(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】改良されたスチーム皮むき圧力容器
(51)【国際特許分類】
A23N 7/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A23N7/02
(21)【出願番号】P 2019527130
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017079967
(87)【国際公開番号】W WO2018091748
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-09-03
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514131364
【氏名又は名称】トムラ ソーティング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロデリック、マイケル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0170364(US,A1)
【文献】特開2007-289016(JP,A)
【文献】特開2001-157569(JP,A)
【文献】特公昭38-016733(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-15/12
A47J 27/14-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部回転軸周りに回転する
ように構成された回転可能なスチーム皮むき容器であって、
前記容器は、前面を有する少なくとも1つの内部リフタを備え
、前記前面は、前記容器の前記内部回転軸に対して所定の傾斜角で向けられており、前記容器が回転されているときに、前記回転軸に沿った前記容器の中の製品の並進移動を付与するようになっている、回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項2】
複数の内部リフタを備える、請求項
1に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項3】
前記回転軸に対して第1の傾斜角で向けられた第1のリフタを備えるとともに、前記回転軸に対して第2の傾斜角で向けられた
前面を有する第2のリフタを少なくとも備える、請求項
2に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項4】
前記第1及び第2の傾斜角は、等しいが逆向きになっている、請求項
3に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項5】
前記第1のリフタ
の前記前面は、前記第2のリフタ
の前記前面に対して鈍角で向けられる、請求項
4に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項6】
前記第1のリフタは上り勾配であり、前記第2のリフタは下り勾配である、請求項
3から
5までのいずれか一項に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項7】
向きの角度は、2つの連続したリフタの間で同じである、請求項1から
6までのいずれか一項に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項8】
向きの角度は、2つの連続したリフタの間で変化する、請求項1から
6までのいずれか一項に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項9】
勾配の方向は、2つの連続したリフタの間で変化する、請求項1から
8までのいずれか一項に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項10】
前記複数のリフタは、前記回転軸に対して第1の傾斜角で向けられた
前面を有する第1のリフタを備え、第2のリフタは、前記回転軸に対して第2の異なる傾斜角で向けられ
た前面を有する、請求項
2に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項11】
少なくとも2つのリフタは、
エンドツーエンドで配置され
ており、第1のリフタの一方の端部が、第2のリフタの一方の端部に接続されるようになっている、請求項1に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項12】
第1のリフタ
の前面は、前記容器の前記回転軸に対して第1の傾斜角で向けられ、第2のリフタ
の前面は、前記回転軸に対して第2の傾斜角で向けられる、請求項
11に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項13】
前記第1及び第2の傾斜角は、等しいが逆向きになっている、請求項
12に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項14】
少なくとも1つのリフタは、その長さに沿って少なくとも1つの角度変化を受ける、請求項1から
13までのいずれか一項に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【請求項15】
前記第1及び第2の傾斜角は、等しくない、請求項
12に記載の
回転可能なスチーム皮むき容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャガイモなどの野菜のスチーム皮むきに関する。詳細には、本発明は、改良されたスチームピーラー圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
スチーム皮むきシステムにおいて皮むきされるジャガイモ製品などの野菜製品のスチーム処理のための従来技術の圧力容器は、EP1289385(B1)に開示されている。本明細書に開示された圧力容器は、圧力容器の回転中に圧力容器の回転軸に対して製品を同伴及び上昇させる少なくとも1つの内部リフト用特徴を有する。各リフタは、実質的に容器の回転軸の方向に、特に、実質的に半径方向内向きに、圧力容器の壁部分の内面の領域から内向きに延びる突出部を備える。したがって、各リフタは、容器の回転軸に平行に並べられる。リフタが、長手方向軸を有するパドルのように細長い形態を有する場合、「各リフタは、容器の回転軸に平行に並べられる」によって、各リフタの長手方向軸は、容器の回転軸に平行であることを意味する。回転軸は、圧力容器の対向側部間に延びる内部回転軸である。少なくとも1つの実施例では、圧力容器は、少なくとも圧力容器の対向した平坦化された側面間に延びる軸に対して実質的に対称である。特定の構成では、圧力容器は、実質的対称の軸周りに回転可能である。実験に基づく調査では、リフタがない場合、製品は容器の回転中に容器の基部で静止したままである傾向があり、容器内の製品の集合体は、そのような状況における液体又は砂に幾分類似する挙動をとることが示されている。
【0003】
この内部リフト用特徴又は各内部リフト用特徴は、圧力容器の壁部分の内部壁面から直接延びることができる。リフタは、容器の内周に間隔をおいて離間配置されることができ、容器は、組み合わせて使用される大型、中型、及び小型のリフタを収容することができる。そのような従来技術のリフタの一実例は、
図1及び
図2の容器に示されている。
【0004】
ジャガイモは、個々にではなく、バッチでスチーム処理されることが理解されよう。ジャガイモのバッチが容器に導入されると、容器内に存在するスチームから最も遠いジャガイモが、バッチ全体の皮むき時間を定める。これは、バッチ内の全てのジャガイモが皮むきされることを確実にするが、それによってスチームに最も近いジャガイモがスチームを受け過ぎ、したがって皮のむき過ぎという結果となり得、すなわち、より高い剥離損失を受ける。
【0005】
このより高い剥離損失は、リフタの使用及び高い回転速度を使用することによって最小にすることができる。この目標は、容器が回転するときに様々な順序で製品を持ち上げたり降ろしたりすることによって製品を移動させ続けることである。これは、各ジャガイモがバッチで同じ量のスチーム処理を受けることを目標として、ジャガイモを分離することを助ける。
【0006】
EP1289385(B1)に開示されたものなどのリフタを備えた従来技術の容器は、容器の回転中に製品が容器の基部で静止したままであるという問題に対処するが、リフタが容器に組み込まれるときでもさらなる問題が存在する。容器内の少なくとも1つのリフタの組み込みは、容器が回転するときに製品が持ち上げられることを確実にするが、従来技術のリフタの構成は、持ち上げプロセス中にジャガイモが一塊になるという問題に対処していない。そのような一塊になることは、容器が回転するときに、複数の個々の物体としてではなく単一のまとまりとしてジャガイモのバッチが持ち上げられる(そして落ちる)という結果になり得る。結果として、ジャガイモは、容器の壁同士の間で(仮想区画内に)区画化される。これは、
図3に示されており、所定位置(「区画」)a内のジャガイモは、容器が回転軸R-R周りに回転されるときに区画a内のままであると思われ、同様に、bの中にはb、cの中にはcとなる。これが不利である理由は、例えば、区画a及びc内の堆積の底にあるジャガイモは、区画b内の堆積の底におけるジャガイモよりもスチームに近いということにある。したがって、区画a及びc内のジャガイモは、区画b内の全てのジャガイモが皮むきされるときまでに皮のむき過ぎになり得る(容器内に存在するスチームから最も遠いジャガイモが、バッチ全体の皮むき時間を定めることを想起されたい)。
図4は、容器の形状にかかわらずこの問題が存在することを示す。この実例では、容器は、球形を有し、そのような望ましくない製品の区画化がそこにやはり生じ得ることが分かり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、このさらなる問題に対処し、克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、内部回転軸周りに回転するスチーム皮むき容器であって、容器の内部回転軸に対してある傾斜角で向けられた長手方向軸を有する少なくとも1つの内部リフタを備えるスチーム皮むき容器が提供される。内部回転軸は、容器の実質的対称の軸に沿っていてもよい。
【0010】
好ましくは、容器は、複数のリフタを備える。
【0011】
複数のリフタは、回転軸に対して第1の傾斜角で向けられた第1のリフタを備えてもよく、回転軸に対して第2の傾斜角で向けられた第2のリフタを少なくとも備えてもよい。
【0012】
第1及び第2の傾斜角は、等しいが逆向きになっていてもよい。例えば、第1のリフタは、第2のリフタに対して鈍角、鋭角、又は直角で向けられてもよい。第1のリフタは、上り勾配であってもよく、これに対して、第2のリフタは、下り勾配であってもよい。
【0013】
向きの角度は、2つの連続したリフタの間で同じであってもよい。向きの角度は、2つの連続したリフタの間で変わってもよい。2つの組み合わせは、単一の容器内で可能である。
【0014】
上り勾配の方向は、2つの連続したリフタの間で同じであってもよい。上り勾配の方向は、2つの連続したリフタの間で変化してもよい。連続したリフタは、上り勾配で交互になってもよい。2つ/3つの組み合わせは、単一の容器内で可能である。
【0015】
複数のリフタは、回転軸に対して第1の傾斜角で向けられた第1のリフタと、回転軸に対して第2の及び異なる傾斜角で向けられた第2のリフタとを備え得る。
【0016】
第1及び第2のリフタは、端と端で配置されてもよい。2つ以上のリフタは、ダブル・リフタを形成するように容器内に端と端で配置されてもよい。ダブル・リフタの第1のリフタは、容器の回転軸に対して第1の傾斜角で向けられてもよく、第2のリフタは、回転軸に対して第2の傾斜角で向けられてもよい。
【0017】
したがって、ダブル・リフタは、容器の回転軸に対して第1の傾斜角で向けられる第1の部分と、回転軸に対して第2の傾斜角で向けられる第2の部分とを備えてもよい。
【0018】
第1及び第2の傾斜角は、等しいが逆向きになっていてもよい。例えば、第1のリフタは、第2の部分に対してゼロ度と180度の間の角度で向けられてもよい。ダブル・リフタは、その長さに沿って湾曲部を備えてもよい。第1のリフタ(ダブル・リフタの第1の部分)は、上り勾配であってもよく、これに対して、第2のリフタ(ダブル・リフタの第1の部分)は、下り勾配であってもよい。同様に、第1の部分は下り勾配であってもよく、これに対して、第2の部分は、上り勾配であってもよい。ダブル・リフタは、その長さに沿って少なくとも1つの角度変化を受けてもよい。そのようなダブル・リフタは、単一のユニット部品から形成されてもよく、或いは端と端で置かれた若しくは固定された又はその他の方法で互いに接続された複数のリフタを備えてもよい。
【0019】
第1及び第2の傾斜角は、等しくなくてもよい。
【0020】
リフタの各々は、圧力容器の内部壁表面から間隔をおいて配置された床下張(false floor)の一部を立ち上げることによって定めることができる。床下張の少なくとも一部は、床下張の開口部を通じて復水を通過させるために開口されていてもよく、それにより復水は、圧力容器の床下張と内部壁表面の間の領域内に蓄積し得る。床下張の少なくとも一部は、容器の回転中に復水の蓄積を少なくとも一時的に保持するための領域を用意するために開口されていなくてもよい。圧力容器の床下張と内部壁面の間の領域からの復水の除去を可能にする手段も、設けられていてもよい。圧力容器内の閉鎖領域と内部空間の残りの間のガス又は蒸気の移動のために、各リフタは、圧力容器内の内部空間の残りと連通していない閉鎖領域を画定することができる。
【0021】
リフタを回転軸に対してある傾斜角(平行又は直交以外の角度)で向けることによって、スチーム期間中に各ジャガイモがスチームに対して同程度の露出を受けることを確実にするために、製品の互いからの分離が増加する。製品は、リフタの上り勾配の方向に応じて、容器の中心の方に又は容器の周辺の方に向け直される。好ましくは、持ち上げも実現される。容器の周辺上で始まる製品は、容器の中心に押しやられ、またその逆もあり得る。回転軸に沿った製品の任意の横移動が望ましい。各リフタは、持ち上げられている間、回転軸に沿った製品の並進移動を付与する。横方向成分及び好ましくは上昇成分を有する並進移動が、製品に関して実現される。
【0022】
結果として、持ち上げプロセス中にジャガイモを一塊にすることが防がれる。容器が回転するときに、ジャガイモのバッチが持ち上げられる(そして落ちる)ことは、もはや単一のまとまりとしては行われない。代わりに、バッチは、複数の個々の物体として移動する。ジャガイモの区画化は、もし防がれないとしても、最小化され、ジャガイモの移動が最大になる。バッチ中の各ジャガイモが同じ量のスチーム処理を受けるという目標は実現され、むき過ぎを防ぐ。これは、より短いスチーム皮むき時間、スチーム節約、及び効率改善という結果になる。
【0023】
次に、本発明を、添付図面を参照して説明する。
図1~
図4は、従来技術のスチーム皮むき容器の選択された重要な特徴を示し、
図5~
図16は、本発明の様々な実施例によるピーラー容器を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】その回転軸に沿ったリフタを含む従来技術のスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図2】線A-Aに沿った
図1の従来技術のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図3】使用時の
図1及び
図2の従来技術のスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図4】使用時の類似する従来技術のスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図5】その回転軸に沿った本発明の一実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図6】線A-Aに沿った
図5のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図7】その回転軸に沿った本発明のさらなる実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図8】線B-Bに沿った
図7のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図9】その回転軸に沿った本発明のさらなる実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図10】線C-Cに沿った
図9のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図11】その回転軸に沿った本発明の一実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図12】線A-Aに沿った
図11のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図13】その回転軸に沿った本発明のさらなる実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図14】線B-Bに沿った
図13のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【
図15】その回転軸に沿った本発明のさらなる実施例によるスチーム皮むき容器の断面図である。
【
図16】線C-Cに沿った
図15のスチーム皮むき容器のさらなる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図5から
図16は、本発明によるスチームピーラー容器1の複数の実施例を示す。図面に示したように、本発明は、球形、楕円形、偏球、ボトル形、又は任意の他の形状であろうとなかろうと特定の形状の容器に限定されない。
図5から
図9の実施例では、容器は球状の形態を有し、
図10から
図16の実施例では、容器は偏球状の形態を有する。本発明により、他の形態の容器が想定される。
【0026】
本発明は従来技術を上回る利点を実現するために1つのリフタを必要とするのみであるが、各実施例では、複数のリフタが示される。用語リフタは、製品に移動を付与するように容器が回転するときに、製品と係合する任意の手段を指すことが意図されている。好ましくは、この移動は、製品の横移動を含む。移動は、上昇移動を含むこともできる。移動は、容器の回転の方向の移動を含むこともできる。これらの実施例におけるリフタは、容器の内側壁から延びるプレートの形態をとるが、本発明によれば、プレート以外の他の形態のリフタが可能である。この実施例による各リフタは、容器の内壁から容器の中心の方へ突出する。それらは、内壁に固定され又は取り付けられてもよく、或いは壁自体の一部を形成してもよい。プレートの形状は重要ではなく、むしろ、その向きが重要である。容器の内壁からの任意の形態の突出部又は突起部は、本発明の意味の範囲内のリフタであり得る。この実施例でのプレート状のリフタは、平らなプレートの形態を有する。代替の実施例では、リフタは、湾曲していてもよく、又は別の形態をとってもよい。さらなる実例は、限定するものではないが、湾曲したプレート、フラップ、くさび形状、及び半円形突出部を含む。
【0027】
図6、
図8、
図10、
図12、
図14、及び、
図16に最もよく見えるように、各リフタは、容器の回転軸に対してある傾斜角で向けられている。これらの図面の矢印は、容器が回転するときにリフタによって実現される製品の移動を示す。
【0028】
図6は、回転軸R-Rに対して第1の傾斜角で向けられた第1のリフタ12と、回転軸に対して第2の傾斜角で向けられた第2のリフタ14又は16とを有する容器1の実例を示す。
【0029】
図6では、リフタ12は、回転軸に対して第1の傾斜角で向けられるように示されており、リフタ14は、回転軸に対して第2の及び異なる傾斜角で向けられている。同様に、リフタ16は、リフタ12又はリフタ14に対して回転軸に対して第2の及び異なる傾斜角で向けられている。
【0030】
図6の実施例では、向きの角度は、2つの連続したリフタ12、14、16、13の間で、例えば、リフタ12及び16の間で変化し、回転軸に対してのリフタ12の向きの角度は、より穏やかに傾くリフタ16の向きの角度よりも大きい。リフタ12は、より急な上り勾配/下り勾配を有する。
【0031】
代替の実施例では、向きの角度は、2つの連続したリフタの間で同じである。例えば、
図10では、リフタ22、23、24、25は、回転軸に対しての共通の向きの角度を共有する。この実施例では、リフタ23の上り勾配の方向は、リフタ22及び24の方向と異なるが、上り勾配の角度は同じままである。2つの組み合わせは、単一の容器内で可能であり、例えば、容器の一部において、連続したリフタは、同じ向きの角度を共有し、他の部分において、連続したリフタは、異なる向きの角度を有する。
【0032】
図6の実施例では、上り勾配の方向は、2つの連続したリフタの間で、例えば、リフタ12と16の間で、またリフタ16と14の間で変化する。この実施例では、連続したリフタは、上り勾配で交互になる。
【0033】
他の実施例では、上り勾配の方向は、2つの連続したリフタの間で同じである。2つ/3つの組み合わせは、単一の容器内で可能であり、容器の一部において、連続したリフタは、同じ方向に上り勾配であり、他の部分において、連続したリフタは、異なる方向に上り勾配である。
【0034】
図8は、2つのリフタ18、19が端と端で配置されている容器の一実施例を示す。リフタは、ダブル・リフタ20を形成する。リフタ18は、容器の回転軸に対して第1の傾斜角で向けられ、リフタ19は、回転軸に対して第2の傾斜角で向けられる。3つ以上のリフタは、リフタ/ダブル・リフタのジグザグ又は波状の組み合わせを形成するように端と端で配置され得る。
【0035】
図8では、第1及び第2の傾斜角は、等しいが逆向きになっている。この実例では、第1の部分は、第2の部分に対して鋭角で向けられる。リフタ18及び19は一緒に、その長さに沿って湾曲部21を備えるダブル・リフタ20を形成する。この湾曲部は、
図8に示す鋭い湾曲である必要はなく、2つのリフタ間の湾曲も可能である。第1のリフタ18は上り勾配であるのに対して、第2のリフタ19は下り勾配である。代替の実施例では、ダブル・リフタ20は、第1のリフタが下り勾配であるとともに第2のリフタが上り勾配である場所でV形をとるように逆にされ得る。
図8のダブル・リフタ20は、その長さに沿って1つの角度変化を受けるが、複数の変化が可能である。ダブル・リフタ20は、単一のユニット部品から形成することができ、又は端と端で置かれた又は固定された或いはその他の方法で互いに接続された複数のセクションを含んでもよい。この実施例におけるダブル・リフタは、ジャガイモがその前面に接触するとき、側面へジャガイモを一掃する際に除雪機のように働く。
【0036】
ダブル又は2部分リフタ(two-part lifter)の代替の実施例では、第1及び第2の傾斜角は、等しくなくてもよい。
【0037】
図6に矢印によって示したように、この実施例における各リフタは、容器の縁部に向けて中心から離れるように製品を移動させるように働く。容器の中心において始まる製品は、容器の周辺へ押しやられ得る。この製品は、回転軸に沿って横移動を受ける。リフタ12及び14は、右から左への横移動を引き起こす。リフタ16は、左から右への横移動を引き起こす。各リフタは、持ち上げられている間、回転軸に沿った製品の並進移動を付与する。横方向成分及び上昇成分を有する並進移動が、製品に関して実現される。
【0038】
図8の矢印によって示されるように、この実施例における各ダブル・リフタ20はまた、容器の縁部に向けて中心から離れるように製品を移動させるように働く。製品は、回転軸に沿って横移動を受ける。ダブル・リフタ20のリフタ18は、左から右への横移動を引き起こす。リフタ19は、右から左への横移動を引き起こす。
【0039】
図10の矢印によって示されるように、この実施例における各リフタは、容器の中心に向けて縁部から離れるように製品を移動させるように働く。容器の周辺上で始まる製品は、容器の中心へ押しやられ得る。製品は、回転軸に沿って横移動を受ける。リフタ22及び24は、左から右への横移動を引き起こす。リフタ23は、右から左への横移動を引き起こす。
【0040】
図12、
図14、及び
図16は、異なる形状の容器において、
図6、
図8、及び
図10のものと同じリフタの構成を示す。リフタは、容器の形状にかかわらず、同じように機能する。任意の個数のリフタが、本発明のこれら及び他の実施例に設けられてもよい。
【0041】
各リフタは、持ち上げられている間、回転軸に沿った製品の並進移動を付与する。横方向成分及び上昇成分を有する並進移動が、製品に関して実現される。
【0042】
本発明に関連して本明細書に使用されるとき、単語「備える/備えている」及び単語「有する/含む」は、述べた特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を特定するために使用されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、若しくはそれらの群の存在又は追加を除外しない。