(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】重複する基本サービスセットを含む高密度環境における無線通信方法及び無線通信端末
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20220906BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220906BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20220906BHJP
【FI】
H04W48/16
H04W84/12
H04W74/08
(21)【出願番号】P 2020200512
(22)【出願日】2020-12-02
(62)【分割の表示】P 2019142262の分割
【原出願日】2016-10-20
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2015-0146203
(32)【優先日】2015-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0150311
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0154100
(32)【優先日】2015-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0029975
(32)【優先日】2016-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0044465
(32)【優先日】2016-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0062425
(32)【優先日】2016-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】518224417
【氏名又は名称】エスケー テレコム カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】ソン チュヒョン
(72)【発明者】
【氏名】コ クンチョン
(72)【発明者】
【氏名】カク チンサム
(72)【発明者】
【氏名】アン ウチン
【審査官】米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/064943(WO,A1)
【文献】特開2015-167417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0264617(US,A1)
【文献】特表2004-525586(JP,A)
【文献】国際公開第2015/120488(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282043(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0010093(US,A1)
【文献】特開2014-017866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線で通信する無線通信端末において、
送受信部と、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記送受信部を介してPLCPプロトコルデータユニット(PPDU)のシグナリングフィールドを受信し、
前記シグナリングフィールドから、基本サービスセット(BSS)を識別するBSSカラーを示すBSSカラーフィールドを取得し、
前記PPDUから、MACヘッダのアドレス(Address)フィールドを取得し、
前記BSSカラーフィールドに示されるBSSカラーが前記無線通信端末を含むBSSのBSSカラーと同じであり、且つ、前記取得されたMACヘッダのアドレスフィールドが前記無線通信端末が含まれるBSSとは異なるBSSを前記PPDUが送信されたBSSとして示す場合に、前記PPDUがInter-BSSフレームを含むと判定し、
前記PPDUがInter-BSSフレームを含むという前記判定に基づいてチャネルにアクセスする、ように構成され、
前記MACヘッダのアドレスフィールドは、MACプロトコルデータユニット(MPDU)に関連するMACアドレスを示す、無線通信端末。
【請求項2】
前記BSSカラーによって識別可能なBSSの最大数は、前記MACアドレスによって識別可能なBSSの最大数よりも小さい、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記MACヘッダのアドレスフィールドの送信STAアドレス(TA)フィールド、受信STAアドレス(RA)フィールド、及びBSSIDフィールドのうちの少なくとも一つに基づいて、前記PPDUがInter-BSSフレーム又はIntra-BSSフレームを含むか否かを判定するように構成される、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記PPDUがInter-BSSフレームを含むという前記判定に基づいて、前記チャネルにアクセスするためのクリアチャネルアセスメント閾値を決定するように構成される、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記PPDUがInter-BSSフレームを含むという前記判定に基づいてパワーセーブモードに移行するように構成される、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項6】
無線で通信する無線通信端末の動作方法であって、
送受信部を介してPLCPプロトコルデータユニットのシグナリングフィールドを受信し、
前記PPDUからMACヘッダのアドレス(Address)フィールドを取得し、
基本サービスセット(BSS)を識別するBSSカラーを示すBS
Sカラーフィールドを前記シグナリングフィールドから取得し、
前記BSSカラーフィールドに示されるBSSカラーが前記無線通信端末を含むBSSのBSSカラーと同じであり、且つ、前記取得されたMACヘッダのアドレスフィールドが前記無線通信端末が含まれるBSSとは異なるBSSを前記PPDUが送信されたBSSとして示している場合に、前記PPDUがInter-BSSフレームを含むと判定し、
前記PPDUがInter-BSSフレームを含むという前記判定に基づいてチャネルにアクセスする、ことを含み、
前記MACヘッダのアドレスフィールドは、MACプロトコルデータユニット(MPDU)に関連するMACアドレスを示す、方法。
【請求項7】
前記BSSカラーによって識別可能なBSSの最大数は、前記MACアドレスによって識別可能なBSSの最大数よりも小さい、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記チャネルにアクセスすることは、前記MACヘッダのアドレスフィールドの送信STAアドレス(TA)フィールド、受信STAアドレス(RA)フィールド、及びBSSIDフィールドのうちの少なくとも一つに基づいて、前記PPDUがInter-BSSフレーム又はIntra-BSSフレームを含むか否かを判定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記チャネルにアクセスすることは、前記PPDUがInter-BSSフレームを含むという前記判定に基づいて、前記チャネルにアクセスするためのクリアチャネルアセスメント閾値を決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重複する基本サービスセットを含む高密度環境における無線通信方法及び無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、これらに速い無線インターネットサービスを提供する無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップコンピュータ、携帯型マルチメディアプレーヤー、組み込み(embeded)機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域で無線でインターネットに接続するようにする技術である。
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHzの周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは、2.4GHzバンドの周波数を使用しながら最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE802.11aは、2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑な2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉に対する影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させた。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの周波数を利用して最大54Mpbsの通信速度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足しているため相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
そして、無線LANで脆弱点として指摘されてきた通信速度に対する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加し、無線ネットワークの運営距離を拡張するのにその目的がある。より詳しくは、IEEE 802.11nではデータの処理速度が最大540Mpbs以上の高スループット(High Throughput、HT)を支援し、また、伝送エラーを最小化しデータ速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を多数個伝送するコーディング方式を使用する。
無線LANの普及が活性化され、またこれを利用したアプリケーションが多様化されるにつれ、IEEE 802.11nを支援するデータ処理速度より高いスループット(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する要請が台頭した。このうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されていたが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援する。理論的に、この規格によると、多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンクの速度は最小500Mbpsまで可能になる。これは、より広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMOの空間的ストリーム(最大8個)、多重ユーザMIMO、そして高い密度の変調(最大256QAM)など、801.11nで受け入れた無線インタフェース概念を拡張して行われる。また、従来の2.4GHz/5GHzの代わりに60GHzバンドを使用してデータを伝送する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する伝送規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHzの周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間におけるディバイス間でのみ使用可能な短所がある。
一方、最近では801.11ac及び802.11ad以降の次世代無線LANの標準として、高密度環境での高効率及び高性能無線LANの通信技術を提供するための論議が行われつつある。つまり、次世代無線LAN環境では高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下で室内外で高い周波数効率の通信が提供されるべきであり、これを具現するために多様な技術が必要である。
【0003】
特に、無線LANを利用する装置の数が増えるにつれ、決められているチャネルを効率的に使用する必要がある。よって、複数のステーションとAP間のデータ伝送を同時に行うようにして、帯域幅を効率的に使用する技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施例は、重複する基本サービスセットを含む高密度環境における無線通信方法及び無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によって無線で通信する無線通信端末は、送受信部と、プロセッサと、を含み、前記プロセッサは前記送受信部を介して第1PPDU(PLCP Protocol Data Unit)のシグナリングフィールドを受信して、前記シグナリングフィールドが示すBSS(Basic Service Set)を識別する情報に基づきチャネルにアクセス(access)する。
【0006】
前記プロセッサは、前記BSSを識別する情報に基づき、前記第1PPDUが含まれたBSSが前記無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第1判断と、前記PPDUが含むMACヘッダのAddressフィールドに基づいて前記第1PPDUが含まれたBSSが前記無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第2判断とが異なる場合、前記第2判断に基づいてチャネルにアクセスし、前記MACヘッダのAddressフィールドはMPDU(MAC Protocol Data Unit)に関するMACアドレスを示す。
【0007】
前記BSSを識別する情報を示すフィールドの大きさは、前記MACアドレスが有し得る最大値より小さくてもよい。
【0008】
前記プロセッサは、前記MACヘッダのAddressフィールドの伝送ステーションアドレス(transmitting STA address、TA)フィールド、受信ステーションアドレス(receving STA address、RA)フィールド、及びBSSIDフィールドのうちいずれか一つに基づいて前記第1PPDUが含まれたBSSを判断する。
【0009】
前記プロセッサは、前記第1PPDUが前記無線通信端末が含まれたBSSとは異なる他のBSSから伝送されたトリガフレームを含む場合、前記第1PPDUの受信信号強度を測定し、前記トリガフレームの伝送が完了されてから第2PPDUを伝送する場合、前記受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節する。
【0010】
前記プロセッサは、前記トリガフレームに基づいて伝送されるアップリンクPPDUが伝送される間に前記第2PPDUを伝送する場合、前記受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節する。
【0011】
前記プロセッサは、前記トリガフレームが示すTXOP(Transmission Opportunity)の間に前記第2PPDUを伝送する場合、前記受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節する。
【0012】
前記第1PPDUのシグナリングフィールドは空間再利用(Spatial Reuse、SR)動作の許容可否を示す情報を含み、前記プロセッサは前記SR動作の許容可否を示す情報に基づいて前記伝送パワーを調節する。
【0013】
前記第1PPDUのシグナリングフィールドは、前記第1PPDUの伝送パワーに関する情報を含む。
【0014】
前記無線通信端末が使用する周波数帯域は主チャネルと副チャネルとに区分され、前記プロセッサは前記主チャネルと前記副チャネルそれぞれにおいてCCA動作を行う。
【0015】
前記プロセッサは、前記主チャネルで使用するCCA(Clear Channel Assessment)の閾値とは異なる他のCCA閾値を前記副チャネルで使用してもよい。
【0016】
前記プロセッサは、前記主チャネルからPPDUが伝送されない場合、前記副チャネルから伝送されるPPDUは前記無線通信端末が含まれたBSSとは異なる他のBBSから伝送されたと判断する。
【0017】
本発明の一実施例によって無線で通信する無線通信端末の動作方法は、第1PPDUのシグナリングフィールドを受信するステップと、前記シグナリングフィールドが示すBSSを識別する情報に基づきチャネルにアクセスするステップと、含む。
【0018】
前記チャネルにアクセスするステップは、前記BSSカラーに基づき、前記第1PPDUが含まれたBSSが前記無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第1判断と、前記PPDUが含むMACヘッダのAddressフィールドに基づいて前記第1PPDUが含まれたBSSが前記無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第2判断が異なる場合、前記第2判断に基づいてチャネルにアクセスするステップを含み、前記MACヘッダのAddressフィールドはMPDUに関するMACアドレスを示す。
【0019】
前記BSSを識別する情報を示すフィールドの大きさは、前記MACアドレスが有し得る最大値より小さくてもよい。
【0020】
前記第2判断に基づきチャネルにアクセスするステップは、前記MACヘッドのAddressフィールドの伝送ステーションアドレスフィールド、受信ステーションアドレスフィールド、及びBSSIDフィールドのうちいずれか一つに基づいて前記第1PPDUが含まれたBSSを判断するステップを含む。
【0021】
前記第1PPDUは前記無線通信端末が含まれたBSSとは異なるBSSから伝送されたトリガフレームを含み、前記第1PPDUの受信信号強度を測定するステップと、前記トリガフレームの伝送が完了されてから第2PPDUを伝送する場合、前記受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節するステップと、を更に含む。
【0022】
前記第2PPDUを伝送するステップは、前記トリガフレームに基づいて伝送されるアップリンクPPDUが伝送される間に前記第2PPDUを伝送する場合、前記受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節するステップを含む。
【0023】
前記第1PPDUのシグナリングフィールドは空間再利用動作の許容可否を示す情報を含み、前記第2PPDUを伝送するステップは、前記SR動作の許容可否を示す情報に基づいて前記伝送パワーを調節するステップを含む。
【0024】
前記第1PPDUのシグナリングフィールドは、前記第1PPDUの伝送パワーに関する情報を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例は、重複する基本サービスセットを含む高密度環境における無線通信方法及び無線通信端末を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施例によるステーションがアクセスポイントとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の実施例による無線通信端末が競争手順を介して無線媒体にアクセスすることを示す図である。
【
図7】本発明の実施例による無線通信方法において使用されるPPDUフォーマットを示す図である。
【
図8】本発明の実施例による無線通信方法において使用されるA-MPDUフォーマットを示す図である。
【
図9】本発明の実施例による無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSカラーを示すPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図10】本発明の実施例による無線通信端末がOBSSに当たるBSSカラーを示すPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図11】Inter-BSSカラーが衝突するかIntra-BSSカラーに混同が起こる場合を示す図である。
【
図12】本発明の実施例による無線通信端末がOBSSに当たるレガシーPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【
図13】本発明の実施例による無線通信端末がPPDUを受信する際、PPDUの種類及びOBSSの可否による無線通信端末のSR及びパワーセーブ動作を示す図である。
【
図14】本発明の実施例による無線通信端末がPPDUを受信する際、PPDUの種類及びOBSSの可否による無線通信端末のSR及びパワーセーブ動作を示す図である。
【
図15】本発明の実施例による無線通信端末が受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する方法を示す図である。
【
図16】本発明の実施例による無線通信端末がフレームの種類とMACヘッダフィールドの値によって受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する方法を示す図である。
【
図17】本発明の実施例による無線通信端末がInter-BSSカラー衝突を見つけた場合、Inter-BSSカラー衝突状況を直すための無線通信端末の動作と、Intra-BSSカラー混同を防止するための無線通信端末の動作を示す図である。
【
図18】本発明の一実施例による無線通信端末が広帯域通信のために周波数帯域を結合(bonding)する方法を示す図である。
【
図19】本発明の一実施例による無線通信端末が広帯域PPDUを伝送する方法を示す図である。
【
図20】本発明の実施例による無線通信端末が40MHzの周波数帯域幅を有する周波数帯域を介してPPDUを伝送することを示す図である。
【
図21】本発明の実施例による無線通信端末がSR動作の際に伝送パワーを調節することを示す図である。
【
図22】本発明の実施例による無線通信端末がOBSSから伝送されるPPDUの伝送確率を考慮してSR動作を行うことを示す図である。
【
図23】本発明の実施例による無線通信端末の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照し本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限らない。そして、図面において、本発明を明確にするために説明とは関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたって類似した部分に対しては類似した図面符号をつけている。
【0028】
また、ある部分がある構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に含むことを意味する。
【0029】
本出願は、韓国特許出願第10-2015-0146203号(2015.10.20)、第10-2015-0150311号(2015.10.28)、第10-2015-0154100号(2015.11.03)、第10-2016-0029975号(2016.03.12)、第10-2016-004465号(2016.04.11)、及び第10-2016-0062425号(2016.05.20)に基づいた優先権を主張し、優先権の基礎となる前記各出願に述べられた実施例及び記載事項は、本出願の詳細な説明に含まれるとする。
【0030】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。無線LANシステムは一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSとは無事に同期を果たして互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、
図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0031】
図1に示したように、インフラストラクチャBSSBSS1、BSS2は、一つまたはそれ以上のステーションSTA1、STA2、STA3、STA4、STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントPCP/AP-1、PCP/AP-2、及び多数のアクセスポイントPCP/AP-1、PCP/AP-2を連結する分配システム(Distribution System, DS)を含む。
【0032】
ステーション(station、STA)はIEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、 MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイント(non-AP)だけでなくアクセスポイント(AP)も含む。また、本明細書において、「端末」はnon-AP STAまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサ(Processor)と送受信部(transmit/receive unit)を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークによって伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークによって受信されたフレームを処理し、その他にもステーションを制御するための多様な処理をする。そして、送受信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。
【0033】
アクセスポイント(Access Point、AP)は自らに結合されたステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定された場合には非APステーション間での直接通信が可能になる。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用され、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。
【0034】
複数のインフラストラクチャBSSは分配システムを介して相互連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)とする。
【0035】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。
図2の実施例において、
図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明は省略する。
【0036】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーションSTA6、STA7がAPと接続されない状態である。独立BSSは分配システムとの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)を成す。独立BSSにおいて、それぞれのステーションSTA6、STA7はダイレクトで互いに連結される。
【0037】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。
【0038】
図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、送受信部120、ユーザインタフェース140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0039】
まず、送受信部120は無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に内装されているか外装として備えられる。実施例によると、送受信部120は互いに異なる周波数バンドを利用する少なくとも一つの送受信モジュールを含む。例えば、前記送受信部120は2.4GHz、5GHz及び50GHzなどの互いに異なる周波数バンドの送受信モジュールを含む。一実施例によると、ステーション100は6GHz以上の周波数バンドを利用する送受信モジュールと、6GHz以下の周波数バンドを利用する送受信モジュールを備える。それぞれの送受信モジュールは該当送受信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格によってAPまたは外部ステーションと無線通信を行う。送受信部120はステーション100の性能及び要求事項によって一度に一つの送受信モジュールのみを動作させるか、同時に多数の送受信モジュールを共に動作させる。ステーション100が複数の送受信モジュールを備える場合、各送受信モジュールはそれぞれ独立した形態に備えられてもよく、複数のモジュールが一つのチップに統合されて備えられてもよい。
【0040】
次に、ユーザインタフェース部140はステーション100に備えられて多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づいて出力を行う。
【0041】
次に、ディスプレーユニット150はディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150はプロセッサ110によって行われるコンテンツまたはプロセッサ110の制御命令に基づいたユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160はステーション110で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムにはステーション100がAPまたは外部ステーションと接続を行うために必要な接続プログラムが含まれる。
【0042】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを実行し、ステーション100内部のデータをプロセスする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータ送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110は、メモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを実行し、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を判読し、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに対する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってはステーション100の一部構成、例えば、送受信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は送受信部120から送受信される無線信号をモジュレーションするモジュレーション部またはデモジュレーション部(modulator and/or demodulator)である。プロセッサ110は本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。これに対する具体的な実施例は後述する。
【0043】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計によって一つのチップまたは複数のチップで実装される。例えば、前記プロセッサ110及び送受信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部構成、例えばユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられる。
【0044】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。
図示したように、本発明の一実施例によるAP200はプロセッサ210、送受信部220及びメモリ260を含む。
図4において、AP200の構成のうち
図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分に対しては重複した説明は省略する。
【0045】
図4を参照すると、本発明によるAP200は少なくとも一つの周波数バンドでBSSを運営するための送受信部220を備える。
図3の実施例で説明したように、前記AP200の送受信部220も互いに異なる周波数バンドを利用する複数の送受信モジュールを含む。つまり、本発明の実施例によるAP200は互いに異なる周波数バンド、例えば2.4GHz、5GHz、60GHzのうち2つ以上の送受信モジュールを共に備える。好ましくは、AP200は6GHz以上の周波数バンドを利用する送受信モジュールと、6GHz以下の周波数バンドを利用する送受信モジュールを備える。それぞれの送受信モジュールは該当送受信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に従ってステーションと無線通信を行う。前記送受信部220はAP200の性能及び要求事項に応じて一度に一つの送受信モジュールのみを動作させるか、同時に多数の送受信モジュールを共に動作させてもよい。
次に、メモリ260はAP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムにはステーションの接続を管理する管理プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータ送受信を制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを実行し、一つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は送受信部220から送受信される無線信号をモジュレーションするモジュレーション部またはデモジュレーション部である。プロセッサ210は本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。これに対する具体的な実施例は後述する。
【0046】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示している。
【0047】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(scanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSのアクセス情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージ(S101)のみを活用して情報を獲得するパッシブスキャニング(passive scanning)方法と、STA10がAPにプローブ要請(probe request)を伝送し(S103)、APからプローブ応答(probe response)を受信して(S105)、アクセス情報を獲得するアクティブスキャニング(active acanning)方法がある。
【0048】
スキャニングステップにおいて無線アクセス情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送し(S107a)、AP200から認証応答(authentication response)を受信して(S107b)、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送し(S109a)、AP200から結合応答(associtation response)を受信して(S109b)、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0049】
一方、追加的に802.1X基盤の認証ステップ(S111)、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップ(S113)が行われる。
図5において、認証サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0050】
モバイル装置の拡散と無線通信の普及により、無線通信端末が高密度環境(dense environment)で通信する場合が多くなっている。特に、無線通信端末が多数のBSSが重複する環境で通信する場合が増えている。多数のBSSが重複する場合、他の無線通信端末との干渉のため無線通信端末の通信効率が落ちる恐れがある。特に、競争手順を介して周波数帯域を使用する場合、無線通信端末は他の無線通信端末との干渉のため、伝送機会すら確保できないことがある。このような問題を解決するために、無線通信端末は空間再利用動作を行う。詳しくは、SR動作は、受信したフレームが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたフレームであるのか、または他のBSSから伝送されたフレームであるのかに応じてチャネルに接近する動作を含む。具体的な実施例において、チャネルに接近する動作はCCA動作とデフェラル(deferral)動作を含む。例えば、無線通信端末は無線通信端末が受信したフレームが無線通信端末含まれたBSSから伝送されたフレームであるのか、またはOBSSから伝送されたフレームであるのかに応じて、CCA閾値(threshold)を調整(adjust)する。また、無線通信端末は、SRの動作の際にCCA動作の結果に応じて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。無線通信端末のSR動作(operation)のための実施例について、
図6乃至
図23を介して説明する。
【0051】
説明の便宜上、無線通信端末が含まれたBSSをIntra-BSSと称し、Intra-BSSと重複する基本サービスセットをOBSS(Overlapped Basic Service Set)と称する。また、Intra-BSSから伝送されたフレームをIntra-BSSフレーム、OBSSから伝送されたフレームをOBSSフレームまたはInter-BSSフレームと称する。
【0052】
図6は、本発明の実施例による無線通信端末が競争手順を介して無線媒体にアクセスすることを示す図である。
【0053】
無線通信端末は、データを伝送する前に、データを伝送するチャネルでキャリアをセンシングする。無線通信端末は、一定強度以上の無線信号が検出される場合、該当チャネルが使用中(busy)であると判断する。チャネルが使用中の場合、無線通信端末は該当チャネルに対するアクセスを延期(defer)する。このような動作をCCAと称する。また、無線通信端末が無線信号の検出可否を判断する基準をCCA閾値と称する。詳しくは、無線通信端末がCCA閾値以下の無線信号を検出する場合、無線通信端末は該当チャネルを遊休(idle)と判断する。
【0054】
チャネルが一定時間区間以上遊休である場合、無線通信端末はバックオフ(backoff)ウィンドウによる競争手順を行う。この際、一定時間区間は802.11で定義するIFS(InterFrame Space)のうちいずれか一つである。例えば、一定時間区間はAIFS(Arbitration InterFrame Space)とPIFS(PCF InterFrame Space)のうちいずれか一つであってもよい。詳しくは、無線通信端末は競争ウィンドウ(contention window)内の任意の値をバックオフカウンタとして獲得する。この際、該当チャネルが遊休の時間がスロットタイム以上持続されれば、無線通信端末はバックオフカウンタの値を減らす。この際、スロットタイムは9usである。無線通信端末は、バックオフカウンタの値が0になるまで待機する。バックオフカウンタの値が0になれば、無線通信端末は該当チャネルにアクセスする。バックオフカウンタの値を減らしながら待機する時間区間を競争ウィンドウ区間(contention window interval)と称する。
【0055】
無線通信端末はチャネルに接近した後、データを伝送する。無線通信端末のチャネルへのアクセスが他の無線通信端末のチャネルへのアクセスと衝突する場合、無線通信端末は競争ウィンドウ内で更に任意の数を獲得し、競争手順を行う。この際、無線通信端末は競争ウィンドウの値を以前の大きさの2倍に調節する。
【0056】
また、バックオフカウンタの値が0になる前に、該当チャネルが使用中になる可能性がある。バックオフカウンタの値が0になる前に、該当チャネルが使用状態になる場合、無線通信端末は該当チャネルが更に遊休になり、一定の大きさの時間区間以上遊休の場合、バックオフウィンドウに応じた競争手順を更に行う。この際、無線通信端末は以前の競争手順に残っているバックオフカウンタの値を基準にバックオフ手順を行う。
【0057】
上述したCCA手順を介し、無線通信端末は複数の無線通信端末が同じチャネルにアクセスして発生する衝突を回避することができる。但し、狭い範囲に過度に多い無線通信端末が位置し、複数のOBSSが存在する場合、低い程度の信号干渉が持続的に発生する恐れがある。よって、OBSSから伝送された信号であるのか、BSSから伝送された信号であるのかを区分せず、同じCCA動作及びデフェラル動作を行うことは非効率になり得る。よって、無線通信端末はSR動作を介して無線資源を効率的に利用する必要がある。詳しくは、無線通信端末は、受信したフレームがInter-BSSフレームであるのか、またはIntra-BSSフレームであるのかに応じてCCA及びデフェラル動作を行う必要がある。そのために、無線通信端末はフレームを伝送する際、無線通信端末が含まれたBSSをシグナリングする方法が必要となる。それについては、
図7乃至
図8を介して説明する。
【0058】
図7は、本発明の実施例による無線通信方法において使用されるPPDUフォーマットを示す図である。
【0059】
図7(a)は、802.11a/11g標準によるPPDUフォーマットを示す図である。また、
図7(b)は、802.11n標準によるPPDUフォーマットを示す図である。
図7(c)は、802.11ac標準によるPPDUフォーマットを示す図である。
図7(d)と
図7(e)は、本発明の一実施例によるPPDUフォーマットを示す図である。
図7(d)はPPDUが200MHzの帯域幅を有する周波数帯域を介して伝送される場合であり、
図7(e)はPPDUが400MHzの帯域幅を有する周波数帯域を介して伝送される場合である。
【0060】
本発明の実施例によるPPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIGフィールド、RL-SIGフィールド、HE-SIG-Aフィールド、HE-SIG-Bフィールド、HE-STF、HE-LTF、SVCフィールド、データフィールド、及びTail&Padding(T&P)フィールドに区分される。無線通信端末は、L-STF、L-LTF、L-SIGフィールド、RL-SIGフィールド、HE-SIG-Aフィールド及びHE-SIG-Bフィールドを64FFTに基づいてOFDM伝送する。また、無線通信端末は、HE-STF、HE-LTF、SVCフィールド、データフィールド、及びTail&Padding(T&P)フィールドを256FFTに基づいてOFDM伝送する。
【0061】
L-SIGフィールドは、本発明の実施例を支援しないレガシー無線通信端末もデコーディングし得る情報をシグナリングする。L-STF及びL-LTFは、L-SIGフィールドを受信するために使用されるトレーニング信号である。レガシー無線通信端末は、L-STF及びL-LTFに基づいてAGC(Automatic Gain Control)及びFOD(Frequency Offset Detection)を行う。RL-SIGフィールドはL-SIGフィールドが繰り返す形態であって、本発明の実施例によるPPDUであることをシグナリングする。HE-SIG-Aフィールド及びHE-SIG-Bフィールドは、PPDUに関する情報をシグナリングする。HE-STF及びHE-LTFは、データフィールドを受信するためのトレーニング信号である。無線通信端末は、HE-STF及びHE-LTFに基づいてPPDUが伝送されるチャネルを推定し、AGC及びFODを行う。また、HE-LTFは空間ストリーム(spatial stream)の個数に応じて可変的な個数伝送される。HE-LTFは用途に応じてHE-LTF-short、HE-LTF-longに区分される。HE-LTF-shortは室内環境の通信で使用され、6.4usとガードインタバルの合計だけのデュレーションを有し、HE-LTF-longは屋外(outdoor)環境の通信で使用され、12.8us及びとガードインタバルの合計だけのデュレーションを有する。
【0062】
データフィールドはPPDUが含むデータを示す。この際、データはA-MPDUであってもよい。SVCフィールドはデータフィールドの開始を示す。Tail&Padding(T&P)フィールドにおいて、Paddingはシンボル単位伝送のためにパッディングが必要である場合のパッディングビットを示す。Tail&Padding(T&P)フィールドにおいて、TailはPPDUがコンボリューションコードで保護される場合に存在(present)する。
【0063】
HE-SIG-AフィールドはPPDUをデコーディングするための情報を含む。詳しくは、HE-SIG-Aフィールドは、PPDUがHE-SIG-Bフィールドを含む場合、HE-SIG-Bフィールドの長さ及びHE-SIG-Bフィールドを含む信号のMCS(Modulation&Coding Scheme)に関する情報を含む。また、HE-SIG-Aフィールドは、PPDUの伝送がダウンリンク伝送に当たるのか、またはアップリンク伝送に当たるのかを示すインジケータを含む。また、HE-SIG-Aフィールドは、PPDUを伝送した無線通信端末が属するBSSを識別する情報を含む。この際、BSSを識別する情報はBSSカラー(color)である。詳しくは、BSSカラーを示すフィールドの大きさは、BSS識別子(BBSID)が有し得る最大値より小さくてもよい。HE-SIG-Aフィールドを伝送するシンボルの個数は2つに固定されているため、BSSカラーを示すために使用し得るフィールドの大きさが制限的なためである。この際、BSSIDはBSSに含まれたアクセスポイントのMACアドレスである。
【0064】
BSSカラーは多様な実施例を介して設定される。詳しくは、無線通信端末は連結されたアクセスポイントのMACアドレスに基づいてBSSカラーを設定してもよい。具体的な実施例において、無線通信端末は、無線通信端末と連結された(associated)アクセスポイントのMACアドレスと任意の単方向関数を利用してBSSカラーを設定してもよい。このような実施例による場合、アクセスポイントは、アクセスポイントに連結された無線通信端末に設定したBSSカラーをシグナリングする別途の動作を省略してもよい。但し、BSSカラーを示すフィールドの大きさがMACアドレスが有し得る最大値より小さければ、アクセスポイントのMACアドレスがユニークであっても、互いに異なるBSSが同じBSSカラーに設定される。
【0065】
他の具体的な実施例において、アクセスポイントがBSSカラーを任意に設定してもよい。この際、アクセスポイントは、アクセスポイントと連結された無線通信端末に設定したBSSカラーを別途にシグナリングすべきである。詳しくは、アクセスポイントは、アクセスポイントと連結された無線通信端末に別途のメッセージを介してBSSカラーをシグナリングするようにしてもよい。また、無線通信端末はアクセスポイントが伝送したPPDUからBSSカラーの値を獲得する。上述した実施例のように、BSSカラーを示すフィールドの大きさがMACアドレスが有し得る最大値より小さければ、アクセスポイントのMACアドレスがユニークであっても、互いに異なるBSSが同じBSSカラーの値を有してもよい。
【0066】
HE-SIG-Bフィールドが含まれたPPDUがダウンリンク伝送マルチユーザ(Multi User、MU)であれば、HE-SIG-Bフィールドはユーザ別の資源(resource)割り当て情報をシグナリングする。また、HE-SIG-Bフィールドは可変的な長さを有する。詳しくは、HE-SIG-Bフィールドを伝送するシンボルの個数は可変的であってもよい。
【0067】
上述したように、PPDUのシグナリングフィールドは、PPDUを伝送した無線通信端末が含まれたBSSを識別する情報を含む。よって、無線通信端末はPPDUのシグナリングフィールドを介してPPDUを伝送した無線通信端末が属するBSSを識別することができる。詳しくは、無線通信端末は、PPDUのシグナリングフィールドに基づいて受信したPPDUが無線通信端末が属するBSSから伝送されたPPDUであるのか、またはOBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。例えば、無線通信端末は、HE-SIG-AフィールドのBSSカラーフィルタに基づいて受信したPPDUが無線通信端末が属するBSSから伝送されたPPDUであるのか、またはOBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。無線通信端末がMACヘッダを介してPPDUを伝送した無線通信端末が含まれたBSSを識別することについては、
図8を介して説明する。
【0068】
図8は、本発明の実施例による無線通信方法において使用されるA-MPDUフォーマットを示す図である。
【0069】
A-MPDUは複数のMPDUの集合である。A-MPDUは最大64個のMPDUを含み得る。コンプレスドブロックACK(Compressed Block ACK)のビットマップが示し得るMPDUの数が64個であるためである。A-MPDUは複数のMPDUを区分するデリミタ(delimiter)とパッディングのためのパッド(Pad)を含む。デリミタは、該当MPDUがA-MPDUが含む複数のMPDUのうち最後のMPDUであるのかを示すEOF(End-Of-Frame)フィールド、該当MPDUの長さを示すMPDU Lenthフィールド、MPDUのエラー有無を確認するのに使用されるCRCフィールド及びsignatureフィールドを含む。
【0070】
個別MPDUは、MPDUが伝送するデータを含むフレームボディ(Frame Body)、MPDUに関する情報をシグナリングするMACヘッダ、及びMPDUがエラーを含むのかを判断するのに使用されるFCSフィールドを含む。この際、フレームボディは、MSDU(MAC Service Data Unit)または複数のMSDUの集合であるA-MSDUの形態である。また、MACヘッダは、MPDUに関するMACアドレスを示す複数のAddressフィールドを含む。詳しくは、MACヘッダは4つのAddressフィールドを含む。複数のAddressフィールドは、該当MPDUが伝送されたBSSを識別するBSSIDを示すBSSIDフィールド、該当MPDUを伝送した無線通信端末のMACアドレスを示す伝送ステーションアドレス(transmitting STA address、TA)フィールド、該当MPDUを受信した無線通信端末のMACアドレスを示す受信ステーションアドレス(receiving STA address、RA)フィールドのうち少なくともいずれか一つを含む。この際、BSSIDはアクセスポイントのMACアドレスである。アクセスポイントがMPDUを伝送するか受信する場合、複数のAddressフィールドのうちいずれか一つは、アクセスポイントのMACアドレスを示す。また、フレームの種類に応じてMACヘッダはBSSIDフィールドを含んでもよい。よって、無線通信端末はMACヘッダに基づいて受信したMPDUがInter-BSSフレームであるのか、またはIntra-BSSフレームであるのかを判断することができる。詳しくは、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて受信したMPDUがInter-BSSフレームであるのか、またはIntra-BSSフレームであるのかを判断することができる。例えば、無線通信端末は受信したMPDUのRAフィールド及びTAフィールドのうちいずれか一つが無線通信端末が連結されたアクセスポイントのMACアドレスを示す場合、受信したMPDUをIntra-BSSフレームと判断する。
【0071】
無線通信端末は、該当MPDUがInter-BSSフレームであるのか、またはIntra-BSSフレームであるのかに基づいてSR動作を行う。また、無線通信端末は、該当MPDUがInter-BSSフレームであるのか、またはIntra-BSSフレームであるのかに基づいてパワーセーブ(Power Save)動作を行う。無線通信端末がMACヘッダに基づいて受信したMPDUがInter-BSSフレームであるのかを判断するためには、MPDUを全て受信し、FCSフィールドまでデコーディングしなければならない。よって、無線通信端末が一つのMPDUのみを含むPPDUを受信する場合、MACヘッダに基づいてSR動作及びパワーセーブ動作を行うことが難しい可能性がある。無線通信端末がA-MPDUを含むPPDUを受信する場合、MACヘッダに基づいてA-MPDUの最初のMPDUがInter-BSSフレームであるのかを判断し、A-MPDUの最初のMPDUがInter-BSSフレームである場合は、残りのMPDUの伝送デュレーションの間にSR動作及びパワーセーブ動作を行う。
【0072】
また、無線通信端末が受信したMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する場合、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーに基づいた判断と、MACヘッダのAddressフィールドに基づいた判断が異なり得る。この際、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに応じてMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。詳しくは、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSカラーと同じであっても、アクセスポイントのMACアドレスに当たるMACヘッダのAddressフィールドの値が無線通信端末が連結されたアクセスポイントのMACアドレスでなければ、無線通信端末は受信したMPDUをInter-BSSフレームと判断する。また、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSカラーと異なっても、アクセスポイントのMACアドレスに当たるMACヘッダのAddressフィールドの値が無線通信端末が連結されたアクセスポイントのMACアドレスであれば、無線通信端末は受信したMPDUをIntra-BSSフレームと判断する。
【0073】
無線通信端末は無線信号を受信する際、受信された信号を物理(Physical)階層とMAC階層に分けて処理する。この際、物理階層とMAC階層の間のインタフェースをプリミティブ(premitive)と称する。また、無線通信端末の物理階層の動作はPLME(PHY Sublayer Management Entity)によって行われる。また、無線通信端末のMAC階層の動作はMLME(MAC Sublayer Management Entity)によって行われる。無線通信端末がプリミティブを介して無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUとOBSSから伝送されたPPDUを受信する動作を、
図9乃至
図11を介して説明する。
【0074】
図9は、本発明の実施例による無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSカラーを示すPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0075】
無線通信端末はPPDUのプリアンブルを受信する際、受信信号の強度(RSSI、receive signal strength indicator)を測定し、PPDUの受信を開始する。信号受信の開始は、無線通信端末の物理階層からMAC階層のPHY-CCA.indication(BUSY、Channel-list)プリミティブによって報告される。この際、Channel-listパラメータは無線通信端末が200MHzより大きい帯域幅を有する周波数帯域を使用中の場合、CCAによって使用中と判断されたチャネルを示すために使用される。
【0076】
物理階層からPHY-CCA.indicatorを受信した場合、無線通信端末はPPDUのL-LTFを伝送するシンボルを受信し、L-SIGフィールドを受信する。無線通信端末は、L-SIGフィールドをデコーディングしてPPDUの長さを判断する。L-SIGフィールドのパリティ値が有効でない場合(invalid)、無線通信端末はPHYRXEND.indication(FormatViolation)プリミティブを物理階層から受信する。
【0077】
L-SIGフィールドのパリティ値が有効で(valid)、HE-SIG-AフィールドのCRC及び他のフィールドも有効な場合、無線通信端末はHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じであるのかを判断する。
図9の実施例のように、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じであれば、無線通信端末の物理階層はL-SIGフィールドが含むL_LENGTHフィールドのデュレーションの間に、PHY-CCA.indicationプリミティブを使用中(BUSY)状態に維持する。
【0078】
無線通信端末は、HE-SIG-Aフィールドを受信した後、HE-SIG-Bフィールド及びHEトレーニング信号を受信する。この際、HEトレーニング信号はHE-STF及びHE-LTFである。PPDU伝送モードに応じて、HE-SIG-Bフィールドは存在しなくてもよい。詳しくは、PPDUがダウンリンク(Downlink、DL)シングルユーザ(Single User、SU)モードであれば、HE-SIG-Bフィールドは存在しなくてもよい。
【0079】
無線通信端末のMAC階層は、物理階層からPHY-RXSTART.indication(RXVECTOR)プリミティブを受信した場合、PPDUの受信が開始したと判断する。この際、PHY-RXSTART.indication(RXVECTOR)プリミティブは受信信号強度値を含む。但し、PPDUは多様な条件に応じて物理階層からフィルタリングアウト(filter out)される。この際、無線通信端末のMAC階層は、物理階層からPHY-RXEND.indication(Filtered)プリミティブを受信する。また、PSDUの受信終了前に受信信号が消える場合、無線通信端末のMAC階層は物理階層からPHY-RXEND.indication(CarrierLost)プリミティブを受信する。このような場合、無線通信端末のMAC階層は、物理階層から該当PSDUの終了時点の後、PHY-CCA.indication(IDLE)プリミティブを受信する。
【0080】
PPDUを正常に受信する場合、無線通信端末の物理階層は受信されたPSDUビットをオクテット(octet)単位に結合しデコーディングする。無線通信端末のMAC階層は、PHY-DATA.indication(DATA)プリミティブを介して物理階層からデコーディングされたPSDUを受信する。無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドにも基づいて該当MPDUを受信する必要があるのかを判断する。
【0081】
該当MPDUを受信する必要がなければ、無線通信端末はPPDUの受信を中止する。無線通信端末が該当MPDUを受信する必要がない場合は、該当MPDUのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスとは異なるか、該当MPDUがブロードキャストフレームではない場合のうち少なくともいずれか一つである。詳しくは、無線通信端末のMAC階層はMAC-RXEND.requestプリミティブを物理階層に伝達し、PPDUの受信を中止する。
【0082】
該当MPDUを受信する必要があれば、無線通信端末はPPDUの受信を続ける。無線通信端末の物理階層は、PSDUの最後のビット、パッディング及びTailの受信を終了した後、PHY-RXEND.indication(NoError)プリミティブをMAC階層に伝達する。次に、無線通信端末の物理階層はRX IDLE状態に進入する。
【0083】
図10は、本発明の実施例による無線通信端末がOBSSに当たるBSSカラーを示すPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0084】
無線通信端末は、上述したようにInter-BSSフレームを受信する際、SR動作を行う。詳しくは、無線通信端末は、無線通信端末が受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかに応じてCCA閾値を調整する。よって、無線通信端末はHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてCCA閾値を調整し得る。詳しくは、無線通信端末は、
図9を介して説明したようにHE-SIG-Aフィールドをデコーディングする。HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーとは異なる場合、無線通信端末はOBSSから伝送されたPPDUのプリアンブルを検出(Preamble Detection、PD)するために使用されるCCA閾値であるOBSS PD CCA閾値を適用し、CCAを行う。
図10の実施例のように、受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さければ、無線通信端末は該当チャネルが遊休であると判断する。この際、無線通信端末の物理階層はPHY-CCA.indication(OBSS、IDLE)プリミティブをMAC階層に伝達する。よって、無線通信端末のMAC階層は、物理階層からPHY-CCA.indication(OBSS、IDLE)プリミティブを受信することができる。無線通信端末は、OBSSから伝送されるPPDUの伝送が終了される時点から無線通信端末が含まれたBSSから伝送されるPPDU PDのために使用されるCCA閾値であるPD CCA閾値を適用し、CCAを行う。この際、OBSS PD CCA閾値はPD CCA閾値より大きくてもよい。
【0085】
図10を介して説明した実施例によると、同じBSSに含まれた他の無線通信端末が何らかの理由でPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーをOBSSに当たるBSSカラーと判断する場合、無線通信端末は同じBSSに含まれた他の無線通信端末が伝送するPPDUを受信することができない。また、無線通信端末が無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSカラーを間違って判断する場合、無線通信端末は同じBSSに含まれた他の無線通信端末が伝送するPPDUを受信することができない。説明の便宜上、このように無線通信端末がBSSカラーの混同によって同じBSSに含まれた他の無線通信端末が伝送するPPDUを受信できない現象を、Intra-BSSカラー混同(confusion)と称する。
【0086】
上述したように、BSSカラーを示すフィールドの大きさが限定されているため、互いに異なるBSSが同じBSSカラーと設定されることがある。このように、無線通信端末は他のBSSに含まれた無線通信端末がPPDUを伝送する場合、OBSS PD CCA閾値ではなくPD CCA閾値を適用する。説明の便宜上、互いに異なるBSSが同じBSSカラーに当たる場合をInter-BSSカラー衝突(collision)と称する。Intra-BSSカラー混同とInter-BSSカラー衝突が起こる具体的な事例については、
図11を介して説明する。
【0087】
図11は、Inter-BSSカラーが衝突するかIntra-BSSカラーに混同が起こる場合を示す図である。
【0088】
図11(a)の実施例において、第1アクセスポイント(HE A)、第2アクセスポイント(HE B)、及び第3アクセスポイント(HE C)が同じ空間に存在する。この際、第2アクセスポイント(HE B)と第3アクセスポイント(HE C)は偶然に同じBSSカラーを選択することがある。この際、第2アクセスポイント(HE B)が運営するBSSと、第3アクセスポイント(HE C)が運営するBSSが同じBSSカラーに当たるようになり、Inter-BSSカラー衝突が発生する。
【0089】
図11(b)において、第2アクセスポイント(HE B)はInter-BSSカラー衝突を避けるためにBSSカラーを変更する。第2アクセスポイント(HE B)は、BSSカラー変更を第2アクセスポイント(HE B)が運営するBSSに含まれた無線通信端末にシグナリングする。この際、第2アクセスポイント(HE B)が運営するBSSに含まれた無線通信端末のうちいずれか一つの無線通信端末がBSSカラー変更について認識できなければ、Inter-BSSカラー混同が発生する。
【0090】
Intra-BSSカラー混同とInter-BSSカラー衝突を防止するために、無線通信端末はPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーだけでなく、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて受信したMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。詳しくは、受信したPPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する際、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいて判断された判断とMACヘッダのAddressフィールドに基づいて判断された判断が異なる場合、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに応じてMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。無線通信端末のMACアドレスは個別の無線通信端末ごとに固定されていてユニークな値であるため、BSSカラーと重複するか混同が発生する恐れが少ないためである。よって、無線通信端末はMACヘッダに基づいてIntra-BSSカラー混同とInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断することができる。
【0091】
詳しくは、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてIntra-BSSカラー混同とInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断する。具体的な実施例において、Intra-BSSカラー混同があっても、受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より大きければ、無線通信端末は該当チャネルで伝送を試みずに待機する。この際、無線通信端末はPPDUが含むMACヘッダをデコーディングしてAddressフィールドを確認する。無線通信端末はAddressフィールドに基づいてIntra-BSSカラー混同の発生有無を判断する。また、受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さければ、無線通信端末がPPDUのシグナリングフィールドをデコーディングした後、直ちに伝送を試みずにMACヘッダをデコーディングしてから伝送を試みてもよい。それによって、無線通信端末はMACヘッダをデコーディングしてAddressフィールドを確認し、Addressフィールドに基づいてIntra-BSSカラー混同の発生有無を判断することができる。
【0092】
また、具体的な実施例において、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいて該当MPDUを受信する必要があるのかを判断する際、MACヘッダのAddressフィールドに基づいてIntra-BSSカラー混同とInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断する。
【0093】
図12は、本発明の実施例による無線通信端末がOBSSに当たるレガシーPPDUを受信する際の無線通信端末の動作を示す図である。
【0094】
無線通信端末がレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてSR動作を行う。レガシーPPDUのシグナリングフィールドがBSSカラーを含まないためである。無線通信端末がPPDUのL-SIGフィールドを受信する動作は、
図9乃至
図10を介して説明したPPDUの受信動作と同じである。
【0095】
詳しくは、無線通信端末はPPDUのプリアンブルを受信する際、受信信号の強度を測定し、PPDUの受信を開始する。信号受信の開始は、無線通信端末の物理階層からMAC階層にPHY-CCA.indication(BUSY、Channel-list)プリミティブによって報告される。この際、Channel-listパラメータは無線通信端末が200MHzより大きい帯域幅を有する周波数帯域を使用中の場合、CCAによって使用中と判断されたチャネルを示すために使用される。
【0096】
物理階層からPHY-CCA.indicationを受信した場合、無線通信端末はPPDUのL-LTFを伝送するシンボルを受信し、L-SIGフィールドを受信する。無線通信端末は、L-SIGフィールドをデコーディングしてPPDUの長さを判断する。L-SIGフィールドのパリティ値が有効でない場合、無線通信端末はPHYRXEND.indication(FormatViolation)プリミティブを物理階層から受信する。
【0097】
L-SIGフィールドのパリティ値が有効であれば、無線通信端末はL-SIGフィールドの後、シグナリングフィールドを受信する。
【0098】
レガシーPPDUが802.11n標準のVHT PPDUである場合、無線通信端末はL-SIGフィールドのパリティ値が有効であれば、無線通信端末はVHT-SIG-Aフィールドを受信する。HE-SIG-Aフィールドとは異なって、VHT-SIG-AフィールドはBSSカラーを含まない。
【0099】
無線通信端末はVHT-SIG-Aフィールドを受信した後、VHTトレーニング信号、例えばVHT-STFとVHT-LTF及びVHT-SIG-Bフィールドを受信する。具体的な実施例において、VHT-SIG-Bフィールドは存在しなくてもよい。
【0100】
無線通信端末のMAC階層が物理階層からPHY-RXSTART.indication(RXVECTOR)プリミティブを受信した場合、無線通信端末のMAC階層はPPDUの受信が開始したと判断する。但し、無線通信端末の物理階層は多様な条件に応じて受信するPPDUをフィルタリングアウトする。無線通信端末の物理階層がPSDUをフィルタリングアウトする場合、無線通信端末のMAC階層は物理階層からPHY-RXEND.indication(Filtered)プリミティブを受信する。また、PSDUの受信終了前に受信信号が消える場合、無線通信端末のMAC階層は物理階層からPHY-RXEND.indication(CarreirLost)プリミティブを受信する。この際、無線通信端末のMAC階層は、物理階層から該当PSDUの終了時点の後、PHY-CCA.indication(IDLE)プリミティブを受信する。
【0101】
無線通信端末がPPDUを正常に受信する場合、無線通信端末の物理階層は受信されたPSDUビットをオクテット単位に結合しデコーディングする。無線通信端末のMAC階層は、物理階層からデコーディングされたPSDUをPHY-DATA.indication(DATA)プリミティブを介して受信する。PPDUがA-MPDUを含む場合、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて該当MPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。詳しくは、PPDUがA-MPDUを含む場合、A-MPDUが含む複数のMPDUのうち最初のMPDUのFCSフィールドを検査する。FCSフィールドが有効であれば、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて該当MPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。また、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドにも基づいて該当MPDUを受信する必要があるのかを判断する。
【0102】
無線通信端末が該当MPDUを受信する必要がなければ、無線通信端末はPPDUの受信を中止する。無線通信端末が該当MPDUを受信する必要がない場合は、
図12の実施例のように、該当MPDUがInter-BSSフレームである場合、該当MPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスとは異なる場合、及び該当MPDUがInter-BSSフレームでありながらブロードキャストフレームではない場合のうち少なくともいずれか一つである。詳しくは、無線通信端末のMAC階層はMAC-RXEND.requestプリミティブを物理階層に伝達し、PPDUの受信を中止する。
【0103】
図12の実施例のように、該当MPDUがInter-BSSフレームであれば、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を適用してSR動作を行う。詳しくは、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を適用してCCAを行う。
図12の実施例のように、受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さければ、無線通信端末は該当チャネルが遊休であると判断する。この際、無線通信端末の物理階層はPHY-CCA.indication(OBSS、IDLE)プリミティブをMAC階層に伝達し、無線通信端末のMAC階層はPHY-CCA.indication(OBSS、IDLE)プリミティブを受信する。また、無線通信端末はOBSSから伝送されるPPDUの伝送が終了する時点から、PD CCA閾値を適用してCCAを行う。
【0104】
無線通信端末が該当MPDUを受信する必要があれば、無線通信端末はPPDUの受信を続ける。無線通信端末が該当MPDUを受信する必要がある場合は、該当MPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスと同じである場合、及び該当MPDUがIntra-BSSフレームでありながらブロードキャストフレームである場合のうち少なくともいずれか一つである。この際、無線通信端末のMAC階層はMAC-RXEND.requestプリミティブを物理階層に伝達しない。無線通信端末の物理階層は、PSDUの最後のビット、パッディング及びTailの受信を終了した後、PHY-RXEND.indication(NoError)プリミティブをMAC階層に伝達する。PHY-RXEND.indication(NoError)プリミティブを伝達した後、無線通信端末の物理階層はRX IDLE状態に移行する。
【0105】
図13乃至
図14は、本発明の実施例による無線通信端末がPPDUを受信する際、PPDUの種類及びOBSSの有無による無線通信端末のSR及びパワーセーブ動作を示す図である。
【0106】
図13(a)は、本発明の実施例による無線通信端末がレガシーPPDUを受信する際、無線通信端末のSR及びパワーセーブの動作を示す図である。
【0107】
無線通信端末がレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はMACヘッダに基づいてSR及びパワーセーブ動作を行う。レガシーPPDUのシグナリングフィールドは、PPDUが伝送されたBSSを示す情報を含まないためである。詳しくは、無線通信端末がレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてSR及びパワーセーブ動作を行う。具体的な実施例において、無線通信端末はA-MPDUが含む最初のMPDUのMACヘッダのAddressフィールドに基づいてSR及びパワーセーブ動作を行う。
【0108】
A-MPDUが含む最初のMPDUがIntra-BSSフレームであれば、無線通信端末はSR動作を行わない。また、A-MPDUが含む最初のMPDUがIntra-BSSフレームであれば、無線通信端末はMPDU受信の要否に応じてパワーセーブ動作を行う。詳しくは、無線通信端末はA-MPDUが含む最初のMPDUがIntra-BSSフレームであって、無線通信端末がA-MPDUが含む最初のMPDUを受信する必要がなければ、無線通信端末はパワーセーブモードに移行する。詳しくは、無線通信端末が該当A-MPDUが含む最初のMPDUを受信する必要がない場合は、A-MPDUが含む最初のMPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスではない場合、及びA-MPDUが含む最初のMPDUがブロードキャストフレームではない場合のうち少なくともいずれか一つである。
【0109】
A-MPDUが含む最初のMPDUがInter-BSSフレームであれば、無線通信端末はSR動作を行う。詳しくは、無線通信端末はA-MPDUが含む最初のMPDUの後、OBSS PD CCA閾値を適用してCCAを行う。A-MPDUが含む最初のMPDUがInter-BSSフレームであれば、無線通信端末がパワーセーブモードに移行することが許容されない。
【0110】
図13(b)乃至
図13(d)は、本発明の実施例による無線通信端末がノン・レガシーPPDUを受信する際、無線通信端末のSR及びパワーセーブの動作を示す図である。無線通信端末がノン・レガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はPPDUのHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてPPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。この際、上述したように無線通信端末はHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいた判断とMACヘッダのAddressフィールドに基づいた判断が互いに異なる場合、MACヘッダのAddressフィールドに応じてPPDUが含むMPDUがIntra-BBSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。
【0111】
図13(b)は、本発明の実施例による無線通信端末がアップリンク伝送/ダウンリンク伝送SU PPDUを受信する際の、無線通信端末のSR及びパワーセーブの動作を示す図である。
【0112】
無線通信端末は、まずHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてPPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じであれば、無線通信端末はPPDUが含むMPDUをIntra-BSSフレームと判断する。HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと異なる場合、無線通信端末はPPDUが含むMPDUをInter-BSSフレームと判断する。この際、無線通信端末は、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいて判断されたPPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかに関する判断に応じてSR動作を開始する。また、無線通信端末は、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいて判断されたPPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかに関する判断に応じてパワーセーブ動作を開始する。
【0113】
但し、無線通信端末は、MPDUのMACヘッダのAddressフィールドに基づき、MPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを更に判断する。無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて判断されたMPDUが含むMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかに関する判断に応じてSR動作を変更する。また、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて判断されたMPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかに関する判断に応じてパワーセーブ動作を変更する。Intra-BSSフレームと判断した場合、無線通信端末はMPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスと同じであるのかを判断する。MPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスと同じである場合、無線通信端末はMPDUを受信する。MPDUのMACヘッダのAddressフィールドの受信アドレスが無線通信端末のMACアドレスと異なる場合、無線通信端末はパワーセーブモードに移行する。詳しくは、無線通信端末はパワーセーブモードに移行し、PPDU伝送が終了するまでパワーセーブモードを維持する。この際、無線通信端末はPPDU伝送終了有無をL-SIGフィールドのL_LENGTHフィールドに基づいて判断する。無線通信端末がMPDUをInter-BSSフレームと判断すれば、無線通信端末はSR動作を行う。無線通信端末は、OBSS PD CCA閾値を適用してCCAを行う。受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さければ、無線通信端末は該当チャネルが遊休であると判断する。無線通信端末がMPDUをInter-BSSフレームと判断すれば、無線通信端末のパワーセーブ動作は許容されない。
【0114】
図13(c)は、本発明の実施例による無線通信端末がUL MU PPDUを受信する際の、無線通信端末のSR動作及びパワーセーブの動作を示す図である。
【0115】
UL MU PPDUはMU-MIMOまたはOFDMAを介して伝送されるため、UL MU PPDUの受信者であるアクセスポイントを除く他の無線通信端末がUL MU PPDUが含むPSDUを受信することは非効率である。よって、UL MU PPDUを受信する無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドを考慮せず、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてSR動作を行う。また、UL MU PPDUを受信する無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドを考慮せず、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてパワーセーブ動作を行う。
【0116】
HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じであれば、無線通信端末はSR動作を行わない。また、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーと無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーが同じであれば、無線通信端末はパワーセーブ動作を行う。詳しくは、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じで、無線通信端末がUL MU PPDUの受信者であるアクセスポイントでなければ、無線通信端末がパワーセーブモードに移行し、PPDU伝送が終了されるまでパワーセーブモードを維持する。この際、無線通信端末はPPDU伝送終了可否をL-SIGフィールドのL_LENGTHフィールドに基づいて判断する。
【0117】
HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと異なる場合、無線通信端末はSR動作を行う。詳しくは、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を適用してCCAを行う。HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと異なる場合、無線通信端末はパワーセーブモードに移行することを許容されない。
【0118】
図13(d)は、本発明の実施例による無線通信端末がDL MU PPDUを受信する際の、無線通信端末のSR動作及びパワーセーブの動作を示す図である。
【0119】
DL MU PPDUのHE-SIG-Bフィールドの受信者(user)フィールドは、PPDUを受信する無線通信端末の部分アクセス識別子(Partial Association ID、Partial AID)を含む。よって、無線通信端末はHE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドのPartial AIDに基づいてIntra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断することができる。詳しくは、無線通信端末はHE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーに基づいてPPDUがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断した後、HE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドが無線通信端末のPartial AIDを示す場合、PPDUをIntra-BSSフレームと判断する。また、HE-SIG-Aフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSカラーと同じで、HE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドが無線通信端末のPartail AIDを示さなければ、無線通信端末はパワーセーブモードに移行する。但し、HE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドが無線通信端末のPartial AIDを示す場合にのみ、Intra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断することができるため、HE-SIG-Bフィールドを介してはIntra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突の発生有無を限定的にのみ判断し得る。よって、無線通信端末が受信者フィールドのPartial AIDに基づいてIntra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断する場合においても、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてIntra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突を更に判断することができる。
【0120】
無線通信端末がアクセスポイントであれば、無線通信端末は無線通信端末がアクセスポイントでない場合より多様な方法を介してIntra-BSSカラー混同またはInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断することができる。詳しくは、アクセスポイントは、アクセスポイントが含まれたBSSのBSSカラーと同じBSSカラーを示すDL SU/MU PPDUを受信した場合、Inter-BSSカラー衝突が発生したと判断する。
【0121】
また、アクセスポイントは、アクセスポイントが含まれたBSSのBSSカラーと同じBSSカラーを示すUL SU/MU PPDUを受信した場合、上述した実施例のように、MACヘッダのAddressフィールドの受信者アドレスフィールドの値がアクセスポイントのMACアドレスでない他のアドレスであれば、アクセスポイントはInter-BSSカラー衝突が発生したと判断する。また、アクセスポイントがトリガフレームを伝送していないのにBSSカラーと同じBSSカラーを示すUL SU/MU PPDUを受信した場合、アクセスポイントはInter-BSSカラー衝突が発生したと判断する。この際、トリガフレームは無線通信端末の伝送を誘導するMACフレームである。詳しくは、トリガフレームはアクセスポイントが無線通信端末に割り当てた資源に関する情報を含む。具体的な実施例において、トリガフレームはアクセスポイントが無線通信端末に割り当てた周波数帯域に関する情報を含む。
【0122】
無線通信端末は、上述したPPDUのシグナリングフィールドを含み、PPDUの伝送がダウンリンク伝送に当たるのか、またはアップリンク伝送に当たるのかを示すインジケータに基づいて受信するPPDUがUL PPDUであるのか、またはDL PPDUであるのかを判断する。
【0123】
図14(a)は、本発明の実施例による無線通信端末がDL/UL SU PPDUを受信する際、Inter-BSSカラー衝突またはIntra-BSSカラー混合の発生有無による無線通信端末のSR動作及びパワーセーブ動作を示す図である。
【0124】
無線通信端末がレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてSR動作を行う。また、レガシーPPDUはBSSカラーを含まないため、Inter-BSSカラー衝突が発生しない。
【0125】
無線通信端末がノン・レガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーに基づいてSR動作を行う。上述したように、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに基づいてInter-BSSカラー衝突が発生したのかを判断し、Inter-BSSカラー衝突の発生有無に応じてSR動作を変更する。詳しくは、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じで、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて判断した結果、該当MPDUがInter-BSSフレームである場合、PPDUが含む最初のMPDUを受信した後、OBSS PD CCA閾値を適用してCCAを行う。この際、受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さければ、無線通信端末は該当チャネルが遊休であると判断する。よって、一定時間以上該当チャネルが遊休であれば、無線通信端末は該当チャネルにアクセスする。但し、PPDUが一つのMPDUのみを含み、MACヘッダに基づいてInter-BSSカラー衝突が発生したと判断した場合、無線通信端末はSR動作を行わない。MPDUのMACヘッダをデコーディングした時点に、追加的に受信するMPDUが残っていない可能性が高いためである。また、PPDUが一つのMPDUのみを含む場合、A-MPDUが一つのMPDUのみを含む場合を含む。
【0126】
また、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと異なって、MACヘッダのAddressフィールドに基づいて判断した結果、該当MPDUがIntra-BSSフレームである場合、SR動作を中止する。受信信号の強度がOBSS PD CCA閾値より小さく無線通信端末が該当チャネルにアクセスした場合、無線通信端末は該当チャネルにおける伝送を中止する。
【0127】
また、PPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送され、PPDUが含むMPDUを無線通信端末が受信する必要がなければ、無線通信端末はパワーセーブ動作を行う。詳しくは、無線通信端末はPPDUが含む最初のMPDUを受信した後、パワーセーブモードに移行する。但し、PPDUが一つのMPDUのみを含む場合、無線通信端末はパワーセーブ動作を行わなくてもよい。また、PPDUが一つのOBSSから伝送される場合、無線通信端末のパワーセーブ動作は許容されない。
【0128】
図14(b)は、本発明の実施例による無線通信端末がDL/UL MU PPDUを受信する際、Inter-BSSカラー衝突またはIntra-BSSカラー混合の発生有無による無線通信端末のSR動作及びパワーセーブの動作を示す図である。
【0129】
無線通信端末がノン・レガシーMU DL PPDUを受信する場合、HE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドのアドレスに基づいてパワーセーブ動作を行う。詳しくは、DL MU PPDUのPPDUシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じで、DL MU PPDUのHE-SIG-Bフィールドの受信者フィールドに無線通信端末のPartial AIDアドレスが含まれなければ、無線通信端末はパワーセーブモードに移行する。無線通信端末がノン・レガシーMU PPDUを受信し、無線通信端末が受信者でなければ、無線通信端末はMU PPDUが含むPSDUを受信することができない。よって、無線通信端末がノン・レガシーDL MU PPDUを受信し、無線通信端末が受信者でなければ、無線通信端末はInter-BSSカラー衝突の発生有無を判断することができない。
【0130】
UL MU PPDUはMU-MIMOまたはOFDMAを介して伝送されるため、UL MU PPDUの受信者であるアクセスポイントを除く他の無線通信端末がUL MU PPDUが含むPSDUを受信することは非効率である。よって、UL MU PPDUを受信する無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドを考慮せず、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーに基づいてSR動作及びパワーセーブ動作を行う。詳しくは、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じで、無線通信端末がUL MU PPDUの受信者であるアクセスポイントでなければ、無線通信端末がパワーセーブモードに移行し、PPDU伝送が終了されるまでパワーセーブモードを維持する。この際、無線通信端末はPPDU伝送の終了有無をL-SIGフィールドのL_LENGTHフィールドに基づいて判断する。
【0131】
上述したように、無線通信端末がMU-MIMOに伝送されるレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末がPPDUが含むPSDUを受信することは非効率である。よって、無線通信端末がMU-MIMOに伝送されるレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はSR動作を行わない。また、無線通信端末がMU-MIMOに伝送されるレガシーPPDUを受信する場合、無線通信端末はパワーセーブ動作を行わない。
【0132】
他の無線通信端末の動作は、上述したDL/UL SU PPDUを受信する場合と同じである。
【0133】
図6乃至
図14を介して本発明の実施例による無線通信端末がSR動作とパワーセーブ動作を行うことについて説明した。本発明の実施例による無線通信端末は、SR動作とパワーセーブ動作のために、受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断し得ることと、その判断方法について説明した。
図15乃至
図16を介して、無線通信端末が受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する方法の具体的な実施例を説明する。
【0134】
図15は、本発明の実施例による無線通信端末が受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する方法を示す図である。
【0135】
上述したように、無線通信端末はPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーまたはMACヘッダのAddressフィールドに基づいて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。但し、BSSカラーを示すフィールドの大きさは限定的であるため、上述したように、互いに異なるBSSが同じBSSカラーを有することがある。また、無線通信端末が有するMACアドレス値はユニークである。よって、BSSカラーに基づいて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する場合、無線通信端末は受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのか正確に判断することができない。よって、BSSカラーに基づく、受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのかまたはInter-BSSフレームであるのかに関する判断と、MACヘッダのAddressフィールドに基づく、受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのかまたはInter-BSSフレームであるのかに関する判断が異なる場合、無線通信端末はMACヘッダのAddressフィールドに応じて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのか判断することができる。詳しくは、受信したフレームが含まれたPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと同じであるが、受信したフレームのMACヘッダのAddressフィールドがInter-BSSフレームであることを示す場合、無線通信端末は受信したフレームをInter-BSSフレームと最終判断する。他の具体的な実施例において、受信したフレームが含まれたPPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーが無線通信端末が含まれたBSSのBSSカラーと異なるが、受信したフレームのMACヘッダのAddressフィールドがIntra-BSSフレームであることを示す場合、無線通信端末は受信したフレームをIntra-BSSフレームと最終判断する。
【0136】
無線通信端末が受信したフレームのMACヘッダの複数のAddressフィールドのうちいずれか一つが無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDを示す場合、無線通信端末は受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームのMACヘッダの複数のAddressフィールドのうちいずれも無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDを示さない場合、無線通信端末は受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。但し、無線通信端末がMACフレームの種類に応じてAddressフィールドのみで受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのか判断することができない場合もある。MACヘッダのAddressフィールドが示す情報は、フレームタイプとTo DSフィールド、From DSフィールドの設定に応じて異なり得るためである。よって、無線通信端末はMACフレームの種類とMAC Addressフィールドに基づいて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。それについては、
図16を介して詳しく説明する。
【0137】
図16は、本発明の実施例による無線通信端末がフレームの種類とMACヘッダフィールドの値によって受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する方法を示す図である。
【0138】
無線通信端末は、MACヘッダのFrame ControlフィールドのTypeフィールド値に応じて該当フレームがデータフレームであるのかを判断する。データフレームであれば、To DSフィールドとFrom DSフィールドに応じてAddressフィールドが示す情報が異なり得る。よって、無線通信端末はMACヘッダのFrame ControlフィールドのTypeフィールドがデータフレームであることを示す場合、To DSフィールド、From DSフィールド、及びAddressフィールドの値に基づいて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断することができる。
【0139】
詳しくは、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドとFrom DSフィールドの値が全て0であれば、Address 3フィールドはBSSIDを示す。よって、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドとFrom DSフィールドの値が全て0である場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドとFrom DSフィールドの値が全て0である場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。
【0140】
また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が1であれば、Address 2フィールドはBSSIDを示す。よって、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が1である場合、無線通信端末はAddress 2フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が全て1である場合、無線通信端末はAddress 2フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。また、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が1であって、MPDUが含むMSDUがベーシック(basic)A-MSDUである場合、Address 3フィールドはBSSIDを示す。よって、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が1であって、MPDUが含むMSDUがベーシックA-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が0でFrom DSフィールドの値が1であって、MPDUが含むMSDUがベーシックA-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。
【0141】
また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が0であれば、Address 1フィールドはBSSIDを示す。よって、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が0である場合、無線通信端末はAddress 1フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が全て0である場合、無線通信端末はAddress 1フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。また、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が0であって、MPDUが含むMSDUがベーシックA-MSDUである場合、Address 3フィールドはBSSIDを示す。よって、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が0であって、MPDUが含むMSDUがベーシックA-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が0であって、MPDUが含むMSDUがベーシックA-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSに当たるBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。また、詳しくは、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が1であって、フレームが含むMSDUがBASIC A-MSDUである場合、Address 3フィールドとAddress 4フィールドはBSSIDを示す。無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が1であって、フレームが含むMSDUがBASIC A-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値またはAddress 4フィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがデータフレームで、To DSフィールドの値が1でFrom DSフィールドの値が1であって、フレームが含むMSDUがBASIC A-MSDUである場合、無線通信端末はAddress 3フィールドの値とAddress 4フィールドの値全てが無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDでなければ、受信したフレームをInter-BSSフレームと判断する。
【0142】
受信したフレームがマネジメントフレームであれば、Address 1フィールドはRAフィールドであり、Address 2フィールドはTAフィールドである。また、受信したフレームがマネジメントフレームであれば、Address 3フィールドはBSSIDフィールドである。よって、無線通信端末が受信したフレームがマネジメントフレームである場合、無線通信端末はAddress 1フィールド、Address 2フィールド、及びAddress 3フィールドのうちいずれか一つの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。また、無線通信端末が受信したフレームがマネジメントフレームである場合、無線通信端末はAddress 1フィールド、Address 2フィールド、及びAddress 3フィールドの値全てが無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDでなければ、受信したフレームをIntra-BSSフレームと判断する。
【0143】
また、無線通信端末が含まれたBSSが多重BSSIDセット(Multiple BSSID set)に含まれたBSSIDを有する場合、無線通信端末は受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する場合、該当多重BSSIDセットに含まれたBSSIDを無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDとみなす(regard)。詳しくは、上述したAddressフィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDである場合、無線通信端末が含まれたBSSが多重BSSIDセットに含まれたBSSIDを有すればAddressフィールドの値が多重BSSIDセットに含まれた複数のBSSIDのうちいずれか一つである場合を含む。
【0144】
また、Addressフィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、Addressフィールドの値でIndividual/Groupビットを0に設定すると、無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDと同じ場合を含む。また、Addressフィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDであれば、Addressフィールドの値が無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDの周波数帯域シグナリングバリアント(bandwidth singaling variant)である場合を含む。
【0145】
また、無線通信端末は、MPDUのFCSフィールドの値が有効であれば、MACヘッダまたはMACヘッダのAddressフィールドに基づいて受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する。
【0146】
図17は、本発明の実施例による無線通信端末がInter-BSSカラー衝突を見つけた場合、Inter-BSSカラー衝突状況を直すための無線通信端末の動作と、Intra-BSSカラー混同を防止するための無線通信端末の動作を示す図である。
【0147】
アクセスポイントでない無線通信端末がInter-BSSカラー衝突を見つけた場合、無線通信端末はアクセスポイントにBSSカラー変更を要請するフレームを伝送する。
【0148】
また、アクセスポイントがBSSカラーを変更する場合、アクセスポイントはBSSカラー変更を示すフレームを伝送する。この際、BSSカラー変更を示すフレームを受信した無線通信端末は、一定時間の間、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーに基づいたSR動作を行わなくてもよい。また、BSSカラー変更を示すフレームを受信した無線通信端末は、一定時間の間、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーに基づいたパワーセーブ動作を行わなくてもよい。この際、BSSカラー変更を示すフレームは一定時間を示す情報を含む。具体的な実施例において、BSSカラーが1である無線通信端末がBSSカラーが2に変更されることを示すフレームを受信した場合、無線通信端末は以下のように動作する。無線通信端末はBSSカラー変更を示すフレームを受信したときから一定時間の間、BSSカラー2を示すPPDUに関するSR動作を行わない。また、無線通信端末はBSSカラー変更を示すフレームを受信したときから一定時間の間、BSSカラー2を示すPPDUに関するパワーセーブ動作を行わない。
【0149】
また、BSSカラー変更を示すフレームは、BSSカラー変更履歴(history)を示すカウンタを含む。詳しくは、カウンタの値は0と1の間でトグル(toggle)される。他の具体的な実施例において、カウンタの値は一定大きさの範囲内でラップアラウンド(wrap around)形態に増加する。BSSカラー変更を示すフレームを受信した無線通信端末は、カウンタ値が変更されればBSSカラーが変更されたと判断する。
【0150】
他の具体的な実施例において、BSSカラーを変更するフレームはBSSカラーの適用時期を示すカウンタを含む。詳しくは、アクセスポイントはBSSカラーの変更を示すフレームを一定時間の間周期的に伝送する。この際、無線通信端末はBSSカラーの変更を示すフレームを伝送するごとにカウンタ値を減らしていく。BSSカラーの変更を示すフレームを受信した無線通信端末は、カウンタ値が0であれば変更されたBSSカラーを適用する。
【0151】
無線通信端末はこのような動作を介し、Intra-BSSカラー混同の発生を防止する。
図17(a)乃至
図17(b)を介し、このような動作が適用された具体的な実施例を説明する。
【0152】
図17(a)の実施例は、ある一つのステーションがInter-BSSカラー衝突を見つけた場合である。この際、ステーションはアクセスポイントにBSSカラー変更を要請するフレームを伝送する。アクセスポイントはBSSカラー変更を要請するフレームを受信し、BSSカラー変更を要請するフレームに対するACKフレームをステーションに伝送する。アクセスポイントはBSSカラーを変更し、BSSカラー変更を示すフレームを伝送する。この際、BSSカラー変更を示すフレームのカウンタ値は1である。カウンタ値はBSSカラーの変更履歴を示す。また、BSSカラー変更を示すフレームを受信した無線通信端末は、BSSカラー変更を示すフレームを受信したときから一定時間の間、SR動作とパワーセーブ動作を行わない。
【0153】
図17(b)の実施例は、アクセスポイントがInter-BSSカラー衝突を見つけた場合である。この際、アクセスポイントはBSSカラー変更を示すフレームを伝送する。詳しくは、アクセスポイントはBSSカラーの変更を示すフレームを一定時間の間周期的に伝送する。この際、アクセスポイントはBSSカラー変更を示すフレームが含むカウンタ値を減らしてBSSカラーの適用時期を示す。無線通信端末はカウンタ値が0であるBSSカラー変更を示すフレームを受信した際、変更されたBSSカラーを適用する。
【0154】
図18は、本発明の一実施例による無線通信端末が広帯域通信のために周波数帯域を結合する方法を示す図である。
【0155】
OFDMA伝送において、サブ周波数帯域を使用する場合でなければ、無線通信端末は周波数帯域幅が20MHz、40MHz、80MHz、及び160MHzのうちいずれか一つの周波数帯域を使用する。詳しくは、無線通信端末は20MHzの周波数帯域幅を有する主チャネルと、主チャネルに隣接し20MHzの帯域幅を有する副チャネルを結合して使用する。この際、主チャネルはアクセスポイント別に指定される。また、結合された周波数帯域は主40MHzチャネルと称される。また、無線通信端末は主40MHzチャネルと、40MHzの帯域幅を有し主40MHzチャネルに隣接する副チャネルを結合して使用する。この際、結合された周波数帯域は主80MHzチャネルと称される。また、無線通信端末は主80MHzチャネルと、80MHzの帯域幅を有し主80MHzチャネルに隣接する副チャネルを結合して使用する。また、無線通信端末は主80MHzチャネルと、80MHzの帯域幅を有し主80MHzチャネルに隣接しない副チャネルを結合して使用する。説明の便宜上、本明細書において、20MHzより大きい周波数帯域幅を有する周波数帯域を広帯域と称する。無線通信端末が広帯域通信をする場合、CCAが必要な周波数帯域の帯域幅も共に広くなる。よって、無線通信端末が競争手順を介してチャネルに接近する際、広帯域に対する効率的なCCA方法が必要となる。無線通信端末が広帯域に対してCCAをする方法については、
図19乃至
図20を介して説明する。
【0156】
図19は、本発明の一実施例による無線通信端末が広帯域PPDUを伝送する方法を示す図である。
【0157】
無線通信端末は、チャネル単位の周波数帯域幅を有する主チャネルについて競争手順を行う。この際、無線通信端末は、主チャネルにおける競争手順を介して決定された伝送時点から前の(preceding)一定時間の間に遊休状態の副チャネルを結合してPPDUを伝送する。詳しくは、副チャネルは主チャネルに隣接した周波数帯域幅である。また、一定時間はPIFSである。また、チャネル単位の周波数帯域幅は、OFDMA伝送において、無線通信端末がサブ周波数帯域を使用する場合でなければ、無線通信端末が使用し得る最小の周波数帯域幅を示す。チャネル単位の周波数帯域幅は、上述したように20MHzであってもよい。
【0158】
競争手順において、無線通信端末の具体的な動作は
図6を介して説明した実施例と同じである。詳しくは、チャネルが一定時間区間以上遊休である場合、無線通信端末はバックオフウィンドウによる競争手順を行う。この際、一定時間区間は802.11で定義するIFSのうちいずれか一つである。例えば、一定時間区間はAIFSとPIFSのうちいずれか一つであってもよい。詳しくは、無線通信端末は競争ウィンドウ内の任意の値をバックオフカウンタとして獲得する。該当チャネルが遊休の時間がスロットタイム以上持続されれば、無線通信端末はバックオフカウンタの値を減らす。この際、スロットタイムは9usである。無線通信端末は、バックオフの値が0になるまで待機する。バックオフカウンタの値が0になれば、無線通信端末は該当チャネルにアクセスする。
【0159】
バックオフカウンタの値が0になる前に、該当チャネルが使用中状態になることがある。このような場合、無線通信端末は該当チャネルが更に遊休になり、一定大きさの時間区間以上遊休の場合、バックオフウィンドウに応じた競争手順を更に行う。この際、無線通信端末は以前の競争手順に残っているバックオフカウンタの値を基準にバックオフ手順を行う。
【0160】
図19(a)の実施例において、無線通信端末は主20MHzチャネル(Primary 20MHz Channel)で競争手順を行う。バックオフカウンタの値が0になった時点から、以前のPIFSの間に副20MHzチャネル(secondary 20MHz Channel)及び副40MHzチャネル(secondary 40MHz Channel)が共に遊休の状態を維持していた。よって、無線通信端末は80MHzの帯域幅を有する周波数帯域を介して、バックオフカウンタの値が0になった時点にPPDUを伝送する。
【0161】
図19(b)の実施例において、無線通信端末は主20MHzチャネルで競争手順を行う。バックオフカウンタの値が0になった時点から、以前のPIFSの間に副20MHzチャネルは遊休の状態を維持していた。しかし、バックオフカウンタの値が0になった時点から、以前のPIFSの間に副40MHzチャネルは遊休の状態が持続されなかった。よって、無線通信端末は40MHzの帯域幅を有する周波数帯域を介してPPDUを伝送する。
図19(a)と
図19(b)の実施例において、無線通信端末は使用可能な周波数帯域幅に応じてPPDUを動的に割り当てるべきである。無線通信端末が使用可能な周波数帯域の帯域幅に応じてPPDUを動的に割り当てることが難しい場合については、
図19(c)を介して説明する。
【0162】
無線通信端末が伝送準備の際に選択した周波数帯域幅だけの周波数帯域で伝送が不可能な場合、無線通信端末は、主チャネルがバックオフカウンタ値が示すバックオフウィンドウより大きい時間の間に遊休の場合であっても伝送せずに待機する。この際、無線通信端末は、無線通信端末が伝送準備の際に選択した周波数帯域幅だけの周波数帯域からPPDUを伝送し得るまで待機する。
【0163】
図19(c)の実施例において、無線通信端末は主20MHzチャネルで競争手順を行う。バックオフカウンタの値が0になった時点から、以前のPIFSの間に副20MHzチャネルは遊休であったが、副40MHzチャネルは遊休の状態が維持されなかった。よって、無線通信端末は80MHzの帯域幅を有する周波数帯域で伝送が可能になるまで待機する。
【0164】
図20は、本発明の実施例による無線通信端末が40MHzの周波数帯域幅を有する周波数帯域を介してPPDUを伝送することを示す図である。
【0165】
上述したように、無線通信端末はバックオフ手順を開始する前に、該当チャネルが遊休であるのかを判断するためにCCA動作を行う。また、無線通信端末はバックオフ手順において、スロットタイムの間に該当チャネルが遊休であるのかを判断するためにCCA動作を行う。この際、無線通信端末はプリアンブル検出及びエネルギー検出(Energy Detection、ED)のうち少なくとも一つに基づいてCCA動作を行う。また、無線通信端末は繰り返し検出(Repetiton Detection、RD)に基づいてCCA動作を行う。
【0166】
PDは無線通信端末がPPDUの最も前の部分に当たるL-STFから伝送される繰り返し信号パターンを検出し、PPDU伝送のために使用される信号の強度を検出する方法である。Energy Detection(ED)は、無線通信端末が任意の無線信号のエネルギー強度を検出する方法である。また、RDは無線通信端末がPPDUの伝送のために使用される信号から繰り返されるパターンを検出し、PPDU伝送のために使用される信号の強度を検出する方法である。無線通信端末が主チャネルからPDに基づいてCCAを行う際に使用される閾値を第1PD CCA閾値と称する。また、無線通信端末が主チャネルからEDに基づいてCCAを行う際に使用される閾値を第1ED CCA閾値と称する。また、無線通信端末が主チャネルからRDに基づいてCCAを行う際に使用される閾値を第1RD CCA閾値と称する。第1RD CCA閾値は第1PD CCA閾値と同じであってもよい。無線通信端末が受信したPPDUがOBSSから伝送された場合、無線通信端末はOBSSから伝送されたPPDUに対してOBSS第1PD CCA閾値を適用しCCA動作を行う。この際、OBSS第1PD CCA閾値とは、主チャネルでPDに基づいてCCAを行うための閾値をいう。無線通信端末は、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSカラーとMACヘッダのAddressフィールドのうち少なくともいずれか一つに基づいて受信したPPDUがOBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。詳しくは、無線通信端末は、
図6乃至
図16を介して説明した実施例によって、受信したPPDUがOBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。
【0167】
具体的な実施例において、OBSS第1PD CCA閾値は第1PD CCA閾値より同じであるか大きくてもよく、第1ED CCA閾値より小さいか同じであってもよい。また、無線通信端末は、無線通信端末がPPDU伝送する際に使用する伝送パワー(TXPWR)に基づいてOBSS第1PDの値を調整する。例えば、無線通信端末は、第1PD(-82dBm)≦OBSS第1PD≦第1ED(-62dBm)の範囲内で、無線通信端末がPPDU伝送する際に使用する伝送パワーに基づいてOBSS第1PDの値を調整する。
【0168】
上述したように、無線通信端末はPPDUを伝送する際、レガシー無線通信端末のためのフィールドとノン・レガシーシグナリングフィールドを64FFTに基づいてOFDM伝送する。詳しくは、レガシー無線通信端末のためのフィールドはL-STF、L-LTF、及びL-SIGフィールドである。また、ノン・レガシーシグナリングフィールドはRL-SIGフィールド、HE-SIG-Aフィールド、及びHE-SIG-Bフィールドである。無線通信端末がPPDUを64FFTに基づいてOFDM伝送する場合、PPDUを伝送する信号は3.2usのデュレーションを有するデータと、0.4usまたは0.8usのデュレーションを有するサイクリックプリフィックス(Cyclic Prefix、CP)が繰り返される。よって、無線通信端末はPIFS(25us)の間、CCAを介して約6~7個のシンボルを受信して信号の強度を測定する。
【0169】
無線通信端末は、PPDUが含むデータとプリアンブルの一部を256FFTに基づいてOFDM伝送する。無線通信端末がPPDUを256FFTに基づいてOFDM伝送する場合、PPDUを伝送する信号は12.8usのデュレーションを有するデータと、0.8us、1.6us、及び3.2usのうちいずれか一つのデュレーションを有するサイクリックプリフィックスが繰り返される。よって、無線通信端末はPIFS(25us)の間、CCAを介して最大1~2個のシンボルを受信して信号の強度を測定する。よって、無線通信端末が64FFTと256FFTを共に使用してPPDUをOFDM伝送する信号を受信する場合、無線通信端末は、PIFSの間に受信した信号がPPDUを伝送する信号であるのかを判断することが難しい。よって、無線通信端末が受信した信号がPPDUを伝送する信号であるのかに関する判断に失敗した場合、無線通信端末はEDに基づいてCCAを行う。また、無線通信端末が64FFTと256FFTを共に使用してPPDUをOFDM伝送する信号を受信する場合、無線通信端末は、PDだけでなくRDに基づいて受信した信号がPPDUを伝送する信号であるのかを判断する。
【0170】
図20(a)の実施例において、無線通信端末は主チャネルにおいてバックオフカウンタに基づいた競争手順を行う。この際、無線通信端末はPDとEDに基づいてCCAを行う。また、無線通信端末は副チャネルでPD、ED、及びRDに基づいてCCAを行い、バックオフカウンタが0になる時点から以前のPIFSの間に遊休の状態であったのかを判断する。
【0171】
また、無線通信端末は副チャネルが主チャネルにおける競争手順を介して決定された伝送時点から一定時間の間に遊休の状態である場合、主チャネルと副チャネルを結合してPPDUを伝送するが、一定時間はPIFSより大きい時間であってもよい。上述したように、PPDUが256FFTに基づいてOFDM伝送される場合、無線通信端末がPIFSの間に無線信号がPPDUであるのかを判断することが難しいためである。この際、一定時間はAIFSより小さいか同じであってもよい。無線通信端末が主チャネルに対する競争手順でバックオフカウンタとして0を獲得する場合、無線通信端末はAIFSの時間の間に主チャネルが遊休であるのかを判断する。よって、無線通信端末が副チャネルがAIFSより大きい時間区間の間に遊休であるのかを判断する場合、副チャネルからPPDUを伝送するために必要な遊休時間区間が、主チャネルからPPDUを伝送するために必要な遊休時間区間より大きくてもよい。
【0172】
他の具体的な実施例において、一定時間はAIFSが示す時間とバックオフカウンタが示す時間の合計と同じであるか短くてもよい。それを介し、無線通信端末は副チャネルを介して伝送されるPPDUの検出の正確度を上げることができる。但し、バックオフカウンタ値に応じて、副チャネルを介して伝送されるPPDUの検出の正確度は可変になり得る。
図20(b)の実施例において、無線通信端末は主チャネルにおいて、
図20(a)の実施例で説明したように競争手順を行う。無線通信端末は主チャネルの競争手順において、バックオフカウンタが0である時点から以前のxIFS時間の間に副チャネルが遊休の状態を維持したのかを判断する。この際、xIFSはPIFSより大きいフレーム間隔を示す。
【0173】
他の具体的な実施例において、無線通信端末は、副チャネルが主チャネルの競争手順を介して決定された伝送時点から以前の一定時間の間に遊休の状態であったのかを判断する際、受信した信号のモジュレーション方法によって一定時間の長さを調整することができる。この際、モジュレーション方法は、64FFTを利用したOFDM伝送または256FFTを利用したOFDM伝送のうちいずれか一つである。詳しくは、無線通信端末は副チャネルから受信した信号が64FFTに基づいてOFDM伝送される場合、副チャネルが主チャネルにおける競争手順を介して決定された伝送時点から以前の第1時間区間の間に遊休の状態であったのかを判断する。また、無線通信端末は副チャネルから受信した信号が256FFTに基づいてOFDM伝送される場合、副チャネルが主チャネルにおける競争手順を介して決定された伝送時点から以前の第2時間区間の間に遊休の状態であったのかを判断する。この際、第1時間区間は第2時間区間より短くてもよい。具体的な実施例において、第1時間区間はPIFSであり、第2時間区間はPIFSが示す時間より長くAIFSが示す時間とバックオフカウンタが示す時間の合計よりは短くてもよい。
【0174】
AIFSが示す時間と主チャネルの競争手順から獲得したバックオフカウンタが示す時間の合計が256FFTに基づいてOFDM伝送される信号を検出するための最小時間より大きく、無線通信端末が副チャネルから256FFTに基づいてOFDM伝送される信号を受信した場合、無線通信端末が副チャネルが遊休の状態を維持したのかを判断する時間はPIFSより長い時間を示すxIFSである。AIFSが示す時間と主チャネルの競争手順から獲得したバックオフカウンタが示す時間の合計が256FFTに基づいてOFDM伝送される信号を検出するための最小の時間より大きく、無線通信端末が副チャネルから64FFTに基づいてOFDM伝送される信号を受信した場合、副チャネルが遊休の状態を維持したのかを判断する時間はPIFSまたはxIFSである。
【0175】
AIFSが示す時間と主チャネルの競争手順から獲得したバックオフカウンタが示す時間の合計が256FFTに基づいてOFDM伝送される信号を検出するための最小時間より短ければ、副チャネルが主チャネルにおける競争手順を介して決定された伝送時点からPIFSの間に遊休の状態であったのかを判断することができる。この際、無線通信端末は、無線通信端末が副チャネルから256FFTに基づいてOFDM伝送された信号を検出する場合、EDに基づいて副チャネルがPIFSの間に遊休の状態であったのかを判断する。また、無線通信端末は、無線通信端末が副チャネルから64FFTに基づいてOFDM伝送された信号を検出する場合、PD、RD、及びEDのうち少なくともいずれか一つに基づいて副チャネルがPIFSの間に遊休の状態であったのかを判断する。無線通信端末が割と短い時間の間に副チャネルから256FFTに基づいて伝送されるOFDMシンボルを検出しようとする際、OFDMシンボルの検出に失敗する確率が高いためである。
【0176】
図20(c)の実施例と
図20(d)の実施例において、無線通信端末が受信した信号が64FFTに基づいてOFDM伝送される場合、無線通信端末は副チャネルが主チャネルの競争手順において伝送が決定された時間以前のPIFSの間に遊休の状態であったのかを判断する。また、無線通信端末が受信した信号が256FFTに基づいてOFDM伝送される場合、無線通信端末は副チャネルが主チャネルの競争手順において伝送が決定された時間から以前のxIFSの間に遊休の状態であったのかを判断する。この際、xIFSはPIFSより大きい時間を示す。
【0177】
無線通信端末は、副チャネルから受信した信号が64FFTに基づいてOFDM伝送されているのか、または256FFTに基づいてOFDM伝送されているのかによって互いに異なるPD CCA閾値を適用する。説明の便宜上、無線通信端末が副チャネルからPDに基づいてCCAを行う際に使用される閾値を第2PD CCA閾値と称する。詳しくは、無線通信端末は、256FFTに基づいてOFDM伝送される無線信号に64FFTに基づいてOFDM伝送される無線信号より大きい第2PD CCA閾値を適用する。無線通信端末が副チャネルから受信した信号がOBSS PPDUであっても、無線通信端末は受信したOBSS PPUDが64FFTに基づいてOFDM伝送されているのか、または受信したOBSS PPDUが256FFTに基づいてOFDM伝送されているのかによって互いに異なるPD CCA閾値を適用する。この際、副チャネルから伝送されるOBSS PPDUについて、PDに基づいて行われるCCA動作に適用される閾値をOBSS第2PD CCA閾値と称する。また、副チャネルからOBSS PPDUが64FFTに基づいてOFDM伝送されている際に適用される閾値をOBSS第2レガシーPD CCA閾値と称し、副チャネルからOBSS PPDUが256FFTに基づいてOFDM伝送されている際に適用される閾値をOBSS第2ノン・レガシーPD CCA閾値と称する。また、副チャネルからEDに基づいて行われるCCA動作を第2ED CCA閾値と称する。詳しくは、OBSS第2PD CCA閾値は第2PD CCA閾値より大きいか同じであってもよく、第2ED CCA閾値より小さいか同じであってもよい。また、無線通信端末はOBSS第2PD CCA閾値を無線通信端末がPPDUを伝送する際に使用する伝送パワーに基づいて調整する。また、無線通信端末が副チャネルからRDに基づいてCCAを行う際に使用される閾値である第2RD CCA閾値は、第2PD CCA閾値と同じであってもよい。このような動作のために、無線通信端末は副チャネルからOBSS PPDUが受信されるのかを判断する必要がある。
【0178】
無線通信端末は、主チャネルから受信される信号に関する判断に基づき、副チャネルから受信される信号がOBSS PPDUであるのかを判断する。詳しくは、無線通信端末は主チャネルからPPDUを受信する場合、主チャネルから受信したPPDUに関する判断を適用する。詳しくは、無線通信端末が主チャネルから受信するPPDUがOBSSから伝送されたPPDUであれば、無線通信端末は主チャネルにOBSS第1PD CCA閾値を適用してCCA動作を行い、副チャネルにOBSS 第2PD CCA閾値を適用してCCAを行う。この際、OBSS第1PD CCA閾値とOBSS第2PD CCA閾値は同じであってもよい。
図20(c)の実施例において、無線通信端末は主チャネルから受信するPPDUをOBSSから伝送されたPPDUと判断する。それによって、無線通信端末は主チャネルにOBSS第1PD CCA閾値を適用してCCA動作を行う。また、無線通信端末は副チャネルにOBSS第2PD CCA閾値を適用してCCA動作を行う。
【0179】
また、無線通信端末は主チャネルからPPDUが検出されなければ、副チャネルから検出されるPPDUをOBSSから伝送されたPPDUと判断することがある。同じBSSに含まれた無線通信端末は、
図18を介して説明したように、主チャネルを含んで周波数帯域を拡張するためである。
図20(d)の実施例において、無線通信端末は主チャネルからPPDUの受信を検出することができない。よって、無線通信端末は副チャネルから受信されるPPDUをOBSS PPDUと判断する。無線通信端末は副チャネルにOBSS第2PD CCA閾値を適用してCCA動作を行う。
【0180】
また、OBSS第2PD CCA閾値は第2PD CCA閾値より大きいか同じであってもよく、第2ED CCA閾値より小さいか同じであってもよい。無線通信端末は、無線通信端末が伝送するPPDUの伝送パワーに基づいてOBSS第2PD CCA閾値を調整する。
【0181】
詳しくは、無線通信端末は、無線通信端末が伝送するPPDUの伝送パワーに基づき、第2レガシーPD CCA閾値(-72dBm)≦OBSS第2レガシーPD CCA閾値≦第2ED CCA(-62dBm)閾値の範囲内でOBSS第2レガシーPD CCA閾値を調整する。64FFT OFDMに基づくシンボルが検出される場合、シンボルが含むPPDUがレガシーPPDUであるのかノン・レガシーPPDUであるのかが不明確である。よって、レガシー無線通信端末との衡平性を維持するために、無線通信端末はレガシー無線通信端末が副チャネルCCAを行う際に適用するCCA閾値である-72dBmより大きい値を第2レガシーPD CCAの閾値として使用する。
【0182】
他の具体的な実施例において、無線通信端末が副チャネルから256FFTに基づいてOFDM伝送された信号を検出した場合、無線通信端末は、無線通信端末が伝送するPPDUの伝送パワーに基づき、第2ノン・レガシーPD CCA閾値(-82dBm)≦OBSS第2ノン・レガシーPD CCA閾値≦第2ED CCA閾値(-62dBm)の範囲内でOBSS第2ノン・レガシーPD CCA閾値を調整する。256FFT ODFMに基づくシンボルが検出されればノン・レガシーPPDUであることが明白なため、レガシー無線通信端末との衡平性問題を考慮しなくてもよいためである。
【0183】
また、無線通信端末は、OBSS第2レガシーPD CCA閾値とOBSS第2ノン・レガシーPD CCA閾値をOBSS第1PD CCA閾値に基づいて調整する。詳しくは、無線通信端末は、OBSS第2レガシーPD CCA閾値とOBSS第2ノン・レガシーPD CCA閾値にOBSS第1PD CCA閾値を適用する。また、無線通信端末は、OBSS第1PD CCA閾値がOBSS第2レガシーPD CCA閾値より大きければ、OBSS第2レガシーPD CCA閾値にOBSS第1PD CCA閾値を適用する。この場合、もしOBSS第1PD CCA閾値がOBSS第2レガシーPD CCA閾値より小さいか同じであれば、OBSS第2レガシーPD CCA閾値にOBSS第1PD CCA閾値を適用しなくてもよい。
【0184】
図21は、本発明の実施例による無線通信端末がSR動作の際に伝送パワーを調節することを示す図である。
【0185】
無線通信端末は、上述したように、無線通信端末が伝送するPPDUの伝送パワーに基づいてOBSS PD CCA閾値を設定する。詳しくは、伝送するPPDUの伝送パワーが低ければ、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を増加させる。また、伝送するPPDUの伝送パワーが高ければ、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を減少させる。無線通信端末が低い伝送パワーでPPDUを伝送すれば無線通信端末がOBSSに及ぼす影響が少なく、無線通信端末が高い伝送パワーでPPDUを伝送すれば無線通信端末がOBSSに及ぼす影響が大きいためである。無線通信端末がCCA閾値だけでなくSR動作の際にPPDUの伝送パワーを調節する場合、無線通信端末のSR動作のOBSSからの伝送に対する影響を減らすか、SR動作の効率を上げることができる。
【0186】
よって、無線通信端末はOBSS PPDUが伝送される間、SR動作のために調節されていない伝送パワーでPPDUを伝送するか、SR動作のために調節された伝送パワーでPPDUを伝送してもよい。この際、SR動作のために調節されていないパワーは予め指定された伝送パワーである。他の具体的な実施例において、SR動作のために調節されていないパワーは、無線通信端末が出力し得る最大の伝送パワーである。また、予め指定された伝送パワーはアクセスポイントによって指定される。詳しくは、無線通信端末がOBSS PPDUの受信を検出しOBSS PD CCA閾値を適用する場合、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値に基づいて伝送パワーを調節し、PPDUを伝送する。また、無線通信端末がOBSS PPDUの受信を検出できない場合、無線通信端末はPD CCA閾値に当たる伝送パワーでPPDUを伝送する。詳しくは、無線通信端末がOBSS PPDUの受信を検出できない場合、無線通信端末はPD CCA閾値に当たる伝送パワーの調節なしにPPDUを伝送する。PD CCA閾値はOBSS PC CCA閾値のように相対的に高いCCA閾値ではないためである。
【0187】
図21(a)において、(a)-1は無線通信端末がPPDUを受信できなかった場合を示す。この際、無線通信端末は第1PD CCA閾値PD1を適用してCCA動作を行う。また、無線通信端末はSR動作のために調節されていない伝送パワーでPPDUを伝送する。
図21(a)-2は、無線通信端末が主チャネルからPPDUを受信し、OBSSから伝送されたPPDUであることを検出する場合を示す。無線通信端末がOBSSから伝送されたPPDUを主チャネルから検出した後、OBSS第1PD CCA閾値PD1を適用してCCAを行う。無線通信端末は主チャネルが遊休の状態と判断し、バックオフに基づいて競争手順を行う。競争手順によってPPDUの伝送が決定された時点に、無線通信端末はOBSS第1PD CCA閾値PD1に基づいて決定された伝送パワーでPPDUを伝送する。
【0188】
図21(b)は、ノン・レガシーアクセスポイントHE A、HE B、HE C、ノン・レガシーステーションA-1、A-2、B-1,C-1、及びレガシーステーションLegが共存する場合のネットワークトポロジーを示す。また、
図21(c)は、SR動作に関する情報を含むPPDUフォーマットを示す図である。
図21(b)乃至
図21(c)を介し、無線通信端末が伝送パワーを調節する動作を詳しく説明する。
【0189】
アクセスポイントではない無線通信端末は、無線通信端末が含まれたBSSのアクセスポイントが安定的にPPDUを受信し得る伝送パワーを適用すべきである。そのために、アクセスポイントではない無線通信端末は、以下の実施例によって伝送パワーを調節する。詳しくは、アクセスポイントではない無線通信端末はアクセスポイントからPPDUが伝送されるチャネルのチャネル減衰を推定する。アクセスポイントではない無線通信端末は、推定したチャネル減衰に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを決定する。この際、無線通信端末はアクセスポイントが明示的な伝送パワーで、周期的に伝送するPPDUの受信信号強度を測定してチャネル減衰を推定する。詳しくは、明示的な伝送パワーは該当PPDUが伝送されるBSSで知られている共通の伝送パワーである。明示的な伝送パワーは、アクセスポイントがPPDUを伝送する際に別途にシグナリングしなくてもPPDUを受信する無線通信端末が知ることができる伝送パワーを示す。
【0190】
他の具他的な実施例において、アクセスポイントが伝送したPPDUはアクセスポイントが該当PPDUを伝送した伝送パワーに関する情報を含む。この際、アクセスポイントではない無線通信端末は、アクセスポイントが伝送したPPDUからアクセスポイントが該当PPDUを伝送した伝送パワーに関する情報を獲得する。アクセスポイントではない無線通信端末は、伝送パワーに関する情報と受信信号強度に基づいてチャネル減衰を推定する。よって、アクセスポイントではない無線通信端末は、アクセスポイントが伝送したPPDUの受信信号強度に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。また、アクセスポイントではない無線通信端末は、アクセスポイントが伝送したPPDUの受信信号強度及び伝送パワーに基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。
【0191】
アクセスポイントが伝送したPPDUは、伝送パワーの調整が適用されたPPDUであるのかを示すSR適用情報を含む。この際、SR適用情報がパワーの調整が適用されたPPDUでないことを示す場合、SR適用情報は該当PPDUが明示的な伝送パワーで伝送されたことを示す。また、アクセスポイントではない無線通信端末は、SR適用情報に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。SR適用情報に関する無線通信端末の具体的な動作については、
図21(c)を介して説明する。
【0192】
アクセスポイントは、アクセスポイントが含まれたBSSでアクセスポイントから最も遠くにある無線通信端末、または受信信号強度が最も低いPPDUを伝送する無線通信端末が、アクセスポイントが伝送するPPDUを安定的に受信し得るように伝送パワーを調節すべきである。そのために、アクセスポイントは以下の実施例によって伝送パワーを調節する。詳しくは、アクセスポイントはアクセスポイントではない無線通信端末からPPDUが伝送されるチャネルのチャネル減衰を推定する。アクセスポイントは、推定したチャネル減衰に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。この際、アクセスポイントはアクセスポイントではない無線通信端末が明示的な伝送パワーで、周期的に伝送するPPDUの受信信号強度を測定してチャネル減衰を推定する。詳しくは、明示的な伝送パワーは該当PPDUが伝送されるBSSで知られている共通の伝送パワーである。明示的な伝送パワーは、アクセスポイントではない無線通信端末がPPDUを伝送する際に別途にシグナリングしなくてもPPDUを受信するアクセスポイントが知ることができる伝送パワーを示す。
【0193】
他の具他的な実施例において、アクセスポイントではない無線通信端末が伝送したPPDUはアクセスポイントではない無線通信端末が該当PPDUを伝送した伝送パワーに関する情報を含む。この際、アクセスポイントは、アクセスポイントではない無線通信端末が伝送したPPDUからアクセスポイントではない無線通信端末が該当PPDUを伝送した伝送パワーに関する情報を獲得する。アクセスポイントは、アクセスポイントではない無線通信端末が該当PPDUを伝送した伝送パワーに関する情報と受信信号強度に基づいて、アクセスポイントではない無線通信端末からPPDUが伝送されるチャネルのチャネル減衰を推定する。よって、アクセスポイントは、伝送パワーに関する情報と受信信号強度に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。
【0194】
アクセスポイントが伝送したPPDUは、伝送パワーの調節が適用されたPPDUであるのかを示すSR適用情報を含む。この際、SR適用情報がパワーの調節が適用されたPPDUでないことを示す場合、SR適用情報は該当PPDUが明示的な伝送パワーで伝送されたことを示す。また、アクセスポイントではない無線通信端末は、SR適用情報に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。SR適用情報に関する無線通信端末の具体的な動作については、
図21(c)を介して説明する。
【0195】
無線通信端末は、アクセスポイントから受信したブロードキャストフレームを含むPPDUの受信信号強度を測定し、ブロードキャストフレームを含むPPDUの受信信号強度をアクセスポイントに伝送する。この際、ブロードキャストフレームはビーコンフレームである。アクセスポイントは、アクセスポイントではない無線通信端末が伝送したPPDUの受信信号強度に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。詳しくは、アクセスポイントは、アクセスポイントではない無線通信端末が伝送したブロードキャストフレームを含むPPDUの受信信号強度に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。
【0196】
上述したように、PPDUのシグナリングフィールドは、SR動作が適用されたのかを示すSR適用情報を含む。詳しくは、PPDUのシグナリングフィールドは、伝送パワーの調節に基づいて該当PPDUが伝送されたのかを示す伝送パワー調節表示フィールド(TCI:TXPWR Control Indicator)を含む。具体的な実施例において、伝送パワー調節表示フィールドが該当PPDUが伝送パワーの調節に基づいて伝送されたのか、または該当PPDUが伝送パワーの調節に基づかずに伝送されたのかを示す1ビットフィールドである。
【0197】
無線通信端末は、OBSSから伝送されたPPDUが含むSR適用情報に基づいてSR動作を行う。詳しくは、OBSSから伝送されたPPDUが含むSR適用情報がSR動作が適用されたことを示す場合、無線通信端末はSR適用情報に基づいてOBSS PD CCA閾値を調節する。例えば、OBSSから伝送されたPPDUが含むSR適用情報がSR動作が適用されていることを示す場合、無線通信端末はOBSSから伝送されたPPDUを伝送した伝送パワーに基づいてOBSS PD CCA閾値を調節する。他の具体的な実施例において、OBSSから伝送されたPPDUが含むSR適用情報がSR動作が適用されていることを示す場合、無線通信端末はCCA結果に関係なく、OBSS PPDUを受信する間にPPDUを伝送しなくてもよい。OBSSから伝送されたPPDUにSR動作が適用されている場合、一定程度の信号干渉を無視して伝送されているのである。よって、無線通信端末が追加のSR動作を行う場合、信号干渉の増加でOBSSから含まれた無線通信端末がOBSS PPDUを受信できない確率が大きくなるためである。
【0198】
図21(b)の実施例を見ると、ノン・レガシーステーションA-2が他のBSSに含まれたノン・レガシーステーションB-1が伝送するPPDUを伝送する間にSR動作を行う。この際、ノン・レガシーステーションA-2と他のBSSに含まれるノン・レガシーステーションC-1が、ノン・レガシーステーションA-2が伝送するPPDUを受信し、PPDUが含むSR適用情報を獲得する。SR適用情報がSR動作が適用されていることを示す場合、ノン・レガシーステーションC-1はOBSSから伝送されたPPDUを伝送した伝送パワーに基づいてOBSS PD CCA閾値を調節する。また、ノン・レガシーステーションC-1はCCA結果とは関係なく、ノン・レガシーステーションA-2が伝送するPPDUを受信する間にPPDUを伝送しなくてもよい。
【0199】
ある一つの無線通信端末がSR動作を介してPPDUを伝送し、PPDUを受信した無線通信端末が該当PPDUに対する応答としてPPDUを伝送する際、SR動作の適用可否を考慮しなければ、該当PPDU伝送はOBSSから伝送されるPPDU伝送に干渉を起こす恐れがある。
図21(b)の実施例において、ノン・レガシーステーションB-1が伝送する間、ノン・レガシーアクセスポイントHE A APがSR動作を行う。この際、ノン・レガシーアクセスポイントHE A APは伝送パワーを調節し、トリガフレームを含むPPDUを伝送する。ノン・レガシーアクセスポイントHE A APと同じBSSに含まれるノン・レガシーステーションA-1、A-2は、トリガフレームに基づいてUL MU PPDUを伝送する。この際、ノン・レガシーステーションA-1、A-2が適当な大きさに伝送パワーを調節しない場合、ノン・レガシーステーションA-1、A-2のPPDU伝送がノン・レガシーステーションB-1のPPDU伝送と干渉を起こす恐れがある。よって、ノン・レガシーステーションB-1のPPDU伝送を受信すべき無線通信端末が、ノン・レガシーステーションB-1が伝送するPPDUを受信できない可能性がある。よって、あるフレームに対する応答フレームを伝送する無線通信端末は、以下のような実施例によって動作する。
【0200】
無線通信端末がトリガフレームに基づいてUL MU PPDUを伝送する際、無線通信端末はアクセスポイントがUL MU PPDUを受信し得るように伝送パワーを調節し、UL MU PPDUを伝送する。詳しくは、上述したアクセスポイントではない無線通信端末が伝送パワーを調節する実施例によってUL MU PPDUの伝送パワーを調節する。また、アクセスポイントではない無線通信端末は、無線通信端末が割り当てられた周波数帯域の周波数帯域幅に基づいて、UL MU PPDUの伝送パワーを調節する。詳しくは、第1周波数帯域幅が第2周波数帯域幅より大きければ、無線通信端末は第1周波数帯域幅を介し、UL MU PPDUを伝送する際より第2周波数帯域幅を介してUL MU PPDUを伝送する際により小さい伝送パワーを使用する。無線通信端末がPPDUを伝送する周波数帯域幅が小さくなれば、無線通信端末は同じ伝送パワーでより遠い距離まで伝送し得るためである。例えば、無線通信端末が周波数帯域幅が20MHzの周波数帯域を介してアクセスポイントにPPDUを伝送し得る伝送パワーがXであれば、無線通信端末が周波数帯域幅が10MHzの周波数帯域を介して伝送パワーXでアクセスポイントにPPDUを伝送する場合、アクセスポイントが受信するPPDUの受信信号の強度は不必要なほど高い。よって、無線通信端末が10MHzの周波数帯域を介してアクセスポイントにPPDUを伝送する場合、周波数帯域幅が20MHzの周波数帯域を介してPPDUを伝送する際に使用する伝送パワーより更に小さい伝送パワーでアクセスポイントにPPDUを伝送することができる。
【0201】
トリガフレームを含むPPDUは、上述したSR適用情報を含む。また、無線通信端末はOBSSから伝送されたトリガフレームを含むPPDUに対する伝送が完了されてからPPDUを伝送する際、OBSSから伝送されたトリガフレームを含むPPDUに基づいて伝送パワーを調節する。詳しくは、無線通信端末はOBSSから伝送されたトリガフレームに基づいてUL MU PPDUが伝送される間にPPDUを伝送する場合、無線通信端末はOBSSから伝送されたトリガフレームを含むPPDUに基づいてPPDUの伝送パワーを調節する。また、無線通信端末がOBSSから伝送されたトリガフレームが示すTXOP内でPPDUを伝送する場合、無線通信端末はOBSSから伝送されたトリガフレームを含むPPDUに基づいてPPDUの伝送パワーを調節する。また、この際、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を適用してCCA動作を行う場合でなくても、OBSSから伝送されたトリガフレームに基づいて伝送パワーを調節し、PPDUを伝送する。他の具体的な実施例において、無線通信端末はOBSS PD CCA閾値を適用してCCA動作を行い、トリガフレームに基づいて伝送パワーを調節してPPDUを伝送する。また、無線通信端末がトリガフレームを含むPPDUに基づいて伝送パワーを調節することは、トリガフレームを含むPPDUの受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節することである。
【0202】
図22は、本発明の実施例による無線通信端末がOBSSから伝送されるPPDUの伝送確率を考慮してSR動作を行うことを示す図である。
【0203】
無線通信端末は、OBSSからデータ伝送シーケンスを開始(initiate)する無線通信端末OBSS TX、OTとデータ伝送シーケンスに参与する無線通信端末OBSS RX、ORのPPDU交換に基づいてSR動作を行う。この際、無線通信端末は、無線通信端末が含まれたBSSからデータ伝送シーケンスを開始する無線通信端末MYBSS TX、MTとデータ伝送シーケンスに参与する無線通信端末MYBSS RX、MRとに区分される。MR、MT、OT、及びORの具体的な関係は、
図22(a)に示すネットワークトポロジーと同じである。
【0204】
MTはOTが伝送したPPDUの受信信号強度とORが伝送したPPDUの受信信号強度が全てOBSS PD CCA閾値以下であれば、SR動作に基づいてPPDUを伝送する。詳しくは、MTはOTが伝送したPPDUの受信信号強度とORが伝送したPPDUの受信信号強度が全てOBSS PD CCA閾値以下であれば、OBSS PD CCA閾値に基づいてCCAを行い、PPDUを伝送する。この際、MTはMTとMR間のデータ伝送MY_DATAをOBSSからのデータ伝送時点、及びデータ伝送に対するACKフレーム伝送終了時点より長く維持する。これは、MTがMRとOTの間、MRとORの間の距離を確認することができず、MRから伝送されたPPDUがOBSS PPDUの受信に及ぼす影響が分からないためである。詳しくは、MTは
図22(b)、
図22(c)、及び
図22(d)の実施例の点線が示すようにデータを伝送する。
【0205】
他の具体的な実施例において、MTはORが伝送したPPDUの受信信号強度がOBSS PD CCA閾値以下であれば、SR動作に基づいてPPDUを伝送する。詳しくは、ORが伝送したPPDUの受信信号強度がOBSS PD CCA閾値以下であれば、MTはOBSS PD CCA閾値に基づいてCCAを行い、PPDUを伝送する。この際、MTはMTとMR間のデータ伝送MY_DATAをOBSSからのデータ伝送時点、及びデータ伝送に対するACKフレーム伝送終了時点より短く維持する。また、MRはOBSSにおけるデータ伝送が終了した後、MTにACKフレームを伝送する。詳しくは、MTは
図22(b)、
図22(c)、及び
図22(d)の実施例の実線が示すように、データを伝送する。これは、MTがMTとOTの間の距離、MRとOTの間の距離、MRとORの間の距離を確認することができず、MTまたはMRから伝送されたPPDUがOBSS PPDUの受信に及ぼす影響が分からないためである。
【0206】
OTがRTSフレームを含むPPDUを伝送し、ORがRTSフレームに基づいてCTSフレームを含むPPDUを伝送する場合、上述した実施例を全て適用することができる。
【0207】
OTがトリガフレームを含むPPDUを伝送し、複数のORがトリガフレームに基づいてUL MU PPDUを伝送する場合、MTがOTが伝送するトリガフレームを含むPPDUを受信せず、ORがトリガフレームに基づいて伝送するUL MU PPDUを受信する。この際、MTは、MTが測定したUL MU PPDUの受信信号強度とは関係なく、SR動作に基づいてPPDUを伝送する。詳しくは、MTがUL MU PPDUの受信信号強度とは関係なく、SR動作に基づいてPPDUを伝送するのは、OTが伝送するトリガフレームを含むPPDUを受信できないほどOTとMTが遠く離れているためである。この際、MTはMTとMR間のデータ伝送MY_DATAをOBSSからのデータ伝送、及びデータ伝送に対するACKフレーム伝送終了より短く維持する。また、MRはOBSSにおけるデータ伝送が終了した後、MTにACKフレームを伝送する。MTがMTとORの間の距離を判断することができないため、MTのPPDU伝送が、OTのACKフレームを含むPPDUがORに受信される際に及ぼす影響を判断することが難しいためである。
【0208】
OTがMU-RTSフレームを含むPPDUを伝送し、MU-RTSフレームに基づいて複数のOR SCTS(Simultaneous CTS)を含むPPDUを伝送する場合、無線通信端末が測定するSCTSフレームを含むPPDUの受信信号強度は、複数のORが伝送したPPDUの受信信号強度が合計された値である。よって、MTはSCTSフレームを含むPPDUの受信信号強度をスケーリングし、スケーリングした受信信号強度に基づいてSR動作を行う。詳しくは、MTはSCTSフレームを含むPPDUの受信信号強度をスケーリングし、スケーリングした受信信号強度に基づいてOBSS PD CCA閾値を調整する。この際、MTはMU-RTSフレームが示す受信無線通信端末の個数に基づいて受信信号強度をスケーリングする。他の具体的な実施例において、予め指定された値に基づいて受信信号強度をスケーリングする。
【0209】
無線通信端末はOBSSから伝送されたPPDUを受信し、該当PPDUにOBSS PD CCA閾値を適用してSR動作を行うか、OBSSから伝送されたいずれか一つのPPDUを受信し、OBSSから伝送される次のPPDUを受信する際にOBSS PD CCA閾値を適用してSR動作を行う。詳しくは、無線通信端末がコントロールフレームを含むPPDUを受信する際、無線通信端末は次の実施例のようにSR動作を行う。無線通信端末がOBSSから伝送された、コントロールフレームのみを含むPPDUを受信した場合、無線通信端末は該当PPDUに対してSR動作を行わずに、該当PPDUの受信信号強度のみを貯蔵する。この際、無線通信端末がOBSSから伝送された、コントロールフレームのみを含むPPDUを受信した後、OBSSから伝送されたデータフレームを含むPPDUを受信する場合、無線通信端末は以前貯蔵した受信信号強度に基づいてSR動作を行う。無線通信端末がOBSSから伝送された、コントロールMPDUとデータMPDU、またはマネージメントMPDUを共に含むPPDUを受信する場合、無線通信端末はPPDUのデュレーションが一定長さ以上であれば、該当PPDUを受信する際にSR動作を行う。この際、無線通信端末はL-SIGフィールドのL_LENGTHフィールドに基づき、PPDUのデュレーションを判断する。
【0210】
また、無線通信端末がデータフレームを含むPPDUを受信する場合、無線通信端末は次の実施例のようにSR動作を行う。詳しくは、無線通信端末が一つ以上のデータMPDUを含むPPDUを受信し、該当PPDUのデュレーションの長さが一定長さ以下であれば、無線通信端末は該当PPDUに対してSR動作を行わずに、該当PPDUの受信信号強度のみを貯蔵する。また、無線通信端末がデータフレームを含むPPDUを受信した後、コントロールフレームを含むPPDUを受信した場合、無線通信端末は該当PPDUに対するSR動作を行わずに、該当PPDUの受信信号強度のみを貯蔵する。この際、コントロールフレームはACKフレームである。OBSSに含まれた無線通信端末がデータフレームを伝送し、ACKフレームのようなコントロールフレームを受信することが、該当伝送シーケンスの初期に周辺BSSに受信信号強度を知らせるための動作であり得るためである。
【0211】
また、PPDUはSR動作が許容されないことを示す情報を含む。データフレーム伝送の前に伝送されるコントロールフレームを含むPPDUは、SR動作が許容されないことを示す情報を含む。また、無線通信端末は、OBSSから伝送されたPPDUが含むSR動作が許容されないことを示す情報に基づいてSR動作を行う。詳しくは、SR動作が許容されないことを示す情報を含むPPDUを受信した無線通信端末は、該当PPDUに対してSR動作を行わずに、受信信号強度のみを貯蔵する。また、上述したSR適用情報がSR動作が許容されないことを示す。
【0212】
図23は、本発明の実施例による無線通信端末の動作を示す図である。
【0213】
無線通信端末は、PPDUのシグナリングフィールドを受信するS2301。詳しくは、無線通信端末はPPDUの伝送を検出した後、PPDUの受信を開始し、PPDUのシグナリングフィールドを受信する。無線通信端末は、
図9、
図10、
図12、及び
図13を介して説明した実施例によってPPDUのシグナリングフィールドを受信する。
【0214】
無線通信端末は、PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSを識別する情報を判断するS2303。この際、PPDUのシグナリングフィールドは上述したHE-SIG-Aフィールドである。また、BSSを識別する情報は上述したBSSカラーである。
【0215】
無線通信端末は、BSSを識別する情報に基づいてSR動作を行うS2305。詳しくは、無線通信端末はBSSを識別する情報に基づいてチャネルにアクセスする。具体的な実施例において、無線通信端末は、BSSカラーに基づいて該当PPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。また、無線通信端末は、該当PPDUが含むMACヘッダのAddressフィールドに基づいて該当PPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。詳しくは、無線通信端末は、MACヘッダのAddressフィールドの伝送ステーションアドレスフィールド、受信ステーションアドレスフィールド、及びBSSIDフィールドのうちいずれか一つに基づいて、該当PPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。無線通信端末が含まれたBSSが多重BSSIDセットに含まれたBSSIDを有する場合、無線通信端末は受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する場合、多重BSSIDセットに含まれたBSSIDを無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDとみなす。また、無線通信端末は、受信したフレームがIntra-BSSフレームであるのか、またはInter-BSSフレームであるのかを判断する際、MACヘッダのAddressフィールドのIndividual/Groupビットを0に設定し、Addressフィールドの値と無線通信端末が含まれたBSSのBSSIDと比較する。
【0216】
PPDUのシグナリングフィールドが示すBSSを識別する情報に基づき、PPDUが含まれたBSSが無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第1判断と、PPDUが含むMACヘッダのAddressフィールドに基づいてPPDUが含まれたBSSが前記無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかを判断する第2判断が異なる場合、第2判断に基づいてPPDUが含まれたBSSが無線通信端末が含まれたBSSと同じであるのかについて判断する。無線通信端末は、
図7乃至
図8、及び
図15乃至
図16を介して説明した実施例によって、該当PPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのかを判断する。
【0217】
無線通信端末は、無線通信端末が受信したPPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのか、またはOBSSから伝送されたPPDUであるのかに応じてSR動作を行う。詳しくは、SR動作は、受信したPPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのか、または他のBSSから伝送されたPPDUであるのかに応じてチャネルにアクセスする動作を含む。具体的な実施例において、チャネルに接近する動作はCCA動作とデフェラル動作を含む。例えば、無線通信端末は、無線通信端末が受信したPPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのか、またはOBSSから伝送されたPPUDであるのかに応じて、CCA閾値を調整する。この際、無線通信端末はPD、ED、及びRDのうち少なくとも一つに基づいてCCA動作を行う。また、CCA閾値はPD CCA閾値、EC CCA閾値、及びRD CCA閾値のうち少なくともいずれか一つであってもよい。
【0218】
また、無線通信端末が主チャネルと副チャネルとに区分される周波数帯域を使用する場合、無線通信端末は主チャネルと副チャネルでCCA動作を行う。詳しくは、無線通信端末は、主チャネルで使用するCCAの閾値とは異なる他のCCA閾値を前記副チャネルで使用してもよい。この際、CCA閾値はPD CCA閾値であってもよい。また、無線通信端末は、主チャネルからPPDUが伝送されない場合、副チャネルから伝送されるPPDUは前記無線通信端末が含まれたBSSとは異なる他のBBSから伝送されたと判断する。詳しくは、無線通信端末が主チャネルと副チャネルとに区分される周波数帯域を使用する場合、無線通信端末は
図18乃至
図20を介して説明した実施例によって動作する。
【0219】
また、SR動作の際、無線通信端末はPPDUの伝送パワーを調節する。無線通信端末は、無線通信端末がアクセスポイントであるのか、またはアクセスポイントではない無線通信端末であるのかに基づいて伝送パワーを調節する。また、無線通信端末は、OBSSから伝送されたPPDUが含むフレームの種類に基づいて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。詳しくは、無線通信端末は、PPDUが含むフレームがコントロールフレームであるのか、またはデータフレームであるのかに応じて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。また、無線通信端末は、PPDUが含むフレームがトリガフレームであるのか、またはSCTSフレームであるのかに応じて伝送するPPDUの伝送パワーを調節する。具体的な実施例において、無線通信端末が受信したPPDUがOBSSから伝送されたトリガフレームを含む場合、無線通信端末はPPDUの受信信号強度を測定する。この際、無線通信端末はトリガフレームの伝送が完了された後、受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節し、PPDUを伝送する。詳しくは、無線通信端末はトリガフレームに基づいて伝送されるアップリンクPPDUが伝送される間、受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節し、PPDUを伝送する。具体的な実施例において、無線通信端末はトリガフレームが示すTXOPの間、受信信号強度に基づいて伝送パワーを調節し、PPDUを伝送する。
【0220】
また、PPDUのシグナリングフィールドは空間再利用動作の許容可否を示す情報を含み、SR動作の許容可否を示す情報に基づいてPPDUの伝送パワーを調節する。詳しくは、無線通信端末はSR動作許容可否を示す情報がSR動作許容を示す場合、PPDUの伝送パワーを調節する。詳しくは、SR動作許容可否を示す情報がSR動作が許容されないことを示す場合、無線通信端末は該当PPDUに関するSR動作を行わなくてもよい。この際、無線通信端末は該当PPDUの受信信号強度のみを保存する。また、PPDUのシグナリングフィールドは、PPDUの伝送パワーに関する情報を含む。伝送パワーに関する情報は、上述したTCIフィールドであってもよい。また、伝送パワーに関する情報は、PPDUの伝送に適用された伝送パワーを示す情報であってもよい。詳しくは、無線通信端末は、
図21乃至
図22を介して説明した実施例によって伝送パワーを調節する。
【0221】
また、無線通信端末は、無線通信端末が受信したPPDUが無線通信端末が含まれたBSSから伝送されたPPDUであるのか、またはOBSSから伝送されたPPDUであるのかに応じてパワーセーブ動作を行う。詳しくは、無線通信端末は、
図9乃至
図14を介して説明した実施例によってパワーセーブ動作を行う。
【0222】
これまで実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるが、必ずしも一つの実施例にのみ限定されない。なお、各実施例に例示されている特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例についても組み合わせられるかまたは変形されて実施されてもよい。よって、このような組み合わせと変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【0223】
これまで実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であって本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で前記に例示されていない様々な変形と応用が可能であることを理解できるはずである。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施されてもよいものである。そして、このような変形と応用に関する差は、添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。