(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/06 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
H01H25/06 E
(21)【出願番号】P 2018232314
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000220491
【氏名又は名称】東京測定器材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】向井 直基
(72)【発明者】
【氏名】土井 雄貴
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-317376(JP,A)
【文献】特開2017-091611(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042857(WO,A1)
【文献】特許第4104212(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸部を有するケースと、
前記支持軸部に回転可能に且つ前記支持軸部の軸方向に移動可能に支持された筒状の操作部と、
前記操作部の先端部に設けられ、前記操作部に相対回転可能に且つ前記支持軸部の軸方向に一体移動可能に前記操作部に設けられると共に、前記支持軸部の周方向に相対移動不能に且つ前記支持軸部の軸方向に相対移動可能に前記支持軸部に係合された意匠部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記意匠部及び前記支持軸部の一方には、前記支持軸部の軸方向に延在された一対の係合軸が形成されており、
前記意匠部及び前記支持軸部の他方には、前記係合軸が相対移動可能に挿入され且つ前記支持軸部の周方向において前記係合軸と係合された一対の軸受部が形成されている請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
一対の前記係合軸の直径が、互いに異なる寸法に設定されている請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作部の先端部には、前記操作部の先端側へ開放された凹状の収容部が形成されると共に、前記収容部を閉塞する蓋部が設けられており、
前記意匠部が前記収容部の内部に収容されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項5】
意匠部は、
前記支持軸部に係合されたサポート部材と、
前記サポート部材に支持される共に、標示エリアを有する標示部材と、
を含んで構成されている請求項1~請求項4の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記支持軸部は、筒状に形成されており、
前記支持軸部の内部には、前記標示エリアを照射する光源が設けられている請求項5に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の複合スイッチ装置(操作装置)は、押圧操作可能に構成されたスイッチノブと、回転操作可能に構成されたダイヤルノブと、を有している。また、スイッチノブには、シンボルマーク等が表示された意匠プレート(意匠部)が視認可能に設けられている。これにより、ダイヤルノブが回転操作されるときには、スイッチノブ(すなわち、意匠プレート)が回転しないため、複合スイッチ装置の意匠性を損なうことなく、ダイヤルノブの回転操作を行うことができる。
【0003】
ところで、操作装置では、ダイヤルノブとスイッチノブを一体にした操作ノブ(操作部)を有するものがある。すなわち、この操作装置では、操作ノブが回転操作可能に且つ押圧操作可能に構成されている。また、この操作装置では、操作装置の意匠性を確保するために、操作ノブの回転操作時に、意匠部を回転不能に構成する必要がある。すなわち、この場合には、例えば、操作ノブとは別部材(操作ノブを支持するための支持部材(ケース)等)に意匠部を設けると共に、操作ノブの先端部にレンズなどを設けて、意匠部をレンズから視認可能にする構造が考えられる。これにより、操作ノブの回転操作時には、意匠部が回転しないため、操作装置の意匠性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の操作装置では、操作ノブの押圧操作において操作ノブ(レンズ)が意匠部に対して相対移動するため、操作ノブの初期位置において、意匠部を操作ノブ(レンズ)に対して離間して配置させる必要がある。このため、例えば、操作ノブを斜めに見たときに、操作ノブの外周部によって意匠部が遮られて、意匠部の視認性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、意匠部の視認性を向上することができる操作装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、支持軸部を有するケースと、前記支持軸部に回転可能に且つ前記支持軸部の軸方向に移動可能に支持された筒状の操作部と、前記操作部の先端部に設けられ、前記操作部に相対回転可能に且つ前記支持軸部の軸方向に一体移動可能に前記操作部に設けられると共に、前記支持軸部の周方向に相対移動不能に且つ前記支持軸部の軸方向に相対移動可能に前記支持軸部に係合された意匠部と、を備えた操作装置である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記意匠部及び前記支持軸部の一方には、前記支持軸部の軸方向に延在された一対の係合軸が形成されており、前記意匠部及び前記支持軸部の他方には、前記係合軸が相対移動可能に挿入され且つ前記支持軸部の周方向において前記係合軸と係合された一対の軸受部が形成されている操作装置である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、一対の前記係合軸の直径が、互いに異なる寸法に設定されている操作装置である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記操作部の先端部には、前記操作部の先端側へ開放された凹状の収容部が形成されると共に、前記収容部を閉塞する蓋部が設けられており、前記意匠部が前記収容部の内部に収容されている操作装置である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、意匠部は、前記支持軸部に係合されたサポート部材と、前記サポート部材に支持される共に、標示エリアを有する標示部材と、を含んで構成されている操作装置である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記支持軸部は、筒状に形成されており、前記支持軸部の内部には、前記標示エリアを照射する光源が設けられている操作装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、意匠部の視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態に係る照明構造が適用された操作装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示される操作装置の縦断面図(
図1の2-2線断面図)である。
【
図3】
図1に示される操作装置の縦断面図(
図1の3-3線断面図)である。
【
図4】
図1に示される操作装置の分解斜視図である。
【
図6】(A)は、
図4に示される第1レンズのケースへの組付前の状態を示す斜視図であり、(B)は、
図4に示される第2レンズのケースへの組付前の状態を示す斜視図である。
【
図7】(A)は、
図6(A)に示される第1レンズを湾曲させた状態で示す平面図であり、(B)は、
図6(B)に示される第2レンズを湾曲させた状態で示す平面図である。
【
図8】(A)は、
図2に示されるダイヤル本体の上端部の周辺を拡大して示す拡大断面図であり、(B)は、(A)のダイヤル本体を初期位置から押圧操作位置に押圧した状態を示す拡大断面図である。
【
図9】(A)は、比較例の操作装置におけるダイヤル本体の上端部の周辺を拡大して示す拡大断面図であり、(B)は、(A)のダイヤル本体を初期位置から押圧操作位置に押圧した状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る操作装置10について説明する。この操作装置10は、例えば、図示しない各種工作機械に組付けられて、当該工作機械の操作部として構成されている。
【0016】
図1~
図4に示されるように、操作装置10は、全体として、略段付き円柱状に形成されている。そして、以下の説明では、操作装置10の軸方向一方側(
図2~
図4の矢印A方向側)を操作装置10の上側とし、操作装置10の軸方向他方側(
図2~
図4の矢印B方向側)を操作装置10の下側としている。そして、以下の説明において、上下の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、操作装置10の上下方向を示すものとする。
【0017】
操作装置10は、操作装置10の下部を構成するパネル部材12と、パネル部材12の内部に収容されたケースユニット20及び回路基板60と、操作装置10の上端側の部分を構成するダイヤルユニット40と、を含んで構成されている。また、ダイヤルユニット40の上部が、パネル部材12よりも上側へ突出されて、工作機械の外側へ操作可能に露出されている。そして、操作装置10では、ダイヤルユニット40を操作装置10の軸線AL回りに回転させる回転操作と、ダイヤルユニット40を下側へ押圧させる押圧操作と、の2つの操作が可能に構成されている。以下、操作装置10の各構成について説明する。
【0018】
(パネル部材12について)
パネル部材12は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。パネル部材12の外周部には、複数(本実施の形態では、3箇所)のリテーナ14が固定されており、リテーナ14は、パネル部材12の周方向に等間隔毎の配置されている。そして、パネル部材12が、リテーナ14によって工作機械に組付けられて、操作装置10が工作機械に固定されている。
【0019】
パネル部材12の上壁には、中心部において、上側へ開放された支持凹部12Aが形成されており、支持凹部12Aは、略有底円筒状に形成され、パネル部材12の上壁から下側へ突出されている。また、支持凹部12Aの底壁には、支持孔部12Bが貫通形成されている。さらに、パネル部材12の上壁には、支持凹部12Aの径方向外側において、照明用孔部12Cが貫通形成されており、照明用孔部12Cは、パネル部材12の周方向を長手方向とする長孔状形成されている。詳しくは、照明用孔部12Cは、上側から見た平面視で、パネル部材12の径方向外側へ開放されたC字形状(円弧状)に湾曲している。また、パネル部材12の上壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)のパネル側固定ボス12D(
図3参照)が形成されている(
図3では、1箇所のパネル側固定ボス12Dのみ図示している)。パネル側固定ボス12Dは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、パネル部材12の上壁から下側へ突出されると共に、パネル部材12の周方向に等間隔毎の配置されている。
【0020】
パネル部材12の開口部には、カバー16が設けられており、カバー16は、上下方向を板厚方向とした略円板状に形成されている。カバー16には、パネル部材12のパネル側固定ボス12Dに対応する位置において、3箇所のカバー側固定ボス16Aが形成されている。カバー側固定ボス16Aは、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されて、カバー16から上側へ延出されており、カバー側固定ボス16Aの内部が、上下に貫通している。そして、ネジSCが、カバー側固定ボス16A内に下側から挿入され、パネル側固定ボス12Dに螺合されることで、カバー16がパネル部材12の開口部を閉塞した状態でパネル部材12に固定されている。なお、カバー16の固定状態では、カバー16のカバー側固定ボス16A及びパネル部材12のパネル側固定ボス12Dが、後述するケース22及び回路基板60を挟み込んでいる(
図3参照)。
【0021】
パネル部材12の上面には、外周部において、上側へ突出されたインジケータ収容部12Eが形成されており、インジケータ収容部12Eは、比較的底の浅い、上側へ開放された略円環凹状に形成されている。このインジケータ収容部12Eの内部には、インジケータ部材18が配置されている。インジケータ部材18は、無色透明のガラス材によって構成されると共に、上下方向を板厚方向とする円環板状に形成されている。そして、インジケータ部材18の下面がインジケータ収容部12Eの底面に両面テープによって貼着されている。なお、インジケータ部材18を、無色透明の樹脂材(一例としてポリカーボネート等)によって構成してもよい。
【0022】
インジケータ部材18は、照明部18Aを有しており、照明部18Aは、後述する第1レンズ34及び第2レンズ36の導光部38により導かれた光によって照明されるようになっている。すなわち、インジケータ部材18の表面には、照明部18Aを構成する部位以外の部分に、印刷が施されており、照明部18Aが形成されている。この照明部18Aは、平面視で、パネル部材12の周方向に沿った曲線状に形成されると共に、円弧状に湾曲している。また、照明部18Aが、上下方向においてパネル部材12の照明用孔部12Cと対向配置されている。
【0023】
(ケースユニット20について)
図2~
図4に示されるように、ケースユニット20は、ケース22と、ロータ30と、プッシュサポート32と、第1レンズ34と、第2レンズ36と、を含んで構成されている。
【0024】
<ケース22について>
図5にも示されるように、ケース22は、全体として上側へ開放された有底円筒状に形成されて、パネル部材12の内部に配置されている。ケース22の底壁の外周側の部分には、パネル部材12のパネル側固定ボス12Dに対応する位置において、3箇所のケース側固定ボス22Aが形成されている。ケース側固定ボス22Aは、上下方向を軸方向とする円筒状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出しており、ケース側固定ボス22Aの内部が、上下方向に貫通している。そして、前述したネジSCが、ケース側固定ボス22A内に挿入されて、ケース22が、後述する回路基板60及びパネル部材12によって上下方向に挟み込まれている(
図3参照)。
【0025】
ケース22の外周側壁は、2重壁構造を成している。すなわち、ケース22の外周側壁は、第1外周壁22Bと、第1外周壁22Bの径方向内側に配置された第2外周壁22Cと、によって構成されている。そして、第1外周壁22Bの下端部と第2外周壁22Cの下端部とが、複数の支持壁22D(
図5参照)によって連結されている。この支持壁22Dは、平面視で、ケース22の中心から放射状に延在されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。なお、複数の支持壁22Dは、ケース22の周方向全体に形成されておらず、前述したインジケータ部材18の照明部18Aに対応する位置に形成されている。
【0026】
そして、ケース22における、第1外周壁22Bと第2外周壁22Cとの間の空間が、後述する第1レンズ34及び第2レンズ36の導光部38を収容するためのレンズ収容部22Eとして構成されており、レンズ収容部22Eは、平面視で、インジケータ部材18の照明部18Aと重なる位置に配置されている。また、第1外周壁22B、第2外周壁22C、周方向に隣り合う支持壁22Dによって囲まれた空間が、レンズ挿入孔22F(
図5参照)として構成されている。
【0027】
また、ケース22の底壁には、中央部において、「支持軸部」としての支持筒部22Gが形成されている。支持筒部22Gは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出している。また、支持筒部22Gの内径が下側へ向かうにつれて小さくなるように設定されており、支持筒部22Gの内部は上下に貫通している。
【0028】
支持筒部22Gの上端部には、支持筒部22Gの径方向内側へ張り出された一対の張出部22Hが形成されており、一対の張出部22Hは、支持筒部22Gの周方向に180度離間して配置されている。一方の張出部22Hには、上側へ開放された凹状の「軸受部」としての第1軸受部22J1が形成されており、他方の張出部22Hには、上側へ開放された凹状の「軸受部」としての第2軸受部22J2が形成されている。第1軸受部22J1及び第2軸受部22J2は、平面視で円形状に形成されており、第1軸受部22J1の内径が、第2軸受部22J2の内径よりも小さく設定されている。
【0029】
ケース22の底壁には、支持筒部22Gの径方向外側において、一対の配置孔22Kが貫通形成されており、配置孔22Kは、平面視で略矩形状に形成されて、ケース22の周方向に180度離間して配置されている。さらに、ケース22の底壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)の支持ボス22Lが形成されている。支持ボス22Lは、上下方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。
【0030】
支持ボス22Lには、圧縮コイルスプリングとして構成されたリターンスプリング24(
図3参照)が装着されており、リターンスプリング24の下端部が、ケース22の底壁に係止され、リターンスプリング24の上端部が、後述するプッシュサポート32に係止されている。
【0031】
ケース22の底壁には、上側へ開放され且つ下側へ突出された収容凹部22Mが形成されている。収容凹部22Mには、圧縮コイルスプリングとして構成された節度スプリング26(
図3参照)が収容されている。また、収容凹部22Mには、球状のボール28(
図3参照)が収容されており、ボール28は、節度スプリング26の上側に配置されている。
【0032】
また、ケース22の底壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)の係合爪22Pが形成されており、係合爪22Pは、ケース22の底壁から上側へ突出されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。
【0033】
<ロータ30について>
図2及び
図3に示されるように、ロータ30は、下側へ開放された比較的底の浅い有底円筒状に形成されている。ロータ30の上壁には、ロータ側挿通孔30Aが貫通形成されている。そして、ケース22における支持筒部22Gの下端部がロータ側挿通孔30A内を挿通した状態で、ロータ30がケース22の内部に回転可能に収容されている。また、ロータ30の下端側の外周部には、径方向外側へ張出されたフランジ30Bが形成されている。そして、ロータ30のケース22への収容状態では、フランジ30Bが、ケース22の係合爪22P(
図3では、不図示)と係合して、ロータ30の上側への移動が制限されている。また、フランジ30Bの下面には、前述したボール28に対応する位置において、複数の節度山30Cが形成されており、この節度山30Cはロータ30の周方向に沿って配置されている。そして、前述したボール28が、隣り合う節度山30Cの間に配置されている。
【0034】
<プッシュサポート32について>
プッシュサポート32は、上下方向を板厚方向とした円環板状に形成されて、ロータ30の内部に配置されている。このプッシュサポート32には、ケース22の支持ボス22Lに対応する位置において、孔部32Aが貫通形成されている。そして、支持ボス22Lが孔部32A内に相対移動可能に挿入されており、前述したリターンスプリング24の上端部がプッシュサポート32の下面に係止されている。これにより、リターンスプリング24の付勢力によって、プッシュサポート32が上側へ付勢されて、ロータ30の上壁に当接している。
【0035】
<第1レンズ34及び第2レンズ36について>
図2~
図4、
図6、及び
図7に示されるように、第1レンズ34は、複数(本実施の形態では、13個)の導光部38と、複数の導光部38を連結する第1連結部34Aと、を含んで構成されている。また、第1レンズ34は、無色透明の透光性を有する樹脂材(本実施の形態では、一例としてポリカーボネート)によって構成されている。
【0036】
導光部38は、上下方向に延在された略矩形柱状に形成されており、複数の導光部38が、導光部38の幅方向に所定の間隔を空けて配置されている。具体的には、隣り合う導光部38の間隔が、ケース22におけるレンズ挿入孔22Fの一つ置きの間隔と一致している。また、導光部38の下端部は、挿入部38Aとして構成されており、挿入部38Aの幅寸法が、導光部38の上端側の幅寸法と比べて小さく設定されている。詳しくは、平面視で、挿入部38Aの外形が、ケース22のレンズ挿入孔22Fの形状と一致するように形成されている。また、導光部38の上端側部分には、厚み方向一方側へ突出された突起38Bが形成されている。なお、第1レンズ34と、後述する第2レンズ36と、を区別するために、第1レンズ34では、第1レンズ34の長手方向両端部、及び長手方向中央部に配置された、導光部38において、突起38Bが省略されている。また、第1レンズ34の長手方向両端部及び長手方向中央部に配置された導光部38において、突起38Bを省略することで、パネル部材12のパネル側固定ボス12Dと導光部38との干渉を抑制するようになっている。
【0037】
第1連結部34Aは、導光部38の幅方向に延在された略矩形棒状に形成されている。そして、第1連結部34Aが、導光部38の上端側部分の厚み方向他方側部分に一体に形成されている。これにより、導光部38の幅方向の側面38Cが、下端から上端まで形成された状態で、複数の導光部38が一体に形成されている。また、第1レンズ34のケース22への組付前の状態では、第1レンズ34は、導光部38の幅方向に直線状に延在されている(
図6(A)参照)。
【0038】
そして、第1レンズ34が、ケース22に組付けられて、ケース22のレンズ収容部22E内に収容されている。具体的には、第1連結部34Aが、平面視で円弧状に屈曲され(
図7(A)参照)、導光部38の挿入部38Aが、ケース22のレンズ挿入孔22F内に挿入されている。これにより、導光部38の下端部が、ケース22の支持壁22Dによって支持されている。また、このときには、第1レンズ34の導光部38が、ケース22の周方向に並ぶ一つ置きのレンズ挿入孔22Fに対応して配置されている。また、第1レンズ34のケース22への組付状態では、導光部38の突起38Bの下面が、ケース22の第2外周壁22Cの上面に当接しており、導光部38の第1連結部34Aの下面が、ケース22の第1外周壁22Bの上面に当接している。さらに、第1レンズ34における導光部38の上端部が、パネル部材12の照明用孔部12C内に挿入されて、導光部38が、インジケータ部材18の照明部18Aの下側に近接して配置されている。
【0039】
第2レンズ36は、以下に示す点を除いて、第1レンズ34と同様に形成されている。すなわち、第2レンズ36では、第1レンズ34で用いた複数(本実施の形態では、12個)の導光部38を有しており、これら導光部38が、第2連結部36Aによって連結されている。
【0040】
第2連結部36Aは、導光部38の幅方向に延在された略矩形棒状に形成されて、第2連結部36Aが、導光部38の上端側部分の厚み方向他方側部分に一体に形成されている。また、第2レンズ36では、第2連結部36Aが第1レンズ34の第1連結部34Aよりも上側に配置されている。さらに、第2レンズ36においても、第2レンズ36のケース22への組付前の状態では、第2レンズ36が、導光部38の幅方向に直線状に延在されている(
図6(B)参照)。また、第1レンズ34の長手方向の長さが、第2レンズ36の長手方向の長さよりも長くなっている。
【0041】
そして、第2レンズ36が、ケース22に組付けられて、ケース22のレンズ収容部22E内に収容されている。具体的には、第2連結部36Aが、平面視で円弧状に屈曲され(
図7(B)参照)、第2レンズ36の導光部38が、第1レンズ34の隣り合う導光部38の間に挿入されている。また、第2レンズ36のケース22への組付状態では、導光部38の挿入部38Aが、ケース22のレンズ挿入孔22F内に挿入され、導光部38の突起38Bの下面が、ケース22の第2外周壁22Cの上面に当接し、導光部38の第2連結部36Aの下面が、第1レンズ34の第1連結部34Aの上面に当接している。さらに、第2レンズ36における導光部38の上端部が、パネル部材12の照明用孔部12C内に挿入されて、導光部38が、インジケータ部材18の照明部18Aの下側に近接して配置されている。
【0042】
以上説明したように、第1レンズ34及び第2レンズ36のケース22への組付状態では、第1レンズ34の導光部38と第2レンズ36の導光部38が、ケース22の周方向に交互に配置されると共に、ケース22の周方向に隣接して配置されている。換言すると、レンズ収容部22Eに隣接配置された複数の導光部38が、第1レンズ34を構成する郡と、第2レンズ36を構成する郡と、の2つの群に分かれている。そして、第1レンズ34を構成する複数の導光部38が第1連結部34Aによって連結されており、第2レンズ36を構成する複数の導光部38が第2連結部36Aによって連結されている。
【0043】
また、導光部38のケース22への組付状態では、隣接する導光部38の幅方向の側面38Cが、ケース22の周方向において、互いに対向して配置されるように、導光部38の形状が設定されている。すなわち、隣接する導光部38の幅方向の側面38C同士が、略平行に配置されて、互いに密着するように導光部38が配置されている。
【0044】
(ダイヤルユニット40について)
図1~
図4に示されるように、ダイヤルユニット40は、操作装置10の軸線AL回りに回転操作可能に、且つ下側へ押圧操作可能に、ケース22の支持筒部22Gに装着されている。このダイヤルユニット40は、「操作部」としてのダイヤル本体42と、「意匠部」としての意匠プレートユニット43と、「蓋部」としてのダイヤルキャップ48と、を含んで構成されている。
【0045】
<ダイヤル本体42について>
ダイヤル本体42は、全体として上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。ダイヤル本体42は、内筒42Aと、外筒42Bと、を含んで構成され、外筒42Bが、内筒42Aの上部に対して径方向外側に配置されており、外筒42Bの下端部が、径方向内側に屈曲されて、内筒42Aの軸方向中間部に接続されている。そして、ケース22の支持筒部22Gが内筒42Aの内部に挿入され、ダイヤル本体42が、支持筒部22Gに、軸線AL回りに回転可能に且つ上下方向に移動可能に支持されている。また、この状態では、内筒42Aが、パネル部材12の支持孔部12B内を挿通しており、外筒42Bの下端部の一部が、パネル部材12の支持凹部12Aの開口部内に配置されている。
【0046】
内筒42Aの下端側の部分には、複数(本実施の形態では、4箇所)の係合爪42Cが形成されており、係合爪42Cが、パネル部材12における支持孔部12Bの下側の周縁部に係合している。これにより、ダイヤル本体42の上側への移動が制限されている。内筒42Aの下端部には、下側へ開放された係合溝42Dが形成されている。そして、ロータ30の係合部(図示省略)が係合溝42D内に下側から挿入されて、ロータ30及び内筒42Aがダイヤル本体42の周方向に係合している。これにより、ロータ30及び内筒42Aが一体回転可能に構成されている。
【0047】
また、ダイヤル本体42の下端部は、ロータ30のロータ側挿通孔30A内を挿通して、プッシュサポート32の上側に隣接して配置されている。これにより、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が、プッシュサポート32によって下側から支持されており、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が初期位置(
図2、
図3、及び
図8(A)に示される位置)に配置されている。一方、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が押圧操作されると、リターンスプリング24がさらに圧縮変形して、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が、
図8(B)に示される押圧操作位置に移動するようになっている。さらに、ダイヤル本体42に対する操作力が解除されたときには、リターンスプリング24の付勢力によってダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が押圧操作位置から初期位置に復帰する構成になっている。
【0048】
また、内筒42Aにおける上端側(先端側)の開口部の内周部には、後述する意匠プレートユニット43を受けるための「収容部」としての受け部42Eが形成されている。受け部42Eは、断面視で、上側及び内筒42Aの径方向内側へ開放された凹状に形成されて、内筒42Aの周方向全周に亘って形成されている。
【0049】
<意匠プレートユニット43について>
図2及び
図3に示されるように、意匠プレートユニット43は、「サポート部材」としてのサポートプレート44と、「標示部材」としての標示プレート46と、を含んで構成されている。
【0050】
サポートプレート44は、上下方向を板厚方向とし且つ円環板状に形成されたプレート本体44Aを有している。そして、プレート本体44Aがダイヤル本体42の受け部42Eの内部に収容されて、プレート本体44Aが受け部42E上に載置されている。
【0051】
また、サポートプレート44は、一対の「係合軸」としての第1軸部44B1及び第2軸部44B2を有している。第1軸部44B1及び第2軸部44B2は、上下方向を軸方向とした円柱状に形成され、プレート本体44Aから下側へ延出されていると共に、プレート本体44Aの周方向に180度離間して配置されている。第1軸部44B1は、ケース22の第1軸受部22J1と対を成し、第2軸部44B2は、ケース22の第2軸受部22J2と対を成しており、第1軸部44B1の直径が、第2軸部44B2の直径よりも小さく設定されている。そして、第1軸部44B1が、第1軸受部22J1内に上下方向に相対移動可能に挿入されており、第2軸部44B2が、第2軸受部22J2内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。このため、サポートプレート44が、ケース22の周方向において支持筒部22Gと係合して、サポートプレート44の回転がケース22(支持筒部22G)によって制限されている。すなわち、ダイヤルユニット40が回転操作されたときには、ダイヤル本体42が、サポートプレート44に対して相対回転する構成になっている。
【0052】
プレート本体44Aの上面には、外周部において、上側へ突出されたリブ44Cが形成されており、リブ44Cは、プレート本体44Aの周方向に沿って延在されると共に、プレート本体44Aの周方向全周に亘って形成されている。また、サポートプレート44がダイヤル本体42の受け部42Eに収容された状態において、リブ44Cが、ダイヤル本体42の上面よりも上側に突出しないように、リブ44Cの突出高さが設定されている。
【0053】
標示プレート46は、サポートプレート44の上面に設けられると共に、リブ44Cの径方向内側に配置されている。この標示プレート46は、無色透明の透光性を有する樹脂材(本実施の形態では、一例としてポリカーボネート)によって構成されると共に、上下方向を厚み方向とした円形シート状に形成されている。そして、標示プレート46の外周部の下面が、プレート本体44Aの上面に両面テープによって貼着されている。また、標示プレート46の中央部は、標示エリア46A(
図1のハッチングが施された部分を参照)として構成されており、標示エリア46Aには、図示しないシンボルマークが形成されている。具体的には、標示エリア46Aのシンボルマーク以外の部分に、印刷等が施されて、標示エリア46Aにシンボルマークが形成されている。
【0054】
<ダイヤルキャップ48>
ダイヤルキャップ48は、無色透明の樹脂材によって構成されると共に、上下方向を板厚方向とした円板状に形成されている。そして、ダイヤルキャップ48の外周部の下面が、ダイヤル本体42の内筒42A及び外筒42Bの上面に両面テープによって貼着されている。これにより、ダイヤル本体42の受け部42Eがダイヤルキャップ48によって閉塞されて、意匠プレートユニット43の上側への移動がダイヤルキャップ48によって制限されている。つまり、上下方向において意匠プレートユニット43がダイヤル本体42と一体移動可能に構成されており、ダイヤル本体42が押圧操作されるときには、意匠プレートユニット43が、ダイヤル本体42と一体に、ケース22の支持筒部22Gに対して上下方向に相対移動する構成になっている。なお、ダイヤルキャップ48は、意匠プレートユニット43の上側に近接して配置されており、ダイヤルキャップ48と意匠プレートユニット43との間には、所定の隙間G1(
図8(A)及び(B)参照)が形成されている。
【0055】
ダイヤルキャップ48の中央部(詳しくは、標示プレート46の標示エリア46Aと上下方向に対向配置される部分)は、レンズ部48Aとして構成されており、標示プレート46のシンボルマークがレンズ部48Aを介して視認可能に構成されている。
【0056】
なお、ダイヤルユニット40は、ダイヤル本体42の上部を覆うダイヤルカバー50(
図1~
図3参照)を有しており、ダイヤルカバー50は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ダイヤルカバー50の上壁には、円形の露出孔50Aが貫通形成されている。そして、ダイヤルカバー50が、ダイヤル本体42の外筒42Bに組付けられて、ダイヤル本体42に固定されている。
【0057】
(回路基板60について)
図2~
図4に示されるように、回路基板60は、上下方向を板厚方向とした略円板状に形成されている。回路基板60は、ケース22の底壁とカバー16との間に配置されて、ケース22の底壁及びカバー16のカバー側固定ボス16Aによって上下挟み込まれた状態に固定されている。すなわち、回路基板60が、ケース22の下面に密着した状態で、ケース22の下側に隣接配置されている。なお、回路基板60には、ネジSCが挿通される挿通孔60Aが貫通形成されている。
【0058】
回路基板60の上面の外周部には、複数(本実施の形態、27個)のインジケータ用光源62が実装されている。すなわち、インジケータ用光源62が、インジケータ部材18に対してインジケータ部材18の裏面側(仮面側)に離間して配置されている。インジケータ用光源62は、LED(light emitting diode)によって構成されて、発光した光を上側へ照射するように構成されている。複数のインジケータ用光源62は、ケース22のレンズ挿入孔22F内にそれぞれ配置されている。すなわち、複数のインジケータ用光源62は、第1レンズ34及び第2レンズ36の導光部38に対応した位置に配置されて、対応する導光部38の真下にそれぞれ配置されている。よって、複数のインジケータ用光源62が、平面視で、インジケータ部材18の照明部18Aの長手方向に沿って並んでいる。これにより、インジケータ用光源62が発光することにより、発光した光が、導光部38を透過して、インジケータ部材18の照明部18Aを照射する構成になっている。
【0059】
また、回路基板60には、制御部70が電気的に接続されており、制御部70は、後述するダイヤルユニット40の回転操作を検知して、各々のインジケータ用光源62の点灯又は消灯を制御するようになっている。これにより、制御部70の制御によって、各々のインジケータ用光源62が点灯又は消灯することで、インジケータ部材18の照明部18Aが、所定の範囲(長さ)で照明されるようになっている。
【0060】
また、回路基板60の上面における中央部には、「光源」としての標示用光源64が実装されている。標示用光源64は、LED(light emitting diode)によって構成されて、発光した光を上側へ照射するように構成されている。さらに、標示用光源64は、ケース22の支持筒部22Gの下端部内に配置されて、標示プレート46の標示エリア46Aを照射するようになっている。これにより、標示エリア46A内のシンボルマークが照明される構成になっている。
【0061】
また、回路基板60の上面には、一対のタクトスイッチ66が実装されている。タクトスイッチ66は、ケース22の配置孔22K内に配置されると共に、プッシュサポート32の下側に隣接して配置されている。そして、ダイヤルユニット40の押圧操作には、プッシュサポート32がタクトスイッチ66を押圧して、タクトスイッチ66が操作装置10の押圧操作を検出するようになっている。
【0062】
(作用及び効果)
次に、操作装置10の操作を、比較例の操作装置100と比較しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0063】
初めに、比較例の操作装置100について、
図9を用いて説明する。なお、
図9では、操作装置100において、本実施の形態の操作装置10と同様に構成された部分には、同一の符号を付している。
すなわち、比較例の操作装置100では、本実施の形態の意匠プレートユニット43において、サポートプレート44が省略されており、標示プレート46が、ケース22の支持筒部22Gの上端面に貼着されている。換言すると、標示プレート46が、ダイヤル本体42に設けられておらず、ケース22に設けられている。また、標示プレート46がダイヤルキャップ48の下側に所定の隙間G2を空けて配置されている。そして、ダイヤルユニット40(ダイヤル本体42)を回転操作したときには、ダイヤル本体42が支持筒部22G及び標示プレート46に対して相対回転される。これにより、ダイヤル本体42の回転操作時には、標示プレート46がダイヤル本体42と一体に回転しないため、標示プレート46のシンボルマークを容易に確認することができる。したがって、回転操作時における操作装置100の意匠性を確保することができる。
【0064】
一方、
図9(B)に示されるように、比較例の操作装置100において、ダイヤルユニット40(ダイヤル本体42)を押圧操作したときには、ダイヤル本体42及びダイヤルキャップ48が、標示プレート46に対して下側へ相対移動(接近)して、押圧操作位置に配置される。すなわち、比較例の操作装置100では、押圧操作位置での隙間G2が初期位置での隙間G2と比べて狭くなる。このため、
図9(A)に示されるように、比較例の操作装置100では、初期位置における隙間G2を、ダイヤル本体42の操作ストロークよりも大きくする必要がある。これにより、初期位置における隙間G2が比較的広くなる。その結果、比較例の操作装置100では、操作装置100の軸線ALに対して傾斜する方向から標示プレート46を見たときに、ダイヤルキャップ48の外周部によって標示プレート46の標示エリア46Aが遮られて、標示プレート46に対する視認性が低下する可能性がある。また、初期位置での隙間G2と押圧操作位置での隙間G2とが異なる隙間になる。この点においても、標示プレート46に対する視認性が低下する可能性がある。
【0065】
これに対して、本実施の形態の操作装置10では、意匠プレートユニット43が、ダイヤル本体42に設けられると共に、ダイヤル本体42に対して相対回転可能に且つ上下方向に一体移動可能に構成されている。また、意匠プレートユニット43は、ケース22の支持筒部22Gに対して、支持筒部22Gの周方向(ダイヤル本体42の回転方向)に相対移動不能に且つ上下方向に相対移動可能に係合されている。
【0066】
このため、本実施の形態の操作装置10において、ダイヤル本体42を回転操作したときには、意匠プレートユニット43がケース22の支持筒部22Gに係合して、ダイヤル本体42が意匠プレートユニット43に対して相対回転する。これにより、ダイヤル本体42の回転操作時には、意匠プレートユニット43の標示プレート46がダイヤル本体42と一体に回転しないため、標示プレート46のシンボルマークを容易に確認することができる。したがって、比較例の操作装置100と同様に、回転操作時における操作装置10の意匠性を確保することができる。
【0067】
一方、
図8(B)に示されるように、本実施の形態の操作装置10において、ダイヤルユニット40(ダイヤル本体42)を押圧操作したときには、意匠プレートユニット43が、ダイヤル本体42及びダイヤルキャップ48と共に、ケース22の支持筒部22Gに対して下側へ相対変位する。このため、標示プレート46とダイヤルキャップ48との間の隙間G1を、ダイヤル本体42の操作ストロークに関係なく、一定の隙間に設定することができる(
図8(A)及び(B)参照)。これにより、初期位置における隙間G1を、比較例の隙間G2よりも小さく設定することができる。換言すると、標示プレート46をダイヤルキャップ48の下側に近接して配置することができる。その結果、本実施の形態の操作装置10では、操作装置10の軸線ALに対して傾斜する方向から標示プレート46を見たときに、ダイヤルキャップ48の外周部によって標示プレート46の標示エリア46Aが遮られることを抑制できる。また、初期位置での隙間G1と押圧操作位置での隙間G1とを同じ隙間に設定することができる。以上により、標示プレート46(意匠プレートユニット43)に対する視認性を向上することができる。
【0068】
また、意匠プレートユニット43のサポートプレート44は、一対の第1軸部44B1及び第2軸部44B2を有しており、第1軸部44B1及び第2軸部44B2は、上下方向を軸方向としてサポートプレート44から下側へ延出されている。また、ケース22の支持筒部22Gには、一対の第1軸受部22J1及び第2軸受部22J2が形成されている。そして、第1軸部44B1が、第1軸受部22J1に相対移動可能に挿入されており、第2軸部44B2が第2軸受部22J2に相対移動可能に挿入されている。これにより、支持筒部22Gの周方向において意匠プレートユニット43を支持筒部22Gに係合させつつ、上下方向において意匠プレートユニット43を支持筒部22Gに対して相対移動させることができる。したがって、簡易な構成で、意匠プレートユニット43を、ケース22の支持筒部22Gに対して、支持筒部22Gの周方向(ダイヤル本体42の回転方向)に相対移動不能に且つ上下方向に相対移動可能にすることができる。
【0069】
また、サポートプレート44の第1軸部44B1の直径と第2軸部44B2の直径とが異なる寸法に設定されている。具体的には、第1軸部44B1の直径が、第2軸部44B2の直径よりも小さく設定されている。これにより、意匠プレートユニット43が設けられたダイヤル本体42をケース22に組付けるときに、標示プレート46をケース22に対して正規の向きに組付けることができる。したがって、ダイヤル本体42のケース22への組付作業性を向上することができる。
【0070】
また、ダイヤル本体42の内筒42Aには、上側へ開放された凹状の受け部42Eが形成されており、受け部42Eの内部に意匠プレートユニット43が収容されている。また、ダイヤル本体42には、ダイヤルキャップ48が設けられており、ダイヤルキャップ48は、受け部42Eを閉塞している。これにより、簡易な構成で、意匠プレートユニット43を、ダイヤル本体42に対して、相対回転可能に且つ上下方向に相対移動不能にすることができる。
【0071】
また、意匠プレートユニット43は、ケース22の支持筒部22Gに係合されたサポートプレート44と、サポートプレート44に支持された標示プレート46と、を含んで構成されている。このため、意匠プレートユニット43において標示プレート46を適宜変更することで、シンボルマークの異なる操作装置に容易に対応することができる。
【0072】
また、ケース22の下側には、回路基板60が設けられている。回路基板60の上面には、標示用光源64が実装されており、標示用光源64は、ケース22の支持筒部22Gの下端部内に配置されている。そして、制御部70の制御により標示用光源64が発光すると、標示用光源64によって、標示プレート46の標示エリア46Aを照射される。これにより、夜間における、標示プレート46の視認性を向上することができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、一対の第1軸部44B1及び第2軸部44B2が、意匠プレートユニット43のサポートプレート44に形成され、一対の第1軸受部22J1及び第2軸受部22J2が、ケース22の支持筒部22Gに形成されて、意匠プレートユニット43が、ケース22の支持筒部22Gに対して、支持筒部22Gの周方向(ダイヤル本体42の回転方向)に相対移動不能に且つ上下方向に相対移動可能に係合されている。これに代えて、一対の第1軸部及び第2軸部を支持筒部22Gに形成し、一対の第1軸受部及び第2軸受部をサポートプレート44に形成して、意匠プレートユニット43を支持筒部22Gに係合させてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 操作装置
22 ケース
22G 支持筒部(支持軸部)
22J1 第1軸受部(軸受部)
22J2 第2軸受部(軸受部)
42 ダイヤル本体(操作部)
43 意匠プレートユニット(意匠部)
44 サポートプレート(サポート部材)
44B1 第1軸部(係合軸)
44B2 第2軸部(係合軸)
46 標示プレート(標示部材)
46A 標示エリア
48 ダイヤルキャップ(蓋部)
64 標示用光源(光源)