(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】テープ装填装置およびテープ連結方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2018095900
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大雅
(72)【発明者】
【氏名】野々山 知志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輔
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/097473(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/132599(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02938177(EP,A1)
【文献】再公表特許第2013/186848(JP,A1)
【文献】特開2006-256685(JP,A)
【文献】特開平09-286404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備し、
前記連結装置は、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と、
前記テープ支持部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱部材と、
を備え、
前記加熱部材は、前記接着部を一つ形成可能な加熱部材と比べて、前記カバーテープと前記仮テープとを加熱するときの加熱面積が小さく形成されてい
るテープ装填装置。
【請求項2】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備し、
前記連結装置は、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と、
前記テープ支持部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱部材と、
を備え、
前記加熱部材は、前記カバーテープと前記仮テープとを加熱するときのテープ幅方向の長さが、前記テープ長手方向の長さと比べて長くなるように、加熱部位が形成されてい
るテープ装填装置。
【請求項3】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備し、
前記連結装置は、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と、
前記テープ支持部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱部材と、
を備え、
前記加熱部材によって最初の前記接着部が形成された後に前記テープ長手方向に沿って前記キャリアテープを移動させて次の前記接着部の形成を可能にし、最後の前記接着部の形成位置に前記キャリアテープが移動するまで、前記接着部の形成後の前記キャリアテープの移動を繰り返す移動制御部を備え
るテープ装填装置。
【請求項4】
前記移動制御部は、前記接着部の形成後の前記キャリアテープの移動量を均一にして、前記複数の接着部の形成間隔を均等にする請求項
3に記載のテープ装填装置。
【請求項5】
前記移動制御部は、最初の前記接着部を形成するときの前記加熱部材による加熱処理が終了してから、前記キャリアテープの移動を開始するまでの第一待機時間と比べて、二つ目以降の前記接着部を形成するときの前記加熱部材による加熱処理が終了してから、前記キャリアテープの移動を開始するまでの第二待機時間を短くする請求項
3または請求項
4に記載のテープ装填装置。
【請求項6】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備するテープ装填装置に適用され、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と
、接着部を一つ形成可能な加熱部材と比べて、前記カバーテープと前記仮テープとを加熱するときの加熱面積が小さく形成されている加熱部材と
、の間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱工程を備えるテープ連結方法。
【請求項7】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備するテープ装填装置に適用され、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と、前記カバーテープと前記仮テープとを加熱するときのテープ幅方向の長さが、テープ長手方向の長さと比べて長くなるように、加熱部位が形成されている加熱部材と、の間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、前記テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱工程を備えるテープ連結方法。
【請求項8】
キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する仮テープ配策装置と、
前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と、
前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する連結装置と、
前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する移載装置と、
を具備するテープ装填装置に適用され、
前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と加熱部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する加熱工程と、
前記加熱部材によって最初の前記接着部が形成された後に前記テープ長手方向に沿って前記キャリアテープを移動させて次の前記接着部の形成を可能にし、最後の前記接着部の形成位置に前記キャリアテープが移動するまで、前記接着部の形成後の前記キャリアテープの移動を繰り返す移動制御工程と、
を備えるテープ連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、テープ装填装置およびテープ連結方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のテープ装填装置は、経路成形装置と、連結装置と、移載装置とを備えている。経路成形装置は、カバーテープを延長する仮テープを、カバーテープの転送経路に倣った形状に成形して保持する。連結装置は、キャリアテープから剥離されたカバーテープに、経路成形装置によって保持されている仮テープを連結する。移載装置は、カバーテープと連結された仮テープを、経路成形装置からテープフィーダに移載する。また、連結装置は、加熱部材とテープ押さえとの間で、カバーテープおよび仮テープを挟み込みながら加熱処理する。これにより、カバーテープの剥離面に残存している接着剤が軟化し、再度、接着剤として機能して、カバーテープと仮テープが連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、カバーテープと仮テープの連結部位の詳細について、開示されていない。テープ長手方向において接着部を一つ形成可能な加熱部材は、テープ長手方向において接着部を広範化しようとすると、大型化し易い。加熱部材が大型化すると、仮テープを保持する経路成形装置の把持部と加熱部材との間の離間距離を増大させる必要がある。また、加熱部材が大型化すると、カバーテープの先端部を把持する把持部と加熱部材との間の離間距離を増大させる必要がある。これらの結果、カバーテープと仮テープの連結部位において、加熱接着されていない部位が増大して、テープの折れ曲がり、浮き上がりなどのテープの変形が生じる可能性がある。カバーテープと仮テープの連結部位においてテープの変形が生じると、部品を吸着するヘッドとテープの変形部位とが接触して、部品を落下させる可能性がある。また、テープの浮き上がりを検出するセンサが動作して、部品装着機を停止させる可能性がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、カバーテープと仮テープの連結部位におけるテープの変形を低減可能なテープ装填装置およびテープ連結方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、仮テープ配策装置と、カバーテープ把持装置と、連結装置と、移載装置とを具備するテープ装填装置を開示する。前記仮テープ配策装置は、キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する。前記カバーテープ把持装置は、前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持する。前記連結装置は、前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する。前記移載装置は、前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する。また、前記連結装置は、テープ支持部材と、加熱部材とを備える。前記テープ支持部材は、前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持する。前記加熱部材は、前記テープ支持部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する。
【0007】
また、本明細書は、仮テープ配策装置と、カバーテープ把持装置と、連結装置と、移載装置とを具備するテープ装填装置に適用され、加熱工程を備えるテープ連結方法を開示する。前記仮テープ配策装置は、キャリアテープのベーステープから剥離されたカバーテープを延長する仮テープを、テープフィーダにおける前記カバーテープの排出経路に倣った経路に沿って配策して保持する。前記カバーテープ把持装置は、前記ベーステープから剥離された前記カバーテープの先端部を把持する。前記連結装置は、前記カバーテープ把持装置によって把持されている前記カバーテープに、前記仮テープ配策装置によって保持されている前記仮テープを連結する。前記移載装置は、前記連結装置によって前記カバーテープと連結された前記仮テープを、前記仮テープ配策装置から前記テープフィーダへ移載する。前記加熱工程は、前記カバーテープと前記仮テープとを重ねた状態で支持するテープ支持部材と加熱部材との間で前記カバーテープと前記仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する。
【発明の効果】
【0008】
上記のテープ装填装置によれば、加熱部材は、テープ支持部材との間でカバーテープと仮テープとを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向において複数の接着部を形成する。上記の加熱部材は、テープ長手方向において接着部を一つ形成可能な加熱部材と比べて、小型化し易い。そのため、上記のテープ装填装置は、仮テープを保持する仮テープ配策装置の把持部と加熱部材との間の離間距離を短縮することができる。また、上記のテープ装填装置は、カバーテープの先端部を把持するカバーテープ把持装置と加熱部材との間の離間距離を短縮することができる。よって、上記のテープ装填装置は、カバーテープと仮テープの連結部位において、加熱接着されていない部位を縮小することができ、カバーテープと仮テープの連結部位におけるテープの変形を低減することができる。テープ装填装置について上述したことは、テープ連結方法についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】テープ装填装置1の構成例を示す上面図である。
【
図2】キャリアテープ200の一例を示す上面図である。
【
図3】
図2に示すキャリアテープ200のIII-III断面図である。
【
図4】キャリアテープ200を搬送するテープフィーダ100の一例を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すテープフィーダ100の先端部の拡大斜視図である。
【
図6】テープフィーダ100にキャリアテープ200が装填された状態の一例を示す斜視図である。
【
図7】フィーダ保持台10の一例を示す斜視図である。
【
図8】第一テープ搬送装置20の一例を示す斜視図である。
【
図9】第二テープ搬送装置30、第一開放装置40および第二開放装置50の一例を示す斜視図である。
【
図10】カバーテープ処理装置60の一例を示す平面図である。
【
図11】カバーテープ処理装置60とテープフィーダ100との位置関係の一例を示す平面図である。
【
図12】仮テープ配策装置70の動作初期の状態の一例を示す平面図である。
【
図13】仮テープ配策装置70の動作後期の状態の一例を示す平面図である。
【
図14A】カバーテープ220と仮テープ300の連結方法を説明するための図である。
【
図14B】比較形態に係り、カバーテープ220と仮テープ300の連結方法を説明するための図である。
【
図15】第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30が、フィーダ保持台10に接近した状態の一例を示す上面図である。
【
図16】第二開放装置50およびカバーテープ処理装置60が、フィーダ保持台10に接近した状態の一例を示す上面図である。
【
図17】テープフィーダ100およびカバーテープ処理装置60を、カバーテープ処理装置60の一部を透過して示す平面図である。
【
図18】仮テープ300をテープフィーダ100に移載するときに、複数のピンで仮テープ300を保持している状態の一例を示す図である。
【
図19】制御装置900の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図20】制御装置900による加熱接着処理の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【
図21A】複数の接着部SPの形成例を模式的に示すカバーテープ220の上面図である。
【
図21B】比較形態に係り、一つの接着部SPの形成例を模式的に示すカバーテープ220の上面図である。
【
図22】テープフィーダ100に仮テープ300を移載する動作を説明するための図である。
【
図23】カバーテープ送りガイド150のガイドローラ151,152に仮テープ300が移載された状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.テープ装填装置1の構成例
図1に示すように、本実施形態のテープ装填装置1は、フィーダ保持台10と、第一テープ搬送装置20と、第二テープ搬送装置30と、第一開放装置40と、第二開放装置50と、カバーテープ処理装置60と、制御装置900とを具備している。カバーテープ処理装置60は、仮テープ配策装置70と、カバーテープ把持装置75と、連結装置80と、移載装置90とを備えている。これらにより、テープ装填装置1は、テープフィーダ100にキャリアテープ200を装填する。
【0011】
1-1.キャリアテープ200の構成例
図2に示すように、キャリアテープ200は、複数の部品が長手方向に一列に収容されているテープ部材である。
図2および
図3に示すように、キャリアテープ200は、ベーステープ210と、カバーテープ220とを備えている。ベーステープ210は、紙材や樹脂等の柔軟な材料によって形成されている。ベーステープ210には、複数の収容部211が設けられている。複数の収容部211の各々は、基板に装着する部品を収容することができる。複数の収容部211は、ベーステープ210の長手方向において、所定間隔、離間して設けられている。
【0012】
なお、キャリアテープ200は、ベーステープ210において、収容部211が貫通したものであってもよい。また、キャリアテープ200は、ベーステープ210において、収容部211が閉じたエンボス型であってもよい。
図3に示すように、ベーステープ210において、収容部211が貫通する構造の場合、キャリアテープ200は、ボトムテープ230を備えている。ボトムテープ230は、ベーステープ210の下面に接着されており、収容部211に収容されている部品を保持して当該部品の脱落を防止する。ボトムテープ230は、透明または半透明の紙材、高分子フィルムなどによって形成することができる。
【0013】
また、ベーステープ210には、複数の係合孔212が設けられている。複数の係合孔212は、後述するスプロケット131の複数の係合突起と順に係合可能な送り孔である。複数の係合孔212の各々は、略円形または楕円形に形成されている。複数の係合孔212は、ベーステープ210の長手方向において、所定間隔、離間して設けられている。複数の収容部211は、ベーステープ210の幅方向の一方側において長手方向に一列に配置されている。複数の係合孔212は、ベーステープ210の幅方向の他方側において長手方向に一列に配置されている。
【0014】
カバーテープ220は、ベーステープ210の上面(係合孔212が設けられている部分は除外されて良い。)に接着剤によって接着されている。カバーテープ220とベーステープ210との接着部位は、複数の収容部211を避けて、キャリアテープ200の幅方向の両端部に設けられている。カバーテープ220は、複数の収容部211の上部を閉塞して、複数の収容部211に収容されている部品の脱落を防止する。カバーテープ220は、透明な高分子フィルムなどによって形成することができる。
【0015】
1-2.テープフィーダ100の構成例
テープフィーダ100は、キャリアテープ200を搬送して、基板に装着する部品を部品吸着位置Lに供給する。テープフィーダ100は、部品装着機が備えるスロット(いずれも図示略)に、着脱可能に装着される。テープフィーダ100から部品吸着位置Lに供給された部品は、部品装着機の装着ヘッドに取り付けられている吸着ノズル(いずれも図示略)などによって吸着保持されて、基板に装着される。
【0016】
図4に示すように、テープフィーダ100は、フィーダ本体110と、リール収容部120と、テープ送り機構部130と、カバーテープ送り出し機構部140と、カバーテープ送りガイド150とを備えている。フィーダ本体110は、扁平な箱形に形成されている。フィーダ本体110は、テープ送りガイド111を備えている。テープ送りガイド111は、フィーダ本体110の上部に設けられている。リール収容部120は、フィーダ本体110の後端側(
図4の紙面右側)に配置されている。リール収容部120は、キャリアテープ200が巻回された円盤状のテープリール240を収容する。キャリアテープ200は、リール収容部120に収容されているテープリール240から引き出されて、テープ送りガイド111によって案内される。テープ送りガイド111は、リール収容部120とテープ送り機構部130との間でキャリアテープ200を案内するテープ経路を形成している。
【0017】
テープ送り機構部130は、フィーダ本体110の前端側(
図4の紙面左側)に配置されている。テープ送り機構部130は、テープリール240から引き出されたキャリアテープ200をピッチ送りする。テープ送り機構部130は、スプロケット131と、モータ132と、第一テープ保持部133とを備えている。なお、テープ送り機構部130は、フィーダ本体110の前端側だけでなく、後端側にも配置することができる。
【0018】
スプロケット131は、フィーダ本体110におけるテープ搬送路の下方に設けられており、円盤状に形成されている。スプロケット131は、フィーダ本体110の前端側に回転可能に取り付けられている。スプロケット131は、テープ送りガイド111によって案内されるキャリアテープ200の搬送方向に回転する。スプロケット131は、複数の係合突起を備えている。複数の係合突起の各々は、スプロケット131の外縁部において、径方向外側に向けて突出するように形成されている。複数の係合突起は、スプロケット131の外縁部において、周方向に、所定間隔、離間して設けられている。
【0019】
スプロケット131には、ギヤ(図示略)を介して、モータ132が連結されている。モータ132は、スプロケット131を回転駆動する。モータ132は、例えば、公知のステッピングモータ、サーボモータなどを用いることができる。モータ132が回転すると、モータ132の回転がギヤによって減速されスプロケット131に伝達されて、スプロケット131が回転する。モータ132は、スプロケット131が間欠的に回転するように駆動する。スプロケット131が回転すると、複数の係合突起が、テープ送りガイド111によって案内されるキャリアテープ200の係合孔212と順に係合して、キャリアテープ200が搬送方向Xに搬送される。キャリアテープ200の搬送は、所定ピッチずつ行われる。
【0020】
第一テープ保持部133は、キャリアテープ200を保持する。第一テープ保持部133は、キャリアテープ200の上面を上方から覆う。第一テープ保持部133の上面には、窓孔が設けられていると共に、開口孔が設けられている。スプロケット131は、上端付近に達した係合突起が窓孔を通じてテープ搬送路上に突出するように配置されている。係合突起は、テープ搬送路上に突出した状態で、キャリアテープ200の係合孔212に係合する。上記の開口孔は、部品吸着位置Lに設けられている。
【0021】
図5に示すように、第一テープ保持部133の上面には、テープ剥離部材136およびテープ折返部材137が設けられている。テープ剥離部材136は、上記開口孔の搬送方向上流側に配置されている。テープ剥離部材136は、剥離刃を備え、キャリアテープ200のベーステープ210から、カバーテープ220を剥離する。テープ折返部材137は、ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220の幅方向一方側(キャリアテープ200において部品を収容する収容部211が配置されている側)を立ち上げて、折り返す。
【0022】
第一テープ保持部133には、回転支点133aが設けられている。回転支点133aは、第一テープ保持部133の後端側が上方へ移動可能となるように、前端部に配置されている。第一テープ保持部133の後端部には、作業者が操作可能なレバー138が、突出して設けられている。第一テープ保持部133の後端部とフィーダ本体110との間には、第一テープ保持部133の後端側を下方に付勢する付勢部材(図示略)が組み付けられている。第一テープ保持部133は、レバー138が持ち上げられていないときに、スプロケット131との間でキャリアテープ200を保持する。第一テープ保持部133は、レバー138が付勢部材の付勢力に抗して持ち上げられたときに、スプロケット131との間におけるキャリアテープ200の保持を解除する。
【0023】
カバーテープ送り出し機構部140は、フィーダ本体110の中央下部に配置されている。カバーテープ送り出し機構部140は、テープ剥離部材136によって剥離され、テープ折返部材137によって折り返されたカバーテープ220を、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向に送り出す。カバーテープ送り出し機構部140は、ギヤ141と、モータ142と、第二テープ保持部143とを備えている。
【0024】
ギヤ141は、フィーダ本体110の中央下部に回転可能に取り付けられている。ギヤ141には、モータ142が連結されている。モータ142は、ギヤ141を回転駆動する。モータ142は、例えば、公知のステッピングモータ、サーボモータなどを用いることができる。第二テープ保持部143は、送り出すカバーテープ220を、フィーダ本体110から外れないように保持する。
図6に示すように、第二テープ保持部143は、ギヤ144と、アーム145と、レバー146と、コイルバネ147とを備えている。
【0025】
ギヤ144は、ギヤ141と噛み合っている。アーム145には、回転支点145aが設けられている。アーム145は、回転支点145aを中心にして、ギヤ144をギヤ141側に移動させることが可能に形成されている。レバー146は、アーム145から下方へ突出している。コイルバネ147は、レバー146を介して、アーム145をギヤ141側に付勢する付勢力を発生する。第二テープ保持部143は、レバー146が移動されていないときに、コイルバネ147の付勢力によって、ギヤ144をギヤ141と噛み合わせてカバーテープ220を保持する。第二テープ保持部143は、レバー146がコイルバネ147の付勢力に抗して移動されたときに、ギヤ144をギヤ141から離間させて、カバーテープ220の保持を解除する。
【0026】
カバーテープ送りガイド150は、テープフィーダ100のテープ剥離部材136と、カバーテープ送り出し機構部140との間に設けられている。カバーテープ送りガイド150は、テープ剥離部材136によって剥離されたカバーテープ220を、カバーテープ送り出し機構部140に案内する。カバーテープ送りガイド150は、一対のガイドローラ151,152を備えている。一対のガイドローラ151,152は、テープ送りガイド111上に案内されるキャリアテープ200よりも上方に配置されている。テープフィーダ100の前端側に配置されているガイドローラ151は、カバーテープ220の弛みを防止するために、カバーテープ220に張力を付与する。
【0027】
キャリアテープ200は、テープリール240から引き出されテープ送りガイド111によって案内されて、第一テープ保持部133によって保持される。そして、キャリアテープ200は、第一テープ保持部133によって保持された状態で、モータ132の回転によって搬送方向Xへ搬送される。キャリアテープ200は、搬送中に、ベーステープ210とカバーテープ220との間にテープ剥離部材136が進入して、ベーステープ210からカバーテープ220が剥離される。ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220は、第一テープ保持部133から第二テープ保持部143まで、一対のガイドローラ151,152を経由した経路(以下、「排出経路」という。)で、引き回される。カバーテープ220は、第二テープ保持部143に保持された状態で、モータ132の回転と同期するモータ142の回転によって、フィーダ本体110の外方(具体的には、第二テープ保持部143の下方)へ排出される。
【0028】
1-3.テープ装填装置1の各機器の構成例
フィーダ保持台10は、テープ装填装置1において、テープフィーダ100を保持する。
図7に示すように、フィーダ保持台10は、テープ装填装置1の基台2の中央部に配置されている。フィーダ保持台10は、搭載部11と、当接部12とを備えている。搭載部11には、フィーダ本体110の両側面の下部を挟持する一対の支持ガイド13が設けられている。テープフィーダ100は、一対の支持ガイド13間において、フィーダ本体110の底面が挟持されるように配置されて保持される。当接部12には、フィーダ本体110の前端面が当接する。当接部12は、通信ジャック14と、位置決め部15とを備えている。通信ジャック14は、テープフィーダ100に対して、通信可能かつ電力供給可能に設けられる。位置決め部15は、テープフィーダ100を位置決めする。
【0029】
第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30の各々は、キャリアテープ200を搬送方向Xへ搬送させる。第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30は、フィーダ保持台10に保持されているテープフィーダ100を挟んで、斜向かいに配置されている。第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30の各々は、フィーダ保持台10に保持されているテープフィーダ100を、両側から挟む方向に進退することができる。
【0030】
図8に示すように、第一テープ搬送装置20は、二つのガイド21と、二つの駆動ローラ22と、二つの従動ローラ23と、二つのギヤモータ24とを備えている。二つのガイド21は、搬送方向Xに搬送されるキャリアテープ200を案内する。二つの駆動ローラ22は、搬送方向Xに互いに離間して配置されている。二つの従動ローラ23の各々は、対応する駆動ローラ22の下方に配置されており、付勢部材(図示略)によって対応する駆動ローラ22側に付勢されている。二つのギヤモータ24の各々は、対応する駆動ローラ22を回転駆動する。
【0031】
第一テープ搬送装置20は、台座25に固定されている。台座25は、一対のレール26上に、直交方向Yにスライド可能に取り付けられている。直交方向Yは、搬送方向Xを含む水平面において、搬送方向Xに直交する方向を示している。一対のレール26は、基台2上において、所定間隔、離間して、直交方向Yに延在するように設けられている。台座25は、基台2に固定されているエアシリンダ27に接続されている。エアシリンダ27は、エア供給源(図示略)に接続されている。台座25は、エアシリンダ27から供給されるエアによって、基台2上において、一対のレール26に沿って直交方向Yへスライドすることができる。
【0032】
図9に示すように、第二テープ搬送装置30は、ガイド31と、二つの駆動ローラ32と、二つのギヤモータ33とを備えている。ガイド31は、搬送方向Xに搬送されるキャリアテープ200を案内する。二つの駆動ローラ32は、搬送方向Xにおいて、互いに離間して配置されている。二つのギヤモータ33の各々は、対応する駆動ローラ32を回転駆動する。
【0033】
第二テープ搬送装置30は、台座34に固定されている。台座34は、一対のレール35上に、直交方向Yにスライド可能に取り付けられている。一対のレール35は、基台2上において、所定間隔、離間して、直交方向Yに延在するように設けられている。台座34は、基台2に固定されているエアシリンダ36に接続されている。エアシリンダ36は、エア供給源(図示略)に接続されている。台座34は、エアシリンダ36から供給されるエアによって、基台2上において、一対のレール35に沿って直交方向Yへスライドすることができる。
【0034】
このようにして、フィーダ保持台10にテープフィーダ100が保持され、かつ、第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30がテープフィーダ100に接近した状態で、第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30は、直交方向Yにスライドされる。これにより、キャリアテープ200は、第一テープ搬送装置20の二つのガイド21の間隙を通って案内されると共に、第二テープ搬送装置30のガイド31とテープフィーダ100のテープ送りガイド111との間隙を通って案内される。
【0035】
第一開放装置40は、テープフィーダ100の第一テープ保持部133によるキャリアテープ200の保持を解除する。第二開放装置50は、テープフィーダ100の第二テープ保持部143によるカバーテープ220の保持を解除する。第一開放装置40および第二開放装置50は、基台2上において、フィーダ保持台10に保持されているテープフィーダ100の配置位置に対して、第二テープ搬送装置30側に配置されている。
【0036】
第一開放装置40は、第一リフトレバー41と、支持台42と、エアシリンダ43とを備えている。第一リフトレバー41は、第一テープ保持部133のレバー138に当接して、レバー138を上下方向Zに移動させることができる。支持台42は、第一リフトレバー41の先端がテープフィーダ100側に突出するように、第一リフトレバー41を支持している。エアシリンダ43は、第二テープ搬送装置30の台座34上に固定されている。エアシリンダ43は、エア供給源(図示略)から供給されるエアによって、支持台42を上下方向Zに移動させることができる。
【0037】
第二開放装置50は、第二リフトレバー51と、支持台52と、エアシリンダ53とを備えている。第二リフトレバー51は、第二テープ保持部143のレバー146に当接して、レバー146を搬送方向Xに移動させることができる。支持台52は、第二リフトレバー51の先端がテープフィーダ100側に突出するように、第二リフトレバー51を支持している。エアシリンダ53は、台座54上に固定されている。エアシリンダ53は、エア供給源(図示略)から供給されるエアによって、支持台52を搬送方向Xに移動させることができる。
【0038】
台座54は、一対のレール55上において、直交方向Yにスライド可能に取り付けられている。一対のレール55は、基台2上において、所定間隔、離間して、直交方向Yに延在するように設けられている。台座54は、基台2に固定されているエアシリンダ56に接続されている。エアシリンダ56は、エア供給源(図示略)から供給されるエアによって、基台2上において、一対のレール55に沿って台座54を直交方向Yへスライドさせることができ、支持台52を直交方向Yに移動させることができる。
【0039】
カバーテープ処理装置60は、ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220と、カバーテープ220を延長する仮テープ300とを連結して、連結された仮テープ300をテープフィーダ100へ移載する。これにより、カバーテープ処理装置60は、剥離されたカバーテープ220を、フィーダ本体110の外方へ排出可能にする。カバーテープ処理装置60は、基台2上において、フィーダ保持台10に保持されているテープフィーダ100のカバーテープ送り出し機構部140が露出している側(テープフィーダ100が配置されている側)に対して、第一テープ搬送装置20側に配置されている。
【0040】
制御装置900は、中央演算装置と、第一記憶装置と、第二記憶装置と、インターフェースとを備えており、これらは、バスを介して、電気的に接続されている(いずれも図示略)。中央演算装置は、CPU(Central Processing Unit)であり、種々の演算処理を行うことができる。第一記憶装置は、揮発性の記憶装置(RAM:Random Access Memory)であり、電力が供給されている状態において、種々のデータを一時的に記憶することができる。第一記憶装置は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などの公知の記憶装置を用いることができる。
【0041】
第二記憶装置は、不揮発性の記憶装置(ROM:Read Only Memory)であり、電力が供給されていない状態においても、種々のデータを記憶しておくことができる。第二記憶装置は、例えば、記憶されているデータを書き換え不可能なマスクROMを用いることができる。また、第二記憶装置は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶されているデータを書き換え可能な記憶装置を用いることもできる。インターフェースは、テープ装填装置1の各機器と、制御装置900とを電気的に接続する機器であり、例えば、通信インターフェース、入出力インターフェースなどを用いることができる。制御装置900は、インターフェースを介して、テープ装填装置1の各機器と電気的に接続されており、テープ装填装置1の各機器の状態を知得しつつ、テープ装填装置1の各機器を制御することができる。
【0042】
1-4.カバーテープ処理装置60の詳細
図10に示すように、カバーテープ処理装置60は、仮テープ配策装置70と、カバーテープ把持装置75と、連結装置80と、移載装置90とを備えている。
【0043】
仮テープ配策装置70は、テープフィーダ100におけるカバーテープ220の排出経路に倣った経路に沿って、仮テープ300を配策して保持する。仮テープ300は、キャリアテープ200のベーステープ210から剥離されたカバーテープ220を延長する。具体的には、仮テープ300は、テープリール240に巻回されているキャリアテープ200とは異なるテープであり、ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220と連結された後にテープフィーダ100に移載される。仮テープ300は、カバーテープ220と同じ形状で同じ素材によって形成されている。仮テープ300は、仮テープ配策装置70に装着可能な仮テープリール310に巻回されている。なお、
図11に示す太実線は、排出経路の一例を示している。
【0044】
仮テープ配策装置70は、台座61に搭載されている。台座61は、一対のレール62上に直交方向Yにスライド可能に取り付けられている。一対のレール62は、基台2上において、所定間隔、離間して配置されており、直交方向Yに沿って設けられている。台座61は、基台2に固定されているエアシリンダ63に接続されている。エアシリンダ63は、外部のエア供給源(図示略)に接続されている。台座61は、エアシリンダ63から供給されるエアによって、基台2上で一対のレール62に沿って直交方向Yへスライドすることができる。
【0045】
仮テープ配策装置70は、本体プレート71と、移送部72と、第一押出部73と、第二押出部74とを備えている。本体プレート71は、略矩形状に形成された平板部材である。本体プレート71には、三つの案内孔71a,71b,71cが同心上に形成されている。三つの案内孔71a,71b,71cの各々は、円弧状に形成されている。本体プレート71には、外側支持ピン機構部71dと、一対の仮テープ支持ローラ71eが取り付けられている。外側支持ピン機構部71dは、仮テープ300を外側から接触して支持する。外側支持ピン機構部71dは、支持プレート71fを備えている。支持プレート71fは、回転支点71gによって本体プレート71に対して回転可能になっている。支持プレート71fの先端部には、仮テープ300を支持するピン71hが直交方向Yに突出するように取り付けられている。仮テープ支持ローラ71eは、仮テープリール310から引き出された仮テープ300を案内して支持する。
【0046】
移送部72は、本体プレート71の背面側(フィーダ保持台10側と反対側)に配置されている。移送部72は、回転支点72aによって案内孔71aの円弧中心において回転可能に支持されている。移送部72の先端部には、把持爪72bが設けられている。把持爪72bは、本体プレート71において最大径を有する案内孔71aの縁部に支持されている。把持爪72bは、本体プレート71の正面側(フィーダ保持台10側)で仮テープ300を把持することができる。
【0047】
移送部72には、複数のアーム72c,72dが固定されている。複数のアーム72c,72dの各々は、回転支点72aと把持爪72bとの間の移送部72から周方向に向けて延びている。アーム72cは、移送部72に対して下方側に位置している。アーム72cの先端部には、二つの接触ローラ72eが回転可能に支持されている。二つの接触ローラ72eの各々は、本体プレート71において中間径を有する案内孔71bの縁部に支持されている。二つの接触ローラ72eの各々は、本体プレート71の正面側に突出している。アーム72dは、移送部72に対して上方側に位置している。アーム72dの先端部には、接触ローラ72fが回転可能に支持されている。接触ローラ72fは、本体プレート71において最小径を有する案内孔71cの縁部に支持されている。接触ローラ72fは、本体プレート71の正面側に突出している。
【0048】
仮テープ配策装置70において、移送部72が駆動モータ(図示略)によって回転されると、把持爪72bによって把持された仮テープ300の先端部が、案内孔71aに沿って移送される。そして、移送部72が初期角度から所定の移送完了角度まで回転する過程で、仮テープ300の先端部が、第一位置P1と第二位置P2を経由して、第三位置P3に移送される。第一位置P1は、テープフィーダ100の第二テープ保持部143に対応する。第二位置P2は、テープフィーダ100のガイドテープ送りガイド150に対応する。第三位置P3は、テープフィーダ100の第一テープ保持部133に対応する。
【0049】
第一押出部73は、本体プレート71の正面側に配置されている。第一押出部73は、回転支点73aによって回転可能に支持されている。第一押出部73は、付勢部材によって回転支点73aを中心にして周方向の一方(
図10に示す時計回り方向)に付勢されており、初期状態において移送部72の接触ローラ72fと接触した状態に維持されている。第一押出部73の正面側には、内側支持ピン機構部73bと、二つの案内ピン73cが取り付けられている。内側支持ピン機構部73bは、仮テープ300を内側から接触して支持する。内側支持ピン機構部73bは、二つの支持プレート73d,73eを備えている。二つの支持プレート73d,73eの各々は、回転支点73aを中心にして第一押出部73に対して回転可能に設けられている。二つの支持プレート73d,73eの先端部には、仮テープ300を支持する二つのピン73f,73gが、直交方向Yに突出するように取り付けられている。二つのピン73f,73gの各々は、回転支点73aを中心にして回転可能に設けられている。
【0050】
また、二つのピン73f,73gの各々は、引張りばね73hに連結されている。ピン73fとピン73gとの初期間隔は、引張りばね73hの弾性力によって所定間隔に維持されている。なお、初期間隔は、二つの支持プレート73d,73eの回転支点73aを中心にした相対角度ずれが、例えば、約90°であるときの二つのピン73f,73gの距離を示している。
【0051】
第二押出部74は、本体プレート71の正面側に配置されている。第二押出部74は、回転支点74aによって回転可能に支持されている。第二押出部74は、弾性部材(図示略)によって、回転支点74aを中心にして周方向の一方(
図10に示す時計回り方向)に付勢されており、初期状態においては、移送部72の二つの接触ローラ72e,72fと接触することなく所定位相となる状態に維持されている。第二押出部74の正面側には、二つの案内ピン74bが配置されている。二つの案内ピン74bの各々は、仮テープ300を内側から接触して支持する。
【0052】
第一押出部73および第二押出部74は、移送部72が仮テープ300の先端部を移送する際に、それぞれ曲面状に形成された背面部が二つの接触ローラ72e,72fと接触して、周方向の他方(
図10に示す反時計回り方向)に回転する。この場合、第一押出部73の内側支持ピン機構部73bおよび各案内ピン73c、並びに、第二押出部74の各案内ピン74bは、本体プレート71の外周側へ移動する。つまり、第一押出部73および第二押出部74は、移送部72の回転に連動して、移送部72の移送によって引っ張られた仮テープ300の一部を外周側へ押し出す。これにより、第一押出部73は、仮テープ300を、カバーテープ220の排出経路に倣った経路に沿って配策する。また、第二押出部74は、仮テープ300とカバーテープ220が連結される部位に、カバーテープ220の先端部と対向する対向部を形成する。
【0053】
仮テープ配策装置70において、初期状態(移送部72の回転支点72aを中心にした回転角度がゼロである状態)では、
図10に示すように、移送部72の把持爪72bが一対の仮テープ支持ローラ71eから突出している仮テープ300の先端部を把持しつつ、第一押出部73および第二押出部74の各々が、初期角度に維持されている。
【0054】
そして、初期状態から移送部72が回転駆動されると、把持爪72bに把持された仮テープ300が、張力によって仮テープリール310から順次引き出され、仮テープ300の先端部が一対の仮テープ支持ローラ71eを始点とし、第一位置P1および第二位置P2を経由して移送される。そして、移送部72が約140°回転すると、
図12に示すように、移送部72の接触ローラ72e,72fが、第一押出部73および第二押出部74に接触して連動する。この際、第一押出部73の内側支持ピン機構部73bおよび案内ピン73cが、仮テープ300を徐々に外周側へ押し出す。第二押出部74は、接触ローラ72fによって連動するが、この段階では、仮テープ300と非接触状態にある。
【0055】
さらに、移送部72が回転駆動されて、初期状態から約165°回転すると、
図13に示すように、仮テープ300の先端部が第三位置P3まで移動される。これにより、仮テープ300は、移送部72によってテープフィーダ100の第一テープ保持部133に対応する位置まで引き出される。そして、仮テープ300は、移送によって張られた仮テープ300の一部が第一押出部73によって更に押し出されつつ、カバーテープ220の排出経路に倣った経路に沿った形状に配策されて成形される。
【0056】
具体的には、本体プレート71の外側支持ピン機構部71dおよび第一押出部73の内側支持ピン機構部73bによって、仮テープ300は、S字状に湾曲した形状に成形される。このとき、内側支持ピン機構部73bにおいて、各ピン73f,73gは、引張りばね73hによって初期間隔に維持されている。そして、移送部72が初期状態から約165°回転した状態において、
図13に示すように、仮テープ300は、移送によって張られた仮テープ300の一部が第二押出部74の案内ピン74bによって押し出されつつ、後にカバーテープ220と連結される際にカバーテープ220と対向するように、U字状に成形される。このように、仮テープ配策装置70は、移送部72を回転させることで、第一押出部73および第二押出部74を連動させ、仮テープ300を排出経路に倣った所定形状に成形して、保持する。
【0057】
カバーテープ把持装置75は、ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220の先端部を把持する。カバーテープ把持装置75は、仮テープ配策装置70の本体プレート71に取り付けられている。なお、カバーテープ把持装置75は、台座34に固定されている第二テープ搬送装置30側に取り付けられるものとし、カバーテープ220の把持が要求されるときに、直交方向Yへ前進するものとしてもよい。
【0058】
カバーテープ把持装置75は、下部材76と、上部材77とを備えている。下部材76および上部材77の各々は、ベーステープ210から剥離されたカバーテープ220を把持可能なブロック状に形成されている。下部材76は、カバーテープ把持装置75の下部に配置されている。上部材77は、カバーテープ把持装置75の上部に配置されており、下部材76の上方に配置されている。下部材76および上部材77は、互いに離接可能に構成されている。
【0059】
また、カバーテープ把持装置75は、本体プレート71において、直交方向Yへ進退可能に装着されている。カバーテープ把持装置75の本体プレート71に対する装着位置は、互いに離間した下部材76と上部材77との間に、テープフィーダ100の第一テープ保持部133から搬送方向X側に突出したカバーテープ220の先端部が進入可能な位置に設定されている。カバーテープ把持装置75は、カバーテープ220を把持する前は、第二押出部74の回転を妨げないように後退しており、把持が要求されたときに把持可能に前進する。
【0060】
下部材76および上部材77は、直交方向Yへの前進が完了するまでは、互いに離間しており、前進が完了した後に互いに当接する。つまり、下部材76と上部材77は、上下方向Zに相対移動することができる。下部材76と上部材77は、カバーテープ220を把持する前は互いに離間し、把持が要求されたときに、上下方向Zに移動して互いに当接する。これにより、下部材76と上部材77との間にカバーテープ220の先端部が挟み込まれて把持される。また、下部材76と上部材77は、カバーテープ220を把持した状態で、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向(キャリアテープ200を巻き取る方向)に移動することもできる。
【0061】
連結装置80は、カバーテープ把持装置75によって把持されているカバーテープ220に、仮テープ配策装置70によって保持されている仮テープ300を連結する。連結装置80は、カバーテープ220と仮テープ300を加熱接着することによって、カバーテープ220と仮テープ300を連結する。
【0062】
連結装置80は、台座61に固定されている仮テープ配策装置70の本体プレート71に取り付けられている。
図14Aに示すように、連結装置80は、テープ支持部材81と、加熱部材82とを備えている。テープ支持部材81および加熱部材82のうちの少なくとも一方は、本体プレート71に代えて、台座34に固定されている第二テープ搬送装置30側に取り付けられるものとしてもよい。この場合、第二テープ搬送装置30側に取り付けられた連結装置80は、連結が要求されたときに、直交方向Yへ前進されるものとしてもよい。
【0063】
テープ支持部材81は、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で支持する。具体的には、テープ支持部材81は、矩形ブロック状に形成されており、カバーテープ220と仮テープ300を連結するときに、カバーテープ220および仮テープ300の先端部同士を互いに重ねた状態で支持する。テープ支持部材81は、本体プレート71において、直交方向Yへ進退可能に装着されている。テープ支持部材81の本体プレート71に対する装着位置は、仮テープ配策装置70によってU字状に成形された仮テープ300のU字部の内側、かつ、テープフィーダ100の第一テープ保持部133から搬送方向X側に突出したカバーテープ220の先端部の上方である。テープ支持部材81は、直交方向Yへ進退することが可能である。テープ支持部材81は、仮テープ配策装置70が仮テープ300を所定経路に沿った状態に保持する前は、第二押出部74の回転を妨げないように後退している。テープ支持部材81は、仮テープ配策装置70によって仮テープ300が保持された後に、カバーテープ220と仮テープ300を支持可能に前進する。テープ支持部材81は、下面において、カバーテープ220の先端部と仮テープ300の先端部とを重ねた状態で支持する。
【0064】
加熱部材82は、テープ支持部材81との間で、カバーテープ220と仮テープ300とを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向(矢印LD方向)において複数の接着部SPを形成する。加熱部材82は、アーム状に形成されており、本体プレート71において、上下方向Z(より正確には、斜め上下方向)に移動可能に設けられている。加熱部材82は、仮テープ配策装置70の第二押出部74の回転位置に対して、重なるように本体プレート71に配置されている。加熱部材82は、加熱処理前は、下方に位置しており、加熱処理が要求されたときに、上面がテープ支持部材81の下面に当接するまで、斜め上方Z1へ移動する。加熱部材82は、加熱処理が終了すると、斜め下方Z2へ移動する。
【0065】
加熱部材82の上面は、テープ支持部材81の下面の形状と合致した形状に形成されている。これにより、加熱部材82は、加熱部材82の上面とテープ支持部材81の下面との間で、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で挟み込むことができる。加熱部材82の上面に設けられる加熱部位82hは、所定温度(例えば、170℃)まで昇温される。所定温度は、カバーテープ220に残存する接着剤が軟化する温度であり、当該接着剤は、再度、接着剤として機能する。なお、
図14Aに示す本実施形態の加熱部材82は、
図14Bに示す比較形態の加熱部材820と比べて、小型化されており、テープ長手方向(矢印LD方向)において複数の接着部SPを形成することができる。複数の接着部SPの詳細な形成方法については、後述されている。
【0066】
移載装置90は、連結装置80によってカバーテープ220と連結された仮テープ300を、仮テープ配策装置70からテープフィーダ100へ移載する。移載装置90は、制御装置900と同様の構成を備えており、仮テープ配策装置70および第二開放装置50を作動して、仮テープ300の移載処理を行う。
【0067】
2.テープ装填装置1の制御例
図1に示すように、テープ装填装置1の初期状態では、第一テープ搬送装置20、第二テープ搬送装置30、第一開放装置40、第二開放装置50およびカバーテープ処理装置60は、いずれも、フィーダ保持台10から直交方向Yに所定距離、離間している。また、カバーテープ処理装置60の仮テープ配策装置70は、予め、仮テープ300をカバーテープ220の排出経路に倣った経路に沿った形状に成形して保持している。なお、仮テープ配策装置70による仮テープ300の成形および保持は、連結装置80によるカバーテープ220と仮テープ300の連結までに行われていれば良い。仮テープ配策装置70による仮テープ300の成形および保持は、例えば、テープフィーダ100によるキャリアテープ200の搬送と同時に行われても良い。
【0068】
上述した初期状態において、作業者は、テープフィーダ100をフィーダ保持台10にセットする。具体的には、作業者は、一対の支持ガイド13間において、フィーダ本体110の底面が挟持されるようにテープフィーダ100を配置して、フィーダ本体110の位置決めピンを、当接部12の位置決め部15に差し込み、フィーダ本体110の通信コネクタを通信ジャック14に差し込む。そして、作業者は、テープリール240をリール収容部120に取り付け、フィーダセット完了ボタンを押す。フィーダセット完了ボタンは、テープ装填装置1の制御装置900と通信可能に設けられている。作業者によってフィーダセット完了ボタンが押下されると、制御装置900は、作業者による上述した作業が完了したことを認識することができる。
【0069】
2-1.カバーテープ220と仮テープ300を連結する前の制御例
作業者によってフィーダセット完了ボタンが押下されると、制御装置900は、第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30を、フィーダ保持台10に接近する直交方向Yにスライドさせる。そして、
図15に示すように、制御装置900は、第一テープ搬送装置20の二つのガイド21の直交方向Yの位置が、テープフィーダ100のテープ送りガイド111の直交方向Yの位置と等しくなるように位置決めする。また、制御装置900は、第二テープ搬送装置30のガイド31の直交方向Yの位置が、テープフィーダ100のテープ送りガイド111の直交方向Yの位置と等しくなるように位置決めする。
【0070】
第二テープ搬送装置30のスライド移動に伴い、第一開放装置40がスライドされる。これにより、第一開放装置40の第一リフトレバー41が、テープフィーダ100の第一テープ保持部133のレバー138に対して、作動許容側に差し込まれる。そして、制御装置900は、第一開放装置40の支持台42を上下方向Zに上昇させて、第一リフトレバー41が、第一テープ保持部133のレバー138を持ち上げる。レバー138が持ち上げられると、第一テープ保持部133が回転支点133aを中心に上方へ回転して、第一テープ保持部133とスプロケット131との間の保持状態が解除される。
【0071】
次に、作業者は、リール収容部120に収容されているテープリール240から、キャリアテープ200を引き出し、キャリアテープ200の先端部を第一テープ搬送装置20の二つのガイド21の後端部に差し込む。キャリアテープ200が差し込まれると、センサ(図示略)によってキャリアテープ200の先端部が検出される。これにより、制御装置900は、二つのギヤモータ24および二つのギヤモータ33、並びに、モータ132を駆動して、キャリアテープ200を搬送方向Xへ送り出す。送り出されたキャリアテープ200は、二つのガイド21およびガイド31、並びに、テープ送りガイド111によって案内され、第一テープ保持部133とスプロケット131との間隙を通過する位置まで搬送される。
【0072】
キャリアテープ200が第一テープ保持部133まで搬送されると、制御装置900は、二つのギヤモータ24および二つのギヤモータ33、並びに、モータ132の駆動を停止する。第一開放装置40の支持台42および第一リフトレバー41が下降して、第一テープ保持部133のレバー138を下げる。レバー138が下がると、第一テープ保持部133が回転支点133aを中心に下方へ回転して、第一テープ保持部133とスプロケット131との間において、キャリアテープ200が保持される。制御装置900は、この状態でモータ132を駆動して、スプロケット131を回転させて、キャリアテープ200の先端部が、所定量分、第一テープ保持部133から搬送方向Xへ突出するように搬送する。
【0073】
次に、
図16に示すように、制御装置900は、第一テープ搬送装置20および第二テープ搬送装置30を、フィーダ保持台10から離間する直交方向Yにスライドさせる。さらに、制御装置900は、第二開放装置50をフィーダ保持台10に接近する直交方向Yにスライドさせる。これにより、第二開放装置50の第二リフトレバー51が、テープフィーダ100の第二テープ保持部143のレバー146に対して、作動許容側に差し込まれる。そして、制御装置900は、第二開放装置50の支持台52を搬送方向Xに移動させて、第二リフトレバー51によって第二テープ保持部143のアーム145が、フィーダ本体110の後端側において回転支点145aを中心にして回転する。これにより、第二テープ保持部143のギヤ144が、カバーテープ送り出し機構部140のギヤ141から離間して、ギヤ144とギヤ141との間の保持状態が解除される。
【0074】
カバーテープ送り出し機構部140のギヤ144とギヤ141とが開放されている状態で、制御装置900は、カバーテープ処理装置60をフィーダ保持台10に接近する直交方向Yにスライドさせる。この際、仮テープ配策装置70は、仮テープ300をカバーテープ220の排出経路に倣った経路に沿った形状に成形して保持している。そして、制御装置900は、仮テープ配策装置70において保持している仮テープ300の直交方向Yの位置が、テープフィーダ100に保持されているキャリアテープ200の直交方向Yの位置と等しくなるように位置決めする。
【0075】
図17に示すように、具体的には、制御装置900は、第一テープ保持部133から搬送方向X側に突出したカバーテープ220の先端部の下方に、仮テープ300の先端部が位置するように、カバーテープ220および仮テープ300を位置決めする。なお、仮テープ300のうち、第一押出部73の二つの案内ピン73cの間に位置する部位は、離間したカバーテープ送り出し機構部140のギヤ141と第二テープ保持部143のギヤ144との間を通過するように位置決めされる。また、
図18に示すように、仮テープ300のうち、外側支持ピン機構部71dおよび内側支持ピン機構部73bによってS字状に湾曲した部位は、テープフィーダ100におけるカバーテープ送りガイド150の二つのガイドローラ151,152の間を通過するように位置決めされる。
【0076】
上記の位置決めがなされると、
図14Aに示すように、制御装置900は、カバーテープ把持装置75の下部材76と上部材77とを、互いに接近する方向に移動させて、カバーテープ220の先端部を把持させる。また、制御装置900は、カバーテープ220および仮テープ300を支持可能に、テープ支持部材81を直交方向Yに向かって前進させる。
【0077】
2-2.カバーテープ220と仮テープ300を連結する際の制御例
図19に示すように、テープ装填装置1は、制御ブロックとして捉えると、移動制御部901を備えている。本実施形態では、移動制御部901は、制御装置900に設けられている。また、移動制御部901は、
図20に示すフローチャートに従って、加熱接着処理における制御を実行する。なお、
図19および
図20では、加熱接着処理における制御に関する事項が図示されており、他の事項は、記載が省略されている。
【0078】
図14Aに示すように、加熱部材82は、テープ支持部材81との間でカバーテープ220と仮テープ300とを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向(矢印LD方向)において複数の接着部SPを形成する。
図21Aは、カバーテープ220の上面図であり、複数(本実施形態では、三つ)の接着部SPの形成例を模式的に示している。本実施形態では、ベーステープ210の先端部からテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L1、離間する位置に、最初の接着部SPが形成されている。最初の接着部SPのテープ長手方向(矢印LD方向)の長さは、距離L2である。
【0079】
最初の接着部SPからテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L3、離間する位置に、二つ目の接着部SPが形成されている。二つ目の接着部SPのテープ長手方向(矢印LD方向)の長さは、距離L2である。二つ目の接着部SPからテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L3、離間する位置に、三つ目の接着部SPが形成されている。三つ目の接着部SPのテープ長手方向(矢印LD方向)の長さは、距離L2である。なお、複数(三つ)の接着部SPの各々は、カバーテープ220のテープ幅方向(矢印W方向)の両端部(カバーテープ220に残存する接着剤が塗布されている領域AR1)に形成されている。
【0080】
図21Aに示す加熱面積SHは、加熱部材82の上面に設けられる加熱部位82hが、カバーテープ220と仮テープ300とを加熱する面積(加熱部位82hが当接する面積)を示している。テープ幅方向(矢印W方向)の長さ(テープ幅W1)は一定であるので、加熱面積SHが増加する程、接着部SPのテープ長手方向(矢印LD方向)の長さ(距離L2)が長くなる。その結果、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位において、加熱接着されていない部位(以下、「非接着部位」という。)が縮小し、カバーテープ220と仮テープ300の連結が強固になる。しかしながら、加熱面積SHが増加する程、加熱部材82がテープ長手方向(矢印LD方向)に大型化する。
【0081】
図14Bに示す加熱部材820は、接着部SPを一つ形成可能な比較形態の加熱部材の一例を示している。テープ支持部材810は、比較形態の加熱部材820を用いる場合のテープ支持部材の一例を示している。把持爪72b0は、比較形態の加熱部材820を用いる場合の把持爪の配置例を示している。また、比較形態の仮テープ300の端部のうち、カバーテープ220と加熱接着される部位から先端部300bまでを、自由端部TP0とする。なお、
図14Aに示すように、本実施形態の仮テープ300の端部のうち、カバーテープ220と加熱接着される部位から先端部300aまでを、自由端部TP1とする。
【0082】
図21Bは、比較形態のカバーテープ220の上面図であり、一つの接着部SPの形成例を模式的に示している。比較形態では、ベーステープ210の先端部からテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L10、離間する位置に、一つの接着部SPが形成されている。比較形態の一つの接着部SPのテープ長手方向(矢印LD方向)の長さは、距離L20であり、加熱面積は、加熱面積SH0である。
図21Aおよび
図21Bに示すように、比較形態の距離L20は、本実施形態の距離L2と比べて、長くなっている。また、比較形態の加熱面積SH0は、本実施形態の加熱面積SHと比べて、大きくなっている。さらに、ベーステープ210から突出しているカバーテープ220の長さが、本実施形態と比べて、長くなっている。
【0083】
図14Aおよび
図14Bに示すように、比較形態の加熱部材820は、本実施形態の加熱部材82と比べて、テープ長手方向(矢印LD方向)に大型化されている。そのため、本実施形態と比べて、加熱部材820と把持爪72b0との間の離間距離を増大させる必要がある。その結果、非接着部位が増加して、比較形態の自由端部TP0は、本実施形態の自由端部TP1と比べて、長くなっている。また、
図21Aおよび
図21Bに示すように、比較形態の距離L10は、本実施形態の距離L1と比べて、長くなっている。なお、上述したことは、カバーテープ220の先端部を把持するカバーテープ把持装置75と加熱部材820との間の離間距離についても、同様に言える。
図21Aおよび
図21Bに示すように、比較形態のカバーテープ220は、本実施形態と比べて、テープ先端側の非接着部位が増加しており、ベーステープ210から突出しているカバーテープ220の全体の長さも、本実施形態と比べて、長くなっている。
【0084】
後述するように、カバーテープ220と連結された仮テープ300がテープフィーダ100に移載されると、仮テープ300は、第一テープ保持部133を基点にして180°折り返されて、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向に引き回される。その結果、自由端部TP0は、キャリアテープ200の上面側に現れて、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位におけるテープの変形部位(例えば、テープの折れ曲がり、浮き上がりなど)になる。カバーテープ220と仮テープ300の連結部位において、テープの変形が生じると、部品を吸着するヘッドとテープの変形部位(自由端部TP0)とが接触して、部品を落下させる可能性がある。また、テープの浮き上がりを検出するセンサが動作して、部品装着機を停止させる可能性がある。
【0085】
そこで、加熱部材82は、接着部SPを一つ形成可能な加熱部材820と比べて、カバーテープ220と仮テープ300とを加熱するときの加熱面積SHが小さく形成されていると好適である。本実施形態の距離L2は、例えば、比較形態の距離L20の1/4倍に設定されており、本実施形態の加熱面積SHは、比較形態の加熱面積SH0の1/4倍に設定されている。これにより、本実施形態のテープ装填装置1は、比較形態の加熱部材820を用いる場合と比べて、非接着部位(自由端部TP1)を縮小することができ、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位におけるテープの変形を低減することができる。
【0086】
なお、接着部SPの数が増加する程、カバーテープ220と仮テープ300の連結が強固になる。しかしながら、接着部SPの数が増加する程、接着部SPを形成する際の作業工数が増加する。そこで、接着部SPの数は、例えば、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位におけるテープの変形量(例えば、テープの浮き上がり量)が許容量以下になるように、設定すると良い。
【0087】
また、
図21Bに示すように、比較形態の加熱面積SH0は、テープ幅方向(矢印W方向)の長さ(テープ幅W1)と、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さ(距離L20)とを乗じた面積になる。比較形態では、テープ幅方向(矢印W方向)の長さ(テープ幅W1)は、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さ(距離L20)と比べて短くなっている。そのため、比較形態の加熱部材820は、テープ長手方向(矢印LD方向)に大型化し易い。
【0088】
そこで、加熱部材82は、カバーテープ220と仮テープ300とを加熱するときのテープ幅方向(矢印W方向)の長さが、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さと比べて長くなるように、加熱部位82hが形成されていると好適である。
図21Aに示すように、本実施形態の加熱面積SHは、テープ幅方向(矢印W方向)の長さ(テープ幅W1)と、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さ(距離L2)とを乗じた面積になる。本実施形態では、テープ幅方向(矢印W方向)の長さ(テープ幅W1)は、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さ(距離L2)と比べて長くなっている。そのため、本実施形態の加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)に小型化し易い。
【0089】
移動制御部901は、上述した加熱接着処理において、テープ支持部材81、加熱部材82、カバーテープ把持装置75およびキャリアテープ200の移動を制御する。キャリアテープ200の移動は、モータ132を回転駆動させて行う。既述したように、モータ132は、テープフィーダ100のテープ送り機構部130に設けられている。モータ132は、スプロケット131を回転させて、キャリアテープ200をテープ長手方向(矢印LD方向)に搬送する。
【0090】
移動制御部901は、加熱部材82によって最初の接着部SPが形成された後に、テープ長手方向(矢印LD方向)に沿ってキャリアテープ200を移動させて次の接着部SPの形成を可能にすると好適である。そして、移動制御部901は、最後の接着部SPの形成位置にキャリアテープ200が移動するまで、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動を繰り返すと好適である。また、移動制御部901は、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動量を均一にして、複数の接着部SPの形成間隔を均等にすると好適である。さらに、移動制御部901は、第一待機時間TW1と比べて、第二待機時間TW2を短くすると好適である。但し、第一待機時間TW1は、最初の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまでの待機時間とする。また、第二待機時間TW2は、二つ目以降の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまでの待機時間とする。
【0091】
移動制御部901は、まず、カバーテープ220および仮テープ300を位置決めする(
図20に示すステップS11)。具体的には、移動制御部901は、テープ支持部材81と加熱部材82とが当接するときの当接部のテープ長手方向(矢印LD方向)における位置が、
図21Aに示す最初の接着部SPの形成位置と一致するように、モータ132を回転駆動させて、カバーテープ220を位置決めする。また、
図14Aに示すように、移動制御部901は、カバーテープ把持装置75を用いて、カバーテープ220の先端部を把持させる。さらに、移動制御部901は、テープ支持部材81を用いて、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で支持させる。
【0092】
次に、移動制御部901は、加熱部材82の上面がテープ支持部材81の下面に当接するまで、加熱部材82を斜め上方Z1へ移動させる。加熱部材82の加熱部位82hが所定温度に昇温された状態で、カバーテープ220および仮テープ300が、テープ支持部材81と加熱部材82との間で挟み込まれる。これにより、カバーテープ220および仮テープ300は、加熱部材82によって加熱処理される(ステップS12)。加熱処理によって、カバーテープ220の剥離面に残存している接着剤が軟化し、再度、接着剤として機能する。
【0093】
移動制御部901は、所定時間(接着剤が軟化するまでの時間)、テープ支持部材81と加熱部材82を当接させた後に、加熱部材82を斜め下方Z2へ移動させてテープ支持部材81から離間させると共に、テープ支持部材81を直交方向Yへ後退させる。これにより、接着剤が硬化して、最初の接着部SPが形成される。移動制御部901は、加熱部材82による加熱処理が終了してから、所定の待機時間が経過したか否かを判断する(ステップS13)。待機時間が経過した場合(Yesの場合)、制御は、ステップS14に示す判断に進む。待機時間が経過していない場合(Noの場合)、制御は、ステップS13に示す判断に戻り、移動制御部901は、待機時間が経過するまで待機する。なお、
図21Aに示す第一待機時間TW1は、最初の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまで待機する待機時間を示している。
【0094】
第一待機時間TW1が経過すると(ステップS13でYesの場合)、移動制御部901は、所定数(本実施形態では、三つ)の接着部SPが形成されたか否かを判断する(ステップS14)。所定数の接着部SPが形成された場合(Yesの場合)、制御は、一旦、終了する。所定数の接着部SPが形成されていない場合(Noの場合)、制御は、ステップS11に示す処理に戻る。この時点では、一つの接着部SPが形成され、残りの二つの接着部SPが形成されていないので、移動制御部901は、所定数の接着部SPが形成されていないと判断し(Noの場合)、制御は、ステップS11に示す処理に戻る。
【0095】
移動制御部901は、加熱部材82によって最初の接着部SPが形成された後にテープ長手方向(矢印LD方向)に沿ってキャリアテープ200を移動させて次の接着部SPの形成を可能にする。具体的には、移動制御部901は、テープ支持部材81と加熱部材82とが当接するときの当接部のテープ長手方向(矢印LD方向)における位置が、
図21Aに示す二つ目の接着部SPの形成位置と一致するように、モータ132を回転駆動させて、カバーテープ220を位置決めする(ステップS11)。移動制御部901は、最初の接着部SPからテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L3、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向(キャリアテープ200を巻き取る方向)に、キャリアテープ200を移動させる。距離L3は、例えば、距離L2の整数倍(例えば、三倍)に設定することができる。このとき、移動制御部901は、カバーテープ把持装置75がカバーテープ220の先端部を把持した状態で、カバーテープ220の移動に合わせて、カバーテープ把持装置75を移動させる。また、移動制御部901は、テープ支持部材81を用いて、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で支持させる。
【0096】
移動制御部901は、最初の接着部SPを形成した場合と同様にして、二つ目の接着部SPを形成する加熱処理を行う(ステップS12)。そして、移動制御部901は、加熱部材82による加熱処理が終了してから、所定の待機時間が経過したか否かを判断する(ステップS13)。なお、
図21Aに示す第二待機時間TW2は、二つ目以降の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまで待機する待機時間を示している。本実施形態では、第二待機時間TW2は、第一待機時間TW1と比べて、短く設定されている。
【0097】
第二待機時間TW2が経過すると、移動制御部901は、所定数の接着部SPが形成されたか否かを判断する(ステップS14)。この時点では、二つの接着部SPが形成され、残りの一つの接着部SPが形成されていないので、移動制御部901は、所定数の接着部SPが形成されていないと判断し(Noの場合)、制御は、ステップS11に示す処理に戻る。
【0098】
移動制御部901は、最後の接着部SPの形成位置にキャリアテープ200が移動するまで、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動を繰り返す。具体的には、移動制御部901は、テープ支持部材81と加熱部材82とが当接するときの当接部のテープ長手方向(矢印LD方向)における位置が、
図21Aに示す最後(三つ目)の接着部SPの形成位置と一致するように、モータ132を回転駆動させて、カバーテープ220を位置決めする(ステップS11)。移動制御部901は、二つ目の接着部SPからテープ長手方向(矢印LD方向)に距離L3、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向(キャリアテープ200を巻き取る方向)に、キャリアテープ200を移動させる。このとき、移動制御部901は、カバーテープ把持装置75がカバーテープ220の先端部を把持した状態で、カバーテープ220の移動に合わせて、カバーテープ把持装置75を移動させる。また、移動制御部901は、テープ支持部材81を用いて、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で支持させる。
【0099】
移動制御部901は、二つ目の接着部SPを形成した場合と同様にして、最後(三つ目)の接着部SPを形成する加熱処理を行う(ステップS12)。そして、移動制御部901は、加熱部材82による加熱処理が終了してから、所定の待機時間が経過したか否かを判断する(ステップS13)。この場合の待機時間は、第二待機時間TW2である。第二待機時間TW2が経過すると、移動制御部901は、所定数の接着部SPが形成されたか否かを判断する(ステップS14)。この時点では、所定数(三つ)の接着部SPが形成されたので、制御は、一旦、終了する。
【0100】
本実施形態の移動制御部901は、加熱部材82によって最初の接着部SPが形成された後に、テープ長手方向(矢印LD方向)に沿ってキャリアテープ200を移動させて次の接着部SPの形成を可能にする。そして、移動制御部901は、最後の接着部SPの形成位置にキャリアテープ200が移動するまで、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動を繰り返す。これにより、本実施形態の加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)において、複数の接着部SPを順に形成することができる。
【0101】
複数(三つ)の接着部SPの形成間隔が不均等であると、非接着部位の間隔も不均等になる。その結果、他の非接着部位と比べて、テープ長手方向(矢印LD方向)の長さが長くなる非接着部位が生じる。当該非接着部位では、他の非接着部位と比べて、テープの変形量(例えば、テープの浮き上がり量)が増大し易い。そこで、本実施形態の移動制御部901は、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動量を均一にして、複数(三つ)の接着部SPの形成間隔(距離L3)を均等にする。これにより、本実施形態のテープ装填装置1は、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位におけるテープの変形量を均等化し易い。
【0102】
また、二つ目以降の接着部SPを形成する場合、最初の接着部SPの形成によって、カバーテープ220と仮テープ300は、連結されている。そのため、二つ目以降の接着部SPを形成する場合、移動制御部901は、加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまでの待機時間を短縮することができる。本実施形態の移動制御部901は、第一待機時間TW1と比べて、第二待機時間TW2を短くする。但し、第一待機時間TW1は、最初の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまでの待機時間とする。また、第二待機時間TW2は、二つ目以降の接着部SPを形成するときの加熱部材82による加熱処理が終了してから、キャリアテープ200の移動を開始するまでの待機時間とする。これにより、本実施形態のテープ装填装置1は、接着部SPの形成後の待機時間を短縮して、作業効率を向上させることができる。
【0103】
2-3.カバーテープ220と仮テープ300を連結した後の制御例
複数の接着部SPが形成され、カバーテープ220と仮テープ300が連結されると、制御装置900は、移送部72の把持爪72bによる仮テープ300の把持を解除する。そして、移載装置90は、仮テープ配策装置70が保持している仮テープ300を、テープフィーダ100へ移載させる。
【0104】
具体的には、移載装置90は、仮テープ配策装置70の移送部72が、初期状態から第三位置P3に到達するまで回転した方向と同じ方向(
図22における反時計回り方向)に、さらに移送部72を回転させる。移送部72が回転すると、移送部72の接触ローラ72fが第二押出部74の背面部から外れて、第二押出部74が弾性部材によって逆方向(
図22における時計回り方向)に回転して初期状態に戻る。この際、仮テープ300は、連結されたカバーテープ220と一体になって、第一テープ保持部133を基点にして180°折り返されて、キャリアテープ200の搬送方向Xと反対方向に引き回される。また、仮テープ300は、搬送方向Xと反対方向に引き回されつつ、外側支持ピン機構部71dのピン71hによって支持される。その後、移載装置90は、仮テープリール310を、仮テープ300の引き出し方向と逆方向(
図22における時計回り方向)に回転させる。これにより、第二押出部74が初期位置に戻るときに弛んだ仮テープ300が巻き取られる。
【0105】
更に、移載装置90が仮テープリール310を逆方向に回転させると、テープフィーダ100のテープ送り機構部130の停止中は、仮テープ300の張力が増加する。仮テープ300の張力が増加すると、
図23に示すように、内側支持ピン機構部73bの引張りばね73hの弾性力に抗して二つのピン73f,73gが広がりながら、仮テープ300がテープフィーダ100のガイドローラ152の両側を通過する。この場合、二つのピン73f,73gが保持していた仮テープ300がガイドローラ152に移載される。同様に、外側支持ピン機構部71dのピン71hがテープフィーダ100の先端側へ移動し、ピン71hが保持していた仮テープ300がテープフィーダ100のガイドローラ151に移載される。
【0106】
仮テープ300がテープフィーダ100に移載されると、移載装置90は、仮テープ300を保持させるように第二開放装置50を動作させる。具体的には、第二開放装置50の支持台52がコイルバネ147の付勢力によって、搬送方向Xに移動して、第二テープ保持部143のアーム145が、フィーダ本体110の前端側において回転支点145aを中心にして回転する。これにより、第二テープ保持部143のギヤ144とカバーテープ送り出し機構部140のギヤ141との間に仮テープ300が保持される。
【0107】
そして、カバーテープ処理装置60は、テープ切断機(図示略)を用いて、第二テープ保持部143と仮テープリール310との間で、仮テープ300を切断する。仮テープ300が切断されると、
図6に示すように、仮テープ300は、テープフィーダ100に移載された状態になる。また、仮テープ300が切断されると、カバーテープ処理装置60は、フィーダ保持台10から離間する直交方向Yへ移動する。さらに、移送部72が初期角度に戻される。また、テープ装填装置1は、モータ132を駆動してスプロケット131を回転させて、ベーステープ210に収容されている部品の頭出しを行う。頭出しされた部品は、部品吸着位置Lに位置決めされる。このようにして、テープ装填装置1は、テープフィーダ100にキャリアテープ200を装填することができる。
【0108】
3.その他
本実施形態では、加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)において三つの接着部SPを形成する。加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)において二つの接着部SPを形成することもできる。加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)において四つ以上の接着部SPを形成することもできる。また、本実施形態では、複数(三つ)の接着部SPは、カバーテープ220のベーステープ210側から順に形成されている。複数の接着部SPは、カバーテープ220の先端側から順に形成することもできる。この場合、移動制御部901は、接着部SPの形成後のキャリアテープ200の移動において、キャリアテープ200の搬送方向Xと同じ方向に、キャリアテープ200を移動させる。
【0109】
4.テープ連結方法
テープ装填装置1について既述したことは、テープ連結方法についても同様に言える。具体的には、テープ連結方法は、仮テープ配策装置70と、カバーテープ把持装置75と、連結装置80と、移載装置90とを具備するテープ装填装置1に適用され、加熱工程を備える。加熱工程は、カバーテープ220と仮テープ300とを重ねた状態で支持するテープ支持部材81と加熱部材82との間でカバーテープ220と仮テープ300とを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向(矢印LD方向)において複数の接着部SPを形成する。また、テープ連結方法は、移動制御工程を備えると好適である。移動制御部901が行う制御は、移動制御工程に相当する。
【0110】
5.実施形態の効果の一例
テープ装填装置1によれば、加熱部材82は、テープ支持部材81との間でカバーテープ220と仮テープ300とを挟み込みながら加熱して、テープ長手方向(矢印LD方向)において複数の接着部SPを形成する。加熱部材82は、テープ長手方向(矢印LD方向)において接着部SPを一つ形成可能な加熱部材820と比べて、小型化し易い。そのため、テープ装填装置1は、仮テープ300を保持する仮テープ配策装置70の把持部(把持爪72b)と加熱部材82との間の離間距離を短縮することができる。また、テープ装填装置1は、カバーテープ220の先端部を把持するカバーテープ把持装置75と加熱部材82との間の離間距離を短縮することができる。よって、テープ装填装置1は、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位において、加熱接着されていない部位を縮小することができ、カバーテープ220と仮テープ300の連結部位におけるテープの変形を低減することができる。テープ装填装置1について上述したことは、テープ連結方法についても同様に言える。
【符号の説明】
【0111】
1:テープ装填装置、
70:仮テープ配策装置、75:カバーテープ把持装置、80:連結装置、
81:テープ支持部材、82:加熱部材、82h:加熱部位、
90:移載装置、
100:テープフィーダ、200:キャリアテープ、
210:ベーステープ、220:カバーテープ、300:仮テープ、
901:移動制御部、
SP:接着部、SH:加熱面積、
TW1:第一待機時間、TW2:第二待機時間、
矢印LD方向:テープ長手方向、矢印W方向:テープ幅方向。