(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】くさび緊結式足場における緊結装置
(51)【国際特許分類】
E04G 7/32 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
E04G7/32 A
(21)【出願番号】P 2021204706
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2021-12-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592178303
【氏名又は名称】東阪工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】行本 努
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】特許第5648145(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0147617(KR,A)
【文献】特開2008-280741(JP,A)
【文献】特開2011-140769(JP,A)
【文献】特開2018-009349(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1522737(KR,B1)
【文献】実開平07-004683(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 7/32
E04G 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前下がりに傾斜させられた中央壁および前記中央壁の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁からなり、前記1対の側壁の前端部が支柱の所定高さの外面に接合されている平面より見て前方開口コ字形の受け金具と、
布材の端部に垂下状に設けられ、前記受け金具に上方から挿入される係止金具とよりなり、
前記係止金具は、後壁および前記後壁の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁を有し、かつ、前記布材より下方に突出しうるように前記布材の端部に取り付けられ、前記係止金具を前記受け金具に上方から挿入した際に前記後壁の下部が前記受け金具の前記中央壁の内面に沿うようになされている平面より見て前方開口コ字形のくさび案内部材と、略縦長板状の形状を有し、長さの一部が突出するように前記くさび案内部材内に上下移動自在に配置され、下方に打ち込まれた際に前面の所定箇所が前記支柱の外面に押し付けられ、かつ、前記後壁を前記中央壁の内面に押し付けうるように後面の所定箇所が前記後壁の内面に押し付けられるくさびとを備え、
前記くさびの長さ中間部に上下方向に伸びる所要長さの前方開口凹部または長孔が設けられているとともに、前記前方開口凹部または前記長孔内に配置されて、前記くさびを上下移動可能に保持するくさび保持バーが前記くさび案内部材の両側壁間に渡し止められており、
さらに、前記くさびの下端部に、前記くさびの下端部を叩き上げて前記くさびを上方に移動させた際
の所定の位置において前記くさび案内部材の下端に当接し
て前記くさびの上下移動ストロークの上限を規定することによって前記くさび保持バーに対して上向きの荷重を作用させないようにするための、水平方向外方に突出したくさび上方抜け止め部が設けられており、
前記くさび上方抜け止め部は前記くさびの下端部が膨出させられることで前記くさびと一体的に形成され
、
前記くさび上方抜け止め部および前記くさび案内部材の下端が当接した際に、それと同時に、前記前方開口凹部または前記長孔の下端縁と前記くさび保持バーとが接する、もしくは、前記前方開口凹部または前記長孔の下端縁と前記くさび保持バーとの間に若干の間隙が形成されるくさび緊結式足場における緊結装置。
【請求項2】
前記くさび上方抜け止め部が、前記くさび上方抜け止め部および前記くさび案内部材の
下端が当接した際に前記くさび案内部材の下端面と面接触しうる上面を有している、請求項1に記載のくさび緊結式足場における緊結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、くさび緊結式足場における緊結装置に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、支柱と布材との関係において、前とは緊結する支柱のある側を、後ろとは緊結する布材のある側をいうものとする。
【背景技術】
【0003】
くさび緊結式足場における緊結装置として、例えば、支柱の所定高さ外周に接合させられた受け金具と、2つの支柱間に渡される布材の端部に固着させられたくさび状係止金具とよりなり、くさび状係止金具を受け金具にハンマー等の工具で上から叩き込んで係止することにより、支柱と布材とを緊結するものが知られている。このような緊結装置において、支柱と布材との緊結を解除する際は、布材のくさび状係止金具の下端を工具で叩き上げてくさび状係止金具の係止を解除していた。下記特許文献1には、くさび状係止金具が、緊結のため降下させられる際に支柱と接する垂直部を備えた前縁と受け金具の中央壁と略同じ斜度で前下がりに傾斜した後縁を有する縦長板状のくさびと、一部が布材から下方に突出しかつ平面からみて受け金具に嵌る大きさのコ形で中央壁が受け金具の中央壁と同じ斜度で前下がりに傾斜させられており、くさびが上下動自在に挿入されているくさび案内部材とを備え、くさび案内部材の布材から下方が受け金具への挿入部となされ、くさび案内部材の両側壁にくさび脱出阻止バー(くさび保持バー)が渡し止められ、くさび脱出阻止バーが横断しかつくさびの上下移動ストロークに必要な上下長さで緊結解除時にくさび脱出阻止バーが接する底部を備えた上下長孔または前向き切欠部がくさびに形成された緊結装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のくさび緊結式足場における緊結装置にあっては、支柱と布材との緊結を解除するためにくさびの下端部をハンマー等の工具で叩き上げる際、叩く力が強いと、くさびが移動ストロークの上限、すなわち、くさび脱出阻止バーが上下長孔または前向き切欠部の下端縁に当接する位置まで上昇するため、緊結装置の繰り返しの使用に伴い、くさび脱出阻止バーも繰り返し上下長孔または前向き切欠部の下端縁に当接して荷重を受ける。そこで、くさび脱出阻止バーにかかる荷重を軽減させることによる緊結装置の耐久性の向上が要請される。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、簡素な構成で、支柱と腕木材との緊結を解除する際にくさび脱出阻止バーにかかる荷重を軽減させ、緊結装置の耐久性を向上させるとともに、くさびがくさび案内部材から上方へ脱出するのがより確実に防止されるくさび緊結式足場における緊結装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0008】
前下がりに傾斜させられた中央壁および前記中央壁の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁からなり、前記1対の側壁の前端部が支柱の所定高さの外面に接合されている平面より見て前方開口コ字形の受け金具と、
布材の端部に垂下状に設けられ、前記受け金具に上方から挿入される係止金具とよりなり、
前記係止金具は、後壁および前記後壁の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁を有し、かつ、前記布材より下方に突出しうるように前記布材の端部に取り付けられ、前記係止金具を前記受け金具に上方から挿入した際に前記後壁の下部が前記受け金具の前記中央壁の内面に沿うようになされている平面より見て前方開口コ字形のくさび案内部材と、略縦長板状の形状を有し、長さの一部が突出するように前記くさび案内部材内に上下移動自在に配置され、下方に打ち込まれた際に前面の所定箇所が前記支柱の外面に押し付けられ、かつ、前記後壁を前記中央壁の内面に押し付けうるように後面の所定箇所が前記後壁の内面に押し付けられるくさびとを備え、
前記くさびの長さ中間部に上下方向に伸びる所要長さの前方開口凹部または長孔が設けられているとともに、前記前方開口凹部または前記長孔内に配置されて、前記くさびを上下移動可能に保持するくさび保持バーが前記くさび案内部材の両側壁間に渡し止められており、
さらに、前記くさびの下端部に、前記くさびの下端部を叩き上げて前記くさびを上方に移動させた際に前記くさび案内部材の下端に当接しうるように水平方向外方に突出したくさび上方抜け止め部が設けられているくさび緊結式足場における緊結装置。
【発明の効果】
【0009】
上記のくさび緊結式足場における緊結装置によれば、くさび上方抜け止め部がくさびの下端部に設けられていることで、くさびの下端部を叩き上げてくさびを上方に移動させた際にくさび案内部材の下端にくさび上方抜け止め部が当接するため、くさびがくさび案内部材から上方へ脱けるのがより確実に防止される。その結果、上下特許文献1記載の従来技術と比べて、緊結解除の作業性が向上すとともに、くさび保持バーにかかる荷重が無くなる、あるいは、軽減されるため、緊結装置の耐久性も向上し、部品交換の頻度が減り、ランニングコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明の実施形態に係るくさび緊結式足場における緊結装置の使用前の状態を示す水平断面図である。
【
図2】
図1の状態のくさび緊結式足場における緊結装置を示す、くさび案内部材および布材の一部を切り欠いた側面図である。
【
図3】この発明の実施形態に係るくさび緊結式足場における緊結装置の係止金具を受け金具に上方から挿入し、くさびを下方に打ち込んで係止金具を受け金具に緊結した状態を示す、くさび案内部材および布材の一部を切り欠いた側面図である。
【
図4】
図3のくさび緊結式足場における緊結装置の緊結状態からくさびを叩き上げて係止金具および受け金具の緊結を解除した状態を示す、くさび案内部材および布材の一部を切り欠いた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態に係るくさび緊結式足場における緊結装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1ないし
図5に示すくさび緊結式足場における緊結装置は、支柱(1)の所定高さの外面に接合された受け金具(2)と、布材(3)の端部に垂下状に設けられ、受け金具(2)に上方から挿入される係止金具(4)とからなる。受け金具(2)は、平面より見て前方開口コ字形を有し、前下がりに傾斜させられた中央壁(21)および中央壁(21)の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁からなり、支柱(1)の所定高さの外面に接合されている。係止金具(4)は、布材(3)の端部に取り付けられたくさび案内部材(5)と、くさび案内部材内に上下移動自在に配置されたくさび(6)とを有している。
【0013】
詳細には、くさび案内部材(5)は、後壁(51)および後壁(51)の左右端部からそれぞれ前方に延びた1対の側壁を有する平面より見て前方開口コ字形とされ、布材(3)の端部に垂下状に取り付けられている。好ましくは、くさび案内部材(5)は、布材(3)の外径と受け金具(2)の長さとを加えた長さより若干長い上下長さを有しており、布材(3)の前端上下に形成せられた平面視コ形凹部(31)(32)に嵌め入れられ、くさび案内部材(5)の下部が布材(3)より下方に突出するとともに、係止金具(4)を受け金具(2)に上方から挿入した際にくさび案内部材(5)の下端部が受け金具(2)の下端より下方に突出しうるように上下の平面視コ形凹部(31)(32)の縁に固着されている。後壁(51)は、係止金具(4)を受け金具(2)に上方から挿入した際に後壁(51)の下部が受け金具(2)の中央壁(21)の内面に沿うようになされている。
【0014】
くさび(6)は、略縦長板状体からなり、その上端部から左右方向外方に突出するように突出状頭部(61)が形成されている。くさび(6)の前面は下部が僅かに後下がりに傾斜させられている以外大半垂直であって、その中程に所要長さの前方開口凹部(63)が設けられている。くさび(6)の後面は受け金具(2)の中央壁(21)の傾斜角度と同じ角度で前下がりに傾斜させられ、その中程に所要長さの後方開口凹部(64)が設けられている。後方開口凹部(64)は、下部が前下がりに傾斜させられ、かつ、下端部がL状窪み(65)となされ、下部の前下がり傾斜部分に続く上方に2つの円弧状窪み(66)が形成せられている。また、くさび(6)の下端部には、くさび(6)の下端部から水平方向外方(この実施形態においては左右方向外側)に突出させられた突出部(62)が設けられている。突出部(62)の詳細については後述する。くさび(6)は、くさび案内部材(5)の両側壁間に渡し止められ、かつ、くさび(6)の前方開口凹部(64)内に配置されたくさび保持バー(54)によって、くさび(6)の長さの一部がくさび案内部材(5)内に収容されるように上下に移動自在に保持されている。
【0015】
くさび(6)の下端部に設けられた突出部(62)は、使用者がハンマー等でくさび(6)の下端部を叩き上げてくさび(6)を上方に移動させた際に、突出部(62)がくさび案内部材(5)の下端に当接して、くさび(6)のそれ以上の上昇を阻止し、くさび(6)がくさび案内部材(5)から上方に脱出するのを防止するくさび上方抜け止め部(62)として機能し、実質的にくさび(6)の上下移動ストロークの上限を規定する。なお、くさび上方抜け止め部(62)は、この実施形態においては左右方向外方へ突出させられているが、突出させられる方向は限定されず、くさび案内部材(5)の下端に当接しうるようになされていればよい。また、くさび上方抜け止め部(62)は、くさび(6)の下端部に取り付けられた別部材で構成されていてもよいが、この実施形態のようにくさび(6)の下端部が膨出させられて一体的に形成された突出部(62)により構成すれば、くさび(6)の製造が容易であるうえ、耐荷重強度の面でも有利である。
【0016】
くさび(6)の前方開口凹部(63)は、長孔とされていてもよい。また、前方開口凹部(63)あるいは長孔の上下長さ、および、前方開口凹部(63)あるいは長孔とくさび案内部材(5)の両側壁間に渡し止められたくさび保持バー(54)との位置関係は、係止金具(4)による緊結機能が十分果たされるようにくさび(6)を上下移動させうる範囲で適宜設定されるが、くさび上方抜け止め部(62)およびくさび案内部材(5)の下端が当接する実質的なくさび(6)の上下移動ストロークの上限において、くさび保持バー(54)に対して上向きの荷重が作用しないようにするために、前方開口凹部(63)あるいは長孔の下端縁とくさび保持バー(54)とがちょうど接するのが好ましく、前方開口凹部(63)あるいは長孔の下端縁とくさび保持バー(54)との間に若干の間隙が形成されるのがより好ましい。
【0017】
くさび案内部材(5)の後壁(51)には、受け金具(2)に嵌め入れられた状態で布材(3)の前端下部の上方に位置する箇所に、上貫通孔(52)があけられているとともに、くさび(6)の突出部(62)がくさび案内部材(5)の下端に当接した状態でくさび(6)のL状窪み(65)と対向する位置に、下貫通孔(53)があけられている。前方に開口したV形の側面形状を有し、下側の斜め部分が前方に延長させられた下側斜め前方延長部(71)、および、下側斜め前方延長部(71)の前端部から垂下させられた垂直部(72)が形成させられた板ばね(7)が、布材(3)および係止金具(4)にまたがって配置されている。板ばね(7)の下側斜め前方延長部(21)は上貫通孔(52)に前方へ挿通させられている。板ばね(7)の上端部はくさび案内部材(5)の後壁(51)に受け止められている。板ばね(7)の垂直部(72)の下端部には、くさび抜け止めピン(8)が板ばね(7)の垂直部(72)の下端部から前後方向に突出するように取り付けられており、くさび抜け止めピン(8)の後端部がくさび案内部材(5)の後壁(51)の下貫通孔(53)に挿通させられているとともに、くさび抜け止めピン(8)の前端部がくさび(6)のL状窪み(65)に嵌め合わされている。受け金具(2)の中央壁(21)には、受け金具(2)に係止金具(4)を挿入した状態におけるくさび案内部材(5)の後壁(51)の下貫通孔(53)に対向する箇所に、貫通孔(22)が形成されている。
【0018】
なお、L状窪み(65)に続く上方に2つの円弧窪み(66)が形成せられているが、これはくさび(6)を2段階に降下できるようにするためであり、円弧窪み(66)は1つであってもよいし、2つ以上あってもよい。くさび案内部材(5)の構造およびくさび案内部材(5)の布材(3)への取り付け方法についても上記のものに限定されず、その機能を果たしうる範囲で適宜変更可能である。
【0019】
支柱(1)に布材(3)を緊結するには、まず、くさび(6)およびくさび案内部材(5)よりなる係止金具(4)を支柱(1)に固着せられた受け金具(2)に挿入し、
図3の状態とする。次に、くさび(6)の突出状頭部(61)をハンマー等で叩き、くさび(6)を下降させる。すると、くさび(6)の前面が支柱の外面(1)に押し付けられ、かつ、くさび(6)の後面の下部がくさび案内部材(5)の後壁(51)に押し付けられることで後壁(51)の外面を受け金具(2)の中央壁(21)の内面に押し付ける。こうして、係止金具(4)は受け金具(2)に固定させられる。さらに、くさび(6)が下降する際、くさび抜け止めピン(8)の前端部がくさび(6)のL状窪み(65)から抜けて上斜め後方に移動し、その上の円弧窪み(66)に嵌るとともに、くさび抜け止めピン(8)が後方に押されて、くさび抜け止めピン(8)の後端部はくさび案内部材(5)の後壁(51)の下貫通孔(53)からさらに後方に突出し、受け金具(2)の中央壁(21)の貫通孔(22)に嵌合させられる。その結果、係止金具(4)は受け金具(2)により強固に固定させられ、布材(3)は安定して支柱(1)に緊結させられる。
【0020】
支柱(1)および布材(3)の緊結を解除するには、受け金具(2)の下方に突出したくさび(6)の下端部をハンマーで上に叩き、くさび(6)を上方に移動させる。すると、くさび(6)による支柱(1)およびくさび案内部材(5)への押圧が解除されるとともに、くさび抜け止めピン(8)の前端部がくさび(6)の円弧窪み(66)からL状窪み(65)に移動し、くさび抜け止めピン(8)が受け金具(2)の中央壁(21)の貫通孔(22)から抜けるので、係止金具(4)は受け金具(2)から自由になる。そこで、受け金具(2)から布材(3)の端部に設けられた係止金具(4)を上へ抜けば、支柱(1)および布材(3)の緊結は解除される。この際、くさび上方抜け止め部(62)が設けられていることで、くさび(6)の下端部を強く叩き上げてくさび(6)を上方に移動させた場合であっても、くさび案内部材(5)の下端にくさび上方抜け止め部(62)が当接するため、くさび(6)がくさび案内部材(5)から上方へ脱けるのが確実に防止される。その結果、緊結解除の作業性が向上する。さらに、くさび保持バー(54)にかかる荷重が軽減されるため、緊結装置の耐久性も向上し、部品交換の頻度が減り、ランニングコストを削減することができる。
【符号の説明】
【0021】
(1)支柱
(2)受け金具
(21)中央壁
(22)貫通孔
(3)布材
(4)係止金具
(5)くさび案内部材受け金具の中央壁
(51)後壁
(52)上貫通孔
(53)下貫通孔
(54)くさび保持バー
(6)くさび
(61)突出状頭部
(62)くさび上方抜け止め部(突出部)
(63)前方開口凹部
(64)後方開口凹部
(65)L状窪み
(66)円弧窪み
(7)板バネ
(71)前方延長部
(72)垂直部
(8)くさび抜け止めピン
【要約】
【課題】緊結解除時に所定の構成部品に作用する荷重を軽減させて耐久性を向上させるとともに、くさびがくさび案内部材から上方へ脱出するのがより確実に防止されるくさび緊結式足場における緊結装置を提供する。
【解決手段】くさび緊結式足場における緊結装置は、支柱1の外周に接合された受け金具2および布材3の端部に取り付けられた係止金具4とよりなり、係止金具4は、平面より見て前方開口コ字形のくさび案内部材5と、略縦長板状の形状を有し、長さの一部が突出するようにくさび案内部材5内に上下移動自在に配置されたくさび6とを備え、くさび6の下端部に、くさび6の下端部を叩き上げてくさび6を上方に移動させた際にくさび案内部材5の下端に当接しうるように水平方向外方に突出したくさび上方抜け止め部62が設けられている。
【選択図】
図4