(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】包茎矯正具、及び、包茎矯正具の使用方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/37 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A61F5/37 B
(21)【出願番号】P 2022065504
(22)【出願日】2022-04-12
【審査請求日】2022-04-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506405655
【氏名又は名称】阿部 春一
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】阿部 春一
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0298840(US,A1)
【文献】中国実用新案第211962785(CN,U)
【文献】中国実用新案第201564645(CN,U)
【文献】特開2003-220084(JP,A)
【文献】特開2004-141188(JP,A)
【文献】中国実用新案第211327702(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列する一対の脚部であって、手で把握される脚部と、
一対の前記脚部の基端部を接続する折り曲げ部と、
一対の前記脚部の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部であって、包皮輪へ挿入される立ち上げ部と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備え、
一対の前記立ち上げ部は、手で把握されていない状態において、所定の間隔を空けるように形成されて
おり、
一対の前記脚部において、手で把握される先端寄りの位置には、手で把握された際の前記線材の回転を抑制するために、凹凸形状の力点部が形成されている、包茎矯正具。
【請求項2】
前記力点部は、手で把握された際の前記線材の捻れを抑制するために、前記線材の軸線を中心として上方向及び下方向に凹凸形状が形成されている、
請求項1に記載された、包茎矯正具。
【請求項3】
前記凹凸形状は、S字状、四角形状、又は、半円弧形状である、
請求項1に記載された、包茎矯正具。
【請求項4】
一対の前記立ち上げ部は、先端近傍が球形状に形成されている、
請求項1に記載された、包茎矯正具。
【請求項5】
前記折り曲げ部は、半円弧形状、又は、四角形状に形成されている、
請求項1に記載された、包茎矯正具。
【請求項6】
前記線材として、弾性の異なる複数の素材が準備されている、
請求項1に記載された、包茎矯正具。
【請求項7】
請求項1乃至
請求項6のいずれか一項に記載された包茎矯正具の使用方法であって、
手で一対の前記脚部を把握して前記立ち上げ部の間隔を縮める工程と、
間隔が縮められた前記立ち上げ部を包皮輪に挿入する工程と、
一対の前記脚部を把握している手を離して包皮輪に外向きの張力を作用させる工程と、
を備える、包茎矯正具の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包茎、特に、真性包茎を矯正するために使用する包茎矯正具に関する。
【背景技術】
【0002】
亀頭全体が包皮で覆われて、勃起時にも亀頭が全く露出しない真性包茎は、余分な包皮を切除して包皮輪(包皮開口部)を広げる整形外科手術によって矯正することができる。しかし、その手術費が著しく高額な上、術後の通院費や薬代も嵩み、金銭面での負担が大きいという問題があった。
【0003】
また、包茎の手術に際しては、包皮を切りすぎたために、勃起時にその包皮が突っ張ったり、包皮の縫合箇所がケロイド状になるなど醜くなったり、あるいは包皮と共に性感帯の一部が切除されたり、性感伝達神経が傷つけられることにより射精不能になるなどのリスクを伴うことが知られている。そして、術後は2週間ほど痛みが続き、その間、包帯が取れないために入浴や放尿も困難になるという不自由な生活を包茎患者に強いることになる。さらに、包茎患者の中には、恥ずかしさのために手術を受けることができず、人知れず悩んでいる人も多い。
【0004】
「こどもの包茎相談室」(非特許文献1)によれば、真性包茎は亀頭を包む包皮先端の包皮輪(包皮開口部)が小さいことが原因であり、「鉗子を用いて包皮輪を広げればその開口部から亀頭を露出させることができる」とされ、さらに、「専門医でなくても容易に取り扱うことのできる包茎矯正具が市販されることが望まれている」趣旨の記載がある。
【0005】
また、「切ってはいけません!日本人が知らない包茎の真実」(非特許文献2)では、包皮の有用性を指摘した上で、包茎手術を否定する立場で、包皮輪を広げることによる真性包茎矯正を奨励している。非特許文献2の著者である泌尿器科医師は、実際に、鉗子で包皮輪を広げ真性包茎を矯正した実績が豊富であり、「真性包茎は手術の必要が無く、包皮輪を広げることで矯正できる」としている。
【0006】
包茎の包皮開口部を押し広げるために考案された包茎矯正具としては、例えば、特許文献1に記載の包茎矯正具がある。特許文献1の包茎矯正具は、2本の柄でなるグリップをスプリングの弾撥力に抗して握り込むと、2つの顎が開いて両顎の先端に直角に設けた一対のブレードが互いに離反する方向に動くように構成されたペンチ状の器具である。この包茎矯正具では、その一対のブレードを真性包茎の包皮開口部に挿入してグリップを握り込むことにより、ラチェット機構によりブレードの距離が維持されるので、長時間にわたって連続使用しても手がだるくなったり疲れたりすることなく、多少痛さを感じる程度に効果的に張力を作用させて包皮開口部を押し広げることができる。
【0007】
しかしながら、ペンチ状の器具は、どうしても大型で重くなるだけでなく、自ら使用する場合に、ブレードを手前に向けて、グリップをブレードの向こう側に位置させなければならないので、手首を折返してペンチを逆手で持つような使い勝手となり、極めて使い難い。また、手首が返っているのでラチェット操作が容易でないだけなく、ブレードの間隔を段階的にしか調整することができないので、包皮開口部を思い通りの力加減で押し広げることができない。さらに、グリップの開閉によりブレードが簡単に開閉するため、包皮開口部を伸ばしている最中にラチェットが外れるなど何かの拍子にグリップを開く方向の力が作用すると、ブレードが閉じてしまい、矯正作業が中断する結果になる。さらにまた、ペンチ状の器具は、個々の部品の形状が複雑で、製造コスト面で課題を有する。
【0008】
さらに、その他の形態の包茎矯正具としては、例えば、特許文献2に記載された包茎矯正具が知られている。特許文献2に記載された包茎矯正具は、一対のブレードを包茎の包皮開口部に挿入して、グリップとなる二本のレッグを握り込むと、一対のブレードが互いに離反する方向に動いて、包皮開口部が内側から押し広げられるように構成されている。そして、グリップの握力を解除すると、一対のブレードが、バネの復元力で互いに接近する方向に自動的に戻って、包皮開口部から簡単に抜き出せる状態となる。したがって、この包茎矯正具は、高価な成形金型を用いることなく、バネ材を曲げる簡易な加工によって量産することができるので、その製造コストが非常に安いと同時に、軽量で嵩張らないので、カバンやバッグ、あるいは洋服のポケットなどに入れて携帯するのに便利である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】高橋剛著、「こどもの包茎相談室」、近代文芸社、2000年12月
【文献】石川英二著、「切ってはいけません!日本人が知らない包茎の真実」新潮社、2005年9月21日
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2004-141188号公報
【文献】特開2003-220084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献1の包茎矯正具では、使用者、具体的には包茎患者が、ブレードを包茎の包皮開口部に差し込んでグリップを握ることで、そこにある程度の力がかかった状態にブレードの間隔を維持することができ、よって、包茎の矯正が可能になる。同様に、上述した特許文献2の包茎矯正具では、一対のブレードを包茎の包皮開口部に挿入して、グリップとなる二本のレッグを握り込むと、一対のブレードが互いに離反する方向に動いて、包皮開口部が内側から押し広げられるようになっている。他方、ストッパーがあるタイプでは、包皮輪を広げている時、時間の経過とともに包皮輪が広がるため、包皮輪を広げる負荷(張力)が低下する。
【0012】
そこで本発明は、手を離しても負荷をかけることができ、かつ、使用中に包皮輪が広がっても、負荷をかけ続けることができる、包茎矯正具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の包茎矯正具は、並列する一対の脚部であって、手で把握される脚部と、一対の前記脚部の基端部を接続する折り曲げ部と、一対の前記脚部の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部であって、包皮輪へ挿入される立ち上げ部と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備え、一対の前記立ち上げ部は、手で把握されていない状態において、所定の間隔を空けるように形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の包茎矯正具は、並列する一対の脚部であって、手で把握される脚部と、一対の脚部の基端部を接続する折り曲げ部と、一対の脚部の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部であって、包皮輪へ挿入される立ち上げ部と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備え、一対の立ち上げ部は、手で把握されていない状態において、所定の間隔を空けるように形成されている。このような構成であれば、手を離しても負荷をかけることができ、かつ、使用中に包皮輪が広がっても、負荷をかけ続けることができる、包茎矯正具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】力点の形状の変形例の説明図である。(a)は四角形の場合であり、(b)は半円形の場合である。
【
図6】作用点の変形例の説明図である。(a)は半球形状の場合であり、(b)は樹脂コーディングされた場合であり、(c)は樹脂キャップである。
【
図7】支点の形状の変形例の説明図である。(a)は半円形状の場合であり、(b)は四角形状の場合であり、(c)は五角形状の場合である。
【
図8】実施例1の包茎矯正具の作用図である。(a)は包皮輪への挿入時であり、(b)は張力作用時である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0017】
(構成)
まず、
図1~
図4を参照しながら、実施例1の包茎矯正具1の構成について説明する。実施例1の包茎矯正具1は、
図1~
図4に示すように、並列する一対の脚部2、2であって、手で把握される脚部2、2と、一対の脚部2、2の基端部どうしを接続する折り曲げ部3と、一対の脚部2、2の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部4、4であって、包皮輪(包皮開口部)へ挿入される立ち上げ部4、4と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備えている。
【0018】
すなわち、本実施例の包茎矯正具1は、
図1、
図4に示すように、弾性のある金属製の線材-例えば硬鋼線(SW)又はピアノ線(SWP)など-を折り曲げることで、全体として平面形状がU字状、V字状、又は、コ字状に形成されている。ここにおいて、この線材として、弾性(強度)の異なる複数の素材が準備されていることで、包皮輪の硬さ、広がり具合への対応できることが好ましい。すなわち、包皮輪の硬さや包皮輪の広がり具合によって、掛けるべき適切な負荷(張力)が違うところ、この違いに対応するために、バネ強度の違うタイプをセットにしておくことが好ましい。
【0019】
一対の脚部2、2は、全体として直線状に形成されており、互いの基端部が折り曲げ部3によって接続されている。各脚部2は、
図2に示すように、基端側の直線部20と、先端近傍の凹凸形状の力点部21と、から構成されている。すなわち、一対の脚部2、2において、手で把握される先端寄りの位置には、手で把握された際の線材の回転を抑制するために、脚部2と折り曲げ部3で構成される面から面外に突出する凹凸形状の力点部21が形成されている。
【0020】
この力点部21は、手で把握された際の線材の捻れを抑制するために、線材の軸線を中心として上方向及び下方向に凹凸形状が形成されていることが好ましい。すなわち、力点部21は、コ字状(U字状)の上側部211と、コ字状(U字状)の下側部212と、からS字状に構成されている。
【0021】
ここにおいて、力点部21の凹凸形状は、
図2に示すような「S」字状(「2」字状;「Z」字状)に限定されるものではない。例えば、凹凸形状としては、
図5(a)、(b)に示すように、軸線の片側のみに突出した四角形状(コ字状)の力点部21Aでもよいし、軸線の片側のみに突出した半円弧形状の力点部21Bであってもよい。
【0022】
折り曲げ部3は、
図1、
図4に示すように、直線状に形成されており、脚部2、2と折り曲げ部3とで、コ字状に形成される。ここにおいて、折り曲げ部3は、直線状に限定されるものではない。例えば、
図6(a)~(c)に示すように、半円弧状の折り曲げ部3Aであってもよいし、実施例のように直線状の折り曲げ部3であってもよいし、三角形状の折り曲げ部3Bであってもよい。換言すると、脚部2、2を含む全体の平面形状としては、U字状であってもよいし(
図6(a)参照)、コ字状であってもよいし(
図6(b)参照)、五角形状であってもよい(
図6(c)参照)。
【0023】
一対の立ち上げ部4、4は、
図1~
図3に示すように、脚部2、2の先端部を(脚部2と折り曲げ部3で構成される面から)面外に立ち上げることで形成されている。すなわち、立ち上げ部4は、前述した力点部21と同じ方向に折り曲げられている。
【0024】
より詳細に言うと、立ち上げ部4は、脚部2(力点21)側から、内側に折り曲げられたしぼり部42と、しぼり部42から立ち上げられた直線部40と、直線部40の先端近傍が球形状に形成された球体部41と、を備えている。立ち上げ部4の先端形状としては、
図7(a)、(b)、(c)に示すように、球形に成形されてもよいし(
図7(a)参照)、ディッピング材で樹脂コーティングされてもよいし(
図7(b)参照)、樹脂キャップを被せてもよい(
図7(c)参照)。
【0025】
そして、一対の立ち上げ部4、4は、手で把握されていない状態において―すなわち、外力が作用していない自然の状態で―、所定の間隔を空けるように形成されている。すなわち、
図1、
図4に示すように、立ち上げ部4、4(の先端の球体部41、41)は、例えば2cm~5cmの距離をおいて、互いに離間されている。なお、この立ち上げ部4、4の間隔は、線材の素材の弾性(強度)とともに、異なる複数の間隔のものが準備されていることが好ましい。
【0026】
(使用方法)
次に、
図8(a)、(b)を用いて、本実施例の包茎矯正具1の使用方法について説明する。包茎矯正具1の使用方法は、少なくとも以下の1)~3)の3工程を備えている。
1)手で脚部2、2を把握して立ち上げ部4、4の間隔を縮める工程
すなわち、脚部2、2の力点部21、21を握り込む。そうすると、立ち上げ部4、4の球体部41、41が近づく。
2)間隔が縮められた立ち上げ部4、4を包皮輪に前方から挿入する工程(
図8(a))
すなわち、器具の先端の球体部41、41を、ゆっくりと包皮輪に挿入する。
3)脚部2、2を把握している手を離し、包皮輪に外向きの張力を作用させる工程(
図8(b))
すなわち、握る力を緩めて、バネ線の反発力で包皮輪を広げる。そして、このような使用方法を所定の期間にわたって繰り返すことで、包皮輪が徐々に広がって、真性包茎が治癒するようになる。
【0027】
(効果)
次に、本実施例の包茎矯正具1の奏する効果を列挙して説明する。
【0028】
(1)上述してきたように、本実施例の包茎矯正具1は、並列する一対の脚部2、2であって、手で把握される脚部2、2と、一対の脚部2、2の基端部を接続する折り曲げ部3と、一対の脚部2、2の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部4、4であって、包皮輪(包皮開口部)へ挿入される立ち上げ部4、4と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備え、一対の立ち上げ部4、4は、手で把握されていない状態において、所定の間隔を空けるように形成されている。このような構成であれば、手を離しても負荷をかけることができ、かつ、使用中に包皮輪が広がっても、負荷をかけ続けることができる、包茎矯正具1を提供することができる。
【0029】
また、本発明の包茎矯正具1は、従来とは逆に、手を離すことで包皮輪を広げる負荷を加えることができるので手が疲れない。また、本発明の包茎矯正具1であれば、包皮輪を広げている時、包皮輪が広がっても、一定して包皮輪を広げる負荷を掛け続けることができる。加えて、本発明は、製造コストを劇的に下げることができる。
【0030】
(2)また、一対の脚部2、2において、手で把握される先端寄りの位置には、手で把握された際の前記線材の回転を抑制するために、凹凸形状の力点部21、21が形成されているため、手で把握する際にバネの弾性力に抗して力を加えやすくなる。
【0031】
(3)さらに、力点部21は、手で把握された際の前記線材の捻れを抑制するために、線材の軸線を中心として上方向(211)及び下方向(212)に凹凸形状が形成されているため、力点部21に力を加えて押圧する際に、脚部2が捩じれることを防止できる。
【0032】
(4)また、力点部21の凹凸形状は、S字状、四角形状、又は、半円弧形状のいずれかであれば、製造が容易であり、かつ、力を加えやすい。
【0033】
(5)さらに、一対の立ち上げ部4、4は、先端近傍が球形状に形成された球体部41を有しているため、包皮輪に挿入する際に、亀頭を傷つけてしまうことがない。
【0034】
(6)また、折り曲げ部3は、半円弧形状、又は、四角形状に形成されていることで、折り曲げ加工が容易であり、かつ、安定的に弾性力を発揮させることができる。
【0035】
(7)さらに、線材として、弾性の異なる複数の素材が準備されていれば、包皮輪の個々の性質(大きさ、皮膚の強さ)に応じて、線材の素材を変えることで、より適切な包茎矯正具1を選定・使用できるようになる。
【0036】
(8)また、包茎矯正具の使用方法は、上述したいずれかの包茎矯正具1の使用方法であり、
1)手で一対の脚部2、2を把握して立ち上げ部4、4の間隔を縮める工程と、
2)間隔が縮められた立ち上げ部4、4を包皮輪に挿入する工程と、
3)一対の脚部2、2を把握している手を離して包皮輪に外向きの張力を作用させる工程と、を備えている。このように包茎矯正具1を使用すれば、手を離しても負荷をかけることができ、かつ、使用中に包皮輪が広がっても、負荷をかけ続けることができる、包茎矯正具の使用方法となる。
【0037】
(変形例)
以下、
図9~
図11を用いて、実施例1とは別の形態の包茎矯正具1A、1B、1Cについて説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0038】
変形例1の包茎矯正具1Aは、
図9に示すように、脚部2に力点部21が設けられておらず、直線部20のみで構成されている。したがって、折り曲げる回数が少なくて済むため、製造コストがかからない。
【0039】
変形例2の包茎矯正具1Bは、
図10に示すように、脚部2の先端近傍の力点部21Cが、下側のみに突出したコ字状に形成されている。したがって、捻れやすくはなるものの、力を加えやすい包茎矯正具1Bとなる。
【0040】
変形例3の包茎矯正具1Cは、
図11に示すように、脚部2の広い範囲に樹脂製のカバーである力点部21Dが形成されている。したがって、脚部2を把握する際に、厳密に位置を限定せずに握ることができ、扱いやすい包茎矯正具1Cとなる。
【0041】
なお、この他の構成および作用効果については、実施例1と略同様であるため説明を省略する。
【0042】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 包茎矯正具
1A-1C 包茎矯正具
2 脚部
20 直線部
21 力点部
21A-21D 力点部
211 上側部
212 下側部
3 折り曲げ部
3A、3B 折り曲げ部
4 立ち上げ部
40 直線部
41 球体部
41A-41C 球体部
42 しぼり部
【要約】
【課題】、手を離しても負荷をかけることができ、かつ、使用中に包皮輪が広がっても、負荷をかけ続けることができる、包茎矯正具を提供する。
【解決手段】包茎矯正具1は、並列する一対の脚部2、2であって、手で把握される脚部2、2と、一対の脚部2、2の基端部を接続する折り曲げ部3と、一対の脚部2、2の先端部を立ち上げた一対の立ち上げ部4、4であって、包皮輪(包皮開口部)へ挿入される立ち上げ部4、4と、を弾性のある線材によって形成することで一体に備え、一対の立ち上げ部4、4は、手で把握されていない状態において、所定の間隔を空けるように形成されている。
【選択図】
図1