(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】人力駆動車両用コンポーネント
(51)【国際特許分類】
B62M 6/80 20100101AFI20220906BHJP
B62M 6/55 20100101ALI20220906BHJP
B62J 45/40 20200101ALI20220906BHJP
H05K 3/36 20060101ALI20220906BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20220906BHJP
【FI】
B62M6/80
B62M6/55
B62J45/40
H05K3/36 Z
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2018026002
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2020-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯千 智介
(72)【発明者】
【氏名】木谷 哲也
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-207361(JP,A)
【文献】特開2015-191435(JP,A)
【文献】特開2001-106164(JP,A)
【文献】特表2016-504736(JP,A)
【文献】特開2011-207363(JP,A)
【文献】国際公開第2008/095116(WO,A2)
【文献】特表2018-505097(JP,A)
【文献】山口富三郎,三田夏大,“フローティングコネクタの振動に対するアプローチ”,エレクトロニクス実装学会誌,日本,エレクトロニクス実装学会,2016年08月,第19巻第5号,p.325-327,DOI:10.5104/jiep.19.325,ISSN 1884-121X(online),1343-9677(print)
【文献】香川加奈,野澤弘靖,“基板対基板コネクタの操作性に関する検討”,人間工学,日本,日本人間工学会,2014年06月05日,第50巻特別号,p.280-281,DOI:10.5100/jje.50.S280,ISSN 1884-2844(online),0549-4974(print)
【文献】神谷有弘,“車載エレクトロニクスの動向と電子回路基板の進化”,エレクトロニクス実装学会誌,日本,エレクトロニクス実装学会,2010年08月01日,第13巻第5号,p.334-339,DOI:10.5104/jiep.13.334,ISSN:1884-121X(online),1343-9677(print)
【文献】山口富三郎,三田夏大,“フローティングコネクタの振動に対するアプローチ”,エレクトロニクス実装学会誌,日本,エレクトロニクス実装学会,2016年08月,第19巻第5号,p.325-327,DOI:10.5104/jiep.19.325,ISSN 1884-121X(online),1343-9677(print)
【文献】香川加奈,野澤弘靖,“基板対基板コネクタの操作性に関する検討”,人間工学,日本,日本人間工学会,2014年06月05日,第50巻特別号,p.280-281,DOI:10.5100/jje.50.S280,ISSN 1884-2844(online),0549-4974(print)
【文献】神谷有弘,“車載エレクトロニクスの動向と電子回路基板の進化”,エレクトロニクス実装学会誌,日本,エレクトロニクス実装学会,2010年08月01日,第13巻第5号,p.334-339,DOI:10.5104/jiep.13.334,ISSN:1884-121X(online),1343-9677(print)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/80, 6/55, 6/40,
B62J 1/08,45/00,
H05K 3/36,
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車両に取り付けられるように構成され
、前記人力駆動車両の推進をアシストする人力駆動車両用コンポーネントであって、
第1回路基板と、
第2回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、を含み、
前記第1基板接続部は、
前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、
前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、
前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され、
前記第2回路基
板は、樹脂モールド部
、および、ケーブル接続部を有し、
前記ケーブル接続部は、前記第2回路基板を収容するハウジングに形成される貫通孔から外部に露出し、
前記樹脂モールド部は、前記第2回路基板と前記ハウジングとの間の隙間を埋めるように形成される、人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項2】
第3回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方と前記第3回路基板とを接続する第2基板接続部と、をさらに含み、
前記第2基板接続部は、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方に直接に設けられる第3電気接続部と、
前記第3回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第3電気接続部と直接接触して電気接続される第4電気接続部とを含み、
前記第3電気接続部および前記第4電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成される、請求項1に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項3】
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は
、センサ
と、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニット
と、のうちの少なくとも
一方を有する、請求項1または2に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項4】
前記ハウジングをさらに含み、
前記ハウジングは、前記第1回路基板および前記第1基板接続部を収容する、請求項3に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項5】
前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む、請求項3または4に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項6】
前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む、請求項3または4に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項7】
前記ハウジングをさらに含み、
前記ハウジングは、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基
板および前記第1基板接続部を
さらに収容す
る、請求項1~3のいずれか一項に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項8】
人力駆動車両に取り付けられるように構成され
、前記人力駆動車両の推進をアシストする人力駆動車両用コンポーネントであって、
第1回路基板、第2回路基板および第3回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方と前記第3回路基板とを接続する第2基板接続部と、を含み、
前記第1基板接続部は、
前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、
前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、
前記第2基板接続部は、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方に直接に設けられる第3電気接続部と、
前記第3回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第3電気接続部と直接接触して電気接続される第4電気接続部とを含み、
前記第1電気接続部、前記第2電気接続部、前記第3電気接続部および前記第4電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され、
前記第3回路基板は、前記人力駆動車両のクランク軸の周囲を囲むように形成される、人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項9】
前記第1回路基板、前記第2回路基板および前記第3回路基板のうちの少なくとも1つは、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部、センサ、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニットのうちの少なくとも1つを有する、請求項8に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項10】
前記第1回路基板、前記第2回路基板、前記第3回路基板、前記第1基板接続部および前記第2基板接続部を収容するハウジングをさらに含み、
前記ケーブル接続部は、前記ハウジングの外部に露出する、請求項9に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項11】
前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む、請求項9または10に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項12】
前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む、請求項9または10に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項13】
前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基板、前記第2回路基板、前記第3回路基板、前記第1基板接続部および前記第2基板接続部を収容するハウジングをさらに含む、請求項8または9に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項14】
人力駆動車両に取り付けられるように構成され、前記人力駆動車両の推進をアシストする人力駆動車両用コンポーネントであって、
電動モータと、
第1回路基板と、
第2回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、を含み、
前記第2回路基板は、第3基板面および第4基板面を含み、
前記第3基板面は、前記第1回路基板に対向し、
前記第4基板面は、前記第2回路基板の厚み方向において前記第3基板面とは反対側を向き、
前記第1基板接続部は、
前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、
前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、
前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、電気ケーブルが
着脱可能に接続されるケーブル接続
部を有し、
前記ケーブル接続部は、
前記第4基板面に設けられ、前記第1回路基板、前記第2回路基板、および、前記第1基板接続部を収容するハウジングの外部に、前記電動モータとは異なる人力駆動車両用コンポーネントと接続可能に露出する、人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項15】
前記ハウジングをさらに含
む、請求項14に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項16】
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、センサをさらに有し、
前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む、請求項14または15に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項17】
前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニットをさらに有し、
前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む、請求項14または15に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項18】
前記ハウジングをさらに含み、
前記ハウジングは、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有
する、請求項14に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項19】
人力駆動車両に取り付けられるように構成される人力駆動車両用コンポーネントであって、
第1回路基板と、
第2回路基板と、
前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、
前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基板、前記第2回路基板、および、前記第1基板接続部を収容し、電動モータが設けられるハウジングと、を含み、
前記第1基板接続部は、
前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、
前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、
前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され
、
前記第1回路基板は、
前記電動モータを制御する制御部を有し、
前記第2回路基板は、
前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する磁歪式のトルクセンサ、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出するトルクセンサからの無線信号を受信する受信ユニット、または、前記クランク軸の回転速度を検出する回転速度センサを有する、人力駆動車両用コンポーネント。
【請求項20】
前記第1回路基板のうち前記第1電気接続部が設けられる部分と、前記第2回路基板のうち前記第2電気接続部が設けられる部分との間の距離が、15mm以下である、請求項1~19のいずれか一項に記載の人力駆動車両用コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車両に取り付けられるように構成される人力駆動車両用コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
人力駆動車両(特に自転車)に取り付けられるように構成される人力駆動車両用コンポーネントの一例として、人力駆動車両の推進をアシストするモータを含むドライブユニットが知られている。このようなドライブユニットは、例えば特許文献1に開示されているように、ケースと、このケース内に収容され、モータの駆動を制御するコントローラが実装された回路基板とを含む。この回路基板は、複数の電気ケーブルを介して、前記ケースに固定された端子と電気接続されている。前記複数の電気ケーブルのうち、2つの電源ケーブルには、コネクタが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ドライブユニットのような人力駆動車両用コンポーネントにおいては、複数の回路基板が配設されて、少なくとも2つの回路基板同士を電気接続しなければならない場合がある。この場合、互いに電気接続する回路基板同士を、前記特許文献1のように電気ケーブルを介して接続することが考えられる。
【0005】
しかし、このような電気接続方法では、部品点数が増える傾向にある。
【0006】
本発明の目的は、複数の回路基板の基板接続部を少ない部品点数で構成可能な人力駆動車両用コンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に従う人力駆動車両用コンポーネントの一形態は、人力駆動車両に取り付けられるように構成され、第1回路基板と、第2回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、を含み、前記第1基板接続部は、前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、樹脂モールド部を有する。
【0008】
第1側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第1基板接続部を少ない部品点数で構成することができる。また、第1回路基板と第2回路基板との接続作業時に、第1回路基板および第2回路基板の少なくとも一方の、樹脂モールド部によって覆われた面が損傷しにくくなる。さらに、樹脂モールド部によって覆われた面に水滴が付着するのを防止することができる。
【0009】
前記第1側面に従う第2側面の人力駆動車両用コンポーネントは、第3回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方と前記第3回路基板とを接続する第2基板接続部と、をさらに含み、前記第2基板接続部は、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方に直接に設けられる第3電気接続部と、前記第3回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第3電気接続部と直接接触して電気接続される第4電気接続部とを含み、前記第3電気接続部および前記第4電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成される。
【0010】
第2側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第2基板接続部を少ない部品点数で構成することができる。
【0011】
前記第1側面または第2側面に従う第3側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部、センサ、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニットのうちの少なくとも1つを有する。
【0012】
第3側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ケーブル接続部、センサ、および、無線ユニットのうちの少なくとも1つを適切な位置に配置することができる。
【0013】
前記第3側面に従う第4側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記第1回路基板、前記第2回路基板および前記第1基板接続部を収容するハウジングをさらに含み、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、前記ケーブル接続部を有し、前記ケーブル接続部は、前記ハウジングの外部に露出する。
【0014】
第4側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、および、第1基板接続部を保護することができる。また、ケーブル接続部に電気ケーブルを容易に接続することができる。
【0015】
前記第3側面または第4側面に従う第5側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む。
【0016】
第5側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、人力駆動車両のクランク軸の回転速度、および、人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力の少なくとも一方を取得することができる。
【0017】
前記第3側面または第4側面に従う第6側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む。
【0018】
第6側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力、および、外部装置からの無線で送信される情報を取得することができる。また、無線ユニットが通信ユニットを含む場合は、外部装置に無線で情報を送信することができる。
【0019】
前記第1~第3側面のいずれか1つに従う第7側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基板、前記第2回路基板および前記第1基板接続部を収容するハウジングをさらに含む。
【0020】
第7側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングを人力駆動車両のクランク軸の支持に利用することができる。また、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、および、第1基板接続部を保護することができる。
【0021】
本発明の第8側面に従う人力駆動車両用コンポーネントの一形態は、人力駆動車両に取り付けられるように構成され、第1回路基板、第2回路基板および第3回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方と前記第3回路基板とを接続する第2基板接続部と、を含み、前記第1基板接続部は、前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、前記第2基板接続部は、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方に直接に設けられる第3電気接続部と、前記第3回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第3電気接続部と直接接触して電気接続される第4電気接続部とを含み、前記第1電気接続部、前記第2電気接続部、前記第3電気接続部および前記第4電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成される。
【0022】
第8側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第1基板接続部および第2基板接続部を少ない部品点数で構成することができる。
【0023】
前記第8側面に従う第9側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記第1回路基板、前記第2回路基板および前記第3回路基板のうちの少なくとも1つは、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部、センサ、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニットのうちの少なくとも1つを有する。
【0024】
第9側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ケーブル接続部、センサ、および、無線ユニットのうちの少なくとも1つを適切な位置に配置することができる。
【0025】
前記第9側面に従う第10側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記第1回路基板、前記第2回路基板、前記第3回路基板、前記第1基板接続部および前記第2基板接続部を収容するハウジングをさらに含み、前記ケーブル接続部は、前記ハウジングの外部に露出する。
【0026】
第10側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、第3回路基板、第1基板接続部、および、第2基板接続部を保護することができる。また、ケーブル接続部に電気ケーブルを容易に接続することができる。
【0027】
前記第9側面または前記第10側面に従う第11側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む。
【0028】
第11側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、人力駆動車両のクランク軸の回転速度、および、人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力の少なくとも一方を取得することができる。
【0029】
前記第9側面または前記第10側面に従う第12側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む。
【0030】
第12側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力、および、外部装置からの無線で送信される情報を取得することができる。また、無線ユニットが通信ユニットを含む場合は、外部装置に無線で情報を送信することができる。
【0031】
前記第8側面または前記第9側面に従う第13側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基板、前記第2回路基板、前記第3回路基板、前記第1基板接続部および前記第2基板接続部を収容するハウジングをさらに含む。
【0032】
第13側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングを人力駆動車両のクランク軸の支持に利用することができる。また、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、第3回路基板、第1基板接続部、および、第2基板接続部を保護することができる。
【0033】
本発明の第14側面に従う人力駆動車両用コンポーネントの一形態は、人力駆動車両に取り付けられるように構成され、第1回路基板と、第2回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、を含み、前記第1基板接続部は、前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成され、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも一方は、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部、センサ、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニットのうちの少なくとも1つを有する。
【0034】
第14側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第1基板接続部を少ない部品点数で構成することができる。また、ケーブル接続部、センサ、および、無線ユニットのうちの少なくとも1つを、適切な位置に配置することができる。
【0035】
前記第14側面に従う第15側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記第1回路基板、前記第2回路基板および前記第1基板接続部を収容するハウジングをさらに含み、前記ケーブル接続部は、前記ハウジングの外部に露出する。
【0036】
第15側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、および、第1基板接続部を保護することができる。また、ケーブル接続部に電気ケーブルを容易に接続することができる。
【0037】
前記第14側面または第15側面に従う第16側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記センサは、前記人力駆動車両のクランク軸の回転速度を検出する第1センサ、および、前記クランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む。
【0038】
第16側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、人力駆動車両のクランク軸の回転速度、および、人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力の少なくとも一方を取得することができる。
【0039】
前記第14側面または第15側面に従う第17側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記無線ユニットは、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニットの少なくとも一方を含む。
【0040】
第17側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、前記人力駆動車両のクランク軸に入力される人力駆動力、および、外部装置からの無線で送信される情報を取得することができる。また、無線ユニットが通信ユニットを含む場合は、外部装置に無線で情報を送信することができる。
【0041】
前記第14側面に従う第18側面の人力駆動車両用コンポーネントは、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有しかつ前記第1回路基板、前記第2回路基板および第1基板接続部を収容するハウジングをさらに含む。
【0042】
第18側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、ハウジングを人力駆動車両のクランク軸の支持に利用することができる。また、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、および、第1基板接続部を保護することができる。
【0043】
本発明の第19側面に従う人力駆動車両用コンポーネントの一形態は、人力駆動車両に取り付けられるように構成され、第1回路基板と、第2回路基板と、前記第1回路基板および前記第2回路基板を接続する第1基板接続部と、前記人力駆動車両のクランク軸を支持するクランク軸支持部を有し、前記第1回路基板、前記第2回路基板、および、前記第1基板接続部を収容するハウジングと、を含み、前記第1基板接続部は、前記第1回路基板に直接に設けられる第1電気接続部と、前記第2回路基板に直接に設けられ、かつ、前記第1電気接続部と直接接触して電気接続される第2電気接続部とを含み、前記第1電気接続部および前記第2電気接続部は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成される。
【0044】
第19側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第1基板接続部を少ない部品点数で構成することができる。また、ハウジングによって、第1回路基板、第2回路基板、および、第1基板接続部を保護することができる。さらに、ハウジングによってクランク軸を支持することができる。
【0045】
前記第1~第19側面のいずれか1つに従う第20側面の人力駆動車両用コンポーネントにおいて、前記第1回路基板のうち前記第1電気接続部が設けられる部分と、前記第2回路基板のうち前記第2電気接続部が設けられる部分との間の距離が、15mm以下である。
【0046】
第20側面の人力駆動車両用コンポーネントによれば、第1回路基板と第2回路基板とを配置するために必要な空間をできるだけ小さくすることができる。また、第1電気接続部および第2電気接続部を介して電気信号を伝送する場合、電気信号の減衰を抑制することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明の人力駆動車両用コンポーネントによると、複数の回路基板の基板接続部を少ない部品点数で構成可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】人力駆動車両用コンポーネントの一例であるドライブユニットが取り付けられた電動アシスト自転車の全体構成を示す側面図である。
【
図2】ドライブユニットを、ハウジングの一部を省略して示す斜視図である。
【
図3】ドライブユニットを、クランク軸の中心軸線および電動モータのロータ軸の中心軸線を含む平面に沿って切断した断面図である。
【
図4】第1回路基板、第1基板接続部を介して第1回路基板と接続された第2回路基板、および、第2基板接続部を介して第1回路基板と接続された第3回路基板を示す斜視図である。
【
図5】第1回路基板、第2回路基板および第3回路基板の側方から見た図である。
【
図6】樹脂モールド部を省略した状態で、ハウジングの一部と、第1回路基板の一部と、第2回路基板と、を示す斜視図である。
【
図7】
図6から第1回路基板を取り除いた斜視図である。
【
図8】樹脂モールド部が設けられた状態における
図7の斜視図である。
【
図9】ハウジングの一部と、第2回路基板に設けられるケーブル接続部とを示す斜視図である。
【
図11】第1基板接続部の第1電気接続部および第2電気接続部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0050】
図1は、人力駆動車両用コンポーネントの一例であるドライブユニット10が取り付けられた電動アシスト自転車100を示す。電動アシスト自転車100は、本発明における人力駆動車両の一例である。人力駆動車両は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車両である。人力駆動車両は、例えば、自転車を含む。人力駆動車両は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車両を含む。人力駆動車両は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントを含む。以下、電動アシスト自転車を、単に自転車という。
【0051】
自転車100は、前輪102、後輪104、自転車本体106、駆動機構108、操作部130を含む。自転車本体106は、フレーム106a、フロントフォーク106b、シートポスト106c、および、ハンドルバー106eを含む。フレーム106aは、シートステイ106d、トップチューブ106f、ダウンチューブ106g、シートチューブ106h、および、チェーンステイ106iを含む。フロントフォーク106bは、フレーム106aと前輪102の車軸102aとに接続される。シートステイ106dは、後輪104の車軸104aに接続される。
【0052】
自転車100は、人力駆動力が駆動機構108を介して後輪104に伝達されることによって走行する。駆動機構108は、クランク110、一対のペダル112、フロントスプロケット114、リアスプロケット116、および、チェーン118を含む。
【0053】
クランク110は、クランク軸110a、および、クランク軸110aの両側端部にそれぞれ取り付けられた一対のクランクアーム110bを含む。各ペダル112は、ペダル本体112a、および、ペダル軸112bを含む。各ペダル軸112bは、各クランクアーム110bに連結される。各ペダル本体112aは、各ペダル軸112bに対して回転可能に各ペダル軸112bに支持される。
【0054】
本実施形態において、フレーム106には、ドライブユニット10が取り付けられている。
図2~
図9に示すように、ドライブユニット10は、第1回路基板50、第2回路基板52、および、第1基板接続部56を含む。ドライブユニット10は、さらに第3回路基板54、および、第2基板接続部58を含む。ドライブユニット10は、さらにハウジング12を含む。ドライブユニット10は、さらに電動モータ20、減速機22、および、出力部材40を含む。第1回路基板50、第2回路基板52、および、第3回路基板54は、プリント配線基板をそれぞれ含む。
【0055】
図2および
図3に示すように、出力部材40は、クランク軸110aと同軸に設けられる筒状部材で構成される。出力部材40には、例えばスプラインで構成された連結部40a,40bが設けられている。連結部40aは、出力部材40の軸方向の一端部における内周面に設けられている。連結部40bは、出力部材40の軸方向の他端部における外周面に設けられている。出力部材40は、連結部40aを介してクランク軸110aに連結される。
【0056】
フロントスプロケット114は、出力部材40の連結部40bに連結される。フロントスプロケット114は、クランク軸110aと同軸に設けられる。クランク軸110aの回転は、出力部材40を介してフロントスプロケット114に伝達される。
【0057】
リアスプロケット116は、後輪104の車軸104aまわりに回転可能に、後輪104に連結される。チェーン118は、フロントスプロケット114とリアスプロケット116とに巻き掛けられている。ペダル112に加えられる人力駆動力によってクランク110およびクランク軸110aが正回転するとき、出力部材40、フロントスプロケット114、チェーン118およびリアスプロケット116を介して、後輪104も正回転して自転車100が前進する。
【0058】
フレーム106aの後輪104の近傍には、リアディレイラー122が設けられる。リアスプロケット116は、複数のスプロケットを含む。リアディレイラー122によって、リアスプロケット116に係合するチェーン118を移動させることによって、変速が行われる。
【0059】
操作部130は、自転車100の搭乗者によって操作される。操作部130は、ハンドルバー106eに取り付けられる。操作部130は、リアディレイラー122による変速を行うためのシフターを含む。
【0060】
フレーム106aには、バッテリユニット140が設けられる。本実施形態において、バッテリユニット140は、ダウンチューブ106gに内蔵または外装されて取り付けられる。バッテリユニット140は、1つまたは複数のバッテリセルを含む。
【0061】
本実施形態において、ドライブユニット10のハウジング12は、フレーム106aに取り付けられた状態で自転車100の側方から見て、自転車の前後方向に長い略楕円状に形成されている。しかしながら、ドライブユニット10の形状は、本実施形態に限らず、他の形状を有していてもよい。ハウジング12は、自転車100の幅方向に2分割されている。ハウジング12は、第1部材12a、および、第2部材12bで構成されている。
図2、
図6および
図7では、第2部材12bを省略している。ハウジング12は、3つ以上の部材によって構成されていてもよい。
【0062】
ハウジング12は、フレーム106aにおけるダウンチューブ106gとシートチューブ106hとの接続部分に取り付けられる。ハウジング12は、フレーム106aに取付可能な取付部12fを含む。取付部12fは、クランク軸110aの回転軸周りに間隔をあけて複数設けられる。取付部12fには、ボルトを取り付け可能なネジ孔またはボルトが貫通可能な貫通孔が形成されている。取付部12fは、本実施形態では、第2部材12bに設けられる。第1部材12aと第2部材12bとは、複数のネジ14によって固定されている。第1部材12aと第2部材12bとによって、ハウジング12内に内部空間が形成される。第1部材12aおよび第2部材12bには、クランク軸110aが貫通する貫通孔12cがそれぞれ形成されている。
【0063】
ハウジング12は、クランク軸110aを支持するクランク軸支持部16を有する。クランク支持部16は、クランク軸110aを回転可能に支持する。クランク支持部16は、ベアリングを介して、クランク軸110aを支持する。出力部材40の内周面における、出力部材40の軸方向の中間位置には、クランク軸110aの外周面に当接するように径方向内側に突出する突出部40cが形成されている。連結部40aおよび突出部40cによって、出力部材40が、クランク軸110aと同軸に配置される。
【0064】
ハウジング12は、第1回路基板50、第2回路基板52、および、第1基板接続部56を収容する。ハウジング12は、さらに第3回路基板54,および、第2基板接続部58を収容する。ハウジング12は、さらに出力部材40の少なくとも一部、および、減速機22を収容する。
【0065】
本実施形態において、電動モータ20は、ハウジング12の第1部材12aに設けられている。電動モータ20は、バッテリユニット140から供給される電力によって、自転車100の推進をアシストする。
【0066】
電動モータ20は、磁石を保持するロータコア20a、および、コイルが巻かれたステータ20bを含む。ロータコア20aの中心部にロータ軸20cが固定されている。ロータ軸20cは、一対の支持部材20dによって、回転可能に支持されている。本実施形態において、ロータコア20a、ステータ20bおよび支持部材20dは、モータケース20e内に収容されている。ステータ20b、および、一対の支持部材20dの一方は、モータケース20eに固定される。ロータ軸20cの回転は、減速機22を介して、出力部材40に減速されて伝達される。
【0067】
減速機22は、一例として、モータギヤ24、第1減速ギヤ26、第2減速ギヤ28、および、第3減速ギヤ30を含む。
図2では、モータギヤ24、第1減速ギヤ26、第2減速ギヤ28、および、第3減速ギヤ30のそれぞれの歯部は省略している。
【0068】
モータギヤ24は、電動モータ20のロータ軸20cに一体に設けられている。第1減速ギヤ26は、モータギヤ24と噛み合う。第1減速ギヤ26の歯数は、モータギヤ24の歯数よりも多い。
【0069】
第2減速ギヤ28は、一対のベアリング32によって、ハウジング12に回転可能に支持されている。第2減速ギヤ28は、ワンウェイクラッチ34を介して、第1減速ギヤ26と連結されている。第2減速ギヤ28の歯数は、第1減速ギヤ26の歯数よりも少ない。クランク軸110aの軸方向に垂直な方向において、モータギヤ24および第2減速ギヤ28と、第1回路基板50とは、少なくとも一部がオーバーラップする。第1回路基板50は、ロータ軸20cが配置される凹部50cを有する。
【0070】
第3減速ギヤ30は、第2減速ギヤ28と噛み合う。第3減速ギヤ30の歯数は、第2減速ギヤ28の歯数よりも多い。第3減速ギヤ30は、出力部材40に連結されている。減速機22によって、電動モータ20の駆動力が、出力部材40に伝達される。出力部材40に伝達された、電動モータ20の駆動力は、連結部40bを介してフロントスプロケット114に伝達される。クランク軸110aの軸方向に垂直な方向において、第3減速ギヤ30と出力部材40の突出部40cとは、少なくとも一部がオーバーラップする。
【0071】
ワンウェイクラッチ34は、クランク軸110aに作用する人力駆動力によって電動モータ20を回転させないように構成される。本実施形態では、ワンウェイクラッチ34は、第1減速ギヤ26と第2減速ギヤ28との間に設けられる。ワンウェイクラッチ34の配設位置は、これに限らず、減速機22のどこであってもよい。
【0072】
ハウジング12の第1部材12aは、ハウジング12内に形成される収容空間12gに配置される複数の突出部12dを備える。第1回路基板50は、収容空間12gに配置される。
図2に示すように、第1回路基板50は、複数の突出部12dの先端部に、ネジ60によって固定される。
【0073】
第1回路基板50には、制御部70を構成する中央演算処理装置(CPU)、および、記憶部が実装されている(
図5にのみ示す)。中央演算処理装置は、コンピュータプログラムを実行する。コンピュータプログラムは、オペレーションシステム(OS:Operation System)等の基本制御プログラム、および、OS上で起動されて特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む。記憶部は、RAMおよびROMを含んで構成されている。ROMには、種々の制御を行うためのコンピュータプログラムおよびデータが格納されている。RAMには、中央演算処理装置が一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。制御部70は、モータ20を制御するように構成される。制御部70は、モータ20を駆動するためのインバータ回路を含む。インバータ回路は、第1回路基板50に実装されている。制御部70は、トルクセンサ42からの信号と、回転速度センサ46からの信号との少なくとも一方に応じて、モータ20を駆動する。
【0074】
図6及び
図7に示すように、第2回路基板52は、第1部材12aに設けられている。本実施形態において、第2回路基板52は、第1部材12aの外周縁部の近傍に設けられている。第2回路基板52は、好ましくは、クランク軸110aまわりにおいて、第1部材12aの外周縁部の近傍に設けられる。第2回路基板52は、第1回路基板50の一部と対向する。第2回路基板52は、第1回路基板50と略平行に延びるように配置されている。
【0075】
図4、
図5および
図9に示すように、第2回路基板52は、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部76を有する。本実施形態において、第2回路基板52は、2つのケーブル接続部76が設けられる。第2回路基板52は、第3基板面52aおよび第4基板面52bを含む。第3基板面52aは、第1回路基板50に対向する。第4基板面52bは、第2回路基板52の厚み方向において第3基板面52aとは反対側を向く。本実施形態では、ケーブル接続部76が第2回路基板52の第4基板面52bに設けられる。ケーブル接続部76は、第2回路基板52の厚み方向に貫通する接続部76aを含む。接続部76aは、半田によって、第2回路基板52に固定される。接続部76aは、第2回路基板52に形成されるプリント配線に電気的に接続される。ケーブル接続部76は、ハウジング12の外部に露出している。ケーブル接続部76は、ハウジング12の第1部材12aを貫通している。ハウジング12の第1部材12aには、ケーブル接続部76が貫通する貫通孔が形成されている。ハウジング12の貫通孔は、自転車100の左右方向におけるハウジング12の側面部に形成されている。ハウジング12の外周部には、カバー部材78がネジ80によって固定されている。カバー部材78には、各ケーブル接続部76にそれぞれ対応した位置に、貫通孔78aが形成されている。
【0076】
ケーブル接続部76は、ハウジング12の外部に露出している。本実施形態においては、ケーブル接続部76は、カバー部材78の貫通孔78aからハウジング12の外部に露出している。2つのケーブル接続部76の一方には、第1電気ケーブルが着脱自在に接続され、2つのケーブル接続部76の他方には、第2電気ケーブルが着脱自在に接続される。本実施形態では、第1電気ケーブルは、操作部130と制御部70とを電気的に接続するように構成される。本実施形態では、第2電気ケーブルは、リアディレイラー122と制御部70とを電気的に接続するように構成される。ケーブル接続部76の数は2つに限らず、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0077】
第2回路基板52には、複数の導電板82がさらに設けられる。複数の導電板82は、第2回路基板52の第4基板面52bに設けられる。複数の導電板82の端部は、第2回路基板52を厚み方向に貫通し、半田によって、第2回路基板52に固定される。複数の導電板82は、第2回路基板52に形成されるプリント配線に電気的に接続される。ネジ80は、第2回路基板52から延びる一対の導電板82に、ランプ接続される一対の配線をそれぞれ固定するように構成される。
【0078】
図4~
図7に示すように、第1基板接続部56は、第1回路基板50および第2回路基板52を接続する。第1基板接続部56は、第1電気接続部86および第2電気接続部88を含む。第1電気接続部86は、第1回路基板50に直接に設けられる。第1回路基板50は、第1基板面50aおよび第2基板面50bを含む。第1基板面50aは、第2回路基板52の第3基板面52aに対向する。第2基板面50bは、第1回路基板50の厚み方向において第1基板面50aとは反対側を向く。第1電気接続部86は、第1回路基板50の第1基板面50aに設けられる。第2電気接続部88は、第2回路基板52に直接に設けられる。第2電気接続部88は、第2回路基板52の第3基板面52aに設けられる。第2電気接続部88は、第1電気接続部86と直接接触して電気接続される。第1電気接続部86は、第1回路基板50において制御部70と電気的に接続される。第2電気接続部88は、第2回路基板52においてケーブル接続部76と電気的に接続される。
【0079】
本実施形態では、第1電気接続部86および第2電気接続部88は、コネクタ86a,88aによってそれぞれ構成されている。コネクタ86a,88aは、1または複数の導電性の電気端子、および、電気端子を保持する保持部材をそれぞれ含む。保持部材は、たとえば樹脂などの電気絶縁性を有する材料によって形成される。本実施形態では、コネクタ86a,88aは、複数の電気端子をそれぞれ含む。コネクタ88aの保持部材がコネクタ86aの保持部材に嵌合することによって、コネクタ86aの電気端子とコネクタ88aの電気端子とが直接接触して電気接続される。第1回路基板50を第1部材12aに取り付ける際に、コネクタ86aとコネクタ88aとを対向させた状態で、第1回路基板50を第2回路基板52に向かって押圧することで、コネクタ86aとコネクタ88aとが接続される。コネクタ86aの電気端子は、第1回路基板50のプリント配線に電気的に接続されている。コネクタ86aは、半田によって第1回路基板50に固定されている。コネクタ88aの電気端子は、第2回路基板52のプリント配線に電気的に接続されている。コネクタ88aは、半田によって第2回路基板52に固定されている。コネクタ86aおよびコネクタ88aの一方は、オス型コネクタによって構成され、コネクタ86aおよびコネクタ88aの他方は、メス型コネクタによって構成される。
【0080】
好ましくは、第1回路基板50のうち第1電気接続部86が設けられる部分と、第2回路基板52のうち第2電気接続部88が設けられる部分との間の距離L1が、15mm以下である。距離L1は、15mmよりも大きくてもよい。
【0081】
操作部130および制御部70は、第1電気ケーブル、第2回路基板52、第1基板接続部56および第1回路基板50を介して、通信可能に接続される。本実施形態では、操作部130および制御部70は、電力線通信(PLC:Power Line Communication)によって接続される。制御部70およびリアディレイラー122は、第1回路基板50、第1基板接続部56、第2回路基板52および第2電気ケーブルを介して、通信可能に接続される。
【0082】
自転車100の搭乗者によって操作部130が操作されると、操作部130から信号、たとえば変速信号が制御部70に送信される。制御部70は、操作部130からの信号が変速信号の場合、制御信号をリアディレイラー122に送信する。リアディレイラー122は、制御部70からの制御信号を受けて動作する。
【0083】
操作部130は、シフターに加えて、人力駆動力に対する電動モータ20によるアシスト力の比であるアシスト比を変更可能なアシストモード変更スイッチを含んでいてもよい。この場合、例えば、後述の通信ユニット48を介して、アシストモード変更スイッチの操作に対応した操作信号が制御部70に送信される。制御部70は、操作部130からの操作信号を受けて、その操作信号に対応したアシストモードになるように、電動モータ20を制御する。前記操作信号が、第1電気ケーブル、または、第1電気ケーブルおよび第2電気ケーブルとは異なる第3電気ケーブルを介して制御部70に送信されるようにしてもよい。第3電気ケーブルを介して操作信号が制御部70に送信される場合、第2回路基板52には、第3電気ケーブルが接続されるケーブル接続部が設けられる。
【0084】
本実施形態においては、
図8に示すように、第2回路基板52は、樹脂モールド部74を有する。具体的には、
図6~
図8に示すように、ハウジング12の第1部材12aには、ハウジング12内の収容空間12gに突出する立壁部12eが設けられている。立壁部12eは、第2回路基板52を囲むように形成されている。立壁部12eは、第2回路基板52の厚み方向に延びている。立壁部12eが第2回路基板52を囲む空間内に、樹脂を充填することによって、樹脂モールド部74が形成される。樹脂モールド部74によって、第2回路基板52の第3基板面52aの第2電気接続部88を除く部分の全体が覆われる。樹脂モールド部74は、第2回路基板52の周囲のハウジング12の表面を覆うように設けられる。樹脂モールド部74によって、第2回路基板52とハウジング12との間の隙間から、ハウジング12の内部空間に水などの液体がハウジング12の外部から浸入することを抑制することができる。第2回路基板52は、ネジなどのファスナーによってハウジング12の第1部材12aに固定されていてもよく、接着剤によってハウジング12の第1部材12aに固定されていてもよく、ファスナーおよび接着剤を用いずに、樹脂モールド部74によってハウジング12の第1部材12aに固定されていてもよい。
【0085】
出力部材40の外周面には、クランク軸110aに入力される人力駆動力を検出するトルクセンサ42(
図3参照)が設けられている。本実施形態では、トルクセンサ42は、歪みセンサで構成されている。トルクセンサ42は、出力部材40と共に回転する不図示のセンサ基板に接続されている。このセンサ基板には、トルクセンサ42からの信号を無線で送信する送信ユニットが設けられている。
【0086】
本実施形態において、
図4および
図10に示すように、第3回路基板54は、クランク軸110aの周囲を囲むようにリング状に形成されている。第3回路基板54は、第2回路基板52と同様に、少なくとも一部が第1回路基板50の一部と対向している。第3回路基板54は、第2回路基板52と同様に、第1回路基板50と略平行に延びるように配置されている。第3回路基板54は、ハウジング12に固定されることが好ましい。第3回路基板54の外周部には、複数の貫通孔54cが形成されている。第3回路基板54は、たとえばネジを各貫通孔54cにそれぞれ挿通させて、第1部材12aに固定される。
【0087】
第3回路基板54は、
図10に示されるように、クランク軸110aに入力される人力駆動力を検出するトルクセンサ42からの無線信号を受信する受信ユニット44を有する。受信ユニット44は、本発明における無線ユニット43の一例である。無線ユニット43は、人力駆動車両100のクランク軸110aに入力される人力駆動力を検出する第2センサからの無線信号を受信する受信ユニット44、および、外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニット48の少なくとも一方を含む。受信ユニット44は、受信用コイルアンテナを含む。第3回路基板54は、第5基板面54aおよび第6基板面54bを含む。第5基板面54aは、第1回路基板50の第1基板面50aに対向する。第6基板面54bは、第3回路基板54の厚み方向において第1基板面50aとは反対側を向く。受信ユニット44の受信用コイルアンテナは、例えば
図10に示すように、好ましくは、第3回路基板54の第6基板面54bに設けられる。
【0088】
第3回路基板54は、
図10に示されるように、クランク軸110aの回転速度を検出する回転速度センサ46を更に有する。回転速度センサ46は、第1回路基板50に設けられてもよい。回転速度センサ46は、クランク軸110aまたは出力部材40に取り付けられた磁石の回転を検出する。回転速度センサ46は、好ましくは、第3回路基板54の第6基板面54bに設けられる。
【0089】
第3回路基板54は、
図10に示されるように、ドライブユニット10の外部における自転車100に設けられた外部装置と無線信号を送受信するための通信ユニット48を更に有する。外部装置の一例は、操作部130である。通信ユニット48は、本発明における無線ユニット43の一例である。通信ユニット48は、通信アンテナを含む。通信ユニット48は、例えば
図10に示すように、第3回路基板54の第5基板面54aに設けられる。前記外部装置は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、パーソナルコンピュータなどの電子装置であってもよい。
【0090】
歪みセンサで構成されたトルクセンサ42に代えて、磁歪式のトルクセンサを用いてもよい。この場合、センサ基板、前記送信ユニット、および、受信ユニット44を省略可能である。この場合、第3回路基板54は、本発明におけるセンサ41の一例である磁歪式のトルクセンサを有する。第3回路基板54は、磁歪式のトルクセンサに加えて、受信ユニット44を有していてもよい。この場合、受信ユニット44は、トルクセンサ42とは別のセンサからの無線信号を受信する。
【0091】
第2基板接続部58は、第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方と第3回路基板54とを接続する。本実施形態では、
図4及び
図5に示すように、第2基板接続部58は、第1回路基板50および第3回路基板54を接続する。第2基板接続部58は、第3電気接続部90および第4電気接続部92を含む。第3電気接続部90は、第1回路基板50および第2回路基板の少なくとも一方に直接に設けられる。本実施形態では、第3電気接続部90は、第1回路基板50に直接設けられる。詳細には、第3電気接続部90は、第1回路基板50の第1基板面50aに設けられる。第4電気接続部92は、第3回路基板54に直接に設けられる。第4電気接続部92は、第3回路基板54の第5基板面54aに設けられる。第4電気接続部92は、第3電気接続部90と直接接触して電気接続される。第3電気接続部90は、第1回路基板50において制御部70と電気的に接続される。第4電気接続部92は、第3回路基板54において、受信ユニット44、回転速度センサ46および通信ユニット48と電気的に接続される。
【0092】
第3電気接続部90および第4電気接続部92は、コネクタ90a,92aによってそれぞれ構成されている。コネクタ90aおよびコネクタ92aの一方は、コネクタ86aおよびコネクタ88aの一方と同様の構成であり、コネクタ90aおよびコネクタ92aの他方は、コネクタ86aおよびコネクタ88aの他方と同様の構成である。コネクタ90aおよびコネクタ92aの形状および寸法は、コネクタ86aおよびコネクタ88aの形状および寸法と異なっていてもよい。コネクタ90aの電気端子は、第1回路基板50のプリント配線に電気的に接続されている。コネクタ90aは、半田によって第1回路基板50に固定されている。コネクタ92aの電気端子は、第3回路基板54のプリント配線に電気的に接続されている。コネクタ92aは、半田によって第3回路基板54に固定されている。
【0093】
本実施形態では、第1回路基板50のうち第3電気接続部90が設けられる部分と、第3回路基板54のうち第4電気接続部90が設けられる部分との間の距離L2は、15mm以下である。距離L2と距離L1とは、同じであってもよい。この場合、第3電気接続部90および第4電気接続部90を、第1電気接続部86および第2電気接続部88とそれぞれ同じコネクタで構成することができる。
【0094】
本実施形態においては、制御部70と、受信ユニット44、回転速度センサ46および通信ユニット48とが、第1回路基板50、第2基板接続部58および第3回路基板54を介して、通信可能に接続される。
【0095】
制御部70には、第3回路基板54、第2基板接続部58および第1回路基板50を介して、トルクセンサ42および回転速度センサ46からの検出信号が入力される。制御部70は、これらの検出信号に基づいて、電動モータ20を制御する。操作部130が、アシストモード変更スイッチを含む場合には、制御部70には、例えば、アシストモード変更スイッチからの操作信号が通信ユニット48を介して入力される。制御部70は、操作信号に基づいて、電動モータ20を制御する。
【0096】
ドライブユニット10によれば、例えば以下のような効果が得られる。
【0097】
第1回路基板50における第1電気接続部86を第2回路基板52の第2電気接続部88に向かって押圧することによって、第1回路基板50と第2回路基板52とを容易に接続することができる。
【0098】
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
【0099】
例えば、前記実施形態では、第1基板接続部56の第1電気接続部86および第2電気接続部88は、コネクタ86a,88aによってそれぞれ構成されているが、これには限らない。第1電気接続部86および第2電気接続部88は、例えば
図11に示すように、非可撓性の部材86b,88bによってそれぞれ構成されていてもよい。非可撓性の部材86bの一端部が第1回路基板50に固定された状態において、非可撓性の部材86b,88bの他端に、第1回路基板50の第1基板面50aに沿った方向に所定の力を付与したときに、非可撓性の部材86b,88bの撓み量が所定値以下となる部材である。したがって、本発明における非可撓性の部材86b,88bとは、電気ケーブルを含まない。非可撓性の部材88b,88bは、例えば導電性の金属部材で構成される。
図11の例では、非可撓性の部材86bは、棒状の部材によって構成され、非可撓性の部材88bは、筒状の部材によって構成される。非可撓性の部材86bの一端部は、第1回路基板50に形成される孔に挿入され、たとえば半田によって第1回路基板50に固定される。非可撓性の部材86bは、第1回路基板50のプリント配線に電気的に接続される。非可撓性の部材88bは、第2回路基板52に形成される孔に少なくとも一部が配置されて、第2回路基板52に固定される。非可撓性の部材88bは、第2回路基板52に形成されるビアホールによって構成されていてもよい。非可撓性の部材86bが非可撓性の部材88bに挿入されることによって、非可撓性の部材86b,88bが互いに直接接触して電気的に接続される。この構成によって、第1回路基板50を第2回路基板52に向かって押圧することで、コネクタ86a,88aと同様に、非可撓性の部材86b,88bを容易に接続することができる。
【0100】
第2基板接続部58の第3電気接続部90および第4電気接続部92は、第1電気接続部86および第2電気接続部88と同様に、非可撓性の部材によってそれぞれ構成されていてもよい。
【0101】
第2基板接続部58は、第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方と第3回路基板54とを接続するものであってもよい。
【0102】
前記実施形態では、第2回路基板52のみに樹脂モールド部74を有するが、第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方が、樹脂モールド部を有していればよい。さらには、第1回路基板50、第2回路基板52、および、第3回路基板54の少なくとも1つが、樹脂モールド部を有していてもよい。
【0103】
第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方は、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部76を有していてもよい。第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方は、電気ケーブルが接続されるケーブル接続部76、センサ41、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニット43のうちの少なくとも1つを有してよい。センサ41は、人力駆動車両100のクランク軸110aの回転速度を検出する第1センサ、および、クランク軸110aに入力される人力駆動力を検出する第2センサの少なくとも一方を含む。本実施形態において回転速度センサ46は、第1センサの一例であり、トルクセンサ42は、第2センサの一例である。第1回路基板50、第2回路基板52および第3回路基板54のうちの少なくとも1つが、ケーブル接続部76、センサ41、および、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行う無線ユニット43のうちの少なくとも1つを有してもよい。この場合、センサ41は、トルクセンサ42および回転速度センサ46の少なくとも一方を含む。無線ユニット43は、受信ユニット44および通信ユニット48の少なくとも一方を含む。
【0104】
ドライブユニット10が、3つの回路基板50,52,54のうち第1回路基板50および第2回路基板52のみを含むものであってもよい。この場合、第3回路基板54および第2基板接続部58は省略される。第1回路基板50および第2回路基板52の一方が、ケーブル接続部76、センサ41、および、無線ユニット43のうちの少なくとも1つを有していればよい。第1回路基板50および第2回路基板52の一方が、樹脂モールド部を有していればよい。ハウジング12は、人力駆動車両100のクランク軸110aを支持するクランク軸支持部16を有し、第1回路基板50、第2回路基板52、および、第1基板接続部56を収容するものであればよい。
【0105】
ドライブユニット10が、4つ以上の回路基板を含んでもよい。この場合、4つ以上の回路基板が、第1回路基板50、第2回路基板52および第3回路基板54の少なくとも2つを含む。
【0106】
前記実施形態においては、第1回路基板50と第2回路基板52とが接続され、第1回路基板50と第3回路基板54とが接続されているが、本発明はこの形態に限らない。第2回路基板52と第3回路基板54とが接続されてもよい。
【0107】
第1電気接続部86、第2電気接続部88、第3電気接続部90および第4電気接続部92は、コネクタ、または、非可撓性の部材によってそれぞれ構成されてもよい。
【0108】
人力駆動車両用コンポーネントは、ドライブユニットに限らない。人力駆動車両用コンポーネントは、たとえば、人力駆動車両に搭載されるように構成される操作装置、変速機、人力駆動車両に搭載されるように構成される表示装置、人力駆動車両に搭載されるように構成されるバッテリユニット、サスペンション、および、シートポストを含む。
【0109】
ドライブユニットは、車輪に設けられてもよい。この場合、クランク軸支持部16は省略される。
【0110】
第1回路基板50および第2回路基板52の少なくとも一方に、バッテリユニット140からの電力が供給される電力供給部が設けられてもよい。電力供給部は、ケーブル接続部と同様な構成を有していてもよい。
【0111】
第2回路基板52は、第3基板面52aが第1回路基板50の第2基板面50bと対向するように配置されていてもよい。この場合、第3電気接続部90は、第1回路基板50の第2基板面50bに設けられる。
【0112】
前記実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0113】
10:ドライブユニット(人力駆動車両用コンポーネント)、12:ハウジング、16:クランク軸支持部、42:トルクセンサ(第2センサ)、43:無線ユニット、44:受信ユニット、46:回転速度センサ(第1センサ)、48:通信ユニット、50:第1回路基板、52:第2回路基板、54:第3回路基板、56:第1基板接続部、58:第2基板接続部、74:樹脂モールド部、76:ケーブル接続部、86:第1電気接続部、86a:コネクタ、86b:非可撓性の部材、88:第2電気接続部、88a:コネクタ、88b:非可撓性の部材、90:第3電気接続部、90a:コネクタ、90b:非可撓性の部材、92:第4電気接続部、92a:コネクタ、92b:非可撓性の部材、100:電動アシスト自転車(人力駆動車両)