(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ロボット腕のエンドエフェクター及び動物関連操作を実行するための装置
(51)【国際特許分類】
A01J 5/00 20060101AFI20220906BHJP
A01J 5/017 20060101ALI20220906BHJP
A01J 7/00 20060101ALI20220906BHJP
A01J 7/02 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A01J5/00
A01J5/017
A01J7/00
A01J7/02
(21)【出願番号】P 2019555022
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(86)【国際出願番号】 SE2018050547
(87)【国際公開番号】W WO2018222121
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-20
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】500215931
【氏名又は名称】デラヴァル ホルディング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ラーション, マグヌス
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0295827(US,A1)
【文献】Robot de traite VMS V300 DeLaval,2017年03月22日,pp.1-3,retrieved on 2022.04.22, retrieved from the internet: <http://www.soplan-elevage.com/article_19_1_robot-de-traite-vms-v300-delaval_fr.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01J 5/00-7/04
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物関連操作に関与するように構成されたロボット腕のエンドエフェクター(2)であって、前記エンドエフェクター(2)は、アクチュエーター(8)及びハウジング(10)を含み、前記アクチュエーター(8)は、前記ハウジング(10)の内側に少なくとも部分的に配置されており、前記ハウジング(10)は、第一方向(11)に沿って延びており、かつ前記第一方向に沿ってハウジング(10)の第一端部(14)に第一開口(12)を与えられており、前記アクチュエーター(8)は、前記第一開口(12)を介して動物関連操作に直接的に又は間接的に関与するものにおいて、
前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の内部への接近を与える第二開口(16,16’,16”)を与えられており、
前記第二開口(16,16’)は、前記第一方向(11)に沿って前記ハウジング(10)の第二端部(18)に与えられており、前記第二端部(18)は、前記第一方向(11)に沿って見て、前記第一端部(14)の反対側に配置されており、通路(13)が、前記ハウジングを通して、前記アクチュエーター(8)の少なくとも一部に沿って、前記第二開口(16,16’,16”)から前記第一開口(12)まで延びていることを特徴とするエンドエフェクター(2)。
【請求項2】
前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の前記第一端部(14)と前記第二端部(18)の間に少なくとも部分的に延びる第一側壁(20)及びそれに対向する第二側壁(22)を含み、前記第二開口(16,16’,16”)は、前記第一側壁(20)又は前記第二側壁(22)に、又は前記第一側壁(20)と前記第二側壁(22)の間に与えられていることを特徴とする、請求項
1に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項3】
後壁(24)が、前記ハウジング(10)の前記第二端部(18)で前記第一側壁(20)と前記第二側壁(22)の間に延びており、前記後壁(24)は、前記第二開口(16)を与えられていることを特徴とする、請求項
2に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項4】
前記第一側壁(20)及び前記第二側壁(22)はそれぞれ、前記ハウジング(10)の内部への接近を与える少なくとも一つの追加の開口(26)を与えられていることを特徴とする、請求項
2又は
3に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項5】
前記追加の開口(26)のうちの少なくとも一つは、前記アクチュエーター(8)の少なくとも一部と並んで配置されていることを特徴とする、請求項
4に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項6】
前記エンドエフェクター(2)は、前記ハウジング(10)の内側に配置されたノズル(30)を含み、前記ノズル(30)は、前記ハウジング(10)の内部に流体を与えるために配置されていることを特徴とする、請求項1~
5のいずれかに記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項7】
前記ノズル(30)は、流体の流れを前記第一開口(12)にほぼ向かう方向に指向するように配置されていることを特徴とする、請求項
6に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項8】
前記ノズル(30)は、液滴のスプレーを生成するように構成されたスプレーノズルであることを特徴とする、請求項
6又は
7に記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項9】
前記動物関連操作は、乳頭カップ(4)の取り扱いに関するものであり、前記アクチュエーター(8)は、動物の乳頭への前記乳頭カップ(4)の取り付け中に前記乳頭カップ(4)を前記エンドエフェクター(2)に保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1~
8のいずれかに記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項10】
前記動物関連操作は、動物の乳頭の浄化に関するものであり、前記アクチュエーター(8)は、動物の乳頭の浄化中に乳頭浄化器具を前記エンドエフェクター(2)に保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1~
8のいずれかに記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項11】
前記動物関連操作は、動物の乳頭の後処理に関するものであり、前記アクチュエーター(8)は、動物の乳頭の後処理中に後処理器具を前記エンドエフェクター(2)に保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1~
8のいずれかに記載のエンドエフェクター(2)。
【請求項12】
動物関連操作を実行するための装置(6)であって、前記装置(6)は、ロボット腕(34)、及び前記ロボット腕(34)を制御するように構成された制御システムを含むものにおいて、前記ロボット腕(34)は、請求項1~
11のいずれかに記載のエンドエフェクター(2)を含むことを特徴とする装置(6)。
【請求項13】
前記動物関連操作は、動物の自動搾乳に関するものであり、前記装置(6)は、少なくとも一つの乳頭カップ(4)を含む搾乳機(36)を含み、前記制御システムは、前記ロボット腕(34)及び前記エンドエフェクター(2)が少なくとも一つの乳頭カップ(4)を動物の乳頭に取り付けることを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項
12に記載の装置(6)。
【請求項14】
ロボット腕(34)のエンドエフェクター(2)を操作するための方法(100)であって、前記エンドエフェクター(2)は、動物関連操作に関与するように構成されており、前記エンドエフェクターは、アクチュエーター(8)及びハウジング(10)を含み、前記アクチュエーター(8)は、前記ハウジング(10)の内側に少なくとも部分的に配置されており、前記ハウジング(10)は、第一方向(11)に沿って延びており、かつ前記第一方向(11)に沿ってハウジング(10)の第一端部(14)に第一開口(12)を与えられており、前記アクチュエーター(8)は、前記第一開口(12)を介して動物関連操作に直接的に又は間接的に関与し、前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の内部への接近を与える第二開口(16,16’,16”)を与えられており、
前記第二開口(16,16’)は、前記第一方向(11)に沿って前記ハウジング(10)の第二端部(18)に与えられており、前記第二端部(18)は、前記第一方向(11)に沿って見て、前記第一端部(14)の反対側に配置されており、通路(13)が、前記ハウジング(10)を通して、前記アクチュエーター(8)の少なくとも一部に沿って、前記第二開口(16,16’,16”)から前記第一開口(12)まで延びており、前記エンドエフェクター(2)は、前記ハウジング(10)の内側に配置されたノズル(30)を含み、前記方法(100)は、前記ノズル(30)を介して前記ハウジング(10)の内部に流体を与える工程(102)を含むことを特徴とする方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット腕のエンドエフェクター及び動物関連操作を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の農場では、一つ以上のロボット腕を含む自動化された装置を利用して一つ以上の動物関連操作が実施されている。かかる動物関連操作は、例えば動物の乳頭への一つ以上の乳頭カップの取り付け、動物の一つ以上の乳頭の浄化、動物の一つ以上の乳頭の後処理の実行などであることができる。
【0003】
かかるロボット腕は、その端に配置されたエンドエフェクターを含むことができる。エンドエフェクターは、動物関連操作に関与するように構成されている。エンドエフェクターの設計は、実行される動物関連操作に依存する。一部のエンドエフェクターは、動物関連操作の少なくとも一部を実行するために利用される操作、保持、制御、位置決め、又は解放装置によって動物関連操作に関与するように構成されているアクチュエーターを含む。
【0004】
農場の自動化された装置は、多かれ少なかれ汚れた条件下で操作する。自動化装置は、例えばダスト、土、及び/又は肥料の形の汚れを受けうる。従って、ロボット腕及びエンドエフェクターは、かかる汚れを受ける。汚れは、結局はエンドエフェクターのハウジングの内部に広がるだろう。しばしば、エンドエフェクターのハウジングは、開口を与えられ、それを通してアクチュエーターは、動物関連操作に直接的に又は間接的に関与する。かかる開口は、汚れがハウジングの内部に広がるための接近を与えうる。
【0005】
US6044793は、一つ以上の自動搾乳ロボット、乳頭カップ及び搾乳区画を与えられた動物を自動搾乳するための装置を開示する。乳頭カップは、鉛直方向に対して傾斜した非操作位置であるように搾乳ロボット腕の運搬手段の上に配置され、搾乳される動物の乳頭に接続されるとき、乳頭カップは、傾斜した位置から実質的に鉛直方向の位置に移動される。運搬手段は、各乳頭カップのためのボックス形状のハウジングを含む。運搬手段は、搾乳ロボット腕のエンドエフェクターを形成する。シリンダー及びピストンを含む引き寄せ部材は、エンドエフェクターのアクチュエーターの部品を形成する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、動物関連操作に関与するように構成されたエンドエフェクターであって、汚れた操作条件下で使用されるように適応されたものを提供することである。
【0007】
一態様によれば、その目的は、ロボット腕のエンドエフェクター(end effector)によって達成される。エンドエフェクターは、動物関連操作に関与するように構成され、エンドエフェクターは、アクチュエーター及びハウジングを含む。アクチュエーターは、ハウジングの内側に少なくとも部分的に配置されている。ハウジングは、第一方向に沿って延びており、かつ第一方向に沿ってハウジングの第一端部に第一開口を与えられている。アクチュエーターは、第一開口を介して動物関連操作に直接的に又は関節的に関与する。ハウジングは、ハウジングの内部への接近を与える第二開口を与えられており、通路が、ハウジングを通して、アクチュエーターの少なくとも一部に沿って、第二開口から第一開口まで延びている。
【0008】
ハウジングは、第一開口及び第二開口を含むので、また通路がハウジングを通してアクチュエーターに沿って第二開口から第一開口まで延びているので、ハウジングの内部は、ハウジングの内部の少なくとも一部及びアクチュエーターの少なくとも一部の浄化のために全体をフラッシされることができる。従って、ハウジングの内側の汚れは、容易に除去可能である。結果として、上述の目的は、達成される。
【0009】
従来の疑う余地のない戦略であった、汚れからハウジングの内部を封止することを試みることよりも、内部を浄化されることができるようにエンドエフェクターのハウジングの内部への接近を与えることが、エンドエフェクターの操作に悪影響を与えないために汚れを回避する良好な方法であることを本発明者は認識した。さらに、本発明者は、ハウジングの内部を封止すると、ハウジングの内側の湿分で問題を起こしうること、そしてハウジングに第一及び第二開口を与えることにより、ハウジングの内部の換気を可能にして、その中の湿分による問題を防止できることを認識した。
【0010】
エンドエフェクター及びロボット腕は、動物関連操作を実行するように構成された自動化装置の一部を形成することができる。かかる動物関連操作は、例えば動物の乳頭への一つ以上の乳頭カップの取り付け、動物の一つ以上の乳頭の浄化、動物の一つ以上の乳頭の後処理の実施、搾乳所の浄化などであることができる。アクチュエーターは、水圧アクチュエーター、空気圧アクチュエーター、電磁アクチュエーター、又は同種装置であることができる。アクチュエーターは、制御システムによって制御されることができる。アクチュエーターは、損傷から保護されるためにハウジングの内側に配置されることができる。従って、例えば、アクチュエーターは、動物がエンドエフェクターを踏んだり、蹴ったりすることから保護されることができる。ハウジングはまた、動物排せつ物からアクチュエーターを保護することができる。アクチュエーターは、第一開口を介して動物関連操作に関与する。即ち、アクチュエーターは、第一開口を介して操作する。この目的のため、例えばアクチュエーターの一部は、第一開口を通って延びることができる。あるいは、アクチュエーターによって作動される部材は、第一開口を通って延びることができる。エンドエフェクターは、関連する動物関連操作の順序又は操作を少なくとも一つの工程で実行することによって動物関連操作に関与するように構成されている。ハウジングの内部は、浄化液又は加圧ガスのような流体で全体をフラッシされることができる。
【0011】
本明細書において、エンドエフェクターのハウジングの用語「内側」及びエンドエフェクターのハウジングの用語「内部」は、同義的に使用される。
【0012】
実施形態によれば、第二開口は、第一方向に沿ってハウジングの第二端部に与えられることができ、第二端部は、第一方向に沿って見て、第一端部の反対側に配置されている。この方法では、ハウジングの内側の少なくとも一部は、第一方向に沿ってフラッシされることができる。
【0013】
ハウジングが、ハウジングの第一端部と第二端部の間に少なくとも部分的に延びる第一側壁及びそれに対向する第二側壁を含む実施形態によれば、第一側壁及び第二側壁の各々は、ハウジングの内部への接近を与える少なくとも一つの開口を与えられることができる。この方法では、エンドエフェクターの内部は、追加の開口を通してもフラッシされることができる。従って、汚れは、エンドエフェクターの内部から完全に除去されることができる。本発明者は、エンドエフェクターのハウジングに多数の開口を与えることにより、ハウジングの内部及びそこに配置されたアクチュエーターの浄化を容易にすることができることを認識した。再び、このアプローチは、ハウジングの内側のフラッシを可能にしてそこから汚れを除去することができる部分的に開放されたハウジングは、汚れからハウジングの内部を封止する試みより良好なアプローチでありうるという認識に基づく。また、追加の開口の設置は、例えば湿分がアクチュエーターを損傷することを防止するためにハウジングの内側の十分な換気を与えることができる。追加の開口の設置はまた、浄化液でのハウジングの内部のフラッシの後にハウジングを排液するために使用されることができる。ハウジング中の多数の開口は、エンドエフェクターの配向にかかわらず、排液を容易にしうる。
【0014】
実施形態によれば、追加の開口の少なくとも一つは、アクチュエーターの少なくとも一部と並んで配置されることができる。この方法では、少なくとも一つの追加の開口を介してアクチュエーターに対する汚れを除去するためにアクチュエーターへの直接的な接近が与えられることができる。
【0015】
実施形態によれば、エンドエフェクターは、ハウジングの内側に配置されたノズルを含むことができ、ノズルは、ハウジングの内部に流体を与えるために配置されることができる。この方法では、ハウジングの内部は、ノズルを利用して、ハウジングの内部から流体でフラッシされることができる。従って、浄化液又は加圧ガスは、ハウジングの内側に適用されることができ、ハウジングの内部の少なくとも一部から汚れ及び/又は液体をフラッシするように向けられることができる。
【0016】
実施形態によれば、ノズルは、流体の流れを第一開口にほぼ向かう方向に指向するように配置されることができる。この方法では、ハウジングの内側から除去された汚れ及び/又は液体は、流体によって連行されて、第一開口を介してハウジングから出ることができる。
【0017】
本発明のさらなる目的は、エンドエフェクターを操作するための方法であって、汚れた操作条件下で使用されるように適応されたものを提供することである。
【0018】
一態様によれば、その目的は、ロボット腕のエンドエフェクターを操作するための方法であって、エンドエフェクターが、動物関連操作に関与するように構成されており、かつアクチュエーター及びハウジングを含む方法によって達成される。アクチュエーターは、ハウジングの内側に少なくとも部分的に配置されている。ハウジングは、第一方向に沿って延びており、かつ第一方向に沿ってハウジングの第一端部に第一開口を与えられている。アクチュエーターは、第一開口を介して動物関連操作に直接的に又は間接的に関与する。ハウジングは、ハウジングの内部への接近を与える第二開口を与えられており、通路が、ハウジングを通して、アクチュエーターの少なくとも一部に沿って、第二開口から第一開口まで延びている。エンドエフェクターは、ハウジングの内側に配置されたノズルを含む。方法は、ノズルを介してハウジングの内部に流体を与える工程を含む。
【0019】
前記方法は、ノズルを介してハウジングの内部に流体を与える工程を与えているので、ハウジングの内部は、ハウジングの内部の少なくとも一部及びアクチュエーターの少なくとも一部の浄化のために流体で全体をフラッシされることができる。従って、ハウジングの内側の汚れは、容易に除去可能である。結果として、上述の目的は、達成される。
【0020】
別の態様によれば、動物関連操作を実行するためのエンドエフェクターであって、汚れた操作条件下で使用されるように適応されたものを提供する目的は、ロボット腕のエンドエフェクターによって達成される。エンドエフェクターは、動物関連操作に関与するように構成され、エンドエフェクターは、アクチュエーター及びハウジングを含む。アクチュエーターは、ハウジングの内側に少なくとも部分的に配置される。ハウジングは、ハウジングの第一端部で第一開口を与えられる。アクチュエーターは、第一開口を介して動物関連操作に直接的に又は間接的に関与する。エンドエフェクターは、ハウジングの内側に配置されたノズルを含み、ノズルは、ハウジングの内部に流体を与えるために配置される。
【0021】
ハウジングは、ハウジングの第一端部で第一開口を与えられているので、そしてノズルがハウジングの内側に配置され、ノズルがハウジングの内部に流体を与えるために配置されているので、ハウジングは、ハウジングの内側から浄化可能である。ノズルからの流体は、汚れ及び/又は液体を連行して第一開口を介してハウジングから出ていく。結果として、上述の目的は、達成される。流体は、浄化液又は加圧ガスであることができる。後者の場合、加圧ガスは、ハウジングの内部から湿分を除去するために利用されることができる。
【0022】
従来の疑う余地のない戦略であった、汚れからハウジングの内部を封止することを試みることよりも、内部を浄化されることができるようにエンドエフェクターのハウジングの内側にノズルを与えることが、エンドエフェクターの操作に悪影響を与えないために汚れを回避する良好な方法であることを本発明者は認識した。
【0023】
本明細書で述べられた実施形態は、エンドエフェクターのハウジング中の第一開口及び第二開口の設置に関するエンドエフェクターの前者の態様に適用可能であるだけでなく、エンドエフェクターのハウジング中の第一開口及びハウジングの内側に配置されたノズルの設置に関するエンドエフェクターのこの後者の態様にも適用可能である。一般に、両態様によるエンドエフェクターは、本明細書に述べられた様々な実施形態の特徴を利用することができる。従って、以下の詳細な記述において述べられた特徴及び利点は、当業者によって容易に理解されるようにエンドエフェクターの両態様に関するものであることができる。
【0024】
別個の態様に関して、本発明の目的は、エンドエフェクターを操作するための方法であって、エンドエフェクターが汚れた操作条件下で使用されるように適応されているものを提供することである。
【0025】
この目的は、ロボット腕のエンドエフェクターを操作するための方法によって達成される。エンドエフェクターは、動物関連操作に関与するように構成され、エンドエフェクターは、アクチュエーター及びハウジングを含む。アクチュエーターは、ハウジングの内側に少なくとも部分的に配置されている。ハウジングは、ハウジングの第一端部に第一開口を与えられている。アクチュエーターは、第一開口を介して動物関連操作に直接的に又は間接的に開示する。ハウジングは、ハウジングの内部への接近を与える第二開口を与えられており、通路が、ハウジングを通して、アクチュエーターの少なくとも一部に沿って、第二開口から第一開口まで延びている。エンドエフェクターは、ハウジングの内側に配置されたノズルを含む。方法は、ノズルを介してハウジングの内部に流体を与える工程を含む。
【0026】
前記方法は、ノズルを介してハウジングの内部に流体を与える工程を与えているので、ハウジングの内部は、ハウジングの内部の少なくとも一部及びアクチュエーターの少なくとも一部の浄化のために流体で全体をフラッシされることができる。従って、ハウジングの内側の汚れは、容易に除去可能である。結果として、上述の目的は、達成される。
【0027】
本発明のさらなる目的は、動物関連操作に関与するように構成されたエンドエフェクターを含む動物関連操作を実行するための装置であって、エンドエフェクターが汚れた操作条件下で使用されるように適応されるものを提供することにある。
【0028】
一態様によれば、この目的は、ロボット腕、及びロボット腕を制御するように構成された制御システムを含む、動物関連操作を実行するための装置で達成される。ロボット腕は、本明細書で述べられた態様及び/又は実施形態のいずれか一つによるエンドエフェクターを含む。
【0029】
従って、一つの実施によれば、エンドエフェクターのハウジングの内部は、ハウジングの内部の少なくとも一部、及びアクチュエーターの少なくとも一部を浄化するために、第二開口から第一開口まで全体をフラッシされることができる。結果として、上述の目的は、達成される。
【0030】
また、さらなる実施によれば、エンドエフェクターのハウジングは、ノズルがハウジングの内部に流体を与えるように配置され、ノズルからの流体及び汚れ及び/又は液体が第一開口を介してハウジングから出ることによってハウジングの内部から浄化可能である。結果として、上述の目的は、達成される。
【0031】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の請求項及び以下の詳細な記述を研究すると明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
特定の特徴及び利点を含む本発明の様々な態様及び/又は実施形態は、以下の詳細な記述及び添付図面で述べられた例示的な実施形態から容易に理解されるだろう。
【
図1a-1b】
図1aは、実施形態によるエンドエフェクターの図を示す。
図1bは、実施形態によるエンドエフェクターの図を示す。
【
図1c】
図1cは、実施形態によるエンドエフェクターの図を示す。
【
図2】
図2は、
図1a-1cのエンドエフェクターの断面図を示す。
【
図3】
図3は、実施形態によるエンドエフェクターの断面図を示す。
【
図4】
図4は、動物関連操作を実行するための装置を示す。
【
図5】
図5は、ロボット腕のエンドエフェクターを操作するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の態様及び/又は実施形態は、より十分に記載されるだろう。同様の数字は、全体を通して同様の要素を示す。周知の機能又は構成は、簡略化及び/又は明確化のために必ずしも詳細に記載されないだろう。
【0034】
図1a-1cは、実施形態によるエンドエフェクター2の三つの図を示す。エンドエフェクター2は、ロボット腕34の端に配置されている。エンドエフェクター2は、動物関連操作に関与するように構成されている。同様に、ロボット腕34は、動物関連操作に関与するように構成されている。ロボット腕34及びエンドエフェクター2は、動物関連操作を実行するための装置の一部を形成する。
【0035】
エンドエフェクター2は、ハウジング10及びアクチュエーター8を含む。
図2に関して以下をさらに参照。アクチュエーター8は、ハウジング10の内側に少なくとも部分的に配置されている。アクチュエーター8は、動物関連操作を実行するために利用される装置を移動、保持、解放又はそうでなければ制御するように構成されている。
【0036】
ハウジング10は、第一方向11に沿って延びる。ハウジング10は、第一方向11に沿って見られる第一端部14、及び第一方向11に沿って見られる第二端部18を含む。第二端部18は、第一方向11に沿って見ると第一端部14とは反対に配置されている。第一端部14は、ハウジング10の第一端15から第二端部18に向かって延びる。第二端部18は、ハウジング10の第二端19から第一端部14に向かって延びる。
【0037】
ハウジング10は、第一端部14に第一開口12を与えられている。ハウジング10の内部は、第一開口12を介してハウジング10の周囲環境と開放連通している。第一開口12は、動物関連操作に直接的に又は間接的に関与するためにアクチュエーター8のために与えられる。即ち、アクチュエーター8が第一開口12を介して動物関連操作に直接的に関与するために、アクチュエーター8の一部は、第一開口12を通って延びることができる。例えば、つかみ具のかぎつめ又は電磁石は、第一開口12を通って延びることができる。あるいは、アクチュエーター8は、第一開口12を通って延びるアクチュエーター8によって作動される部材によって第一開口12を介して動物関連操作に間接的に関与するように配置されることができる。例えば、アクチュエーター8に接続されたコードを含む部材は、第一開口12を通って延びることができる。以下の
図3も参照。
【0038】
ハウジング10は、ハウジング10の内部への接近を与える第二開口16,16’,16”を与えられている。一部の実施形態によれば、第二開口16,16’は、ハウジング10の第二端部18に与えられている。一部の実施形態によれば、第二開口16”は、第一端部14に、又は第一端部14と第二端部18の間のハウジングの中央部分に配置されることができる。ハウジング10の内部は、第二開口16,16’,16”を介してハウジング10の周囲環境と開放連通している。
【0039】
実施形態によれば、ハウジング10は、ハウジング10の第一端部14と第二端部18の間に少なくとも部分的に延びる、第一側壁20、及び反対側の第二側壁22を含むことができる。第二開口16,16’は、第一側壁20又は第二側壁22又は第一側壁20と第二側壁22の間に与えられることができる。
図1b及び1cでは、ハウジング10の第二端部18に第二開口16,16’の二つの例示的な位置が示されている。
【0040】
第二開口16は、第一側壁20と第二側壁22の間に、即ちハウジング10の第二端19に与えられることができる。第二開口16のこの位置により、第二開口は、第一側壁20と第二側壁22の間の空間によって簡単に形成されることができ、あるいは示された実施形態のように、ハウジング10の第二端部18の第一側壁20と第二側壁22の間に後壁24が延びることができ、後壁24は第二開口16を与えられることができる。
【0041】
第一側壁20と第二側壁22の間に第二開口を与える代替策として、第二開口16’を第一側壁20又は第二側壁22に与えることができる。
図1cでは、第一側壁20中の第二開口16’が示されている。
【0042】
図1cでは、第一端部14に又はハウジング10の中央部分に第二開口16”の例示的な位置が示されている。第二開口16”は、第二側壁22に与えられるが、代替的に例えば第一側壁20に与えられることができる。
【0043】
ハウジング10を通ってアクチュエーター8の少なくとも一部に沿って第二開口16,16’,16”から第一開口12まで通路が延びる(
図2参照)。第一及開口12及び第二開口16,16’,16”を設けること、及びそれらの間に通路を設けることによって、ハウジング10の内部は、実質的に第一方向11に沿って流体で全体をフラッシされることができる。従って、ハウジング10の内側の汚れは、流体でフラッシされることができる。エンドエフェクター2を浄化する農夫は、ハウジング10内をフラッシするために、例えば水ホース、高圧洗浄機、又は加圧空気を使用することができる。水もしくは他の浄化液、又は加圧空気の噴射は、ハウジング10の少なくとも一部で内部をフラッシするために例えば第二開口16,16’,16”の方に向けられることができる。
【0044】
一部の実施形態によれば、第一側壁20及び第二側壁22の各々は、ハウジング10の内部への接近を与える少なくとも一つの追加の開口26を与えられることができる。ハウジング10の内部は、追加の開口26を介してハウジング10の周囲環境と開放連通している。示された実施形態では、第一側壁20及び第二側壁22の各々に少なくとも四つの追加の開口26が与えられている。従って、エンドエフェクター2の内部を浄化するための接近は、追加の開口26を介しても与えられる。例えば水ホースもしくは高圧洗浄機からの浄化液、又は加圧空気のような流体は、追加の開口26を通ってエンドエフェクター2の両側面から適用されることができ、汚れは、エンドエフェクター2の内部から完全に除去されることができる。追加の開口26を通して適用される浄化液は、エンドエフェクター2から第一開口12及び第二開口16の一つ又は両方を通って、並びに追加の開口26の一つ以上を通って排出することができる。
【0045】
追加の開口26の少なくとも一つは、アクチュエーター8の少なくとも一つと並んで配置されることができる(
図1c参照)。従って、アクチュエーター8の少なくとも一部は、少なくとも一つの追加の開口26を介してエンドエフェクター2の外側から浄化液及び/又は加圧ガスで浄化されることができる。
【0046】
図2は、エンドエフェクター2の第一方向11に沿った
図1a-1cのエンドエフェクター2の断面を示す。通路13が、ハウジング10を通ってアクチュエーター8の少なくとも一部に沿って第二開口16から第一開口12まで延びている。
【0047】
上述のように、アクチュエーター8は、ハウジング10の内側に少なくとも部分的に配置されている。アクチュエーター8は、動物関連操作を実行するために利用される装置を移動、保持、解放、又はそうでなければ制御するように構成されている。示された実施形態では、アクチュエーター8は動物関連操作に関与するときに利用される装置を把持するための機構に接続された液圧シリンダーを含む。しかしながら、これは、アクチュエーター8の例示的な実施形態の一つにすぎない。異なる種類のアクチュエーターの使用は、予見できる。
【0048】
アクチュエーター8は、制御システムから制御信号を受けるように構成され、エネルギー源に接続されている。制御信号は、電気信号、空気圧信号、又は液圧信号であることができる。エネルギー源は、電気、空気圧、又は液圧であることができる。制御信号を受けると、アクチュエーター8は、エネルギー源からの供給エネルギーを動き、保持力、解放力、又は動物関連操作を実行するために利用される装置のいずれかの他の制御に変換することによって反応する。
【0049】
一部の実施形態によれば、エンドエフェクター2は、エンドエフェクター2のハウジング10の内側に配置されたノズル30を含む。導管31が、加圧流体をノズル30に案内するために配置される。従って、ノズル30は、流体をハウジング10の内部に与えるために配置される。流体は、水及び任意選択的に洗剤を含む浄化液、又は加圧空気のような加圧ガスであることができる。
【0050】
一つより多い導管31が、ノズルに異なる種類の流体を案内するためにノズル30に接続することができる。あるいは、異なる種類の流体が、導管31を介してノズル30に接続されることができる。あるいは、一つより多いノズル(ノズルは異なる種類の流体に接続される)が、ハウジング10の内側に与えられることができる。従って、例えばハウジング10の内部は、浄化液で浄化され、加圧空気で吹かれて乾燥されることができる。
【0051】
ノズル30は、液滴のスプレーを生成するように構成されたスプレーノズルであることができる。即ち、加圧浄化液がノズル30に供給されるとき、浄化液の液滴のスプレーが、ハウジング10の内側に生成される。ノズル30への加圧浄化液の供給は、ハウジング10の内部の浄化が実施されることになるとスイッチオンされ、エンドエフェクター2の通常の操作中、スイッチオフされることになる。
【0052】
ノズル30は、第一開口12にほぼ向かう方向に流体の流れを向けるように配置されることができる。従って、ハウジング10の内側から除去された汚れは、流体とともに第一開口12を介してハウジング12から出ることができる。
【0053】
もし浄化液がノズル30を介してハウジング10の内側に分配されるなら、ノズル30は、浄化液をスプレー中に分散してハウジング10の内部の部分にわたって浄化液を分散する。ノズル30によって生成されるスプレーは、浄化液の液滴の動的集合体である。好適には、浄化液は、ノズル30によって分散されるだけでなく、ノズル30から離れる方向にも出され、浄化液によるハウジング10の内部の少なくとも一部のフラッシ効果を生成する。もし加圧ガスがノズル30を介して分散されるなら、加圧ガスは、ノズル30によって決定される方向に向けられる。
【0054】
一つより多いノズルをハウジング10の内側に設けてもよく、又はノズル30に一つより多いノズル開口を与えて、ハウジング10の内側で一つより多い一般方向で流体の分配を達成してもよい。
【0055】
示されるように、ノズル30は、ハウジング10が上述の第一開口12及び第二開口16,16’,16”を含むエンドエフェクター2の実施形態において与えられてもよい。
【0056】
しかしながら、前述の背景技術の下で述べたように、別個の態様によれば、そのハウジング10が第二開口16,16’,16”を必ずしも与えられる必要はないノズル30は、エンドエフェクター2において利用されることができる。この別個の態様は、代わりにハウジング10の内側に配置されたノズル30の設置に基づき、ハウジング10は、ハウジング10の第一端部14に第一開口12を与えられる。
【0057】
第一開口12及び第二開口16,16’,16”の両方を含む態様のいずれか一つによるノズル30を含むエンドエフェクター2(別個の態様は、必ずしも第二開口を含まない)は、
図5を参照して以下に述べる方法100で利用されることができる。
【0058】
上述のように、エンドエフェクター2及びロボット腕34は、動物関連操作に関与するように構成される。
【0059】
一部の実施形態によれば、動物関連操作は、乳頭カップの取り扱いに関することができる。かかる実施形態では、アクチュエーター8は、動物の乳頭への乳頭カップの取り付け中にエンドエフェクター2に乳頭カップを保持するために構成されることができる。
【0060】
一部の実施形態によれば、動物関連操作は、動物の乳頭の浄化に関することができる。かかる実施形態では、アクチュエーター8は、動物の乳頭の浄化中にエンドエフェクター2に乳頭浄化器具を保持するために構成されることができる。
【0061】
一部の実施形態によれば、動物関連操作は、動物の乳頭の後処理に関することができる。かかる実施形態では、アクチュエーター8は、動物の乳頭の後処理中にエンドエフェクター2に後処理器具を保持するために構成されることができる。
【0062】
上述の三つの異なる動物関連操作に関して、アクチュエーター8を含むエンドエフェクター2は、一部の実施形態によれば、前記動物関連操作の二つ又は三つに関与するように構成されることができる。あるいは、アクチュエーター8を含むエンドエフェクター2は、一部の実施形態によれば、前記動物関連操作の一つだけに関与するように特化されることができる。
【0063】
図3は、実施形態によるエンドエフェクター2の断面を示す。再び、エンドエフェクター2は、ロボット腕34の端に配置されるように構成され、エンドエフェクター2は、動物関連操作に関与するように構成される。以下において、これらの実施形態のエンドエフェクター2と
図1a-2の実施形態の間の主な差が述べられるだろう。
【0064】
再び、エンドエフェクター2のハウジング10は、第一方向11に沿って延びる。ハウジング10は、第一方向11に沿って見た第一端部14、及び第一方向11に沿って見た第二端部18を含む。第二端部18は、第一方向11に沿って見ると第一端部14とは反対に配置される。アクチュエーター8は、ハウジング10の内側に配置される。再び、ハウジング10は、第一端部14に第一開口12を与えられ、第二端部18に第二開口16を与えられる。
【0065】
エンドエフェクター2は、少なくとも一つの乳頭カップ4のための運搬手段を形成する。
図3では、一つだけの乳頭カップ4が示される。好適には、エンドエフェクター2は、二つ又は四つの乳頭カップを運搬するために構成されることができる。動物関連操作は、動物の乳頭への少なくとも一つの乳頭カップ4の取り付けに関する。搾乳のために使用されないとき、少なくとも一つの乳頭カップ4は、運搬手段プレート40に対して保持される。これは、エンドエフェクター2のアクチュエーター8がコード42を介して運搬手段プレート40に対して乳頭カップ4を引っ張ることによって達成される。従って、これらの実施形態では、アクチュエーター8は、第一開口12を通って延びるアクチュエーター8によって作動される部材によって第一開口12を介して動物関連操作に間接的に関与するように配置される。即ち、これらの実施形態では、部材は、アクチュエーター8に接続されたコードを含む。搾乳中、乳頭カップ4は、コード42を緩めるアクチュエーター8によって運搬手段プレート40から解放される。
【0066】
再び、通路13が、ハウジング10を通ってアクチュエーター8の少なくとも一部に沿って、第二開口16から第一開口12まで延びる。従って、ハウジング10の内部は、ハウジング10の内側から汚れ及び/又は液体を除去するためにハウジング10を通って延びる通路13を介して実質的に第一方向11に沿って流体で全体をフラッシされることができる。
【0067】
図4は、動物関連操作を実行するための装置6を示す。装置6は、ロボット腕34、及びロボット腕34を制御するように構成された制御システム44を含む。ロボット腕34は、本明細書に述べられた実施形態及び/又は態様のいずれか一つによるエンドエフェクター2を含む。また、エンドエフェクター2は、制御システム44によって制御されることができる。従って、エンドエフェクター2及びロボット腕34は、動物関連操作に関与するように構成される。
【0068】
例示的な実施形態では、動物関連操作は、動物の自動搾乳に関する。装置6は、少なくとも一つの乳頭カップ4を含む搾乳機36を含み、制御システム44は、ロボット腕34及びエンドエフェクター2を制御して動物の乳頭に少なくとも一つの乳頭カップ4を取り付けるように構成される。
【0069】
従って、動物関連操作を実行するための装置6は、動物の乳頭への乳頭カップ4の自動取り付けのためのロボット腕34を含む自動搾乳システム(AMS)であることができる。搾乳機36は乳頭カップ4において脈動減圧を利用する通常の減圧搾乳機であることができる。搾乳機36は、搾乳所46で立つ動物の乳頭からミルクを抽出するように構成される。搾乳所46は、
図4に示されるように一頭の動物のみを収容するように構成されてもよく、又は搾乳所は、一頭より多い動物を同時に収容するように構成されてもよい。搾乳機36は、乳頭カップ4、及び公知の方法で操作される減圧システム48を含む。
【0070】
動物関連操作を実行するための装置6は、動物の搾乳以外の他の動物関連操作を実行するために構成されることができる。例えば、装置6は、乳頭浄化器具50を含むことができる。従って、エンドエフェクター2は、動物の乳頭の浄化中に乳頭浄化器具50を保持することができる。乳頭浄化器具50は、例えば乳頭浄化カップ又は回転発泡ローラー(ともに業界で良く知られている)を含むことができる。追加的に又は代替的に、装置6は、後処理器具52を含むことができる。従って、エンドエフェクター2は、動物の乳頭の後処理中に後処理器具52を保持することができる。後処理装置52は、消毒剤(これも業界で良く知られている)をスプレーするためのスプレーノズルを含むことができる。
【0071】
制御システム44は、実質的にいかなる好適なタイプの処理回路又はマイクロコンピューターの形、例えばデジタル信号処理のための回路(デジタル信号処理器(DSP))、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、処理器、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサー、又は命令を解釈、実施しうる他の処理論理の形をとることができる。本明細書で利用される表現計算ユニットは、例えば上述のもののいずれか、一部又は全てのような複数の処理回路を含む処理回路構成を表わしてもよい。制御システムは、メモリーユニットを含むことができる。計算ユニットは、メモリーユニットに接続され、それは、例えば計算ユニットが計算を行なうことができることが必要である記憶されたプログラムコード及び/又は記憶されたデータを計算ユニットに与える。計算ユニットはまた、メモリーユニットにおいて計算の部分的な又は最終的な結果を記憶することに適応されることができる。メモリーユニットは、一時的な又は永久的な基準でデータ又はプログラム、例えば命令の順序を記憶するために利用される物理的装置を含むことができる。制御システム44は、特にエンドエフェクター2、ロボット腕34、及び動物関連操作を実行するための装置6の他の制御可能な装置又は監視装置におけるアクチュエーター及び/又はセンサーに接続される。
【0072】
図5は、ロボット腕のエンドエフェクターを操作するための方法100を示し、エンドエフェクターは、動物関連操作に関与するように構成され、アクチュエーター及びハウジングを含む。エンドエフェクターは、ハウジングの内側に配置されたノズルを含む本明細書に述べられた実施形態及び/又は態様のいずれか一つによるエンドエフェクターであることができる。方法100は、ノズルを介してエンドエフェクターのハウジングの内部に流体を与える工程102を含む。
【0073】
図2及びノズルの異なる実施形態に関する上述の説明、ハウジングの内側の流体の分配、異なる種類の流体、ノズルの数などは、方法100及びその異なる実施形態に適用する。例えば、流体を与える工程102は、浄化液又は加圧ガスを与えることを含むことができる。
【0074】
流体を与える工程102は、液体を与える工程104の後に加圧ガスを与える工程106を含むことができる。従って、浄化液は、まずハウジングの内部の少なくとも一部を通ってフラッシするために利用されることができ、ハウジングの内部は、その後、ハウジングの少なくとも一部を通って加圧空気のフラッシにより浄化又は乾燥されることができる。
【0075】
前述では様々な例示的な実施形態を示したが、本発明は、添付の請求項によってのみ限定されることが理解されるべきである。当業者は、例示的な実施形態が修正されうること、そして例示的な実施形態が添付の請求項によって規定された本発明の範囲から逸脱せずに本明細書に記載されたもの以外の実施形態を作成するために組み合わされることができることを認識するだろう。