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特許7136594バタフライ弁、バタフライ弁が有する弁棒の制動方法、及び嵌入部材
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  • 特許-バタフライ弁、バタフライ弁が有する弁棒の制動方法、及び嵌入部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】バタフライ弁、バタフライ弁が有する弁棒の制動方法、及び嵌入部材
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/22 20060101AFI20220906BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F16K1/22 D
F16K31/44 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018105053
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019210962
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390014074
【氏名又は名称】前澤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】三木 茂
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-025216(JP,A)
【文献】中国実用新案第201100432(CN,Y)
【文献】特開平10-184934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00-1/54
31/44-31/62
35/00-35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の移動を制御する弁体と、
前記弁体を格納する弁箱と、
前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒と、
前記弁棒から突出し、前記弁棒の長手方向に沿って延びるキーと、
前記キーに対応する第1のキー溝を有し、前記キーが前記第1のキー溝に係合する減速機と、
前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記減速機に接離可能に接続される接続台と、を備え、
前記弁棒の長手方向の一端側は、前記弁箱の外側に配置され、前記弁箱の長手方向の他端側は、前記弁箱内に配置され、前記減速機及び前記接続台は、前記弁棒の前記一端側を包含するように配置され、
前記減速機前記接続台から前記長手方向に離間しているとき、前記キーに対応する第2のキー溝を有する嵌入部材が前記減速機及び前記接続台の間に嵌入され、前記減速機及び前記接続台の間で露出した前記キーが前記第2のキー溝に係合するとともに、前記嵌入部材は前記接続台に固定されており、
前記減速機が前記接続台から前記長手方向に離間するとき、前記第1のキー溝に対応する他のキーを有する制動部材が、前記他のキーが前記第1のキー溝に係合するように前記弁棒の前記一端側に接続され、前記制動部材の移動を前記弁棒の長手方向に関して規制するガイドが前記制動部材に接続されることを特徴とするバタフライ弁。
【請求項2】
前記ガイドは前記弁箱及び前記接続台の少なくともいずれか一方に接続されることを特徴とする請求項記載のバタフライ弁。
【請求項3】
前記嵌入部材が前記減速機と前記接続台との間に嵌入されるとき、前記制動部材が前記ガイドに沿って移動し且つ前記減速機が前記制動部材とともに移動し、前記キーが前記第1のキー溝に係合していることを特徴とする請求項記載のバタフライ弁。
【請求項4】
流体の移動を制御する弁体と、
記弁体を格納する弁箱と、
前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、
前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の一部に係合する減速機と、
前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記弁棒の一部を包含する接続台と、を備え、
前記接続台は前記弁棒の一部を露出するための接続台窓を有し、前記弁棒を制動する嵌入部材が前記接続台窓から嵌入され、該嵌入部材は、前記接続台窓の外縁に固定されることを特徴とするバタフライ弁。
【請求項5】
前記弁棒の一部は変形され、前記嵌入部材は前記弁棒の一部の変形された後の形状に対応していることを特徴とする請求項記載のバタフライ弁。
【請求項6】
前記弁棒の一部は前記弁棒の一部の表面から突出する突起部を有し、前記嵌入部材は前記突起部に対応する凹部を有することを特徴とする請求項4又は5記載のバタフライ弁。
【請求項7】
前記弁棒はキーを備え、
前記減速機は、前記キーに対応する第1のキー溝を有し、
前記弁箱は前記接続台を介して前記減速機に接続されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のバタフライ弁。
【請求項8】
流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒と、前記弁棒から突出し、前記弁棒の長手方向に沿って延びるキーと、前記キーに対応する第1のキー溝を有し、前記キーが前記第1のキー溝に係合する減速機と、前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記減速機に接離可能に接続される接続台と、前記減速機を前記接続台に固定するための固定部材と、を備え、
前記弁棒の長手方向の一端側は、前記弁箱の外側に配置され、前記弁箱の長手方向の他端側は、前記弁箱内に配置され、前記減速機及び前記接続台は、前記弁棒の前記一端側を包含するように配置されるバタフライ弁が有する弁棒の制動方法であって、
前記弁棒を制動する制動部材を、前記弁棒の長手方向の一端側に接続するとともに、前記制動部材の移動を前記弁棒の長手方向に関して規制するガイドを接続する接続ステップと、
前記固定部材を前記減速機及び前記接続台から取り外して前記減速機及び前記接続台の固定を解除する解除ステップと、
前記制動部材及び前記減速機を前記ガイドに沿って移動する移動ステップと、
前記接続台から離間した減速機及び前記接続台の間に前記弁棒を制動するための嵌入部材であって、前記キーに対応する第2のキー溝を有する嵌入部材を嵌入する嵌入ステップと、
前記減速機及び前記接続台の間で露出した前記キーを、前記第2のキー溝に係合させる係合ステップと、
前記嵌入部材を前記接続台に固定する固定ステップと、を有することを特徴とするバタフライ弁が有する弁棒の制動方法。
【請求項9】
流体の移動を制御する弁体と、
前記弁体を格納する弁箱と、
前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、
前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の一部に係合する減速機と、
前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記弁棒の一部を包含する接続台であって、前記弁棒の一部を露出するための接続台窓を有する、接続台と、を備るバタフライ弁が有する弁棒の制動方法であって、
前記接続台窓から前記弁棒を制動するための嵌入部材を嵌入する嵌入ステップと、
前記嵌入部材が弁棒を把持する把持ステップと、
前記嵌入部材を前記接続台窓の外縁に固定する固定ステップと、
を有することを特徴とするバタフライ弁が有する弁棒の制動方法。
【請求項10】
流体の移動を制御する弁体と、
前記弁体を格納する弁箱と、
前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、
前記弁箱に隣接し、前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の前記一端側に係合する減速機と、を備えるバタフライ弁に嵌入される嵌入部材であって、
前記弁箱の外側に位置する前記弁棒から突出する突出部が、前記減速機に隣接するように設けられ、
前記嵌入部材は、前記突出部に係合し、前記弁棒を制動する係合部を有していることを特徴とする、嵌入部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバタフライ弁、バタフライ弁が有する弁棒の制動方法、及び嵌入部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水道管等に配設されるバタフライ弁が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載のバタフライ弁は、水道管等に接続される弁箱と、弁箱に格納される弁体と、弁体を弁箱に接続するための弁棒と、弁棒に接続される操作部とを備える。弁棒は弁体を貫通して弁箱に接続されるとともに、弁体は弁棒に固定され、操作部が操作されると、弁体は弁棒を中心に弁箱内を回動する。具体的に、弁体は、弁箱を塞ぎ且つ水道管を流れる水道水を弁体で止水する全閉位置と、弁体の全閉位置に直交し且つ水道管を流れる水道水を最大限通水する全開位置との間を回動する。
【0003】
ところで、操作部の操作負荷を軽減するために、通常、減速機が操作部及び弁棒に接続されるとともに、弁箱に固定されている。操作部の操作負荷が減速機に入力されると、入力された負荷が増大して減速機から出力され、弁体は出力された負荷に応じて弁箱内を回動する。一方、バタフライ弁の弁体が全開位置にあるとき、水流の影響を受けて全閉位置に移動する場合があるが、減速機が一方から入力された負荷を増減して他方に出力するが他方から入力された負荷を無効化するセルフロック機構を有していれば、水流の影響を受けてバタフライ弁の弁体に作用する負荷は無効化されるので、全開位置にあるバタフライ弁の弁体が全閉位置に移動することはない。
【0004】
【文献】特開平8-270803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、減速機の故障や減速機が有する歯車の摩耗により、減速機の修理や交換をしなければならない場合がある。これに対応して、減速機の修理や交換のための工事が、水道水の供給を一定時間停止し又は水道水を供給するための別の水道管を手間をかけて設置することにより、実行されていた。
【0006】
また、減速機がセルフロック機構を有していても、減速機の修理や交換をするために弁箱及び減速機の固定を解除すると、水流の影響を受けて弁体、弁棒、及び減速機が回転して全開位置にあるバタフライ弁の弁体が全閉位置に移動する。その結果、減速機の修理や交換のための工事は水道水の供給を停止することにより、実行されていた。
【0007】
すなわち、従来は、断水することなく簡単に減速機のメンテナンスをすることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、断水することなく簡単に減速機のメンテナンスをすることができるバタフライ弁、バタフライ弁が有する弁棒の制動方法、及び嵌入部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係るバタフライ弁は、流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒と、前記弁棒から突出し、前記弁棒の長手方向に沿って延びるキーと、前記キーに対応する第1のキー溝を有し、前記キーが前記第1のキー溝に係合する減速機と、前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記減速機に接離可能に接続される接続台と、を備え、前記弁棒の長手方向の一端側は、前記弁箱の外側に配置され、前記弁箱の長手方向の他端側は、前記弁箱内に配置され、前記減速機及び前記接続台は、前記弁棒の前記一端側を包含するように配置され、前記減速機前記接続台から前記長手方向に離間しているとき、前記キーに対応する第2のキー溝を有する嵌入部材が前記減速機及び前記接続台の間に嵌入され、前記減速機及び前記接続台の間で露出した前記キーが前記第2のキー溝に係合するとともに、前記嵌入部材は前記接続台に固定されており、前記減速機が前記接続台から前記長手方向に離間するとき、前記第1のキー溝に対応する他のキーを有する制動部材が、前記他のキーが前記第1のキー溝に係合するように前記弁棒の前記一端側に接続され、前記制動部材の移動を前記弁棒の長手方向に関して規制するガイドが前記制動部材に接続されることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項に係るバタフライ弁は、流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の一部に係合する減速機と、前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記弁棒の一部を包含する接続台と、を備え、前記接続台は前記弁棒の一部を露出するための接続台窓を有し、前記弁棒を制動する嵌入部材が前記接続台窓から嵌入され、該嵌入部材は、前記接続台窓の外縁に固定されることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項に係るバタフライ弁が有する弁棒の制動方法は、流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒と、前記弁棒から突出し、前記弁棒の長手方向に沿って延びるキーと、前記キーに対応する第1のキー溝を有し、前記キーが前記第1のキー溝に係合する減速機と、前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記減速機に接離可能に接続される接続台と、前記減速機を前記接続台に固定するための固定部材と、を備え、前記弁棒の長手方向の一端側は、前記弁箱の外側に配置され、前記弁箱の長手方向の他端側は、前記弁箱内に配置され、前記減速機及び前記接続台は、前記弁棒の前記一端側を包含するように配置されるバタフライ弁が有する弁棒の制動方法であって、前記弁棒を制動する制動部材を、前記弁棒の長手方向の一端側に接続するとともに、前記制動部材の移動を前記弁棒の長手方向に関して規制するガイドを接続する接続ステップと、前記固定部材を前記減速機及び前記接続台から取り外して前記減速機及び前記接続台の固定を解除する解除ステップと、前記制動部材及び前記減速機を前記ガイドに沿って移動する移動ステップと、前記接続台から離間した減速機及び前記接続台の間に前記弁棒を制動するための嵌入部材であって、前記キーに対応する第2のキー溝を有する嵌入部材を嵌入する嵌入ステップと、前記減速機及び前記接続台の間で露出した前記キーを、前記第2のキー溝に係合させる係合ステップと、前記嵌入部材を前記接続台に固定する固定ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項に係るバタフライ弁が有する弁棒の制動方法は、流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の一部に係合する減速機と、前記弁箱及び前記減速機の間に配置され、前記弁棒の一部を包含する接続台であって、前記弁棒の一部を露出するための接続台窓を有する、接続台と、を備るバタフライ弁が有する弁棒の制動方法であって、前記接続台窓から前記弁棒を制動するための嵌入部材を嵌入する嵌入ステップと、前記嵌入部材が弁棒を把持する把持ステップと、前記嵌入部材を前記接続台窓の外縁に固定する固定ステップと、を有することを特徴とするバタフライ弁が有する弁棒の制動方法。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項10に係る嵌入部材は、流体の移動を制御する弁体と、前記弁体を格納する弁箱と、前記弁箱に接続され且つ前記弁体を保持し、前記弁体とともに回動する弁棒であって、前記弁棒の長手方向の一端側が前記弁箱の外側に配置され、他端側が前記弁箱内に配置されている、弁棒と、前記弁箱に隣接し、前記弁箱の外側に位置する前記弁棒の前記一端側に係合する減速機と、を備えるバタフライ弁に嵌入される嵌入部材であって、前記弁箱の外側に位置する前記弁棒から突出する突出部が、前記減速機に隣接するように設けられ、前記嵌入部材は、前記突出部に係合し、前記弁棒を制動する係合部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバタフライ弁によれば、断水することなく簡単に減速機のメンテナンスをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るバタフライ弁を説明するために用いられる図である。
図2図1のバタフライ弁の平面図である。
図3図1における減速機が接続台から離間しているときに減速機及び接続台の間に嵌入される開度分割固定治具を説明するために用いられる図である。
図4図1のバタフライ弁にガイド及び開度固定治具が取り付ける取付工程を説明するために用いられる図である。
図5図4のバタフライ弁から減速機を取り外す取外工程を説明するために用いられる図である。
図6図5のバタフライ弁から減速機を取り外した後の弁棒の制動工程を説明するために用いられる図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係るバタフライ弁を説明するために用いられる図である。
図8図7におけるA-A線に沿う断面図である。
図9図7のバタフライ弁に開度固定治具を取り付けて弁棒の制動し、バタフライ弁から減速機を取り外す取外工程を説明するために用いられる図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るバタフライ弁1を説明するために用いられる図であり、図1(a)はバタフライ弁1の正面図であって2本のガイド40がバタフライ弁1に設置される様子を示す図であり、図1(b)は図1(a)における2本のガイド40の上面図であり、図1(c)は図1(a)のバタフライ弁1が有する減速機30に取り付けられる開度固定治具43の正面図であり、図1(d)は図1(c)の開度固定治具43の上面図である。図2は、図1のバタフライ弁の平面図である。
【0018】
図1及び図2のバタフライ弁1は、水等の流体の移動を制御する弁体18と、弁体18を格納する弁箱10と、弁箱10に接続され且つ弁体18を保持し、弁体18とともに回動する弁棒12と、弁箱10の上部に配置される減速機30と、弁箱10及び減速機30の間に配置される接続台20とを備え、減速機30は一方から入力された負荷を増減して他方に出力するが他方から入力された負荷を無効化するセルフロック機構を有する。弁箱10は流体の流入口である開口部10aと、流体の排出口である開口部10dと、弁箱10の内部に形成され、開口部10aから流入した流体が開口部10dから排出される場合に通過する流路10eと、バタフライ弁1を支持する脚部10cとを有し、開口部10a,10dは対向している。また、弁箱10は接続台20を取り付けるためのフランジ部16を弁箱10の上部に有し、フランジ部16及び接続台20はいずれも貫通孔を有する。さらに、弁棒12は、その外周面の上部に配置され且つその外周面から突出する第1のキー13(キー,突出部)を有し、第1のキー13は弁棒12の長手方向に沿って延びている。
【0019】
弁体18は流路10eに配置され、弁棒12とともに回動して流路10eを開閉する。弁体18が流路10eを開放するとき、開口部10aから流入した流体は流路10eを通過して開口部10dから排出され、弁体18が流路10eを閉塞するとき、弁体18の縁部は流路10eの内壁に当接し、開口部10aから流入した流体は流路10eを通過することなく弁体18で止められる。弁棒12は弁体18の内部を貫通するとともに、フランジ部16及び接続台20が有する貫通孔を貫通し、弁棒12の下部は弁箱10の下部に設けられた軸支持部10bに支持されている。このとき、弁体18は、例えば、複数のピン(不図示)によって弁棒12に固定されている。
【0020】
接続台20は、フランジ部16に接続される下側フランジ部21と、減速機30に接続される上側フランジ部22と、下側フランジ部21及び上側フランジ部22の間に介在する本体部20aとを有し、下側フランジ部21、上側フランジ部22、及び本体部20aは一体的に構成されている。下側フランジ部21はフランジ部16にボルト21aによって締結され、上側フランジ部22は減速機30にボルト28(固定部材)によって締結されている。下側フランジ部21及び上側フランジ部22は貫通孔を有し、本体部20aは内部に空洞を有し、下側フランジ部21及び上側フランジ部22の各貫通孔、並びに、空洞は弁棒12が貫通するための接続台20の貫通孔を構成する。
【0021】
減速機30は弁棒12を挿通するための弁棒挿通孔30aを有する。弁棒挿通孔30aには弁棒12が挿通され、弁棒挿通孔30a及び弁棒12の間には回動部材31が介在している。回動部材31は、第1のキー13に対応する第1のキー溝33を有し、第1のキー13は第1のキー溝33に係合している。そのため、弁棒12が回動するとき、回動部材31は弁棒12とともに、弁棒挿通孔30aに対して回動する。また、減速機30は操作ハンドル32に接続されている。ところで、減速機30は、その内部に複数の歯車からなる歯車機構(不図示)を有し、減速機30に入力された操作負荷を歯車機構に基づいて増幅して出力する。したがって、操作ハンドル32が操作されると、操作ハンドル32の操作負荷よりも大きい負荷が減速機30から出力され、弁棒12は出力された負荷に従って回動する。
【0022】
図3は、図1における減速機30が接続台20から離間しているときに減速機30及び接続台20の間に嵌入される開度分割固定治具35を説明するために用いられる図であり、図3(a)は開度分割固定治具35の上面図であり、図3(b)は開度分割固定治具35の正面図である。
【0023】
図3の開度分割固定治具35(嵌入部材)は、上側フランジ部22からボルト28が取り外されて減速機30が接続台20から離間したときに、減速機30及び接続台20の間に嵌入される。開度分割固定治具35は上段部35c及び下段部35dを有し、下段部35dの外径は上段部35cの外径よりも大きい。下段部35dはフランジ部38を備え、開度分割固定治具35が減速機30及び接続台20の間に嵌入されたとき、フランジ部38は、例えば、ボルト及びナットで上側フランジ部22に接続される。このとき、ボルトはフランジ部38に設けられたボルト孔39と、上側フランジ部22に設けられたボルト孔39に対応する孔(不図示)とに挿通される。また、開度分割固定治具35は上段部35c及び下段部35dを貫通する弁棒包含用孔36を有し、弁棒包含用孔36は第1のキー13に対応する第2のキー溝37(係合部)を有する。開度分割固定治具35が減速機30及び接続台20の間に嵌入されたとき、弁棒包含用孔36は弁棒12を囲み、第1のキー13は第2のキー溝37に係合する。
【0024】
本実施の形態では、開度分割固定治具35は第1の治具35a及び第2の治具35bから構成され、第1の治具35aは第2のキー溝37及びボルト孔39(以下、ボルト孔39のうち第1の治具35aが有するボルト孔を「ボルト孔39a」という。)を有し、第2の治具35bはボルト孔39(以下、ボルト孔39のうち第2の治具35bが有するボルト孔を「ボルト孔39b」という。)を有する。開度分割固定治具35が減速機30及び接続台20の間に嵌入されるとき、まず、第1の治具35aが嵌入される。このとき、第1の治具35aは第1のキー13が第2のキー溝37に係合するように嵌入される。また、第1の治具35aは、ボルトがボルト孔39a及び上側フランジ部22に設けられたボルト孔39aに対応する孔に挿通されるとともに、ナットがそのボルトに締結されることにより、上側フランジ部22に接続される。次いで、第2の治具35aが嵌入される。このとき、第2の治具35bは、ボルトがボルト孔39b及び上側フランジ部22に設けられたボルト孔39bに対応する孔に挿通されるとともに、ナットがそのボルトに締結されることにより、上側フランジ部22に固定される。
【0025】
開度分割固定治具35が第1の治具35a及び第2の治具35bから構成されることにより、開度分割固定治具35を上側フランジ部22に簡単に取り付けることができる。なお、本実施の形態では、第1の治具35a及び第2の治具35bが減速機30及び接続台20の間に嵌入されているが、第1の治具35aのみが減速機30及び接続台20の間に嵌入されてもよい。
【0026】
図1及び図2に戻り、開度分割固定治具35が減速機30と接続台20の間に嵌入される際に用いられる開度固定治具43(制動部材)及びガイド40について説明する。開度固定治具43は、減速機30の上部から弁棒12及び回動部材31に接続される軸部43aと、軸部43aに直交する支持部43bとから構成され、軸部43aの側面には軸部43aの長手方向に沿って延びる第2のキー45(他のキー)が設けられている。第2のキー45は第1のキー溝33に対応し、開度固定治具43が減速機30の上部から弁棒12及び回動部材31に接続されると、第2のキー45は第1のキー溝33に係合する。
【0027】
ガイド40は長尺状部材であり、一端に取付部41を有し、取付部41はフランジ部16及び下側フランジ部21を挟持する。本実施の形態では、フランジ部16及び下側フランジ部21を挟持する取付部41がボルト42によって締め付けられている。これにより、取付部41がフランジ部16及び下側フランジ部21から簡単に外れるのを防止することができる。また、ガイド40は、その側面にガイド溝40aを有し、支持部43bはガイド溝40aに係合する。これにより、ガイド40は開度固定治具43の移動を弁棒12の長手方向に関して規制し、開度固定治具43はガイド溝40aに沿って移動する。本実施の形態では、2つのガイド40が対向するように配設される。なお、取付部41は、フランジ部16及び下側フランジ部21の少なくともいずれか一方に接続されていればよいが、ガイド40が確実に開度固定治具43の移動を案内するためにフランジ部16及び下側フランジ部21のいずれにも接続されるのがよい。
【0028】
続いて、本実施の形態のバタフライ弁1の接続台20から減速機30を取り外すために、弁棒12を制動する手順について図4乃至図6を参照しながら説明する。
【0029】
図4は、図1のバタフライ弁1にガイド40及び開度固定治具43が取り付ける取付工程を説明するために用いられる図である。
【0030】
まず、操作ハンドル32が操作され、弁体18が流路10eを開放する。次いで、2つのガイド40がバタフライ弁1に取り付けられる。具体的に、各ガイド40の取付部41がフランジ部16及び下側フランジ部21を挟持するように取り付けられ、さらに、ボルト42が取付部41を締め付ける。
【0031】
その後、支持部43bがガイド溝40aに係合し、開度固定治具43が減速機30に向けて移動し、軸部43aが減速機30の上部から弁棒12及び回動部材31に接続すると、第2のキー45が第1のキー溝33に係合する。
【0032】
図5は、図4のバタフライ弁1から減速機30を取り外す取外工程を説明するために用いられる図である。
【0033】
開度固定治具43が弁棒12及び回動部材31に接続されると、ボルト28が取り外される。これにより、上側フランジ部22及び減速機30の接続は解除される。次いで、開度固定治具43及び減速機30がガイド40に沿って移動し、減速機30は接続台20から間隙Xを有するように離間する。このとき、弁棒12の一部が露出するとともに、第1のキー13及び第2のキー45は第1のキー溝33に係合している。続いて、開度分割固定治具35が減速機30と接続台20との間に嵌入される。具体的に、第1の治具35a及び第2の治具35bが弁棒12を囲むように嵌入され、露出していた弁棒12の第1のキー13は第2のキー溝37に係合する。
【0034】
図6は、図5のバタフライ弁1から減速機30を取り外した後の弁棒12の制動工程を説明するために用いられる図である。
【0035】
開度分割固定治具35が減速機30と接続台20との間に嵌入されると、ボルト28がボルト孔39a,39b及び上側フランジ部22に設けられたボルト孔39a,39bに対応する孔に挿通され、開度分割固定治具35は接続台20の上側フランジ部22に固定される。このとき、第1のキー13の一部は第2のキー溝37に係合しているので、弁棒12は回動することなく開度分割固定治具35によって制動される。その後、減速機30はバタフライ弁1から取り外される。
【0036】
本実施の形態のバタフライ弁1によれば、流体の移動を制御する弁体18を格納する弁箱10と、弁箱10に接続され且つ弁体18を保持し、弁体18とともに回動する弁棒12と、弁棒12から突出する第1のキー13と、第1のキー13に対応する第1のキー溝33を有する減速機30と、弁箱10及び減速機30の間に配置され且つ減速機30に接離可能に接続される接続台20とを備え、減速機30及び接続台20が離間しているとき、第1のキー13に対応する第2のキー溝37を有する開度分割固定治具35が減速機30及び接続台20の間に嵌入され、第1のキー13が第2のキー溝37に係合するとともに、開度分割固定治具35は接続台20の上側フランジ部22に固定される。これにより、第1のキー13及び第1のキー溝33の係合が解除されても、第1のキー13は接続台20に固定される開度分割固定治具35の第2のキー溝37に係合しているので、弁体18及び弁棒12は流体の圧力等の影響を受けても回動しない。つまり、減速機30が取り外されても弁棒12は開度分割固定治具35に拘束されるので、弁体18及び弁棒12が回動して流体の移動が制限されるのを防止することができ、もって、断水することなく簡単に減速機30のメンテナンスをすることができる。
【0037】
さらに、減速機30が接続台20から離間するとき、第1のキー溝33に対応する第2のキー45を有する開度固定治具43が、第2のキー45が第1のキー溝33に係合するように弁棒12の一端に接続されている。つまり、開度固定治具43は第2のキー45及び第1のキー溝33を介して減速機30に接続され、減速機30は第1のキー溝33及び第1のキー13を介して弁棒12に接続され、弁棒12は弁体18を保持しているので、開度固定治具43、減速機30、弁棒12、及び弁体18は互いに接続されている。また、開度固定治具43の支持部43bがガイド40のガイド溝40aに係合することにより、ガイド40は開度固定治具43に接続され、開度固定治具43の移動を弁棒の長手方向に関して規制する。つまり、開度固定治具43はガイド40に接続されることによって回動しない。したがって、減速機30が接続台20から離間するとき、開度固定治具43はガイド40に接続されて回動しないため、開度固定治具43、並びに、開度固定治具43に接続された減速機30、弁棒12、及び弁体18は互いに接続している限り、いずれも回動することない。その結果、開度固定治具43及び減速機30を回動させることなくガイド40に沿って移動させることができる。
【0038】
また、開度分割固定治具35が減速機30と接続台20との間に嵌入されるとき、開度固定治具43がガイド40に沿って移動し且つ減速機30が開度固定治具43とともに移動する。このとき、第1のキー13が第1のキー溝33に係合しているので、開度固定治具43及び減速機30がガイド40に沿って移動し、減速機30と接続台20との間に間隙Xが生じても、減速機30及び弁棒12は第1のキー溝33及び第1のキー13を介して接続されている。したがって、減速機30、減速機30に接続される弁棒12、及び弁棒12に保持される弁体18は互いに接続されるとともに、減速機30は開度固定治具43によって回動しないので、減速機30に接続される弁棒12及び弁体18も回動することなく、開度分割固定治具35を減速機30と接続台20との間に嵌入することができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0040】
本発明の第2の実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、接続台20が接続台窓を備え、開度固定治具43及びガイド40を用いることなく弁棒12を制動する点で、第1の実施の形態と異なる。以下、重複した構成、作用については説明を省略し、異なる構成、作用についての説明を行う。
【0041】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るバタフライ弁50を説明するために用いられる図である。
【0042】
図7のバタフライ弁50は弁箱10及び減速機30の間に接続台20を備え、接続台20は弁棒12に直交する方向に開口する2つの接続台窓25を有する。各接続台窓25は、その外縁に複数のボルト孔27を有する。また、弁棒12は接続台20を貫通しているため、接続台20が2つの接続台窓25を有することにより、弁棒12の一部が接続台窓25を介して露出している。接続台窓25を介して露出している弁棒12の一部は嵌合部14を有している。
【0043】
図8は、図7におけるA-A線に沿う断面図である。
【0044】
図8において、嵌合部14は平面14a,14b,14c,14dを有し、平面14a,14cは対向するとともに、平面14b,14dは対向している。また、平面14a,14cは互いに平行に配置されるとともに、平面14b,14dは互いに平行に配置されている。さらに、平面14aは平面14d,14bに隣接するとともに、平面14cは平面14d,14bに隣接している。
【0045】
本実施の形態では、弁体18が流路10eを開放しているとき、平面14a,14cは各接続台窓25に対向する。図8において、平面14a,14cは各接続台窓25に対向しているので、弁体18は流路10eを開放している。この場合に、接続台20から減速機30を取り外すために、第1の治具55a及び第2の治具55bから構成される開度固定治具55(嵌入部材)が嵌合部14に嵌合される。
【0046】
第1の治具55aは爪部57a及び取付部58aを有し、第2の治具55bは爪部57b及び取付部58bを有し、取付部58a及び取付部58bは各接続台窓25の外縁に設けられた複数のボルト孔27に対応している。まず、第1の治具55aが嵌合部14に嵌合されると、爪部57aは平面14b,14dに当接し、ボルトが取付部58a及び取付部58aに対応する各ボルト孔27に挿通され、第1の治具55aは嵌合部14を把持して接続台窓25の外縁に固定される。次いで、第2の治具55bが嵌合部14に嵌合されると、爪部57bは平面14b,14dに当接し、ボルトが取付部58b及び取付部58bに対応する各ボルト孔27に挿通され、第2の治具55bは嵌合部14を把持して接続台窓25の外縁に固定される。
【0047】
ところで、開度固定治具55が嵌合部14に嵌合されるとき、平面14aは第2の治具55bに対して突出する突起部15a(突出部)を有し、平面14cは第1の治具55aに対して突出する突起部15b(突出部)を有し、第1の治具55aは突起部15bに対応する凹部56a(係合部)を有し、第2の治具55bは突起部15aに対応する凹部56b(係合部)を有してもよい。開度固定治具55が嵌合部14に嵌合されると、突起部15aは凹部56bに嵌合し、突起部15bは凹部56aに嵌合する。本実施の形態では、平面14a,14cのいずれも突起部15a,15bを有する構成について説明したが、平面14a,14cのいずれか一方が突起部(突起部15a又は突起部15b)を有する構成としてもよい。
【0048】
続いて、本実施の形態のバタフライ弁50の接続台20から減速機30を取り外すために、弁棒12を制動する手順について図9を参照しながら説明する。
【0049】
図9は、図7のバタフライ弁50に開度固定治具55を取り付けて弁棒12の制動し、バタフライ弁50から減速機30を取り外す取外工程を説明するために用いられる図である。図9(a)は減速機30が取り外されたバタフライ弁50の正面図であり、図9(b)は図9(a)におけるB-B線に沿う断面図である。
【0050】
まず、操作ハンドル32が操作され、弁体18が流路10eを開放する。次いで、開度分割固定治具55が接続台窓25から嵌入され、弁棒12を把持する。具体的に、一方の接続台窓25から第1の治具55aを嵌入し、他方の接続台窓25から第2の治具55bを嵌入する。第1の治具55aが一方の接続台窓25に嵌入されると、爪部57が弁棒12の嵌合部14に係合し、突起部15bが凹部56aに嵌合し、第2の治具55bが他方の接続台窓25に嵌入されると、爪部57が弁棒12の嵌合部14に係合し、突起部15aが凹部56bに嵌合する。続いて、ボルトが取付部58a,58b、及び各ボルト孔27に挿通され、第1の治具55a及び第2の治具55bは接続台窓25の外縁に固定される。このとき、弁棒12は開度分割固定治具55に把持されることによって制動される。その後、減速機30がバタフライ弁50から取り外される。
【0051】
本実施の形態のバタフライ弁50によれば、弁箱10及び減速機30の間に接続台20を備える。すなわち、バタフライ弁50は弁箱10に隣接する接続台20を備える。接続台20は弁棒12の一部を露出するための2つの接続台窓25を有し、弁体18が流路10eを開放しているとき、弁棒12を制動する開度分割固定治具55が接続台窓25から嵌入される。これにより、接続台窓25から嵌入された開度分割固定治具55の爪部57が接続台窓25及び弁棒12の間に形成される間隙に嵌合され、弁棒12を把持するとともに、開度分割固定治具55が接続台窓25に固定されるので、弁棒12及び弁体18が回動するのを防止することができる。その結果、流体の移動は弁体によって制限されないので、断水することなく簡単にバタフライ弁を構成する部品、例えば、減速機のメンテナンスをすることができる。
【0052】
また、各接続台窓25から露出している弁棒12の一部は変形され、嵌合部14を構成する。嵌合部14は平面14a,14b,14c,14dを有し、各接続台窓25に嵌入された開度分割固定治具55の爪部57は平面14b,14dに当接するので、開度分割固定治具55が弁棒12を把持したとき、確実に弁棒12及び弁体18が回動するのを防止することができる。
【0053】
さらに、平面14a,14cは、その表面から突出する突起部15a,15bを有し、開度分割固定治具55は突起部15a,15bに対応する凹部56a,56bを有する。これにより、開度分割固定治具55が各接続台窓25に嵌入されたとき、突起部15a,15bは凹部56b,56aに嵌合するので、弁棒12及び弁体18が回動するのを確実に防止することができる。
【0054】
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
1,50 バタフライ弁
10 弁箱
12 弁棒
13 第1のキー
15a,15b 突起部
20 接続台
25 接続台窓
28 ボルト
30 減速機
33 第1のキー溝
35 開度分割固定治具
35a 第1の治具
35b 第2の治具
37 第2のキー溝
40 ガイド
43 開度固定治具
45 第2のキー
55 開度分割固定治具
55a 第1の治具
55b 第2の治具
56,56a,56b 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9