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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】呼吸装置の蓋構造
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20220906BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A61M16/16 A
A61M16/00 305A
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020082349
(22)【出願日】2020-05-08
(62)【分割の表示】P 2018114308の分割
【原出願日】2013-09-23
(65)【公開番号】P2020127783
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】61/705,340
(32)【優先日】2012-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ジェレミー リヴィングストン
(72)【発明者】
【氏名】カット アルジェン ディヴィッド
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-017622(JP,U)
【文献】特表2010-508957(JP,A)
【文献】特開2003-220580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/16
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置の蓋であって、前記蓋および主要本体が選択的にキャビティを密閉し、液体本体を保持するように構成され、前記蓋は、
少なくとも1つの柱であって、該少なくとも1つの柱の周囲面の少なくとも一部は、前記主要本体に取り付けられた少なくとも1つの支持部の凹部内に受け入れられるように構成された、少なくとも1つの柱と、
前記主要本体のカム構造と係合するように作られた案内構造であって、前記カム構造は、傾斜表面を有し前方下端から後方上端にかけてテーパしており、該案内構造は、前記傾斜表面と係合する表面を有している、案内構造と、を含み、
前記蓋が開放位置にあるとき、前記蓋は、力を適用することによって、前記主要本体から分離することができ、
前記蓋が取り外された状態から取り付けられた状態へ移動されるとき、前記少なくとも1つの支持部が前記柱の前記少なくとも一部を受け入れるように、前記傾斜表面と係合する前記案内構造の前記表面が前記カム構造の前記傾斜表面と接触し、前記蓋を前記主要本体の前部に向かって滑り運動をさせるように前記蓋が閉鎖位置に回転される、蓋。
【請求項2】
解放アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記解放アセンブリは、ボタン部材を含む、請求項2に記載の蓋。
【請求項4】
前記蓋は、前記ボタン部材が押圧される間1つまたは複数の指の先端と係合されるように作られた構成要素をさらに含む、請求項3に記載の蓋。
【請求項5】
前記構成要素は、リップ、隆起部、および突起のいずれか1つまたは複数である、請求項4に記載の蓋。
【請求項6】
前記ボタン部材は、前記少なくとも1つの柱から外方へばね付勢される、請求項3~5のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項7】
前記少なくとも1つの柱は、前記蓋の外周の内側に位置付けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓋。
【請求項8】
請求項1に記載の蓋と、
前記主要本体と、を含む、呼吸補助装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの柱は、前記主要本体に対する前記蓋の回転移動を可能にする、請求項8に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの支持部は、前記少なくとも1つの柱にのしかかる、請求項8または9に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記主要本体は、前記少なくとも1つの柱の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延在するクリップを含み、前記クリップは、前記少なくとも1つの柱が前記クリップと前記少なくとも1つの支持部との間に捕捉されるように、前記蓋が前記主要本体に組み付けられたとき、前記少なくとも1つの柱の、前記少なくとも1つの支持部と反対の側に位置付けられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記滑り運動は、前記蓋が前記主要本体に対して切り離された状態から係合された状態へ移動されるときだけ起きる、請求項8~11のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの柱の前記滑り運動は、前記蓋が前記閉鎖位置にある状態で前記少なくとも1つの支持部が前記少なくとも1つの柱の上に少なくとも垂直に位置付けられるように、水平である、請求項8~12のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの支持部は、開口部を画定し、該開口部は、前記蓋を前記主要本体に対して前記取り外された状態から前記取り付けられた状態へ移動させることができるように、前記少なくとも1つの柱が前記開口部を通過することを許容する、請求項8~13のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの柱は、円筒状の形状である、請求項8~14のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの柱は、前記少なくとも1つの支持部とともにヒンジアセンブリを形成するように構成されている、請求項8~15のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して呼吸装置に関する。詳細には本発明は、呼吸ガスが容器中の液体の表面上を通過した後、陽圧で供給される呼吸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
閉鎖性睡眠中無呼吸のCPAP療法は、加圧された通気性ガス、一般的に空気を、導管およびマスクなどの使用者インターフェースを使用して、使用者の気道に送り届けることを必要とする。CPAPに採用されるガス圧は一般的に、使用者の条件に依存して、(使用者インターフェースで測定される)最大約180L/minの流速で、約4cmH2Oから約28cmH2Oまでの範囲内にある。加圧ガスは使用者の気道の空気圧副子としての役割を果たす。従って、加圧ガスは気道がつぶれる可能性を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CPAP機械は、加圧ガスを供給する気道形成装置を含み、多くのCPAP機械は、加圧ガスを加湿するための加熱水浴または他の水源を含む。CPAP機械は、寝室または他の寝るための区画で使用されることが多く、例えばナイトテーブル上に配置される。従って、CPAP機械の設置面積を低減することは望ましい。さらに、ナイトテーブルの上面の限定された空間を考慮すると、CPAP機械は、可能な限り壁の近くへ押されることが多い。
【0004】
CPAP機械が使用される窮屈な空間のため、水槽等を密閉するために使用される蓋または他の構成要素の簡単な操作が望まれる。好ましくは、蓋または他のそのような構成要素は、ヒンジの周りを簡単に回転可能である。さらに好ましくは、ヒンジは、隣接する外側表面と概ね面一であるか、その中にのめり込むように構成される。さらにより好ましくは、ヒンジは、機械内の空気圧によって発生する力(例えば、概ね水平の蓋に対する垂直の力)に対抗する拘束を提供し、その一方、蓋が開放する間限度を超えて広げられるとき蓋の取外しを許容する。
【0005】
さらに、水槽にアクセスする能力を改善するために、蓋は、使用者が片手で蓋をあけることができるように、好ましくはラッチ機構を支持する。換言すると、片手で、好ましくは1つの位置にある片手で、ラッチを操作可能であり、蓋を開けることができる。そのような構造は、ラッチを操作するために片手を必要とし、続けて蓋を上げるためにもう片方の手を必要とする構造に優る歓迎される改善である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの構造では、呼吸補助装置は蓋および主要本体を含み、蓋および主要本体は選択的にキャビティを密閉する。蓋はボタン部材および少なくとも1つのヒンジアセンブリを含む。
【0007】
いくつかの構造では、蓋はさらに、ボタン部材が押圧される間1つまたは複数の指の先端と係合されるように作られた構成要素を含む。
【0008】
いくつかの構造では、ボタン部材は、少なくとも1つのヒンジアセンブリから外方へばね付勢される。
【0009】
いくつかの構造では、少なくとも1つのヒンジアセンブリは、主要本体に対する蓋の回転移動を可能にする。
【0010】
いくつかの構造では、ヒンジアセンブリは、少なくとも1つの柱および少なくとも1つの支持部を含み、支持部は柱にのしかかり、柱は蓋の外周の内側に位置付けられる。
【0011】
好ましくは、ヒンジアセンブリは、柱の少なくとも軸方向長さに沿って延在するクリップを含み、クリップは、柱がクリップと支持部との間に捕捉されるように、柱の、支持部と反対の側に位置付けられる。
【0012】
いくつかの構造では、少なくとも1つのヒンジアセンブリは、案内構造およびカム構造を含み、案内構造およびカム構造は、柱が回転する間、柱の滑り運動を引き起こすように構成される。
【0013】
いくつかの構造では、案内構造は案内表面を含み、使用中、案内表面はカム構造と接触し、蓋の閉鎖移動の結果として柱の滑り運動を介して蓋を主要本体に対して取り外された状態から取り付けられた状態へ移動する。
【0014】
好ましくは、滑り運動は、蓋が主要本体に対して切り離された状態から係合された状態へ移動されるときだけ起きる。
【0015】
好ましくは、柱の滑り運動は、支持部が柱の上に少なくとも垂直に位置付けられ、蓋が閉鎖された位置にある状態で、実質的に水平である。
【0016】
いくつかの構造では、少なくとも1つの支持部は開口部を画定し、開口部は、使用中、蓋を主要本体に対して取り外された状態から取り付けられた状態へ移動させることができるように、少なくとも1つの柱が開口部を通過することを許容する。
【0017】
いくつかの構造では、呼吸装置の蓋を開放する方法は、蓋をラッチ解除するためにボタン部材を係合構成要素の方へ移動させるステップと、続いて、使用者が手の位置を変える必要なく蓋を開放位置へ回転させるステップとを含む。
【0018】
いくつかの構造では、蓋を呼吸装置の主要本体に係合する方法は、蓋が開放位置にある状態で柱を少なくとも1つの支持部材と平行に配置するステップと、蓋を閉鎖位置の方へ回転させるステップであって、その結果、蓋に形成された少なくとも1つの係合構造と、主要本体に形成された少なくとも1つの係合構造とにより蓋は係合された構造にされ、ここで蓋は係合された構造であるが回転可能な状態であるステップとを含む。
【0019】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点を、以下の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の特定の特徴、態様および利点に従い配置かつ構成された呼吸補助装置の後方斜視図である。
図2】蓋が閉鎖位置にある、図1の呼吸補助装置のヒンジの拡大された後方上面斜視図である。
図3図2のヒンジの拡大された前方斜視図であり、蓋を開放位置で示す。
図4図2のヒンジの断面斜視図であり、蓋を部分的に閉鎖された位置で示す。
図5図1の呼吸補助装置の蓋の前方斜視図であり、蓋は本発明の特定の特徴、態様および利点に従い配置かつ構成されている。
図6図5の蓋のラッチ部材の後方底部斜視図である。
図7】蓋に組み付けられた状態で示される、図6のラッチ部材の後方底部斜視図である。
図8A】開放から閉鎖までのいくつかの位置にある図2のヒンジの案内構造の側面図である。
図8B】開放から閉鎖までのいくつかの位置にある図2のヒンジの案内構造の側面図である。
図8C】開放から閉鎖までのいくつかの位置にある図2のヒンジの案内構造の側面図である。
図8D】開放から閉鎖までのいくつかの位置にある図2のヒンジの案内構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の特定の特徴、態様および利点に従い配置かつ構成された呼吸補助装置100を示す。装置100は、主要本体102および蓋104を含む。主要本体102および蓋104は一緒にハウジング106を画定し、ハウジング106は、容器、槽、タンクまたは他の液体本体(不図示)をキャビティ内に密閉する、または全体的に包み込む。
【0022】
示されている本体102は、少なくとも1つの外側表面110を含む。示されている構造では、本体102は、4つの概ね平坦な外側表面110を含み、それらは丸い角112で接続される。他の構造が可能である。
【0023】
蓋104はヒンジアセンブリ114で本体102に接続される。示される構造では、蓋104は2つのヒンジアセンブリを使用して主要本体102の後部に接続される。蓋104は他の表面に接続可能である。さらに、蓋104は、わずか1つのヒンジアセンブリ114、または2つより多いヒンジアセンブリ114を使用して主要本体102に接続可能である。好ましくはヒンジアセンブリ114は、蓋104が閉鎖した状態で(例えば図1に示されるように)、ヒンジアセンブリ114が概ね後部外側表面110と面一になるかその中にのめり込むように構成される。いくつかの構造では、ヒンジアセンブリ114は、ヒンジアセンブリが後部外側表面110の後方に突出しないように構成される。いくつかの構造では、ヒンジ特徴部のいくつかは、後部外側表面の1つまたは複数の周囲表面、または装置の他の周囲部分からほんのわずか突出してもよい。いくつかの構造では、蓋104は外周面116を含み、ヒンジアセンブリ114は、蓋104の外周面116の外方に実質的に突出しない。
【0024】
図2を参照すると、ヒンジアセンブリ114は、少なくとも1つの柱120および少なくとも1つの支持部122を含む。好ましくは、少なくとも1つの柱120は、柱が蓋の外周面116の内側にのめり込みかつ位置付けられるように取り付けられる。示される構造は、2つの支持部122に接続される1つの柱120を含む。いくつかの構造では、少なくとも1つの柱120は蓋104に取り付けられ、その一方、少なくとも1つの支持部122が主要本体102に取り付けられる。いくつかの構造では、少なくとも1つの柱120は主要本体102に取付け可能であり、その一方、少なくとも1つの支持部122が蓋104に取付け可能である。
【0025】
少なくとも1つの柱120は、1つまたは複数のスタンドオフ(standoff)124を使用して蓋104に固定可能である。示される構造では、スタンドオフ124は2つの支持部122の間に位置付けられる。スタンドオフは支持部122の領域において柱120の撓みを低減する。いくつかの構造では、スタンドオフ124の間に延びる柱120の部分126は省略可能である。しかしながら、示される構造では、柱120の部分126はクリップ130によって固定可能である。クリップ130は、柱120を収容する凹部または他のいずれか適切な構造を有することができる。
【0026】
示される構造においてクリップ130によって柱120に生成される力は、例えば、支持部122によって生成される力によって対向される。クリップ130は、支持部122と柱120の間の接触領域に関して柱120の反対側と接触可能である。いくつかの構造では、クリップ130は、柱120とクリップ130を組み立てる間、柱120から離れて曲がるように構成可能である。例えば、クリップ130は、主要本体102から後方に延びる可撓性フィンガであることができる。支持部122は、柱120の周囲面の少なくとも一部を受け入れる後方に開口する開口部を画定する凹部を有することができる。従って、矢印で示される方向における柱120の移動の結果、支持部122およびクリップ130に対する柱120の取付けおよび取外しがもたらされ得る。また、支持部122の後方に開口する開口部は、柱120にのしかかる構造をもたらし、その結果、柱120が支持部122の開口部内に完全に受け入れられているので支持部122に対する柱120の垂直移動は不可能である。従って、治療の間、蓋104が主要本体102から分離する可能性は低い。
【0027】
図3を参照すると、蓋104および主要本体102は、柱120およびクリップ130および支持部122を接続するように案内する構成を含むことができる。いくつかの構造では、この構成により、蓋104が主要本体102上で閉鎖位置の方へ移動されるとき、少なくとも1つの柱120が支持部122の開口部へ移動し、およびクリップ130と係合することが容易になる。示される構造では、2つの案内構造140が2つの支持部122の外側に位置付けられている。他の構造も可能である。
【0028】
図4を参照すると、案内構造140は、カム構造144を受け入れる凹部142を含む。カム構造144は、蓋104が主要本体102上で完全に閉鎖された位置へ移動された状態で、カム構造144が蓋104が完全に閉鎖することを邪魔しないように、凹部142内に受け入れられる。カム構造144は、カム構造144の厚さが後部から前部まで増大するように傾斜表面146によって先端に向かってテーパする一方、案内構造は対向表面150を有する。傾斜表面146および対向表面150は互いに係合し、その結果、傾斜表面146および対向表面150は、蓋104が少なくとも部分的に閉鎖された位置にあるとき、主要本体102に対する蓋104の取外し方向(図2参照)の移動に抵抗する。
【0029】
さらに、蓋104が閉鎖位置(例えば図1)に回転されるとき、傾斜表面146および対向表面150は、蓋104を前方へ引き、取付位置へ位置付けるように作用する(例えば、少なくとも1つの柱120が支持部122およびクリップ130に接続される)。従って、蓋104の回転の結果、ヒンジアセンブリ114は取り外された状態から動作可能に接続されることができる。いくつかの構造では、初期接触から完全閉鎖までの傾斜表面146および対向表面150の厚さの差は、柱120の外側表面および支持部122との第1の接触部からの距離と実質的に同じであり、その結果、傾斜表面146および対向表面150がそれらの長さに沿って完全係合するように移動するとき、柱120は支持部122およびクリップ130内の位置へ引かれる。
【0030】
特に、蓋104が主要本体102に対して開放位置(例えば図3)にある状態で、十分な空間が傾斜表面146と対向表面150との間に存在し、その結果、蓋104は力を適用することによって主要本体102から分離することができる。有利には、そのような構成により、柱120を支持部122およびクリップ130から切り離すことによって蓋104および主要本体102の間の分離が可能になる。そのような分離は、蓋をあけ過ぎることによって発生する力、または装置100の起こり得る誤用から発生する損傷から装置100を保護することができる。従って、蓋104を主要本体102から分離する能力は、装置100を永久的な損傷から保護することができる。上で考察したように、蓋104は柱120を支持部122と平行に配置し、かつ蓋104を閉鎖位置へ回転させることによって簡単に再接続可能であり、回転の結果、カム構造144の傾斜表面146および案内構造の対向表面150は構成要素を一緒に引き戻す。
【0031】
次に図5を参照して、蓋104の解放および把持アセンブリ160を記載する。示されるように、解放および把持アセンブリ160は、蓋104に取り付けられる少なくとも1つのボタン部材162を含む。いくつかの構造では、ボタン部材162は、ヒンジアセンブリ162の方へおよびそれから離れる方へ移動するように取り付けられる。いくつかの構造では、ボタン部材162は、ヒンジアセンブリ114を有する蓋104の側に隣接する蓋104の側に沿って取付け可能である。示される構造では、ボタン部材162は、ヒンジアセンブリ114に関して蓋104の反対側に取り付けられ、ヒンジアセンブリ114の方へおよびそれから離れる方へ移動可能である。
【0032】
ボタン部材162は図6に示される。ボタン部材は外側表面164を含み、これは図5に最もよく示されている。外側表面164は、指または親指と接触するのに十分に大きい。図5にも示されているように、蓋104は、蓋104を持ち上げるために使用される構成要素166を含むことができる。示される構造では、構成要素166は窪んだ領域であり、これは外側表面164と概ね平行に延びる壁170を有する。好ましくは、窪んだ領域166は、指の少なくとも先端を収容するのに十分に大きい。いくつかの構造では、構成要素166は、1つまたは複数のリップ、隆起部、突起、凹部などである。従って、構成要素166(例えば壁170を有する)および外側表面164は、簡単な絞り作用がボタン部材162の掛け外れならびに掴み作用の提供を達成することを可能にし、主要本体102から離れる蓋104の移動を可能にする。
【0033】
再度図6を参照すると、示されるボタン部材162は2つの外側柱172を含む。柱172は、例えばおよび限定せずにばね等などの付勢部材と係合するように寸法決めされ、かつ構成される。柱172は、蓋104に形成される対応するハウジング174内に受け入れられる。ハウジング174は付勢部材を含むことができ、柱172は、付勢部材の付勢力に対抗してハウジング174に出入りするように滑動することができる。
【0034】
示されるボタン部材162はまた、少なくとも1つのタブ176を含む。示される構造では、ボタン部材162は2つのタブ176を含む。タブ176は端部にかかり180を有するバヨネット状である。図7に示されるように、タブ176は蓋104に形成される構造182と係合することができる。従ってタブ176は、その構造と協働して、ボタン部材162が蓋104の凹部から出る可能性を低減し、一方でボタン部材162が蓋104に対して内側に押されることを許容する。
【0035】
構造182はまた、ボタン部材162に取り付けられるかそこに形成されたフィンガ186を受け入れる通路184を含む。通路184は、大まかに言えば蓋104に対するボタン部材162の直線並進移動をもっぱら容易にする。換言すると、通路184はフィンガ186を受け入れ、フィンガ186は通路184によって実質的に直線状の移動に概ね制限される。
【0036】
フィンガ186はロック用柱190を支持する。ロック用柱190は、主要本体102に形成された構造と係合することができる。いくつかの構造では、ロック用柱190は、主要本体102の内側表面に形成された構造と係合し、その結果、ボタン部材162を押圧することによりロック用柱190と、ロック用柱190が通常係合する前記構造との間に分離がもたらされる。ボタン部材162の解放により、付勢部材はロック用柱190をロック用柱190が通常係合する前記構造と再係合する位置に移動する。
【0037】
図8A~8Dは、主要本体102に対するいくつかの位置で蓋104を示す。図8Aは第1開放位置にある蓋104を示す。図8Bおよび8Cは、図8Aの第1開放位置に対して徐々にさらに閉鎖される位置にある蓋104を示す。図8Dは閉鎖位置にある蓋104を示す。特に、図8A~8Dはさらに、蓋104が開放位置から閉鎖位置へ移動するときの、カム構造144の傾斜表面、またはカム表面146と、蓋凹部142の対向表面(案内表面またはカムフォロワ表面とも呼ばれる)150との相互作用を示す。本明細書に記載されるように、カム構造144および凹部142は、蓋104が開放位置から閉鎖位置へ移動されるとき、蓋104を、主要本体102に対して取り外された位置から、主要本体102に対して取り付けられた位置へ移動するように相互作用することができる。
【0038】
本明細書に記載されるように、支持部122は開口部202を含む凹部200を含み、開口部202は示される構成では後方に開口する。好ましくは、凹部200は細長い形状であり、全体的に前後方向に延在する。示される構成では、凹部200は全体的にまたは実質的に水平であるか、主要本体102の底部支持表面と整列され、その結果、凹部200は、装置100が平坦表面に置かれるとき、全体的にまたは実質的に水平である。凹部200は上側および下側案内表面204を含み、それらは開口部202から端部表面206まで前方に延在する。本明細書に記載されるように、支持部122はまた、蓋104を主要本体102から分離する傾向のあるハウジング106内の力(例えば内側圧力によりもたらされる力)に応答して蓋104を主要本体102に保持することを補助する。従って、端部表面206の上側部分および/または上側案内表面204は、柱120と接触する保持表面を形成可能であり、蓋104を主要本体102から分離する傾向のある力に応答して、蓋104、または支持部122および/またはヒンジ114に近い蓋104の少なくとも一部(例えば後方部分)を、主要本体102に保持する。
【0039】
示される構成では、端部表面206は、側面からの形状において湾曲され(例えば半円形)、上側案内表面204および下側案内表面204と接続する。示される支持部122は、横方向すなわち側面から側面へ向かう方向において細長く、従って、3次元の実質的に半円筒形状を画定する。しかしながら便宜上、ヒンジ114、案内構造140およびカム構造144は、本明細書中、図8A~8Dの側面図の文脈において、2次元の用語で記載することができる。記載される構造はまた、装置100に対して幅寸法を、すなわち図8A~8Dの側面図に対して深さ寸法を有することも認識される。
【0040】
示される端部表面206は、中心点210(すなわち3次元における軸)からの半径208を有する曲線によって画定される。凹部200は長手軸212を有することができ、長手軸212は、概ね開口部202から端部表面206まで凹部200の長さに沿って延在し、示される構造では、中心点210を通って延びる。軸212は、上側および下側案内表面204の1つまたは両方と整列されることができるかそれらと平行であることができ、または(例えばおよび限定せずに、テーパした凹部の場合など)案内表面204間の中心に位置付け可能である。示される構造では、軸212は、全体的にまたは実質的に水平(すなわち主要本体102の底面と平行)である。しかしながら他の構造では、軸212は非水平、すなわち主要本体102の底面に対して傾けられてもよい。
【0041】
本明細書に記載されるように、柱120は好ましくは円筒状の形状である、すなわち図8A~8Dに示されるように側面から見て円形の形状である。柱120は中心点214(すなわち3次元の軸)および半径216を決定する。好ましくは、柱120の半径216は、端部表面206の半径208と実質的に等しく、その結果、柱120は、端部表面206に対してぴったりと位置付け可能であり、また中心点210、214が実質的に互いに整列した状態で、すなわち同軸である状態で、凹部200内で垂直方向に制限可能である。
【0042】
好ましくは、カム構造144のカム表面または傾斜表面146は、蓋104が開放位置から閉鎖位置の方へ移動されるとき、柱120が凹部200の軸212に沿って端部表面206の方へ移動されるように、端部表面206および/または中心点210に対して位置付けられる、または方向付けられる。示される構成では、第1の距離220が、傾斜表面146の第1地点または位置222と、中心点210との間に定められ、第2の距離224が、傾斜表面146の第2地点または位置226と、中心点210との間に定められる。好ましくは、第1地点222は傾斜表面146の初期部分に位置付けられ、第2地点226は傾斜表面146の後続部分に位置付けられ、その結果、対向表面150は、蓋104が開放位置から閉鎖位置へ移動されるとき、第2地点226の前に第1地点222と接触する。第1地点222は、蓋104が閉鎖する間、対向表面150によって最初に接触される位置であるかその近くであることができ、第2地点226は、蓋104が閉鎖位置にあるとき、対向表面150によって接触される傾斜表面146に沿ったさらに遠い位置であるかその近くであることができる。第1の距離220は好ましくは第2の距離224より短く、その結果、蓋104が開放位置から閉鎖位置へ移動されるとき、および対向表面150が傾斜表面146に沿って第1地点222から第2地点226に向かう方向に移動するとき、凹部200の軸212に沿った柱120の移動が引き起こされる。
【0043】
蓋104が好ましくは閉鎖されたとき凹部200内で柱120の中心点214によって移動された距離228は、第2距離224と第1距離220の間の距離230に実質的に等しい。距離228は凹部200の全長未満であることができる。案内構造140によって端部表面206に引かれる前、柱120を凹部200内に少なくとも部分的に位置付けすることができるためである。他の構成では、距離228は凹部200の長さと実質的に等しくてもよい。すぐ上に記載した距離は中心点210および214に関連しているが、距離は同様に、所望なら、非円形(すなわち非円筒)の凹部または柱の形状の文脈においてなど、それぞれ凹部200(例えば端部表面206)および柱120上の位置の他の地点に対して測定されてもよい。
【0044】
図8Aは、主要本体102に対して第1開放位置にある蓋104を示し、第1開放位置は、蓋104の再取付プロセスを開始するときなど、完全に開放した位置であり得る。示されるように、対向表面150は、蓋104の後方移動(例えば取外し)か許容されるように、傾斜表面146から離されている。有利には、そのような構成により、蓋104に適用される過剰な開放力によって発生する永久的な損傷の可能性が低減される。図8Bは、第2開放位置にある蓋104を示し、第2開放位置は図8Aの第1開放位置との関連においてさらに閉鎖位置の方にある。図8Bにおいて、対向表面150は傾斜表面146から離れたままである。すなわち、対向表面150の底部と傾斜表面146の頂部との間に垂直方向の間隙が存在する。
【0045】
図8Cは、第3開放位置にある蓋104を示し、第3開放位置は図8Aおよび8Bの位置との関連において閉鎖位置にさらに向かっている。図8Cの位置において、対向表面150の先行部分または係合部分232は、傾斜表面146の初期部分と係合されるか接触し、第1地点または位置222にあるかその近くにあり得る。示される構成では、柱120は凹部200の端部表面206から離間されている。図8Dは、図8A~8Cの位置よりもさらに閉鎖位置の方にある位置にある蓋104を示している。図8Dの位置は蓋104の完全閉鎖位置であり得る。示される構成では、対向表面150の少なくとも先行部分または係合部分232は、初期部分から離間された傾斜表面146の後続部分と係合されるか接触する。後続部分は第2地点または位置226にあるかその近くにあり得る。好ましくは、柱120は、図8Dの位置において端部表面206に対してぴったりと位置付けられる。従って、好ましくは、係合表面232と中心点214の間の距離は、好ましくは第2の距離224と実質的に等しい。
【0046】
本明細書に記載されるように、図8A~8Dに示されるような案内構造140とカム構造144の相互作用は、蓋104の再取付または係合手順の間のみ発生し得る。通常の開放および閉鎖移動において、凹部200内の柱120の滑動(または柱120の有意な滑動)は発生しない。有利には、そのような構成により、通常使用の間、構成要素間の滑り運動の量を低減することによって摩耗が低減される。しかしながら、他の構成が可能であり、この構成では、柱120の滑り運動は、蓋104を普通に開閉する間など、蓋104を係合する間だけよりも頻繁に発生する。
【0047】
示される対向表面150は傾斜表面146と同様の寸法および形状を有し、蓋104が閉鎖位置にあるとき、傾斜表面146の実質的な部分に沿って延在するが、他の構成も可能である。例えば、対向表面150は、いずれか1つの位置において傾斜表面146の一地点または短い長さとだけ接触する係合部分232を画定する、カムフォロワ表面などのより小さい表面であってもよい。係合部分232は、所望なら傾斜表面146に沿って回るように回転可能であってもよい。さらに、本明細書で開示されるように、示される構成は逆転されてもよく、その結果、カム表面または傾斜表面146が蓋104によって支持され、対向表面150(または係合部分232を有するカムフォロワ)が主要本体102によって支持される。
【0048】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、本記載および請求項を通して、用語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」等は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味に、すなわち、「を含むがそれらに限定されない」という意味に解釈すべきである。
【0049】
本明細書におけるいずれの従来技術への言及も、その従来技術が世界のいずれかの国の努力傾注分野における共通の一般知識の一部を形成するということの承認でもなければ、そのようなことを示唆するいかなる形態でもなく、また、そのようなものとして解釈すべきでない。
【0050】
本発明はまた、個々にまたは集合的に本出願の明細書に言及または示された部品、要素および特徴の、前記部品、要素または特徴の2つ以上のいずれかまたは全ての組合せに存するように、幅広く記載することができる。
【0051】
前述の記載において、整数またはその既知の等価物を有する構成要素に言及した場合、それら整数は個々に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。
【0052】
本明細書に記載した現在好ましい実施形態に対する様々な変更および修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、またその付帯する利点を減少することなく、実行可能である。従って、そのような変更および修正は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D