなりがちである。この点、本実施形態によれば、クライミングといった遊びができなくとも、ホールド32,36を押したり引いたりすることに対して子供達の興味を惹きつけることができ、クライミングといった遊びに対する心理的な抵抗感を下げることが可能となる。
【0074】
また、本実施形態では、パネル20に対して第1ホールド32および第2ホールド36を作動させることが可能でありながらも、遊戯者(例えば子供)の身体(例えば指)を挟むことを防止できるといった安全面も担保されている。なお、安全面の観点から言えば、例えば、パネル20の第1壁面22と対向する側の第1固定部材60の面、および、パネル20の第2壁面24と対向する側の第2固定部材70の面に、スポンジ等の柔らかい素材やゴム等の弾性部材を設けてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、パネル20の第1壁面22と対向する側の第1固定部材60の面、および、パネル20の第2壁面24と対向する側の第2固定部材70の面は、いずれも平面であるが、これに限られない。例えば、円錐状のように、中心部がパネル20との距離が最も小さく、径方向外側に向けてパネル20との距離が次第に大きくなるような形状であっても、第1固定部材60または第2固定部材70とパネル20との間で遊戯者の身体(例えば指)を挟むリスクが軽減される。
【0076】
また、本実施形態では、パネル20の第1壁面22および第2壁面24のいずれにもホールド32,36を設けて、パネル20を挟んだ見えない相手とも遊ぶことができるように構成されているが、これに限られず、パネル20のいずれか一方の壁面にのみホールドを設けて、このホールドを、パネル20に対してA方向またはB方向に作動できるように構成してもよい。
【0077】
さらに、本実施形態では、ホールド32,36を、パネル20に対してA方向とB方向とに作動できるように構成しているが、これに限られず、ホールドを、パネル20の面に沿った方向に作動できるように構成してもよい。例えば、ホールドを、パネル20の壁面22,24における所定の第1位置と、この第1位置とは異なるパネル20の壁面22,24(ただし、第1位置と同じ壁面)における第2位置と、の間で作動できる取付部材を設けることで実現できる。このようにホールドが作動する場合であっても、これまでにない新たなクライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材を提供することができ、複数の遊戯者(例えば複数の子供)で楽しむことができる。
【0078】
なお、本実施形態のクライミング遊具は、複合遊具1に含まれるクライミング遊具10のみならず、単体で設置されたクライミング遊具10にも適用することができる。また、本実施形態のクライミング遊具用部材30は、複合遊具1に含まれるクライミング遊具10に用いられるクライミング遊具用部材、および、単体で設置されたクライミング遊具10に用いられるクライミング遊具用部材のいずれにも適用することができる。クライミング遊具用部材は、第1ホールド32、第2ホールド36、軸部材50、第1固定部材60および第2固定部材70のうち、全部の部材または一部の部材が相当する。
【符号の説明】
【0079】
1 複合遊具
10 クライミング遊具
20 パネル(クライミング遊具用パネル)
22 第1壁面
24 第2壁面
30 クライミング遊具用部材
32 第1ホールド
36 第2ホールド
40 取付部材
50 軸部材
60 第1固定部材
70 第2固定部材
【要約】
【課題】これまでにない新たな、クライミング遊具、複合遊具、および、クライミング遊具用部材を提供する。
【解決手段】パネル20と、パネル20に配置されるホールド32と、ホールド32を、パネル20の第1壁面22との間で所定の距離を有するA方向側作動限界位置と、パネル20の第1壁面22との距離がA方向側作動限界位置よりも小さいB方向側作動限界位置と、の間で作動できるようにパネル20に取り付け可能な取付部材40とをを備える。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7