(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】分析機器のための反応容器のためのボールをパッケージするためのデバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/02 B
(21)【出願番号】P 2019556877
(86)(22)【出願日】2018-04-10
(86)【国際出願番号】 FR2018050898
(87)【国際公開番号】W WO2018193184
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-10
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508328800
【氏名又は名称】ディアグノスチカ・スタゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・ブロサール
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-008067(JP,A)
【文献】米国特許第04101284(US,A)
【文献】実開平04-121282(JP,U)
【文献】特表2012-527607(JP,A)
【文献】特表2008-542789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析機器のための反応容器用のボール(7)をパッケージするためのデバイス(20)であって、
-少なくとも1つの開口部(27)を備え、前記ボール(7)を収容するために使用される本体(21)と、
-閉塞部材(61;83)であって、当該閉塞部材(61;83)が前記本体(21)の前記開口部(27)を閉塞する閉位置と、前記本体(21)の前記開口部(27)を開放させてそれにより前記ボール(7)を前記本体(21)から分配することを可能とする開位置と、の間で、前記本体(21)に対して移動できる、閉塞部材と、
を備え
、
前記閉塞部材(61;83)が、前記本体(21)に対して回動可能に取り付けられており、
前記本体(21)が、回転する連結部材(17)を通過させるための陥凹部(26)を有し、
前記閉塞部材(61;83)が、前記連結部材(17)と協働できる陥凹部(67;89)を有し、
前記閉塞部材(61;83)の前記陥凹部(67;89)が、前記閉位置において前記本体(21)の前記陥凹部(26)と対向して位置しており、前記開位置において前記本体(21)の前記陥凹部(26)と角度方向で間隔をあけていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記本体(21)が、第1部分(22)と、前記第1部分(22)にまたは前記第1部分(22)内に取り付けられた第2部分(23)と、を有し、
前記第1及び第2部分(22、23)が、前記ボール(7)のための筐体(60)を画成し、
前記閉塞部材(61;83)が、前記筐体(60)内に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2部分(23)が、ラッチ手段(40;81、82)によって前記第1部分(22)に付けられており、
前記ラッチ手段(40;81、82)が、前記第1及び第2部分(22、23)をラッチ係合させることを可能とし、前記第1及び第2部分(22、23)をラッチ係合させた後に前記第2部分(23)が前記第1部分(22)から引き抜かれることを防止するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記閉塞部材(83)及び前記本体(21)が、初期閉位置から
前記開位置までそして前記開位置から最終閉位置までのみ前記本体(21)に対して前記閉塞部材(83)の回転を可能とするための案内手段(43;90)を有することを特徴とする
請求項1から3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記案内手段(43、68;90)が、第1ラッチ領域(44;91a)及び反対側にある第2ラッチ領域(45;91b)を有し、
前記第1及び第2ラッチ領域が
、ノッチ付きまたは歯付きであり、
前記案内手段(43、68;90)が、前記閉塞部材の初期閉位置から
前記開位置まで前記本体(21)に対して前記閉塞部材(61;83)を回転させている間に前記第1ラッチ領域(44;91a)と協働する弾性タブ(68;94)をさらに備え、
前記弾性タブ(68;94)が、前記閉塞部材の
前記開位置から最終閉位置まで前記本体(21)に対して前記閉塞部材(61;83)を回転させている間に前記第2ラッチ領域(45;91b)と協働し、
前記第1及び第2ラッチ領域(44;91a、45;91b)が前記閉塞部材(61;83)に属し、かつ、前記弾性タブ(68;94)が前記本体(21)に属している、またはその逆であることを特徴とする
請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2ラッチ領域(44;91a、45;91b)それぞれが、円弧状に周方向に延在していることを特徴とする
請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2ラッチ領域(91a、91b)が、歯付きであり、径方向面にほぼ延在しており、
歯付きの前記第1及び第2ラッチ領域の歯それぞれが、対応する径方向面に対する傾斜面(98)と、前記径方向面に垂直にほぼ延在する停止面(99)と、を有することを特徴とする
請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記案内手段(90)が、
前記本体に対する前記閉塞部材の
回転を前記開位置
と前記閉位置
との間の範囲へ制限できる停止手段(100、101)を有することを特徴とする
請求項4から7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記閉塞部材(61;83)が、前記閉塞部材(61;83)の少なくとも1つの開口部(86)に向けて傾斜する少なくとも1つの螺旋状部分または傾斜面(65;87)を備えることを特徴とする
請求項1から8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のパッケージデバイス(20)と、収集デバイス(1)と、を有する組立体であって、
前記収集デバイスが、
-少なくとも1つの開口部(5)及び収集手段(6)を備え、前記開口部(5)が前記パッケージデバイス(20)の前記本体の前記開口部と対向して位置することを意図している、支持体(2)と、
-閉塞部材(8)であって、当該閉塞部材(8)が前記支持体(2)の前記開口部(5)を閉塞する閉位置と前記支持体(2)の前記開口部(5)が開口する開位置との間で前記支持体(2)に対して移動可能である、閉塞部材と、
-前記パッケージデバイス(20)の前記閉塞部材(61)と協働させるために使用される連結部材(18a)であって、前記閉塞部材(8)が、前記収集デバイス(1)の当該連結部材(18a)に対して回転移動可能であり、それにより、当該収集デバイスの前記閉塞部材(8)及び前記連結部材(12a)の開位置において、前記パッケージデバイス(20)からの前記ボールが、前記閉塞部材の及び前記パッケージデバイスの前記本体の前記開口部を、そして前記収集手段によって搬送される前に当該収集デバイスの前記支持体の前記開口部
を、通過する
、連結部材と、
を備えることを特徴とする組立体。
【請求項11】
前記収集デバイスの前記閉塞部材を前記開位置及び前記閉位置それぞれで維持
して前記本体に対する前記閉塞部材の角度方向位置を安定させる角度割出手段(13)を有することを特徴とする
請求項10に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学的または生物的試料を分析するための自動機器のような分析機器のための反応容器のためのボールをパッケージするためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなデバイスは、例えば媒体の物理的状態の改変時間を判断するために、特に血液試料の凝結時間を判断するために使用されている。
【0003】
反応容器は、特許文献1及び特許文献2からすでに公知であり、媒体の物理的状態の改変時間を判断するために、特に血液試料の凝結時間を判断するために、使用されている。これら容器は、容器の上端部において開口しており、強磁性体のボールのレースウェイを形成する湾曲底部を有し、ボールは、外部磁界を用いて周期的な運動で容器内を移動され得る。ボールの運動の強度及び/または周期の変化は、血液試料の物理的状態を示す。
【0004】
特許文献2において、ボールを収容する容器は、可撓性を有するキャリアフィルムに対して、隣り合い、取り外し可能に取り付けられており、このキャリアフィルムは、これら容器の上端部を封止し、自動分析機器に供給するためにリールに巻回され得、機器にわたって連続して容器を巻いている。
【0005】
分析前に容器それぞれにボールを挿入することが望ましい場合、このような導入は、分析機器内で自動的に行われ得る。これにより、特に、ボールを使用することが必要ではない新たな試験のために一部の容器を使用することが可能となる。したがって、容器それぞれについて、実行する試験に応じて、上記容器にボールを挿入することまたはしないことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許第0325874号明細書
【文献】国際特許出願公開第03/065047号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特に、この問題に対する簡素で効率的でかつコスト効率のよい解決法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、分析機器のための反応容器用のボールをパッケージするためのデバイスを提供し、このデバイスは、
-少なくとも1つの開口部を備え、ボールを収容するために使用される本体と、
-閉塞部材であって、閉塞部材が本体の開口部を閉塞する閉位置と、本体の開口部を開放させてそれによりボールを本体から分配することを可能とする閉位置と、の間で、本体に対して移動し得る、閉塞部材と、
を備える。
【0009】
ボールパッケージデバイスは、ボールを収容するために使用され、本体に対して閉塞部材を相対移動させることによって、本体からボールを分配することを可能とする。このために、例えば、本体を静止したままとしつつ閉塞部材を動かすこと、または逆に、閉塞部材を静止したままとしつつ本体を動かすこと、ができる。
【0010】
本体は、第1部分と、第1部分にまたは第1部分内に取り付けられた第2部分と、を備え得、上記第1及び第2部分は、ボールのための筐体を画成し、閉塞部材は、上記筐体内に取り付けられている。
【0011】
第2部分は、ラッチ手段によって第1部分に取り付けられており、上記ラッチ手段は、上記部分のラッチ組立を可能とし、上記部分をラッチ係合した後に第1部分から第2部分を離脱させることを防止する。
【0012】
このため、ラッチ手段によって、第2及び第1部分を分解することを防止する。そして、例えば、ボールを充填することができない。したがって、デバイスは、単一使用のみのものである。
【0013】
閉塞部材は、本体に対して回動し得るように取り付けられ得る。
【0014】
回動軸は、好ましくは、本体軸及び/または閉塞デバイスの軸である。
【0015】
本体は、連結部材を通過させるための陥凹部を有し得、閉塞部材は、連結部材と協働できる陥凹部を有し、閉塞部材の陥凹部は、閉位置において本体の陥凹部と対向しており、開位置において本体の陥凹部と角度方向で間隔をあけている。
【0016】
このため、使用時において、パッケージデバイスは、ボールを保持するように閉塞されており、連結部材は、連結部材が閉塞部材の陥凹部と嵌合するまで、本体の陥凹部内に挿入され得る。本体に対する連結部材の相対回転は、連結部材と閉塞部材の陥凹部との間の形状的な協働によって、閉塞部材の回転を引き起こす。
【0017】
このため、閉塞部材は、ボールが本体の開口部を通過することを可能とする開位置へ移動され得る。留意すべきことは、開位置において、デバイスは、連結部材に保持されている。実際には、本体の陥凹部が閉塞部材の陥凹部ともはや位置合わせされていない、すなわち向かい合っていないので、本体の陥凹部は、連結素子の取外しをもはや可能としない。これにより、ボールをデバイスから分析機器へ移送することを安定させる。
【0018】
閉塞部材及び本体は、初期閉位置から開位置までそして開位置から最終閉位置までのみ本体に対して閉塞部材を回転させることを可能とするための案内手段を有し得る。
【0019】
案内手段により、許容された回転とは反対側の回転を防止することによって、例えば爪車のように、閉塞回転を方向付けることができる。この案内は、2つの連続的な段階でなされる。第1段階において、閉位置から開位置までの移動が可能とされる。閉塞部材を完全に開けると開始する第2段階において、閉塞部材の閉位置への閉塞部材の移動のみを可能とする。第2段階の終わりにおいて、デバイスは、完全に閉塞され、もはや再び開放され得ない。したがって、デバイスをもはや使用できない。
【0020】
第1及び/または第2段階において、案内手段は、デバイスを部分的に開放したり閉塞したりし、そしてデバイスを閉塞したり開放させたりすることを回避するように設計され得る。
【0021】
案内手段は、互いに対向する第1ラッチ領域及び第2ラッチ領域を有し得、上記ラッチ領域は、例えば、ノッチ付きまたは歯付きであり、上記案内手段は、閉塞部材がその初期閉位置からその開位置まで本体に対して回転するときに第1ラッチ領域と協働する弾性タブをさらに備え、弾性タブは、閉塞部材がその開位置からその最終閉位置まで本体に対して移動するときに第2ラッチ領域と協働し、ラッチ領域は閉塞部材に属しかつ弾性タブは本体に属しているまたはその逆である。
【0022】
ラッチ領域それぞれは、弧状に周方向に延在され得る。
【0023】
ラッチ領域それぞれは、歯付きであり得、径方向面にほぼ延在し得、歯それぞれは、対応する径方向面に対して傾斜した面と、径方向面にほぼ垂直に延在する停止面と、を有する。
【0024】
歯付領域は、本体に対する閉塞部材の一方向のみの回転を可能とする。さらに、歯付領域は、同様に、角度割出手段として使用され得、それにより、特に本体から分配されるボールの流量を調整するために、中間開位置または中間閉位置を形成する。
【0025】
ラッチ領域は、閉塞部材が許容された方向で本体に対して回転すると、タブの弾性変形によって、タブが上記傾斜面に沿ってスライドすることを可能とする傾斜面を有し得る。
【0026】
ラッチ領域は、同様に、停止面を有し得、タブは、上記停止面に当接して位置でき、それにより、許容された方向とは反対方向で閉塞部材が本体に対して回転することを防止する。
【0027】
案内手段は、その開位置と閉位置との間で閉塞部材が回転することを制限できる停止手段を有し得る。
【0028】
例えば、停止手段は、弾性タブと径方向面に垂直に、すなわち回転軸に沿って延在する面とによって形成されている。このため、閉位置または開位置において、タブは、対応する停止面に当たることができる。
【0029】
閉塞部材は、閉塞部材の少なくとも1つの開口部に向けて傾斜する少なくとも1つの螺旋状部分を有し得る。
【0030】
そして、螺旋状部分は、重力によってボールを開口部に向けて方向付けることによって、ボールを分配することを容易にする。閉塞部材の開口部及び本体の開口部は、開位置において、互いに位置合わせされている、すなわち向かい合っており、閉位置において、互いに間隔をあけている。
【0031】
本体の第1部分は、後壁部から延在する筒状壁部を有し得る。
【0032】
本体の第1部分は、カバーを形成し得る。
【0033】
開口部及び/または陥凹部は、第1部分の底部に形成され得る。ポートは、第1部分の筒状壁部に設けられ得る。これらポートは、本体の第2部分に対する第1部分のラッチ手段に属し得、上記ポートは、例えば、本体の第2部分のラッチ突起部に係合するために使用される。
【0034】
本体の第2部分は、後壁部から延在するほぼ筒状の壁部を有し得る。本体の第2部分の底壁部は、本体の第1部分の底壁部の反対側にあり得る。
【0035】
本体の第2部分は、本体の第1部分の筒状壁部に少なくとも部分的に取り付けられ得る。
【0036】
陥凹部は、十字状であり得る。
【0037】
本体の第2部分は、例えばガラスまたはプラスチックのような透光性材料で形成され得る。
【0038】
筒状壁部は、平坦領域、すなわち、例えば五角形状など多角形状を有し得、把持を容易にする。
【0039】
本体の第1部分は、周方向にわたって均等に分配された4つの開口部など、少なくとも2つの開口部を有し得る。
【0040】
閉塞部材は、ボールを螺旋状部分に案内する中央錐状体を有し得る。
【0041】
ボールは、例えば、1mmから2mmの間の直径を有する。
【0042】
本発明は、同様に、上述したタイプのパッケージデバイスと、収集デバイスと、を備える組立体に関し、収集デバイスは、
-少なくとも1つの開口部と収集手段とを備え、上記開口部がパッケージデバイスの開口部と対向して位置することを意図している、支持体と、
-閉塞部材であって、この閉塞部材が支持体の開口部を閉塞する閉位置と、支持体の開口部が開放される開位置と、の間で、支持体に対して移動し得る閉塞部材と、
-パッケージデバイスの閉塞部材と協働するための連結部材であって、収集デバイスの閉塞部材と共に回転可能であり、それにより、収集デバイスの閉塞部材及び連結部材の開位置において、パッケージデバイスからのボールが閉塞部材及びパッケージデバイスの開口部を通過し、そして、収集手段へ搬送される前に収集デバイスの支持体の開口部を通過する、連結部材と、
を備える。
【0043】
組立体は、収集デバイスの閉塞部材を開位置及び閉位置に各別に維持できる角度割出手段を有し得る。
【0044】
角度割出手段は、閉塞部材から突出する角度割出領域に当たることができる弾性部材を有し得る。
【0045】
添付の図面に関して非限定的な例として付与された以下の説明を読むと、本発明をより理解し、また、本発明の他の詳細、特徴及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】閉位置にある分析機器の収集デバイスを示す頂面斜視図である。
【
図2】閉位置にある分析機器の収集デバイスを示す底面斜視図である。
【
図3】閉位置にある収集デバイスを示す径方向断面図である。
【
図4】開位置にある分析機器の収集デバイスを示す頂面斜視図である。
【
図5】開位置にある収集デバイスを示す径方向断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかるボールパッケージデバイスを示す底面斜視図である。
【
図16】初期閉位置にあるパッケージデバイスを示す底面図である。
【
図17】初期閉位置にある上記デバイスを示す径方向断面図である。
【
図19】
図16に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図20】
図18に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図21】
図16に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図22】
図18に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図23】
図16に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図24】
図18に対応する図であって、いくつかの連続的な中間開位置を示す、図である。
【
図25】
図16対応する図であって、完全開位置を示す、図である。
【
図26】
図18対応する図であって、完全開位置を示す、図である。
【
図27】
図16に対応する図であって、部分閉位置を示す、図である。
【
図28】
図18に対応する図であって、部分閉位置を示す、図である。
【
図29】
図16に対応する図であって、最終閉位置を示す、図である。
【
図30】
図18に対応する図であって、最終閉位置を示す、図である。
【
図31】本発明の第2実施形態にかかるボールパッケージデバイスを示す分解斜視図である。
【
図35】分析機器の閉塞部材への本発明にかかるデバイスの取り付けを示す斜視図である。
【
図36】閉位置にあるデバイスを示す底面図である。
【
図37】
図5に対応する図であって、部分開位置にあるデバイスを示す、図である。
【
図38】
図5に対応する図であって、開位置にあるデバイスを示す、図である。
【
図39】初期閉位置から最終閉位置までの様々な連続的な位置にある案内手段を示す図である。
【
図40】初期閉位置から最終閉位置までの様々な連続的な位置にある案内手段を示す図である。
【
図41】初期閉位置から最終閉位置までの様々な連続的な位置にある案内手段を示す図である。
【
図42】初期閉位置から最終閉位置までの様々な連続的な位置にある案内手段を示す図である。
【
図43】初期閉位置から最終閉位置までの様々な連続的な位置にある案内手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1から
図5は、分析機器の収集デバイス1を示す。収集デバイス1は、頂部において開口する筐体3を有するシリンダ状支持体2を有する。底面4は、全周にわたって均一に分布された、ここでは4つの、開口部5を有する。デバイス1は、同様に、上記開口部5を通してボール7(
図31及び
図32)を収集することができる収集手段6を有する。支持体は、例えばネジ2cによって、共に組み立てられた第1部分2a及び第2部分2bからなる。
【0048】
収集デバイス1は、同様に、
図1から
図3に示す閉位置と
図4及び
図5に示す開位置との間で支持体の軸回りに回転する閉塞部材8を有する。
【0049】
閉塞部材8は、軸方向で、支持体2の第1及び第2部分2a、2b間に位置する。閉塞部材8は、全周にわたって均一に分布された、ここでは4つの、開口部9を有する。閉塞部材8は、径方向外方に延在する2つの反対側にある角度割出領域10をさらに有する。角度割出領域10それぞれは、互いに対してかつ径方向に対して傾斜した2つの表面11a、11bを有しており、V字状を有している。閉塞部材8は、傾斜面11a、11bのいずれか側に延在する平坦領域12、ここでは4つの平坦領域を有する。一方では平坦領域11a、他方では平坦領域11bは、第1及び第2平面に各別に延在する。
【0050】
閉塞部材8は、同様に、その中心において、収集手段6とは反対側で軸Aに沿って延在する2つの突起12aを有する。これら突起12aは、閉塞部材8を回転させる手段を形成する。
【0051】
最後に、閉塞部材8は、閉塞部材の径方向外周部に少なくとも1つの溝部12bを有し、この溝部の周端部12c、12dは、段部を形成する。
【0052】
支持体2は、追加の角度割出手段13を有する。上記手段13は、ほぼU字状の弾性部材を備えており、この弾性部材は、ネジ14aによって支持体2に取り付けられた基部14と、端部16が閉塞部材8の角度割出領域10の傾斜面11a、11bにある2つの腕部15と、を備える。
【0053】
上記端部16は、径方向外方に湾曲しており、そのため、傾斜面11a、11bの形状に適合する。
【0054】
角度割出手段13を協働させることにより、閉塞部材8の2つの安定位置、すなわち、閉位置及び開位置を規定できる。
【0055】
収集デバイス1は、同様に、全体としてバヨネット形状を有する連結手段17を有する。連結手段17は、軸Aを有して支持体2に対して取り付けられたピン18と、ピン18から径方向外方に延在する2つの径方向反対側にある指部18aと、を有する。ピンは、例えば、直径が2.5mm、軸Aに沿う長さが10mmである。
【0056】
使用時において、閉塞部材8が閉位置(
図1から
図3)にあると、枝部15の端部16は、傾斜面11a、11b及び/または閉塞部材8の平坦領域12にある。
【0057】
閉塞部材8が開位置(
図4及び
図5)にあると、枝部15の端部16は、傾斜面11a、11b及び/または閉塞部材8の平坦領域12にある。
【0058】
角度割出手段13は、例えば振動によって、閉塞部材8が意図せず運動することを防止する。
【0059】
ネジ14aの端部19は、溝部12bの端部12c、12dと協働して停止部をさらに形成し、閉塞部材8がその開位置及び閉位置間で角度方向に変位することを制限する。
【0060】
図1及び
図3に示す閉位置において、ネジ14aの本体19は、溝部12bの端部12cに当接する。
【0061】
図4及び
図5に示す開位置において、ネジ14aの本体19は、溝部12bの端部12dに当接する。
【0062】
図6から
図15は、分析機器を対象とした本発明の第1実施形態にかかる反応容器のためのボール7用のパッケージデバイス20を示す。
【0063】
デバイス20は、第1部分22及び第2部分23を備える本体21を備える。
【0064】
第1部分22は、円板状底壁部24と、底壁部24の径方向外周縁から軸Bに沿って延在する筒状壁部25と、を有する。第1部分22は、被覆体を形成する。
【0065】
底壁部24は、例えば2つごとに垂直である4つの枝部を有する十字など、全体として十字状である中央陥凹部26を有する。底壁部24は、2つの開口部27をさらに有しており、開口部27それぞれは、円弧状を有する。開口部27それぞれは、径方向内側の円弧状縁部28と、径方向外側の円弧状縁部29と、径方向内側の及び径方向外側の縁部28、29を接続する2つの径方向縁部30と、を有する。
【0066】
開口部27それぞれは、径方向中心線C(
図11及び
図38)に沿って延在し、4つの枝部を有する陥凹部26の場合において例えば約45°だけ枝軸から角度方向にずらされている。
【0067】
筒状壁部25は、周縁回りに均一に分布された、ここでは4つの、ポート31を有する。ポート31それぞれは、ほぼ矩形状または正方形状を有する。
【0068】
第2部分23は、軸Bの筒状壁部32を備え、この筒状壁部は、底壁部34によって閉塞された第1端部33と、第2開口端部35と、を有する。第1端部33は、本体21の第1部分22における底壁部24とは反対側に位置する。
【0069】
筒状壁部25は、例えば五角形状などの、平坦領域または多角形部36を有しており、把持を容易にする。
【0070】
筒状壁部25は、第1端部33側に位置する第1部分37と、第2端部35側にある第2部分38と、を有しており、これら第1及び第2部分は、錐台接続領域39によって接続されている。第2部分38は、第1部分37よりも大径を有する。
【0071】
第2部分23の筒状壁部32、特に第2部分38は、第1部分22の筒状壁部25に搭載されている。
【0072】
第2部分38は、本体の第1部分22におけるポート31に係合することを意図した、例えばラッチスタッドなどの、ラッチ手段40を有しており、それにより、第1部分22及び第2部分23を固定する。
【0073】
第2部分38のうち底壁部とは反対側にある軸方向端部は、支持縁部41を形成する。
【0074】
2つの停止スタッド42は、支持端部41から軸方向に延在し、上記スタッド42は、径方向反対側にある。
【0075】
案内手段は、錐台領域29から端部35に向けて軸方向に延在する案内部材43を有する。案内部材43は、径方向で開口している。案内部材43は、10°から90°の角度範囲、例えば40°にわたって周方向に延在する径方向外面44及び径方向内面45を有する。これら面44、45は、ラッチ領域を形成する。
【0076】
径方向外面44は、第1周端部46から第2周端部47まで、連続的に、
-径方向に対して径方向外方を向く傾斜領域48と、
-円弧形状49にある領域と、
-径方向に対して径方向内方を向く傾斜領域50と、
-円弧状領域51と、
-径方向に対して径方向外方を向く傾斜領域52と、
-円弧状領域52と、
を備える。
【0077】
径方向内面45は、第2端部47から第1端部46まで、連続的に、
-径方向に対して径方向内方を向く傾斜領域54と、
-円弧状領域55と、
-径方向に対して径方向外方を向く傾斜領域56と、
-円弧状領域57と、
を備える。
【0078】
あるいは、傾斜領域50、52及び56は、径方向に延在する領域で置換され得る。
【0079】
径方向外面44及び径方向内面45は、傾斜領域48及び円弧状領域57によって第1端部46において互いに接続されている。
【0080】
径方向外面44及び径方向内面45は、円弧状領域53及び傾斜領域54によって第2端部47において互いに接続されている。
【0081】
錐台領域39は、同様に、円弧状ポート58を有し、ポート58それぞれは、10°から90°の角度範囲、例えば70°にわたって延在している。例えば、2つのポート58があり、これらポートは、径方向反対側にある。筒状壁部32の第2部分38は、円弧状にある溝部59(
図9)を有し、溝部59それぞれは、錐台領域39のポート58に沿って周方向に延在する。
【0082】
内部容積60は、一方では第2部分23の筒状壁部32及び底壁部34と、他方では第1部分22の底壁部24と、の間に区切られている。
【0083】
デバイス20は、同様に、第1部分22の底壁部24側において上述した内部容積60に取り付けられた軸Bの環状閉塞部材61を有する。閉塞部材61は、本体21に対して軸B回りに回動可能に取り付けられている。
【0084】
閉塞部材61は、ディスク状底壁部62と、底壁部62から延在し、底壁部62の径方向外周部に対して径方向内側に配置されたほぼ筒状の壁部63と、を有する。
【0085】
底壁部62は、4つの開口部64を有しており、開口部64それぞれは、扇環状を有する。底壁部62は、同様に、螺旋状部分の形態にある4つの傾斜面65と、中央錐状部分66と、を有する。傾斜面65それぞれは、下端部を有する、すなわち、本体21の第1部分22の底壁部24に近接しており、下端部は、閉塞部材61の開口部64の1つの縁部を形成する。
【0086】
傾斜面65それぞれは、例えば、約65°の角度範囲にわたって延在している。
【0087】
閉塞部材61及び/または第1素子22の底壁部24の開口部64、27それぞれは、例えば、25°のオーダーの角度範囲にわたって延在する。
【0088】
閉塞部材61は、閉塞部材61の開口部64と本体21の開口部27とが互いに向かい合って位置している開位置と、閉塞部材61の開口部64と本体21の開口部27とが完全に間隔をあけている閉位置と、の間で回転移動され得る。部分的な開口または閉塞は、閉塞部材61のある位置として規定されており、この位置において、閉塞部材の開口部64は、部分的にのみ、本体21の開口部27と向かい合っている。すなわち、
-閉位置において、本体21の開口部27は、完全に閉じており、
-開位置において、本体21の開口部27は、完全に開いており、
-部分開位置または部分閉位置において、本体21の開口部27それぞれの一部は、閉じており、本体21の開口部27それぞれの一部は、開いている。
【0089】
閉塞部材61は、同様に、本体21の陥凹部26の形状と同様の形状にある陥凹部67を有し、この陥凹部は、本体21に対する閉塞部材61の閉位置において本体21の上記陥凹部26と向かい合って位置している。
【0090】
閉塞部材61は、同様に、接続腕部69及びラッチ端部70を有するタブ68を有する。タブ68は、底壁部62にあるノッチ71内に収容されている。接続腕部69は、筒状面から径方向外方に延在する第1部分72と、第1部分72から周方向に延在する第2部分73と、を備える。上記第1部分72は、例えば30°から60度の間の角度だけ、径方向に対して傾斜している。第2部分73は、10°から45°の間の角度で周方向に延在しており、第2部分73の自由端部は、ラッチ端部70を形成する。タブ68は、案内手段に属しており、ラッチ端部70は、後述のように、径方向外面44及び径方向内面45と協働できる。
【0091】
ラッチ端部70は、周方向に延在する径方向内面74及び径方向外縁75と、周方向に対いてかつ径方向に対して傾いた2つの面76と、を有する。上記面76は、径方向に対して30°から60°の間の角度で、例えば45°の角度で、傾いている。
【0092】
閉塞部材61は、同様に、筒状面63から径方向外方に延在するスペーサスタッド77を有する。例えば、径方向反対側にある2つのスペーサスタッド77がある。
【0093】
また、閉塞部材61は、ラッチ手段78、この場合においてラッチタブを有する。ラッチタブ78それぞれは、底壁部62の径方向外周縁から軸方向に延在する。
【0094】
ラッチタブ78それぞれは、本体21の第2部分23における溝部59及び/またはポート58に係合しており、それにより、本体21に対して閉塞部材61をラッチ組立することを保証しつつ、本体21に対する閉塞部材61の角度方向変位を可能とする。このような組み立て中において、スペーサスタッド77それぞれは、支持縁部41にある。
【0095】
ラッチタブ68及び案内部材43は、初期閉位置から開位置までのみそして開位置から最終閉位置までのみ閉塞部材61が本体21に対して回転し得るように、互いに協働できる。
【0096】
本体21の第1部分22及び第2部分23と閉塞部材61とは、合成材料で形成されている。本体21の第2部分23は、透光性材料で形成され得る。上記第2部分23は、代替として、例えばガラスで形成され得る。
【0097】
内部容積60は、分析機器のための反応容器内には位置されるボール7を収容する。例えば、ボール7は、1mmから2mmの間の直径を有する。
【0098】
動作中において、パッケージデバイス20は、特に分析機器の収集デバイス1にある、分析機器のボール7の充填領域内に搭載されている。
【0099】
パッケージデバイス20は、初期閉位置において、支持体2上に及び静止連結部材17上に取り付けられている。静止連結部材は、本体21の第1部分22の陥凹部26を通って閉塞部材61の陥凹部67内に進入しており、これら2つの陥凹部26、67は、互いに位置合わせされている。同様に、閉塞部材61の開口部64及び支持体2の開口部5は、互いに向かい合って位置している。
【0100】
また、閉塞部材8の突起12aは、本体21の第1部分22の陥凹部26に係合しており、それにより、閉塞部材8と本体21との回転方向での連結を実現する。
【0101】
そして、操作者は、本体21を手動で回転させる。閉塞部材61は、取り付けられている連結素子17によって静止して保持されており、閉塞部材8は、本体21によって回転駆動される。
【0102】
この回動中において、開口部27、64は、分析機器の収集デバイス1にある閉塞部材61及び本体21の開口部64、27を部分的にまたは完全に位置合わせすることによって、徐々に解放される、すなわち開口する。この動作段階中において、閉塞部材61のラッチ端部70それぞれは、タブ68の接続腕部69の弾性変形によって、本体21の案内部材43の径方向外面44に沿って移動する。
【0103】
このため、タブ68のラッチ端部70は、
-傾斜領域48(
図17及び
図18)、
-円弧状領域49(
図20)、
-円弧状領域51(
図22)、
-傾斜領域52、及び、
-円弧状領域(
図24)、
に沿って、初期閉位置から開位置へ連続的に移動する。
【0104】
図21及び
図22に示す部分開位置において、閉塞部材61に対して本体21が閉位置へ復帰することは、ラッチ端部70を傾斜領域50に対して押し付けることによって防止される。
【0105】
このため、開放移動、すなわち、ラッチ端部70が案内部材43の第1端部46から第2端部47へ移動することのみが、可能とされる。
【0106】
図25及び
図26は、閉塞部材61に対する本体21の完全開位置を示す。
【0107】
また、デバイス20を開放させると、本体21及び閉塞部材61の陥凹部26、67は、もはや互いに対して位置合わせしておらず、そのため、支持体2及び連結部材17からデバイス20を取り外すことは、防止される。
【0108】
初期閉位置(
図16から
図18)において、閉塞部材61のラッチタブ70それぞれは、本体21の溝部59における対応する周端部に当たる。
【0109】
開位置(
図25及び
図26)において、閉塞部材61のラッチタブ68それぞれは、本体21の溝部59における他方の周端部に当たる。
【0110】
開位置において、閉塞部材61、本体21及び支持体2の開口部64、27、5は、互いに完全に位置合わせされている、すなわち、向かい合っている。
【0111】
開位置と閉位置との間の全許容変位α1は、例えば15°から90°、例えば約45°である。
【0112】
ボール7の分配は、デバイス20の部分的に開口することを、すなわち、本体21に対する閉塞部材61の回転角度が具体的な値、例えば0°から45°、特に35°より大きい場合に、可能とされ得る。この位置を
図21及び
図22に示す。留意すべきことは、この中間位置において、初期閉位置に戻ることがもはや可能ではないこと、である。
【0113】
分配されたボール7は、回収されて分析機器の充填領域内に蓄積される。傾斜壁部65及び中央錐状部分66は、ボールを重力によって開口部5に向けて方向付けることにより、ボール7の分配を容易にする。そして、ボール7は、反応容器内へ自動的に導入されるために使用される。
【0114】
図25及び
図26に示す開位置から、ボール7すべてをデバイス20の内部容積60から分配すると、操作者は、開方向とは反対方向で本体21を手動で回転させることによって、デバイス20を閉じ得る。
【0115】
この閉塞段階中に、ラッチ端部70の面76の傾斜及び案内部材43の傾斜領域54に起因して、ラッチ端部70は、
-傾斜領域54、
-円弧状領域45(
図27及び
図28)、及び、
-円弧状領域57(
図29及び
図30)、
に沿って連続的にスライドする。
【0116】
図27及び
図28は、部分閉位置を示しており、
図29及び
図30は、パッケージデバイス20の全閉位置、すなわち完全閉位置を示す。
【0117】
いったん最終閉位置に達すると、その後の使用のためにパッケージデバイス20を再び開放させることがもはや可能ではない。実際に、ラッチ端部70の変位は、傾斜領域56によって開方向で防止されている。
【0118】
同様に留意すべきことは、最終閉位置において、ラッチ端部70が停止スタッド42に当接して押圧し、それにより、パッケージデバイスがその初期開位置に復帰しないこと、である。
【0119】
すなわち、デバイス20は、単一使用のみのものである。この特性は、本体21の第1部分22の追加のラッチ手段78及び本体21の第2部分23がこれらの分解を防止するという事実によって補強されている。
【0120】
図31から
図34は、分析機器を意図した反応容器のためのボール7用の本発明の第2実施形態にかかるパッケージデバイス20を示す。
【0121】
第1及び第2実施形態の同じ要素は、同一の参照符号を使用して示される。
【0122】
デバイス20は、第1部分22及び第2部分23を備える支持体21を備える。
【0123】
第1部分22は、円板状底壁部24と、軸Bに沿って底壁部24の径方向外周部から延在する筒状壁部25と、を有する。
【0124】
底壁部24は、例えば2つごとに垂直である4つの枝部を有する十字状などの、ほぼ十字状にある中央陥凹部26を有する。底壁部24は、開口部27をさらに有しており、開口部27それぞれは、扇環状を有する。開口部27それぞれは、円弧状の径方向内縁部28と、円弧状の径方向外縁部29と、径方向内縁部28と径方向外縁部29とを接続する2つの径方向縁部30と、を有する。
【0125】
開口部27それぞれは、陥凹部26が4つの枝部を有している場合において例えば約45°だけ、枝軸から角度方向でずらして、径方向中心線C(
図38)に沿って延在している。
【0126】
底壁部24は、同様に、底壁部24の径方向外周部に設けられた断面矩形状の穴部79を有する。これら穴部79により、特に本体21の第1部分22を射出成形によって得る場合に、本体21の第1部分22の特定の素子を製造することが可能となる。
【0127】
筒状壁部25は、ここでは4つの、周方向に均一に分布するポート80を有する。ポート80それぞれは、ほぼ台形状を有する。
【0128】
第2部分23は、軸Bの筒状壁部32を有しており、この筒状壁部は、底壁部34によって閉塞された第1端部33と第2開口端部35と、を有する。第1端部33は、本体21の第1部分22の底壁部24とは反対側に位置する。
【0129】
第2部分23の筒状部分32は、第1部分22の筒状部分25内に取り付けられている。
【0130】
第2部分23の筒状壁部32は、筒状壁部の第2端部35の近くにおいて、ラッチ手段81を有しており、このラッチ手段は、本体21の第1部分22の筒状壁部25の内面に設けられた相補的なラッチ手段82と協働できる。
【0131】
特に、第2部分23の筒状壁部32は、第1部分22のフックセクションを形成する突出環状領域と協働する環状溝部を有する。
【0132】
溝部のセクション及び突出環状領域は、上記部分22、23のラッチを可能としかつ上記部分22、23をラッチ係合させた後に第2部分23が第1部分22から取り外されることを防止するように設計されている。
【0133】
内部容積60は、一方では第2部分の筒状壁部32及び底壁部34と、他方で第1部分22の底壁部24及び筒状壁部25と、によって区切られている。
【0134】
デバイス20は、同様に、上記内部容積60内に取り付けられ、第1部分22の底壁部24にある軸Bの環状閉塞部材83を有する。閉塞部材83は、本体21に対して軸B回りに回動可能に取り付けられている。
【0135】
閉塞部材83は、円板状底壁部84と、底壁部84の径方向外周部から延在するほぼ筒状の壁部85と、を有する。
【0136】
底壁部84は、4つの開口部86(
図31)を有し、開口部86それぞれは、リング扇状を有する。底壁部84は、同様に、螺旋状セクション87の形態にある4つの傾斜面と、中央錐状部分88と、を有する。螺旋状部分87それぞれは、下端部、すなわち、本体21の第1部分22の底壁部84に近接する端部、を有し、下端部は、閉塞部材83の開口部86のうちの1つの縁部を形成する。
【0137】
螺旋状部分87それぞれは、例えば、約65°の角度範囲にわたって延在する。
【0138】
閉塞部材83及び/または第1部分22の底壁部24の開口部86、27それぞれは、例えば、25°のオーダーの角度範囲にわたって延在する。
【0139】
閉塞部材83は、閉塞部材83の開口部86及び本体21の開口部27が互いに対向して位置する開位置と、閉塞部材83の開口部86が本体21の開口部27から完全に間隔をあけている閉位置と、の間で回転移動され得る。部分的な開閉は、閉塞部材の開口部86が本体21の開口部27と部分的にのみ対向して位置する位置として規定される。すなわち、
-閉位置において、本体21の開口部は、完全に閉じており、
-開位置において、本体21の開口部は、完全に開いており、
-部分的な開位置、すなわち部分的な閉位置において、本体21の開口部27それぞれの一部は、閉じており、本体21の開口部27それぞれの一部は、開いている。
【0140】
閉塞部材83は、同様に、本体21の陥凹部26の形状と同様の形状にある陥凹部89を有し、この陥凹部は、本体21に対する閉塞部材83の閉位置において本体21の上記陥凹部26と対向している。
【0141】
閉塞部材83及び本体21の第1部分22は、案内手段90を有しており、この案内手段は、初期閉位置から開位置までそして開位置から最終閉位置までのみ本体21に対して閉塞部材83が回転することを可能とする。
【0142】
このために、閉塞部材83は、少なくとも1つの案内部材91、すなわち歯付部分91、ここでは周方向にわたって均等に分布された4つの歯付部分91を備えている。歯付部分91それぞれは、第1端部92及び第2端部93を有する。歯付部分91それぞれは、第1部分22の底壁部24を向く第1歯付領域91aと、第1歯付領域91aの反対側にある第2歯付領域91bと、を有する。歯付領域91それぞれは、本体21の第1部分22の筒状壁部25から径方向内方に延在する弾性タブ94と協働できる。
【0143】
閉塞部材83は、弾性タブ94を挿入して受けるためのチャネル95を有しており、チャネル95それぞれは、第1部分95a及び第2部分95bを有する。第1部分95aは、径方向平面に対する傾斜面96によって境界付けられており、タブ94は、タブをチャネル95内へ導入すると、上記傾斜面96によって案内される。第2部分95bは、前面視において、対応する歯付部分91を囲むほぼC字状を有している。
【0144】
チャネル95の第1部分95a及び第2部分95bは、歯付部分91の第1端部92の反対側に位置する接続領域97によって接続されている。
【0145】
歯付領域91それぞれは、径方向平面にほぼ延在しており、歯付領域91の歯それぞれは、対応する径方向平面に対する傾斜面98と、径方向平面に対してほぼ垂直に延在する停止面99と、を有する。
【0146】
また、タブ94それぞれは、径方向平面に対する傾斜平面に方向付けられており、タブ94の方向付けは、歯の傾斜面99の方向付けと同様である。
【0147】
本体21の第1部分22及び第2部分23と閉塞部材83とは、合成材料で形成されている。本体21の第2部分23は、透光性材料で形成され得る。代替として、上記第2部分は、例えばガラスで形成され得る。
【0148】
内部容積60は、分析機器のための反応容器内に配置されるボール7を収容している。
【0149】
動作時において、デバイス20は、分析機器のうちボール7を収集するデバイス1に取り付けられる。特に、分析機器は、連結部材17と、デバイス20内に収容されているボール7を収集できる収集手段6を備える支持体2と、を有する。
【0150】
デバイス20は、初期閉位置において、支持体2にかつ連結素子17に取り付けられている。連結素子は、本体21の第1部分22における陥凹部26を通して閉塞部材83の陥凹部89内に進入しており、陥凹部26、80は、互いに位置合わせされている。
【0151】
そして、操作者は、手動で本体21を回転させる。閉塞部材83は、静止連結素子17に回転可能に連結されており、このため、本体21に対して相対的に回転する。
【0152】
この回動中において、開口部27、86は、閉塞部材83及び本体21の開口部86、27を部分的にまたは完全に位置合わせすることによって、徐々に解放される、すなわち開放される。この動作段階中において、本体21のタブ94それぞれは、タブ94の弾性変形によって、第1端部92(
図39に示す初期閉位置)から第2端部93(
図41に示す開位置)まで、第1歯付領域91aに沿って移動する。
図40は、中間位置、すなわち部分開位置を示す。上述のように、この動作段階中において、歯及びタブ94の形状によって、開移動、すなわち、すなわち、タブ94が第1歯付領域91aの第1端部92から第2端部93へ移動することのみが可能とされている。
【0153】
さらに、デバイス20を解放させると、本体21及び閉塞部材83の陥凹部26、89は、もはや互いに位置合わせされておらず、そのため、デバイス20を支持体2及び連結部材17から取り外すことが防止されている。
【0154】
初期閉位置(
図36及び
図39)において、タブ94は、チャネル95の第2部分95bの周方向端部を形成する第1停止面100に支持されている。開位置(
図38及び
図41)において、タブ94は、第1停止面100の反対側にあり、チャネル95の第1部分95bの周方向端部を形成する第2停止面101に支持されている。
【0155】
開位置において、閉塞部材83及び本体21の開口部89、26は、互いに完全に位置合わせされている、すなわち向かい合っている。
【0156】
開閉位置間の全許容変位α3(
図38)は、例えば45°から90°の間、例えば60°である。
【0157】
ボール7を分配することは、デバイス20を部分的に開放させることによって、すなわち、本体21に対する閉塞部材83の回転角度α’(
図37)が所定値、例えば40°から50°の間よりも大きい場合に、可能とされ得る。この中間位置を
図37に示す。分配されたボール7は、回収され、分析機器の収集デバイス1に蓄積される。螺旋状部分87及び中央錐状部分88は、重力によってボールを開口部89、27に向けて方向付けることによって、ボール7の分配を容易にする。そして、ボール7は、反応容器内に自動的に導入するために使用される。
【0158】
図8及び
図11に示す開位置から、ボール7すべてをデバイス20の内部容積60から分配すると、操作者は、開方向とは反対の方向で本体21を手動で回転させることによって、デバイス20を閉じ得る。この閉塞段階中において、タブ94の傾斜及び第2端部93に位置する端部歯の傾斜面98に起因して、タブ94は、タブ94の弾性変形によって、第2歯付領域91bの歯の傾斜面98に沿って、第2端部93から第1端部92までスライドする。
図12は、部分閉位置を示しており、
図13は、デバイス20の完全、すなわち最終閉位置を示す。
【0159】
上述のように、この閉塞段階中において、閉塞移動、すなわち、タブ94が第2歯付領域91bの第2端部93から第1端部92まで移動することのみが、歯及びタブ94の形状によって、許容されている。
【0160】
このため、いったん最終閉位置に達すると、後の使用のためにデバイス20を再び開放させることがもはや可能ではない。すなわち、デバイス20は、単一使用のみのためのものである。この特性は、本体21の第1部分22及び第2部分23と相補的なラッチ手段81、82が分解することを防止するという事実によって、強化される。
【0161】
想定される実施形態にかかわらず、本発明にかかるボールパッケージデバイスは、好ましくは、単一使用のためのものであり、自動分析機械へのボールの供給を安定させ、ひいては試験のために推奨されている物理的特性以外の、得られる結果の解釈を歪曲させる効果を有する物理的特性を有するボールを使用することを回避することによって、分析処理を安定させることができる。
【符号の説明】
【0162】
1 収集デバイス、2 シリンダ状支持体、5 開口部、6 収集手段、7 ボール、8 閉塞部材、12a 連結部材,突起、13 角度割出手段、17 静止連結部材,静止連結素子、18a 連結部材,ピン,指部、20 パッケージデバイス、21 本体,支持体、22 第1部分、23 第2部分、26 陥凹部,開口部、27 開口部、40,81,82 ラッチ手段、43 案内手段,案内部材、44 第1ラッチ領域,径方向外面、45 第2ラッチ領域,径方向内面,円弧状領域、60 筐体,内部容積、61,83 環状閉塞部材、65 傾斜面、67 陥凹部、68 案内手段,弾性タブ,ラッチタブ、86 開口部、87 傾斜面,螺旋状部分,螺旋状セクション、89 陥凹部,開口部、90 案内手段、91a 第1ラッチ領域,第1歯付領域、91b 第2ラッチ領域,第2歯付領域、94 弾性タブ、98 傾斜面、100 停止手段,第1停止面、101 停止手段,第2停止面