(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-05
(45)【発行日】2022-09-13
(54)【発明の名称】特に作業車両のための棚システムと関連するコンテナ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/50 20170101AFI20220906BHJP
A47B 88/57 20170101ALI20220906BHJP
【FI】
A47B88/50
A47B88/57
(21)【出願番号】P 2020559012
(86)(22)【出願日】2019-01-08
(86)【国際出願番号】 EP2019050270
(87)【国際公開番号】W WO2019137878
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】102018100724.8
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520256189
【氏名又は名称】タノス ゲーエムベーハー ベルパッケン*オルドネン* プラーセンティエレン
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヴォール、ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】バラベーシュ、マルクス
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0313956(US,A1)
【文献】特開2006-341682(JP,A)
【文献】特開2002-065380(JP,A)
【文献】特表昭63-502322(JP,A)
【文献】登録実用新案第3057590(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102004005362(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
B60P 7/00- 7/18
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のための棚システムで
あって、
前面(12)、後面(14)、底面(16)、頂面(18)及び2つの側壁(20)を有する、少なくとも1つのコンテナ(10)を備え、
且つ
前記コンテナ(10)が後方の後退位置から前方の伸長位置への引き出し方向(A)に、それに沿って移動可能な、少なくとも1つのガイド要素(22)を備え、
少なくとも1つの後方ストップ(26)と少なくとも1つの前方ストップ(24)が前記コンテナ(10)に設けられて、前記少なくとも1つのガイド要素(22)に設けられたデッドストップ(36)と相互作用して、前記コンテナ(10)が所定の後方位置に留まり、
且つ前記引き出し方向(A)に動かす場合には所定の前方位置に留まるようになっており、且つ
前記ガイド要素(22)に設けられたガイド条片(30)に係合するための凹部(28)が前記コンテナ(10)の少なくとも1つの側壁(20)に設けられ
、少なくとも1つの凹部(28)は帯状部(42)によって底面を区切られた棚システムであって、
前記後方ストップ(26)は、前記帯状部(42)に下方向に突出するようにして配置され、これにより前記少なくとも1つの前方ストップ(24)と前記少なくとも1つの後方ストップ(26)は
前記凹部(28)より下に配置されることを特徴とする、棚システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの後方ストップ(26)は、前記コンテナ(10)を動かすときに前記ガイド要素(22)のガイドレール(34)上を摺動する摺動面(56)をその底面に有することを特徴とする、請求項1に記載の棚システム。
【請求項3】
前記ガイドレール(34)は、少なくとも1つのガイド要素(22)のガイド条片(30)より下に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の棚システム。
【請求項4】
少なくとも1つのガイド要素(22)は、前記ガイドレール(34)と前記ガイド条片(30)が配置される側面(32)を有することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の棚システム。
【請求項5】
前記ガイド条片(30)は前記ガイドレール(34)に対して後方へ片寄るように配置されることを特徴とする、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の棚システム。
【請求項6】
前記帯状部(42)の底面(44)は、前記コンテナ(10)の前記底面(16)にあるベース面(46)から上方に後退するように配置されることを特徴とする、請求項
1に記載の棚システム。
【請求項7】
前記後方ストップ(26)の前記摺動面(56)は、
ベース面(46)内にあることを特徴とする、請求項
2に記載の棚システム。
【請求項8】
前記所定の後方位置において前記コンテナ(10)の前記前面(12)を持ち上げて前記前方ストップ(24)を前記デッドストップ(36)より上に持ち上げることができる程度にまで、前記ガイド条片(30)は、前記帯状部(42)の前記頂面から離間するか、後方へ後退するかの少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項
1に記載の棚システム。
【請求項9】
前記所定の前方位置において前記コンテナ(10)の前記前面(12)を持ち上げて前記後方ストップ(26)を前記デッドストップ(36)より上に持ち上げることができる程度にまで、前記ガイド条片(30)は、前記帯状部(42)の前記頂面から離間するか、後方へ後退するかの少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項
1に記載の棚システム。
【請求項10】
前記ガイド要素(22)の前記ガイド条片
(30)の底面を支持するようにして当接するための当接部(58)が、少なくとも1つの側壁(20)の前記後面(14)に面する領域に設けられることを特徴とする、請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載の棚システム。
【請求項11】
当接部(58)は、前記帯状部(42)の延長として設けられ、かつ前記帯状部(42)の前記頂面より上の高さになっていることを特徴とする、請求項
1に記載の棚システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのガイド要素(22)の前記デッドストップ(36)は、前記ガイドレール(34)から前記引き出し方向に距離を置いて配置されることを特徴とする、請求項
2に記載の棚システム。
【請求項13】
前記デッドストップ(36)はその頂面に摺動面(54)を有し、前記コンテナ(10)が前記引き出し方向(A)に動かされるとき、前記帯状部(42)の前記底面がそれに沿って摺動することを特徴とする、請求項
1に記載の棚システム。
【請求項14】
前記コンテナ(10)は、前記デッドストップ(36)の前記頂面と相補的であって、前記所定の後方位置において前記デッドストップ(36)がそこに係合する受け部(48)を有することを特徴とする、請求項1~請求項
13のいずれか一項に記載の棚システム。
【請求項15】
前記受け部(48)は
前方ストップ(24)によって後方が区切られることを特徴とする、請求項
14に記載の棚システム。
【請求項16】
請求項1~請求項
15のいずれか一項に記載の棚システムのコンテナ(10)であって、
前記コンテナは、前面(12)、後面(14)、底面(16)、頂面(18)及び2つの側壁(20)を有し、
少なくとも1つの後方ストップ(26)と少なくとも1つの前方ストップ(24)が前記コンテナ(10)に設けられて、前記棚システムのガイド要素(22)に設けられた少なくとも1つの前記デッドストップ(36)と相互作用して、前記コンテナ(10)が所定の後方位置に留まり、前記引き出し方向(A)に動く場合には所定の前方位置に留まるようになっており、且つ
前記ガイド要素(22)に設けられたガイド条片(30)に係合するための凹部(28)が前記コンテナ(10)の少なくとも1つの側壁(20)に設けられており、
前記少なくとも1つの前方ストップ(24)と前記少なくとも1つの後方ストップ(26)は
前記凹部(28)より下に配置されることを特徴とする、コンテナ(10)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの後方ストップ(26)は、前記コンテナ(10)が動かされるとき、前記ガイド要素(22)のガイドレール(34)上を摺動する摺動面(56)をその底面に有することを特徴とする、請求項
16に記載のコンテナ(10)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの凹部(28)は帯状部(42)によって底面を区切られることを特徴とする、請求項
16又は請求項
17に記載のコンテナ(10)。
【請求項19】
前記帯状部(42)の
底面(44)が
コンテナ(10)の
底面(16)にあるベース面(46)から上方に後退するように
配置されることを特徴とする、請求項
18に記載のコンテナ(10)。
【請求項20】
前記ガイド要素(22)の前記ガイド条片(
30)の
底面(44)を支持するようにして当接するための当接部(58)が、少なくとも1つの側壁(20)の前記後面(14)に面する領域に設けられることを特徴とする、
請求項18または請求項19に記載のコンテナ(10)。
【請求項21】
前記当接部(58)は、前記帯状部(42)の延長として設けられ、かつ前記帯状部(42)の前記頂面より上の高さになっていることを特徴とする、請求項
20に記載のコンテナ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面、後面、底面、頂面及び2つの側壁を有する少なくとも1つのコンテナを備え、かつ、そのコンテナを後方の後退位置から前方の伸長位置への引き出し方向に沿って移動可能な少なくとも1つのガイド要素を備える、特に作業車両のための棚システムに関する。少なくとも1つの後方ストップと少なくとも1つの前方ストップがコンテナに設けられ、このストップが少なくとも1つのガイド要素に設けられたデッドストップと相互作用して、コンテナが所定の後方位置に留まり、引き出し方向に動かされる場合には所定の前方位置に留まるようになっている。コンテナの少なくとも1つの側壁には、ガイド要素に設けられたガイド条片(Fuehrungssteg)に係合するための少なくとも1つの凹部がある。本発明はそのような棚システムのためのコンテナにも関する。
【0002】
コンテナとして、箱、ケース、木枠、容器、又は物体を保持するためのその他の手段が使用可能である。
【背景技術】
【0003】
関連するコンテナを有するそのような棚システムは、例えば特許文献1から既知である。前方ストップと後方ストップを設けることにより、コンテナは特に2つの位置、すなわち固定された後方位置と所定の前方位置に留まることが可能である。こうして車両の棚システムに配置されるコンテナは、例えば車両が角を曲がる時に前方位置へ勝手に移動することも、棚システムの前方位置から落下することも防止できる。コンテナは、特に道具や機械の保管に使用可能である。コンテナは、道具や機械を含んだ状態で、簡単に車両に挿入したり、車両から取り外したりできなければならない。
【0004】
既知の棚システムにおいては、側壁の凹部内に前方及び後方のストップが設けられ、そこでガイド要素に設けられたガイド条片が係合する。ストップの底面とコンテナの底面に設けられた摺動レールとの間には距離があり、この距離は、ガイド要素のその個所に設けられた係止ラグの形のデッドストップの高さよりも大きい。結果として、係止ラグは凹部の内部の固定ストップと摺動レールの間に案内可能である。さらに、この従来技術によれば、コンテナは、移動する際にガイド要素が固定されている底面上を摺動する。
【0005】
作業車両に取り付けるには不向きではあるが、他の棚システムが例えば特許出願2又は特許文献3から既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第102004005362(A1)号明細書
【文献】欧州特許出願公開第00572971(A2)号明細書
【文献】特開平9-10048号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によって対処される問題は、従来技術の欠点を改善し、特に移動する際にコンテナが摺動する底面を必要としない、棚システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する棚システムによって解決される。具体的には、少なくとも1つの前方ストップと少なくとも1つの後方ストップが関連する凹部の下に配置される。これにより、コンテナの側壁に設けられた少なくとも1つの凹部をストップから空間的に離間させることができる。コンテナは好ましくは、前方位置で持ち上げることにより、棚システムから取り外し、あるいは少なくとも1つのガイド要素から取り外すことができる。
【0009】
したがって、ストップは、独国特許出願公開第102004005362(A1)号明細書による従来技術のように凹部の中にはなくて、その下、好ましくはコンテナの底面に自由にアクセス可能となるように配置される。ストップは好ましくは、下方向に延伸して、適切な形でデッドストップと相互作用可能なようになっている。関連する側壁に設けられる凹部は好ましくは、後方に向かって、すなわち引き出し方向とは逆方向に開放されており、関連する凹部と相互作用するガイド条片を、コンテナの挿入時に関連する凹部の中に導入可能である。
【0010】
2つのガイド要素は好ましくはコンテナの側面に設けられる。ガイド要素は有利には、コンテナがガイド要素上を好ましくは摺動して移動可能なように、所定位置に固定される。コンテナを所定の後方位置から前方位置に移動させるために、コンテナの前面を持ち上げて、前方ストップがデッドストップより上に上がるようにする必要がある。前方位置においては、後方ストップがデッドストップに当たり、コンテナを所定の前方位置に留まるようにさせる。更なるステップにおいて、コンテナを棚システムから取り外すために、後方ストップを持ち上げてデッドストップと係合しないようにすることができる。移動方向を横切る軸のまわりにコンテナを適切に回動させて、具体的にはコンテナを前面で再度持ち上げることにより、後方ストップの持ち上げが可能である。
【0011】
コンテナの安全かつ所定の移動を可能とするために、少なくとも後方ストップがその底面に摺動面を有して、コンテナを動かすときにそれがガイド要素のガイドレール上を摺動すれば有利である。摺動面とガイドレールの材料の組合せは、対応して摩擦係数が低くなるようなものであってよい。2つのガイドレールと2つの後方ストップが、コンテナの底面のその側壁の領域に設けられる場合、コンテナの重量は結果的に後方ストップを介してガイド要素から棚システムへ伝えられる。
【0012】
ガイド要素に関しては、ガイドレールがガイド条片の下に設けられれば有利である。ガイド条片は側面の凹部に係合する。後方ストップの摺動面はガイドレール上にある。
【0013】
また、ガイド要素に側面(Wange)があって、そこにガイドレールとガイド条片が配置されていれば有利である。側面は特に垂直に延在するように配置可能である。その場合ガイドレールとガイド条片が水平方向に延在する。側面は、具体的には適切な固定手段によって、フレーム又は壁に配置することができる。
【0014】
コンテナのガイドレールへの挿入を容易にするために、ガイド条片をガイドレールに対して後方に片寄るように配置すれば有利である。結果的に、コンテナが棚システムに挿入されると、コンテナの後面がガイドレール上に配置された後、後方に動かされてガイド条片がコンテナの凹部に係合するようになる。
【0015】
さらに、後方に開放されている凹部がその底面を、コンテナの関連する側壁上の帯状部(Stegabschnitt)によって区切られていれば、それも有利である。帯状部は好ましくは、引き出し方向に延在し、好ましくは、コンテナが挿入されると引き出し方向又はガイド条片又はガイドレールに平行に延在する。
【0016】
また、特に後方ストップが下側に突出するようにして帯状部に配置されていれば有利である。これにより安価で小型の設計となる。
【0017】
コンテナを配置するか重ねるときに、ストップ及び/又は帯状部への損傷を回避するために、関連する帯状部の底面が、コンテナの底面にあるベース面より上方向に後退して配置されていれば有利である。その結果、例えばコンテナがアスファルト又はその他の粗面上に配置された場合に、帯状部は確実に保護される。
【0018】
これに関して、特に関連する後方ストップの摺動面、及び/又は関連する前方ストップの底面がベース面内にあるか、それを超えて突出しなければ、それも有利である。その結果、特にコンテナが粗面上にある場合に、ストップを保護することができる。
【0019】
コンテナを後方位置から前方位置へスムーズに移動可能とするために、ガイド条片がある程度だけ帯状部の頂面から離間するか、且つ/又は後方へ片寄っていて、所定の後方位置において、前方ストップがデッドストップの上になるまでコンテナの前面を持ち上げることができれば有利である。そうしてコンテナを、後方ストップがデッドストップに突き当たって引き出し位置に達するまで簡単に前方に引き出すことができる。
【0020】
コンテナを棚システムから取り外すために、ガイド条片がある程度だけ帯状部の頂面から離間するか、及び/又は後方へ後退していて、所定前方位置において、後方ストップがデッドストップの上になるまでコンテナの前面を持ち上げることができれば有利である。この位置において、次にコンテナを前方に引いて、ガイド要素から最終的に取り外すことが可能である。
【0021】
ストップ部が、少なくとも1つの側壁、好ましくは両方の側壁の、後ろ側に面する領域において、ガイド要素のガイド条片の底面に対して支持する形で当接するように設けられていれば、さらに有利である。コンテナ側の当接部が、ガイド要素側のガイド条片の底面と相互作用することで、コンテナを引き出すときに、コンテナの前面が転倒することが防止される。前方のコンテナの引き出し位置においても、当接部がガイド条片の底面に作用して、転倒に対抗する抗力が与えられるような配置であることが好ましい。コンテナが引き出されるときに当接部と相互作用する領域において、帯状部を強化することも考慮可能である。
【0022】
当接部は好ましくは、帯状部の延長として、あるいは、そこに一体的に形成される。当接部の頂面は有利には、帯状部より持ち上がっていて、当接部とガイド条片の底面との間に画定された当接面があるようにすることができる。
【0023】
本発明の更なる実施形態によると、ガイド要素上のデッドストップは、ガイドレールから引き出し方向にある距離を置いて配置される。こうして、ガイドレール上に堆積し得る汚れをデッドストップとガイドレールの間の空隙を通して排出可能である。
【0024】
デッドストップは次に、その頂面に摺動面を有し、コンテナを引き出し方向に動かすとき、それに沿って帯状部の底面が摺動する。したがって、コンテナの重量は移動時には、最初に後方ストップを介し、その後デッドストップを介して関連するガイド要素に伝達されるので有利である。
【0025】
コンテナが後退した後方位置にしっかりと留まるようにするために、コンテナの底面に、デッドストップの頂面に対して相補的な受け部を設けて、所定の後部位置においてデッドストップが係合するようにすることも考えられる。コンテナを後退位置から移動させるために、前述したようにコンテナの前面を持ち上げて、コンテナの前方ストップがデッドストップより上に上がるようにすることができる。
【0026】
後方の後退位置においてデッドストップが留まる受け部は、コンテナの前方ストップで区切られることが考えられる。
【0027】
上記の問題点もまた、本発明による棚システムのコンテナによって解決される。本コンテナは、コンテナに関して上で述べたすべての特徴を有することができる。この種のコンテナは、側壁にガイド条片を係合するための凹部を有し、また前方ストップ及び後方ストップが関連する凹部より低く配置されることを特に特徴とする。さらに、後方ストップはまた、その底面に摺動面を有することができ、コンテナが移動するときにガイド要素のガイドレール上を摺動する。本コンテナの更なる有利な実施形態は、具体的にはコンテナに関する特許請求の範囲からも生じる。
【0028】
本発明の更なる詳細及び有利な実施形態は、以下の説明に見ることができる。それに基づいて、本発明の一実施形態がより詳細に記述及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】コンテナとガイド要素を有する、本発明による棚システムの斜視図である。
【
図3】
図1及び
図2による棚システムのガイド要素の詳細図である。
【
図4】
図1及び
図2による棚システムのコンテナの斜視図である。
【
図6】
図2の線VIに沿う断面図であり、ここではコンテナが後退した、後方位置にある。
【
図7】
図2の線VIIに沿う断面図であり、ここではコンテナが前方の、伸長位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図に示す棚システムは、ケース、箱などとして設計され得る、模式的に表示されたコンテナ10を備える。このコンテナは特に、道具や機械の輸送用に提供され得る。
【0031】
コンテナ10は、前面12、後面14、底面16、頂面18及び2つの対向する側壁20を有する。この棚システムはさらに、コンテナ10の側部に配置された2つのガイド要素22を備える。後で更に説明するように、コンテナ10はガイド要素22に沿って、
図6に示すような後方の後退位置から、
図7に示すような前方の伸長位置へ移動可能である。
【0032】
コンテナ10が
図6に示す後方位置に確実に留まるために、2つの前方ストップ24がコンテナ10の底面16の側壁20の領域に設けられる。コンテナ10が
図7に示す前方の伸長位置に確実に留まるために、2つの後方ストップ26がコンテナ10の底面16の、これもまた側壁20の領域に設けられる。
【0033】
特に
図4及び
図5から明らかなように、後面14に向かって開放された凹部28がコンテナ10の各側壁20に設けられる。特に
図6及び
図7から明らかなように、ガイド要素22に設けられたガイド条片30が凹部28で係合する。
【0034】
また
図4~
図7から明らかなように、ストップ24、26は凹部28の内部ではなく、その下側に配置され、凹部28の外の下方向に延在する。
【0035】
特に
図3から明らかなように、ガイド要素22には側面32があり、そこにガイド条片30と、そのガイド条片30に平行で、寸法dだけガイド条片30の下に配置されて延在するガイドレールとが設けられる。ガイド条片30は、ガイドレール34に対して寸法cだけ後方へ片寄るようにして配置される。デッドストップ36もまた側面32に設けられて、このデッドストップが後退した後方位置において前方ストップ24と相互作用し、また前方の伸長位置において後方ストップ26と相互作用する。
【0036】
また
図3から明らかなように、側面32には固定穴38も設けられて、これによりガイド要素22を、例えばフレームへ固定することができる。組み立てた状態では、側面は垂直方向に配置され、そうして関連するガイド条片30及び関連するガイドレール34が垂直方向に延在する。これもまた
図3から明らかなように、デッドストップ36が、ガイドレール34から空隙40だけ離間して配置される。その結果、ガイドレール34上に堆積し得る汚れを、デッドストップ36とガイドレール34の間の空隙を通って下方向へ排出可能である。
【0037】
図4~
図7から明らかなように、凹部28は帯状部42によって底面を区切られている。帯状部42はコンテナ10の引き出し方向に延在する。関連する後方ストップ26は、帯状部42から下向きに突出するように配置される。さらに、帯状部の底面44は、コンテナ10の底面16により形成されるベース面46にはなく、寸法aだけ上方へ後退している。
【0038】
図4及び
図5から、コンテナ10には、デッドストップ36の頂面に相補的になった受け部48があることが明らかである。
図6に示す所定の後方位置において、楔形の断面であるデッドストップ36の頂面が、受け部48に係合して、コンテナ10がこの後方位置に留まるようになっている。受け部48はその後方を前方ストップ24によって区切られている。
【0039】
コンテナ10が後方へ行き過ぎないようにするために、受け部28には、挿入方向に直交して延在する停止面50がある。
図6に示す挿入位置において、ガイド条片30の前方自由端52が停止面50に当接するようになる。
【0040】
図6に示す後方の所定位置から
図7に示す前方位置へコンテナ10を動かすために、コンテナ10の前面12を持ち上げて、最初に前方ストップ24が関連のデッドストップ26の上に上がるようにしなければならない。このために、ガイド条片30はこのような持ち上がりが可能となるような程度だけ帯状部34の上面から離間し、またそのような程度だけ後方へ片寄っている。
【0041】
前方ストップ24がデッドストップ36の上方に持ち上げられると、コンテナ10は引き出し方向Aへ動かすことができる。この場合、後方ストップ26の底面に設けられた摺動面56がガイド要素22のガイドレール34上を摺動する。同時に、帯状部42の底面44が、これもまた摺動面54として設計された、デッドストップの上面を摺動する。コンテナ10を引き出すときに、コンテナ10の前面12の転倒を防止するために、各側壁20に当接部58が設けられて、関連するガイド条片30の底面に支持される。関連する当接部58は、関連する帯状部42の延長部として関連する側壁20の後方端に設けられる。関連する当接部58の上面は、
図5に示すように関連する帯状部42の上面よりも寸法bだけ上にある。
【0042】
図7に示すように、後方ストップ26は、所定の前方位置においてデッドストップ36に当接する。さらに、当接部58は、そのガイド条片の端部領域52においてガイド条片30に当接する。コンテナ10をガイド要素22から取り外す、あるいは棚システムから取り外すために、コンテナ10の前面12を再度持ち上げて、後方ストップ26がデッドストップ36より上に持ち上げられる程度に、
図7に示す前方の所定位置から前進させることができる。コンテナ10の前面12がその後再び降ろされると、後方ストップ26がデッドストップ36の楔形頂面を前方かつ下方向に摺動する。同時に、当接部58がガイド条片42の自由端52の有効範囲の外へ移動し、コンテナ10は最終的に手動で簡単に取り外すことができる。
【0043】
次にコンテナ10を棚システムに再挿入する場合、後方に開放された凹部28を有する後面14をガイド要素22に配置して、ガイド条片30の自由端52が凹部28内に入るようにする。それに応じてコンテナ10を後方へ押すことにより、後方ストップ26が先ずデッドストップ26の楔形頂面上を摺動する。そうして、コンテナ10が引き出し方向Aの逆方向に更に移動し、前方ストップ24もまた摺動して、最終的にデッドストップ36が受け部48内に停止する。