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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】基板装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
H05K7/12 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018084731
(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2019192807
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直子
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-028085(JP,U)
【文献】特開2002-043772(JP,A)
【文献】特開2000-196259(JP,A)
【文献】登録実用新案第3021144(JP,U)
【文献】特開平08-064971(JP,A)
【文献】特開2002-134962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に部品が実装された回路基板と、
前記回路基板において前記主面とは反対側に設けられ、前記回路基板を支持している支持部材と、
前記回路基板を保護するように前記主面側に設けられ、可撓性を有するシート材から成る保護カバーと、
を備え、
前記保護カバーは、
前記主面に離隔して対向している矩形状の対向部と、
前記対向部の一端側から折り曲げられており、前記支持部材に固定されている固定部を含む第1折り曲げ部と、
前記対向部の他端側から折り曲げられており、前記支持部材に着脱可能に係止されている係止部を含む第2折り曲げ部と、を有し、
前記係止部の係止状態が解除されて前記固定部を支点として前記対向部が折り返された際に、前記係止部が係止される被係止部を更に備える、
基板装置。
【請求項2】
前記第1折り曲げ部の曲げ位置に、前記第1折り曲げ部の折り曲げ状態を保持するためのミシン目が形成されている、
請求項1に記載の基板装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記第1折り曲げ部の先端部と前記対向部とに繋がっている平面部である、
請求項1又は2に記載の基板装置。
【請求項4】
前記第2折り曲げ部の曲げ位置に、前記第2折り曲げ部の折り曲げ状態を保持するためのミシン目が形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板装置。
【請求項5】
前記支持部材は、板金部材と前記回路基板の間に配置された支持軸であり、
前記係止部は、前記支持軸に着脱可能に係止されている係止穴を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の基板装置。
【請求項6】
前記支持部材は、前記回路基板の裏面に対向している板金部材から延出した延出部であり、
前記係止部は、前記延出部に係止している係止凸部を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の基板装置。
【請求項7】
前記固定部には、締結部材の雄ネジ部が挿通している貫通孔が形成されており、
前記固定部及び前記回路基板は、前記支持部材に形成された雌ネジ部と前記締結部材の前記雄ネジ部によって共締めされている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の基板装置。
【請求項8】
前記対向部の表面には、前記回路基板に関する情報を表示する表示物が設けられている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護カバーを有する基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内等に設けられた火災感知器から火災検出信号を受信する火災受信機には、回路基板を含む基板装置が設けられている。この基板装置の回路基板上には、様々な部品が実装されている。このため、回路基板を保護する観点等から、保護カバーが取り付けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-64971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板装置は、ユーザ等が通常使用しない装置であるため、ネジ等で強固に固定されている。一方で、基板装置のメンテナンス(例えば、回路基板の点検・保守)が発生するケースがあるが、保護カバーがネジ等で強固に固定されている場合には、ネジを緩めて外す必要があるため、保護カバーの取り外しに手間がかかってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、回路基板を適切に保護すると共にメンテナンス性に優れた基板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、主面に部品が実装された回路基板と、前記回路基板において前記主面とは反対側に設けられ、前記回路基板を支持している支持部材と、前記回路基板を保護するように前記主面側に設けられ、可撓性を有するシート材から成る保護カバーと、を備え、前記保護カバーは、前記主面に離隔して対向している矩形状の対向部と、前記対向部の一端側から折り曲げられており、前記支持部材に固定されている固定部を含む第1折り曲げ部と、前記対向部の他端側から折り曲げられており、前記支持部材に着脱可能に係止されている係止部を含む第2折り曲げ部と、を有する、基板装置を提供する。
【0007】
また、前記第1折り曲げ部の曲げ位置に、前記第1折り曲げ部の折り曲げ状態を保持するためのミシン目が形成されていることとしてもよい。
【0008】
また、前記固定部は、前記第1折り曲げ部の先端部と前記対向部とに繋がっている平面部であることとしてもよい。
【0009】
また、前記第2折り曲げ部の曲げ位置に、前記第2折り曲げ部の折り曲げ状態を保持するためのミシン目が形成されていることとしてもよい。
【0010】
また、前記支持部材は、板金部材と前記回路基板の間に配置された支持軸であり、前記係止部は、前記支持軸に着脱可能に係止されている係止穴を有することとしてもよい。
【0011】
また、前記支持部材は、前記回路基板の裏面に対向している板金部材から延出した延出部であり、前記係止部は、前記延出部に係止している係止凸部を有することとしてもよい。
【0012】
また、前記固定部には、締結部材の雄ネジ部が挿通している貫通孔が形成されており、前記固定部及び前記回路基板は、前記支持部材に形成された雌ネジ部と前記締結部材の前記雄ネジ部によって共締めされていることとしてもよい。
【0013】
また、前記対向部の表面には、前記回路基板に関する情報を表示する表示物が設けられていることとしてもよい。
【0014】
また、前記基板装置は、前記係止部の係止状態が解除されて前記固定部を支点として前記対向部が折り返された際に、前記係止部が係止される被係止部を更に備えることとしてもよい。
【0015】
また、前記第1折り曲げ部は、前記回路基板の側面に対向しており、前記第1折り曲げ部の先端側は、前記回路基板の裏面に空隙を介して対向している板金部材に接触していることとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、回路基板を適切に保護すると共にメンテナンス性に優れた基板装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る基板装置1の構成を説明するための模式図である。
図2】基板装置1を側面側から見た模式図である。
図3】保護カバー30の構成を示す斜視図である。
図4】保護カバー30の展開図である。
図5】係止部37の係止を説明するための模式図である。
図6】係止部37の係止が解除された保護カバー30が撓んだ状態を説明するための模式図である。
図7】第2の実施形態に係る基板装置1の構成を説明するための模式図である。
図8】第2の実施形態に係る保護カバー130の構成を示す斜視図である。
図9】保護カバー130の展開図である。
図10】係止部137の係止を説明するための模式図である。
図11】係止部137の係止が解除された保護カバー30が撓んでいる状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
(基板装置の構成)
本発明の第1の実施形態に係る基板装置の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、第1の実施形態に係る基板装置1の構成を説明するための模式図である。図2は、基板装置1を側面側から見た模式図である。
【0020】
基板装置1は、例えば火災感知器から火災検出信号を受信する火災受信機に取付けられている。基板装置1は、通常時はユーザ等が触れることは無く、例えば定期的にメンテナンスが行われる。なお、基板装置1は、火災受信機以外の機器に取り付けられてもよい。基板装置1は、図1及び図2に示すように、回路基板10、11と、板金部材20と、支持軸25、26と、保護カバー30とを有する。
【0021】
回路基板10、11は、例えばプリント基板である。回路基板10、11の主面10a、11aには、それぞれ電子部品が実装されている(図2参照)。回路基板10、11は、図2に示すように、互いに離れて配置されている。ここでは、2つの回路基板10、11が示されているが、これに限定されず、1つの回路基板が設けられていてもよい。
【0022】
板金部材20は、図2に示すように、回路基板10、11の背面(主面10a、11aとは反対側の面)側に対向するように設けられている。板金部材20には、回路基板10、11が取り付けられる。板金部材20は、例えば火災受信機のパネルの一部を構成している。
【0023】
支持軸25と、図2に示すように、回路基板10と板金部材20の間に配置されており、回路基板10を支持している支柱である。支持軸25は、複数設けられており、回路基板10の四隅を支持している。
【0024】
支持軸26は、図2に示すように、回路基板11と板金部材20の間に配置されており、回路基板11を支持している。支持軸26は、複数設けられており、回路基板11の四隅を支持している。
【0025】
保護カバー30は、図2に示すように、2つの回路基板10、11を保護するように主面10a、11a側に設けられている。これにより、回路基板10、11(具体的には、主面10a、11a)に埃が付着することや、作業者が誤って主面10a、11a上の部品に触れることを防止できる。また、保護カバー30は、可撓性を有するシート材から成る。これにより、作業者は保護カバー30を撓ませることが可能である。シート材は、例えば軟質材であるポリエステルである。ただし、これに限定されず、シート材は他の材料であってもよい。また、保護カバー30は、透明な材質から成っていてもよい。
【0026】
保護カバー30は、図2に示すように、締結部材70によって固定されている固定部35と、支持軸26に着脱可能に係止されている係止部37とを有する。これにより、詳細は後述するが、係止部37の係止を解除した後に固定部35を支点として保護カバー30を撓ませることで、回路基板10、11が露出するので、作業者が回路基板10、11のメンテナンス(保守・点検)を行うことができる。この結果、回路基板10、11を適切に保護すると共に、メンテナンス性を向上させることができる。
【0027】
(保護カバーの詳細構成)
保護カバー30の詳細構成について、図3図6を参照しながら説明する。
【0028】
図3は、保護カバー30の構成を示す斜視図である。図4は、保護カバー30の展開図である。図5は、係止部37の係止を説明するための模式図である。図6は、係止部37の係止が解除された保護カバー30が撓んだ状態を説明するための模式図である。なお、図3には、裏側から見た保護カバー30が示されている。
【0029】
保護カバー30は、図4に示す一枚のシート材(保護カバー30の外形に沿うようにカットされたシート材)を折り曲げることで、図3に示す立体形状を成している。図4に示すシート材には、複数のミシン目39a~39fが形成されており、ミシン目39a~39fの部分で折り曲げられる。ミシン目39a~39fの各々は、例えば小さい穴によって形成されている。このようにミシン目39a~39fの部分で折り曲げることで、シート材が可撓性を有していても図3に示す立体形状が保持されやすい。
【0030】
保護カバー30は、図3に示すように、基部32と、第1折り曲げ部34と、固定部35と、第2折り曲げ部36と、係止部37とを有する。
【0031】
基部32は、回路基板10、11の主面10a、11aに離隔して対向している対向部である(図2参照)。基部32は、主面10a、11aを覆うように矩形平板状となっている。基部32は、主面10a、11a上の部品に接しない高さに位置している。
【0032】
第1折り曲げ部34は、基部32の短手方向の一端側から折り曲げられており、保護カバー30において固定される部分である。第1折り曲げ部34は、図2に示すように回路基板10の側面に対向している。第1折り曲げ部34の基部32からの曲げ位置には、ミシン目39a、39b(図4)が形成されている。これにより、第1折り曲げ部34の折り曲げ状態が保持されやすい。
【0033】
回路基板10の側面に対向している第1折り曲げ部34の先端側は、図2に示すように、回路基板10の裏面に空隙を介して対向している板金部材20に接触している。これにより、第1折り曲げ部34と板金部材20の間に隙間が存在しないので、回路基板10と板金部材20の間の空隙に埃やゴミ等の異物が侵入することを防止する効果が高められる。
【0034】
固定部35は、第1折り曲げ部34の両側にそれぞれ設けられている。固定部35は、締結部材70によって、回路基板10を支持する支持軸25に固定されている。具体的には、固定部35は、締結部材70(図1)の雄ネジ部が挿通している貫通孔35aを有しており、締結部材70の雄ネジ部は、支持軸25に形成された雌ネジ部と係合している。これにより、固定部35は、回路基板10と共に支持軸25に共締めされている。固定部35は、回路基板10の主面10aに接触している平面部であり、図4に示すミシン目39c、39dの部分で折り曲げられて形成されている。固定部35は、第1折り曲げ部34の先端側に、連結部35bを介して基部32に繋がっている。これにより、シートから成る固定部35の剛性を高められる。
【0035】
第2折り曲げ部36は、基部32の短手方向の他端側から折り曲げられており、保護カバー30において着脱可能に係止される部分である。第2折り曲げ部36は、保護カバー30の長手方向の両端側にそれぞれ設けられており、図2に示すように回路基板11の側面に対向している。第2折り曲げ部36の基部32からの曲げ位置には、ミシン目39e(図4)が形成されている。これにより、第2折り曲げ部36の折り曲げ状態が保持されやすい。本実施形態では、第1折り曲げ部34及び第2折り曲げ部36を設けることで、支柱を別途設けなくても、保護カバー30が回路基板10、11を保護できる。
【0036】
係止部37は、2つの第2折り曲げ部36にそれぞれ設けられている。係止部37は、回路基板11を支持する支持軸26に着脱可能に係止されている。係止部37は、図5に示すように、係止穴37aと、切り欠き37bとを有する。なお、図5(a)に係止前の状態が、図5(b)に係止時の状態が示されている。
【0037】
係止穴37aは、支持軸26と係合することで係止される。係止穴37aは、支持軸26の直径よりも若干大きく形成されている。
切り欠き37bは、第2折り曲げ部36の先端側を切り欠いた部分であり、係止穴37aと繋がっている。係止部37と支持軸26が係合する際には、支持軸26が切り欠き37bを通過した後で係止穴37aに係合する。
【0038】
本実施形態では、第2折り曲げ部36の係止部37の支持軸26に対する係止が解除された際に、図6に示すように、第1折り曲げ部34の固定部35が支持軸25に固定された状態となっている。前述したように、保護カバー30は可撓性を有するシート材から成る。このため、作業者は、固定部35を支点として、保護カバー30の基部32が撓むように第2折り曲げ部36を持ち上げることができる(図6参照)。これにより、保護カバー30を取り外すことなく、回路基板10、11が露出することになる。また、作業者は、一方の手で第2折り曲げ部36や係止部37を持ち上げた状態で、他方の手で回路基板10、11のメンテナンスを行える。
【0039】
上記では、作業者が一方の手で第2折り曲げ部36側を持ち上げた状態でメンテナンスを行うこととしたが、これに限定されない。例えば、作業者が第2折り曲げ部36側を持ち上げなくても済むように、保護カバー30の基部32が折り返された状態を保持する構成となっていてもよい。
【0040】
例えば、基部32が折り返された状態で、第2折り曲げ部36の2つの係止部37が、回路基板10を支持する支持軸25にそれぞれ係止されてもよい。この場合、支持軸25が、保護カバー30が折り返られた際に係止部37が係止される被係止部に該当する。これにより、作業者が第2折り曲げ部36側を手で保持する必要がなくなり、両手で回路基板10、11をメンテナンスできるので作業性が向上する。
なお、係止部37を支持軸25に係止させるために、第1折り曲げ部34の先端側と板金部材20の間に隙間があってもよい。この場合には、係止部37を当該隙間から入り込ませて、支持軸25に係止させる。
【0041】
また、上記では、保護カバー30の一端側が締結部材70によって固定されていることとしたが、これに限定されない。例えば、保護カバー30の一端側が締結以外の手段によって固定されてもよい。
【0042】
また、上記では、保護カバー30の短手方向の一端側に固定部35が設けられていることとしたが、これに限定されない。例えば、固定部35は、保護カバー30の長手方向の一端側に設けられていてもよい。
【0043】
また、上記では、2つの回路基板10、11が1つの保護カバー30によって保護されていることとしたが、これに限定されない。例えば、回路基板10、11の各々に対して、保護カバー30が別々に設けられてもよい。
【0044】
(第1の実施形態における効果)
上述した第1の実施形態においては、回路基板10、11を保護する保護カバー30は、可撓性を有するシート材から成る。そして、保護カバー30の基部32の一端側の第1折り曲げ部34の固定部35が、支持軸25に固定されている。また、基部32の他端側の第2折り曲げ部36の係止部37が、支持軸26に着脱可能に係止されている。
このような構成の場合には、係止部37の支持軸26に対する係止状態を解除した後に、支持軸25に固定された固定部35を支点として基部32及び第2折り曲げ部36を撓ませることで、回路基板10、11が露出することになる。これにより、保護カバー30を取り外すことなく、回路基板10、11のメンテナンスを行うことができるので、保護カバー30に保護された回路基板10、11のメンテナンス時の作業性を向上できる。
【0045】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る基板装置1の構成について、図7図11を参照しながら説明する。
【0046】
図7は、第2の実施形態に係る基板装置1の構成を説明するための模式図である。第2の実施形態では、図7に示すように、回路基板10、11が、回路基板10、11の裏面に対向している板金部材20から曲げられて延出した延出部22、23に支持されている。第2の実施形態では、延出部22、23が、回路基板10、11を支持する支持部材に該当する。延出部22、23は、ここではL字状に形成されている。
【0047】
回路基板10、11を保護している保護カバー130の一端側は、締結部材70によって延出部22に固定されている。一方で、保護カバー30の他端側は、延出部23に着脱可能に係止されている。
【0048】
図8は、第2の実施形態に係る保護カバー130の構成を示す斜視図である。図9は、保護カバー130の展開図である。図10は、係止部137の係止を説明するための模式図である。図11は、係止部137の係止が解除された保護カバー30が撓んでいる状態を説明するための模式図である。
【0049】
保護カバー130は、図9に示す一枚のシート材を折り曲げることで、図8に示す立体形状を成している。図10に示すシート材には、複数のミシン目139a、139bが形成されており、ミシン目139a、139bの部分で折り曲げられる。保護カバー130は、図8に示すように、基部132と、表示物133と、第1折り曲げ部134と、固定部135と、第2折り曲げ部136と、係止部137とを有する。
【0050】
基部132は、回路基板10、11の主面10a、11aを覆うように矩形平板状となっている(図7参照)。基部132は、主面10a、11a上の部品に接しない高さに位置している。
【0051】
表示物133は、基部132の表面に設けられている。表示物133は、回路基板10、11に関する情報を表示している。例えば、表示物133は、主面10a、11a上の該当する部品上に、各部品の機能や接続等に関する情報を表示している。作業者は、例えば表示物133の情報を見ながら作業を行うことで、メンテナンスを行いやすくなる。
【0052】
第1折り曲げ部134は、基部132の一端側から折り曲げられており、回路基板10の側面に対向している(図7参照)。第1折り曲げ部134の曲げ位置には、ミシン目139a(図9)が形成されている。これにより、第1折り曲げ部134の折り曲げ状態が保持されやすくなっている。
【0053】
固定部135は、第1折り曲げ部134の両側にそれぞれ設けられている。固定部135は、締結部材70によって回路基板10を支持する延出部22に固定されている(図7参照)。固定部135は、締結部材70の雄ネジ部が挿通している穴135aを有する。なお、締結部材70の雄ネジ部は、延出部22に設けられた雌ネジ部と係合している。
【0054】
第2折り曲げ部136は、基部132の他端側から折り曲げられており、回路基板11の側面に対向している(図7参照)。第2折り曲げ部136は、保護カバー130の長手方向の両端側に設けられている。第2折り曲げ部136の曲げ位置には、ミシン目139b(図9)が形成されている。これにより、第2折り曲げ部136の折り曲げ状態が保持されやすくなっている。
【0055】
係止部137は、2つの第2折り曲げ部136の先端側に設けられている。係止部137は、回路基板11を支持する延出部23に着脱可能に係止されている。係止部137は、第2折り曲げ部136と共にL字状に形成されている。係止部137は、図10に示すように、延出部23の裏側に差し込まれることで係止されている。
【0056】
第2の実施形態でも、係止部137の係止が解除された後に、作業者は、延出部22に固定された固定部135を支点として、保護カバー130の基部132が撓むように第2折り曲げ部136を持ち上げることができる(図11参照)。これにより、保護カバー130を取り外すことなく、回路基板10、11が露出することになる。
作業者は、回路基板10、11が露出した状態で、回路基板10、11のメンテナンスを行う。この際、作業者は、保護カバー130に設けられた表示物133(図9)を見ながら作業を行うことで、メンテナンスを行いやすくなる。また、保護カバー130が取り外されていない状態では、保護カバー130が取り外されている状態に比べて表示物133を作業中に確認しやすいので、より作業性が向上する。
【0057】
(第2の実施形態における効果)
第2の実施形態では、保護カバー130の第1折り曲げ部134の固定部135が、板金部材20の延出部22に固定されている。また、基部132の第2折り曲げ部136の係止部137が、延出部23に着脱可能に係止されている。
このような構成により、係止部137の延出部23に対する係止状態を解除した後に、延出部22に固定された固定部135を支点として基部132及び第2折り曲げ部136を撓ませることで、回路基板10、11が露出する。この結果、保護カバー130を取り外すことなく、回路基板10、11のメンテナンスを行うことができる。
【0058】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0059】
1 基板装置
10、11 回路基板
10a、11a 主面
20 板金部材
22、23 延出部
25、26 支持軸
30 保護カバー
32 基部
34 第1折り曲げ部
35 固定部
36 第2折り曲げ部
37 係止部
39a~39f ミシン目
130 保護カバー
132 基部
133 表示物
134 第1折り曲げ部
135 固定部
136 第2折り曲げ部
137 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11