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特許7136511人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20220906BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20220906BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220906BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220906BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20220906BHJP
【FI】
G08G1/127 B
G01C21/34
G06Q10/04
G16Y10/40
G16Y40/60
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021534262
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2019122664
(87)【国際公開番号】W WO2020119520
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】201811515976.7
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521258120
【氏名又は名称】クレイドン グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CLAYDON GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ボヤルスキ,ピエール-ニコラ-ジャン
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191357(JP,A)
【文献】特開2013-41360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0319306(US,A1)
【文献】特表2022-508560(JP,A)
【文献】特開2004-82965(JP,A)
【文献】特開2017-176312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0163204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G06Q 10/00-99/00
G16Z 99/00
G16Y 10/40
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデ内の道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するためのゲレンデ制御センターと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するための配車制御センターと、
いずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信して、該実行コマンドに従って移動する複数の車両と、を含む、
ことを特徴とする人工スキー場の輸送システム。
【請求項2】
輸送ゾーンの環境パラメータは、輸送ゾーンの積雪厚さ、輸送ゾーン地面や雪での滑りの程度、輸送ゾーンの積雪密度、輸送ゾーンの天気と空域条件、輸送ゾーンに障害物があるかどうかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項3】
各車両は、リアルタイムの車両運行情報を配車制御センターにリアルタイムで送信し、リアルタイムの車両運行情報は、車両の位置、車両の速度、路面または空域の状態、燃料量の状態、電力状態、および車両の故障状態を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項4】
人工スキー場の電子地図は、輸送ゾーンの道路区間情報および車両の位置情報をさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項5】
配車可能な車両システムの各車両は、いずれも駆動ユニットおよび車室を含み、輸送対象に応じて車室種類が決定されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項6】
配車制御センターは、ゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信し、異なる宿泊施設の予約人数に基づいて各宿泊施設に必要な車両数を計算し、各宿泊施設に必要な車両数に応じて各車両を手配する、
ことを特徴とする請求項5に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項7】
配車制御センターは、輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集されたゲレンデ以外の人と動物の画像を識別し、スキーヤーや動物が所定のルートに現れた場合、ルート変更または停止信号を編集して車両に送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項8】
配車制御センターは、スキー場の輸送ゾーンに設置されたカメラで収集された画像を識別し、ゲレンデ以外の障害物や輸送ゾーン上の移動物体を識別し、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項9】
車両は、車両に取り付けられたカメラまたはセンサによって収集された輸送ゾーンの画像を識別し、輸送ゾーン上の障害物を識別し、編集して配車制御センターに送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項10】
各車両は、いずれもAlvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である、
ことを特徴とする請求項5に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項11】
配車制御センターは、ゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信して、輸送位置情報および輸送対象情報に解析し、輸送位置情報および輸送対象情報に基づき、輸送位置に最も近くかつ輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項12】
輸送ゾーンの環境パラメータは手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の輸送システム。
【請求項13】
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するステップと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するステップと、
各車両がいずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の人工スキー場の輸送システムに基づいた人工スキー場の輸送方法。
【請求項14】
輸送ゾーンの環境パラメータは、輸送ゾーンの積雪状況、輸送ゾーンの地面または空域状況、輸送ゾーン地面や雪での滑りの程度、天気状況、障害物、輸送ゾーンの雪崩リスクを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項15】
各車両は、いずれも駆動ユニットおよび車室を含み、輸送対象に応じて、車室種類が決定されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項16】
配車制御センターを利用してゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズ、予約人数データを受信し、各宿泊施設に必要な車両数を計算し、ルートを計算して、各宿泊施設に必要な車両数に応じて、各車両を手配するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項17】
配車制御センターを使用して、輸送ゾーンに設置されたカメラによって継続的に収集されたゲレンデ以外の人や動物の画像を識別し、スキーヤーや動物が輸送ゾーンに現れたら、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項18】
配車制御センターを使用して、輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集された画像を識別し、輸送ゾーン上の障害物、移動物体または雪崩を識別し、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信し、安全と救助センターに知らせるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項19】
配車制御センターは、人工知能技術を使用して、過去の経験と当日のデータに基づいて最適なルートを選択するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項20】
各車両は、すべてAlvisBv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である、
ことを特徴とする請求項19に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項21】
配車制御センターを利用してゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信し、輸送ニーズ位置をルート情報および輸送対象情報に解析して、輸送ニーズの位置情報および輸送対象情報に基づいて、車両の配車位置に最も近くかつ輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項22】
輸送ゾーンの環境パラメータは、手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【請求項23】
各車両は、リアルタイムの車両運行情報を配車制御センターにリアルタイムで送信するステップをさらに含み、リアルタイムの車両運行情報は、車両の位置、車両の速度、路面または空域の状況、燃料量の状態、電力状態、車両の故障状態を含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の人工スキー場の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工スキー場の技術分野に関し、特に人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでの架空されたロープウェイは、チェアリフト、ゴンドラリフト、交走式ロープウェイなどの様々なロープウェイを含む。
【0003】
スキー場では、スキーヤーは、何らかの交通機関を使用してスキー場の下からスキー場の頂上まで行き、そして滑り降りることがよくある。現在、ロープウェイ、牽引ロープウェイ、マジックカーペットなどの交通機関の乗り場を変更できないという制限により、スキーヤーは、自分で決まった乗り場所に到着したときにのみスキー場の頂上に行くことができる。同時に、交通機関の乗り場の制限により、スキー場の各ゲレンデは、固定された始点と固定された終点を採用して運営することになり、つまり、交通機関の乗り場に沿ってのみ運営することができ、スキー場の設計と運営に深刻な影響を及ぼす。例えば、スキー場の限られたエリアの天候(風)が良くなく、交通機関(ロープウェイ)が運行停止した場合、スキー場全体が休業しなければならない。また、ゲレンデのごく一部がスキーに適していないか、またはスキー場のごく一部にある積雪がスキーの要件を満たしていない場合、運営者は、ゲレンデのほとんどのエリアを閉じるかスキーヤーに開放するかを決定する。ゲレンデの一部の天候が悪く、交通機関が運行停止したため、悪天候のゲレンデの部分だけでなく、この部分に接続されているすべてのゲレンデも閉じることになる。
【0004】
また、交通機関の乗り場の制限により、交通機関の乗り場に近いスキー場のホテルは宿泊料金が高く、交通機関の乗り場から遠く離れたホテルの料金は安い。
【0005】
現在、図1に示すように、ゲレンデ上の交通機関は主にロープウェイであり、これらのロープウェイの乗り場と降り場の位置は固定されている。ゲレンデ2は、固定されたロープウェイの下部31と、固定されたロープウェイの上部32を有する。すべてのロープウェイサポートにはセメント基礎が必要であるため、冬に位置を変更することはほとんど不可能である。ドラッグロープのような短いロープウェイだけがほんの数日で動くことができる。
【0006】
積み込み場は、乗り位置とも呼ばれ、貨物や観光客を輸送システムに乗せることができる場所を指す。降ろし場は、降り位置とも呼ばれ、輸送システムに乗せっている貨物や観光客を降ろす場所を指す。乗り場と降り場は、レストラン用品の補給、雪、造雪機の輸送などの、スキー場の他の様々なニーズにも対応できる。
【0007】
ロープウェイの乗り場と降り場の位置は固定されているため、ゲレンデは始点と終点が固定されている場合にのみ運営できる。ゲレンデに沿って滑れない位置がある場合は、ゲレンデ全体を閉じられなければならない。ロープウェイの前の駅と次の駅に滑り込まない場合は、ロープウェイ全体を停止する必要があるため、それに接続されているすべてのゲレンデも閉じる必要がある。ある場所にスキー可能な条件がなく、スキー場の他の部分がスキーをすることができたとしても、スキー場全体が妨げられることになる。図2に示すように、スキー場の底部の雪量が不足であるため、スキーヤーはスキー場に滑って戻ることができず、その結果、スキー場全体が閉じられることになり、つまり、スキー場の雪不足エリア4により、エリア5がスキー可能であるが使用できなくなる。
【0008】
ロープウェイの国家基準の要件に従って、ロープウェイの夜間の運行は制限されている。現在、道路交通のない高地のレストランの運営は、夜にレストランから滑り降りることができる優秀なスキーヤーに限定されている。現在、夜にホテルへのロープウェイが運行停止されるため、お客様が夜に山を登ってチェックインしたり、雪に囲まれたホテルから離れたりすることが難しいため、道路交通のない高地のホテルは、スムーズに運営できない。
【0009】
大規模なスキー場では、ゲレンデネットワークに造雪機システム(給水管、給電ケーブル、圧縮空気管、通信ケーブルなど)を設置する必要がある。これらの設備はゲレンデに沿って配置される。該造雪パイプネットワークは通常、地下に埋設されており、造雪機は、地面の適切な位置に固定する必要があり、特定の水圧と1時間当たりの流量を備える。したがって、造雪機の給水装置、および給電装置は、ゲレンデネットワークに沿ってのみ固定できる。
【0010】
さらに、初期設計には、この高い1時間当たりの輸送能力がある段階で必要とされない場合でも、最初から将来の時間当たりの輸送能力の仕様を含める必要がある。このように、初期投資が非常に大きく、スキー市場の需要の増加する可能性を考慮する必要がある。したがって、スキー場の初期の運営期間に、ロープウェイは多額の投資と低い利用率を必要とする。スキー場は、最初の数年間に投資を回収できない恐れがある。
【0011】
ロープウェイは特定の位置に固定されており、特定の山に合わせて特別に設計されている。ロープウェイをある場所から別の場所に移動するコストは非常に高いため、ロープウェイには正式な中古品市場がなく、リースや請負もできない。
【0012】
ロープウェイの輸送と設置期間は6か月から1年である。
【0013】
各ロープウェイでは、関連する国家の部門が現場で安全制御検査を実施する必要があるが、これには時間がかかり、スキー場の運営に影響を及ぼす。
【0014】
ロープウェイの時間あたりの輸送能力は、乗りと降り速度によって異なる。ほとんどの場合、乗ると降りることは搬器が動いている間に行われるため、スキーヤーにとってセキュリティ上のリスクがある。
【0015】
ロープウェイにより、スキー場の運営がロープウェイの運休(風が強い)や故障に非常に敏感である。ロープウェイが運休する場合、該ロープウェイに沿ったゲレンデは運営を停止しなげればならない。
【0016】
ロープウェイは固定されており、頂上の駅の位置は、できるだけここを出発点としての多くのゲレンデにサービスを提供する必要がある。これにより、ゲレンデネットワークの設計が制限されている。
【0017】
ほとんどのスキーヤーは、あるスキーエリアから別のスキーエリアに切り替えるのがスキー場で一般的である。例えば、冷たい影を避けるために太陽の下でスキーをしたり、午後に雪の質に優れたところに行ってスキーをする。1日の特定の時間帯にロープウェイの使用率が非常に低い場合でも、スキー場の各エリアには、完全負荷能力のある(輸送能力が高い)ロープウェイが必要であり、これはスキー場のロープウェイとゲレンデへの過剰な投資、および低い使用率につながる。
【0018】
ロープウェイが停止または故障すると、コース全体が運行停止する。避難が必要な場合は数時間かかる場合があり、スキー場の気温が-10℃に達すると、乗客にとって非常に危険である。
【0019】
故障したロープウェイは一晩で検査して修理し、翌朝、営業を始める前に修理ができる必要があり、作業員は大きなプレッシャーにさらされている。この種の作業は、特に夜間の気温が-20℃から-30℃で、強風が吹いている場合、困難で危険である。
【0020】
ほとんどのロープウェイ技術は同じ搬器を使用し、混合型リフトのみが同時にゴンドラ/チェアを使用している。このように、ファーストクラスとエコノミークラスに応じて運賃を計算することはできないが、ゲレンデのカバー範囲に応じてのみ計算することができる。
【0021】
伝統的に、造雪機は雪を造るときに、位置が固定されている。それらは雪の山を作り、次に圧雪機で平らにする。固定された位置で雪を造るとき、造雪機に近いエリアでは雪の質が良く、造雪機から遠いエリアでは雪の質が悪いことになる。スキーヤーはこの雪の質の変化に不満を持っており、リスクも高まる。時々、氷の地殻から柔らかい雪への雪の質の変化は、60から80センチメートルしか離れていなく、スキーヤーがこれを受け入れるのが難しい。
【発明の概要】
【0022】
上記の問題を考慮して、本発明は、上記の問題を克服するか、または少なくとも部分的に上記の問題を解決する人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法を提供することを提案し、より良いゲレンデの運営および管理、より高い利用率、安全性を持ち、前述の背景技術に制限されない効率的な山岳輸送システムを提案し、移動可能な乗り場と降り場、より高い1時間当たりの輸送能力、より長い輸送距離、より良い雪の質を実現できる。それにより、スキー場が新しいコンセプト、新しいゲレンデネットワークの設計、異なる都市計画、より迅速な施工速度を持つようになり、運用モードを変えて、投資コストを削減するとともに、より良い運営効果を取得した。
【0023】
本発明の一態様では、人工スキー場の輸送システムを提供し、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデ内の道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するためのゲレンデ制御センターと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するための配車制御センターと、
いずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信して、該実行コマンドに従って移動する複数の車両と、を含む。
【0024】
さらに、輸送ゾーンの環境パラメータは、輸送ゾーンの積雪厚さ、輸送ゾーン地面や雪での滑りの程度、輸送ゾーンの積雪密度、輸送ゾーンの天気と空域状況、輸送ゾーンに障害物があるかどうかを含む。
【0025】
さらに、各車両は、リアルタイムの車両運行情報を配車制御センターにリアルタイムで送信し、リアルタイムの車両運行情報が、車両の位置、車両の速度、路面または空域の状況、燃料量の状態、電力状態、車両の故障状態を含む。
【0026】
さらに、人工スキー場の電子地図は、輸送ゾーンの道路区間情報および車両の位置情報をさらに含む。
【0027】
さらに、配車可能な車両システムの各車両はすべて駆動ユニットおよび車室を含み、輸送対象に応じて車室種類が決定されている。
【0028】
さらに、配車制御センターはまた、ゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信し、異なる宿泊施設の予約人数に基づいて各宿泊施設に必要な車両数を計算し、各宿泊施設に必要な車両数に応じて各車両を手配する。
【0029】
さらに、配車制御センターはまた、輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集されたゲレンデ以外の人と動物の画像を識別し、スキーヤーや動物が所定のルートに現れた場合、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信する。
【0030】
さらに、配車制御センターはまた、スキー場の輸送ゾーンに設置されたカメラで収集された画像を識別し、ゲレンデ以外の障害物や輸送ゾーンにおける移動物体を識別し、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信する。
【0031】
さらに、車両はまた、車両に取り付けられたカメラまたはセンサによって収集された輸送ゾーンの画像を識別し、輸送ゾーンにおける障害物を識別し、編集して配車制御センターに送信する。
【0032】
さらに、各車両は、すべてAlvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である。
【0033】
さらに、配車制御センターはまた、ゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信して、輸送位置情報および輸送対象情報に解析し、輸送位置情報および輸送対象情報に基づき、輸送位置に最も近くかつ輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信する。
【0034】
さらに、輸送ゾーンの環境パラメータは、手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される。
【0035】
本発明の別の態様では、上記の人工スキー場の輸送システムに基づく輸送方法を提供し、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデのゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にない道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するステップと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するステップと、
各車両がいずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信し、該実行コマンドに基づいて移動するステップと、を含む。
【0036】
さらに、輸送ゾーンの環境パラメータは、輸送ゾーンの積雪状況、輸送ゾーンの地面または空域状況、輸送ゾーン地面や雪での滑りの程度、天気状況、障害物、輸送ゾーンの雪崩リスクを含む。
【0037】
さらに、各車両は、すべて駆動ユニットおよび車室を含み、輸送対象に応じて車室種類が決定されている。
【0038】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを使用してゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズ、予約人数データを受信し、各宿泊施設に必要な車両の数を計算し、ルートを計算して、各宿泊施設に必要な車両数に応じて、各車両を手配するステップをさらに含む。
【0039】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを使用して、輸送ゾーンに設置されたカメラによって継続的に収集されたゲレンデの外にいる人や動物の画像を識別し、スキーヤーや動物が輸送ゾーンに現れたら、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信するステップをさらに含む。
【0040】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを使用して、輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集された画像を識別し、輸送ゾーン上の障害物、移動物体または雪崩を識別し、ルート変更または停止信号を編集して各車両に送信し、安全と救助センターに知らせるステップをさらに含む。
【0041】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターが人工知能技術を使用して、過去の経験と当日のデータに基づいて最適なルートを選択するステップをさらに含む。
【0042】
さらに、各車両は、すべてAlvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である。
【0043】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを利用してゲレンデ手配制御センターから送信された輸送ニーズを受信し、輸送ニーズ位置をルート情報および輸送対象情報に解析して、輸送ニーズの位置情報および輸送対象情報に基づいて、配車位置から最も近くて輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信するステップをさらに含む。
【0044】
さらに、輸送ゾーンの環境パラメータは、手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される。
【0045】
さらに、上記人工スキー場の輸送方法は、各車両が、リアルタイムの車両運行情報を配車制御センターにリアルタイムで送信するステップをさらに含み、リアルタイムの車両運行情報は、車両の位置、車両の速度、路面または空域の状況、燃料量の状態、電力状態、車両の故障状態を含む。
【0046】
従来の技術と比較して、本発明によって提供される人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法は、以下のように改善された。
(1)本発明は、人工スキー場の電子地図によれば、滑走不能な部分を算出し、新しい乗り場および降り場を決定して、配車制御センターに送信し、配車制御センターが新しい乗り場および降り場を配車可能な車両システムの各車両にリアルタイムで送信し、各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場に輸送し、輸送を継続的にし、スキーができないエリアが出ることを避けることができる。
(2)本発明は、各宿泊施設、駐車場およびレストランの予約人数に応じて、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数を算出し、各宿泊施設、駐車場およびレストランに必要な車両数を配車制御センターに送信し、配車可能な車両システム内の車両を合理的に手配して、配車可能な車両システムの最大利用率を達成する。
(3)本発明は、画像分析支援、スキーヤーの移動端末のGPS測位機能を使用して、ゲレンデ以外にいるスキーヤーの行動を計算し、スキーヤーおよび捜索救助員に提案を提供し、スキー場の安全性を改善する。
【0047】
上記の説明は、本発明の技術的解決手段の概要に過ぎない。本発明の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができる。本発明の上記および他の目的、特徴および利点を、より明白で理解しやすいように、以下では、本発明の具体的な実施形態を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、他の様々な利点および有益箇所が当業者に明らかになる。添付の図面は、好ましい実施形態を説明する目的でのみ使用され、本発明への限定とは見なされない。また、図面全体を通して、同じ参照記号が同じ部材を表す。
図1図1は、従来技術のスキー場の概略図である。
図2図2は、従来技術のスキー場運営問題の概略図である。
図3a図3aは、本発明による人工スキー場の輸送システムのブロック図である。
図3b図3bは、本発明による人工スキー場の輸送システムの動作原理のフローチャートである。
図4図4は、本発明による人工スキー場の輸送方法の工程図である。
図5図5は、本発明による完全に開いたゲレンデネットワークにおける可能な車両ルートの概略図である。
図6図6は、本発明の上部が閉じられたゲレンデネットワークにおける可能な車両ルートの概略図である。
図7図7は、本発明の下部が閉じられたゲレンデネットワークにおける可能な車両ルートの概略図である。
図8図8は、本発明のスキー場運営の概略図である。
図9図9は、様々な滑走不能エリアが本発明のスキー場に現れるとき、スキーヤーの可能な運びモードの概略図である。
図10図10は、本発明の2つの分離されたゲレンデの可能な輸送接続モードの概略図である。
図11a図11aは、本発明のスキー場の下部が閉じられたとき、新しい乗り場、降り場位置の概略図である。
図11b図11bは、本発明のスキー場の上部が閉じられたとき、新しい乗り場、降り場位置の概略図である。
図12図12は、本発明による異なるゲレンデの滑走不能エリアの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下において添付の図面を参照して、本開示による例示的な実施例をより詳細に説明する。 図面は本開示による例示的な実施例を示しているが、本開示を様々な形態で実施することができ、本明細書に記載の実施例によって限定されるべきではないことを理解されたい。それどころか、本開示をより完全に理解することができ、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることができるようにするために、これらの実施例を提供する。
【0050】
当業者は、他に画定されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)が、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することを理解することができる。また、一般辞書で画定されているような用語は、先行技術の文脈における意味と一致する意味を有すると理解されるべきであり、特に画定されない限り、それらは理想化された意味または過度に形式的な意味を使用しないことも理解されるべきである。
【0051】
本発明は、ゲレンデが部分的に開いているかまたは閉じているゲレンデネットワークをどのように運営するかを目的としている。ゲレンデの一部がスキーをすることができないか、または一部のゲレンデが閉じられている場合でも、本発明のシステムおよび方法を用いて、ゲレンデネットワークを運営し続けることができる。したがって、本発明のシステムおよび方法は、ゲレンデの始点および終点を時間内に変更または移すことができることが必要である。ゲレンデの始点と終点を変更する理由は、雪の量や質、雪崩のリスク、風、霧、スキーヤーの安全、オペレーターの決定など、様々がある。
【0052】
本発明において、「人工スキー場」とは、雪上娯楽施設を指し、少なくともゲレンデに沿って、人工造雪機用の全長2000メートルの給水パイプラインを設置し、ゲレンデネットワークには、実際に同時に500人以上がスキーをすることができ、ゲレンデの累積長さが3000メートル以上で、設備の輸送能力が1時間あたり1000人を超えている。
【0053】
本発明において、「輸送ゾーン」とは、車両が安全に山を上り下りできるゾーンを指す。
【0054】
図3aおよび図3bに示されるように、本発明によって提供される人工スキー場の運営管理システムは、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデ内の道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するためのゲレンデ制御センターと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するための配車制御センターと、
いずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信して、該実行コマンドに従って移動する複数の車両と、を含む。
【0055】
本発明の配車制御センターは、複数の車両と接続されており、人工スキー場の電子地図に基づいて新たな乗り場と降り場を決定し、各車両にリアルタイムで送信する。各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場まで運送し、滑り禁止道路以外のゲレンデエリアの継続的な運営を確保することができる。
【0056】
輸送ゾーンの環境パラメータは、ルートの積雪厚さ、ルートの積雪硬さ、ルートの積雪密度、ゲレンデエリアの天気予報、輸送ゾーンに障害物があるかどうかを含む。ルートの条件は、スキー場の環境によって次のように異なる。ルートの積雪/地面の硬さの事前に設定したしきい値は4000Pa未満で、積雪密度の事前に設定したしきい値は0.3g/cmで、ルートエリアの天気条件の事前に設定したしきい値は次のとおりであり、風速が60km/h未満で、視程が200メートルを超え、光強度が300ルクスを超え、気温が-30°Cを超えて、ルート勾配が40%未満である。
【0057】
各車両は、いずれも駆動ユニットと車室を含み、車室の種類が、輸送対象に応じて決定されている。例えば、日中にスキーヤーを運ぶ必要がある場合、車室は客室であり、夜にスキーヤーを運ぶ必要がない場合は、客室を雪などの貨物を運ぶ車室に置き換えて、夜に雪を運ぶことができる。もちろん、客室はスキーヤーを運ぶだけでなく、夏には観光客を運ぶこともできる。配車可能な車両システムの各車両は、Alvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車であってもよいが、これに限定されない。
【0058】
配車制御センターは、各所の輸送予約データを受信し、各所および乗り場に必要な車両数を計算し、各所で必要な車両数に応じて車両を手配し、配車制御センターに送信する。
【0059】
本発明は、各ホテルの予約人数に応じて、各ホテルの出口および乗り場に必要な車両数を算出し、各車両を合理的に手配することにより、各車両の最大限の利用率を実現する。
【0060】
配車制御センターは、スキー場の輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集された輸送ゾーン上のスキーヤーまたは障害物の画像を識別し、スキーヤーまたは障害物が輸送ルートに近づいたら、停止またはルート再計画の信号を編集して各車両に送信する。
【0061】
車両は、またそのルート状況を識別し、車両のセンサから収集して車両の運行を制御し、運行状況が目標値を超えた場合(スリップなど)、新しいルート情報を編集して配車制御センターに送信し、配車制御センターからの新しい指示を待つ。
【0062】
車両は、車両に取り付けられたカメラまたはセンサによって収集されたルート上の障害物の画像を識別し、新しい障害物がルートに現れたとき、新しいルート状況を編集して配車制御センターに送信し、配車制御センターからの新しい指示を待つ。
【0063】
また、配車制御センターは、ユーザーの移動端末と車両からの輸送ニーズを受信し、輸送ニーズを輸送位置情報と輸送対象情報に解析し、輸送位置情報と輸送対象情報に基づいて、輸送位置に最も近くかつ輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信する。
【0064】
したがって、本発明の配車制御センターと車両はまた、スキーヤーがいつでもどこでも車両に乗ることを確実にすることができる。
【0065】
ゲレンデ環境パラメータは、手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される。
【0066】
図4に示すように、本発明は、上記人工スキー場の運営管理システムを実現する管理方法を提供し、
ゲレンデ環境パラメータを受信し、人工スキー場の地図内の各ゲレンデのゲレンデ環境パラメータがゲレンデ環境パラメータの事前に設定したしきい値内にあるかどうかを判定し、ゲレンデ環境パラメータが事前に設定したしきい値内にないゲレンデの道路区間を画定し、画定された人工スキー場の電子地図を配車制御センターに送信するステップと、
人工スキー場の電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよび輸送ニーズを受信し、人工スキー場の電子地図および輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、輸送ゾーンの電子地図を計算し、輸送ゾーンの電子地図、輸送ゾーンの環境パラメータおよびユーザー端末からの輸送ニーズに基づいて、ルートを算出して各車両とユーザーに送信するステップと、
各車両がいずれも配車制御センターに接続され、配車制御センターから送信された実行コマンドを受信し、該実行コマンドに従って移動するステップと、を含む。
【0067】
本発明の配車制御センターは、複数の車両と接続されており、配車制御センターは、輸送ゾーンの環境パラメータに基づいて、人工スキーリゾートの電子地図における運行可能なゾーンを計算し、人工スキー場の電子地図に基づいて、新たな乗り場と降り場を決定して、各車両にリアルタイムで送信する。各車両を介して乗り場の輸送対象を降り場まで運送し、滑り禁止道路以外のゲレンデの部分の継続的な運営を確保することができる。
【0068】
輸送ゾーンの環境パラメータは、ルートの積雪厚さ、ルートの積雪硬さ、ルートの積雪密度、ゲレンデエリアの天気状況、輸送ゾーンに障害物があるかどうかを含む。
【0069】
各車両はすべて、駆動ユニットと車室を含み、車室種類が輸送対象に応じて決定されている。各車両は、Alvis Bv206S履帯付きの全地形対応型の装甲車である。
【0070】
上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを利用して、スキー場エリア内の各ホテルと場所の予約人数データを受信し、各ホテルの予約人数に応じて、各宿泊施設と乗り場に必要な車両数を計算し、各場所に必要な車両数に応じて各車両を手配し、配車制御センターに送信するステップをさらに含む。
【0071】
本発明の配車制御センターは、異なるホテルの予約人数に応じて、各宿泊施設と乗り場に必要な車両数を算出し、各車両を合理的に手配することにより、各車両の最大利用率を達成している。
【0072】
上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを利用して、スキー場の輸送ゾーンに設置されたカメラによって収集された輸送ゾーン上のスキーヤーまたは障害物の画像を識別し、スキーヤーまたは障害物が輸送ルートに近づいたら、停止またはルート再計画信号を編集して各車両に送信するステップをさらに含む。
【0073】
車両は、またそのルート状況を識別し、車両のセンサから収集して車両の運行を制御し、運行状況が目標値を超えた場合(スリップなど)、新しいルート情報を編集して配車制御センターに送信し、配車制御センターからの新しい指示を待つ。
【0074】
上記人工スキー場の輸送方法は、車両が、車両に取り付けられたカメラまたはセンサによって収集されたルート上の障害物画像を識別し、新しい障害物がルートに現れたとき、新しいルート状況を編集して配車制御センターに送信し、配車制御センターからの新たな指示を待つステップをさらに含む。
【0075】
上記人工スキー場の輸送方法は、配車制御センターを利用して、ユーザーの移動端末と車両からの輸送ニーズを受信し、車両の輸送ニーズを輸送位置情報と輸送対象情報に解析し、輸送位置情報と輸送対象情報に基づいて、輸送位置に最も近く、輸送対象に適した車両に輸送コマンドを送信するステップをさらに含む。したがって、本発明の配車制御センターと車両はまた、スキーヤーがいつでもどこでも車両に乗ることを確実にすることができる。
【0076】
輸送ゾーンの環境パラメータは、手動で入力されるか、自動センサによって送信されるか、また外部データベースから呼び出される。
【0077】
人工スキー場の電子地図は、スキー場エリア内各ゲレンデ、スキー場エリア内のホテル位置、車両のリアルタイムの位置を含む。
【0078】
スキー場では輸送ルートが予め決まっている。環状ルートにより、該システムは、人を運ぶためのより優れた継続的な輸送手段になる。つまり、1つのルートが利用できない場合、車両は別のルートを迂回できる。輸送ルートは道路網に接続されており、ゲレンデネットワークとリゾート全体をカバーしている。輸送ルートは各ゲレンデの頂上に接続しなければならないが、可変長のゲレンデに適応するために、主に車両とゲレンデの間にいくつかの接続ポイントを形成する。
【0079】
車両の毎回の輸送ルートは、スキーヤーが選択した乗り場と降り場によって決定される。
【0080】
各降り場は車両ルートに接続されており、同様に、各乗り場も車両ルートに接続されている。
【0081】
輸送ルートの特徴は、乗車ルートと降車ルートを結ぶことであり、2本のルートが接続されると輸送ルートが形成される。2本のルートが接続されていない場合、本発明の輸送システムは、乗車ルートと降車ルートを接続する第3のルートを見つける。
【0082】
車両が必要な場合、本発明の輸送システムは、新しい輸送ルートと兼ねて使用できるいくつかの開放された車両ルートがあるかどうかを検出し始める。それがない場合は、輸送のために別の車両を派遣する必要がある。
【0083】
2種類の乗り位置がある。
固定された乗り位置:この位置は通常、スキー場の緩衝地帯にあり、多くのスキーヤーはここから出発して、車に乗ってゲレンデに行く。この乗り位置は、固定された降りルートに接続されている。緩衝地帯には多くの乗り位置を設定することができ、スキーヤーが列に並ぶことなく、車に乗ってゲレンデにすばやく到達できるようにする。ゲレンデの開放状況に応じて降り位置を変更できるが、降りルートが変わらない。固定された乗り位置は通常、スキー場の緩衝地帯にある。車両は、必要のないときにこれらの場所に到達することもできる。車両の流れは、積載時間と車両キューの長さに応じて調整できる。1つの永続的な乗り場は、1つの降り場または1組の降り場に接続される。本発明の輸送システムは、待っている車両の一定の列が存在することができるように、車両のニーズを調整することができる。例えば、固定された乗り位置で出発を待っている車は常に3台ある。固定された乗り輸送の計算方法は次のとおりである。最初のスキーヤーが車両に乗り込んだ後、規定されたスキーヤーの最長待ち時間、例えば5分の後、車両は時間どおりに出発する。車両が満員になると、すぐに出発する。つまり、乗り位置が次のように設定する必要がある。この乗り場は乗りルートネットワークの一部であり、降りルートはスキーヤーによって選択される。必要に応じて、様々な降りルートの車両がここで上ることができる。即ち、乗り場は通常、ホテルまたはレストランの前に設定する必要がある。一般に、システムがデマンドコマンドを受信しない限り、車両はこれらの乗り場で停止しない。必要な輸送の計算方法は次のとおりである。乗り需要のコマンドを受けた後、本発明の輸送システムは、現在の輸送と比較しようとする。乗りルートと降りルートは同じルートであるはずであり、車両はルート上の乗り場を超えてはならなく、車に追加のスキーヤーのための十分なスペースがあるはずである。
【0084】
降り輸送が完了した後、車両は、出発点(固定された乗り位置、駐車場/ガレージ)に戻る。
【0085】
本発明の輸送システムは、予め決定された固定ルートでの使用に限定されている。道路をクリーンアップする必要がある。したがって、本発明の輸送システムは、清掃されておらず、足跡のないルートを使用している牽引スキー/ヘリスキーとは異なる。
【0086】
上り/下り
上り輸送が完了した後、本発明の輸送システムは、下り輸送が必要かどうかを検出する。必要な場合、輸送が完了した車両を手配して下り輸送を行い、必要がない場合、これらの車両は出発点に戻る。出発点は、車両が次の輸送を待つために行くところである。スキー場には多くの出発点があり、必要に応じて変更することができる。
【0087】
図5は、本発明のゲレンデネットワークが完全に開放された場合の実行可能な車両ルートであり、図6は、本発明のゲレンデネットワークの上部が閉じている場合の実行可能な車両ルートであり、図7は、本発明のゲレンデネットワークの底部が閉じられているときの実行可能な車両ルートであり、図5から図7を参照すると、本発明の輸送システムは、通常、到達できないゲレンデへの接続を確実にすることができる。輸送システムはまた、追加費用なしでスキーヤーをゲレンデまで/から運ぶことができるので、過去には、高い投資が必要で、到着できなかったゲレンデに到達することができる。
【0088】
本発明の輸送システムは、ゲレンデネットワーク/スキー場における柔軟性を可能にする。スキーヤーの流れは、追加の車両なしでスキー場のあるエリアから別のエリアに調整できる。同じ車両で、スキー場のどこにでも乗客を運ぶことができる。
【0089】
本発明の輸送システムは、ゲレンデから遠く離れたホテルおよび他の建物へスキーで出入りできる。スキーヤーは、乗り場が設置された建物から直接ゲレンデに入り、その後、ゲレンデから建物の降り場に戻ることができる。
【0090】
本発明の輸送システムは、別々のスキー場を接続することができる。標準のスキーリフトでは遠隔地のスキー場を接続することはできないが、この輸送システムを介して乗り場と降り場を同じシステムに接続し、遠隔地のスキー場を接続することを実現する。
【0091】
本発明の輸送システムは多くの人を同時に輸送することが可能であり、100~500人/時を超える上り坂の輸送能力を有する。本発明の輸送システムの特定の部分の故障は、システムの全体的な輸送能力に影響を及ぼさない。
【0092】
本発明の輸送システムは、追加の投資および施工なしにスキー場を拡張することを可能にする。この輸送システムにより、十分な雪がある限り、スキー場は、輸送システムを構築せずに、そのゲレンデネットワークを拡大することができる。既存のシステムは、多くのゲレンデのニーズに対応できる。
【0093】
本発明の輸送システムは、可変長のゲレンデに適しており、関連する乗り場と降り場、およびルートに沿う中間駅を提供する。
【0094】
図8は、本発明のスキー場運営の概略図である。図8に示すように、スキー場は、リゾートまたはスキー用具ホール1、ゲレンデ2、滑走不能エリア6、滑走可能なエリア7、新設した乗り場8、元の乗り場9、新設した降り場10を含み、スキー場には2つの滑走不能エリア6が含まれる場合、新設した乗り場8、元の乗り場9、および新設した降り場10を設置することにより、各車両と組み合わせることで、スキー場の運営を継続できる。したがって、本発明の人工スキー場の輸送システムおよび輸送方法は、ゲレンデの長さを可変にすることを可能にし、ゲレンデの上部および下部は滑走不能エリアである。該ゲレンデの中央部分に、新しい乗り場と降り場を増設し、スキーヤーがこの滑走可能なエリアでスキーをすることを可能にし、それによってそれを開いたままにする。リゾートは依然として乗り場と降り場を保持しているため、スキーヤーはリゾートから滑走可能なエリアへ出入りできる。
【0095】
図9は、ゲレンデの滑走不能エリアの異なる状況に従ってスキーヤーを運ぶための本発明の配車可能な車両の概略図であり、1つのゲレンデに対し、滑走不能エリア6と滑り可能エリア7が存在する場合、スキーヤーを各車両でリゾートAから新設した降り場C、新設した降り場Eまで運び、新設した乗り場Bから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運び、新設した乗り場Dから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運び、山頂Fから新設した降り場C、新設した降り場E、リゾートAまで運ぶことができる。
【0096】
図10は、独立した滑走可能なエリアを有する2つのゲレンデ間に輸送する本発明の配車可能な車両の概略図である。図10に示すように、配車可能な車両システムを使用して、独立した滑走可能なエリアを有する2つのゲレンデを接続して、例えば、スキーヤーを新設した乗り場Hから新設した降り場Kまで、新設した乗り場Iから新設した降り場Jまで運ぶことができ、当然ながら、配車可能な車両システムを使用して、スキーヤーを新設した乗り場H、山頂L、リゾートまたはスキー用具ホールGから新設した降り場Kまで運ぶこともできる。
【0097】
滑走不能エリア6がリゾートまたはスキー用具ホール1にある場合、スキー場の中央部にある滑走可能なエリア7に乗り場11を増設して同じ降り場12を保留し、各車両によってほとんどのゲレンデの運営を維持することができる。
【0098】
図11aは、スキー場の底部に非スキーゾーン6が位置する場合の本発明の新しいピックアップおよびドロップオフ場所のスケッチ図である。図に示すように、非スキーゾーン6が村/デイロッジ1にある場合、新しいピックアップ場所11を追加し、スキーリゾートの真ん中にあるスキー可能なゾーン7に同じ降車場所12を維持することによって、様々な車両を使用して、ゲレンデ2の最も多くの部分7を確実に稼働状態に保つことができる。
【0099】
図11bは、本発明によるスキー場の頂上が滑ることができない場合、新設した乗り場と降り場の概略図である。図示すように、滑走不能エリア6が山頂Lにある場合、スキー場の中央部にある滑走可能なエリア7に、同じ乗り場11と新たな降り場12を増設し、各車両によってゲレンデの一部の運営を維持することができる。
【0100】
図12は、本発明のスキー場の各ゲレンデに滑走不能エリアが現れた概略図である。滑走不能エリア6が、リゾートまたはスキー用具ホールGであるゲレンデの底部にあるか、山頂Lであるゲレンデの頂上にあるか、またはゲレンデの中央部にあるかに関係なく、乗り場11と降り場12を追加することで、滑走可能なエリア7を引き続き運営を維持でき、スキー場の部分的に開いたゲレンデは、これら3つの条件の任意の組み合わせにすることができる。
【0101】
従来のロープウェイの代わりに、本発明の車両を利用することは、以下の利点を有する。
【0102】
人工スキー場の公共輸送システムと輸送方法は、スキー市場の需要に応じていつでも各車両の輸送能力を調整することができる。
【0103】
夜間に故障が発生した場合、各車両で救助するのに問題はないが、ロープウェイは異なる。このシステムにより、スキー場では、道路にアクセスできない高地のレストランや高地のホテルなどの、安定した夜間運営が可能になる。輸送は、上りまたは下りの多くの独立した車両で行われる。
【0104】
各車両を使用して、ゲレンデに沿ってパイプネットワークを埋める必要なしに、雪のピッキングポイントから雪が必要な任意の場所に雪を運送することができる。各車両は、スキー場が積雪期にオープンする前やスキー場の営業期間の夜など、スキーヤーを運ぶ必要がないときに雪を運ぶために使用できる。このようにして、造雪システムへの投資を半分にすることができる。さらに、ほとんどの造雪システムを移動可能にすることができ、リースやローンによる資金調達が可能である。
【0105】
各車両は低価格で簡単に転売して別のスキー場に再設置でき、リースやローンによる資金調達にも便利である。
【0106】
すべての車両は迅速に配達され、冬でも設置せずにスキー場まで輸送できる。さらに、配車可能な車両システムは、時間のかかる厳密な監査と年次検査がなく、工場で品質検査するだけで済む。
【0107】
各車両の乗車と降車は静止した状態で行われ、スキーヤーにとって非常に安全である。
【0108】
各車両の個々の車両の故障は、スキー場全体の運営にほとんど影響を与えない。
【0109】
スキー場のローカルエリアの風速が速すぎる場合、各車両の走行を風がない位置に変更することができ、これにより、1時間あたりの上り輸送能力が向上された。
【0110】
各車両への投資は5kmのロープウェイの4分の1未満であるため、これにより、収益性の高いスキー場を山に設計することが可能になるが、従来は高価なロープウェイを用いた設スキー場は収益性がない。それはゲレンデネットワークの計画と設計を変えた。
【0111】
各車両は、同じ日に複数の滑り始点にサービスを提供することが可能であるため、一部の収益性のないゲレンデが収益性の高いゲレンデに変わり、ゲレンデネットワークの計画と設計が変えられた。
【0112】
各車両は、日中の時間当たりの輸送能力の変化に応じて、ある場所から別の場所に簡単に移動できる。これにより、投資が削減され、内部収益率が向上された。
【0113】
最後に、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それらを限定するものではないことに留意されたい。本発明が、前述の実施例を参照して詳細に説明されているが、当業者は、以下を理解する必要がある。前述の実施例に記載された技術的解決手段を変更するか、またはその技術的特徴のいくつかを同等に置き換えることができるが、これらの変更または置き換えは、対応する技術的解決手段の本質を、本発明に係る各実施例の精神および範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0114】
1-リゾートまたはスキー用具ホール、2-ゲレンデ、3-ロープウェイ、31-固定されたロープウェイの下部、32-固定されたロープウェイの上部、4-雪不足エリア、5-滑り可能であるが使用できないエリア、6-滑走不能エリア、7-滑走可能なエリア、8-新設した乗り場、9-元の乗り場、10-新設した降り場、A-リゾート、B-新設した乗り場、C-新設した降り場、D-新設した乗り場、E-新設した降り場、F-山頂、G-リゾートまたはスキー用具ホール、H-新設した乗り場、I-新設した乗り場、J-新設した降り場、K-新設した降り場、L-山頂、11-乗り場、12-降り場、13-車両のルート。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12