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特許7136642車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置
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  • 特許-車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置 図1
  • 特許-車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置 図2
  • 特許-車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置 図3
  • 特許-車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】車両整備用リフト装置及びこの車両整備用リフト装置用の照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 5/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
B60S5/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018171176
(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公開番号】P2020040597
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「宮城県仙台市宮城野区福室2-8-21 株式会社バンザイ仙台支店」、開催日「平成30年7月12日、平成30年7月13日」 [刊行物等] 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「愛知県名古屋市熱田区六番三丁目4番41号 名古屋市工業研究所」、開催日「平成30年7月25日、平成30年7月26日」 [刊行物等] 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「埼玉県北足立郡伊奈町小室1123 埼玉自動車大学校 4号館」、開催日「平成30年8月2日、平成30年8月3日」 [刊行物等] 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「東京都大田区南蒲田1-20-20 大田区産業プラザPiO 小展示ホール」、開催日「平成30年8月7日、平成30年8月8日」 [刊行物等] 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「福岡県福岡市博多区那珂5-3-15 株式会社バンザイ福岡支店」、開催日「平成30年8月23日、平成30年8月24日」 [刊行物等] 集会名「バンザイフォーラム2018」、開催場所「北海道札幌市西区24軒1条7-3-10 株式会社バンザイ札幌支店」、開催日「平成30年9月5日」 [刊行物等] 発行日「平成30年5月2日」、刊行物「BANZAI 総合カタログ 中・大型車整備機器」、公開者「株式会社バンザイ」
(73)【特許権者】
【識別番号】000135737
【氏名又は名称】株式会社バンザイ
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(74)【代理人】
【識別番号】100081787
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 輝晃
(72)【発明者】
【氏名】山本 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】猪口 諭
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕史
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-234498(JP,A)
【文献】実開平02-102862(JP,U)
【文献】実開平06-069038(JP,U)
【文献】登録実用新案第3097255(JP,U)
【文献】特開平05-185911(JP,A)
【文献】特開昭62-173358(JP,A)
【文献】登録実用新案第3073179(JP,U)
【文献】特開2002-308070(JP,A)
【文献】特開2018-090374(JP,A)
【文献】実開平04-137958(JP,U)
【文献】特開2002-127910(JP,A)
【文献】特開2011-168127(JP,A)
【文献】特開2005-138698(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0097509(KR,A)
【文献】中国実用新案第205419658(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 5/00
B66F 7/00-7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に形成したピットと、
該ピット内を長手方向に移動可能な、車両の下面を支承して該車両をリフトアップする移動リフトと、
該移動リフトの前後に連結した前後の移動カバー体と、
該前後の移動カバー体にそれぞれ連結され、前記移動リフトと共に移動しながら、前記ピットの開口部を塞ぐ前後のピットカバーと、
前記移動カバー体に設けた、前記車両の下面を照明する照明手段とよりなることを特徴とする車両整備用リフト装置。
【請求項2】
前記照明手段は、前記移動リフトに連結した移動カバー体の上面に形成した凹部の底面に取り付けた照明灯と、該照明灯の上方で前記凹部の両側の上縁部に係止した半透明板と、該半透明板の上方で前記両側の上縁部に係止した保護板とからなる請求項1に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項3】
前記照明手段は、照度調節手段又は照射方向調節手段を具備する請求項1又は請求項2に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記車両が前記移動リフトの個所に存することを検知する検知手段を具備する請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の車両整備用リフト装置。
【請求項5】
床面に形成したピットと、該ピット内を長手方向に移動可能な、車両の下面を支承して該車両をリフトアップする移動リフトと、該移動リフトの前後に連結した前後の移動カバー体と、該前後の移動カバー体にそれぞれ連結され、前記移動リフトと共に移動しながら、前記ピットの開口部を塞ぐ前後のピットカバーとよりなる車両整備用リフト装置の
前記移動体カバー体に、前記車両の下面を照明する照明手段を設けたことを特徴とする車両整備用リフト装置用の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車整備工場等において点検整備の作業を行い易くする車両整備用リフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の車両整備用リフト装置として、床面に形成したピット内に固定リフトと移動リフトとを有すると共に該移動リフトと共に移動しながら前記ピットの開口部を塞ぐピットカバーを有する装置において、前記ピットカバーは、多数の横長の蓋単体を順次連絡して各連結部において屈折可能な帯状のピットカバーに形成し、前記ピットカバーの両端部の下面に係合するピットカバー用レールを前記ピットの上部開口部に沿って前記ピット内に横設するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-138698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の車両は、安全や環境を考慮し、巻き込み防止や騒音対策として車両の床面が低くなり、車両の下部が見え難くなってきている。このような車両を、この従来の車両整備用リフト装置によりリフトアップするときに、車両の下部が見え難いので、車両のリフティングポイントにリフトのリフト受け部をセットすることが困難であり、又、ハンディライト等を用いて車両の下部を照らしてセット作業するようにしても、ハンディライト等を取り廻す必要があり、作業効率が悪く、リフトアップ時に車両のリフティングポイントがリフトのリフト受け部から外れ、車両の落下や車両の損傷を引き起こす問題点があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解消し、車両の下部が見え難い車両であってもリフトのリフト受け部に車両のリフティングポイントを容易にセット出来て作業効率を向上し、車両の落下や車両の損傷を引き起こすことを防止する車両整備用リフト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成すべく、本発明の車両整備用リフト装置は、床面に形成したピットと、該ピット内を長手方向に移動可能な、車両の下面を支承して該車両をリフトアップする移動リフトと、該移動リフトの前後に連結した前後の移動カバー体と、該前後の移動カバー体にそれぞれ連結され、前記移動リフトと共に移動しながら、前記ピットの開口部を塞ぐ前後のピットカバーと、前記移動カバー体に設けた、前記車両の下面を照明する照明手段とよりなることを特徴とする。また、本発明の車両整備用リフト装置用の照明装置は、床面に形成したピットと、該ピット内を長手方向に移動可能な、車両の下面を支承して該車両をリフトアップする移動リフトと、該移動リフトの前後に連結した前後の移動カバー体と、該前後の移動カバー体にそれぞれ連結され、前記移動リフトと共に移動しながら、前記ピットの開口部を塞ぐ前後のピットカバーとよりなる車両整備用リフト装置の前記移動体カバー体に、前記車両の下面を照明する照明手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の下部が見え難い車両であってもリフトのリフト受け部に車両のリフティングポイントを容易にセット出来て作業効率を向上し、車両の落下や車両の損傷を引き起こすことを防止する車両整備用リフト装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1の要部の平面図である。
図2図1のII-II線切断面図である。
図3】リフト装置の全体の断面図である。
図4】照明手段の制御系のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
【実施例1】
【0010】
本発明の車両整備用リフト装置の実施例1を図面により説明する。
【0011】
図1は本発明の実施例1の要部の平面図、図2図1のII-II線切断面図、図3はリフト装置の全体の断面図、図4は照明手段の制御系のブロック線図である。
【0012】
1は車両の整備工場の床面に形成されピット、2は該ピット1の前方端部に固定された固定リフト、3は該ピット1内を長手方向に移動可能な移動リフトを示し、該移動リフト3は、前記ピット1の上部開口部の両側部に沿って溝状に横設された移動リフト用レールに車輪を係合させて、図示していない走行駆動装置により自力走行可能に形成されている。
【0013】
4A、4Bは前記固定リフト2の前後に連結した固定カバー体、5A、5Bは前記移動リフト3の前後に連結した移動カバー体を示す。
【0014】
6はピットカバーを示し、該ピットカバー6は、蓋単体をを帯状に連結して形成され、前記ピット1内の上部開口部の両側縁部に沿って該ピット1内に横設したピットカバー用レールに前記蓋単体の両側部の下面を係合させて前記ピットカバー6の端部を前記移動カバー体5A、5Bに連結し、前記移動リフト3の移動に伴って前記ピットカバー用レール上を摺動しながら移動するようにした。尚、前記ピットカバー6の他方の端部は前記ピット1の端部において垂れ下がって収納するようになっている。
【0015】
7は照明手段を示し、該照明手段7は、前記固定カバー体4A、4B及び前記移動カバー体5A、5Bのそれぞれの上面に形成した凹部7Aの底面に取り付けた例えばLEDからなる照明灯7Bと、該照明灯7Bの上方に位置し該凹部7Aの両側の上縁に形成の段部間に係止した例えば塩ビ板の如き半透明板7Cと、該半透明板7Cの真上で両端部が前記段部に係止し例えばグレーチングのような多数の透光部を有する保護板7Dとからなる。尚、該保護板7Dは、該保護板7D上に重量物が乗っても前記照明灯7Bを保護するために設けられている。又、周辺部において前記半透明板7Cと前記保護板7Dとの間に該半透明板7Cを保護する金属板7Eを介在した。
【0016】
図4において、8は制御手段、9は照度調節手段、10は照射方向調節手段、11は車両の検知手段を示し、前記制御手段8は前記照度調節手段9と前記照射方向調節手段10と前記検知手段11からの信号を入力して前記各照明灯7Bにそれぞれの制御信号を出力するようにした。
【0017】
次に、上記実施例1の車両整備用リフト装置の作用と効果について説明する。
【0018】
整備工場の点検整備のリフトの個所に車両、即ち、自動車Aを図3に示すように進入させると、前記検知手段11が自動車がリフトの個所にあることを検知し、該検知手段11からの信号を入力した前記制御手段8は出力信号を前記照明灯7Bに出力して全ての照明灯7Bを点灯し前記自動車Aの下面を照らす。
【0019】
このように自動車の下面が照らされているので、自動車Aの下部が見え難くても固定リフト2及び移動リフト3のリフト受け部に自動車Aのリフティングポイントを容易にセット出来る。このとき照明灯7BのLED光源が直接に発光しても前記半透明板7Cにより眩しさがなくなりセット作業効率が向上する。尚、このセット作業を更に容易にするために、前記照度調節手段9を操作し前記制御手段8を介して前記照明灯7Bの照度を調節したり、或いは、前記照射方向調節手段10を操作し前記制御手段8を介して前記照明灯7Bの照射方向を調節するようにしてもよい。この場合、前記照明灯7Bは照射方向が調節可能なように回動可能に前記底面に枢着されている。
【0020】
そして、前記自動車Aをリフトアップして該自動車Aの底面の機器を点検整備するときも、前記照明灯7Bにより該底面の構造体が照らされているので作業がやりやすく作業効率が向上する。
【0021】
このようにして一連の点検整備が終了した後にリフトを下げて前記自動車Aをリフトの個所から退出すると、前記検知手段11からの信号が出力されなくなり前記照明灯7Bが消灯する。
【0022】
尚、前記実施例ではピット1に固定リフト2と移動リフト3を設けた例を示したが、2柱式リフト等の他のリフトにおいても、照明手段をリフトに近設するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、自動車の製造又は点検整備において車両のリフトアップや点検整備作業を効率的に行うのに利用される。
【符号の説明】
【0024】
2 固定リフト
3 移動リフト
4A 固定カバー体
4B 固定カバー体
5A 移動カバー体
5B 移動カバー体
7 照明手段
7A 凹部
7B 照明灯
7C 半透明板
7D 保護板
9 照度調節手段
10 照射方向調節手段
11 検出手段
図1
図2
図3
図4